JP2014053232A - 温度ヒューズの溶接方法 - Google Patents

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浩平 長藤
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Abstract

【課題】切断温度の低い温度ヒューズであっても安定して外部端子に溶接することができる温度ヒューズの溶接方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】端子電極13と外部端子14とを重ね合わせ、端子電極13と当接する受け台15と、外部端子14と当接する押さえ板16とにより、端子電極13と外部端子14とを押圧し、押さえ板16に設けた透孔17を通して外部端子14にレーザ光21を照射することにより、端子電極13と外部端子14とを溶接するものであり、このようにすることにより、切断温度の低い温度ヒューズであっても安定して溶接することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン電池やリチウムポリマー電池等の2次電池に用いられる温度ヒューズの溶接方法に関するものである。
近年携帯電話、ノート型パソコン等の携帯型電子機器にリチウムイオン電池やリチウムポリマー電池等の2次電池が多く用いられている。リチウムイオン電池等の2次電池では、安全性の観点から、高温になったときに電流を遮断することが求められている。そのためこれらの2次電池には、所定の温度で電流を遮断し、復帰しないように温度ヒューズが用いられている。この温度ヒューズの使い方として、発熱源である電極に近い部分に抵抗溶接により取り付けることが行われている。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2003−45492号公報
しかしながら、さらなる安全性のため、従来よりも低い温度で電流を遮断する温度ヒューズが求められる一方、大電流に耐えられかつ、小型化が求められている。そこで、温度ヒューズの大電流化のために、端子材料を従来のニッケルから銅に変更する動きがある。端子材料に銅を用いると、熱伝導性が高いため、抵抗溶接時の熱が可溶体に伝わりやすくなる。また、小型化に対応するため端子電極を短くする動きもある。端子電極を短くすると、必然的に溶接部と可溶体の距離も短くなり、溶接時の熱が、伝わりやすくなり、加えて、可溶体の溶融温度が低くなると、その影響は、さらに受けやすくなる。本発明はこの課題に対して、温度ヒューズを安定して外部端子に溶接する方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために、可溶体を封入した本体部と、この本体部の両側から導出された平板状の端子電極とを有する温度ヒューズと、外部端子とを溶接する方法であって、端子電極と外部端子とを重ね合わせ、端子電極と当接する受け台と、外部端子と当接する押さえ板とにより、端子電極と外部端子とを押圧し、押さえ板に設けた透孔を通して外部端子にレーザ光を照射することにより、端子電極と外部端子とを溶接するようにしたものである。
上記構成により、溶接により発生した熱のより多くを、端子電極と当接する押さえ板に伝熱することができ、可溶体に伝わる熱を少なくすることができ、溶接の熱による可溶体へのダメージを低減することができる。
本発明の一実施の形態における温度ヒューズの溶接方法を示す図 本発明の一実施の形態における温度ヒューズの別の溶接方法を示す図
以下、本発明の一実施の形態における温度ヒューズの溶接方法について、図面を参照しながら説明する。
本発明において用いられる温度ヒューズは、図1のように、一対の端子電極13の間に橋絡するように接合された可溶体11の周囲にフラックス19を入れ、絶縁フィルム20で封止し、本体部12としたものである。ここで端子電極13は厚さ約0.1mm、幅約2.3mmの銅板からなり、可溶体11はSn−Bi−In合金からなり、その溶融温度は80〜100℃のものを用いている。なお端子電極13の表面には、銅の酸化を防ぐために、錫等のメッキ層を設けておくことが望ましい。
図1のように、受け台15の上に端子電極13が載るように温度ヒューズを配置し、端子電極13に外部端子14を重ねる。外部端子14は厚さ約0.1mmのニッケル板からなり、その幅は端子電極13の幅と同等のものとなっている。このように端子電極13に外部端子14を重ねた状態で外部端子14の上から押さえ板16で押圧する。押さえ板16には大きさ約Φ0.3mmの透孔17がその幅方向に2ヶ設けられている。
受け台15および押さえ板16は、ともにアルミニウムからなり、その幅方向の長さは、端子電極13および外部端子14の幅方向の長さよりも大きくしている。
溶接時には、透孔17を通してYAGレーザによるレーザ光21を外部端子14表面に集光させることにより、外部端子14と端子電極13とを溶接する。透孔17の大きさは、位置精度も含め、レーザ光21が通れば問題なく、できるだけ小さいことが望ましい。
このように押さえ板16により押さえることにより、外部端子14と端子電極13とを密着させることができ、レーザ光21を照射して溶接する際に、最小限のエネルギーで溶接することができ、このことにより発生する熱も最小限とすることができる。さらに受け台15と端子電極13、押さえ板16と外部端子14も密着しているため、溶接時に発生した熱は、受け台15および押さえ板16の方に逃がすことができ、可溶体11の方に伝わる熱を抑制することができ、溶接時の熱による可溶体11へのダメージを低減することができる。
さらに溶接時の熱による可溶体11へのダメージを低減するためには、図2のようにすることが望ましい。図2では温度ヒューズおよびレーザ照射方法等については図1と同様に構成し、受け台15の端子電極13と接触する面にはアルミニウムの母材の表面にグラファイトシート18を貼り合せている。このグラファイトシート18は、端子電極13と接触する面以外の面にも貼り合せられていることが望ましい。さらに押さえ板16の外部端子14と接触する面にもグラファイトシート18を貼り合せることがより望ましい。この場合押さえ板16の透孔17を設けた部分に接するグラファイトシート18にも同様に透孔を設ける。このようにすることによりレーザ光21を直接外部端子14に照射することができる。
端子電極13に用いている銅の熱伝導率は、約400W/m・Kであるのに対し、例えば厚さ約25μmの熱分解グラファイトシートではその面方向への熱伝導率は、約1600W/m・Kと4倍にもなっているため、溶接時に端子電極13の方に流れてきた熱は、端子電極13に接するグラファイトシート18に伝わり、周辺に拡散する。そのため溶接時に発生した熱の、可溶体11の方に伝わる熱を抑制することができ、溶接時の熱による可溶体11へのダメージを低減することができる。またこのグラファイトシート18は放熱性にも優れるため、速やかに空気中に放熱できるため、連続で溶接しても熱が蓄積されることは無く、連続稼動させることができる。
本発明に係る温度ヒューズの溶接方法は、小型化し、切断温度の低い温度ヒューズであっても安定して外部端子に溶接することができ、産業上有用である。
11 可溶体
12 本体部
13 端子電極
14 外部端子
15 受け台
16 押さえ板
17 透孔
18 グラファイトシート
19 フラックス
20 絶縁フィルム
21 レーザ光

Claims (2)

  1. 可溶体を封入した本体部と、この本体部の両側から導出された平板状の端子電極とを有する温度ヒューズと、外部端子とを溶接する方法であって、前記端子電極と前記外部端子とを重ね合わせ、前記端子電極と当接する受け台と、前記外部端子と当接する押さえ板とにより、前記端子電極と前記外部端子とを押圧し、前記押さえ板に設けた透孔を通して前記外部端子にレーザ光を照射することにより、前記端子電極と前記外部端子とを溶接することを特徴とする温度ヒューズの溶接方法。
  2. 前記受け台の表面には、前記端子電極よりも熱伝導率の高いものを用いたことを特徴とする請求項1記載の温度ヒューズの溶接方法。
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