JP2014047730A - 建設機械の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】凍結した還元剤を効率よく解凍して、早急に還元剤噴射装置を使用可能にする。
【解決手段】建設機械の排気浄化装置は、エンジン190で加熱される冷却水が流れる第1加熱部141aおよび第2加熱部142aを備える。第1加熱部141aは、冷媒が還元剤タンク140内に配置される還元剤経路の取入口135a,135bの近傍を流れるように構成され、第2加熱部142aは、冷却水が第1加熱部141aよりも還元剤経路の取入口135a,135bから離れた位置を流れるように構成される。還元剤の温度に応じて、第1加熱部141a周辺の還元剤が凍結状態にあると判定されると、冷却水を第1加熱部141aのみに導入させる。還元剤の温度に応じて、第1加熱部141a周辺の還元剤が凍結状態でないと判定され、かつ、第2加熱部142a周辺の還元剤が凍結状態にあると判定されると、冷媒を少なくとも第2加熱部142aに導入させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、油圧ショベルなどの建設機械のエンジンに用いられ、還元剤により排気中の窒素酸化物(NOx)を還元浄化する排気浄化装置に関する。
この種の排気浄化装置として、エンジンの排気系に還元触媒を配置し、この還元触媒よりも上流側の排気通路内に設けた還元剤噴射装置から、還元剤を供給するものがある。排気中のNOxは、還元剤に接触し、還元触媒において還元反応が促進されることによって無害成分に浄化される。
還元反応は、NOxとアンモニアとの還元反応であり、アンモニアを効率的に発生する還元剤として、たとえば、尿素水溶液、アンモニア水溶液、その他の還元剤水溶液が使用される。還元剤は、還元剤タンクに貯留され、排気温度やNOx排出量等に基づいて、必要量が還元剤タンクから還元剤噴射装置に供給される。
ところで、還元剤として使用される尿素水溶液(尿素水)は、−11℃程度で凍結する。尿素水が凍結すると、還元剤噴射装置に尿素水を供給できなくなるという問題がある。このため、寒冷地などで排気浄化装置を使用する場合には、尿素水を解凍する必要がある。
特許文献1には、螺旋状(渦巻き状)に曲げ形成されたエンジン冷却水配管が還元剤の還元剤タンク内に配設され、エンジンで暖められたエンジン冷却水をタンク内に導いて、タンク内の尿素水を解凍する排気浄化装置が記載されている。
特許第4656039号公報
排気浄化装置を搭載した建設機械では、還元剤の消費量が普通自動車に比べて多い。このため、建設機械では還元剤の搭載量を普通自動車に比べて多くする必要があり、多量の還元剤を搭載するために、建設機械には大容量の還元剤タンクを備える必要がある。
大容量の還元剤タンクを備えた建設機械において、エンジン冷却水を利用して凍結した尿素水を解凍する場合、還元剤タンク内に配設するエンジン冷却水配管の表面積を増やすことが不可欠となる。エンジン冷却水配管の表面積を増やすためには、タンク内に配設される配管の全長を長くすることが考えられる。
エンジンによって加熱された冷却水が、還元剤タンク内に配設される冷却水配管内を流れると、冷却水と還元剤との間で熱交換が行われることにより還元剤が解凍される。一方、冷却水配管内を流れる冷却水の温度は、下流側に向かうにつれて低下する。このため、タンク内に配設する冷却水配管の全長が長くなるほど、下流側において十分な解凍性能を発揮することができないという問題が生じる。
請求項1に係る発明は、エンジンの排気の流路中に設置され、排気中の窒素酸化物を還元剤により還元浄化する還元触媒、ならびに、流路中に還元剤を噴射する還元剤噴射装置を備えた建設機械の排気浄化装置であって、還元剤が貯留された還元剤タンクと還元剤噴射装置とを接続する還元剤経路と、エンジンで加熱される冷媒が流れる第1加熱部および第2加熱部と、エンジンからの冷媒を第1加熱部のみに導入させる、または、少なくとも第2加熱部に導入させる加熱部選択手段と、還元剤の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段で検出された還元剤の温度に応じて、第1加熱部周辺および第2加熱部周辺の還元剤が凍結状態にあるか否かを判定する凍結状態判定手段とを備え、第1加熱部は、冷媒が還元剤タンク内に配置される還元剤経路の取入口の近傍を流れるように構成され、第2加熱部は、冷媒が第1加熱部よりも還元剤経路の取入口から離れた位置を流れるように構成され、加熱部選択手段は、凍結状態判定手段により第1加熱部周辺の還元剤が凍結状態にあると判定されると、冷媒を第1加熱部のみに導入させ、凍結状態判定手段により第1加熱部周辺の還元剤が凍結状態でないと判定され、かつ、第2加熱部周辺の還元剤が凍結状態にあると判定されると、冷媒を少なくとも第2加熱部に導入させることを特徴とする建設機械の排気浄化装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の建設機械の排気浄化装置において、凍結状態判定手段により第1加熱部周辺の還元剤が凍結状態でないと判定され、かつ、第2加熱部周辺の還元剤が凍結状態にあると判定されると、冷媒が第1加熱部および第2加熱部を流れるように構成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の建設機械の排気浄化装置において、温度検出手段は、還元剤経路の取入口の近傍に配置され、凍結状態判定手段は、温度検出手段で検出された温度が第1の所定値以下である場合に、第1加熱部周辺の還元剤が凍結状態にあると判定し、温度検出手段で検出された温度が第1の所定値よりも高く、かつ、第1の所定値よりも高い第2の所定値以下である場合に、第1加熱部周辺の還元剤が凍結状態でないと判定し、かつ、第2加熱部周辺の還元剤が凍結状態にあると判定することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の建設機械の排気浄化装置において、加熱部選択手段は、第1加熱部の冷媒の流れを遮断する第1遮断弁と、第2加熱部の冷媒の流れを遮断する第2遮断弁と、冷媒を第1加熱部のみに導入させる、または、少なくとも第2加熱部に導入させるために第1遮断弁および第2遮断弁のそれぞれを動作させる弁制御手段とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、凍結した還元剤を効率よく解凍して、早急に還元剤噴射装置を使用することができる。
本発明による排気浄化装置を備えたエンジンが搭載された油圧ショベルを示す側面図。 本発明の第1の実施の形態に係る排気浄化装置の構成を示す図。 図2に示す還元剤タンク内を流れる冷却水の経路を示す模式図。 図2に示す還元剤タンク内を流れる冷却水の経路を示す模式図。 コントローラによる解凍・凍結防止制御処理の動作の一例を示すフローチャート。 本発明の第2の実施の形態に係る排気浄化装置の構成を示す図。 図6に示す還元剤タンク内を流れる冷却水の経路を示す模式図。 本発明の第3の実施の形態に係る排気浄化装置の還元剤タンク内を流れる冷却水の経路を示す模式図。 本発明の第4の実施の形態に係る排気浄化装置の還元剤タンク内を流れる冷却水の経路を示す模式図。 図9の還元剤タンクの側面断面を示す模式図。
以下、図面を参照して、本発明に係る排気浄化装置を備えた建設機械の一実施の形態について説明する。
―第1の実施の形態―
図1は、本発明による排気浄化装置を備えたエンジンが搭載された油圧ショベル100を示す側面図である。なお、説明の便宜上、図1に記載したように前後および上下方向を規定する。
排気浄化装置は、たとえば、油圧ショベルなどの建設機械に搭載されたエンジン190に設けられる。油圧ショベル100は、走行体101と、走行体101上に旋回可能に搭載された旋回体103とを備える。旋回体103には、運転室107、エンジン190、排気浄化装置、燃料タンク、作動油タンクなどが設けられている。
旋回体103の最後部にはカウンターウエイト109が設けられ、旋回体103の最前部にはフロント装置104が設けられている。エンジン190は、カウンターウエイト109の前方に配置される。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る排気浄化装置130の構成を示す図である。排気浄化装置130は、パーティキュレート(粒子状物質)を捕集するための第1後処理装置161と、窒素酸化物(NOx)を低減するための第2後処理装置162と、還元剤噴射装置131と、還元剤タンク140と、還元剤ポンプ132と、エンジン冷却水を利用した解凍・凍結防止システムとを含んで構成される。
第1後処理装置161は排気管の上流側に配置され、第2後処理装置162は排気管の下流側に配置されている。第1後処理装置161と第2後処理装置162とは、連通管163によって連結されている。
還元剤噴射装置131は、エンジン190の排気の流路中に設置される連通管163に設けられ、連通管163内に還元剤を噴射供給する。還元剤噴射装置131と還元剤タンク140とは、還元剤ポンプ132を介して、還元剤供給配管によって接続されている。還元剤ポンプ132と還元剤タンク140とは、2系統の還元剤供給配管によって接続され、第1系統134aでは、還元剤タンク140の底部近傍に還元剤の取入口135aが配置され、第2系統134bでは、還元剤タンク140の上部近傍に還元剤の取入口135bが配置されている。
還元剤ポンプ132は、還元剤タンク140に貯留された還元剤を還元剤噴射装置131に送給する。還元剤噴射装置131は、周知の電磁駆動式の燃料噴射弁(インジェクタ)とほぼ同様の構成を有するものであり、コントローラ120からの制御信号によって駆動される。
第1後処理装置161は、酸化触媒が収容された酸化触媒収容部(不図示)を備えている。第2後処理装置162は、連通管163の下流側に配置され、内部にNOx触媒が収容されたNox触媒収容部(不図示)を備えている。
このように排気浄化装置130が構成されているため、エンジン190から排出された排気ガスは、排気浄化装置130に流入して粒子状物質と窒素酸化物とが除去されて排気される。排気浄化装置130に流入した排気ガスは、第1後処理装置161の酸化触媒収容部内の酸化触媒によりCOやHCが除去され、連通管163に流れ込む。
上記したように、Nox触媒収容部の上流側に位置する連通管163には、還元剤噴射装置131から還元剤が噴射される。還元剤が噴きつけられた排気ガスは、第2後処理装置162のNox触媒収容部に流入し、排気中のNoxが還元剤により還元浄化されて、Noxが低減された後、大気に排出される。
本実施の形態では、還元剤として、尿素水溶液(尿素水)を用いている。尿素水は−11℃程度で凍結するため、冬季や寒冷地で油圧ショベル100による作業を行う際、尿素水が凍結していると、還元剤噴射装置に尿素水を供給できない、このため、還元剤噴射装置を使用するには、凍結した尿素水を解凍する必要がある。さらに、解凍した尿素水が再び凍結することを防止する必要もある。そこで、本実施の形態では、以下に示す解凍・凍結防止システムを備えている。
解凍・凍結防止システムは、エンジン190と熱交換することで暖められるエンジン冷却水(冷媒)を還元剤タンク140に導き、温度が上昇されたエンジン冷却水と還元剤とを熱交換させることにより、凍結した尿素水を解凍し、解凍された尿素水が再び凍結することを防止するシステムである。解凍・凍結防止システムは、エンジン冷却系180と、冷却水をエンジン冷却系180から還元剤タンク140に導く冷却水経路181と、第1遮断弁151および第2遮断弁152と、温度センサ155と、コントローラ120とを備えている。
エンジン冷却系180は、ラジエータ192により冷却されたエンジン冷却水をエンジン190に供給することで、エンジン190を冷却する。エンジン190には、冷却水を循環させるための冷却水ポンプ(不図示)と、サーモスタット191とが設けられている。サーモスタット191は、冷却水の温度に応じてエンジン冷却系180の経路を全閉から全開の間で開閉する。
なお、図示しないが、エンジン内にはサーモスタット191が全閉しているときには、ラジエータ192に冷却水が供給されないように冷却水をバイパスさせるバイパス経路が設けられている。エンジン始動時に冷却水の温度が低いと、冷却水がエンジン内で循環し、エンジン190の発熱により暖められる。
冷却水経路181は、第1経路141、第2経路142および第3経路143を有している。第1経路141および第2経路142は、それぞれ、エンジン190で加熱された冷却水をエンジン冷却系180から還元剤タンク140に導く構成とされている。第3経路143は、冷却水をエンジン冷却系180から還元剤噴射装置131に導く構成とされている。
図2〜図4を参照して、第1経路141および第2経路142、第3経路143の構成の詳細について説明する。図3および図4は、還元剤タンク140内を流れる冷却水経路181を示す模式図である。図4(a)は第1遮断弁151を開き、第2遮断弁152を閉じた状態を示し、図4(b)は第1遮断弁151を閉じ、第2遮断弁152を開いた状態を示している。なお、図4では、冷却水の流れの向きを矢印で示し、還元剤タンク140の図示を省略している。
図2および図3に示すように、還元剤供給配管の第1系統134aおよび第2系統134bは、還元剤タンク140の平面視中央部において、還元剤タンク140内の上下方向に延在するように配置されている。以下、還元剤タンク140の平面視中央部において上下方向に配置される還元剤配管を便宜上、入口配管135と記す。
図2および図3に示すように、第1経路141は、冷却水が、還元剤タンク140の中央に配置される入口配管135に沿って下方に流れた後、入口配管135に沿って上方に流れ、還元剤ポンプ132を経由し、戻り経路149に流れ込むように構成される。なお、冷却水は、入口配管135に沿って流れる際、入口配管135の取入口135aおよび取入口135bの近傍を流れる。戻り経路149は、エンジン190へ冷却水を導く配管により構成される。なお、図示しないが、入口配管135に沿って配置される冷却水の配管は、針金などによって入口配管135に固定されている。還元剤タンク140の上流側における第1経路141には、エンジン冷却系180から還元剤タンク140へ供給される冷却水の流れを遮断する第1遮断弁151が介装されている。
第1経路141のうち還元剤タンク140内に配設され、還元剤を加熱する部分は第1加熱部141aとされる。第1加熱部141aにエンジン190で加熱された冷却水が流れることで、入口配管135の取入口135a,135b周辺の還元剤が加熱される。
図4(a)に示すように、第1遮断弁151が開き、第2遮断弁152が閉じている状態では、次のようにエンジン冷却水が流れる第1解凍経路TL101が形成される。第1解凍経路TL101が形成されると、エンジン冷却水は、第1遮断弁151を通過した後、還元剤タンク140の中央部で略直角に曲がって入口配管135に沿いながら還元剤タンク140の底面に向かって下方に流れる。その後、略直角に曲がって還元剤タンク140の底面に沿って平面視コ字状の配管内を水平に流れた後、略直角に曲がって入口配管135に沿いながら還元剤タンク140の上面に向かって上方に流れ、還元剤ポンプ132(図2参照)に導かれる。このように、第1解凍経路TL101は、第1経路141そのものであり、第1解凍経路TL101が形成されると、取入口135a,135bの近傍に位置する第1加熱部141aで還元剤が加熱される。
図2および図3に示すように、第2経路142は、冷却水が、第1経路141よりも入口配管135の取入口135a,135bから離れた位置、本実施の形態では還元剤タンク140の隅部(角部近傍)を流れた後、第1遮断弁151の下流側の第1経路141に流れ込むように構成される。還元剤タンク140の上流側における第2経路142には、エンジン冷却系180から還元剤タンク140へ供給される冷却水の流れを遮断する第2遮断弁152が介装されている。
第2経路142のうち還元剤タンク140内に配設され、還元剤を加熱する部分は第2加熱部142aとされる。第2加熱部142aにエンジン190で加熱された冷却水が流れることで、入口配管135の取入口135a,135bから離れた位置周辺の還元剤が加熱される。
図4(b)に示すように、第1遮断弁151が閉じ、第2遮断弁152が開いている状態では、次のようにエンジン冷却水が流れる第2解凍経路TL102が形成される。第2解凍経路TL102が形成されると、エンジン冷却水は、第2遮断弁152を通過した後、一部が第2遮断弁152に近い隅部で略直角に曲がって還元剤タンク140の底面に向かって下方に流れ、残りが還元剤タンク140の上面に沿って水平に流れた後、第2遮断弁152から離れた隅部で略直角に曲がって還元剤タンク140の底面に向かって下方に流れる。
分流された流れは、それぞれ、略直角に曲がって還元剤タンク140の底面に沿って水平に流れた後、反対側の隅部で略直角に曲がって還元剤タンク140の上面に向かって上方に流れる。分流したそれぞれの流れは、還元剤タンク140の上面に沿って配置された水平配管によって合流した後、第1遮断弁151の下流側の第1経路141に流れ込む。
第1経路141に流れ込んだ冷却水は、上記で説明したように、入口配管135に沿って流れた後、還元剤ポンプ132(図2参照)に導かれる。このように、第2解凍経路TL102は、第2経路142と、第1経路141とによって構成され、第2経路142を通過した冷媒が第1経路141に導かれるように構成されている。つまり、第2解凍経路TL102が形成されると、第1加熱部141aおよび第2加熱部142aで還元剤が加熱される。
図2に示すように、第3経路143は、還元剤噴射装置131に冷却水を供給するための経路である。第3経路143は、エンジン冷却系180から供給された冷却水が還元剤噴射装置131を通過した後、戻り経路149に流れ込むように構成される。第3経路143が還元剤噴射装置131に接続されているため、還元剤噴射装置131には常に冷却水が供給され、還元剤噴射装置131は適正な温度に保たれる。
第1遮断弁151および第2遮断弁152は、コントローラ120からの制御信号(励磁電流)によって、開位置または閉位置に切り換えられる電磁切換弁である。第1遮断弁151が閉位置に切り換えられると、第1解凍経路TL101の冷却水の流れが遮断され、第2遮断弁152が閉位置に切り換えられると、第2解凍経路TL102の冷却水の流れが遮断される。
コントローラ120は、CPUや記憶装置であるROMおよびRAM、その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成されている。コントローラ120は、油圧ショベル100のシステム全体の制御を行っており、後述する所定の条件が成立したときに第1遮断弁151および第2遮断弁152のそれぞれを開位置または閉位置に切り換えて、還元剤タンク140内を流れる冷却水の経路を切り換える。
上記したように、第1遮断弁151が開き、第2遮断弁152が閉じた状態では、エンジン190から第1解凍経路TL101に冷却水が流れ込み、第1加熱部141aおよび第2加熱部142aのうち、第1加熱部141aのみに冷却水が導入される。ここで、第1加熱部141aのみに流れるとは、厳密に第1加熱部141aのみを流れることを意味せず、第2加熱部142aにもわずかに冷却水が導入されることも含む。換言すれば、第1加熱部141aのみに流れるとは、第1加熱部141aを流れる冷却水量が、第2加熱部142aを流れる冷却水量に比べて大きいことを意味する。
第1遮断弁151が閉じ、第2遮断弁152が開いた状態では、エンジン190から第2解凍経路TL102に冷却水が流れ込み、第1加熱部141aおよび第2加熱部142aの両方に冷却水が導入される。
図2に示すように、コントローラ120には、還元剤の温度を検出する温度センサ155と、冷却水の温度を検出する水温センサ(不図示)と、第1遮断弁151と、第2遮断弁152とが接続されている。温度センサ155は、検出部が還元剤タンク140内の入口配管135の取入口135aの近傍に配置され、還元剤の温度Trを検出する。水温センサ(不図示)は、検出部がエンジン内に設けられ、エンジン冷却水の温度を検出する。
コントローラ120は、温度センサ155で検出された温度信号を受信し、還元剤の温度Trと、予め記憶装置に記憶された第1〜第4閾値Tr1〜Tr4に基づいて、第1遮断弁151および第2遮断弁152のそれぞれの動作を制御する。
第1閾値Tr1は、入口配管135の取入口135aの周囲、すなわち第1加熱部141a周辺の還元剤が凍結しているか否かを判断するための閾値であり、たとえば、還元剤である尿素水の凝固点である−11℃に設定される。第2閾値Tr2は、入口配管135の取入口135a周辺、すなわち第1加熱部141a周辺の還元剤が解凍され、還元剤噴射装置131が使用できる状態になったか否かを判断するための閾値であり、凝固点である−11℃よりも高い温度、たとえば、−5℃に設定される。
第3閾値Tr3は、還元剤タンク140の側壁の内側周辺、すなわち第2加熱部142a周辺の還元剤が凍結しているか否かを判断するための閾値であり、たとえば、第2閾値Tr2よりも高い0℃に設定される。第3閾値Tr3は、還元剤タンク140の容量や形状、入口配管135、第1加熱部141aおよび第2加熱部142aの位置等を考慮して設定される。なお、第3閾値Tr3は、第1加熱部141a周辺の非凍結状態にある還元剤が凍結することを防止する必要があるか否かを判断するための閾値としても用いられる。第4閾値Tr4は、還元剤が十分に昇温されたか否かを判断するための閾値として、第3閾値Tr3以上の値が設定される。本実施の形態では、第4閾値Tr4は、第3閾値Tr3と同じ0℃に設定されている。
図5は、凍結した還元剤を解凍、あるいは、解凍された還元剤の凍結を防止するために、コントローラ120により実行される解凍・凍結防止制御プログラムによる処理の動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、たとえば、図示しないイグニッションスイッチのオンにより開始される。なお、処理の開始時において、第1遮断弁151および第2遮断弁152は、それぞれ閉位置において保持されている。
図5に示すように、ステップS100において、コントローラ120は、温度センサ155で検出された還元剤の温度情報の取得を開始する。ステップS110において、コントローラ120は、温度センサ155で検出された還元剤の温度Trが第1閾値Tr1以下であるか否かを判定する。ステップS110で肯定判定されると、コントローラ120は第1加熱部141a周辺の還元剤が凍結状態にあり、解凍が必要であると判定してステップS113へ進む。ステップS110で否定判定されると、ステップS120へ進む。
ステップS113において、コントローラ120は、第1遮断弁151にオン信号を出力して、第1遮断弁151を開く。第1遮断弁151が開かれるため、第1解凍経路TL101に冷却水が導入される。さらに、コントローラ120は、凍結された第1加熱部141a周辺の還元剤を解凍するための処理が実行されたことを示すフラグをオンして、ステップS117へ進む。
ステップS117において、コントローラ120は、温度センサ155で検出された還元剤の温度Trが第2閾値Tr2を超えたか否かを判定する。コントローラ120は、ステップS117の処理を肯定判定されるまで繰り返し実行し、肯定判定されると入口配管135の取入口135a周辺の還元剤の解凍が完了し、取入口135a周辺の還元剤が凍結状態でない状態(非凍結状態)、すなわち還元剤噴射装置131が使用できる状態になったと判定してステップS120へ進む。
ステップS120において、コントローラ120は、第1遮断弁151にオフ信号を出力して、第1遮断弁151を閉じて、ステップS125へ進む。第1遮断弁151が閉じられるため、第1解凍経路TL101の冷却水の流れが遮断される。ステップS125において、コントローラ120は、還元剤ポンプ132により還元剤の吸い込みを開始して還元剤タンク140から吸い上げた還元剤を還元剤噴射装置131に送給するとともに、還元剤噴射装置131の駆動を開始する処理を開始して、ステップS130へ進む。
ステップS130において、コントローラ120は、温度センサ155で検出された還元剤の温度Trが第3閾値Tr3以下であるか否かを判定する。ステップS130で肯定判定されると、コントローラ120は第2加熱部142a周辺の還元剤が凍結状態にあり、解凍が必要である、かつ、非凍結状態にある第1加熱部141a周辺の還元剤が再び凍結することを防止する必要があると判定してステップS133へ進む。ステップS130で否定判定されると、ステップS140へ進む。
ステップS133において、コントローラ120は、第2遮断弁152にオン信号を出力して、第2遮断弁152を開き、ステップS137へ進む。第2遮断弁152が開かれるため、第2解凍経路TL102に冷却水が導入される。ステップS137において、コントローラ120は、温度センサ155で検出された温度Trが第4閾値Tr4を超えたか否かを検出する。コントローラ120は、ステップS137の処理を肯定判定されるまで繰り返し実行し、肯定判定されると還元剤が十分に昇温されたと判定してステップS140へ進む。
ステップS140において、コントローラ120は、入口配管135の取入口135a周辺の凍結した還元剤を解凍するために第1遮断弁151を開いたことによりオンされるフラグがオンか否かを判定する。ステップS140において、肯定判定されるとステップS143へ進み、否定判定されるとステップS150へ進む。
ステップS143において、コントローラ120は、コントローラ120に内蔵されるタイマにより時間の計測を開始する。
ステップS147において、コントローラ120は、計測時間tが閾値t1以上となったか否かを判定する。タイマによる計測は、計測時間tが予めコントローラ120の記憶装置に記憶された閾値t1が経過するまで行われる。コントローラ120は、ステップS147の処理を肯定判定されるまで繰り返し実行し、肯定判定されるとステップS150へ進む。
ステップS150において、コントローラ120は、第2遮断弁152にオフ信号を出力して、第2遮断弁152を閉じる。第2遮断弁152が閉じられるため、第2解凍経路TL102の冷却水の流れが遮断される。さらに、コントローラ120は、フラグをオフし、タイマをリセットしてプログラムを終了する。
第1の実施の形態の動作をまとめると次のようになる。作業者がイグニッションスイッチをオンしたとき、水温センサ(不図示)で検出された冷却水の温度が低いと、暖機運転が行われる。冷却水温度が低いとサーモスタット191が閉じているため、エンジン冷却水は、エンジン内を循環し、エンジン190からの発熱により温度が徐々に上昇する。
イグニッションスイッチをオンしたとき、温度センサ155で検出された還元剤の温度Trが第1閾値Tr1(凍結点)以下であり、入口配管135の周囲、すなわち第1加熱部141a周辺の還元剤が凍結状態にあると判定されると(ステップS110)、加熱部のうち還元剤タンク140の中央部の入口配管135の近傍に配設される第1加熱部141aのみに冷却水が供給される(ステップS113)。その結果、還元剤タンク140のうちで入口配管135の周囲の還元剤がエンジン190で加熱された冷却水と熱交換することにより徐々に解凍される。
入口配管135の周囲の還元剤が解凍されて非凍結状態となり、還元剤噴射装置131が使用できる状態になったと判定されると(ステップS117)、第1解凍経路TL101への冷却水の供給が停止され(ステップS120)、還元剤噴射装置131の動作が開始される(ステップS125)。
入口配管135の周囲の還元剤が解凍されていたとしても、還元剤タンク140の側壁の内側周辺は依然として凍結されたままである可能性が高い。また、解凍した入口配管135の周囲の還元剤が雰囲気温度によっては再び凍結してしまう可能性もある。還元剤タンク140の側壁の内側周辺、すなわち第2加熱部142a周辺が凍結状態にあると判定され、かつ、非凍結状態にある第1加熱部141a周辺の還元剤が再び凍結することを防止する必要があると判定されると(ステップS130)、還元剤タンク140内で、第1加熱部141aよりも入口配管135から遠い位置に配置される第2加熱部142aに冷却水が供給される(ステップS133)。その結果、還元剤タンク140の側壁の内側周辺の還元剤がエンジン190で加熱された冷却水と熱交換することにより徐々に解凍される。なお、エンジン190で加熱された冷却水は、第2加熱部142aを通過した後、第1加熱部141aにも流れるため、入口配管135の周囲の還元剤が、再び凍結することが防止される。
還元剤タンク140内の還元剤全体が解凍され、十分に温度が上昇したと判定されると(ステップS137)、その後さらに所定時間t1だけ第2解凍経路TL102への冷却水の導入を継続する(ステップS143,S147)。還元剤タンク140内が凍結状態にあり、解凍処理が実行された場合には、所定時間t1だけ冷却水の導入を継続することで、十分な解凍性能を得ることができる。所定時間t1が経過すると、第2解凍経路TL102への冷却水の供給が停止され(ステップS150)、解凍・凍結防止処理が終了する。
イグニッションスイッチをオンしたとき、温度センサ155で検出された還元剤の温度Trが第1閾値Tr1(凍結点)よりも高く、第3閾値Tr3よりも低い場合、還元剤タンク140内の還元剤は凍結されておらず、還元剤噴射装置131が使用できる状態にあると判定されて(ステップS110)、還元剤噴射装置131の動作が開始される(ステップS125)。
還元剤が凍結していない状態であっても、雰囲気温度が低い場合には還元剤の凍結を防止する必要がある。還元剤の温度Trが第3閾値Tr3よりも低く、還元剤の凍結を防止する必要があると判定されると(ステップS130)、第2加熱部142aに冷却水が供給される(ステップS133)。エンジン190で暖められた冷却水は、第2加熱部142aを通過した後、第1加熱部141aにも流れ込む。このため、還元剤タンク140の全体において、凍結の防止がなされる。
還元剤タンク140内の還元剤の温度Trが十分に高くなったと判定されると(ステップS137)、第2加熱部142aおよび第1加熱部141aへの冷却水の供給が停止され(ステップS150)、解凍・凍結防止処理が終了する。
イグニッションスイッチをオンしたとき、温度センサ155で検出された還元剤の温度Trが第3閾値Tr3よりも高い場合、還元剤タンク140内の還元剤は、十分に高い温度であり、解凍・凍結防止処理がなされることなく、還元剤噴射装置131の動作が開始される。
以上説明した第1の実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)冷却水が還元剤タンク140内に配置される入口配管135の取入口135a,135bの近傍を流れるように第1加熱部141aを構成し、冷却水が第1加熱部141aよりも入口配管135の取入口135a,135bから離れた位置を流れるように第2加熱部142aを構成した。第1加熱部141a周辺の還元剤が凍結状態にあると判定されると、冷媒を第1加熱部141aのみに導入させ、第1加熱部141a周辺の還元剤が凍結状態でないと判定され、かつ、第2加熱部142a周辺の還元剤が凍結状態にあると判定されると、冷却水を第2加熱部142aに導入させるようにした。
入口配管135の取入口135a,135b周辺の還元剤を優先的に解凍するようにしたので、早期に還元剤噴射装置を使用することができる。還元剤タンク140を通過する冷却水の経路を2系統にしたので、還元剤タンク140内に設けられる冷却水配管の長さを1系統にする場合に比べて短くできる。このため、冷却水配管の下流側での解凍性能が悪化することを防止して、系統を切り換えることによって効率よく還元剤タンク140内の還元剤の解凍を行うことができる。
(2)第1加熱部141a周辺の還元剤が凍結状態でないと判定され、かつ、第2加熱部142a周辺の還元剤が凍結状態にあると判定されると、冷媒が第1加熱部141aおよび第2加熱部142aの両方に流れるように第2解凍経路TL2を構成した。これにより、エンジン190により加熱された冷却水を第2経路142に流して第2経路142周辺の還元剤を解凍しつつ、エンジン190で加熱された冷却水を第1経路141に流して第1経路141周辺の還元剤の凍結を防止することができる。
―第2の実施の形態―
図6および図7を参照して第2の実施の形態に係る排気浄化装置について説明する。図6は本発明の第2の実施の形態に係る排気浄化装置230の構成を示す図である。図7は、図6に示す還元剤タンク140内を流れる冷却水の経路を示す模式図である。図中、第1の実施の形態と同一または相当部分には同一符号を付し、相違点について主に説明する。
第1の実施の形態では、第2解凍経路TL102が、第2経路142を通過した冷却水が第1経路141に導かれるように構成されていた。これに対して、第2の実施の形態では、第2解凍経路TL202が第1経路241を通過した冷却水が第2経路142に導かれるように構成されている。
第2の実施の形態における冷却水経路281を構成する第1経路241および第2経路242について説明する。なお、第3経路143は第1の実施の形態と同じであるため、説明を省略する。
第1経路241は、冷却水が、入口配管135の近傍を流れた後、還元剤ポンプ132を経由し、戻り経路149に流れ込むように構成される。還元剤タンク140の下流側における第1経路141には、エンジン冷却系180から還元剤タンク140へ供給される冷却水の流れを遮断する第1遮断弁251が介装されている。
第2経路242は、冷却水が、第1経路241の第1遮断弁251の上流側から還元剤タンク140に流れ込み、第1経路241よりも入口配管135から離れた位置を流れた後、第1経路241の第1遮断弁251の下流側に流れ込むように構成される。還元剤タンク140の上流側における第2経路242には、エンジン冷却系180から還元剤タンク140へ供給される冷却水の流れを遮断する第2遮断弁252が介装されている。
図7(a)に示すように、第1遮断弁251が開き、第2遮断弁252が閉じている状態では、第1解凍経路TL201である第1経路241に冷却水が流れる。冷却水は、還元剤タンク140内において、入口配管135の近傍を流れ、還元剤タンク140から出て、第1遮断弁251を通過した後、還元剤ポンプ132に導かれる。つまり、第1加熱部241aおよび第2加熱部242aのうち、第1加熱部241aのみに冷却水が導入される。ここで、第1加熱部241aのみに流れるとは、厳密に第1加熱部241aのみを流れることを意味せず、第2加熱部242aにもわずかに冷却水が導入されることも含む。換言すれば、第1加熱部241aのみに流れるとは、第1加熱部241aを流れる冷却水量が、第2加熱部242aを流れる冷却水量に比べて大きいことを意味する。
図7(b)に示すように、第1遮断弁251が閉じ、第2遮断弁252が開いている状態では、第1経路241と第2経路242とによって構成される第2解凍経路TL202を冷却水が流れるようになる。第2解凍経路TL202が形成されると、エンジン冷却水は、第1経路241を通過した後、第2遮断弁252を介して第2経路242に導かれ、還元剤タンク140の側壁の内側周辺を流れた後、還元剤タンク140から出て、還元剤ポンプ132に導かれる。つまり、第1加熱部241aおよび第2加熱部242aの両方に冷却水が導入される。
このような第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
―第3の実施の形態―
図8を参照して第3の実施の形態に係る排気浄化装置について説明する。図8は本発明の第3の実施の形態に係る排気浄化装置の還元剤タンク140内を流れる冷却水の経路を示す模式図である。図中、第1の実施の形態と同一または相当部分には同一符号を付し、相違点について主に説明する。
第1の実施の形態では、第2解凍経路TL102が、第2経路142を通過した冷却水が第1経路141に導かれるように構成されていた。これに対して、第3の実施の形態では、第2解凍経路TL302が第2経路342そのものであり、第2経路342を通過した冷却水は第1経路341には導かれない。
図8(a)に示すように、第1遮断弁151が開き、第2遮断弁152が閉じている状態では、第1解凍経路TL301である第1経路341に冷却水が流れる。冷却水は、第1遮断弁151を介して還元剤タンク140に導入される。冷却水は、還元剤タンク140内において入口配管135の近傍を流れ、還元剤タンク140から出て、還元剤ポンプ132に導かれる。つまり、第1加熱部341aおよび第2加熱部342aのうち、第1加熱部341aのみに冷却水が導入される。ここで、第1加熱部341aのみに流れるとは、厳密に第1加熱部341aのみを流れることを意味せず、第2加熱部342aにもわずかに冷却水が導入されることも含む。換言すれば、第1加熱部341aのみに流れるとは、第1加熱部341aを流れる冷却水量が、第2加熱部342aを流れる冷却水量に比べて大きいことを意味する。
図8(b)に示すように、第1遮断弁151が閉じ、第2遮断弁152が開いている状態では、第2解凍経路TL302である第2経路342に冷却水が流れる。冷却水は、第2遮断弁152を介して還元剤タンク140に導入される。冷却水は、還元剤タンク140の側壁の内側周辺を流れた後、還元剤タンク140から出て、還元剤ポンプ132に導かれる。つまり、第1加熱部341aおよび第2加熱部342aのうち、第2加熱部342aのみに冷却水が導入される。ここで、第2加熱部342aのみに流れるとは、厳密に第2加熱部342aのみを流れることを意味せず、第1加熱部341aにもわずかに冷却水が導入されることも含む。換言すれば、第2加熱部342aのみに流れるとは、第2加熱部342aを流れる冷却水量が、第1加熱部341aを流れる冷却水量に比べて大きいことを意味する。
このような第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態で説明した(1)と同様の効果を奏する。
―第4の実施の形態―
図9および図10を参照して第4の実施の形態に係る排気浄化装置について説明する。図9は本発明の第4の実施の形態に係る排気浄化装置の還元剤タンク140内を流れる冷却水の経路を示す模式図である。図10は図9の還元剤タンク140の側面断面を示す模式図である。図中、第1の実施の形態と同一または相当部分には同一符号を付し、相違点について主に説明する。
第1の実施の形態では、入口配管135が還元剤タンク140の中央部に配置されていた。これに対して、第4の実施の形態では、入口配管435が還元剤タンク140の4つの側壁のうちの一の側壁440aの近傍に配置されている。なお、第4の実施の形態において、還元剤供給配管は、1系統である。入口配管435は、一の側壁440aに直交して設けられる一対の側壁440b,440cに対しては、ほぼ同じ距離だけ離れた位置に配置されている。
入口配管435の近傍には、入口配管435に沿って第1経路441の第1加熱部441aが配置され、第1加熱部441a周辺の還元剤が凍結状態であると、第1加熱部441aに冷却水が導入されて第1加熱部441a周辺の還元剤が解凍される。第1加熱部441aが側壁440aの近傍に配置されているため、図10に示すように、第1加熱部441aで還元剤が加熱されると、側面視略L字状に液体領域が形成され、残りの部分が固体領域(凍結領域)470として残される。
第4の実施の形態では、入口配管435が配される側の側壁440aに対向して配置される反対側の側壁440dの周辺に形成される固体領域470、すなわち第1加熱部441aへの冷却水の導入のみでは解凍されにくい凍結領域に、第2経路442の第2加熱部442aを構成する冷却配管が螺旋状に配設されている。第4の実施の形態では、第2解凍経路は、第2経路442を通過した冷却水が第1経路441に導かれるように構成されている。
図9に示す第1遮断弁451が開き、第2遮断弁452が閉じている状態では、第1解凍経路である第1経路441に冷却水が流れる。冷却水は、還元剤タンク140内において、入口配管435の近傍を流れ、還元剤タンク140から出て還元剤ポンプ132に導かれる。つまり、第1加熱部441aおよび第2加熱部442aのうち、第1加熱部441aのみに冷却水が導入される。ここで、第1加熱部441aのみに流れるとは、厳密に第1加熱部441aのみを流れることを意味せず、第2加熱部442aにもわずかに冷却水が導入されることも含む。換言すれば、第1加熱部441aのみに流れるとは、第1加熱部441aを流れる冷却水量が、第2加熱部442aを流れる冷却水量に比べて大きいことを意味する。
第1遮断弁451が閉じ、第2遮断弁452が開いている状態では、第1経路441と第2経路442とによって構成される第2解凍経路を冷却水が流れるようになる。第2解凍経路が形成されると、エンジン冷却水は、第2遮断弁452を通過した後、固体領域470に配設される螺旋状の冷却配管によって構成される第2加熱部442aを通過した後、第1加熱部441aに流れ込む。
このように、第1加熱部441aのみに冷却水を導入して入口配管435周囲の還元剤を解凍した後、第2加熱部442aおよび第1加熱部441aの両方に冷却水を導入して固体領域470(図10参照)の還元剤を集中的に解凍することができるため、入口配管435の取入口435aが還元剤タンク140の側壁近傍に配置されていた場合であっても、効率よく還元剤の解凍を行うことができる。
このような第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
[変形例]
(1)冷却水配管のレイアウトは、上記した実施の形態に限定されない。第1加熱部が還元剤経路の取入口の近傍に配置され、第2加熱部が第1加熱部よりも還元剤経路の取入口から離れた位置に配置される種々のレイアウトを採用することができる。
(2)上記した実施の形態では、還元剤タンク140を通過する冷却水の経路を2系統にした例について説明したが、本発明はこれに限定されない。3系統以上にして、順に冷却水を流すことで、効率よく還元剤タンク140内の還元剤を解凍することができる。系統の数は、還元剤タンク140の容量の大きさを考慮して設定される。
(3)上記した実施の形態では、温度センサ155を入口配管135の取入口135aの近傍に設置して、温度センサ155で検出した温度Trに応じて第1遮断弁および第2遮断弁を制御する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。温度センサ155とは別に、第2加熱部の近傍に温度センサを設け、この温度センサで検出した温度に応じて第2加熱部周辺の還元剤が凍結状態にあるか否かを判定し、第1遮断弁および第2遮断弁を制御するようにしてもよい。
(4)上記した実施の形態では、コントローラ120と、第1および第2遮断弁とにより冷却水の流れる経路を切り換えるようにしたが、本発明はこれに限定されない。コントローラ120からの信号により経路を切り換える三方弁を第1経路と第2経路との接続部に設けて、冷却水の流れる経路を切り換えるようにしてもよい。
(5)上記した実施の形態では、還元剤として尿素水溶液を用いた例について説明したが、本発明はこれに限定されない。アンモニア水溶液など種々の還元剤を利用した排気浄化装置に本発明を適用することができる。なお、コントローラ120には、予め還元剤の凝固点等を考慮して、第1遮断弁151および第2遮断弁152を開閉させるための閾値が記憶されている。
(6)上記した実施の形態では、油圧ショベルに本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、ホイールショベル、ホイールローダ、クレーンなど、種々の建設機械のエンジンの排気浄化装置に適用することができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。
100 油圧ショベル、101 走行体、103 旋回体、104 フロント装置、107 運転室、109 カウンターウエイト、120 コントローラ、130 排気浄化装置、131 還元剤噴射装置、132 還元剤ポンプ、134a 第1系統、134b 第2系統、135 入口配管、140 還元剤タンク、141 第1経路、141a 第1加熱部、142 第2経路、142a 第2加熱部、143 第3経路、149 戻り経路、151 第1遮断弁、152 第2遮断弁、155 温度センサ、161 第1後処理装置、162 第2後処理装置、163 連通管、180 エンジン冷却系、181 冷却水経路、190 エンジン、191 サーモスタット、192 ラジエータ、230 排気浄化装置、241 第1経路、241a 第1加熱部、242 第2経路、242a 第2加熱部、251 第1遮断弁、252 第2遮断弁、281 冷却水経路、341 第1経路、341a 第1加熱部、342 第2経路、342a 第2加熱部、435 入口配管、440a 側壁、440b 側壁、440d 側壁、441 第1経路、441a 第1加熱部、442 第2経路、442a 第2加熱部、451 第1遮断弁、452 第2遮断弁、470 固体領域

Claims (4)

  1. エンジンの排気の流路中に設置され、排気中の窒素酸化物を還元剤により還元浄化する還元触媒、ならびに、前記流路中に還元剤を噴射する還元剤噴射装置を備えた建設機械の排気浄化装置であって、
    還元剤が貯留された還元剤タンクと前記還元剤噴射装置とを接続する還元剤経路と、
    エンジンで加熱される冷媒が流れる第1加熱部および第2加熱部と、
    前記エンジンからの冷媒を前記第1加熱部のみに導入させる、または、少なくとも第2加熱部に導入させる加熱部選択手段と、
    還元剤の温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段で検出された還元剤の温度に応じて、前記第1加熱部周辺および前記第2加熱部周辺の還元剤が凍結状態にあるか否かを判定する凍結状態判定手段とを備え、
    前記第1加熱部は、前記冷媒が前記還元剤タンク内に配置される還元剤経路の取入口の近傍を流れるように構成され、前記第2加熱部は、前記冷媒が前記第1加熱部よりも前記還元剤経路の取入口から離れた位置を流れるように構成され、
    前記加熱部選択手段は、前記凍結状態判定手段により前記第1加熱部周辺の還元剤が凍結状態にあると判定されると、前記冷媒を前記第1加熱部のみに導入させ、前記凍結状態判定手段により前記第1加熱部周辺の還元剤が凍結状態でないと判定され、かつ、前記第2加熱部周辺の還元剤が凍結状態にあると判定されると、前記冷媒を少なくとも前記第2加熱部に導入させることを特徴とする建設機械の排気浄化装置。
  2. 請求項1に記載の建設機械の排気浄化装置において、
    前記凍結状態判定手段により前記第1加熱部周辺の還元剤が凍結状態でないと判定され、かつ、前記第2加熱部周辺の還元剤が凍結状態にあると判定されると、前記冷媒が前記第1加熱部および前記第2加熱部を流れるように構成されていることを特徴とする建設機械の排気浄化装置。
  3. 請求項1または2に記載の建設機械の排気浄化装置において、
    前記温度検出手段は、前記還元剤経路の取入口の近傍に配置され、
    前記凍結状態判定手段は、前記温度検出手段で検出された温度が第1の所定値以下である場合に、前記第1加熱部周辺の還元剤が凍結状態にあると判定し、前記温度検出手段で検出された温度が第1の所定値よりも高く、かつ、前記第1の所定値よりも高い第2の所定値以下である場合に、前記第1加熱部周辺の還元剤が凍結状態でないと判定し、かつ、前記第2加熱部周辺の還元剤が凍結状態にあると判定することを特徴とする建設機械の排気浄化装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の建設機械の排気浄化装置において、
    前記加熱部選択手段は、前記第1加熱部の冷媒の流れを遮断する第1遮断弁と、前記第2加熱部の冷媒の流れを遮断する第2遮断弁と、前記冷媒を前記第1加熱部のみに導入させる、または、少なくとも前記第2加熱部に導入させるために前記第1遮断弁および前記第2遮断弁のそれぞれを動作させる弁制御手段とを備えていることを特徴とする建設機械の排気浄化装置。
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JP7109143B2 (ja) 2018-06-28 2022-07-29 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 加熱システム

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