JP2014052340A - 粗さ測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学方式のセンサを用いた簡便な構成でありながら、大きな凹凸で構成された非常に粗い表面の粗さを短時間で測定することのできる粗さ測定装置を提供する。
【解決手段】粗さ測定装置は、被測定物の表面粗さを光学センサ4の出力により測定する粗さ測定装置であって、光学センサ4の出力が所定の閾値を下回った際に、被測定物の表面粗さが所望の粗さに達したと判定する判定部8を有する。なお、光学センサ4は、被測定物Wの表面に沿って移動可能な移動手段7に搭載されており、判定部8は、光学センサ4の移動距離と光学センサ4の出力から得られる反射光の強度分布を作成し、作成された反射光の強度分布において、光学センサ4の出力が所定の閾値を下回った際に、被測定物Wの表面粗さが所望の粗さに達したと判定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、塗装などの下地処理に使用されるブラスト処理後の表面性状を測定乃至は管理するための粗さ測定装置に関する。
鋼板の表面に塗装などを施すにあたっては、下地処理としてブラスト処理が行われる。ブラスト処理とは、砥粒、鉄粒、ガラス粒等の研磨材の粒を、圧縮空気によって鋼板表面にたたきつけ、表面の酸化物や異物を取り除くと共に、鋼板の表面を粗面化し密着性を高めるものである。ブラスト処理後の鋼板の表面性状(凹凸の形成具合)を把握、管理することは、適正な塗装を行うためには必要不可欠なことである。
ブラスト処理後の鋼板(対象物)の表面性状を把握するための技術としては、既に開発されたものが幾つもある。
例えば、特許文献1には、予めブラスト加工条件の許容誤差の範囲を設定し、この許容誤差の限界となる加工条件において検査対象である被加工物に対してブラスト加工した場合に得られる表面粗さを限界表面粗さとして表面粗さのパラメータを用いて特定すると共に、検査対象となるブラスト加工後の被加工物の表面形状を測定して表面粗さのパラメータを得、この検査対象の表面粗さと前記限界表面粗さとを前記パラメータをもとに比較して、前記検査対象に対して行われたブラスト加工の加工条件が許容誤差の範囲内において行われたものであるか否かを検査するブラスト加工条件の検査方法が開示されている。すなわち、特許文献1では、触針あるいはレーザ光のプローブにて面の凹凸形状を測定し、各種粗さパラメータを算出し面の検査評価を行うとしている。
また、非特許文献1では、防せい(錆)防食用として鋼材に塗料及び関連製品を被覆する前に、ブラスト処理による素地調整を行った鋼材表面の清浄度及び結露の可能性並びに表面粗さを、目視又は測定器具によって試験及び評価する方法についての規定がなされている。この規定(規格)では、ブラスト面の測定・評価方法として、(1)比較板との比較方法、(2)顕微鏡焦点移動方法、(3)断面顕微鏡観察方法、(4)触針式測定方法、(5)テープ転写方法の5つが示されており、これらの中のいずれかの方法によって、ブラスト面を評価するとされている。
特開2004−142007号公報
日本工業規格 JIS Z0313 2004年
従来から採用されている種々の表面粗さ測定は、主に滑らかな面、例えば機械加工面のように比較的平滑な面に存在する微小な凹凸を対象とすることを念頭においていて、滑らかな被測定面を規定・評価するために用いられている。
しかしながら、上記したようなブラスト処理で形成される表面の性状は、それらで想定されている粗さより非常に粗いものとなっており、従来の測定手法の適用が困難であると思われる。
例えば、非特許文献1として挙げたJIS規格の詳細な説明を鑑みるに、ブラスト処理された表面の測定が可能と考えられるJIS規格での計測方法としては、手法(1)、手法(4)、手法(5)が考えられる。
しかしながら、手法(1)は目視による比較板との比較であり、定量性がない。加えて、手法(1)は、属人性を有するばかりか、再現性にも乏しい。また、手法(5)では最大粗さしか測定できず、極端な場合であれば、対象物の表面に深い窪みがあっただけで、他の場所でのブラスト処理が進んでいなくても、表面の性状が良好と判断してしまう可能性もある。手法(4)も、ブラスト面のように粗い凹凸が存在する面では触針が追従しに
くく誤差が大きいと思われる。
特許文献1においても、表面形状の測定方法として「プローブ(探針)等を被加工物のブラスト加工面上に接触移動させることにより行っても良いが、本実施形態にあっては測定対象と成る被加工物に対してレーザ光を照射してその表面形状を測定する非接触式の測定装置を使用し」との記載がある。この記載から分かるように特許文献1の技術は、非特許文献1に規定された(4)の方法に相当すると考えられる。つまり、特許文献1においても、粗い凹凸が存在するブラスト面では触針が追従しにくく誤差が大きいと考えられる。
ところで、本願発明者らが、ブラスト処理が終了した表面を実際に観察したところ、測定箇所によるバラツキが大きいものの、さまざまな周期の凹凸が合わさって表面の凹凸が形成されていることを知見している。つまり、ブラスト処理が終了した表面の性状を測定するにあたっては、さまざまな周期の凹凸が含まれるようにある程度は広い範囲に亘って測定をしないと、局所的な特徴だけを捉えた結果となってしまう可能性が大である。
この観点から、非特許文献1(JIS規格)で開示された手法(4)を検証した場合、触針式のプローブを用いて測定されるのは「点」であり非常に小さな領域に過ぎない。触針式のプローブを移動させて測定したとしても、測定されるのは線状の小さな領域のままであって、広範囲での計測が必要とされるブラスト面の表面性状の測定は、うまくゆかないものと思われる。
すなわち、本発明が計測対象としているような「粗い凹凸が存在する面」の表面性状を確実に且つ精確に測定できる技術は未だ確立されていないのが現状である。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、光学方式のセンサを用いた簡便な構成でありながら、大きな凹凸で構成された非常に粗い表面の粗さを短時間で測定することができる粗さ測定装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明の粗さ測定装置は、被測定物の表面粗さを光学センサの出力により測定する粗さ測定装置であって、前記光学センサの出力が所定の閾値を下回った際に、被測定物の表面粗さが所望の粗さに達したと判定する判定部を有することを特徴とする。
好ましくは、前記光学センサは、被測定物の表面に沿って移動可能な移動手段に搭載されており、前記判定部は、光学センサの移動距離と光学センサの出力から得られる反射光の強度分布を作成し、作成された反射光の強度分布において、光学センサの出力が所定の閾値を下回った際に、被測定物の表面粗さが所望の粗さに達したと判定するように構成されているとよい。
好ましくは、前記判定部は、作成された反射光の強度分布において、光学センサの移動距離に占める閾値以下の反射光強度の領域の割合を求め、求めた割合を基に、被測定物の表面粗さが所望の粗さに達したと判定するように構成されているとよい。
好ましくは、前記判定部は、光学センサで受光された反射光の光学センサ上での位置情報を基に、被測定物の表面の傾きを検出するように構成されているとよい。
好ましくは、前記判定部は、反射光の位置情報として、光学センサで受光された反射光の強度分布の平均位置または重心を用いるとよい。
本発明の粗さ測定装置によれば、光学方式のセンサを用いた簡便な構成でありながら、大きな凹凸で構成された非常に粗い表面の粗さを短時間で測定することが可能となる。
ブラスト処理によって(a)〜(e)の順に粗面化していく被測定物の断面を示す図である。 被測定物の表面で反射される反射光と受光部との関係を、被測定物の傾き方に応じてまとめた図である。 台形状に突出した被測定物の表面で反射される反射光と受光部との関係を、突出部との位置関係でまとめた図である。 粗さ測定装置の全体構成を示す模式図である。 図1(a)〜図1(e)の各表面を粗さ測定装置で計測した際の計測結果を示す図である。 粗さ測定装置のセンサ部分の構成を示す斜視図である。 第2実施形態の粗さ測定装置を用いて、被測定物の表面の傾き方を測定する方法を示す図である。 第2実施形態の粗さ測定装置で計測した際の傾きの計測結果を示す図である。 第3実施形態の光学式センサから照射される測定光を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を、図を基に説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態において粗さ測定装置1は、「ブラスト加工等により意図的に粗面加工された被測定物Wの表面の粗さを測定する」、具体的には、「ブラスト処理が必要な段階まで進んだことを検知できる」装置である。
まず、本発明の粗さ測定装置1の詳細を説明する前に、本発明者らが本発明の粗さ測定装置1に至るまで行った実験や考察について説明をする。
図1(a)〜図1(e)には、ブラスト処理による粗面化に伴って変化する被測定物Wの表面の断面図が示されている。この被測定物Wには、ブラスト処理後に塗装処理が施されることとなっている。つまり、ブラスト処理は、塗装処理の前処理として、表面が大きな凹凸を有する粗い面となるように、表面を粗面化するものである。
まず、図1(a)のようなブラスト処理前の表面に対して、研磨材の粒子(研磨粒子)を衝突させて、ブラスト処理を行う。そうすると、図1(b)に示すように、研磨粒子が衝突した箇所にはえぐられたような窪み2ができ、研磨粒子が衝突していない箇所には元の面3が残ったままとなる。図1(c)〜図1(d)に示すように、ブラスト処理を続け、研磨粒子の衝突がさらに続くと、窪み2が全面に広がると共に深くなり、表面全体が窪み2(凹凸面)で覆われるようになって、元の面3(図1(a)の状態で存在した表面)が徐々に少なくなる。そして、図1(e)に示すように元の面3が消滅すると、ブラスト処理が完了する。つまり、元の面3が残っている間は、未処理部が存在することとなる。
以上の処理過程を考えれば、元の面3が消滅することを検出することで、ブラスト処理が必要な段階まで進んだことが分かる。つまり、図1を検討するに、ブラスト処理が必要な段階まで進んだことは、「凹凸が十分発達し、元からあった平坦部がなくなった状態」としてもよいことがわかる。
このような「凹凸が十分発達し元からあった平坦部がなくなった状態」を検出する粗さ測定装置1として、本発明者は、次に示すような粗さ測定装置1を開発した。
具体的には、本発明の粗さ測定装置1は、図2(c)〜図2(c)に示すように、被測定物Wの表面粗さを非接触で計測可能な光学センサ4を備えている。この光学センサ4は、被測定物Wの表面に対して測定光Iを照射する照射部5と、被測定物Wの表面で反射した反射光Rを受光する受光部6とを備えている。また、上述した粗さ測定装置1は、図4に示すように、光学センサ4を被測定物Wの表面に沿って移動させる移動手段7と、光学センサ4の受光部6で検知された出力に基づいて、被測定物Wの表面が「凹凸が十分発達し元からあった平坦部がなくなった状態」になっているか否かを判定する判定部8とを有している。
次に、本発明の粗さ測定装置1を構成する光学センサ4、判定部8、及び移動手段7について、詳しく説明する。
図2には、被測定物W上の局所的な面(被検査面)に測定光Iを照射する光学センサ4が示されている。図2に示すように、光学センサ4は、その先端を被測定物Wの被検査面に向けるようにして配備されている。本実施形態では、光学センサ4は上下方向に向く取り付け軸Zに沿うようにして配備されており、先端を被検査面に向けるように下向きに配備されている。
光学センサ4の先端(図では下端側)には、被検査面に向かってレーザ光などの測定光Iを照射する照射部5と、被検査面で反射した測定光Iを受光する受光部6とが設けられている。照射部5は、上下方向を向く取り付け軸Zに対してやや傾斜した方向から測定光Iを照射できるように取り付けられており、光学センサ4の取り付け軸Z上に正対する被検査面に対して測定光Iを照射できるようになっている。また、受光部6は、取り付け軸Zを基準として照射部5と線対称となる向きに取り付けられており、被検査面で反射した測定光I(言い換えれば、反射光R)を受光できるようになっている。
例えば、図2(a)〜図2(c)に示すように、この光学センサ4の照射部5から照射された測定光(光線I)が被検査面に向けて照射され、被検査面で反射してきた反射光R(光線R)が受光部6で受光されている場合を考える。
図2(a)においては、被検査面が光学センサ4に正対している(光学センサ4の取り付け軸Zに対して直交している)ので、照射部5から照射された測定光Iは、光線Rとして光学センサ4の受光部6に入射し、受光部6で検出される。ところが、図2(b)に示すように、被測定面が光学センサ4の取り付け軸Z(正面)に対して傾く(この図では左に傾く)と、測定光Iが受光部6に向かって反射せず、反射光Rは受光部6に入射しない。また、図2(c)に示すように、被測定面が図2(b)とは逆方向に傾く(この図では右に傾く)と、同様に反射光Rは光学センサ4に入射しなくなる。
次に、図3に示すように、この光学センサ4が台形状に上方に向かって突出した被検査面上を水平に通過する場合を考える。
図3(a)→図3(b)→図3(c)の順に示すように、光学センサ4が台形状に突出した被検査面上を通過するにつれて、反射光Rの反射する方向がさまざまに変化し、反射光Rが受光部6を通る方向になったときに、反射光Rが受光部6で受光されて受光部6で出力が検知される。例えば、図3(a)に示すように、光学センサ4が被測定面の頂部に正対する位置(図例では頂部の上方)まで達していないとき、言い換えれば光学センサ4が被測定面の頂部より手前にあるときは、被測定面が傾いているので反射光Rが受光部6に向かって進まず、受光部6で出力が検知されない。
ところが、図3(b)に示すように、光学センサ4が被測定面の頂部の上方に位置するときには、測定光Iが水平な被測定面に反射して反射光Rが受光部6で受光され、受光部6で出力が検知される。そして、測定光Iが水平方向を向く頂部に照射されている間は、受光部6での出力が継続する。被測定面の断面形状が台形でなく、三角形状である場合は、頂部の幅が台形に比べて短いので、検知される時間は短く、また出力も小さくなる。そして、図3(c)に示すように、光学センサ4が被測定面の頂部を通過すると、再び反射光Rが受光部6に入射されなくなり、受光部6で出力が検知されなくなる。
以上の状況は非常に重要な事実を含んでいる。すなわち、ブラスト処理が進み、被測定物Wの表面が粗い凹凸となった場合には、最初にあった平坦な面が減る。そうすると、図2(a)や図2(c)、あるいは図3(a)や図3(c)に示すように反射光Rが受光部に反射されない状態が増え、逆に図2(b)や図3(b)に示すように反射光Rが受光部に反射される状態が減る。その結果、光学センサ4に入射する反射光Rは少なくなって、結果的に光学センサ4の出力が小さいものとなる。つまり、光学センサ4の出力を検出して、検出した出力が小さくなっているかどうかを判定することで、ブラスト処理が十分に為されたかどうかが判断できる。
言い換えれば、本発明の粗さ測定装置1で採用される光学センサ4は、受光部6に対してさまざまな角度から入射する反射光Rのうち、予め定められた代表的方向を向く反射光Rのみを受光部6で検出できればよい。この代表的方向を向く反射光Rとしては、上述した取り付け軸Zに対して大きな角度を為すように受光部6に入射する反射光Rであっても、小さな角度をもって受光部6に入射する反射光Rであっても、同様に採用することができる。
例えば、取り付け軸Zに対して大きな角度をもって受光部6に入射する反射光R、言い換えれば受光部6に対して側方から入射する反射光Rを検出するためには、光学センサ4を被測定面に近づけ、照射部5に焦点距離が短いものを採用すると共に受光部6に広い角
度範囲から入射される反射光Rを検出可能なものを用いるようにする。このようにすれば、取り付け軸Zに対して大きな角度をもつ反射光Rを、「代表的方向を向く反射光R」として採用することが可能となる。
また、光学センサ4の受光素子の大きさは、大きい方がさまざまな角度から入射する反射光Rを補足できるので、有利である。しかし、このような大面積の受光素子は、高価なことが多いので、受光素子をわざと小さくして価格を抑えることも可能である。
図4には、図2や図3に示すような光学センサ4からの出力に基づいて、被測定物Wの表面が「凹凸が十分発達し元からあった平坦部がなくなった状態」になっているか否かを判定する判定部8が示されている。この判定部8は、具体的にはパソコン等で構成されて信号の処理を行う装置である。
また、上述した光学センサ4には、この光学センサ4の平面上での位置を検出する位置検出手段9が設けられており、位置検出手段9により位置が検出可能となっている。そして、判定部8には、光学センサ4の受光部6から出力された反射光Rの受光信号(反射光Rの強度に対応した強度を有する信号)が入力されると共に、位置検出手段9で検出された位置の検出結果が入力されている。なお、この位置検出手段9については、後ほど詳しく説明する。
次に、判定部8で行われている信号処理について、説明する。
判定部8では、上述したように光学センサ4からの受光信号と、位置検出手段9からの位置の検出結果とに基づいて、図5のような反射光強度の分布図が作成されることになる。
この図5の分布図は、横軸に位置の結果、縦軸に受光信号(反射光強度)の強度を取って、光学センサ4で計測される反射光強度の位置による変化をまとめて示したものである。この分布図では、被測定面の凹凸状態に応じて受光信号の大きさが変化する。つまり、ブラスト処理が未了で元の面3が多く残っていると、受光信号の大きさは大きくなる。また、ブラスト処理が進んで元の面3が減ってくると、受光信号の大きさは小さくなる。より具体的には、ブラスト処理が進むにつれて、次のような反射光強度の分布図が得られる。
図5(a)〜図5(e)は、図1(a)〜図1(e)で表示した被測定物Wの各表面について、反射光強度の分布図を計測した結果(信号処理装置で信号処理した結果)を模式的に示したものである。
図1(a)に示すブラスト処理前の被測定物Wの表面を計測した結果が、図5(a)である。図5(a)の分布図は、図1(a)に示すようなほぼ平坦とされた被測定物Wの表面に対応したものとなっており、被測定物Wの表面で反射した反射光Rが受光部6で連続して検知されるため、受光信号の強度が高い値のまま一定に推移する結果となっている。
図1(b)〜図1(d)のようにブラスト処理が進むにつれて、被測定物Wの表面に凹凸が増加し、平坦な部分が徐々に減少する。そうすると、平坦な表面で反射した反射光Rのように受光部6に入射する反射光Rが減少し、受光信号の強度が低くなる箇所が分布図に増える。このことから、図5(b)から図5(d)に向かうにつれて、反射光強度が低くなる部分が多くなっているのは、図5(a)に見られるような受光信号の強度が高い部分がブラスト処理に応じて徐々に減少するためであると考えられる。
図1(e)のようにブラスト処理が完全に進むと、被測定物Wの表面を計測した結果は図5(e)のように、すべての部分において反射光強度が低くなる。このように、光学センサ4からの出力の全てがある閾値以下となることをもってして、ブラスト処理が完了することを検出することができる。
なお、上述した粗さ測定装置1に設けられる光学センサ4の移動手段7には、さまざまな機構を用いることができる。
図6に示すものは移動手段7の一例であるが、図例の移動手段7は、長手方向に長尺な板材からなるセンサガイド10を有している。このセンサガイド10には、その中央部分に案内ガイド用の長溝11が形成されていて、この長溝11にセンサホルダ12が摺動自在に嵌り込むものとなっている。センサホルダ12には光学センサ4が被測定物Wの表面
を向くように上下方向に沿って光学センサ4が取り付けられている。
図例では被測定物Wの表面は水平方向を向いているので、センサガイド10は表面に対面するように水平方向に沿って配備されており、移動手段7は、光学センサ4から被測定物Wまでの距離を一定としつつ、光学センサ4を被測定物Wの表面に沿って水平方向に所定距離だけ移動可能としている。
上述したセンサガイド10には、センサホルダ12の位置、言い換えれば光学センサ4の位置が検出できるように位置検出手段9が設けられている。
位置検出手段9としては、図例のもののように、磁気目盛を付けたテープ(S極、N極の繰り返しパターンが着磁されている)をセンサガイド10の表面側部に長手方向に沿って貼り付けると共に、センサホルダ12にその磁気目盛を読み取るセンサヘッドを設けたものを採用できる。また、位置検出手段9としては、互いに噛み合う直線状の歯車(ラックギア)と小径歯車(ピニオンギア)によりセンサの移動を小径歯車の回転に変換し、その軸に取り付けたロータリーエンコーダにより回転を検出する構成を採用することもできる。
図6に示した移動手段7や位置検出手段9を用いて、上述した被測定物Wの表面の凹凸を計測するに際しては、まず移動手段7を用いて光学センサ4をセンサガイド10に沿って長手方向(水平方向)に移動させる。移動手段7により光学センサ4が移動した際には、光学センサ4の位置が位置検出手段9により検出され、検出された光学センサ4の位置が判定部8に送られる。それゆえ、判定部8では、光学センサ4の位置を横軸、光学センサ4の出力を縦軸にした図5のような反射光強度の分布図を作成することができる。
図5に示すような反射光強度の分布図において、予め定められた反射光強度の値を閾値として定めておき、長手方向全ての領域で反射光強度の値が所定の閾値を下回った際に、被測定物Wのブラスト処理が完了したと判定すれば、ブラスト作業の適切な管理を行うことが可能となる。
特に、光学方式の粗さセンサや接触式の粗さセンサを用いた従来の粗さ測定装置1では、上述したブラスト処理後の被測定物Wの表面ように大きな凹凸で構成された非常に粗い表面の粗さを測定することは実際問題として不可能であったが、本発明の粗さ測定装置1であれば非常に粗い表面であっても短時間で測定することができ、ブラスト処理の管理を確実且つ精確に行うことが可能となる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の粗さ測定装置1について、図7及び図8を用いて説明する。
図7に示すように、第2実施形態の粗さ測定装置1は、被測定物Wの表面が「凹凸が十分発達し元からあった平坦部がなくなった状態」にあるか否かを測定(判定)するだけでなく、被測定物Wの表面がどちらの方向に傾いているかについても測定(判定)する構成とされている。
具体的には、第2実施形態の粗さ測定装置1は、光学センサ4の照射部5から下方に向かって測定光Iを被測定物Wの表面に垂直に照射する方式の場合のものである。この粗さ測定装置1は、照射部5から下方に向かって被測定物Wの表面に垂直に照射される測定光Iを透過し、かつ被測定物Wの表面で反射して上方に向かう反射光Rを側方に向かって反射させるハーフミラー13と、ハーフミラー13で反射した反射光Rを受光する受光部6とを備えている。
この第2実施形態の粗さ測定装置1に設けられる受光部6は、ハーフミラー13で反射して受光部6に入射する反射光Rの角度が変化しても反射光の位置、光量に応じた出力値が得られる素子により反射光Rを検知できるようになっている。このような受光素子としては、単一の素子よりなるPSD素子のようなアナログ素子、複数の素子を並べたCCDセンサのようなデジタル素子を用いることができる。
上述した第2実施形態の粗さ測定装置1を用いて被測定物Wの表面を計測すれば、図8に示すような反射光強度の分布図が作成される。
すなわち、図7(a)に示す如く、被測定物Wの表面が水平方向に沿っていて、下方向
に向かって照射された測定光Iが上方に向かって垂直に反射されて、反射光Rが上方に進む場合を考える。この場合、反射光Rがハーフミラー13に当たると、ハーフミラー13で側方に向かって反射した反射光Rが水平方向に沿って受光部6に入射されることになる。このとき、受光部6は上下方向を向く受光面に沿って複数の受光素子が配備されており、複数の受光素子のうち、受光面の中央に位置する一部の受光素子だけで受光が確認される。すなわち、図例の受光部6には、複数の素子を並べたCCDセンサを有する受光素子が用いられている。それゆえ、この中央の受光素子を「平坦部で反射したこと」を検知する受光素子、図例では「0」の位置にある受光素子として予め規定しておけば、図8(b)の「B」に示すが如く平坦部で反射した反射光Rだけを反射光強度の分布図として示すことが可能となる。
一方、図7(b)に示す如く、被測定物Wの表面が水平方向に対してわずかに傾斜(図例では左下がりに傾斜)していて、上下方向に沿って照射された測定光Iが鉛直方向からわずかに左側に傾いて反射される場合を考える。この場合、ハーフミラー13で反射された反射光Rは、受光面に沿って並んだ受光素子の中でも「0」の受光素子より下方に入射される。それゆえ、この「0」の受光素子を基準として、それより下方の受光素子を「正」の受光素子とすれば、被測定物Wの表面が左下がりに傾斜していることを判定することが可能となる。
さらに、図7(c)に示す如く、被測定物Wの表面が右側に向かって下がるように傾斜している場合は、ハーフミラー13で反射された反射光Rは、受光面に沿って並んだ受光素子の中でも「0」の受光素子より上方に入射される。それゆえ、この「0」の受光素子を基準として、それより上方の受光素子を「負」の受光素子とすれば、被測定物Wの表面が右下がりに傾斜していることを判定することが可能となる。
一方、上述したように、被測定物Wの表面の傾斜方向が右下がりであるか、水平であるか、左下がりであるかを反射光Rを受光する受光素子の位置で判定できれば、被測定物Wの表面の凹凸状態をさらに詳細に判断することができる。
例えば、図8(a)の断面形状において「A」で示される表面は、平坦な面であって、図の左右両隣に右下がりの傾斜面を備えている。この「A」の表面を第2実施形態の粗さ測定装置1で計測すれば、図8(b)では「A」にしめすような上向きの矩形波状の変化パターンが確認される。
一方、図8(a)において「B」で示される表面は、「A」同様に平坦な面であるが、図の左隣が左下がりの傾斜面であり、右隣が右下がりの傾斜面との間に形成された平坦な面であり、上述した「A」とは異なる形状を有している。このような被測定物Wの表面を、第2実施形態の粗さ測定装置1で計測すれば、図8(b)では「B」にしめすような上向きの矩形波状の変化パターンが確認される。ただ、図8(b)の「A」の変化パターンと、図8(b)の「B」の変化パターンとは殆ど同じ形状であるため、両者を区別することはできない。
しかし、図8(c)で示されるように、上述した受光素子の位置で判断すれば、「A」に対しては逆U字状の変化パターンが確認されるが、「B」に対してはS字状に折れ曲がったような変化パターン(傾斜変化の変曲点)が確認され、両者を区別することができるようになる。特に、図8(b)で反射光強度が確認されても、図8(c)において逆U字状の変化パターンであれば、「元からあった平坦部で反射したものではない」とより詳しい判定を行うことができる。
ところで、「発明が解決しようとする課題」で述べたように、特許文献1で述べられている触針式あるいは光プローブによる形状測定は、測定点が点状であり、それを面に沿って移動させるので線状の領域について測定することになる。ブラスト面は場所による凹凸形状分布の差が大きく、線状の測定では代表性が不足する場合もある。そこで、本発明では、図9に示すように、被測定物Wの表面に照射する測定光Iの形状を光学センサ4の移動方向に対して直角な方向に広げることにより光学センサ4の移動と合わせ面状の領域の測定ができるようにしている。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考
えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、動作条件や測定条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 粗さ測定装置
2 窪み
3 元の面
4 光学センサ
5 照射部
6 受光部
7 移動手段
8 判定部
9 位置検出手段
10 センサガイド
11 長溝
12 センサホルダ
13 ハーフミラー
W 被測定物
I 測定光
R 反射光
Z 取り付け軸

Claims (5)

  1. 被測定物の表面粗さを光学センサの出力により測定する粗さ測定装置であって、
    前記光学センサの出力が所定の閾値を下回った際に、被測定物の表面粗さが所望の粗さに達したと判定する判定部を有することを特徴とする粗さ測定装置。
  2. 前記光学センサは、被測定物の表面に沿って移動可能な移動手段に搭載されており、
    前記判定部は、光学センサの移動距離と光学センサの出力から得られる反射光の強度分布を作成し、作成された反射光の強度分布において、光学センサの出力が所定の閾値を下回った際に、被測定物の表面粗さが所望の粗さに達したと判定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の粗さ測定装置。
  3. 前記判定部は、作成された反射光の強度分布において、光学センサの移動距離に占める閾値以下の反射光強度の領域の割合を求め、求めた割合を基に、被測定物の表面粗さが所望の粗さに達したと判定するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の粗さ測定装置。
  4. 前記判定部は、光学センサで受光された反射光の光学センサ上での位置情報を基に、被測定物の表面の傾きを検出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の粗さ測定装置。
  5. 前記判定部は、反射光の位置情報として、光学センサで受光された反射光の強度分布の平均位置または重心を用いることを特徴とする請求項4に記載の粗さ測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017207386A (ja) * 2016-05-19 2017-11-24 株式会社神戸製鋼所 金属板の粗さ推定方法及び粗さ推定装置
US11430685B2 (en) 2019-03-19 2022-08-30 Ngk Insulators, Ltd. Wafer placement apparatus and method of manufacturing the same

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