JP2014047279A - 表面保護用シート - Google Patents

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JP2014047279A JP2012191363A JP2012191363A JP2014047279A JP 2014047279 A JP2014047279 A JP 2014047279A JP 2012191363 A JP2012191363 A JP 2012191363A JP 2012191363 A JP2012191363 A JP 2012191363A JP 2014047279 A JP2014047279 A JP 2014047279A
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紀二 大學
Tadatoshi Nakanishi
多公歳 中西
Soya Jo
創矢 徐
Koji Shitara
浩司 設樂
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Abstract

【課題】内側のシートを露出させることを目的として外側のシートを剥がす際、外側のシートのみを簡単に剥離でき、さらに内側のシート間での「浮き」や「剥がれ」の発生を抑制できる表面保護用シートを提供する。
【解決手段】本発明の表面保護用シートは、基材層と粘着剤層とを有する、第1〜n(nは2以上の整数)の粘着シートをその順にn層積層させた表面保護用シートであり、
第1〜(n−1)の粘着シートの粘着剤層は、それぞれ第2〜nの粘着シートの基材層と接しており、
上記第1〜(n−1)の粘着シートのたわみ量が、該粘着シートの粘着剤層側に隣接して接する第2〜nの粘着シートのたわみ量よりもそれぞれ大きいことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面保護用シートに関する。
近年、様々な分野で、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置や、このような表示装置と組み合わせて用いられるタッチパネルなどの入力装置が広く用いられるようになってきている。これらの表示装置や入力装置では、各種の機能性フィルムが使用されている。例えば、表面保護を目的とする表面保護用フィルム、耐擦傷性の向上を目的とするハードコートフィルム、反射防止性の向上を目的とする反射防止フィルムなどが挙げられる。
一般に、このような機能性フィルムは、粘着剤等を用いて固定される。例えば、携帯電話機の液晶表示部を保護する保護フィルムとして、透明樹脂層、粘着層、粘着層を剥がすための剥がし部を備える積層フィルムが知られている(特許文献1参照)。上記積層フィルムは、フィルムの表面に傷がついたり、フィルム表面が汚れた場合、最外層のフィルムを剥がして除去することにより、汚れや傷のない内層のフィルムを露出させることができる。
特開2005−271412号公報
近年、表示装置や入力装置の分野では、薄くて、脆弱な被着体が増えてきている。このため、積層シートには、被着体が薄かったり、脆弱であっても、被着体に貼着後に汚れや傷のない内側のシートを露出させることを目的として外側のシートを剥がす際に、外側のシートのみを簡単に剥離でき、さらに内側のシート間で「浮き」や「剥がれ」の発生を抑制することが求められる。なお、表示装置や入力装置の分野ではデザイン面等より外観性が優れていることが求められるが、「浮き」や「剥がれ」が発生すると、外観性に悪影響を及ぼす。
従って、本発明の目的は、内側のシートを露出させることを目的として外側のシートを剥がす際、外側のシートのみを簡単に剥離でき、さらに内側のシート間での「浮き」や「剥がれ」の発生を抑制できる表面保護用シートを提供することにある。
さらに、本発明のその他の目的は、上記に加えて、外観性に優れる表面保護用シートを提供することにある。
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、基材層と粘着剤層とを有する粘着シートを積層させた表面保護用シートにおいて、特定の条件で隣接する粘着シートを選択することにより、外側の粘着シートを簡単に剥離でき、さらに粘着シート間における「浮き」や「剥がれ」の発生を抑制できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、基材層と粘着剤層とを有する、第1〜n(nは2以上の整数)の粘着シートをその順にn層積層させた表面保護用シートであり、
第1〜(n−1)の粘着シートの粘着剤層は、それぞれ第2〜nの粘着シートの基材層と接しており、
上記第1〜(n−1)の粘着シートの下記で規定されるたわみ量が、該粘着シートの粘着剤層側に隣接して接する第2〜nの粘着シートの下記で規定されるたわみ量よりもそれぞれ大きいことを特徴とする表面保護用シートを提供する。
たわみ量(mm):幅20mm、長さ10cmの粘着シートを、支持台に、張り出し部分が幅20mm、長さ8cmのシート状となるように固定してから、23℃の条件で、1分間放置し、放置後、粘着シートにおける張り出し部分の自由端部の元の位置からの垂直方向の距離を測定することにより求める。
第1〜(n−1)の粘着シートの上記たわみ量と、該粘着シートの粘着剤層側に隣接して接する第2〜nの粘着シートの上記たわみ量との差は、それぞれ1.0mm以上であることが好ましい。
第1〜(n−1)の粘着シートの厚みは、それぞれ該粘着シートの粘着剤層側に隣接して接する第2〜nの粘着シートの厚みより小さいことが好ましい。
さらに、本発明は、基材層と粘着剤層とを有する、第1〜n(nは2以上の整数)の粘着シートをその順にn層積層させた表面保護用シートであり、
第1〜(n−1)の粘着シートの粘着剤層は、それぞれ第2〜nの粘着シートの基材層と接しており、
上記第1〜nの粘着シートの基材層の素材が共通し、
上記第1〜nの粘着シートの粘着剤層の組成が共通し、
上記第1〜(n−1)の粘着シートの厚みが、当該粘着シートの粘着剤層側に隣接して接する第2〜nの粘着シートの厚みより小さいことを特徴とする表面保護用シートを提供する。
第1〜(n−1)の粘着シートの厚みと、該粘着シートの粘着剤層側に隣接して接する第2〜nの粘着シートの厚みとの差は、それぞれ0を超え500μm以下の範囲内であることが好ましい。
上記表面保護用シートは、第nの粘着シートの粘着剤層上に剥離ライナーを有し、
上記剥離ライナーの厚みと第(n−1)の粘着シートの厚みと第nの粘着シートの厚みとの関係が、
(上記剥離ライナーの厚み)<(第(n−1)の粘着シートの厚み)<(第nの粘着シートの厚み)
であることが好ましい。
上記表面保護用シートは、第nの粘着シートの粘着剤層上に剥離ライナーを有し、
上記剥離ライナーの厚みが10〜50μmであることが好ましい。
さらにまた、本発明は、部材の表面に、上記表面保護用シートが設けられていることを特徴とする構造体を提供する。
本発明の表面保護用シートは、内側のシートを露出させることを目的として外側のシートを剥がす際、外側のシートのみを簡単に剥離でき、さらに内側のシート間での「浮き」や「剥がれ」の発生を抑制できる。さらに、本発明の表面保護用シートは、外観性に優れる。
図1は、表面保護用シートの一例を示す概略断面図である。 図2は、表面保護用シートの一例を示す概略断面図である。 図3は、表面保護用シートの一例を示す概略断面図である。 図4は、粘着シートのたわみ量を測定する際の支持台に固定された粘着シートを示す概略上面図である。 図5は、粘着シートのたわみ量を測定する際の支持台に固定された粘着シートを示す概略断面図である。 図6は、粘着シートのたわみ量を示す概略断面図である。
以下、本発明について、図1〜3を用いて本実施形態の一例を挙げて具体的に説明する。なお、本発明は、図に示す態様には限定されない。
(I)表面保護用シート
図1は、本実施の形態に係る一例である表面保護用シートXの概略構成を示す断面図である。また、図2は、本実施の形態に係る別の一例である表面保護用シートYの概略構成を示す断面図であり、図3は、本実施の形態に係る更に別の一例である表面保護用シートZの概略構成を示す断面図である。なお、本明細書では、「シート」には、「フィルム」や「テープ」の意味も含むものとする。
図1に示すように、表面保護用シートXは、第1〜n(nは2以上の整数)の粘着シート(第1の粘着シート、第2の粘着シート、第3の粘着シート、・・・、第(n−1)の粘着シート、第nの粘着シート)をその順にn層積層させた構造を有する。
表面保護用シートXを構成する第1〜nの上記粘着シートは、基材層と粘着剤層とを有し、最外層の粘着シートである第nの粘着シートにおける粘着剤層の外側表面には剥離ライナーが設けられている。
図1に示すように、表面保護用シートXでは、第1〜(n−1)の粘着シートの粘着剤層は、それぞれ、第2〜nの粘着シートの基材層と接している。
上記nは、2以上の整数である限り特に限定されないが、製造コスト、作業性及び薄層化の点より、2〜20の整数であることが好ましく、より好ましくは2〜15の整数、さらに好ましくは2〜10の整数である。なお、nは2以上であればよいため、nは2であってもよい。
具体的には、図2に示すような、第1〜3の粘着シートをその順に3層積層させた構造を有する表面保護用シートYとしてもよいし、図3に示すような、第1〜2の粘着シートをその順に2層積層させた構造を有する表面保護用シートZとしてもよい。
表面保護用シートXでは、最内層に該当する粘着シート(第nの粘着シート)が、最初に表面保護用シートを被着体に貼付する際に用いられる粘着面を提供する。具体的には、表面保護用シートXを被着体に貼付後、まず、最外層に該当する粘着シート(第1の粘着シート)が、被着体を保護する。次に、最外層に該当する粘着シート(第1の粘着シート)による保護目的達成後に最外層に該当する粘着シート(第1の粘着シート)を剥がすことにより、最外層から1層内側の粘着シート(第2の粘着シート)が露出して、最外層から1層内側の粘着シート(第2の粘着シート)による保護が可能となる。このように、表面保護用シートXは、外側の粘着シートを剥離して除くことにより、内側の粘着シートが露出する構造を有する。
表面保護用シートXでは、第1〜(n−1)の粘着シートのたわみ量は、該粘着シートの粘着剤層側に隣接して接する第2〜nの粘着シートのたわみ量よりもそれぞれ大きい。具体的には、表面保護用シートXでは、第1の粘着シートのたわみ量は第2の粘着シートのたわみ量より大きく、第2の粘着シートのたわみ量は第3の粘着シートのたわみ量より大きく(図示せず)、第(n−1)の粘着シートのたわみ量は第nの粘着シートのたわみ量より大きい。このような構成により、内側の粘着シートを露出させることを目的として外側の粘着シートを剥がす際、外側の粘着シートのみを簡単に剥離でき、さらに内側の粘着シート間での「浮き」や「剥がれ」の発生を抑制できるため、外観性の向上につながる。
上記たわみ量の測定方法について、図4〜6を用いて以下説明する。図4は粘着シートのたわみ量を測定する際の支持台に固定された粘着シートを示す概略上面図であり、図5は粘着シートのたわみ量を測定する際の支持台に固定された粘着シートを示す概略断面図であり、図6は粘着シートのたわみ量を示す概略断面図である。図4及び図5に示すように、たわみ量の測定では、測定対象となる、幅20mm、長さ10cmの粘着シート42を、支持台41に、張り出し部分が幅20mm、長さ8cmのシート状となるように固定する。23℃の条件で、1分間放置後、図6に示すように、粘着シート42における張り出し部分421の自由端部の元の位置からの垂直方向の距離fを測定することによりたわみ量が求められる。
上記粘着シートのたわみ量は、例えば、粘着シートの厚み、基材層の厚み、粘着シートの製法、基材層を構成する素材などにより調整できる。具体的には、表面保護用シートXでは、第1〜nの粘着シートの各粘着剤層の組成が共通し、第1〜nの粘着シートの各基材層の素材が共通する場合、各粘着シートのたわみ量は、粘着シートの厚みにより制御することができる。
このため、本発明は、「基材層と粘着剤層とを有する、第1〜n(nは2以上の整数)の粘着シートをその順にn層積層させた表面保護用シートであり、第1〜(n−1)の粘着シートの粘着剤層は、それぞれ第2〜nの粘着シートの基材層と接しており、上記第1〜nの粘着シートの基材層の素材が共通し、上記第1〜nの粘着シートの粘着剤層の組成が共通し、上記第1〜(n−1)の粘着シートの厚みが、当該粘着シートの粘着剤層側に隣接して接する第2〜nの粘着シートの厚みより小さい表面保護用シート」、と言い換えることもできる。
なお、上記表面保護用シートにおいて、基材層の素材が共通するとは、基材層の素材が完全に同一の場合に加えて、素材の主成分が共通する場合を含む。例えば、基材層の素材がポリマーである場合、ポリマーを構成する主のモノマー成分が共通する場合、基材層の素材が共通すると判断できる。より具体的には、基材層の素材がポリマーである場合、ポリマーを構成するモノマー成分のうち、全モノマー成分(100重量%)に対して50重量%以上(好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上)占める成分が全て共通する場合、基材層の素材が共通すると判断できる。また、上記表面保護用シートにおいて、粘着剤層の組成が共通するとは、粘着剤層の組成が完全に同一の場合に加えて、主成分が共通する場合を含む。より具体的には、粘着剤層に含まれる成分(例えば、ベースポリマー、添加剤等)のうち、粘着剤層全量(100重量%)に対して50重量%以上(好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上)占める成分が全て共通する場合、粘着剤層の組成が共通すると判断できる。
表面保護用シートXにおいて、第1〜(n−1)の粘着シートのたわみ量と該粘着シートの粘着剤層側に隣接して接する第2〜nの粘着シートのたわみ量との差は、粘着シートをより容易に剥離可能とする点、粘着シートの剥離時における粘着シート間の「浮き」や「剥がれ」の発生をより抑制する点より、それぞれ、1.0mm以上であることが好ましく、より好ましくは3.0mm以上、さらに好ましくは5.0mm以上である。なお、上記たわみ量の差の上限は、特に限定されないが、78mm以下が好ましく、より好ましくは76mm以下、さらに好ましくは72mm以下である。
表面保護用シートXでは、粘着シートの剥離をより容易にする点、粘着シートの剥離時に粘着シート間での「浮き」や「剥がれ」の発生をより抑制する点より、第1〜(n−1)の粘着シートの厚みは、それぞれ当該粘着シートの粘着剤層側に隣接して接する第2〜nの粘着シートの厚みより小さいことが好ましい。
特に、表面保護用シートXでは、第1〜(n−1)の粘着シートの厚みと、該粘着シートの粘着剤層側に隣接して接する第2〜nの粘着シートの厚みとの差は、それぞれ0を超え500μm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは5μm以上150μm以下の範囲内、さらに好ましくは15μm以上130μm以下の範囲内である。
表面保護用シートXでは、第1〜nの粘着シートの厚みは、特には限定されないが、それぞれ1〜1000μmの範囲内であることが好ましく、5〜500μmの範囲内であることがより好ましく、10〜200μmの範囲内であることがさらに好ましい。
表面保護用シートXの全体の厚みは、特に限定されないが、2〜2000μmとすることができ、5〜1000μmが好ましく、20〜500μmがより好ましく、40〜260μmがさらに好ましく、特に好ましくは60〜230μmである。なお、上記の全体の厚みには、剥離ライナーの厚みは含まれない。
なお、本実施の形態では、第1〜nの上記各粘着シートが基材層と粘着剤層とからなる構成を有する表面保護用シートXを例示して説明したが、本発明はこのような構成には限定されない。必要に応じて、基材層と粘着剤層との間に、その他の層(上記基材層、上記粘着剤層以外の層)を有していてもよい。
また、本実施の形態では、第nの粘着シートの粘着剤層表面が剥離ライナーによって保護された形態を例示して説明したが、本発明はこのような構成には限定されない。例えば、第1の粘着シートの基材層の背面(粘着剤層と反対側の面)に剥離処理を施して、当該剥離処理した面が第nの粘着シートの粘着剤層と接するように巻回させた形態であってもよい。
(基材層)
第1〜nの上記粘着シートの基材層を構成する基材は、特に限定されないが、プラスチック基材(ポリマー基材)が好ましい。上記基材は、1層からなる基材であってもよく、2層以上の積層構造を有していてもよい。
上記プラスチック基材を構成する材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン;ポリビニルアルコール;ポリ塩化ビニリデン;ポリ塩化ビニル;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;ポリ酢酸ビニル;ポリアミド;ポリイミド;セルロース類;フッ素系樹脂;ポリエーテル;ポリエーテルアミド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリフェニレンスルフィド;ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂;ポリカーボネート;ポリエーテルスルホンなどが挙げられる。なお、上記材料は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
中でも、上記プラスチック基材を構成する材料としては、強度、取り扱い性(ハンドリング性)、コスト、寸法安定性、投錨力のバランスの良さから、ポリエステルが好ましく、より好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)である。
上記基材は、延伸処理(一軸延伸又は二軸延伸)等により変形性が制御されていてもよい。また、上記基材の表面には、必要に応じて、粘着剤層との密着性を高めるため、慣用の表面処理、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的方法による酸化処理等が施されていてもよい。
また、上記基材には、その表面にプライマー処理が施されていてもよい。上記プライマー処理としては、粘着剤層との密着性を高めるためのプライマー処理が好ましく挙げられる。
さらに、上記基材には、表面の耐擦傷性(耐擦過性)を向上させる点より、ハードコート処理が設けられてもよい。このようなハードコート層を有していると、表面保護用シートの保護機能をより向上させることができる。また、上記ハードコート層は、高い反射防止性を有する層であってもよい。
上記ハードコート層の表面(ハードコート層表面)の鉛筆硬度は、特に限定されないが、HB以上が好ましく、より好ましくはH以上である。なお、上記鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4に記載の引っかき硬度試験(鉛筆法)に準じて測定することができる。
上記ハードコート層としては、特に限定されないが、公知乃至慣用のハードコート層が挙げられる。上記ハードコート層を形成する樹脂成分としては、例えば、シロキサン系樹脂などの熱硬化型樹脂、エステル系、アクリル系、ウレタン系、アミド系、シリコーン系、エポキシ系などのモノマーやオリゴマーを光重合開始剤により硬化処理するタイプの電離放射線硬化型樹脂(例えば、紫外線硬化型樹脂)、アクリル・ウレタン系やアクリル・エポキシ系などの上記モノマーやオリゴマー複合型の電離放射線硬化型樹脂(例えば、紫外線硬化型樹脂)などが挙げられる。上記の中でも、耐擦傷性向上の観点で、電離放射線硬化型樹脂が好ましく、より好ましくは紫外線硬化型樹脂である。すなわち、上記ハードコート層は、電離放射線硬化性樹脂(特に、紫外線硬化型樹脂)に電離放射線(特に、紫外線)を照射することによって硬化させた硬化皮膜であることが好ましい。なお、上記ハードコート層は、単層構成であってもよいし、複層(多層)構成であってもよい。さらに、上記ハードコート層の厚みは、特に限定されず、例えば、公知乃至慣用の厚みとすることができる。
上記基材は、例えば、一方の面に粘着剤層との密着性を向上させるためにプライマー処理が施され、他方の面にハードコート層が設けられた基材であってもよい。
上記基材の厚みは、特に限定されないが、1〜500μmが好ましく、より好ましくは5〜300μm、さらに好ましくは10〜200μmである。なお、上記基材の厚みには、上記ハードコード層を設けた場合における上記ハードコート層の厚み等が含まれる。
(粘着剤層)
上記粘着シートの粘着剤層は、特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤層、ゴム系粘着剤層、ビニルアルキルエーテル系粘着剤層、シリコーン系粘着剤層、ポリエステル系粘着剤層、ポリアミド系粘着剤層、ウレタン系粘着剤層、フッ素系粘着剤層、エポキシ系粘着剤層などが挙げられる。
上記粘着剤層は、粘着剤組成物により形成される。上記粘着剤組成物は、いずれの形態を有していてもよく、例えば、活性エネルギー線硬化型、溶剤型(溶液型)、エマルジョン型、熱溶融型(ホットメルト型)などであってもよい。
中でも、上記粘着剤層としては、粘着力の調整が容易である点より、アクリル系粘着剤層やシリコーン系粘着剤層が好ましい。
なお、上記アクリル系粘着剤層又は上記シリコーン系粘着剤層は、ベースポリマーとしてのアクリル系ポリマー又はシリコーン系ポリマーを、粘着剤層全量(100重量%)に対して、50重量%以上含むことが好ましく、60重量%以上含むことがより好ましい。
上記シリコーン系粘着剤層は、シリコーン系粘着剤組成物により形成される。上記シリコーン系粘着剤層としては、特に限定されないが、例えば、過酸化物架橋型シリコーン系粘着剤組成物(過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤組成物)や付加反応型シリコーン系粘着剤組成物により形成されたシリコーン系粘着剤層が好ましく挙げられ、付加反応型シリコーン系粘着剤組成物により形成されたシリコーン系粘着剤層がより好ましく挙げられる。
また、上記シリコーン系粘着剤組成物としては、フェニル基含有シリコーン系粘着剤組成物が好ましい。上記フェニル基含有シリコーン系粘着剤組成物としては、例えば、ポリメチルフェニルシリコーン系粘着剤組成物、ポリエチルフェニルシリコーン系粘着剤組成物等のポリアルキルフェニルシリコーン系粘着剤組成物などが挙げられる。
上記付加反応型シリコーン系粘着剤組成物としては、フェニル基を有しているオルガノポリシロキサンによる付加反応型シリコーン系粘着剤組成物(付加反応型のフェニル基含有シリコーン系粘着剤組成物)が好ましい。このような付加反応型のフェニル基含有シリコーン系粘着剤組成物におけるフェニル基を有しているオルガノポリシロキサンとしては、例えば、ポリメチルフェニルシロキサン(ポリメチルフェニルシリコーン)や、ポリエチルフェニルシロキサン(ポリエチルフェニルシリコーン)等のポリアルキルフェニルシロキサン(ポリアルキルフェニルシリコーン)などが挙げられる。
上記付加反応型シリコーン系粘着剤組成物は、シリコーンゴムとシリコーンレジンとを含有することが好ましい。
上記シリコーンゴムとしては、シリコーン系のゴム成分であれば特に制限されないが、フェニル基を有しているオルガノポリシロキサン(特に、メチルフェニルシロキサンを主な構成単位としているオルガノポリシロキサン)からなるシリコーンゴムが好ましい。このようなシリコーンゴムにおけるオルガノポリシロキサンには、必要に応じて、ビニル基等の各種官能基が導入されていてもよい。なお、上記オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、特に限定されないが、15万以上であることが好ましく、より好ましくは28万〜100万、さらに好ましくは50万〜90万である。
また、上記シリコーンレジンとしては、シリコーン系粘着剤(シリコーン系感圧接着剤)に使用されているシリコーン系のレジンであれば特に限定されないが、例えば、構成単位「R3−Si1/2」からなるM単位、構成単位「SiO2」からなるQ単位、構成単位「R−SiO3/2」からなるT単位、および構成単位「R2−SiO」からなるD単位から選択される少なくとも1種の単位を有する(共)重合体からなるオルガノポリシロキサンを含むシリコーンレジンなどが挙げられる。なお、上記構成単位におけるRは炭化水素基又はヒドロキシル基を示す。上記炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル基等のアルキル基など)、脂環式炭化水素基(シクロヘキシル基等のシクロアルキル基など)、芳香族炭化水素基(フェニル基、ナフチル基等のアリール基など)などが挙げられる。上記「M単位」と、「Q単位、T単位およびD単位から選択された少なくとも1種の単位」との割合(比)としては、例えば、前者/後者(モル比)=0.3/1〜1.5/1(好ましくは0.5/1〜1.3/1)であることが好ましい。
上記シリコーンレジンにおけるオルガノポリシロキサンには、必要に応じて、ビニル基等の各種官能基が導入されていてもよい。なお、導入される官能基は、架橋反応を生じることが可能な官能基であってもよい。シリコーンレジンにおけるオルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、1000以上であることが好ましく、より好ましくは1000〜20000、さらに好ましくは1500〜10000である。
上記シリコーンゴムと上記シリコーンレジンとの配合割合としては、特に限定されないが、シリコーンゴム100重量部に対して、シリコーンレジンが100〜220重量部(特に120〜180重量部)とすること好ましい。
なお、シリコーンゴムとシリコーンレジンとを含有するシリコーン系粘着剤組成物において、シリコーンゴム及びシリコーンレジンは、単に混合されている混合状態となっていてもよく、該混合により、シリコーンゴムとシリコーンレジンとが反応して縮合物(特に部分縮合物)となっている縮合状態となっていてもよい。
上記シリコーン系粘着剤組成物は、必要に応じて、架橋剤や、充填剤、可塑剤、老化防止剤、帯電防止剤、着色剤(顔料や染料など)等の添加剤を含有していてもよい。また、触媒(特に白金系触媒など)を含有していてもよい。なお、添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
特に、上記シリコーンゴムとシリコーンレジンとを含有するシリコーン系粘着剤組成物では、架橋構造体であるシリコーン系粘着剤層を得る点より、架橋剤を含有することが好ましい。このような架橋剤としては、特に限定されないが、シロキサン系架橋剤(シリコーン系架橋剤)、過酸化物系架橋剤などが好ましく挙げられる。なお、架橋剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記シロキサン系架橋剤としては、特に限定されないが、分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンが好ましく挙げられる。このようなポリオルガノハイドロジェンシロキサンにおいて、水素原子が結合しているケイ素原子には、水素原子以外に各種有機基が結合していてもよい。該有機基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基;フェニル基等のアリール基;ハロゲン化アルキル基などが挙げられる。中でも、合成や取り扱いの観点から、アルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。また、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの骨格構造は、直鎖状、分岐状、環状のいずれの骨格構造を有していてもよいが、直鎖状が好適である。
上記シリコーン系粘着剤組成物の市販品としては、例えば、商品名「X−40−3306」(信越化学工業株式会社製、付加反応型シリコーン系粘着剤組成物)などがあげられる。
一方、本発明の表面保護用シートにおける粘着シートの粘着剤層として好ましい上記アクリル系粘着剤層は、ベースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含有する。なお、上記アクリル系粘着剤層は、アクリル系粘着剤組成物により形成される。
上記アクリル系ポリマーは、特に限定されないが、直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主のモノマー成分として構成された重合体であることが好ましい。なお、上記「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」(「アクリル」及び「メタクリル」のうち、いずれか一方又は両方)を表し、他も同様である。
上記直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、単に「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」と称する場合がある)としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどのアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。なお、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アルキル基の炭素数が2〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、より好ましくは(メタ)アクリル酸n−ブチル(n−BA)、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)である。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、特に限定されないが、接着性の点より、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(全重量、100重量%)に対して、40重量%以上(例えば、40〜100重量%)が好ましく、より好ましくは50〜99重量%である。
上記アクリル系ポリマーは、特性のチューニング、目的に応じた使い分けや必要に応じた機能の付与を可能にする点より、構成するモノマー成分として、共重合性モノマーを含んでいてもよい。また、共重合性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記共重合性モノマーとしては、例えば、極性基含有モノマーが挙げられる。上記極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、これらの酸無水物(例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー)などのカルボキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、ビニルアルコール、アリルアルコールなどの水酸基(ヒドロキシル基)含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有モノマー;アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、ビニルピリミジン、ビニルオキサゾールなどの複素環含有ビニル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェートなどのリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマーなどが挙げられる。なお、上記極性基含有モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
中でも、上記極性基含有モノマーとしては、カルボキシル基含有モノマーや水酸基含有モノマーが好ましく、より好ましくはアクリル酸、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルである。
上記極性基含有モノマーの含有量は、特に限定されないが、上記アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100重量%)に対して、1〜20重量%が好ましく、より好ましくは1〜15重量%である。
また、上記共重合性モノマーとしては、多官能性モノマーも挙げられる。上記多官能性モノマーとは、1分子中に2以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーをいう。上記エチレン性不飽和基としては、特に限定されないが、例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ビニルエーテル基(ビニルオキシ基)、アリルエーテル基(アリルオキシ基)などのラジカル重合性官能基が挙げられる。
上記多官能性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。なお、上記多官能性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、上記共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル[アルコキシアルキル(メタ)アクリレート]が挙げられる。上記、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4−エトキシブチルなどが挙げられる。なお、上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
さらにまた、上記共重合性モノマーとしては、上記極性基含有モノマー、上記多官能性モノマー、上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルの他にも、例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルやフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどの、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル、上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、上記極性基含有モノマー及び上記多官能性モノマー以外の(メタ)アクリル酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレンなどのオレフィン類又はジエン類;ビニルアルキルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニルなどが挙げられる。
上記アクリル系ポリマーは、上記モノマー成分を公知慣用の重合方法により重合することにより得ることができる。上記重合方法としては、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法、活性エネルギー線照射による重合方法(活性エネルギー線重合方法)などが挙げられる。中でも、透明性、耐水性、コストなどの点で、溶液重合方法、活性エネルギー線重合方法が好ましい。
上記アクリル系ポリマーの形成に際しては、重合反応の種類に応じて、熱重合開始剤や光重合開始剤(光開始剤)などの重合開始剤を用いることができる。なお、重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記熱重合開始剤は、特に、上記アクリル系ポリマーを溶液重合により得る際に用いられる。上記熱重合開始剤としては、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルマレエートなど)、レドックス系重合開始剤などが挙げられる。中でも、特開2002−69411号公報に開示されたアゾ系開始剤が特に好ましい。かかるアゾ系開始剤は開始剤の分解物が加熱発生ガス(アウトガス)の発生原因となる部分としてアクリル系ポリマー中に残留しにくいため好ましい。上記アゾ系開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと称する場合がある)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(以下、AMBNと称する場合がある)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリアン酸などが挙げられる。上記アゾ系開始剤の使用量は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、0.05〜0.5重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜0.3重量部である。
また、上記光重合開始剤は、特に、上記アクリル系ポリマーを活性エネルギー線重合により得る際に用いられる。上記光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤等などが挙げられる。
上記ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、アニソールメチルエーテルなどが挙げられる。上記アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−(t−ブチル)ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。上記α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。上記芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。上記光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。上記ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインなどが挙げられる。上記ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルなどが挙げられる。上記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。上記ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。上記チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが挙げられる。
上記光重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、上記アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、0.01〜0.2重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜0.15重量部である。
上記アクリル系粘着剤層は上記アクリル系粘着剤組成物により形成されるが、上記アクリル系粘着剤組成物には、架橋剤が含まれていてもよい。上記架橋剤を用いることにより、上記アクリル系粘着剤層中のアクリル系ポリマーを架橋して、アクリル系粘着剤層の凝集力を向上できる。なお、架橋剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられる。中でも、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましい。
上記イソシアネート系架橋剤(多官能イソシアネート化合物)としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類などが挙げられる。上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物[日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートL」]、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート付加物[日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートHL」]、商品名「コロネート HX」(日本ポリウレタン工業株式会社)、トリメチロールプロパン/キシリレンジイソシアネート付加物[三井化学株式会社製、商品名「タケネート110N」]などの市販品も挙げられる。
上記エポキシ系架橋剤(多官能エポキシ化合物)としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。上記エポキシ系架橋剤としては、さらに、商品名「テトラッドC」(三菱ガス化学株式会社製)などの市販品も挙げられる。
上記アクリル系粘着剤組成物における架橋剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、0.001〜15重量部が好ましく、より好ましくは0.01〜12重量部である
上記アクリル系粘着剤組成物には、上記架橋剤の他に、必要に応じて、架橋促進剤、シランカップリング剤、粘着付与樹脂(ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノールなど)、老化防止剤、充填剤、着色剤(顔料や染料など)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤、安定剤などの公知の添加剤が、本発明の特性を損なわない範囲で含有されていてもよい。
本発明の表面保護用シートにおける粘着シートは、公知乃至慣用の粘着剤層の形成方法により得ることができる。例えば、上記シリコーン系粘着剤層を有する粘着シートは、シリコーン系粘着剤組成物を、上記基材層上に塗布(塗工)し、加熱乾燥して硬化させることにより得ることができる。また、上記アクリル系粘着剤層を有する粘着シートは、特に限定されないが、例えば、以下の(1)又は(2)などの方法により得ることができる。
(1) アクリル系モノマー混合物又はその部分重合物及び必要に応じて光重合開始剤や架橋剤などの添加剤を含むアクリル系粘着剤組成物を、上記基材層上に塗布(塗工)し、活性エネルギー線を照射し、硬化させて、アクリル系粘着剤層を形成すること
(2) アクリル系ポリマー、溶剤、必要に応じて架橋剤などの添加剤を含むアクリル系粘着剤組成物(溶液)を、上記基材層上に塗布(塗工)し、乾燥及び/又は硬化させてアクリル系粘着剤層を形成すること
なお、粘着剤層作製時には、必要に応じて、さらに乾燥工程が設けられてもよい。また、粘着シートは、基材層に予め作製した粘着剤層を転写することにより、作製されてもよい。
なお、上記粘着剤組成物の塗布(塗工)には、公知のコーティング法を利用することができる。例えば、慣用のコーター(グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター、コンマコーター、ダイレクトコーターなど)を用いて塗布することができる。
上記粘着剤層(例えば、上記シリコーン系粘着剤層や上記アクリル系粘着剤層など)の厚みは、特に限定されないが、5〜100μmが好ましく、より好ましくは5〜90μm、さらに好ましくは10〜75μmである。
(剥離ライナー)
本発明の表面保護用シートにおいて第nの粘着シートの粘着剤層上に用いることができる上記剥離ライナーは、特には限定されず、公知乃至慣用の剥離ライナーを用いることができる。
例えば、上記シリコーン系粘着剤層に用いられる剥離ライナーとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリカーボネート(PC);ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体などのフッ素系樹脂などから構成されるプラスチックフィルムが好ましく挙げられる。
また、上記アクリル系粘着剤層に用いられる剥離ライナーとしては、例えば剥離ライナー基材の少なくとも一方の表面に剥離層(剥離処理層)を有する剥離ライナー、フッ素系ポリマーからなる低接着性の剥離ライナー、無極性ポリマーからなる低接着性の剥離ライナーなどが挙げられる。また、剥離層を有しない剥離ライナー基材(つまり、剥離ライナー基材そのもの)も挙げられる。上記フッ素系ポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。また、上記無極性ポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂などが挙げられる。中でも、剥離ライナー基材の少なくとも一方の表面に剥離層を有する剥離ライナー、剥離層を有しない剥離ライナー基材(つまり、剥離ライナー基材そのもの)を使用することが好ましい。
上記剥離ライナー基材としては、特に限定されないが、プラスチックフィルム等が挙げられる。このようなプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリカーボネート(PC);ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などから構成されるプラスチックフィルムが挙げられる。中でも、加工性、入手性、作業性、防塵性、コスト等の観点から、ポリエステル系樹脂から形成されるプラスチックフィルムが好ましく、さらに好ましくはPETフィルムである。
上記剥離層を構成する剥離処理剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系剥離処理剤、フッ素系剥離処理剤、長鎖アルキル系剥離処理剤、硫化モリブデンなどの剥離処理剤が挙げられる。中でも、剥離コントロール、経時安定性の観点から、シリコーン系剥離処理剤が好ましい。なお、剥離処理剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記剥離ライナーは、公知慣用の方法により製造することができる。
上記剥離ライナーの厚みは、特に限定されないが、表面保護用シートを被着体に貼付するために剥離ライナーを剥がして粘着面を露出させる際に、粘着シート間での「浮き」や「剥がれ」の発生を抑制する点より、下記の関係を満たすことが好ましい。
(上記剥離ライナーの厚み)<(第(n−1)の粘着シートの厚み)<(第nの粘着シートの厚み)
また、上記剥離ライナーの厚みは、特に限定されないが、剥離ライナーを剥がして粘着面を露出させる際に、粘着シート間での「浮き」や「剥がれ」の発生を抑制する点より、10〜50μmが好ましく、より好ましくは12〜45μm、さらに好ましくは25〜38μmである。
特に、上記剥離ライナーは、下記の関係を満たし、
(上記剥離ライナーの厚み)<(第(n−1)の粘着シートの厚み)<(第nの粘着シートの厚み)
且つ、厚みが10〜50μmであることが特に好ましい。
(表面保護用シート)
本発明の表面保護用シートの第(n−1)の粘着シートでは、第nの粘着シートに対して十分な密着性及び易剥離性を得る点より、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフォルム)に対する粘着力は、0.1〜9.0gf/25mmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜5.0gf/25mmである。
なお、本明細書において、粘着力(180°ピール粘着力)(gf/25mm)は、例えば、引張試験機を使用し、23℃、50%RHの雰囲気下、引張速度300mm/分、剥離角度180°の条件で、被着体から粘着シートを引き剥がすことにより求めることができる。
本発明の表面保護用シートの第nの粘着シートでは、第(n−1)の粘着シートを第nの粘着シートから剥離する際に、粘着シート間における「浮き」や「剥がれ」の発生を抑制する点、被着体に対して十分な密着性を得る点より、ガラス(ガラス板)に対する粘着力は、0.5〜30gf/25mmであることが好ましく、より好ましくは1.5〜15gf/25mmである。
本発明の表面保護用シートの第nの粘着シートでは、第(n−1)の粘着シートを第nの粘着シートから剥離する際に、粘着シート間における「浮き」や「剥がれ」の発生を抑制する点、被着体に対して十分な密着性を得る点より、アルミニウム(アルミニウム板)に対する粘着力は、0.5〜30gf/25mmであることが好ましく、より好ましくは1.5〜15gf/25mmである。
特に、本発明の表面保護用シートでは、第(n−1)の粘着シートと第nの粘着シートとの間で十分な密着性を得つつ、より易剥離性を得る点、さらに、第(n−1)の粘着シートを第nの粘着シートから剥離する際に粘着シート間における「浮き」や「剥がれ」の発生をより抑制し、外観性を向上させる点より、第nの粘着シートの粘着力(対ガラス板、引張速度300mm/分、剥離角度180°)は、第(n−1)の粘着シートの粘着力(対PETフィルム、引張速度300mm/分、剥離角度180°)より大きいことが好ましい。中でも、粘着力差[(第nの粘着シートにおけるガラス(ガラス板)に対する粘着力)−(第(n−1)の粘着シートにおけるポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフォルム)に対する粘着力)]は、0.1gf/25mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.5gf/25mm以上である。
また、本発明の表面保護用シートでは、第(n−1)の粘着シートと第nの粘着シートとの間で十分な密着性を得つつ、より易剥離性を得る点、さらに、第(n−1)の粘着シートを第nの粘着シートから剥離する際に粘着シート間における「浮き」や「剥がれ」の発生をより抑制し、外観性を向上させる点より、第nの粘着シートの粘着力(対アルミニウム板、引張速度300mm/分、剥離角度180°)は、第(n−1)の粘着シートの粘着力(対PETフィルム、引張速度300mm/分、剥離角度180°)より大きいことが好ましい。中でも、粘着力差[(第nの粘着シートにおけるアルミニウム(アルミニウム板)に対する粘着力)−(第(n−1)の粘着シートにおけるポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフォルム)に対する粘着力)]は、0.1gf/25mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.5gf/25mm以上である。
本発明の表面保護用シートは、特に限定されないが、公知乃至慣用の方法で得ることができる。例えば、基材層及び粘着剤層を有する粘着シートを作製して、この粘着シートを基材層と粘着剤層とが接する形態でn層積層させることにより得ることができる。
本発明の表面保護用シートは、基材層及び粘着剤層を有する粘着シートをn層積層させた構造を有するので、被着体に貼付することにより、その表面を保護することができる。まず第1の粘着シートで保護でき、次に第1の粘着シートを剥がすことにより第2の粘着シートが露出するので、第2の粘着シートにより保護することができる。このように、積層させた粘着シートを1層剥がすことにより、次の層の粘着シートが露出するので、連続的に、粘着シートにより保護することができる。例えば、第1の粘着シートで保護することにより第1の粘着シートに傷や汚れ等が生じた場合、第1の粘着シートを剥離して除くことにより、傷や汚れがなく、きれいな第2の粘着シートが露出して、このきれいな第2の粘着シートにより引き続き保護することができる。
本発明の表面保護用シートは、粘着シート間の密着性及び易剥離性に優れ、粘着シート剥離時に生じる粘着シート間の「浮き」や「剥がれ」の抑止性に優れる。このため、本発明の表面保護用シートは、粘着シートのピックアップ性に優れる。従って、本発明の表面保護用シートは、被着体が薄くて、脆弱であっても、その表面を有効に保護できる。
また、本発明の表面保護用シートは、粘着シート剥離時に生じる粘着シート間の「浮き」や「剥がれ」の抑止性に優れるので、外観性に優れる。なお、「浮き」や「剥がれ」が生じると外観性に悪影響を及ぼす。
本発明の表面保護用シートは、広範な用途に用いられる。特に、電気又は電子機器用途(例えば、電気又は電子機機器の製造時の表面保護用途、電気又は電子機機器の使用時の表面保護用途など)に好ましく用いられる。また、光学用途(例えば、光学製品や光学部材の製造時の表面保護用途、光学製品や光学部材の使用時の表面保護用途など)に好ましく用いられる。
上記電気機器としては、特に限定されないが、例えば、冷蔵庫、洗濯機、空調屋外機などが挙げられる。また、上記電子機器としては、特に限定されないが、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの画像表示装置、ノートブック型パーソナル・コンピューターなどのモバイル機器などが挙げられる。
上記表面保護用シートのこれら被着体における、表面保護用シートの第nの粘着シートと接する領域としては、特には限定されないが、例えば、プラスチックからなる領域、金属からなる領域、ガラスからなる領域などが挙げられ、中でもガラスからなる領域であることがより好ましい。
上記光学製品とは、当該製品において光学的特性(例えば、偏光性、光屈折性、光散乱性、光反射性、光透過性、光吸収性、光回折性、旋光性、視認性など)が利用された製品をいう。上記光学製品としては、例えば、液晶表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、PDP(プラズマディスプレイパネル)、電子ペーパーなどの表示装置や、タッチパネルなどの入力装置、又はこれら表示装置と入力装置とを適宜組み合わせた装置などが挙げられる。
上記光学部材とは、上記光学的特性を有する部材をいう。上記光学部材としては、例えば、上記表示装置(画像表示装置)、上記入力装置等の機器(光学機器)を構成する部材又はこれらの機器に用いられる部材が挙げられ、例えば、偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、導光板、反射フィルム、反射防止フィルム、透明導電フィルム(ITOフィルム)、意匠フィルム、装飾フィルム、表面保護板、プリズム、レンズ、カラーフィルター、透明基板や、さらにはこれらが積層されている部材(これらを総称して「光学フィルム」と称する場合がある)などが挙げられる。なお、上記の「板」及び「フィルム」は、それぞれ板状、フィルム状、シート状等の形態を含むものとし、例えば、「偏光フィルム」は、「偏光板」、「偏光シート」を含むものとする。なお、本発明における「光学部材」には、上記の通り、表示装置や入力装置における表示部の視認性や優れた外観を保ちながら、加飾や保護の役割を担う部材(意匠フィルム、装飾フィルムや表面保護フィルム等)も含むものとする。
上記光学部材を構成する材質としては、特に限定されないが、例えば、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、金属(金属酸化物も含む)などが挙げられる。
(II)構造体
本発明の構造体は、部材の表面に、上記表面保護用シートが設けられている構成を有する。上記構造体としては、例えば、電気又は電子機器の表面に上記表面保護用シートが設けられている構造体、光学製品の表面に上記表面保護用シートが設けられている構造体、光学部材の表面に上記表面保護用シートが設けられている構造体などが挙げられる。なお、電気又は電子機器、光学製品、光学部材として具体的には、上述の「(I)表面保護用シート」で例示したものが挙げられる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、本実施例においては、特に断りのない限り、重量部は固形分換算した値を意味する。
(基材の使用例1)
基材層を構成する基材として、PETフィルム(厚み:25μm、商品名「T100−25」、三菱樹脂株式会社製)を使用した。
なお、このPETフィルムを「基材(A)」とした。
(基材の使用例2)
基材層を構成する基材として、PETフィルム(厚み:75μm、商品名「T100−75」、三菱樹脂株式会社製)を使用した。
なお、このPETフィルムを「基材(B)」とした。
(基材の使用例3)
基材層を構成する基材として、PETフィルム(厚み:38μm、商品名「T100−638」、三菱樹脂株式会社製)を使用した。
なお、このPETフィルムを「基材(C)」とした。
(基材の使用例4)
基材層を構成する基材として、PETフィルム(厚み:125μm、商品名「ルミラー#125S10」、東レ株式会社製)を使用した。
なお、このPETフィルムを「基材(D)」とした。
(粘着剤組成物の調製例1)
付加反応型シリコーン系粘着剤(商品名「X−40−3306」、信越化学工業株式会社製):100重量部及び白金系触媒(商品名「CAT−PL−50T」、信越化学工業株式会社製):0.2重量部を混合して、シリコーン系粘着剤組成物を得た。
なお、このシリコーン系粘着剤組成物を「粘着剤組成物(A)」とした。
(粘着剤組成物の調製例2)
モノマー成分として、アクリル酸ブチル:90重量部、アクリル酸:10重量部、並びに、重合溶媒としての酢酸エチル:150重量部をセパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間撹拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温し、重合開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部を投入し、10時間反応させて、メチルエチルケトンを加え、固形分濃度25重量%のアクリル系ポリマー溶液を得た。上記アクリル系ポリマー中のアクリル系ポリマーの重量平均分子量は65万であった。
上記アクリル系ポリマー溶液に、架橋剤(商品名「テトラッドC」、三菱ガス化学株式会社、エポキシ系架橋剤)を上記アクリル系ポリマー100重量部に対して11重量部となるように加え、アクリル系粘着剤組成物を得た。
このアクリル系粘着剤組成物を「粘着剤組成物(B)」とした。
(粘着剤組成物の調製例3)
モノマー成分として、アクリル酸2−エチルヘキシル:100重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル:4重量部、並びに、重合溶媒としての酢酸エチル:150重量部をセパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間撹拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温し、重合開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部を投入し、10時間反応させて、メチルエチルケトンを加え、固形分濃度25重量%のアクリル系ポリマー溶液を得た。上記アクリル系ポリマー中のアクリル系ポリマーの重量平均分子量は55万であった。
上記アクリル系ポリマー溶液に、架橋剤(商品名「コロネート HX」、日本ポリウレタン工業株式会社、イソシアネート系架橋剤)を上記アクリル系ポリマー100重量部に対して4重量部となるように加え、さらに、ジオクチル錫ジラウリレート(商品名「OL−1」、東京ファインケミカル株式会社製)を上記アクリル系ポリマー100重量部に対して0.015重量部となるように加え、アクリル系粘着剤組成物を得た。
このアクリル系粘着剤組成物を「粘着剤組成物(C)」とした。
(剥離ライナーの使用例1)
剥離ライナーとして、商品名「ダイアホイル MRF−25」(三菱樹脂株式会社製、ポリエステルフィルム、厚み:25μm)を使用した。
この剥離ライナーを「剥離ライナー(A)」とした。
実施例1
上記基材(A)の一方の面に粘着剤組成物(A)を塗布して、130℃、3分間乾燥させて、厚み10μmの粘着剤層を形成した。そして、粘着剤層上に剥離ライナー(A)を設けた。このようにして、第1の粘着シートを得た。上記第1の粘着シートは、基材(A)/粘着剤層/剥離ライナー(A)の積層構造を有する。
次に、上記基材(B)の一方の面に粘着剤組成物(A)を塗布して、130℃、3分間乾燥させて、厚み75μmの粘着剤層を形成した。そして、粘着剤層上に剥離ライナー(A)を設けた。このようにして、第2の粘着シートを得た。上記第2の粘着シートは、基材(B)/粘着剤層/剥離ライナー(A)の積層構造を有する。
そして、上記第1の粘着シートの剥離ライナー(A)を剥がして露出した粘着面を、第2の粘着シートの基材(B)により提供される面に貼り合わせ、積層粘着シートを得た。この積層粘着シートは、第1の粘着シート/第2の粘着シート/剥離ライナー(A)との積層構造を有する。
実施例2
上記基材(A)の一方の面に粘着剤組成物(A)を塗布して、130℃、3分間乾燥させて、厚み10μmの粘着剤層を形成した。そして、粘着剤層上に剥離ライナー(A)を設けた。このようにして、第1の粘着シートを得た。上記第1の粘着シートは、基材(A)/粘着剤層/剥離ライナー(A)の積層構造を有する。
次に、上記基材(C)の一方の面に粘着剤組成物(C)を塗布して、130℃、2分間乾燥させて、厚み21μmの粘着剤層を形成した。そして、粘着剤層上に剥離ライナー(A)を設けた。このようにして、第2の粘着シートを得た。上記第2の粘着シートは、基材(C)/粘着剤層/剥離ライナー(A)の積層構造を有する。
そして、上記第1の粘着シートの剥離ライナー(A)を剥がして露出した粘着面を、第2の粘着シートの基材(C)により提供される面に貼り合わせ、積層粘着シートを得た。この積層粘着シートは、第1の粘着シート/第2の粘着シート/剥離ライナー(A)の積層構造を有する。
実施例3
上記基材(A)の一方の面に粘着剤組成物(A)を塗布して、130℃、3分間乾燥させて、厚み10μmの粘着剤層を形成した。そして、粘着剤層上に剥離ライナー(A)を設けた。このようにして、第1の粘着シートを得た。上記第1の粘着シートは、基材(A)/粘着剤層/剥離ライナー(A)の積層構造を有する。
次に、上記基材(D)の一方の面に粘着剤組成物(B)を塗布して、130℃、2分間乾燥させて、厚み20μmの粘着剤層を形成した。そして、粘着剤層上に剥離ライナー(A)を設けた。このようにして、第2の粘着シートを得た。上記第2の粘着シートは、基材(D)/粘着剤層/剥離ライナー(A)の積層構造を有する。
そして、上記第1の粘着シートの剥離ライナー(A)を剥がして露出した粘着面を、第2の粘着シートの基材(D)により提供される面に貼り合わせ、積層粘着シートを得た。この積層粘着シートは、第1の粘着シート/第2の粘着シート/剥離ライナー(A)の積層構造を有する。
比較例1
上記基材(C)の一方の面に粘着剤組成物(C)を塗布して、130℃、2分間乾燥させて、厚み21μmの粘着剤層を形成した。そして、粘着剤層上に剥離ライナー(A)を設けた。このようにして、第1の粘着シートを得た。上記第1の粘着シートは、基材(C)/粘着剤層/剥離ライナー(A)の積層構造を有する。
次に、上記基材(C)の一方の面に粘着剤組成物(C)を塗布して、130℃、2分間乾燥させて、厚み21μmの粘着剤層を形成した。そして、粘着剤層上に剥離ライナー(A)を設けた。このようにして、第2の粘着シートを得た。上記第2の粘着シートは、基材(C)/粘着剤層/剥離ライナー(A)の積層構造を有する。
そして、上記第1の粘着シートの剥離ライナー(A)を剥がして露出した粘着面を、第2の粘着シートの基材(C)により提供される面に貼り合わせ、積層粘着シートを得た。この積層粘着シートは、第1の粘着シート/第2の粘着シート/剥離ライナー(A)の積層構造を有する。
比較例2
上記基材(B)の一方の面に粘着剤組成物(A)を塗布して、130℃、3分間乾燥させて、厚み75μmの粘着剤層を形成した。そして、粘着剤層上に剥離ライナー(A)を設けた。このようにして、第1の粘着シートを得た。上記第1の粘着シートは、基材(B)/粘着剤層/剥離ライナー(A)の積層構造を有する。
次に、上記基材(A)の一方の面に粘着剤組成物(A)を塗布して、130℃、3分間乾燥させて、厚み10μmの粘着剤層を形成した。そして、粘着剤層上に剥離ライナー(A)を設けた。このようにして、第2の粘着シートを得た。上記第2の粘着シートは、基材(A)/粘着剤層/剥離ライナー(A)の積層構造を有する。
そして、上記第1の粘着シートの剥離ライナー(A)を剥がして露出した粘着面を、第2の粘着シートの基材(A)により提供される面に貼り合わせ、積層粘着シートを得た。この積層粘着シートは、第1の粘着シート/第2の粘着シート/剥離ライナー(A)の積層構造を有する。
(評価)
実施例及び比較例について、以下の測定又は評価を行った。その結果を表1に示した。
(たわみ量の測定)
粘着シートのたわみ量については、上記の[たわみ量の測定方法]に従って求めた。
(粘着力の測定)
粘着シート(第1の粘着シートや第2の粘着シート)を、幅20mm、長さ100mmのシート状に切り出し、試験片とした。
次いで、上記試験片の粘着面(測定面)を、2kgのローラーを1往復させることにより、シート状の被着体に圧着し、23℃、50%RHの雰囲気下で30分間エージングした。その後、万能引張圧縮試験機(装置名「引張圧縮試験機TG−1kN」、ミネベア株式会社製)を使用し、23℃、50%RHの雰囲気下、引張速度300mm/分、剥離角度180°の条件で、被着体から試験片を引き剥がし、粘着力(180°ピール粘着力)(gf/25mm)を測定した。
被着体としては、PETフィルム、ガラス板(商品名「マイクロスライドガラスS」、松浪硝子工業株式会社製、非錫面を使用)、及び、アルミニウム板(商品名「A1050P(艶消し)」、日本テストパネル株式会社製)を使用した。
(ピックアップ性の評価)
積層粘着シートの剥離ライナー(A)を剥がして、第2の粘着シートの粘着面を露出させ、2kgのローラーを1往復させることにより、シート状の被着体(アルミ板)に圧着し、23℃、50%RHの雰囲気下で30分間エージングした。その後、積層粘着シートにおける第1の粘着シートを、ピックアップテープ(商品名「BT−315ST」、日東電工株式会社製)により、第1の粘着シートをピックアップした。
このピックアップ時の様子を観察し、下記基準で評価した。
評価基準
良好(○):第2の粘着シートから第1の粘着シートを容易に剥離でき、且つ、被着体と第2の粘着シートとの間で「浮き」や「剥がれ」が生じない場合
不良(×):上記良好に該当しない場合(例えば、第2の粘着シートから第1の粘着シートを容易に剥離できない場合、第2の粘着シートから第1の粘着シートを剥離できない場合、第2の粘着シートから第1の粘着シートを剥がす際に、被着体と第2の粘着シートとの間で「浮き」や「剥がれ」が生じる場合等)
Figure 2014047279
実施例の積層粘着シートについて、上記ピックアップ性の評価に際し、まず、第2の粘着シートから剥離ライナー(A)を剥がした。この際、第1の粘着シートと第2の粘着シートとの間で「浮き」や「剥がれ」が生じることはなかった。また、粘着剤層の破損等を生じることなく、スムーズに剥離ライナー(A)を剥がすことができた。
上記のピックアップ性の評価より、実施例の積層粘着シートについて、第1の粘着シートを第2の粘着シートから、簡単に剥がすことができた。実施例の積層粘着シートは、外観性、デザイン性に優れる。
X 表面保護用シートX
Y 表面保護用シートY
Z 表面保護用シートZ
1 第1の粘着シート
2 第2の粘着シート
3 第3の粘着シート
n−1 第(n−1)の粘着シート
n 第nの粘着シート
11 基材層
12 粘着剤層
13 剥離ライナー
41 支持台
42 粘着シート
421 粘着シートの張り出し部分
f たわみ量(たわみ距離、垂れ距離)

Claims (8)

  1. 基材層と粘着剤層とを有する、第1〜n(nは2以上の整数)の粘着シートをその順にn層積層させた表面保護用シートであり、
    第1〜(n−1)の粘着シートの粘着剤層は、それぞれ第2〜nの粘着シートの基材層と接しており、
    前記第1〜(n−1)の粘着シートの下記で規定されるたわみ量が、該粘着シートの粘着剤層側に隣接して接する第2〜nの粘着シートの下記で規定されるたわみ量よりもそれぞれ大きいことを特徴とする表面保護用シート。
    たわみ量(mm):幅20mm、長さ10cmの粘着シートを、支持台に、張り出し部分が幅20mm、長さ8cmのシート状となるように固定してから、23℃の条件で、1分間放置し、放置後、粘着シートにおける張り出し部分の自由端部の元の位置からの垂直方向の距離を測定することにより求める。
  2. 第1〜(n−1)の粘着シートの前記たわみ量と、該粘着シートの粘着剤層側に隣接して接する第2〜nの粘着シートの前記たわみ量との差がそれぞれ1.0mm以上である請求項1記載の表面保護用シート。
  3. 第1〜(n−1)の粘着シートの厚みが、それぞれ該粘着シートの粘着剤層側に隣接して接する第2〜nの粘着シートの厚みより小さい請求項1又は2記載の表面保護用シート。
  4. 基材層と粘着剤層とを有する、第1〜n(nは2以上の整数)の粘着シートをその順にn層積層させた表面保護用シートであり、
    第1〜(n−1)の粘着シートの粘着剤層は、それぞれ第2〜nの粘着シートの基材層と接しており、
    前記第1〜nの粘着シートの基材層の素材が共通し、
    前記第1〜nの粘着シートの粘着剤層の組成が共通し、
    前記第1〜(n−1)の粘着シートの厚みが、当該粘着シートの粘着剤層側に隣接して接する第2〜nの粘着シートの厚みより小さいことを特徴とする表面保護用シート。
  5. 第1〜(n−1)の粘着シートの厚みと、該粘着シートの粘着剤層側に隣接して接する第2〜nの粘着シートの厚みとの差が、それぞれ0を超え500μm以下の範囲内である請求項1〜4の何れか1項に記載の表面保護用シート。
  6. 第nの粘着シートの粘着剤層上に剥離ライナーを有し、
    前記剥離ライナーの厚みと第(n−1)の粘着シートの厚みと第nの粘着シートの厚みとの関係が、
    (前記剥離ライナーの厚み)<(第(n−1)の粘着シートの厚み)<(第nの粘着シートの厚み)
    である請求項1〜5の何れか1項に記載の表面保護用シート。
  7. 第nの粘着シートの粘着剤層上に剥離ライナーを有し、
    前記剥離ライナーの厚みが10〜50μmである請求項1〜6の何れか1項に記載の表面保護用シート。
  8. 部材の表面に、請求項1〜7の何れか1項に記載の表面保護用シートが設けられていることを特徴とする構造体。
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