JP2014052357A - 車両用電子制御装置の検証装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】再現性を高めて、適正に検証を行えるようにした車両用電子制御装置の検証装置を提供する。
【解決手段】本体操作用PCからのエンジン運転モードに応じた指令に基づいて、エンジンが通常運転(正回転)であるか、揺り戻し(逆回転)を生じているかを判定し、通常運転時と判定されたときは、正回転用パターンの回転信号を出力し、揺り戻し時と判定されたときは、正回転用パターンとは異なる(パルス幅が相違する)逆回転用パターンの回転信号を出力する。
【選択図】図6

Description

本発明は、車両に搭載される電子制御装置に、車両動作状態の模擬信号を出力して機能検証を行う車両用電子制御装置の検証装置に関する。
車両の電子制御装置では、開発中の検証段階などで、制御対象を模した検証装置を使用する場合があるが、制御装置に複数の仕様が存在する場合には、各々の仕様(又は評価する機能)に応じた構成の検証装置を用いる必要がある。
この種の検証装置として、特許文献1では、電子制御装置のデバッグ処理においてエンジン回転数に応じたシミュレーションを開始する際には、クランク角度を時間周期で計算したエンジン回転同期の処理で行っている。
特開平6−213772号
ところで、特許文献1等に示されるこの種の検証装置では、一定以上のエンジン回転状態を主に対象としており、エンジンの急激な過渡運転や、回転停止時の挙動を再現させる場合、状況によっては設定が困難な場合があり、検証作業が効率的に行えない場合があった。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、模擬信号を適正に生成することにより、通常の模擬信号では再現の難しい状況でも、再現性を高めて、適正に検証を行えるようにした車両用電子制御装置の検証装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明は、車両の動作状態を模擬する信号を生成して車両に搭載される電子制御装置の機能検証を行う車両用電子制御装置の検証装置であって、
前記車両で動作に同期して電子制御装置に入力される原信号を模擬して生成される模擬信号に対し、前記原信号の仕様に応じて信号パターンを変更する機能を有することを特徴とする。
エンジン回転信号等、動作に同期して生成される模擬信号に対し、原信号の仕様に応じて設定された信号パターンに切り換えることができるので、エンジンの急激な過渡運転や、回転停止時の挙動など、同一信号パターンでは再現の困難な状況の再現が行え、検証機能を高めることができる。
本発明に係る検証装置によって検証が行われる電子制御装置(ECU)を搭載した車両用エンジンの構成図である。 同上エンジンにおけるクランク角センサ及びカムセンサの構造を示す図である。 同上エンジンにおけるクランク角センサ及びカムセンサの出力特性を示すタイムチャートである。 同上エンジンにおける回転信号の正回転・逆回転によるパルス幅・振幅の違いを示すタイムチャートである。 本発明に係る検出装置の概要を示す図である。 正回転と逆回転とを判別可能な模擬回転信号を出力する第1実施形態のフローチャート及び模擬回転信号の2通りの例を示すタイムチャートである。 エンジン停止状態をより正確に検出できるようにした第2実施形態のフローチャート及びエンジン停止用パターンの模擬信号を示すタイムチャートである。 エンジン高回転時の検証精度を高めた第3実施形態のフローチャートである。 エンジン低回転時の検証を確保する第4実施形態のフローチャートである。 高回転時に第2及び第3実施形態とは別の方式で検証精度を確保する第5実施形態のフローチャートである。 ECUからフィードバックされた信号に基づいて正回転、逆回転を判別する第6の実施形態のフローチャートである。 バラツキに応じて実機のクランクセンサからECUに出力される回転信号に近づける補正を行うようにした第7実施形態のフローチャートである。 バラツキに応じて、出力パルスのデューティ比補正、周期補正及びこれらを組み合わせた補正を示すタイムチャートである。
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る検証装置によって検証が行われる電子制御装置(ECU)を搭載した車両用エンジン101の構成図である。尚、本例において、エンジン101は、直列4気筒の4サイクルエンジンであるが、本例に限定されない。
図1において、エンジン(内燃機関)101の吸気管102には、スロットルモータ103aでスロットルバルブ103bを開閉駆動する電子制御スロットル103を介装してある。
そして、エンジン101は、電子制御スロットル103及び吸気バルブ105を介して、各気筒の燃焼室106内に空気を吸入する。
各気筒の吸気ポート130に、燃料噴射弁131を設けてあり、燃料噴射弁131は、制御装置としてのECU(エンジン・コントロール・ユニット)114からの噴射パルス信号によって開弁動作し、燃料を噴射する。
燃焼室106内の燃料は、点火プラグ104による火花点火によって着火燃焼する。点火プラグ104それぞれには、点火コイル及び該点火コイルへの通電を制御するパワートランジスタを内蔵した点火モジュール112を装着してある。
燃焼室106内の燃焼ガスは、排気バルブ107を介して排気管111に流出する。排気管111に設けたフロント触媒コンバータ108及びリア触媒コンバータ109は、排気管111を流れる排気を浄化する。
吸気カム軸134,排気カム軸110は、一体的にカムを備え、このカムによって吸気バルブ105及び排気バルブ107を動作させる。
吸気バルブ105は、アクチュエータを用いて吸気カム軸134をクランク軸120に対して相対回転させる可変バルブタイミング機構(VTC)113により、バルブタイミングが可変に制御される。
ECU114は、上述したように本発明に係る検証装置によって検証が行われる電子制御装置である。該ECU114は、マイクロコンピュータを内蔵し、予めメモリに記憶したプログラムに従って演算を行い、電子制御スロットル103,燃料噴射弁131,点火モジュール112などを制御する。
ECU114は、各種のセンサからの検出信号を入力する。各種のセンサとして、アクセルペダル116aの開度(アクセル開度)ACCを検出するアクセル開度センサ116、エンジン101の吸入空気量Qを検出するエアフローセンサ115、エンジン101の出力軸であるクランク軸120の回転に応じてパルス状の回転信号(単位クランク角信号)POSを出力するクランク角センサ(回転センサ)117、スロットルバルブ103bの開度TVOを検出するスロットルセンサ118、エンジン101の冷却水の温度TWを検出する水温センサ119、吸気カム軸134の回転に応じてパルス状のカム信号PHASEを出力するカムセンサ133、車両の運転者がブレーキペダル121を踏み込んだ制動状態においてオンになるブレーキスイッチ122、エンジン101を動力源とする車両の走行速度(車速)VSPを検出する車速センサ123などを設けている。
図2は、クランク角センサ117及びカムセンサ133の構造を示す。
クランク角センサ117は、クランク軸120に軸支され、周囲に被検出部としての突起部151を備えるシグナルプレート152と、エンジン101側に固定され、突起部151を検出して回転信号POSを出力する回転検出装置153とで構成される。
シグナルプレート152の突起部151は、クランク角で10degのピッチで等間隔に形成してあるが、突起部151を連続して2つ欠落させてある部分を、クランク軸120の回転中心を挟んで対向する2箇所に設けてある。
上記構造により、クランク角センサ117(回転検出装置153)が出力する回転信号POSは、図3に示すように、クランク角で10deg(単位クランク角)毎に16回連続してハイレベルに変化した後、30deg間ローレベルを保持し、再度16回連続してハイレベルに変化する。
従って、クランク角30degであるローレベル期間(歯抜け領域、欠落部分)後の最初の回転信号POSは、クランク角180deg間隔で出力されることになり、このクランク角180degは、本実施形態の4気筒エンジン101における気筒間の行程位相差、換言すれば、点火間隔に相当する。
また、本実施形態では、クランク角センサ117が、クランク角30degであるローレベル期間後(歯抜け領域)の最初の回転信号POSを、各気筒の上死点前50deg(BTDC50deg)のピストン位置で出力するように設定してある。
一方、カムセンサ133は、吸気カム軸134の端部に軸支され、周囲に被検出部としての突起部157を備えたシグナルプレート158と、エンジン101側に固定され、突起部157を検出してカム信号PHASEを出力する回転検出装置159とで構成される。
シグナルプレート158の突起部157は、カム角で90deg毎の4箇所それぞれに、1個、3個、4個、2個ずつ設けられ、これら突起部157を検知して1個単独、3個連続、4個連続、2個連続にハイレベルに変化するカム信号PHASEが出力される。
また、1個単独のカム信号PHASE、及び、複数連続して出力されるカム信号PHASEの先頭の信号は、クランク角で180deg間隔に出力され、かつ、1個単独、3個連続、4個連続、2個連続の出力パターンが、ある気筒の上死点TDCと次の気筒の上死点TDCとの間でそれぞれ出力されるようにしてある。なお、VTC113によって、吸気バルブ105のバルブタイミングを変更しても、カム信号PHASEの出力位置が上死点TDCを横切って変化することがないように、バルブタイミングの変更範囲を見込んでカム信号PHASEの出力位置及び出力間隔を設定してある。
各上死点TDCの間で出力するカム信号PHASEの連続出力数は、次に圧縮上死点となる気筒番号を示し、例えば、今回の上死点TDCと前回の上死点TDCとの間で、カム信号PHASEを3個連続して出力した場合には、今回の上死点TDCは、第3気筒の圧縮上死点TDCであることを示す。
本例の4気筒エンジン101では、点火を第1気筒→第3気筒→第4気筒→第2気筒の順で行うので、上死点TDC間で出力されるカム信号PHASEの出力パターンは、図3に示すように、1個単独、3個連続、4個連続、2個連続の順に設定してある。
ECU114は、例えば、回転信号POSの歯抜け箇所を回転信号POSの周期変化などから判断し、この歯抜け位置を基準に、回転信号POSの発生数を計数することで、上死点TDC(基準クランク角位置REF)を検出する。
そして、ECU114は、上死点TDC間でカム信号PHASEの出力数を計数することで、次にピストンの位置が圧縮上死点TDC(所定ピストン位置)となる気筒を判別すると共に、上死点TDCからの回転信号POSの発生数を計数し、該計数値CNTPOSに基づいてそのときのクランク角を検出する。
圧縮上死点TDCの気筒及びクランク角を検出すると、ECU114は、燃料噴射及び点火を行わせる気筒、更に、燃料噴射タイミング及び点火タイミングを決定し、前記計数値CNTPOSに基づいて検出されるクランク軸120の角度(クランク角)に応じて噴射パルス信号や点火制御信号を出力する。
また、基準クランク角位置から1個単独のカム信号PHASE、又は、複数連続して出力されるカム信号PHASEの先頭の信号までの回転信号POSの発生数をカウントすることにより、VTC113によって変更されるクランク軸120に対する吸気カム軸134の回転位相(吸気バルブ105の実バルブタイミング)を検出することができ、この検出値に基づいて、バルブタイミングを目標値に近づけるようにフィードバック制御することができる。
ところで、エンジン101(クランク軸120)が正方向に回転(正転)している場合には、回転信号POSの発生が、クランク軸120が10degだけ正転したことを示し、基準クランク角位置からの回転信号POSの発生数が、基準クランク角位置からのクランク軸120の回転角度を示すことになる。
しかし、エンジン101の停止直前には、筒内の圧縮圧などによってエンジン101(クランク軸120)が逆方向に回転(逆転)する場合があり、係る逆転時にも正転時と同様に回転信号POSの発生数を計数し続けると、クランク軸120の角度位置(クランク角)を誤検出することになってしまう。
そこで、エンジン101(クランク軸120)の正転・逆転を判別できるように、クランク角センサ117(回転検出装置153)が、クランク軸120の正転時と逆転時とで識別可能な回転信号POS(パルス信号)を出力するようにしてある(図4(A)参照)。
例えば、回転軸の回転方向によってパルス幅の異なるパルス信号を発生させる手段として、例えば特開2001−165951号公報に開示される手段を用いる。具体的には、シグナルプレート152の突起部151の検出パルス信号として、相互に位相がずれた2つの信号を発生させ、これらの信号を比較することで正転・逆転を判定し、相互に異なるパルス幅WIPOSに生成される2つのパルス信号のいずれか一方を、正転・逆転の判定結果に基づいて選択して出力させるようにする。
ECU114では、回転信号POSのパルス幅WIPOSを計測し、パルス幅の計測値WIPOSと、正転・逆転の判別閾値である閾値SLとを比較することで、正転時のパルス幅WIPOSであるか、逆転時のパルス幅WIPOSであるかを判断し、クランク軸120が正転しているか逆転しているかを判別する。
正転・逆転の判別に用いる閾値SLは、正転時のパルス幅WIPOSと逆転時のパルス幅WIPOSとの中間値(例えば、55μs〜80μs)に設定され、正転時のパルス幅WIPOSよりも逆転時のパルス幅WIPOSが長い本実施形態では、パルス幅WIPOSが前記閾値SL以上であれば、逆転状態であると判断し、パルス幅WIPOSが前記閾値SL未満であれば、正転状態であると判断する。
また、回転信号POSの振幅(信号レベル)が正転・逆転で異なるようにして、振幅(信号レベル)の違いによって正転・逆転を判別することもできる(例えば、逆転時にHIGHレベルを下げ、または、LOWレベルを上げる。図4(B),(C)参照)。
上記のように構成されるECU114を、検証装置(HILS)によって検証する。検証装置は、ECU114の制御対象である実機(車両及びエンジン)と同様に、ECU114との間で信号を授受しつつ、所望のシミュレーションを実現するためのシステムである。なお、通常は、開発過程にあるECUについて検証するが、完成品のECUについて、メンテナンスのため検証を行うこともできる。
図5に示すように、本検証装置は、ECU114に接続される検証装置本体(HILS本体)201と本体操作用PC(PC:パソコン)202とを備え、本体操作用PC202は、運転条件(モード)に応じた指令をHILS本体201に出力する。
HILS本体201は、本体操作用PC202から入力した指令及びECU114からフィードバックされたアクチュエータ等の制御信号に基づいて、実機においてセンサ等からECU114に入力される信号の模擬信号を生成し、ECU114に出力する。
ECU114は、HILS本体201から入力した模擬信号に基づき運転状態に応じたアクチュエータ等の制御信号をHILS本体操作用PC202に出力する。
本体操作用PC202は、ECU114からの制御信号を入力し、元の運転条件から想定される制御信号と比較し、ECU114の処理機能が正常であるか否かを検証する。
また、ECU114からの制御信号は、上述したように、本体操作用PC202を介してHILS本体201にフィードバックされ、新たな模擬信号の生成に用いられる。
ここで、以下に示す実施形態では、エンジン回転に同期して出力されるクランク角センサまたはカムセンサからの回転信号(原信号)の模擬信号を、本体操作用PC202からの指令によって、原信号の仕様に応じて信号パターンを変更するように構成される。
以下、HILS本体201よって、模擬信号を生成して出力する実施形態について説明する。
図6(A)は、上記エンジン101に対応して正回転と逆回転とを判別可能な模擬回転信号を出力する第1実施形態のフローを示す。
ステップ1では、エンジン運転状態を判別する。具体的には、本体操作用PC201からのエンジン運転モードに応じた指令に基づいて、エンジンが通常運転(正回転)であるか、揺り戻し(逆回転)を生じているかを判定する。
エンジン運転モードに応じた指令では、例えば、通常運転時はエンジンの回転数(クランク軸回転数、カム軸回転数)を正数、揺り戻し時は、負数として正負に応じて判定させ、あるいは、スイッチ等で通常運転時と揺り戻し時とを切り換えるようにしてもよい。また、エンジン回転数とは異なる判別用データとしたり、回転数データの一部を用いて判別させてもよい。
そして、通常運転時と判定されたときはステップ2へ進んで、正回転用パターンの回転信号を出力し、揺り戻し時と判定されたときはステップ3へ進んで、逆回転用パターンの回転信号を出力する。例えば、回転数に応じた周期,パルス幅を有する回転信号を発生し、ECU114に、正回転と逆回転とを区別できる異なるパターンの回転数信号(模擬信号)を出力する。上記したように、ECU114が、クランク角センサ117から出力される回転信号のパルス幅が正回転時と逆回転時とで相違するように構成した場合には、同様にパルス幅が正回転時と逆回転時とで相違する模擬信号を出力する(図6(B)参照)。
このように、第1実施形態によれば、クランク角センサ117の仕様に応じて、クランク角センサ117から出力される信号と同様のパターンの模擬信号を生成することにより、該模擬信号を入力したECU114は、正回転と逆回転とを正しく判別することができる。これにより、エンジンを停止させる極低回転時など、逆回転を生じる運転状況でのECU114の動作を検証することが可能となる。
また、特許文献1のように、大きなクランク角度間のクランク角度を補間演算して時間周期で回転同期の割り込み処理を行わせると、実車両に比べて演算による制御遅れが発生し、また、回転変動の大きい過渡時には、エンジン回転同期の処理を精度の良いタイミングで行わせることが難しく、回転変動の大きい過渡時では制御の追従性を検証することが困難であった。
これに対し、本実施形態では、クランク角センサ117と同じく、回転信号(POS信号)を、微小な単位クランク角毎にエンジン回転に同期させて出力するように模擬信号が生成される。したがって、上記のように、逆回転を生じる極低回転時も含め、回転変動の大きい低回転時における状況での制御の追従性等も精度よく検証することができる。
なお、上述したように、クランク角センサからの回転信号POSの振幅(信号レベル)の違いによって正回転・逆回転を判別する場合には、該仕様に応じて模擬信号も正回転時と逆回転時とで振幅を相違させたパターンの信号を生成すればよい(例えば、逆転時にHIGHレベルを下げ、または、LOWレベルを上げる。図6(C),(D)参照)。
また、実機の場合は、クランク角センサ117のセンサ部から発生する相互に位相がずれた2つの信号をセンサ内の信号処理回路に入力させ、これらの信号を比較することで正回転・逆回転を判定した上で、パルス幅や振幅の異なる信号を出力する必要がある。これに対し、本検証装置では、これらの実機での信号処理は必要がなく、本体操作用PC202が、逆回転を発生する運転モードでパルス幅,振幅等の相違する信号パターンに切り換える指令をHILS本体201に出力することで対応できる。
ただし、クランク角センサが、位相のずれた2つの信号を出力するだけの機能を有し、ECUに、これら2つの信号を信号処理して正回転・逆回転を判定し、パルス幅や振幅の異なる信号を出力する機能を持たせる仕様とすることもできる。この仕様の場合には、HILS本体201で位相がずれた2つの回転信号を模擬信号として生成すればよい。
なお、エンジンの回転数以外で、AT(自動変速機)等で正回転と逆回転が起こる場合に対応して、該回転数の信号を、同様にパターンを変更して出力させるようにしてもよい。
図7(A)は、第1実施形態の正回転/逆回転判別機能に加え、エンジン停止状態をより正確に検出できるようにした第2実施形態のフローを示す。
ステップ1で運転状態を判別し、揺り戻しと判定されたときに、ステップ3へ進んで逆回転用パターンの回転信号が出力されることは、第1実施形態と同様である。
ステップ1で通常運転と判定されたときは、ステップ4へ進んで、エンジン状態として、エンジンが回転しているか否かを判定する。そして、エンジン回転時と判定されたときは
ステップ2へ進み、第1実施形態同様に正回転用パターンの回転信号を出力する。
一方、ステップ4でエンジン停止と判定されたときは、ステップ5へ進み、エンジン停止パターンを出力する。例えば、図7(B)に示すように、エンジン停止時の出力(LOWまたはHIGH)をそのまま維持する方式、又は、図7(C)に示すように、停止時の出力をHIGHまたはLOWに固定する方式とする。ECU114は、模擬信号の出力レベルが停止判別用の閾値を超えて持続したときにエンジン停止と判定することができる。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得られると共に、エンジン停止時の出力が同一レベルに維持されることにより、停止状態を明確に判別して、エンジン停止状態での検証精度を確保できる。
図8は、第2実施形態の機能に加え、エンジン高回転時の検証精度を高めた第3実施形態のフロー示す。
ステップ1〜5は、第2実施形態と同様である。
ステップ4でエンジン回転時と判定されたときは、ステップ6へ進んでエンジンが所定回転数NH以上の高回転時であるかを判定する。
ステップ6で、高回転時と判定されたときはステップ7へ進んで、高回転時正回転用パターンの回転信号を出力する。具体的には、クランク角センサ117から出力される回転信号(POS)と同様に回転の増大に比例して回転数検出用にカウントされるパルスの幅を減少させると、パルス幅が短くなりすぎて検出されにくくなる。特に、ECU114には、ノイズによる誤検出を抑制するため、所定以下の短いパルス幅のパルスをマスク処理することが行われる。
そこで、高回転時は、検証の際に、かかるマスク処理で処理されることのないように、カウントされるパルス(HIGH又はLOW)の幅を増加補正する。
ステップ6で高回転時でないと判定されたときは、ステップ2へ進んで、上記増加補正を行わない通常の正回転用パターンの回転信号を出力する。
第3実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果を得られると共に、高回転時にカウントされるパルスの幅を増加補正することにより、該パルスが検出されやすくなり、高回転時の検証精度を向上できる。
図9は、第3実施形態の機能に加え、エンジン低回転時の検証を確保する第4実施形態のフローを示す。
ステップ1〜7は、第3実施形態と同様である。
ステップ1で通常運転時と判定されると、ステップ8でエンジンが所定回転数NL未満(停止を除く)の低回転時であるかを判定する。
低回転時と判定されたときはステップ9へ進み、エンジン回転数を下限回転数NL0(<NL)以上に制限する。ここで、下限回転数NL0は、以下のように設定される。回転数が停止近くまで低下すると、クランク角センサから出力される回転信号パルスの発生間隔が増大し、停止判定用の閾値を超えて停止と誤判定される可能性がある。このため、かかる誤判定を生じないように、つまり、パルス発生間隔が停止判定用の閾値を超えない回転数以上となるように下限回転数NL0を設定する。
ステップ9で上記のようにエンジン回転数を下限回転数NL0以上に制限した後、ステップ4へ進む。また、ステップ8の判定がNO、つまり、エンジン回転数が下限回転数NL0以上であるか、または、エンジン停止時であるときにもステップ4へ進む。
ステップ4〜ステップ7は、第3実施形態と同様である。即ち、エンジン停止と判定されたときはステップ5へ進んで、エンジン停止パターンを出力し、エンジンが所定回転数NH以上の高回転時と判定されたときは、ステップ7でカウントされるパルス(HIGH又はLOW)の幅を増加補正した高回転時正回転用パターンの回転信号を出力し、高回転時より低回転のときは、通常の正回転用パターンの回転信号を出力する。
第4実施形態によれば、第3実施形態と同様の効果を得られると共に、エンジン回転数を下限回転数NL0以上に制限することによりエンジンの低回転時、特に、エンジン停止に近い極低回転時の検証精度を確保できる。
図10は、第4実施形態と同様にエンジン低回転時の検証を確保すると共に、高回転時に第2及び第3実施形態とは別の方式で検証精度を確保する第5実施形態のフローを示す。
ステップ1,3,8,9,4については第4実施形態と同様である。
ステップ6’では、エンジンが所定回転数NH’を超える高回転時であるかを判定する。
ステップ6'で高回転時と判定されたときは、エンジン回転数を上限回転数NH0(>NH’)以下に制限する。これにより、回転信号のパルス幅が所定値以上となって高回転時の検証精度が確保される。ここで、上限回転数NH0は、第2及び第3実施形態の所定回転数NHと同等の値であってよいが、パルス幅の増加補正を行うことなく、通常の正回転用パターン出力でのパルスをECU114が検出できるようにするために、NHより小さい値としてもよい。
以上の実施形態では、ステップ1で本体操作用PCを介して指示された運転状態(運転モード)によって、エンジンの正回転と逆回転とを判別、つまり、判別可能な信号を与えられて判別するものを示した。一方、HILS本体201がECU114から入力した燃料噴射量、点火時期及び吸入空気量等に基づいてエンジントルクを算出し(あるいは、ECU114で算出されたエンジントルクを入力し)、該エンジントルクに基づいて低回転時の正回転、逆回転を判別することも可能である。
図11は、上記のように検証装置が、ECU114からフィードバックされた信号に基づいて正回転、逆回転を判別する第6の実施形態のフローを示す。
ステップ21では、ECU114からフィードバックされる燃料噴射量、点火時期、吸入空気量等からエンジントルクを算出する(あるいは、ECU114で算出されたエンジントルクを入力する)。
ステップ22では、ステップ21で算出されたエンジントルクと、エンジンを駆動(正回転)するのに必要なエンジンのフリクショントルクとの大小を比較する。なお、簡易的にはフリクショントルクを一定値に設定してもよいが、指令された運転モードにおいてエンジン水温が可変に設定される場合には、該設定された水温に基づいて可変なフリクショントルクを算出するようにしてもよい。
そして、エンジントルクがフリクショントルク以上と判定されたときは、エンジンが正回転されると判断し、ステップ23へ進んで、正回転用パターンの回転信号を出力する。
一方、フリクショントルクがエンジントルクより大と判定されたときは、エンジンが逆回転されると判断し、ステップ24へ進んで、逆回転用パターンの回転信号を出力する。
第6実施形態によれば、運転モードの逆回転指令を与えることなく、ECU114からのフィードバック信号に基づいて正回転と逆回転とを判別して回転信号のパルスのパターンを変更することができる。また、ECU114の制御による逆回転発生の有無の検証も可能となる。
ところで、エンジンに装着されるセンサ類から出力される信号には、各種要因によってバラツキを有する。
図12は、上記バラツキに応じて実機のクランクセンサ117からECU114に出力される回転信号に近づける補正を行うようにした第7実施形態のフローを示す。
ステップ31では、バラツキ補正を必要とするか否かを判定する。これは、予め、実機からクランク角センサ117の信号の各種要因に基づくバラツキを求めておき、バラツキ補正が必要か否かを求めておいて、その結果を本体操作用PCから検出装置に出力する。
バラツキ補正を必要とすると判定された場合は、ステップ32へ進み、回転信号のバラツキ補正を行う。
例えば、クランク角センサ117単体のバラツキ、温度特性のバラツキ、センサ取付位置のバラツキ、電位のバラツキ等があり、これらのバラツキに応じて図13に示すように、出力パルスのデューティ比補正、周期補正、振幅補正及びこれらを組み合わせた補正等を行う。
なお、電位のバラツキについては、(C)のように+側電位にバラツキを有する場合と、(D)のように−(グラウンド)側電位が高く、パルスのOFF区間が0Vまで下がりきらない場合があり、+側と−側の双方にバラツキを有する場合もある。
また、(E)は、(A),(B),(C)にバラツキを有した場合を示したが、バラツキを有したものをそれぞれ補正すればよい。
このようにバラツキに応じた補正を行った実機のクランク角センサからの信号に近い模擬回転信号を形成して出力することにより、実機毎に高精度な検証を行うことができる。
更に、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項3に記載の車両用電子制御装置の検証装置において、前記信号パターンを変更する機能は、エンジンの正回転時と逆回転時とで回転信号のパルスのパターンを変更する機能であることを特徴とする。
このようにすれば、エンジンを停止させる極低回転時など、逆回転を生じる運転状況でのECUの動作を検証することが可能となる。
(ロ)請求項3に記載の車両用電子制御装置の検証装置において、前記信号パターンを変更する機能は、エンジン停止時に回転信号のレベルを停止時のレベルに維持し、又は、停止時用のレベルに固定する機能であることを特徴とする。
このようにすれば、停止状態を明確に判別して、エンジン停止状態での検証精度を確保できる。
(ハ)請求項3に記載の車両用電子制御装置の検証装置において、前記信号パターンを変更する機能は、エンジン高回転時に回転信号の回転数検出用にカウントされるパルスの幅を増加補正する機能であることを特徴とする。
このようにすれば、高回転時にカウントされるパルスの幅を増加補正することにより、該パルスが検出されやすくなり、高回転時の検証精度を向上できる。
(ニ)請求項3に記載の車両用電子制御装置の検証装置において、前記信号パターンを変更する機能は、エンジン回転数を下限回転数NL0以上に制限する機能であることを特徴とする。
このようにすれば、下限回転数NL0以上に制限してパルス幅を所定値以上確保することによりエンジンの低回転時、特に、エンジン停止に近い極低回転時の検証精度を確保できる。
(ホ)請求項3に記載の車両用電子制御装置の検証装置において、前記信号パターンを変更する機能は、エンジン回転数を上限回転数NH0以下に制限する機能であることを特徴とする。
このようにすれば、回転信号のパルス幅が所定値以上となって高回転時の検証精度が確保される。
(ヘ)請求項3に記載の車両用電子制御装置の検証装置において、前記信号パターンを変更する機能は、ECUからフィードバックされた信号に基づいて正回転、逆回転を判別して回転信号のパルスのパターンを変更する機能であることを特徴とする。
このようにすれば、運転モードの逆回転指令を与えることなく、ECUからのフィードバック信号に基づいて正回転と逆回転とを判別して回転信号のパルスのパターンを変更することができる。また、ECUの制御による逆回転発生の有無の検証も可能となる。
(ト)請求項3に記載の車両用電子制御装置の検証装置において、前記信号パターンを変更する機能は、エンジン回転を検出するセンサのバラツキを補正した模擬回転信号を生成する機能であることを特徴とする。
このようにすれば、実機毎にセンサのバラツキに対応した高精度な検証を行うことができる。
12…電動モータ、101…エンジン、105…吸気バルブ、113…可変バルブタイミング機構(VTC)、114…ECU、117…クランク角センサ、133…カムセンサ、134…吸気カム軸、201…HILS本体、202…本体操作用PC

Claims (3)

  1. 車両の動作状態を模擬する信号を生成して車両に搭載される電子制御装置の機能検証を行う車両用電子制御装置の検証装置であって、
    前記車両で動作に同期して電子制御装置に入力される原信号を模擬して生成される模擬信号に対し、前記原信号の仕様に応じて信号パターンを変更する機能を有することを特徴とする車両用電子制御装置の検証装置。
  2. 前記対象部材の動作に同期した模擬信号は、車両に搭載されるエンジンの回転に同期する信号であることを特徴とする請求項1に記載の車両用電子制御装置の検証装置。
  3. 前記対象部材の動作に同期した模擬信号は、クランクシャフトまたは機関バルブ開閉用カムシャフトの回転に同期する信号であることを特徴とする請求項2に記載の車両用電子制御装置の検証装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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