JP2014050785A - 振動ミル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被粉砕物Wが収容された粉砕ドラム11を回転させながら振動させることで被粉砕物Wを粉砕するように構成される振動ミル1において、第1の駆動モータ32からの回転動力を粉砕ドラム11に伝達する粉砕ドラム回転軸9と、粉砕ドラム回転軸9を介して粉砕ドラム11を回転可能に支持する粉砕ドラム支持体8と、粉砕ドラム支持体8を振動可能に支持する圧縮コイルばね7と、粉砕ドラム支持体8に回転可能に支持され、第2の駆動モータ33からの回転動力によって振動加速度を発生させる第1振動ロータ13及び第2振動ロータ14とを備えるものとする。
【選択図】図1
Description
被粉砕物を微粉砕するのに用いられて好適な装置として、例えば、特許文献1にて提案されている振動ミルがある。
駆動軸102は、その本体部分102aに対して所定の偏心量で偏心した偏心部102bを有し、この偏心部102bには、粉砕部103が回転可能に装着されている。
駆動軸102と粉砕部103との間には、偏心部102bの偏心量で互いに噛合するピニオンギヤ104とインターナルギヤ105とが配設されており、駆動軸102の自転に対して粉砕部103を所定の速度差を持たせて公転させることができるようになっている。
まず、駆動モータ101の作動によって駆動軸102を回転させて粉砕部103を所定回転数で回転させる。
次いで、粉砕部103が高遠心力場となった状態で、図示されない投入シュートから被粉砕物Wと粉砕媒体Mとを粉砕部103の内部に投入する。
投入された被粉砕物Wと粉砕媒体Mとは、高遠心力場となっている粉砕部103により、粉砕部103の粉砕壁106の内面に張り付いた状態となる。
この高遠心力場において、粉砕部103が遠心力G1よりも大きい振動加速度G2で振動するので、その振動加速度によって粉砕壁106の内面から被粉砕物Wと粉砕媒体Mとが一瞬離れるが、その後大きな遠心力G1によって粉砕壁106の内面に叩き付けられるので、その衝突による粉砕と、粉砕媒体Mとの衝突とによって被粉砕物Wをより微粉に粉砕することができる。
このため、この振動ミル100では、粉砕部103に作用する遠心力G1と、粉砕部103に作用する振動加速度G2とが、駆動モータ101によって回転駆動される駆動軸102の回転数に応じて一定の関係に定まり、これら遠心力G1と振動加速度G2とを個別に調整することができないという問題点がある。
被粉砕物が収容された粉砕ドラムを回転させながら振動させることで被粉砕物を粉砕するように構成される振動ミルにおいて、
第1の駆動モータにより粉砕ドラムを回転させる粉砕ドラム回転機構と、第2の駆動モータにより粉砕ドラムを振動させる粉砕ドラム振動機構とを備えるものとしたことを特徴とするものである(第1発明)。
また、第2の駆動モータによる粉砕ドラムの振動制御にて粉砕ドラムに作用させる振動加速度が調整される。
したがって、粉砕ドラムに作用させる遠心力と振動加速度とを個別に調整することができ、粉砕工程の処理内容をより細やかに調整することができる。
図1(a)(b)に示される振動ミル1は、粉砕処理が施される被粉砕物Wに対して遠心力と共に振動加速度を作用させて微粉砕する装置であって、装置の土台部分を構成する架台2を備えている。
架台2は、基台3上に所要の支柱部材4や背面補強板5等を介して中央に開口部6aを有するばね座板6が設けられて構成されている。
架台2上には、ばね座板6の四隅に配置された圧縮コイルばね7(本発明の「弾性体」に対応する。)を介して粉砕ドラム支持体8が設置されている。
この粉砕ドラム支持体8は、その内部に所要の広さの空間部8aを有する平面視角丸四角形状の箱型構造体である。
なお、本実施形態においては、架台2に対し粉砕ドラム支持体8を振動可能に設置するための弾性体として、ばね鋼よりなる圧縮コイルばね7を採用した例を示したが、この圧縮コイルばね7に代えてクッションゴム等を用いてもよい。
粉砕ドラム支持体8の中央部には、鉛直方向に軸線を有する粉砕ドラム回転軸9が軸受装置10を介して回転可能に支持されている。
粉砕ドラム回転軸9の上部には、粉砕ドラム11が固定されている。
粉砕ドラム11は、上方に開口されたドラム本体11aにその開口を塞ぐ蓋体11bが着脱可能に取り付けられて構成されている。
ドラム本体11aは、被粉砕物Wと粉砕媒体Mとが収容可能で、その外周面部にそれら被粉砕物Wと粉砕媒体Mとが衝突される粉砕壁12を有している。
ここで、被粉砕物Wとしては、例えば、金属や有機物の粒状物が挙げられる。
また、粉砕媒体Mは、被粉砕物Wの粉砕処理をより効率良く行うためのものであって、例えば、SUS、アルミナ、ジルコニュウム等の硬質材料からなる球体が用いられる。
粉砕ドラム支持体8の左右両側部には、粉砕ドラム回転軸9を挟むようにして、図1(b)において右側に第1振動ロータ13が、図1(b)において左側に第2振動ロータ14が、それぞれ対称位置に配設されている。
これら振動ロータ13,14は、いずれもロータ軸15に偏心錘16が取り付けられて構成されている。
ロータ軸15は、鉛直方向に軸線を有し、粉砕ドラム回転軸9に対して所定の軸間距離を存した位置で軸受装置17を介して粉砕ドラム支持体8に回転可能に支持されている。
粉砕ドラム支持体8の空間部8aは、粉砕ドラム回転軸9と各ロータ軸15,15とを貫通状態で受け入れることができるとともに、各ロータ軸15,15の回転時に各偏心錘16,16が自由に回転することができる大きさに設定されている。
基台3には、粉砕ドラム回転軸9と同心をなすように第1駆動軸18が軸受装置19を介して回転可能に支持されている。
また、基台3には、第1振動ロータ13におけるロータ軸15と同心をなすように第2駆動軸20が軸受装置21を介して回転可能に支持されるとともに、第2振動ロータ14におけるロータ軸15と同心をなすように従動軸22が軸受装置23を介して回転可能に支持されている。
第2駆動軸20において、その下端部には、第2従動プーリ25が固定され、その上部には、第1タイミングプーリ26が固定されている。
従動軸22の上部には、第1タイミングプーリ26と対をなすように第2タイミングプーリ27が固定されている。
第1タイミングプーリ26と第2タイミングプーリ27との間には、タイミングベルト28が巻き掛け装着されている。
粉砕ドラム回転軸9の下端部と第1駆動軸18の上端部とは、粉砕ドラム回転軸9と第1駆動軸18との相対位置の変化を許容しつつ回転動力を伝達する第1たわみ軸継手29によって連結されている。
第1振動ロータ13におけるロータ軸15の下端部と第2駆動軸20の上端部とは、ロータ軸15と第2駆動軸20との相対位置の変化を許容しつつ回転動力を伝達する第2たわみ軸継手30によって連結されている。
第2振動ロータ14におけるロータ軸15の下端部と従動軸22の上端部とは、ロータ軸15と従動軸22との相対位置の変化を許容しつつ回転動力を伝達する第3たわみ軸継手31によって連結されている。
基台3には、第1の駆動モータ32及び第2の駆動モータ33がそれぞれ設置されている。
第1の駆動モータ32の出力軸には、第1駆動プーリ34が固定され、この第1駆動プーリ34と第1従動プーリ24との間には、第1駆動ベルト35が巻き掛け装着されている。
第2の駆動モータ33の出力軸には、第2駆動プーリ36が固定され、この第2駆動プーリ36と第2従動プーリ25との間には、第2駆動ベルト37が巻き掛け装着されている。
第1の駆動モータ32からの回転動力は、第1駆動プーリ34、第1駆動ベルト35、第1従動プーリ24、第1駆動軸18、第1たわみ軸継手29及び粉砕ドラム回転軸9を含む動力伝達機構38を介して粉砕ドラム11に伝達される。
これら第1の駆動モータ32及び動力伝達機構38により、粉砕ドラム11を回転させる粉砕ドラム回転機構39が構築されている。
第2の駆動モータ33からの回転動力は、第2駆動プーリ36、第2駆動ベルト37、第2従動プーリ25、第2駆動軸20及び第2たわみ軸継手30を含む動力伝達機構40を介して第1振動ロータ13に伝達されるとともに、第2駆動プーリ36、第2駆動ベルト37、第2従動プーリ25、第2駆動軸20、第1タイミングプーリ26、タイミングベルト28、第2タイミングプーリ27、従動軸22及び第3たわみ軸継手31を含む動力伝達機構41を介して第2振動ロータ14に伝達される。そして、圧縮コイルばね7によって振動可能に支持された粉砕ドラム支持体8が第1振動ロータ13及び第2振動ロータ14の加振作用によって水平方向に円を描くように揺り動かされて、粉砕ドラム11が円振動される。
これら第2の駆動モータ33、動力伝達機構40,41、圧縮コイルばね7及び粉砕ドラム支持体8により、粉砕ドラム11を振動させる粉砕ドラム振動機構42が構築されている。
以上に述べたように構成される本実施形態の振動ミル1による粉砕処理動作は以下のとおりである。
まず、ドラム本体11aの中に被粉砕物Wと粉砕媒体Mとを入れて蓋体11bで蓋をする。
次いで、第1の駆動モータ32の制御による粉砕ドラム11の回転制御により、粉砕ドラム11に作用させる遠心力を調整するとともに、第2の駆動モータ33による粉砕ドラム11の振動制御にて粉砕ドラム11に作用させる振動加速度を調整する。これにより、粉砕ドラム11内の被粉砕物Wと粉砕媒体Mとには、上記の回転制御と振動制御とによる遠心力と振動加速度とが作用することになる。
被粉砕物Wと粉砕媒体Mとは、振動加速度によって粉砕壁12の内面から一瞬離れるが、その後、遠心力によって粉砕壁12の内面に叩き付けられる。こうして、粉砕壁12への衝突による粉砕と、粉砕媒体Mとの衝突とによって被粉砕物Wがより微粉に粉砕される。
本実施形態の振動ミル1によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)粉砕ドラム11に作用させる遠心力と振動加速度とを個別に調整することができるので、粉砕工程の処理内容をより細やかに調整することができる。
(2)粉砕ドラム回転機構39は第1の駆動モータ32及び動力伝達機構38よりなり、粉砕ドラム振動機構42は第2の駆動モータ33、動力伝達機構40,41、圧縮コイルばね7及び粉砕ドラム支持体8よりなり、いずれの機構39,42とも比較的簡易な構成であるので、粉砕ドラム11に作用させる遠心力と振動加速度との個別調整を比較的簡易な構成で達成することができる。
(3)粉砕ドラム回転軸9を挟むようにして第1振動ロータ13と第2振動ロータ14とが対称位置に配設されるので、粉砕ドラム11に作用させる振動加速度を偏りなく効果的に作用させることができる。
(4)第1振動ロータ13と第2振動ロータ14とがタイミングベルト28によって同期駆動されるので、個々の振動ロータ13,14が発生する振動加速度を相殺することなく確実に粉砕ドラム11に作用させることができる。
次に、図2に、本実施形態の振動ミル1による粉砕処理の具体例を示す。
本実施形態の振動ミル1は、特に限定されるものではないが、例えば、第1の駆動モータ32の回転方向を切り替えることにより、粉砕ドラムの回転方向と振動による回転方向(第1振動ロータ13及び第2振動ロータ14の回転方向)を同方向とする正回転運転(図2(a))と、逆方向とする逆回転運転(図2(b))の2つの回転モードで運転を行うことができる。
粉砕ドラム11の内部での粉砕媒体Mである球体の挙動をシュミレーション解析をすると、表1に示すように、粉砕作用を現出する粉砕媒体Mの衝突エネルギは、逆回転運転では正回転運転に比べて 数倍の衝突エネルギを発生することが判った。
逆回転運転では、粉砕媒体Mの衝突エネルギが大きく、かつ、粉砕媒体Mの法線方向の衝突エネルギの割合が大きいことから、被粉砕物Wを所定の粒度に粉砕する粉砕速度が速くなることが期待できる。
また、衝撃や圧縮による粉砕が必要な硬い被粉砕物Wの粉砕に適するものとなる。
一方、正回転運転では、逆回転運転と異なり、接線方向の衝突エネルギの割合が大きく、被粉砕物W所定の粒度に粉砕する粉砕速度が遅くなるが、剪断粉砕が必要な柔らかい被粉砕物Wの粉砕に適するものとなる。
また、被粉砕物Wによっては、粉砕工程で粉砕ドラム11の内壁に強く固着する物性のものがあるが、このような被粉砕物Wの場合は、正回転運転と逆回転運転とを交互に繰り返すことで、固着を抑制することもできる。
7 圧縮コイルばね(弾性体)
8 粉砕ドラム支持体
9 粉砕ドラム回転軸
11 粉砕ドラム
13 第1振動ロータ
14 第2振動ロータ
28 タイミングベルト
32 第1の駆動モータ
33 第2の駆動モータ
39 粉砕ドラム回転機構
42 粉砕ドラム振動機構
W 被粉砕物
M 粉砕媒体
Claims (4)
- 被粉砕物が収容された粉砕ドラムを回転させながら振動させることで被粉砕物を粉砕するように構成される振動ミルにおいて、
第1の駆動モータにより粉砕ドラムを回転させる粉砕ドラム回転機構と、第2の駆動モータにより粉砕ドラムを振動させる粉砕ドラム振動機構とを備えるものとしたことを特徴とする振動ミル。 - 粉砕ドラム回転機構は、第1の駆動モータからの回転動力を粉砕ドラムに伝達する粉砕ドラム回転軸を備えてなり、
粉砕ドラム振動機構は、粉砕ドラム回転軸を介して粉砕ドラムを回転可能に支持する粉砕ドラム支持体と、この粉砕ドラム支持体を振動可能に支持する弾性体と、粉砕ドラム支持体に回転可能に支持され、第2の駆動モータからの回転動力によって振動加速度を発生させる振動ロータとを備えてなるものとしたことを特徴とする請求項1に記載の振動ミル。 - 振動ロータが、粉砕ドラム回転軸を挟むようにして対称位置に配設されるものとしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の振動ミル。
- 粉砕ドラム回転軸を挟むようにして対称位置に配設される振動ロータがタイミングベルトによって同期して駆動されるものとしたことを特徴とする請求項3に記載の振動ミル。
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