JP2014047793A - 直動案内装置用エンドキャップおよびこれを備える直動案内装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンドキャップの側面給油穴に、潤滑油経路に通じる貫通穴の追加工作業が容易であり、また、追加工した貫通穴を目視で容易に確認し得る直動案内装置用エンドキャップを提供する。
【解決手段】このエンドキャップ7は、潤滑剤供給口26とするための側面給油穴30が、その給油穴底面32に且つ貫通穴27の追加工位置に、側面給油穴30の開口側から見た形状が多角形とされた凹形状である多角形凹形状28が成形されている。
【選択図】図2
【解決手段】このエンドキャップ7は、潤滑剤供給口26とするための側面給油穴30が、その給油穴底面32に且つ貫通穴27の追加工位置に、側面給油穴30の開口側から見た形状が多角形とされた凹形状である多角形凹形状28が成形されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば製造装置や加工機械等の各種機械に用いられ、スライダが複数の転動体を介して案内レールに沿って相対移動可能な直動案内装置に係り、特に、この種の直動案内装置に好適に用いることができるエンドキャップに関する。
この種の直動案内装置は、例えば図8に例示する直動案内装置100のように、自身外面の左右側面部に複数の転動体転動溝4を有する案内レール1と、その案内レール1に跨設されて案内レール1の転動体転動溝4に対向する転動体転動溝6を内面に有するスライダ102とを備えて構成されている。
同図に示すように、スライダ102は、スライダ本体5と、その両端面部に装着された一対のエンドキャップ107とを有している。各エンドキャップ107の内部には、略U字状の方向転換路(不図示)がそれぞれに形成されており、各方向転換路は、スライダ本体5の転動体戻し通路11、および、案内レール1およびスライダ本体5の両転動体転動溝4,6からなる転動体転動路8の端部同士を繋いで円環状の無限循環路が複数構成されている。そして、その複数の無限循環路内には、エンドキャップ107の方向転換路およびスライダ本体5の転動体戻し通路11に遊嵌するとともに転動体転動路8に介装された状態に複数の転動体3がそれぞれ充填される。
同図に示すように、スライダ102は、スライダ本体5と、その両端面部に装着された一対のエンドキャップ107とを有している。各エンドキャップ107の内部には、略U字状の方向転換路(不図示)がそれぞれに形成されており、各方向転換路は、スライダ本体5の転動体戻し通路11、および、案内レール1およびスライダ本体5の両転動体転動溝4,6からなる転動体転動路8の端部同士を繋いで円環状の無限循環路が複数構成されている。そして、その複数の無限循環路内には、エンドキャップ107の方向転換路およびスライダ本体5の転動体戻し通路11に遊嵌するとともに転動体転動路8に介装された状態に複数の転動体3がそれぞれ充填される。
これにより、この種の直動案内装置は、充填された複数の転動体3が、案内レール1に対するスライダ102の相対移動に伴って各無限循環路内を転動し、一方のエンドキャップ107内の方向転換路で方向転換した後、転動体戻し通路11に導入されて反対側の方向転換路から再び転動体転動路8に戻るという循環をしつつ、これら複数の転動体3を介してスライダ102が案内レール1の長手方向に沿って円滑に相対移動するようになっている。
さらに、この種の直動案内装置では、その案内レールとスライダ相互の相対移動をより円滑にするために、エンドキャップに、その内部の方向転換路から各無限循環路内に潤滑剤を供給するための潤滑油経路21が形成されている。同図の例では、エンドキャップ107の幅方向中央部に、潤滑剤供給口26を設けており、この潤滑剤供給口26にニップル26nが取り付けられている。そして、潤滑剤供給口26に連通する潤滑油経路21をエンドキャップ107の、スライダ本体5側面との対向面に形成している。ニップル26nから潤滑油経路21を介して潤滑剤が左右の各方向転換路に供給されるようになっている。そして、各方向転換路から各無限循環路内に供給された潤滑剤によって、案内レール1とスライダ102相互の相対移動をより円滑にするとともに、長期に亘って安定した性能を維持することを可能としている。
ところで、この種の直動案内装置を、例えばX−Yテーブル装置の案内として使用し、且つ、潤滑剤を外部から供給する構成で用いる際に、直動案内装置の仕様(取付姿勢、給油位置)や装置周辺の部材構成との兼ね合いで、潤滑剤供給用の配管を、上述のような直動案内装置のスライダの幅方向中央の位置に接続できない場合がある。このような場合、例えば図9に例示するように、エンドキャップ107の側面107tに潤滑剤供給口26設け、その潤滑剤供給口26に潤滑剤供給用の配管を接続する必要が生じる。
ここで、例えば特許文献1に記載の技術では、エンドキャップ107の成形時には、図9の左側に示す側面給油穴130のように、エンドキャップ107の潤滑剤供給口26とするための側面給油穴130には、潤滑油経路21に通じる貫通穴27が未だ成形されていない。そのため、エンドキャップ107の側面給油穴130から潤滑剤を給油する際には、給油側の側面給油穴130の給油穴底面132に潤滑油経路21に通じるように、同図右側に示すような貫通穴27が追加工される。この際、貫通穴27を追加工後のエンドキャップは在庫されるが、直動案内装置の仕様により、給油位置に合わせて追加工箇所が異なる数種のエンドキャップを用意する必要がある。そのため、直動案内装置への組み付け時に、貫通穴の追加工箇所が異なるエンドキャップを誤組付けする可能性がある。
ここで、特許文献1など、一般的には、側面給油穴130には、その給油穴底面132に、側面給油穴の開口側から見た形状が円形で凹形状とされた円形凹形状128を加工用の下穴として設けている(図10(a)参照)。しかし、加工用の下穴が円形凹形状128であると、図10(b)に示すように、追加工後の貫通穴27は、追加工前の円形凹形状128(同図(a))に対し、追加工の前後で給油穴底面32に視認される形状がほとんど変化しない。そのため、目視で追加工前後の状態を識別するのが困難であるという問題がある。特に、直動案内装置の型番が小さい程、エンドキャップも小さくなるため、貫通穴の有無を目視で識別しにくくなる。また、エンドキャップはグリースや油、またクーラント液などから受ける汚れが目立たないように、黒色の色相を使うことがある。そのため、このような場合には目視での追加工前後の状態を識別することが一層困難である。
ここで、追加工前後の加工状態の確認方法として、貫通穴にエアーを流したり、針金の様な細い棒を貫通穴に通したりするなどの方法も考えられるものの、これらの方法では確認のための道具が必要であるし、また確認の作業工程が長くなるため、生産性の低下を招くという問題がある。なお、図8に示す、エンドキャップ中央の正面給油穴に関しては、目視で確認できる程の大きな給油穴が成形されるため、上記問題は発生しない。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、エンドキャップの側面給油穴において、潤滑油経路に通じる貫通穴の追加工作業が容易であり、また、追加工した貫通穴を目視で容易に確認し得る直動案内装置用エンドキャップおよびこれを備える直動案内装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る直動案内装置用エンドキャップは、左右の両側面に転動体転動溝をそれぞれ有する案内レールと、その案内レールの転動体転動溝に対向する転動体転動溝を左右一対の袖部の内側面にそれぞれ有し且つ該一対の袖部に自身の軸方向に貫通する転動体戻し通路を有するとともに前記案内レールに跨設されるスライダ本体とを備え、前記スライダ本体が複数の転動体を介して前記案内レールに沿って相対移動する直動案内装置に用いられ、前記スライダ本体の前後両端それぞれに取り付けられて、前記一対の袖部それぞれに対応して設けられて前記案内レールおよびスライダ本体の両転動体転動溝からなる転動体転動路と前記転動体戻し通路とを前記複数の転動体を循環させるように連通させる複数の方向転換路と、その複数の方向転換路に潤滑剤を供給する潤滑油経路と、その潤滑油経路にエンドキャップの側面外部から潤滑剤を供給する潤滑剤供給口を形成するための側面給油穴とを有するエンドキャップであって、当該エンドキャップは、エンドキャップの成形時には前記潤滑油経路に通じる貫通穴が前記側面給油穴に成形されず、前記潤滑剤供給口とする給油側の前記側面給油穴に前記貫通穴を追加工するものであり、前記貫通穴が未加工時の側面給油穴は、その給油穴底面に且つ前記貫通穴の追加工位置に、前記側面給油穴の開口側から見た形状が多角形とされた凹形状である多角形凹形状が成形されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る直動案内装置用エンドキャップによれば、潤滑油経路に通じる貫通穴の追加工の前後で多角形凹形状が円形状の貫通穴に変化する。そのため、追加工前後の識別が目視で容易に確認できる。したがって、給油位置に合わせて追加工箇所が異なる数種のエンドキャップが存在(在庫)した場合であっても、エンドキャップの使用前に追加工箇所を目視で確認するだけで、直動案内装置への誤組み付けを防止できるため、品質向上につながる。
また、エアーを吹いたり針金を通したりして貫通状態を確認するよりも容易に短時間で追加工前後の状態を識別することができるため、生産性の低下を抑制できる。また、潤滑油経路と通じる貫通穴を追加工する際に、多角形凹形状の壁面によってドリルの周面を位置決めすることができるので、一般的な円形凹形状に比べて安定した位置決め姿勢で追加工をすることができる。また、エンドキャップに対して垂直に貫通穴を加工し易くなる。よって、貫通穴が潤滑油経路から外れる追加工ミスが軽減されるため、品質の向上につながる。
ここで、本発明の一態様に係る直動案内装置用エンドキャップにおいて、前記多角形凹形状が、前記側面給油穴の開口側から見た形状が三角形とされた凹形状である三角形凹形状であることは好ましい。このような構成であれば、三角形凹形状の壁面によってドリルの周面を3点で位置決めすることができるので、安定した位置決め姿勢で追加工をする上でより好適である。
また、本発明の一態様に係る直動案内装置用エンドキャップにおいて、前記側面給油穴は、前記エンドキャップの両側面にそれぞれ設けられ、前記両側面の側面給油穴は、前記多角形凹形状が、相互に異なった多角形とされた凹形状によって成形されていることは好ましい。このような構成であれば、左右の側面給油穴に貫通穴を追加工する際に、追加工する給油側の側面給油穴と追加工しない側面給油穴とを、相互の凹形状の違いによって作業者に指示することができる。また、作業者はそれを目視によって確認することができるため、追加工箇所のミスを低減でき、一層の品質向上につながる。
また、本発明のうち、本発明の一態様に係る直動案内装置は、案内レールと、その案内レールに跨設されるスライダ本体と、該スライダ本体の前後両端それぞれに取り付けられるエンドキャップとを備え、前記スライダ本体が複数の転動体を介して前記案内レールに沿って相対移動する直動案内装置であって、前記エンドキャップとして、上記本発明の一態様に係る直動案内装置用エンドキャップを備えていることを特徴とする。
上述のように、本発明によれば、エンドキャップの側面給油穴に、潤滑油経路に通じる貫通穴の追加工作業が容易であり、また、追加工した貫通穴を目視で容易に確認することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、上述した従来の直動案内装置と同様の構成については、同一の符号を付して説明する。
図1に示すように、このリニアガイド10は、直線状に形成された案内レール1と、その案内レール1に跨設された略コ字状の横断面形状をもつスライダ2とを備えている。この案内レール1には、その左右側面部に、軌道として転動体転動溝4が二条ずつ計四条形成されている。一方、スライダ2は、その内面部に、案内レール1の各転動体転動溝4にそれぞれ対向する四つの軌道として転動体転動溝6を有している。そして、これら案内レール1およびスライダ2相互の転動体転動溝4,6から構成される転動体転動路8に複数の球(ボール)の転動体3が介装されている。
図1に示すように、このリニアガイド10は、直線状に形成された案内レール1と、その案内レール1に跨設された略コ字状の横断面形状をもつスライダ2とを備えている。この案内レール1には、その左右側面部に、軌道として転動体転動溝4が二条ずつ計四条形成されている。一方、スライダ2は、その内面部に、案内レール1の各転動体転動溝4にそれぞれ対向する四つの軌道として転動体転動溝6を有している。そして、これら案内レール1およびスライダ2相互の転動体転動溝4,6から構成される転動体転動路8に複数の球(ボール)の転動体3が介装されている。
さらに、図1に示すように、スライダ2は、スライダ本体5と、このスライダ本体5の両端面部5aに装着された一対のエンドキャップ7とを備えている。スライダ本体5は金属製であり、その内部には、転動体転動溝6と並行して自身の軸方向に貫通する転動体戻し通路11が形成されている。
一方、一対のエンドキャップ7は、合成樹脂製であり、スライダ本体5の外形形状と略相似形状且つ略同一の寸法をなす略コ字状に形成されている(図2参照)。各エンドキャップ7は、スライダ2の両端面に二本の固定ねじ28で取り付けられている。なお、このリニアガイド10には、図1に示すように、スライダ2の相対移動方向での端面となる、各エンドキャップ7の外側面に、サイドシール9がそれぞれ取り付けられている。このサイドシール9は、不図示のリップ部以外はエンドキャップ7の外形形状と略相似形状且つ同一の寸法に形成されており、そのリップ部によって塵埃などの異物が案内レール1とエンドキャップ7との間からスライダ2の内部に侵入するのを防止している。
一方、一対のエンドキャップ7は、合成樹脂製であり、スライダ本体5の外形形状と略相似形状且つ略同一の寸法をなす略コ字状に形成されている(図2参照)。各エンドキャップ7は、スライダ2の両端面に二本の固定ねじ28で取り付けられている。なお、このリニアガイド10には、図1に示すように、スライダ2の相対移動方向での端面となる、各エンドキャップ7の外側面に、サイドシール9がそれぞれ取り付けられている。このサイドシール9は、不図示のリップ部以外はエンドキャップ7の外形形状と略相似形状且つ同一の寸法に形成されており、そのリップ部によって塵埃などの異物が案内レール1とエンドキャップ7との間からスライダ2の内部に侵入するのを防止している。
各エンドキャップ7の内部には、略U字状の方向転換路12が左右の袖部7sにそれぞれ二箇所形成されている(図2参照)。各方向転換路12は、転動体戻し通路11および転動体転動路8の端部同士を繋いでおり、上記転動体転動路8、転動体戻し通路11および両側の方向転換路12によって円環状の無限循環路が4つ構成される。そして、各無限循環路に対し、転動体転動路8に介装されるとともに、方向転換路12および転動体戻し通路11に遊嵌して複数の転動体3が装填される。
これにより、スライダ2の相対移動に伴って転動体転動路8を転動した転動体3は、一方のエンドキャップ7内の方向転換路12で方向転換した後、転動体戻し通路11に導入されて反対側の方向転換路12から再び転動体転動路8に戻るという循環をしつつ、これら複数の転動体3を介してスライダ2が案内レール1の長手方向に沿って相対移動可能になっている。
ここで、上記各エンドキャップ7は、図2に示すように、スライダ本体5端面と対向する接合面7mに、各方向転換路12に潤滑剤を供給するための連通口22を有する潤滑油経路21を備えている。以下、このエンドキャップ7について図2および図3を適宜参照しつつ説明する。
エンドキャップ7は、図2に示すように、略コ字状をなすことで、幅方向での中央に位置する胴部7dと、その胴部7d両側に形成された一対の袖部7sとを有している。エンドキャップ7の胴部7dには、当該胴部7dの幅方向中央CLから離間した位置(同図の例では右側の端面7t)に、潤滑油経路21に外部から潤滑剤を導入するための潤滑剤供給口26が設けられている。この潤滑剤供給口26は、その軸方向に貫通する細径の貫通穴27が追加工により穿孔されており、この貫通穴27が潤滑油経路21に連通している。
エンドキャップ7は、図2に示すように、略コ字状をなすことで、幅方向での中央に位置する胴部7dと、その胴部7d両側に形成された一対の袖部7sとを有している。エンドキャップ7の胴部7dには、当該胴部7dの幅方向中央CLから離間した位置(同図の例では右側の端面7t)に、潤滑油経路21に外部から潤滑剤を導入するための潤滑剤供給口26が設けられている。この潤滑剤供給口26は、その軸方向に貫通する細径の貫通穴27が追加工により穿孔されており、この貫通穴27が潤滑油経路21に連通している。
そして、貫通穴27を穿孔した右側の潤滑剤供給口26の雌ねじにニップル26nが取り付けられ、このニップル26nに不図示の供給管路が着脱可能に接続されるようになっている。
潤滑油経路21は、主流経路23と支流経路24とを備えて構成されている。主流経路23は、潤滑油経路21のうちの、胴部7dの幅方向に沿って形成された部分であり、上記ニップル26nを取り付けた側の潤滑剤供給口26にその主供給路21の幅方向での一方の端部(同図の右側)が連通している。また、支流経路24は、潤滑油経路21のうちの、左右の一対の袖部7sそれぞれに袖部7sに沿って上下方向に形成された部分である。
潤滑油経路21は、主流経路23と支流経路24とを備えて構成されている。主流経路23は、潤滑油経路21のうちの、胴部7dの幅方向に沿って形成された部分であり、上記ニップル26nを取り付けた側の潤滑剤供給口26にその主供給路21の幅方向での一方の端部(同図の右側)が連通している。また、支流経路24は、潤滑油経路21のうちの、左右の一対の袖部7sそれぞれに袖部7sに沿って上下方向に形成された部分である。
左右の支流経路24は、各支流経路24の上端部と主流経路23の左右の各端部とが連通している。また、上記連通口22は、左右の支流経路24の途中部分での各方向転換路12に対応した位置にそれぞれ設けられ、支流経路24を介して主流経路23と前記方向転換路12とを連通させている。
本実施形態の例では、左右の支流経路24は、左右各二条の無限循環路に対応する左右二つの方向転換路12毎に、それぞれ対向して形成された連通口22を二つ有している。これにより、潤滑剤を外部からニップル26nに圧送することによって、潤滑剤供給口26から貫通穴27を介して潤滑油経路21の主流経路23に潤滑剤が導入され、さらに主流経路23に導入された潤滑剤が左右の支流経路24に圧送され、支流経路24の各連通口22から各方向転換路12に潤滑剤が供給されるようになっている。
本実施形態の例では、左右の支流経路24は、左右各二条の無限循環路に対応する左右二つの方向転換路12毎に、それぞれ対向して形成された連通口22を二つ有している。これにより、潤滑剤を外部からニップル26nに圧送することによって、潤滑剤供給口26から貫通穴27を介して潤滑油経路21の主流経路23に潤滑剤が導入され、さらに主流経路23に導入された潤滑剤が左右の支流経路24に圧送され、支流経路24の各連通口22から各方向転換路12に潤滑剤が供給されるようになっている。
ここで、このエンドキャップ7は、左右の両側面7tに、潤滑剤供給口26を形成するための側面給油穴30が成形時に予め成型されている(同図の左側の端面に設けられている形状が成形時に予め両側面7tに成型されている)。貫通穴27が未加工時の側面給油穴は、その給油穴底面28に且つ貫通穴27の追加工位置に、側面給油穴30の開口側から見た形状が多角形とされた凹形状である多角形凹形状が成形されている。本実施形態の例では、前記多角形凹形状は、図3(a)に示すように、側面給油穴30の開口側から見た形状が三角形とされた凹形状である三角形凹形状に成形されている。
これにより、このエンドキャップ7は、直動案内装置の仕様(取付姿勢、給油位置)や装置周辺の部材構成との兼ね合いに応じ、タップ加工および連通穴27を追加工で形成することによって側面給油穴30を潤滑剤供給口26として使用可能になっている。つまり、本実施形態のエンドキャップ7は、エンドキャップの成形時には潤滑油経路21に通じる貫通穴27が両側面7tの側面給油穴30に成形されておらず、エンドキャップ7の側面から給油する際に、潤滑剤供給口26とする給油側の側面給油穴30に貫通穴27を追加工している。
なお、胴部7dの幅方向中央の位置についても潤滑剤供給口26が潤滑油経路21に連通するように設けられているが、本実施形態の例では、埋栓26bによって閉塞している。また、本実施形態の例では、他方のエンドキャップ7については、潤滑剤供給用には使用しないため、エンドキャップ7両側面7tの側面給油穴30ともに潤滑油経路21に連通しないように連通穴27の追加工がされておらず、中央の潤滑剤供給口26についても埋栓が施されている。
次に、このエンドキャップ7およびこれを備えるリニアガイド10の作用・効果について説明する。
リニアガイド10は、上述のエンドキャップ7を備え、このエンドキャップ7によれば、潤滑油経路21に通じる貫通穴27の追加工により、図3に示すように、側面給油穴30の給油穴底面28に成形された多角形凹形状(三角形凹形状)28は(同図(a)参照)、開口側から見た形状が円形状に変化する(同図(b)参照)。そのため、追加工前後の識別が目視で容易に確認できる。したがって、給油位置に合わせて追加工箇所が異なる数種のエンドキャップが存在した場合であっても、エンドキャップの使用前に追加工箇所を目視で確認するだけで、リニアガイド10への誤組み付けを防止できるため、品質向上につながる。
リニアガイド10は、上述のエンドキャップ7を備え、このエンドキャップ7によれば、潤滑油経路21に通じる貫通穴27の追加工により、図3に示すように、側面給油穴30の給油穴底面28に成形された多角形凹形状(三角形凹形状)28は(同図(a)参照)、開口側から見た形状が円形状に変化する(同図(b)参照)。そのため、追加工前後の識別が目視で容易に確認できる。したがって、給油位置に合わせて追加工箇所が異なる数種のエンドキャップが存在した場合であっても、エンドキャップの使用前に追加工箇所を目視で確認するだけで、リニアガイド10への誤組み付けを防止できるため、品質向上につながる。
また、このエンドキャップ7によれば、エアーを吹いたり針金を通したりして貫通穴27の貫通状態を確認するのに比べて、目視で確認するだけで容易に且つ短時間で追加工前後の状態を識別することができるため、リニアガイド10の生産性の低下を抑制できる。また、潤滑油経路21と通じる貫通穴27を側面給油穴30に追加工する際に、多角形凹形状28の壁面によってドリルの周面を位置決めすることができるので、一般的な円形凹形状に比べて安定した位置決め姿勢で追加工をすることができる。また、エンドキャップ7の側面7tに対して垂直に貫通穴27を加工し易くなる。よって、貫通穴27が潤滑油経路21から外れるような追加工ミスが軽減されるため、リニアガイド10の品質の向上につながる。特に、このエンドキャップ7においては、多角形凹形状が三角形凹形状なので、三角凹形状の壁面によってドリルの周面を3点で位置決めすることができるので、安定した位置決め姿勢で追加工をする上でより好適である。
以上説明したように、このエンドキャップ7およびこれを備えるリニアガイド10によれば、エンドキャップ7の側面給油穴30に、潤滑油経路21に通じる貫通穴27の追加工作業が容易であり、また、追加工した貫通穴27を目視で容易に確認することができる。なお、本発明に係る直動案内装置用エンドキャップおよびこれを備える直動案内装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、側面給油穴30は、側面給油穴30の給油穴底面28に且つ貫通穴27の追加工位置に成形された多角形凹形状が三角形凹形状である例で説明したが、これに限定されず、側面給油穴30の開口側から見た形状は、円形状以外の多角形であれば、種々の多角形(例えば四角形や五角形、六角形等)とされた凹形状としてもよい。また、エンドキャップ7の両側面7tの多角形凹形状28は、左右が同じ多角形凹形状であってもよいし、図4〜図7に変形例を示すように、両側面7t相互の多角形凹形状を異ならせてもよい。
つまり、図4〜図7に示す変形例では、一方(図4の左側)の側面給油穴30の多角形凹形状28は、側面給油穴の開口側から見た形状が四角形(例えばひし形)とされた凹形状である四角形凹形状とされており(図5(a)参照)、他方(図4の右側)の側面給油穴30の多角形凹形状28は、上記実施形態同様の三角形凹形状28(図5(b)参照)とされている例である。
このような構成であれば、左右の側面給油穴30に貫通穴27を追加工する際に、追加工する側の側面給油穴30を左右の凹形状の違いによって作業者に指示することができる。また、作業者はそれを目視によって確認することができるため、追加工箇所のミスを低減でき、一層の品質向上につながるという効果がある。そして、勿論このような構成であっても、図6および図7に追加工の前後の状態をそれぞれ示すように、上記実施形態同様に、貫通穴27の追加工作業が容易であり、また、追加工した貫通穴27を目視で容易に確認することができる。
1 案内レール
2 スライダ
3 転動体
4 (案内レールの)転動体転動溝
5 スライダ本体
6 (スライダの)転動体転動溝
7 エンドキャップ
8 方向転換路
9 サイドシール
10 リニアガイド(直動案内装置)
11 転動体戻し通路
12 方向転換路
21 潤滑油経路
22 連通口
23 主流経路
24 支流管路
26 潤滑剤供給口
27 貫通穴
28 多角形凹形状
30 側面給油穴
32 給油穴底面
2 スライダ
3 転動体
4 (案内レールの)転動体転動溝
5 スライダ本体
6 (スライダの)転動体転動溝
7 エンドキャップ
8 方向転換路
9 サイドシール
10 リニアガイド(直動案内装置)
11 転動体戻し通路
12 方向転換路
21 潤滑油経路
22 連通口
23 主流経路
24 支流管路
26 潤滑剤供給口
27 貫通穴
28 多角形凹形状
30 側面給油穴
32 給油穴底面
Claims (4)
- 左右の両側面に転動体転動溝をそれぞれ有する案内レールと、その案内レールの転動体転動溝に対向する転動体転動溝を左右一対の袖部の内側面にそれぞれ有し且つ該一対の袖部に自身の軸方向に貫通する転動体戻し通路を有するとともに前記案内レールに跨設されるスライダ本体とを備え、前記スライダ本体が複数の転動体を介して前記案内レールに沿って相対移動する直動案内装置に用いられ、
前記スライダ本体の前後両端それぞれに取り付けられて、前記一対の袖部それぞれに対応して設けられて前記案内レールおよびスライダ本体の両転動体転動溝からなる転動体転動路と前記転動体戻し通路とを前記複数の転動体を循環させるように連通させる複数の方向転換路と、その複数の方向転換路に潤滑剤を供給する潤滑油経路と、その潤滑油経路にエンドキャップの側面外部から潤滑剤を供給する潤滑剤供給口を形成するための側面給油穴とを有するエンドキャップであって、
当該エンドキャップは、エンドキャップの成形時には前記潤滑油経路に通じる貫通穴が前記側面給油穴に成形されず、前記潤滑剤供給口とする給油側の前記側面給油穴に前記貫通穴を追加工するものであり、前記貫通穴が未加工時の側面給油穴は、その給油穴底面に且つ前記貫通穴の追加工位置に、前記側面給油穴の開口側から見た形状が多角形とされた凹形状である多角形凹形状が成形されていることを特徴とする直動案内装置用エンドキャップ。 - 前記多角形凹形状が、前記側面給油穴の開口側から見た形状が三角形とされた凹形状である三角形凹形状であることを特徴とする請求項1に記載の直動案内装置用エンドキャップ。
- 前記側面給油穴は、前記エンドキャップの両側面にそれぞれ設けられ、前記両側面の側面給油穴は、前記多角形凹形状が、相互に異なった多角形とされた凹形状によって成形されていることを特徴とする請求項1に記載の直動案内装置用エンドキャップ。
- 案内レールと、その案内レールに跨設されるスライダ本体と、該スライダ本体の前後両端それぞれに取り付けられるエンドキャップとを備え、前記スライダ本体が複数の転動体を介して前記案内レールに沿って相対移動する直動案内装置であって、
前記エンドキャップとして、請求項1〜3のいずれか一項に記載の直動案内装置用エンドキャップを備えていることを特徴とする直動案内装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2012188594A JP2014047793A (ja) | 2012-08-29 | 2012-08-29 | 直動案内装置用エンドキャップおよびこれを備える直動案内装置 |
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JP2012188594A JP2014047793A (ja) | 2012-08-29 | 2012-08-29 | 直動案内装置用エンドキャップおよびこれを備える直動案内装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017126371A1 (ja) * | 2016-01-18 | 2017-07-27 | Thk株式会社 | 転がり案内装置 |
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2012
- 2012-08-29 JP JP2012188594A patent/JP2014047793A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017126371A1 (ja) * | 2016-01-18 | 2017-07-27 | Thk株式会社 | 転がり案内装置 |
CN108291578A (zh) * | 2016-01-18 | 2018-07-17 | Thk株式会社 | 滚动引导装置 |
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