JP2014052135A - 冷媒熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】流路穴が形成された扁平管の長手方向の端部をヘッダにロウ付け接合することによって構成される冷媒熱交換器において、積層構造のヘッダを採用するにあたり、ロウ材による流路穴の詰まりを抑えつつ十分な耐圧強度を確保できるようにする。
【解決手段】冷媒熱交換器(1)では、扁平管(10)の外周縁との間のどの部分においても隙間が確保されるように、積層構造のヘッダ(20、30)を構成する固定部材(27、37)に固定側扁平管挿入孔(27a、37a)を形成している。冷媒熱交換器(1)では、積層構造のヘッダ(20、30)を構成するスペーサ部材(26、36)に形成されたスペーサ側扁平管対向孔(26a、36a)の短辺方向の寸法(Ws)を、固定側扁平管挿入孔(27a、37a)の短辺方向の寸法(Wf)よりも大きくしている。
【選択図】図11

Description

本発明は、冷媒熱交換器、特に、流路穴が形成された扁平管の長手方向の端部をヘッダにロウ付け接合することによって構成される冷媒熱交換器に関する。
従来より、特許文献1(特開2012−93075号公報)に示すような、流路穴が形成された扁平管の長手方向の端部をヘッダにロウ付け接合することによって構成される冷媒熱交換器がある。この冷媒熱交換器では、複数の部材を積層した積層構造のヘッダを採用している。特許文献1には、積層構造のヘッダの具体例として、保持部材と、固定部材と、第2部材(スペーサ部材)と、第1部材(基礎部材)と、を有するものが記載されている。ここで、保持部材は、扁平管の長手方向の端部を挿入する扁平形状の保持側扁平管挿入孔が形成された部材である。固定部材は、保持部材に挿入された状態の扁平管の長手方向の端部を挿入する扁平形状の固定側扁平管挿入孔が形成された部材である。スペーサ部材は、扁平管の長手方向の端部及び固定側扁平管挿入孔に対向する扁平形状のスペーサ側扁平管対向孔が形成された部材である。基礎部材は、保持部材との間に固定部材及びスペーサを挟むように設けられた部材である。
上記従来の積層構造のヘッダを有する冷媒熱交換器では、扁平管の長手方向の端部をヘッダにロウ付け接合する際に、余剰のロウ材が発生し、この余剰のロウ材が扁平管の流路穴に流入してしまい、ロウ材による流路穴の詰まりが発生するおそれがある。
このような流路穴へのロウ材の流入を抑えるために、扁平管の外周縁と固定部材の固定側扁平管挿入孔との間の隙間が確保された構造を採用することが考えられる。しかし、このような隙間の確保は、固定部材における空洞領域を大きくすることにつながるため、ヘッダ内の冷媒の圧力による応力が保持部材及び固定部材側に集中しやすくなる。そうすると、十分な耐圧強度を確保することができなくなるおそれがある。このように、積層構造のヘッダを有する冷媒熱交換器では、ロウ材による流路穴の詰まりを抑えつつ十分な耐圧強度を確保できるようにすることが要求される。
本発明の課題は、流路穴が形成された扁平管の長手方向の端部をヘッダにロウ付け接合することによって構成される冷媒熱交換器において、積層構造のヘッダを採用するにあたり、ロウ材による流路穴の詰まりを抑えつつ十分な耐圧強度を確保できるようにすることにある。
第1の観点にかかる冷媒熱交換器は、流路穴が形成された扁平管の長手方向の端部をヘッダにロウ付け接合することによって構成される冷媒熱交換器において、保持部材と固定部材とスペーサ部材と基礎部材とを有する積層構造のヘッダが採用されている。ここで、保持部材は、扁平管の長手方向の端部を挿入する扁平形状の保持側扁平管挿入孔が形成された部材である。固定部材は、保持部材に挿入された状態の扁平管の長手方向の端部を挿入する扁平形状の固定側扁平管挿入孔が形成された部材である。スペーサ部材は、扁平管の長手方向の端部及び固定側扁平管挿入孔に対向する扁平形状のスペーサ側扁平管対向孔が形成された部材である。基礎部材は、保持部材との間に固定部材及びスペーサ部材を挟むように設けられた部材である。そして、この冷媒熱交換器では、固定側扁平管挿入孔を扁平管の長手方向に沿って見た際に、扁平管の外周縁との間のどの部分においても隙間が確保されるように、固定側扁平管挿入孔を固定部材に形成している。しかも、この冷媒熱交換器では、スペーサ側扁平管対向孔の短辺方向の寸法を、固定側扁平管挿入孔の短辺方向の寸法よりも大きくするようにしている。
この冷媒熱交換器では、保持部材、固定部材、スペーサ部材及び基礎部材を有する積層構造のヘッダを採用している。そして、扁平管の外周縁との間のどの部分においても隙間が確保されるように固定側扁平管挿入孔を固定部材に形成することによって、固定部材における空洞領域が大きくなるようにしている。このため、扁平管の長手方向の端部をヘッダにロウ付け接合する際に余剰のロウ材が流路穴へ流入することが抑えられる。しかも、スペーサ側扁平管対向孔の短辺方向の寸法を固定側扁平管挿入孔の短辺方向の寸法よりも大きくすることによって、スペーサ部材における空洞領域が大きくなるようにしている。このため、ヘッダ内の冷媒の圧力による応力がスペーサ部材及び基礎部材側にも分散して、保持部材及び固定部材側への応力集中が抑えられる。
これにより、ここでは、保持部材、固定部材、スペーサ部材及び基礎部材を有する積層構造のヘッダを採用するにあたり、ロウ材による流路穴の詰まりを抑えつつ十分な耐圧強度を確保することができる。
第2の観点にかかる冷媒熱交換器は、第1の観点にかかる冷媒熱交換器において、固定部材には、固定側扁平管挿入孔の長辺方向の一方側の端部に、ロウ材を溜めることが可能な空間からなるロウ溜まり部が形成されている。
この冷媒熱交換器では、固定部材にロウ溜まり部を形成することによって、さらに固定部材における空洞領域が大きくなるようにして、ロウ材による流路穴の詰まりをさらに抑えるようにしている。このため、ヘッダ内の冷媒の圧力による応力が保持部材及び固定部材側に集中しやすい傾向にある。
しかし、ここでは、スペーサ側扁平管対向孔の短辺方向の寸法を固定側扁平管挿入孔の短辺方向の寸法よりも大きくしているため、ロウ溜まり部が固定部材に形成されているにもかかわらず、保持部材及び固定部材側への応力集中を抑えることができる。
第3の観点にかかる冷媒熱交換器は、第2の観点にかかる冷媒熱交換器において、固定側扁平管挿入孔を扁平管の長手方向に沿って見た際に、扁平管の外周縁と固定側扁平管挿入孔の長辺方向の一方側の端部との隙間を、扁平管の外周縁と固定側扁平管挿入孔の長辺方向の他方側の端部との隙間よりも大きくすることによって、固定部材にロウ溜まり部が形成されている。
この冷媒熱交換器では、固定側扁平管挿入孔の長辺方向の一方側の端部をロウ溜まり部として機能させるようにしている。
しかし、ここでは、スペーサ側扁平管対向孔の短辺方向の寸法を固定側扁平管挿入孔の短辺方向の寸法よりも大きくしているため、このようなロウ溜まり部が固定部材に形成されているにもかかわらず、保持部材及び固定部材側への応力集中を抑えることができる。
第4の観点にかかる冷媒熱交換器は、第3の観点にかかる冷媒熱交換器において、固定側扁平管挿入孔の長辺方向の一方側の端部が、長辺と短辺とがR部を介して繋がった形状を有している。
この冷媒熱交換器では、固定側扁平管挿入孔の長辺方向の一方側の端部の形状を長辺と短辺とがR部を介して繋がった形状にすることによって、固定側扁平管挿入孔の長辺方向の一方側の端部と扁平管の外周縁との間の隙間を大きくすることができる。このため、ロウ材溜まり部を大きくすることができる。
これにより、ここでは、ロウ材による流路穴の詰まりをさらに抑えることができる。
第5の観点にかかる冷媒熱交換器は、第1〜第4の観点のいずれかにかかる冷媒熱交換器において、基礎部材のうちスペーサ側扁平管対向孔に対向する厚肉部における扁平管の長手方向の肉厚が、保持部材のうち固定側扁平管挿入孔に対向する薄肉部における扁平管の長手方向の肉厚よりも大きい。
この冷媒熱交換器では、基礎部材の厚肉部における扁平管の長手方向の肉厚を保持部材の薄肉部における扁平管の長手方向の肉厚よりも大きいため、ヘッダ内の冷媒の圧力による応力を厚肉部のあるスペーサ部材及び基礎部材側で受けることが好ましい。このため、スペーサ側扁平管対向孔の短辺方向の寸法を固定側扁平管挿入孔の短辺方向の寸法よりも大きくすることによって、応力を薄肉部のある保持部材及び固定部材側に集中させずに、応力を厚肉部のあるスペーサ部材及び基礎部材側に集中させることができる。
これにより、ここでは、ヘッダ内の冷媒の圧力による応力を厚肉部のあるスペーサ部材及び基礎部材側で主に受けて、耐圧強度の向上を図ることができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の観点にかかる冷媒熱交換器では、保持部材、固定部材、スペーサ部材及び基礎部材を有する積層構造のヘッダを採用するにあたり、ロウ材による流路穴の詰まりを抑えつつ十分な耐圧強度を確保することができる。
第2及び第3の観点にかかる冷媒熱交換器では、ロウ溜まり部が固定部材に形成されているにもかかわらず、保持部材及び固定部材側への応力集中を抑えることができる。
第4の観点にかかる冷媒熱交換器では、ロウ材による流路穴の詰まりをさらに抑えることができる。
第5の観点にかかる冷媒熱交換器では、ヘッダ内の冷媒の圧力による応力を厚肉部のあるスペーサ部材及び基礎部材側で主に受けて、耐圧強度の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態にかかる冷媒熱交換器の概略構成図である。 図1の冷媒熱交換器のA部を拡大した斜視図である。 図1の冷媒熱交換器をB方向から見た矢視図である。 基礎部材の斜視図である。 図1の冷媒熱交換器のI−I断面図(左側の端部付近のみ)である。 図3の冷媒熱交換器のII−II断面図(左側の端部付近のみ)である。 図5の冷媒熱交換器のIII−III断面図である。 図5の冷媒熱交換器のIV−IV断面図である。 図5の冷媒熱交換器のV−V断面図である。 図5の冷媒熱交換器のVI−VI断面図である。 図6の拡大図である。 変形例1の冷媒熱交換器を示す図であって、図9に対応する図である。 変形例1の冷媒熱交換器を示す図であって、図9に対応する図である。 変形例2の冷媒熱交換器を示す図であって、図5に対応する図である。 変形例2の冷媒熱交換器を示す図であって、図11に対応する図である。
以下、本発明にかかる冷媒熱交換器の実施形態及びその変形例について、図面に基づいて説明する。尚、本発明にかかる冷媒熱交換器の具体的な構成は、下記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)冷媒熱交換器の全体構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる冷媒熱交換器1の概略構成図である。図2は、図1の冷媒熱交換器1のA部を拡大した斜視図である。
冷媒熱交換器1は、例えば、スプリットタイプの空気調和装置の室外ユニットに設けられる。この場合において、冷媒熱交換器1は、室外ユニットに設けられた室外ファンによって供給される空気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器として機能する。尚、冷媒熱交換器1の用途は、室外熱交換器に限定されるものではなく、他の用途にも使用可能である。
冷媒熱交換器1は、複数の流路穴11a〜11iが形成された扁平管10の長手方向の端部12、13をヘッダ20、30にロウ付け接合することによって構成される熱交換器である。
具体的には、冷媒熱交換器1は、主として、複数の扁平管10と複数の伝熱フィン40とによって構成された積層型熱交換器である。扁平管10は、図1及び図2における上下方向(すなわち、ヘッダ20、30の長手方向に沿う方向)に間隔を空けて複数段配列されており、扁平管10の長手方向の端部12、13がヘッダ20、30にロウ付け接合されている。伝熱フィン40は、図1及び図2において、上下に隣接する扁平管10に挟まれた通風空間に配置されている。ヘッダ20、30は、図1において、上下方向に延びる筒状部材であり、扁平管10を支持する機能と、冷媒を扁平管10の流路穴11a〜11iに導く機能と、流路穴11a〜11iから出てきた冷媒を集合させる機能とを有している。
(2)扁平管
扁平管10は、ここでは、図2に示すように、扁平した断面形状を有する扁平多穴管であり、複数(ここでは、9個)の流路穴11a〜11iが、扁平管10の長手方向の端部12、13を扁平管10の長手方向に沿って見た際に、扁平した断面形状の長辺方向(すなわち、図1及び図2における紙面前後方向)に並んで配置されている。
流路穴11a〜11iは、円形又は多角形の穴形状を有しており、扁平管10の長手方向の端部12、13間を貫通している。扁平管10は、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料を押し出し成形することによって形成されている。尚、流路穴11a〜1iの数は、9個に限定されるものではなく、9個より多くても少なくてもよい。また、扁平管10は、クラッド材である。具体的には、扁平管10は、その扁平面にロウ材が張り合わされた部材である。
(3)伝熱フィン
伝熱フィン40は、ここでは、図1及び図2に示すように、アルミニウム又はアルミニウム合金等の薄板状の金属材料が長手方向に波形に折り曲げられることによって形成される波形フィンである。伝熱フィン40は、谷部41と山部42と伝熱面43とを有している。谷部41及び山部42は、扁平管10の扁平面に接触して、ロウ付け接合されている。伝熱面43には、ここでは、熱交換効率を向上させるためのルーバー状の切り起こし部44が形成されている。すなわち、ここでは、冷媒熱交換器1として、波形フィンタイプの積層型熱交換器が採用されている。
(4)ヘッダ
<ヘッダの全体構成>
ヘッダ20は、ここでは、図1に示すように、仕切板21によって、内部空間が2つに仕切られている。そして、冷媒熱交換器1を冷媒の放熱器として機能させる場合には、冷媒がヘッダ20の上部空間に流入する。ヘッダ20の上部空間に流入した冷媒は、上方に配置されている扁平管10の流路穴11a〜11bを通じてヘッダ30に流入する。ヘッダ30に流入した冷媒は、折り返されて、下方に設置されている扁平管10の流路穴11a〜11bを通じてヘッダ20の下部空間に流入し、その後、冷媒熱交換器1を出る。このとき、冷媒は、扁平管10の流路穴11a〜11iを通過する際に、冷却源としての空気との熱交換によって冷却される。また、冷媒熱交換器1を冷媒の蒸発器として機能させる場合には、冷媒がヘッダ20の下部空間に流入する。ヘッダ20の下部空間に流入した冷媒は、下方に配置されている扁平管10の流路穴11a〜11bを通じてヘッダ30に流入する。ヘッダ30に流入した冷媒は、折り返されて、上方に配置されている扁平管10の流路穴11a〜11bを通じてヘッダ20の上部空間に流入し、その後、冷媒熱交換器1を出る。このとき、冷媒は、扁平管10の流路穴11a〜11iを通過する際に、加熱源としての空気との熱交換によって蒸発する。尚、仕切板の数や配置等を含めた冷媒熱交換器1のパス取りは、図1に示すものに限定されるものではない。
ヘッダ20、30は、ここでは、図1及び図3に示すように、主として、基礎部材22、32と、連結部25、35とを有している。そして、扁平管10は、連結部25、35を介して、ヘッダ20、30にロウ付け接合されている。ここで、図3は、図1の冷媒熱交換器1をB方向から見た矢視図である。尚、ヘッダ20の構成は、基本的にヘッダ30の構成と同じである。このため、以下の説明では、ヘッダ30の構成だけについて主に説明し、ヘッダ20の構成については、ヘッダ30の30番台の符号を20番台の符号に読み換えるものとする。
<基礎部材>
基礎部材32は、ここでは、図3及び図4に示すように、アルミニウム又はアルミニウム合金等の金属材料からなり、主として、円筒部33と、連通孔形成部34とを有している。ここで、図4は、基礎部材32の斜視図である。
円筒部33は、主流路33aが形成された細長い略円柱形状の部分である。主流路33aは、基礎部材32の内部に形成された冷媒流路である。主流路33aは、円筒部33の長手方向に沿う方向から見た断面形状が円形の孔である。主流路33aは、ヘッダ30の長手方向に沿って延びている。主流路33aは、連通孔形成部34に形成された複数の連通孔34aに連通している。
連通孔形成部34は、円筒部33の側壁と一体的に繋がる略矩形形状の部分である。また、連通孔形成部34は、ヘッダ30の長手方向に沿って延びている。連通孔形成部34には、複数(ここでは、6個)の連通孔34aが形成されている。連通孔34aは、連通孔形成部34の長手方向に並んで形成されている。連通孔34aは、扁平管10と同じ配列間隔を空けて扁平管10の端部13に対向するように配置されている。また、ここでは、連通孔34aは、略円形の孔である。そして、ヘッダ30と扁平管10とが接合される際には、連通孔形成部34に連結部35が接合されるようになっている。
<連結部>
連結部35は、ここでは、図3、図5及び図6に示すように、ヘッダ本体30と多穴管10とを連結する部材の集合体である。ここで、図5は、図1の冷媒熱交換器1のI−I断面図(左側の端部付近のみ)である。図6は、図3の冷媒熱交換器1のII−II断面図(左側の端部付近のみ)である。
連結部35は、主として、スペーサ部材36と、固定部材37と、保持部材38とを有している。スペーサ部材36は、連通孔形成部34の扁平管10の端部13側の面(すなわち、円筒部33から遠い側の面)に接触するように配置されている。固定部材37は、スペーサ部材36の扁平管10の端部13側の面(すなわち、円筒部33から遠い側の面)に接触するように配置されている。保持部材38は、連通孔形成部34、スペーサ部材36及び固定部材37を円筒部33から遠い側から取り囲むように配置されている。すなわち、連結部35を構成するスペーサ部材36、固定部材37及び保持部材38は、基礎部材32側から順に配置されている。
スペーサ部材36は、図3及び図5〜図8に示すように、ヘッダ30の長手方向に延びる細長い略矩形形状の部材である。ここで、図7は、図5の冷媒熱交換器1のIII−III断面図である。図8は、図5の冷媒熱交換器1のIV−IV断面図である。スペーサ部材36には、複数(ここでは、6個)の対向孔36a(スペーサ側扁平管対向孔)が形成されている。対向孔36aは、スペーサ部材36の長手方向に並んで形成されている。対向孔36aは、連通孔34a及び扁平管10と同じ配列間隔を空けて、連通孔34a及び扁平管10の端部13に対向するように配置されている。そして、対向孔36aは、冷媒管10の長手方向に沿う方向から見た断面形状が連通孔34a及び流路穴11の全てに連通する扁平形状の孔(より具体的には、略長方形状の孔)である。すなわち、スペーサ部材36の対向孔36aは、基礎部材32と扁平管10との間に、基礎部材32からの冷媒を扁平管10の流路穴11a〜11iに分配するための流路、又は、扁平管10の流路穴11a〜11iからの冷媒を合流させるための流路をなしている。また、対向孔36aの長辺方向の寸法Lsは、扁平管10の扁平した断面形状の長辺方向の寸法Ltよりも小さくなっている。このため、スペーサ部材36は、対向孔36aの長辺方向の外周側の両端部36bが、扁平管10の端部13を冷媒管10の長手方向に沿って見た際に、扁平管10の端部13の一部(ここでは、長辺方向の端面13b)に接触するように配置されている。すなわち、スペーサ部材36の端部36bは、扁平管13の端部13をヘッダ30に差し込む際に、扁平管13の長手方向の端部13に当接することによって、扁平管10の長手方向の端部13のヘッダ30への差し込み深さを制限している。また、スペーサ部材36は、クラッド材である。具体的には、スペーサ部材36は、基礎部材32及び扁平管10と同じアルミニウム又はアルミニウム合金等の金属材料を心材としており、この心材の表面にロウ材が張り合わされた部材である。そして、スペーサ部材36は、基礎部材32の連通孔形成部34及び扁平管10の長手方向の端部13にロウ付け接合されている。
固定部材37は、図3及び図5〜図9に示すように、ヘッダ30の長手方向に延びる細長い略矩形形状の部材である。ここで、図9は、図5の冷媒熱交換器1のV−V断面図である。固定部材37には、複数(ここでは、6個)の挿入孔37a(固定側扁平管挿入孔)が形成されている。挿入孔37aは、固定部材37の長手方向に並んで形成されている。挿入孔37aは、連通孔34a、対向孔36a及び扁平管10と同じ配列間隔を空けて、連通孔34a及び対向孔36aに対向するように配置されている。そして、挿入孔37aは、扁平管10の長手方向に沿う方向から見た断面形状が扁平管10の長手方向の端部13を挿入することが可能な扁平形状の孔(より具体的には、略長円形状の孔)である。このため、固定部材37は、扁平管10の長手方向の端部13を挿入孔37aに挿入した状態で支持している。また、固定部材37は、基礎部材32及び扁平管10と同じアルミニウム又はアルミニウム合金等の金属材料からなる。そして、固定部材37は、扁平管10の長手方向の端部13を支持した状態で、スペーサ部材36及び扁平管10の長手方向の端部13にロウ付け接合されている。
保持部材38は、図3及び図5〜図10に示すように、ヘッダ30の長手方向に延びる細長い略矩形形状の部材である。ここで、図10は、図5の冷媒熱交換器1のVI−VI断面図である。保持部材38は、ヘッダ30の長手方向に沿って見た際に、略U字形状を有している。保持部材38には、複数(ここでは、6個)の挿入孔38a(保持側扁平管挿入孔)が形成されている。挿入孔38aは、保持部材38の長手方向に並んで形成されている。挿入孔38aは、連通孔34a、対向孔36a、挿入孔37a及び扁平管10と同じ配列間隔を空けて、連通孔34a、対向孔36a及び挿入孔37aに対向するように配置されている。そして、挿入孔38aは、扁平管10の長手方向に沿う方向から見た断面形状が扁平管10の長手方向の端部13が挿入可能な扁平形状の孔である。このため、保持部材38は、固定部材37と同様に、扁平管10の長手方向の端部13を挿入孔38aに挿入した状態で支持している。すなわち、固定部材37は、保持部材38に挿入された状態の扁平管10の長手方向の端部13を挿入した状態で支持していることになる。尚、ここでは、挿入孔38aの短辺方向及び長辺方向の寸法は、冷媒管10の扁平した断面形状の短辺方向及び長辺方向の寸法とほぼ同じになっている。そして、保持部材38は、スペーサ部材36、固定部材37及び扁平管10を保持し、この保持状態のままで、保持部材38の基礎部材32側の先端部38bが基礎部材32の連通孔形成部34にカシメ固定されている。すなわち、基礎部材32は、保持部材38との間に固定部材37及びスペーサ部材36を挟むように設けられ、保持部材38にカシメ固定されている。また、保持部材38も、スペーサ部材36と同様のクラッド材である。そして、保持部材38は、固定部材37及び扁平管10の長手方向の端部13にロウ付け接合されている。
以上のように、ここでは、ヘッダ20、30として、保持部材28、38、固定部材27、37、スペーサ部材26、36及び基礎部材22、32を有する積層構造が採用されている。
そして、このようなヘッダ20、30を有する冷媒熱交換器1においては、ロウ材による流路穴11a〜11iの詰まりを抑えつつ十分な耐圧強度を確保するための構造が形成されているが、この構造については後述するものとする。
(5)ロウ材による流路穴の詰まりを抑えるための構造がない場合のロウ付け接合
上述の冷媒熱交換器1の基本構成(すなわち、後述のロウ材による流路穴11a〜11iの詰まりを抑えつつ十分な耐圧強度を確保するための構造が形成されていない構成)においては、以下のような手順でロウ付け接合が行われる。
冷媒熱交換器1のロウ付けは、扁平管10の端部12、13をヘッダ20、30の所定位置に組み付けるとともに伝熱フィン40を扁平管10間に配置したロウ付け接合前の熱交集合体をロウ付け炉内に配置し、加熱することによって行われる。このとき、熱交集合体は、扁平管10の扁平した断面形状の長辺が上下方向を向く姿勢で炉内に配置される(図2参照)。
すると、スペーサ部材36や保持部材38に張り合わされたロウ材が溶融し、溶融したロウ材によって、扁平管10の長手方向の端部12、13がヘッダ20、30の所定位置に接合される。ここでは、基礎部材22の連通孔形成部24、スペーサ部材26、固定部材27及び保持部材28との間が互いにロウ付け接合されることによって、ヘッダ20を構成する。また、基礎部材32の連通孔形成部34、スペーサ部材36、固定部材37及び保持部材38との間が互いにロウ付け接合されることによって、ヘッダ30を構成する。そして、ヘッダ20、30が構成されるとともに、冷媒管10の長手方向の端部12、13がヘッダ20、30にロウ付け接合される。
しかし、このようなロウ付け接合においては、余剰のロウ材が発生し、この余剰のロウ材が扁平管10の流路穴11a〜11iに流入してしまい、ロウ材による流路穴11a〜11iの詰まりが発生するおそれがある。ここで、ロウ付け接合時にロウ材が扁平管10の流路穴11a〜11iに流入する原因としては、流路穴11a〜11iの毛管力等が挙げられる。すなわち、ロウ付け接合時に発生した余剰のロウ材が、流路穴11a〜11iの毛管力等によって、扁平管10の流路穴11a〜11iよりも外周側の部分から流路穴11a〜11iに引き込まれるということである。また、ロウ付け接合時にロウ材が扁平管10の流路穴11a〜11iに流入する原因としては、ロウ付け接合時における扁平管10の姿勢の影響も挙げられる。すなわち、ロウ付け接合時において、扁平管10が扁平した断面形状の長辺が上下方向を向く姿勢で炉内に配置されると、ロウ付け接合時に発生した余剰のロウ材は、扁平管10の長辺方向の下端(例えば、扁平した断面形状の長辺方向の端部13b)に溜まりやすくなる。そして、扁平管10の長辺方向の下端に溜まった余剰のロウ材は、扁平管10の長辺方向の下端部寄りに配置される流路穴(例えば、流路穴11i)に流入しやすい。
このように、冷媒熱交換器1では、ロウ材による流路穴11a〜11iの詰まりという技術的な課題があり、これに対して、冷媒熱交換器1では、後述するように、ロウ材による流路穴11a〜11iの詰まりを抑えるための構造を設けるようにしている。
(6)ロウ材による流路穴の詰まりを抑えるための構造
冷媒熱交換器1において、上述のようなロウ材11a〜11iによる流路穴の詰まりを抑えるためには、まず、扁平管10の外周縁と固定部材27、37の挿入孔27a、37a(固定側扁平管挿入孔)との間に隙間が確保された構造を採用することが好ましい。
そこで、ここでは、図5、図6、図9及び図11に示すように、ヘッダ30において、挿入孔37aを扁平管10の長手方向に沿って見た際に、扁平管10の外周縁との間のどの部分においても隙間が確保されるように、挿入孔37aを固定部材37に形成している。ここで、図11は、図6の拡大図である。具体的には、挿入孔37aの長辺方向の寸法Lfを扁平管10の長辺方向の寸法Ltよりも大きくし、かつ、挿入孔37aの短辺方向の寸法Wfを扁平管10の短辺方向の寸法Wtよりも大きくするようにしている。ここで、扁平管10の外周縁と挿入孔37aとの間に隙間を確保することによって固定部材37に形成される空間を、固定部材37における空洞領域Sfとする。尚、ここでは図示しないが、ヘッダ20においても、ヘッダ30と同様に、扁平管10の外周縁との間のどの部分においても隙間が確保されるように挿入孔27aを固定部材27に形成し、この隙間の確保によって空洞領域Sfが形成されている。
そして、このような扁平管10の外周縁と挿入孔27a、37aとの間に隙間を確保すると、固定部材27、37における空洞領域Sfが大きくなるため、ロウ付け接合時に発生した余剰のロウ材に対して、流路穴11a〜11iの毛管力等が作用しにくくなる。これにより、ロウ付け接合時に発生した余剰のロウ材が、扁平管10の流路穴11a〜11iよりも外周側の部分から流路穴11a〜11iに引き込まれにくくなり、ロウ材による流路穴11a〜11iの詰まりを抑えることができる。
また、ここでは、扁平管10の外周縁と挿入孔27a、37aとの間に隙間を確保するだけでなく、図5及び図9に示すように、ヘッダ30において、固定部材37にロウ材を溜めることが可能な空間からなるロウ溜まり部37bを設けるようにしている。ここで、ロウ溜まり部37bは、挿入孔37aの長辺方向の一方側の端部(ここでは、流路穴11i寄りの端部)に形成されている。具体的には、挿入孔37aを扁平管10の長手方向に沿って見た際に、扁平管10の外周縁と挿入孔37aの長辺方向の一方側の端部(ここでは、流路穴11i寄りの端部)との隙間を、扁平管10の外周縁と挿入孔37aの長辺方向の他方側の端部(ここでは、流路穴11a寄りの端部)との隙間よりも大きくすることによって、固定部材37にロウ溜まり部37bが形成されている。すなわち、ここでは、挿入孔37aの長辺方向の一方側の端部(ここでは、流路穴11i寄りの端部)がロウ溜まり部37bとして機能している。尚、ここでは図示しないが、ヘッダ20においても、ヘッダ30と同様に、固定部材27にロウ溜まり部27bが形成されている。
そして、このようなロウ溜まり部27b、37bを形成すると、固定部材27、37における空洞領域Sfがさらに大きくなるため、ロウ付け接合時に発生した余剰のロウ材をロウ溜まり部27b、37bに溜めることができるようになる。これにより、扁平管10の長辺方向の下端に溜まった余剰のロウ材が、扁平管10の長辺方向の下端部寄りに配置される流路穴(ここでは、流路穴11i)に流入しにくくなり、ロウ材による流路穴11a〜11iの詰まりを抑えることができる。
しかし、上述のような扁平管10の外周縁と固定部材27、37の挿入孔27a、37aとの間の隙間の確保や固定部材27、37へのロウ溜まり部27b、37bの形成によって、固定部材27、37における空洞領域Sfが大きくなると、ヘッダ20、30内の冷媒の圧力による応力が保持部材28、38及び固定部材27、37側に集中しやすくなる。そうすると、十分な耐圧強度を確保することができなくなるおそれがある。
このように、冷媒熱交換器1では、上述のようなロウ材による流路穴11a〜11iの詰まりという技術的な課題を解決するための構造の採用に起因する耐圧強度の低下という技術的な課題があり、これに対して、冷媒熱交換器1では、後述するように、十分な耐圧強度を確保するための構造を設けるようにしている。
(7)十分な耐圧強度を確保するための構造
冷媒熱交換器1において、上述のようなロウ材による流路穴の詰まりを抑える構造の採用に起因する耐圧強度の低下を抑えるためには、保持部材28、38及び固定部材27、37側への応力集中を抑える構造を設けることが好ましい。
そこで、ここでは、図8、図9及び図11に示すように、ヘッダ30において、スペーサ部材36の対向孔36a(スペーサ側扁平管対向孔)の短辺方向の寸法Wsを、固定部材37の挿入孔37a(固定側扁平管挿入孔)の短辺方向の寸法Wfよりも大きくするようにしている。ここで、対向孔36aによってスペーサ部材36に形成される空間を、スペーサ部材36における空洞領域Ssとする。尚、ここでは図示しないが、ヘッダ20においても、ヘッダ30と同様に、スペーサ部材26の対向孔26aの短辺方向の寸法Wsを、固定部材27の挿入孔27aの短辺方向の寸法Wfよりも大きくするようにしている。
そして、このような対向孔26a、36aの短辺方向の寸法Wsと挿入孔27a、37aの短辺方向の寸法Wfとの関係を採用すると、スペーサ部材26、36における空洞領域Ssが大きくなる。このため、ヘッダ20、30内の冷媒の圧力による応力がスペーサ部材26、36及び基礎部材22、32(ここでは、連通孔形成部24、34)側にも分散して、保持部材28、38及び固定部材27、37側への応力集中が抑えられる。特に、ここでは、ロウ溜まり部27b、37bが固定部材27、37に形成されているにもかかわらず、保持部材28、38及び固定部材27、37側への応力集中が抑えられている。これにより、ここでは、保持部材28、38、固定部材27、37、スペーサ部材26、36及び基礎部材22、32を有する積層構造のヘッダ20、30を採用するにあたり、ロウ材による流路穴11a〜11iの詰まりを抑えつつ十分な耐圧強度を確保することができる。
また、ここでは、基礎部材22、32のうち対向孔26a、36aに対向する連通孔形成部24、34(厚肉部)における扁平管10の長手方向の肉厚tbを、保持部材28、38のうち挿入孔27a、37aに対向する部分(薄肉部)における扁平管10の長手方向の肉厚taよりも大きくなっている。このため、ヘッダ20、30内の冷媒の圧力による応力を厚肉部(すなわち、連通孔形成部24、34)のあるスペーサ部材26、36及び基礎部材22、32側で受けることが好ましい。このため、上述のように、対向孔26a、36aの短辺方向の寸法Wsを挿入孔27a、37aの短辺方向の寸法Wfよりも大きくすることによって、応力を薄肉部のある保持部材28、38及び固定部材27、37側に集中させずに、応力を厚肉部のあるスペーサ部材26、36及び基礎部材22、32側に集中させることができる。
これにより、ここでは、ヘッダ20、30内の冷媒の圧力による応力を厚肉部のあるスペーサ部材26、36及び基礎部材22、32側で主に受けて、耐圧強度の向上を図ることができる。
(8)変形例1
上記の実施形態では、図9に示すように、固定部材27、37に形成された挿入孔27a、37a(固定側扁平管挿入孔)が略長円形状の孔であり、その長辺方向の両端部がいずれも半円形状をなしているが、これに限定されるものではない。
例えば、図12に示すように、ヘッダ30において、挿入孔37aの長辺方向の一方側(ここでは、流路穴11i寄り)の端部を長辺と短辺とがR部37cを介して繋がった形状にしてもよい。また、図13に示すように、ヘッダ30において、挿入孔37aの長辺方向の両端部を長辺と短辺とがR部37cを介して繋がった形状にしてもよい。尚、ここでは図示しないが、ヘッダ20においても、挿入孔37aの長辺方向の一方側(ここでは、流路穴11i寄り)の端部又は両端部を長辺と短辺とがR部27cを介して繋がった形状にしてもよい。
本変形例においても、上記の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。しかも、本変形例においては、挿入孔27a、37aの長辺方向の一方側(ここでは、流路穴11i寄り)の端部と扁平管10の外周縁との間の隙間を大きくすることができる。このため、ロウ材溜まり部27b、37bを大きくすることができる。これにより、ここでは、ロウ材による流路穴11a〜11iの詰まりをさらに抑えることができる。
(9)変形例2
上記の実施形態及び変形例1では、図1〜図13に示すように、ヘッダ20、30の各段に1本ずつ扁平管10の長手方向の端部12、13を挿入した、いわゆるシングルヘッダの構成に対して本発明を適用したが、これに限定されるものではない。
例えば、図14及び図15に示すように、ヘッダ30の各段に2本ずつ扁平管10の長手方向の端部13を挿入した、いわゆるリターンヘッダの構成に対して本発明を適用してもよい。本変形例のヘッダ30では、保持部材38の各段に2つずつ挿入孔38a(保持側扁平管挿入孔)が形成されている。また、固定部材37の各段に2つずつ挿入孔37a(固定側扁平管挿入孔)が形成されている。そして、2つの挿入孔37aの一方には、ロウ溜まり部37bが形成されている。また、スペーサ部材36の各段には、2つの扁平管10の両方に連通する対向孔36a(スペーサ側扁平管対向孔)が形成されている。これにより、2つの扁平管10が直列に接続されている。また、基礎部材32は、略矩形形状の部材である。そして、このようなヘッダ30においても、上記の実施形態及び変形例1と同様に、扁平管10の外周縁と固定部材37の挿入孔37aとの間に隙間が確保された構造や、固定部材37にロウ溜まり部37bを設けた構造を採用している。また、スペーサ部材36の対向孔36aの短辺方向の寸法Wsを固定部材27の挿入孔27aの短辺方向の寸法Wfよりも大きくした構造を採用している。さらに、基礎部材32のうち対向孔36aに対向する部分(厚肉部)における扁平管10の長手方向の肉厚tbを保持部材38のうち挿入孔37aに対向する部分(薄肉部)における扁平管10の長手方向の肉厚taよりも大きくした構造を採用している。尚、ここでは図示しないが、ヘッダ20にリターンヘッダの構成を採用する場合には、ヘッダ30と同様に構成することができる。
本変形例においても、上記の実施形態や変形例1と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、流路穴が形成された扁平管の長手方向の端部をヘッダにロウ付け接合することによって構成される冷媒熱交換器に対して、広く適用可能である。
1 冷媒熱交換器
10 扁平管
11a〜11i 流路穴
12、13 長手方向の端部
20、30 ヘッダ
22、32 基礎部材
26、36 スペーサ部材
26a、36a 対向孔(スペーサ側扁平管対向孔)
27、37 固定部材
27a、37a 挿入孔(固定側扁平管挿入孔)
27b、37b ロウ溜まり部
27c、37c R部
28、38 保持部材
28a、38a 挿入孔(保持側扁平管挿入孔)
特開2012−93075号公報

Claims (5)

  1. 流路穴(11a〜11i)が形成された扁平管(10)の長手方向の端部(12、13)をヘッダ(20、30)にロウ付け接合することによって構成される冷媒熱交換器において、
    前記ヘッダを、前記扁平管の長手方向の端部を挿入する扁平形状の保持側扁平管挿入孔(28a、38a)が形成された保持部材(28、38)と、前記保持部材に挿入された状態の前記扁平管の長手方向の端部を挿入する扁平形状の固定側扁平管挿入孔(27a、37a)が形成された固定部材(27、37)と、前記扁平管の長手方向の端部及び前記固定側扁平管挿入孔に対向する扁平形状のスペーサ側扁平管対向孔(26a、36a)が形成されたスペーサ部材(26、36)と、前記保持部材との間に前記固定部材及び前記スペーサ部材を挟むように設けられた基礎部材(22、32)と、を有するものとし、
    前記固定側扁平管挿入孔を前記扁平管の長手方向に沿って見た際に、前記扁平管の外周縁との間のどの部分においても隙間が確保されるように、前記固定側扁平管挿入孔を前記固定部材に形成し、
    前記スペーサ側扁平管対向孔の短辺方向の寸法(Ws)を、前記固定側扁平管挿入孔の短辺方向の寸法(Wf)よりも大きくする、
    冷媒熱交換器(1)。
  2. 前記固定部材(27、37)には、前記固定側扁平管挿入孔(27a、37a)の長辺方向の一方側の端部に、ロウ材を溜めることが可能な空間からなるロウ溜まり部(27b、37b)が形成されている、
    請求項1に記載の冷媒熱交換器(1)。
  3. 前記固定側扁平管挿入孔(27a、37a)を前記扁平管(10)の長手方向に沿って見た際に、前記扁平管の外周縁と前記固定側扁平管挿入孔の長辺方向の一方側の端部との隙間を、前記扁平管の外周縁と前記固定側扁平管挿入孔の長辺方向の他方側の端部との隙間よりも大きくすることによって、前記固定部材(27、37)に前記ロウ溜まり部(27b、37b)が形成されている、
    請求項2に記載の冷媒熱交換器(1)。
  4. 前記固定側扁平管挿入孔(27a、37a)の長辺方向の一方側の端部は、長辺と短辺とがR部(27c、37c)を介して繋がった形状を有している、
    請求項3に記載の冷媒熱交換器(1)。
  5. 前記基礎部材(22、32)のうち前記スペーサ側扁平管対向孔(26a、36a)に対向する厚肉部における前記扁平管(10)の長手方向の肉厚(tb)は、前記保持部材(28、38)のうち前記固定側扁平管挿入孔(27a、37a)に対向する薄肉部における前記扁平管の長手方向の肉厚(ta)よりも大きい、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷媒熱交換器(1)。
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