JP2014050035A - 遅延信号除去装置及び中継装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】受信信号から遅延プロファイルを生成して、遅延信号を除去する遅延信号除去装置において、生成した遅延プロファイルに現れる不要な遅延信号成分(先行波等)の影響を受けることなく、実際に存在する遅延信号成分を選択的に除去できるようにする。
【解決手段】遅延信号除去装置10は、離散フーリエ変換部26、伝達関数算出部28、逆数算出部30、及び、逆離散フーリエ変換部32からなるFFT方式の遅延プロファイル算出手段にて、中継すべきOFDM信号の遅延プロファイルを生成し、その生成した遅延プロファイルに基づき、遅延信号除去用のキャンセル信号を生成するFIRフィルタ20のフィルタ係数を設定する。そして、その設定されたフィルタ係数の内、不要な遅延信号成分に対応したマスク領域の係数については、マスク部36にて最小値にマスクすることで、不要な遅延信号成分に対応したキャンセル信号が生成されるのを防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、地上デジタルテレビ放送等で利用されているOFDM信号を中継する中継装置において、受信信号の中から、中継すべきOFDM信号に対する遅延信号成分を除去するのに用いられる遅延信号除去装置に関する。
地上デジタルテレビ放送等で利用されているOFDM信号を周波数変換(換言すればチャンネル変換)することなく中継するSFN方式の中継装置には、送信アンテナからの送信電波の回り込み等によって、中継すべきOFDM信号に対する不要な遅延信号成分を送信することのないよう、遅延信号除去装置が設けられている。
この遅延信号除去装置は、遅延信号の遅延プロファイル(複素インパルス応答)を測定し、その測定した遅延プロファイルに従い、受信信号から遅延信号成分を除去するものである。
またこの種の中継装置において、遅延プロファイルの測定には、通常、受信したOFDM信号を離散フーリエ変換することで、受信帯域内のスペクトルを抽出し、各スペクトルを時間的に平均化して、その逆数を逆離散フーリエ変換するFFT方式のものが利用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
一方、遅延プロファイルの測定方法としては、FFT方式以外にも、例えば、OFDM信号に同期復調時の振幅位相基準として挿入されるSP信号(Scattered Pilot Signal)等の基準信号を用いて伝送路の伝達関数を推定し、その推定した伝送路の伝達関数の逆数を逆離散フーリエ変換することで遅延プロファイルを測定するSP方式のものも知られている。
しかし、このSP方式では、受信信号の中からSP信号を抽出する必要があり、装置構成が複雑になる。このため、測定精度が要求されるスペクトラムアナライザ等の測定装置では採用されているものの、中継装置では、比較的安価に構成できるFFT方式のものが採用されることが多い。
特開2011−103647号公報 特許第4109513号公報
ところで、遅延プロファイルの測定をFFT方式で行うと、受信信号に、中継すべきOFDM信号に対する先行波成分が重畳されている場合に、その先行波成分が遅延信号成分として測定されてしまうという問題があった。
そして、このように、本来遅延信号とはならない先行波成分が遅延信号成分として測定されると、その測定結果である遅延プロファイルから生成される除去信号(詳しくは、遅延信号成分を除去するための信号)として、先行波成分に対応した不要な除去信号が生成されることになる。
そして、このような不要な除去信号が生成されると、受信信号から除去信号を除去した信号に、その不要な除去信号が重畳されてしまい、遅延信号除去装置は、その不要な除去信号を更に除去するように動作することから、遅延信号除去装置が発振してしまうことがある。
また、こうした問題は、受信信号に先行波成分が重畳された場合だけでなく、中継すべきOFDM信号に対し遅延時間が著しく長い遅延信号が受信信号に重畳された場合にも同様に発生する。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、受信信号に重畳された先行波成分や遅延時間が著しく長い遅延信号成分によって、遅延プロファイルに不要な遅延信号成分が含まれている場合に、不要な遅延信号成分の影響を受けることなく、実際に存在する遅延信号成分を選択的に除去することのできる遅延信号除去装置、及び、この遅延信号除去装置を備えた中継装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、OFDM信号を受信アンテナにて受信し、該受信信号を送信アンテナから再送信する中継装置において、前記受信信号に重畳された前記OFDM信号の遅延信号成分を除去する遅延信号除去装置であって、
前記受信アンテナからの受信信号に基づき、前記OFDM信号の遅延プロファイルを算出する遅延プロファイル算出手段と、
該遅延プロファイル算出手段にて算出された遅延プロファイルに基づき、前記遅延信号成分を除去するための除去信号を生成する除去信号生成手段と、
前記受信アンテナからの受信信号と前記除去信号生成手段とを混合することで、前記受信信号から前記遅延信号成分を除去する遅延信号除去手段と、
前記除去信号生成手段にて生成される除去信号の内、予め設定された特定期間内の信号成分を最小値に固定し、当該特定期間内の信号除去を抑制する信号除去抑制手段と、
を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遅延信号除去装置において、
前記除去信号生成手段は、
前記受信信号から前記除去信号を抽出するFIRフィルタと、
前記遅延プロファイルに基づき、前記FIRフィルタのフィルタ係数を算出する係数算出手段と、
を備え、
前記信号除去抑制手段は、前記係数算出手段にて算出されたフィルタ係数の一部を最小値に固定することで、前記特定期間内の信号除去を抑制することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遅延信号除去装置において、
前記信号除去抑制手段が信号除去を抑制する前記特定期間を、外部からの指令に従い設定する特定期間設定手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遅延信号除去装置において、
前記遅延プロファイル算出手段による前記遅延プロファイルの算出結果を、外部装置に出力する遅延プロファイル出力手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の遅延信号除去装置において、
前記遅延プロファイル算出手段は、
前記OFDM信号の受信信号を離散フーリエ変換することで当該OFDM信号の周波数軸上のスペクトルを抽出する離散フーリエ変換部と、
該離散フーリエ変換部にて抽出されたスペクトルに基づき前記送信アンテナから前記受信アンテナに至る伝送路の伝達関数を算出する伝達関数算出部と、
該伝達関数算出部にて算出された伝達関数の逆数を算出する逆数算出部と、
該逆数算出部からの出力を逆離散フーリエ変換することで前記遅延プロファイルを導出する逆離散フーリエ変換部と、
を備えたことを特徴とする。
一方、請求項6に記載の発明は、OFDM信号を受信アンテナにて受信し、該受信信号を送信アンテナから再送信する中継装置であって、
前記受信信号に重畳された前記OFDM信号の遅延信号成分を除去する遅延信号除去装置として、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の遅延信号除去装置を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の遅延信号除去装置においては、まず、遅延プロファイル算出手段が、受信アンテナからの受信信号に基づき、OFDM信号の遅延プロファイルを算出する。
すると、除去信号生成手段が、その算出された遅延プロファイルに基づき、受信信号から遅延信号成分を除去するための除去信号を生成し、遅延信号除去手段が、受信アンテナからの受信信号と除去信号生成手段とを混合することで、受信信号から遅延信号成分を除去する。
また、本発明の遅延信号除去装置には、除去信号生成手段にて生成される除去信号の内、予め設定された特定期間内の信号成分を最小値に固定し、当該特定期間内の信号除去を抑制する信号除去抑制手段が設けられている。
このため、受信信号に、中継すべきOFDM信号に対する先行波成分や、遅延時間が著しく長い遅延信号成分が重畳されていて、遅延プロファイル算出手段にて算出された遅延プロファイルに、これら先行波成分や遅延時間が著しく長い遅延信号成分に対応した不要な遅延信号成分(換言すれば実際には存在しない遅延信号成分)が含まれている場合に、その不要な遅延信号成分に対応して、信号除去抑制手段が除去信号を最小値に固定する特定期間を設定することで、遅延信号除去信号生成手段にて生成される除去信号の中から、その不要な遅延信号成分に対応した除去信号成分を除去することができるようになる。
従って、本発明の遅延信号除去装置によれば、遅延プロファイル算出手段にて算出された遅延プロファイルに、実際には存在しない遅延信号成分が含まれていても、その遅延信号成分の影響を受けることなく、受信信号の中から、実際に存在する遅延信号成分を選択的に除去することができる。
よって、本発明の遅延信号除去装置を用いて、OFDM信号の中継装置を構築すれば、OFDM信号を高品質に中継可能な中継装置を構築できることになる。
ここで、請求項2に記載のように、除去信号生成手段は、一般に、受信信号から除去信号を抽出するためのFIRフィルタと、遅延プロファイルに基づきFIRフィルタのフィルタ係数を算出する係数算出手段とを用いて構成される。
そして、この場合、信号除去抑制手段は、係数算出手段にて算出されたフィルタ係数の一部を最小値に固定することで、特定期間内の信号除去を抑制するようにすればよい。
一方、先行波成分や遅延時間が著しく長い遅延信号成分が遅延プロファイル上にイメージとして現れる期間は、遅延信号除去装置の使用環境(設定点等)により変化し、場合によっては、現れないこともある。
このため、信号除去抑制手段が信号除去を抑制する特定期間は、遅延信号除去装置の使用環境に応じて任意に設定できるようにすることが望ましく、そのためには、請求項3に記載のように、信号除去抑制手段が信号除去を抑制する特定期間を外部からの指令に従い設定する特定期間設定手段を設けるとよい。
つまり、このようにすれば、遅延信号除去装置の設置者は、遅延信号除去装置の使用環境に応じて、特定期間を設定することができ、場合によってはその特定期間をなくすこともできるので、遅延信号除去装置の用途を拡大することができる。
またこのように、遅延信号除去装置に特定期間設定手段を設ける場合には、更に、請求項4に記載のように、遅延プロファイル出力手段を設けて、遅延プロファイル算出手段による遅延プロファイルの算出結果を、外部装置に出力できるようにするとよい。
つまり、このようにすれば、遅延信号除去装置の設置者は、遅延プロファイル出力手段から出力される遅延プロファイルをパソコン等の情報処理装置に取り込み、ディスプレイに表示させることができる。
このため、設置者は、遅延プロファイルの表示画面から、不要な先行波成分若しくは不要な遅延信号成分の発生期間を特定して、信号除去抑制手段が信号除去を抑制する特定期間を設定できることになり、遅延信号除去装置の設置時の作業性を向上することができる。
なお、請求項5に記載のように、遅延プロファイル算出手段としては、離散フーリエ変換部と、伝達関数算出部と、逆数算出部と、逆離散フーリエ変換部とにより、上述したFFT方式のものを採用するとよい。
つまり、このようにすれば、上述したSP方式のものを採用した場合に比べて、装置構成を簡単にして、遅延信号除去装置を比較的安価に構成できることになる。
一方、請求項2に記載の中継装置によれば、上述した本発明の遅延信号除去装置を備えているので、受信信号から、中継すべきOFDM信号の遅延信号成分を良好に除去することができ、発振等の不具合を発生させることなく、OFDM信号を高品質で中継することが可能となる。
実施形態の中継装置及び遅延信号除去装置の構成を表すブロック図である。 受信信号に先行波が重畳される中継システムの構成を表す説明図である。 先行波が存在する場合にFFT方式にて生成される遅延プロファイルを表す説明図である。 マスク部の動作を説明する説明図である。 遅延時間が著しく長い遅延波が存在する場合の遅延プロファイルを説明する説明図である。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
本実施形態の中継装置は、地上デジタルテレビ放送の放送電波(OFDM信号)を受信アンテナ2で受信し、その受信信号を、周波数変換することなく、同一放送チャンネルの状態で送信アンテナ4から再送信する、SFN方式の中継局を構成するためのものである。
そして、本実施形態の中継装置には、放送局や他の中継局から送信された放送電波の反射、送信アンテナ4からの送信電波の受信アンテナ2への回り込み、等によって受信信号に重畳された遅延信号を除去するために、A/D変換部6、遅延信号除去装置10、及びD/A変換部8が設けられている。
ここで、A/D変換部6は、受信アンテナ2にて受信された受信信号の中から、中継対象(換言すれば遅延信号の除去対象)となる放送信号(OFDM信号)を選局することで、ベースバンドのOFDM信号に周波数変換し、周波数変換後のOFDM信号をデジタルデータに変換する。
また、遅延信号除去装置10は、A/D変換部6にてデジタルデータに変換されたベースバンドのOFDM信号に基づき、遅延信号を除去するのに必要なキャンセル信号(デジタルデータ)を生成し、そのキャンセル信号を、ベースバンドのOFDM信号から除去する。
また、D/A変換部8は、遅延信号除去装置10にて遅延信号が除去されたOFMD信号をアナログ信号にD/A変換し、そのアナログ信号を、A/D変換部6でダウンコンバートする前の元の周波数帯にアップコンバートすることで、回り込み信号除去後の放送信号を生成し、送信アンテナ4から送信させる。
次に、遅延信号除去装置10の構成について説明する。
なお、この遅延信号除去装置10は、デジタルデータを処理するものであるため、マイコン若しくはASIC等のデジタル信号処理回路にて構成されており、以下に説明する個々の構成要素は、機能ブロックである。
図1に示すように、遅延信号除去装置10は、キャンセル信号を生成するためのFIRフィルタ20と、FIRフィルタ20にて生成されたキャンセル信号とA/D変換部6から入力されたOFDM信号とを加算することでOFDM信号からキャンセル信号を除去する加算器12と、を備える。
なお、FIRフィルタ20は、加算器12から出力されるOFDM信号を取り込み、その取り込んだOFDM信号を所定のフィルタ係数にてフィルタ処理することにより、キャンセル信号を生成するものである。
そして、遅延信号除去装置10には、FIRフィルタ20にて、OFDM信号に重畳された遅延信号を除去するためのキャンセル信号を生成できるように、加算器12から出力されるOFDM信号に基づき、FIRフィルタ20のフィルタ係数を設定するフィルタ係数設定部22が設けられている。
このフィルタ係数設定部22は、離散フーリエ変換部26、伝達関数算出部28、逆数算出部30、逆離散フーリエ変換部32、及び、係数算出部34を備える。
離散フーリエ変換部26は、A/D変換部6から入力されたベースバンドのOFDM信号を離散フーリエ変換することで、OFDM信号の周波数軸上のスペクトルを抽出するものであり、その抽出されたスペクトルは、伝達関数算出部28に入力される。
そして、伝達関数算出部28は、離散フーリエ変換部26で抽出されたスペクトルに基づき、OFDM信号の主波に対する遅延波の伝送路の伝達関数を算出し、逆数算出部30は、その算出された伝達関数の逆数を算出し、逆離散フーリエ変換部32は、逆数算出部30からの出力を逆離散フーリエ変換することで、遅延プロファイルを導出する。
なお、このように遅延プロファイルを算出する手順は、FFT方式の遅延プロファイル算出手順として知られているので、ここでは詳細な説明は省略する。
次に、逆離散フーリエ変換部32で算出された遅延プロファイルは、係数算出部34に入力され、係数算出部34は、その入力された遅延プロファイルに基づき、FIRフィルタ20にて遅延信号除去用のキャンセル信号を生成するのに要するフィルタ係数を算出する。
このように算出されたフィルタ係数は、通常、そのままFIRフィルタ20に設定されるが、本実施形態のフィルタ係数設定部22には、フィルタ係数の一部を最小値(値0)としてFIRフィルタ20に設定する、マスク部36が設けられている。
また、遅延信号除去装置10には、マスク部36がフィルタ係数の一部を最小値にマスクする範囲を設定するためのマスク領域設定部40、及び、逆離散フーリエ変換部32にて算出された遅延プロファイルを出力するためのデータ出力部38が設けられている。
そして、このマスク領域設定部40、及び、逆離散フーリエ変換部32は、データ入出力端子を介して、パソコン等からなるデータ入出力装置50に接続可能にされている。
このため、使用者は、データ入出力装置50を利用して遅延プロファイルを確認し、この遅延プロファイルの中から不要な遅延信号成分を特定して、その不要な遅延信号成分に対応して、マスク部36によるマスク領域を設定することができる。
次に、本実施形態の遅延信号除去装置10において、マスク部36、データ出力部38、及び、マスク領域設定部40が設けられている理由(換言すれば、これら各部の作用効果)について説明する。
まず、図2に示すように、送信局1からの送信電波を、第1中継局GF1、第2中継局GF2、第3中継局GF3を介して順に中継する場合、第2中継局GF2には、第1中継局GF1からの再送信波S21だけでなく、送信局1からの送信波S2が届くことがある。
また、第3中継局GF3には、第2中継局GF2からの再送信波S22だけでなく、第1中継局GF1からの再送信波S21−1や、送信局1からの送信波S3が届くことがある。
この場合、第2中継局GF2に届く送信局1からの送信波S2は、再送信すべき主波である第1中継局GF1からの再送信波S21に比べて、第1中継局GF1での処理時間(遅延時間)D1分だけ早く届き、先行波となる。
従って、第2中継局GF2で生成されるべき本来の遅延プロファイルでは、再送信波S21よりも遅延時間D1分だけ前に送信波S2が現れ、再送信波S21よりも遅延時間D2分だけ後に、自身の再送信波S22の回り込み信号(エコーS22D)が遅延波として現れることになる。
また、第3中継局GF3に届く送信局1からの送信波S3は、再送信すべき主波である第2中継局GF2からの再送信波S22に比べて、第1中継局GF1及び第2中継局GF2での処理時間(遅延時間)「D1+D2」分だけ早く届き、先行波となる。
また、第3中継局GF3に届く第1中継局GF1からの再送信波S21−1は、再送信すべき主波である第2中継局GF2からの再送信波S22に比べて、第2中継局GF2での処理時間(遅延時間)D2分だけ早く届き、先行波となる。
従って、第3中継局GF3で生成されるべき本来の遅延プロファイルでは、再送信波S22よりも遅延時間「D1+D2」分だけ前に送信波S3が現れ、同じく遅延時間D2分だけ前に再送信波S21−1が現れ、再送信波S22よりも遅延時間D3分だけ後に、自身の再送信波S23の回り込み信号(エコーS23D)が遅延波として現れることになる。
この場合、先行波が主波に対し、信号レベルが充分小さければ問題ないが、先行波の伝送路が短く、その信号レベルが充分減衰されていない場合(つまり、先行波の信号レベルが高い場合)には、図3に示すように、フィルタ係数設定部22でFFT法により生成される遅延プロファイル上で、先行波が主波を中心として折り返され、折り返し遅延波として、主波よりも後に現れる。
なお、図3において、(a)は実際の遅延プロファイルを表し、(b)はFFT法にて生成される遅延プロファイルを表す。
そして、このように、先行波が折り返し遅延波として遅延プロファイル上に現れると、その遅延プロファイルからFIRフィルタ20のフィルタ係数を設定して、キャンセル信号を生成すると、キャンセル信号には、実際には存在しない折り返し遅延波を除去するための不要な信号成分が含まれることになる。
そして、キャンセル信号に、このような不要な信号成分が含まれると、OFDM信号からキャンセル信号を除去した信号に、その不要な信号成分が重畳されてしまい、遅延信号除去装置10は、その不要な信号成分を更に除去するように動作することから、遅延信号除去装置10が発振してしまうことがある。
そこで、本実施形態では、フィルタ係数設定部22に、マスク部36を設けることで、図4に示すように、係数算出部34にて算出されたフィルタ係数の内、先行波に対応する折り返し遅延波に対応した領域のフィルタ係数を最小値(値0)に設定するようにしているのである。
従って、本実施形態の遅延信号除去装置10によれば、遅延信号の除去対象となる主波に対する先行波が、折り返し遅延波として遅延プロファイルに現れたとしても、その折り返し遅延波を除去するようにFIRフィルタ20のフィルタ係数が設定されて、発振等の不具合が発生するのを防止することができる。
また、本実施形態では、マスク部36にてフィルタ係数を最小値(値0)にマスクするマスク領域を、マスク領域設定部40を介して外部から設定できるようにされているので、中継装置の設置者は、遅延信号除去装置10の使用環境に応じて、マスク領域を任意に設定することができ、場合によってはマスク領域をなくすこともできる。
また、このようにマスク領域を設定するには、フィルタ係数設定部22内で求められる遅延プロファイル上で、折り返し遅延波のような、遅延信号の除去対象とならない不要信号を特定し、その不要信号の発生領域に基づき、マスク領域を設定する必要があるが、本実施形態では、遅延信号除去装置10内に、データ出力部38を設けているので、中継装置の設置者は、データ入出力装置50を接続して、遅延プロファイルを表示させることで、マスク領域を簡単に特定することができる。
よって、本実施形態の遅延信号除去装置10は、中継装置の設置者にとって、極めて使い勝手のよい装置となる。
なお、本実施形態において、離散フーリエ変換部26、伝達関数算出部28、逆数算出部30、及び、逆離散フーリエ変換部32は、本発明の遅延プロファイル算出手段に相当し、係数算出部34及びFIRフィルタ20は、本発明の除去信号生成手段に相当し、加算器12は、本発明の遅延信号除去手段に相当する。
また、マスク部36は、本発明の信号除去抑制手段に相当し、マスク領域設定部40は、本発明の特定期間設定手段に相当し、データ出力部38は、本発明の遅延プロファイル出力手段に相当する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて、種々の態様をとることができる。
例えば、上記実施形態では、遅延プロファイルは、離散フーリエ変換部26、伝達関数算出部28、逆数算出部30、及び、逆離散フーリエ変換部32からなるFFT方式の遅延プロファイル生成手段にて生成するものとして説明したが、上述したSP方式のものであっても、本発明を適用して、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
つまり、SP方式で遅延プロファイルを生成するようにすると、上述した先行波による問題は生じないものの、図5(a)に示すように、回り込み信号等の通常の遅延信号(第1遅延波)とは別に、A/D変換部6によるOFDM信号のサンプリング周期を越える長い遅延時間を有する遅延信号(第2遅延波)が存在する場合に、問題が発生する。
つまり、SP方式で遅延プロファイルを生成した場合、図3(c)に示すように、第2遅延波は、逆離散フーリエ変換を行うポイント数(IFFTポイント数)を一周して現れる。
そして、生成した遅延プロファイルに、この第2遅延波が現れ、これを除去するようにFIRフィルタ20のフィルタ係数を設定すると、FFT方式で折り返し遅延波が現れ、これを除去するようにフィルタ係数を設定した場合と同様の問題が生じる。
しかし、本発明では、上記実施形態のように、マスク部36やマスク領域設定部40を設けることで、遅延プロファイル上に現れた第2遅延波を除去しないようにフィルタ係数をマスクすることができるので、この問題を防止できる。
なお、長い遅延時間を有する遅延信号(第2遅延波)が存在する場合、FFT方式で遅延プロファイルを生成すると、図5(b)に示すように、先行波が存在する場合と同様、逆離散フーリエ変換を行うポイント数(IFFTポイント数)の1/2のポイントを折り返しポイントとして、折り返し第2遅延波が現れるが、上記実施形態の遅延信号除去装置10によれば、この折り返し第2遅延波に対応して、フィルタ係数のマスク領域を設定することができるので、遅延信号除去装置10が折り返し第2遅延波の影響を受けるのを防止できる。
2…受信アンテナ、4…送信アンテナ、6…A/D変換部、8…D/A変換部、10…遅延信号除去装置、12…加算器、20…FIRフィルタ、22…フィルタ係数設定部、26…離散フーリエ変換部、28…伝達関数算出部、30…逆数算出部、32…逆離散フーリエ変換部、34…係数算出部、36…マスク部、38…データ出力部、40…マスク領域設定部、50…データ入出力装置、1…送信局、GF1…第1中継局、GF2…第2中継局、GF3…第3中継局。

Claims (6)

  1. OFDM信号を受信アンテナにて受信し、該受信信号を送信アンテナから再送信する中継装置において、前記受信信号に重畳された前記OFDM信号の遅延信号成分を除去する遅延信号除去装置であって、
    前記受信アンテナからの受信信号に基づき、前記OFDM信号の遅延プロファイルを算出する遅延プロファイル算出手段と、
    該遅延プロファイル算出手段にて算出された遅延プロファイルに基づき、前記遅延信号成分を除去するための除去信号を生成する除去信号生成手段と、
    前記受信アンテナからの受信信号と前記除去信号生成手段とを混合することで、前記受信信号から前記遅延信号成分を除去する遅延信号除去手段と、
    前記除去信号生成手段にて生成される除去信号の内、予め設定された特定期間内の信号成分を最小値に固定し、当該特定期間内の信号除去を抑制する信号除去抑制手段と、
    を備えたことを特徴とする遅延信号除去装置。
  2. 前記除去信号生成手段は、
    前記受信信号から前記除去信号を抽出するFIRフィルタと、
    前記遅延プロファイルに基づき、前記FIRフィルタのフィルタ係数を算出する係数算出手段と、
    を備え、
    前記信号除去抑制手段は、前記係数算出手段にて算出されたフィルタ係数の一部を最小値に固定することで、前記特定期間内の信号除去を抑制することを特徴とする請求項1に記載の遅延信号除去装置。
  3. 前記信号除去抑制手段が信号除去を抑制する前記特定期間を、外部からの指令に従い設定する特定期間設定手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遅延信号除去装置。
  4. 前記遅延プロファイル算出手段による前記遅延プロファイルの算出結果を、外部装置に出力する遅延プロファイル出力手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の遅延信号除去装置。
  5. 前記遅延プロファイル算出手段は、
    前記OFDM信号の受信信号を離散フーリエ変換することで当該OFDM信号の周波数軸上のスペクトルを抽出する離散フーリエ変換部と、
    該離散フーリエ変換部にて抽出されたスペクトルに基づき前記送信アンテナから前記受信アンテナに至る伝送路の伝達関数を算出する伝達関数算出部と、
    該伝達関数算出部にて算出された伝達関数の逆数を算出する逆数算出部と、
    該逆数算出部からの出力を逆離散フーリエ変換することで前記遅延プロファイルを導出する逆離散フーリエ変換部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の遅延信号除去装置。
  6. OFDM信号を受信アンテナにて受信し、該受信信号を送信アンテナから再送信する中継装置であって、
    前記受信信号に重畳された前記OFDM信号の遅延信号成分を除去する遅延信号除去装置として、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の遅延信号除去装置を備えたことを特徴とする中継装置。
JP2012193322A 2012-09-03 2012-09-03 遅延信号除去装置及び中継装置 Pending JP2014050035A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018007240A (ja) * 2016-06-27 2018-01-11 レジック・アイデントシステムズ・アクチェンゲゼルシャフト Rfid受信装置および無線信号に符合化されたデータビットを抽出する方法

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