JP2014046732A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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杏一 田上
Hideto Uchida
英仁 内田
Shigemasa Hosoya
成政 細谷
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Abstract

【課題】操舵輪に生じる荷重が変化することに起因して操舵フィーリングに違和感が生じることを抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】運転席の後方に後部座席を有する車両の進行方向を変えるためのステアリングホイールの操作に対するアシスト力を付与する電動モータと、電動モータに供給する目標電流を設定する目標電流算出部20と、を備え、目標電流算出部20は、車両の後部座席に乗員が着席しているか否かに応じて目標電流を変更する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
近年、車両のステアリング系に電動モータを備え、電動モータの動力にてドライバの操舵力をアシストする電動パワーステアリング装置が提案されている。
この電動パワーステアリング装置の電動モータの駆動は、制御装置にて制御される。制御装置は、電動モータの駆動を制御するために、先ず、操舵トルクや車速などに応じて電動モータに供給する目標電流を設定する。例えば、特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置は、トルクセンサからのトルク信号と車速センサからの車速信号とを入力し、これらの値に基づいて電流指令値を設定する。
特開平2−193768号公報
電動モータに供給する目標電流は、例えば、操舵トルクおよび車速とベース電流とを対応付けて記憶したベース電流算出マップから算出されるベース電流に基づいて決定される。そして、このベース電流算出マップは、通常、操舵輪に生じる荷重による要素を含んでいないため、操舵輪に生じる荷重の変化に応じたベース電流を算出できない。また、ベース電流算出マップの代わりに演算式によりベース電流値を決定する場合でも同様に、演算式には、通常、操舵輪に生じる荷重による要素を含んでいないため、操舵輪に生じる荷重の変化に応じたベース電流を算出できない。そのため、車両に乗車している人数が変化するなどして操舵輪に生じる荷重が変化すると、操舵フィーリングに違和感が生じるおそれがある。
本発明は、操舵輪に生じる荷重が変化することに起因して操舵フィーリングに違和感が生じることを抑制することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、運転席の後方に後部座席を有する車両の進行方向を変えるためのステアリングホイールの操作に対するアシスト力を付与する電動モータと、前記電動モータに供給する目標電流を設定する目標電流設定手段と、を備え、前記目標電流設定手段は、前記車両の前記後部座席に乗員が着席しているか否かに応じて前記目標電流を変更することを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
ここで、前記目標電流設定手段は、前記後部座席に設けられ、当該後部座席に乗員が着席しているか否かを検出する検出手段が乗員の着席を検出したら、乗員の着席を検出しない場合よりも前記目標電流を大きく設定するとよい。
また、前記目標電流設定手段は、前記運転席、助手席、前記後部座席それぞれに設けられて乗員が着席しているか否かを検出する複数の検出手段による乗員の着席の検出を基に操舵輪に生じる荷重を算出する算出手段を有し、当該算出手段が算出した荷重に基づいて前記目標電流を設定するとよい。
また、前記目標電流設定手段の前記算出手段は、前記複数の検出手段が前記運転席および前記後部座席に乗員が着席していることを検出した場合には、両乗員の体重が同じであるとしても、当該後部座席に乗員が着席していることに起因して前記操舵輪に生じる荷重は、当該運転席に乗員が着席していることに起因して当該操舵輪に生じる荷重よりも小さいとして当該操舵輪に生じる荷重を推定するとよい。
また、前記目標電流設定手段は、前記操舵輪に生じる荷重が異なる場合には前記目標電流が異なるように作成された制御マップを有し、前記算出手段が算出した当該操舵輪に生じる荷重と当該制御マップとに基づいて当該目標電流を設定するとよい。
本発明によれば、操舵輪に生じる荷重が変化することに起因して操舵フィーリングに違和感が生じることを抑制することができる。
実施の形態に係る電動パワーステアリング装置とステアリング装置が適用される自動車の概略構成を示す図である。 主にステアリング装置の制御装置の概略構成を示す図である。 モータ制御部の概略構成を示す図である。 操舵トルクTおよび車速Vcとベース電流IBとの対応を示すベース電流算出マップの一例を示す図である。 ある車速Vcにおける操舵トルクTおよび前輪に生じる荷重とベース電流IBとの対応を示すベース電流算出マップの一例を示す図である。 ベース電流算出部が行うベース電流算出処理の手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100とステアリング装置100が適用される自動車1の概略構成を示す図である。図2は、主にステアリング装置100の制御装置10の概略構成を示す図である。
先ずは、電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)について説明する。
ステアリング装置100は、乗り物の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、ドライバが操作する車輪(ホイール)状のステアリングホイール(ハンドル)101と、ステアリングホイール101に一体的に設けられたステアリングシャフト102とを備えている。また、ステアリング装置100は、ステアリングシャフト102と自在継手103aを介して連結された上部連結シャフト103と、この上部連結シャフト103と自在継手103bを介して連結された下部連結シャフト108とを備えている。下部連結シャフト108は、ステアリングホイール101の回転に連動して回転する。
また、ステアリング装置100は、転動輪としての左右の前輪150のそれぞれに連結されたタイロッド104と、タイロッド104に連結されたラック軸105とを備えている。また、ステアリング装置100は、ラック軸105に形成されたラック歯105aとともにラック・ピニオン機構を構成するピニオン106aを備えている。ピニオン106aは、ピニオンシャフト106の下端部に形成されている。
また、ステアリング装置100は、ピニオンシャフト106を収納するステアリングギアボックス107を有している。ピニオンシャフト106は、ステアリングギアボックス107にてトーションバーを介して下部連結シャフト108と連結されている。ステアリングギアボックス107の内部には、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対角度に基づいて、言い換えればトーションバーの捩れ量に基づいてステアリングホイール101の操舵トルクTを検出するトルクセンサ109が設けられている。
また、ステアリング装置100は、ステアリングギアボックス107に支持された電動モータ110と、電動モータ110の駆動力を減速してピニオンシャフト106に伝達する減速機構111とを有している。本実施の形態に係る電動モータ110は、3相ブラシレスモータである。
そして、ステアリング装置100は、電動モータ110の作動を制御する制御装置10を備えている。制御装置10は、電動モータ110の制御を行う際の演算処理を行うCPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMと、EEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory)と、を備えている。制御装置10には、上述したトルクセンサ109にて検出された操舵トルクTが出力信号に変換されたトルク信号Tdと、車速センサ170にて検出された、自動車1の移動速度である車速Vcが出力信号に変換された車速信号vなどが入力される。
以上のように構成されたステアリング装置100は、ステアリングホイール101に加えられた操舵トルクTをトルクセンサ109にて検出し、その検出トルクに応じて制御装置10が電動モータ110を駆動制御し、電動モータ110の発生トルクをピニオンシャフト106に伝達する。これにより、電動モータ110の発生トルクが、ステアリングホイール101に加える運転者の操舵力をアシストする。
次に、自動車1について説明する。
自動車1は、ステアリング装置100の他に、周知の、イグニッション(IG)スイッチ11と、発電機12と、バッテリー13と、を備えている。
また、自動車1は、人が座ることが可能な座席14を有する。本実施の形態に係る自動車1は7人乗りの自動車であり、座席14は、1列目に設けられた運転席15および助手席16と、運転席15の後方に設けられて2列目および3列目の後部座席17と、から構成される。後部座席17は、2列目の座席であって、運転席15の後方に設けられた2列目運転席側座席171、助手席16の後方に設けられた2列目助手席側座席172、および2列目運転席側座席171と2列目助手席側座席172との間に設けられた2列目中央座席173と、3列目の座席であって、運転席15の後方に設けられた3列目運転席側座席174および助手席16の後方に設けられた3列目助手席側座席175と、から構成される。
また、自動車1は、座席14に人が座っているか否かを座席14に加えられた圧力により検知する座席圧センサ18を備えている。座席圧センサ18は、各座席に設けられており、運転席15用の運転席圧センサ181と、助手席16用の助手席圧センサ182と、2列目運転席側座席171用の2列目運転席側座席圧センサ183と、2列目助手席側座席172用の2列目助手席側座席圧センサ184と、2列目中央座席173用の2列目中央座席圧センサ185と、3列目運転席側座席174用の3列目運転席側座席圧センサ186と、3列目助手席側座席175用の3列目助手席側座席圧センサ187と、から構成される。座席圧センサ18は、圧力が加わっているときにはHighレベルの信号を出力し、圧力が加わっていないときにはLowレベルの信号を出力する。
次に、ステアリング装置100の制御装置10について詳細に説明する。
ステアリング装置100の制御装置10は、電動モータ110の駆動を制御するモータ制御部40を有している。このモータ制御部40は、主に上述したCPU、ROM、RAM、EEPROMから構成される。
また、制御装置10は、モータ制御部40からの制御信号に基づいて電動モータ110を駆動させるモータ駆動部50と、電動モータ110に実際に流れる実電流Imを検出するモータ電流検出部60と、を有している。
制御装置10には、自動車1に搭載される各種の機器を制御するための信号を流す通信を行うネットワーク(CAN)を介して、座席圧センサ18からの出力信号が入力される。
次に、制御装置10を構成する部位について詳細に説明する。
先ずは、モータ制御部40について説明する。
図3は、モータ制御部40の概略構成を示す図である。
モータ制御部40は、トルク信号Tdに基づいて目標補助トルクを算出し、この目標補助トルクを電動モータ110が供給するのに必要となる目標電流を算出する目標電流算出部20と、目標電流算出部20が算出した目標電流に基づいて電動モータ110の駆動を制御するモータ駆動制御部30と、を有している。
目標電流算出部20は、目標電流を設定する上で基準となるベース電流を算出するベース電流算出部21と、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すための電流を算出するイナーシャ補償電流算出部22と、モータの回転を制限する電流を算出するダンパー補償電流算出部23とを備えている。また、目標電流算出部20は、ベース電流算出部21、イナーシャ補償電流算出部22、ダンパー補償電流算出部23などからの出力に基づいて目標電流を決定する目標電流決定部25を備えている。さらに、目標電流算出部20は、トルク信号Tdの位相補償を行う位相補償部26を備えている。
なお、目標電流算出部20には、トルク信号Tdと、車速信号vと、座席圧センサ18から出力されるHighまたはLowレベルの信号と、電動モータ110の回転速度Nmが出力信号に変換された回転速度信号Nmsが入力される。回転速度信号Nmsは、例えば3相ブラシレスモータである電動モータ110に設けられ、この電動モータ110の回転子(ロータ)の回転角度を検出するセンサ(例えば、回転子の回転位置を検出するレゾルバ、ロータリエンコーダ等で構成されるロータ位置検出回路)の出力信号が微分されることにより得られるものであることを例示することができる。
ベース電流算出部21は、位相補償部26にてトルク信号Tdが位相補償されたトルク信号Tsと、車速センサからの車速信号vと、座席圧センサ18から出力される信号とに基づいてベース電流IBを算出し、このベース電流IBの情報を含むベース電流信号Imbを出力する。このベース電流算出部21については後で詳述する。
イナーシャ補償電流算出部22は、トルク信号Tdと車速信号vとに基づいて電動モータ110およびシステムの慣性モーメントを打ち消すためのイナーシャ補償電流を算出し、この電流の情報を含むイナーシャ補償電流信号Isを出力する。なお、イナーシャ補償電流算出部22は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、トルク信号Tdおよび車速信号vとイナーシャ補償電流との対応を示すマップに、検出されたトルク信号Tdおよび車速信号vを代入することによりイナーシャ補償電流を算出する。
ダンパー補償電流算出部23は、トルク信号Tdと、車速信号vと、電動モータ110の回転速度信号Nmsとに基づいて、電動モータ110の回転を制限するダンパー補償電流を算出し、この電流の情報を含むダンパー補償電流信号Idを出力する。なお、ダンパー補償電流算出部23は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、トルク信号Td、車速信号vおよび回転速度信号Nmsと、ダンパー補償電流との対応を示すマップに、検出されたトルク信号Tdと車速信号vと回転速度信号Nmsとを代入することによりダンパー補償電流を算出する。
目標電流決定部25は、ベース電流算出部21から出力されたベース電流信号Imb、イナーシャ補償電流算出部22から出力されたイナーシャ補償電流信号Isおよびダンパー補償電流算出部23から出力されたダンパー補償電流信号Idに基づいて目標電流を決定し、この電流の情報を含む目標電流信号ITを出力する。目標電流決定部25は、例えば、ベース電流IBに、イナーシャ補償電流を加算するとともにダンパー補償電流を減算して得た補償電流を、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、補償電流と目標電流との対応を示すマップに代入することにより目標電流を算出する。
モータ駆動制御部30は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流と、モータ電流検出部60にて検出された電動モータ110へ供給される実電流Imとの偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部31と、電動モータ110をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部35とを有している。
フィードバック制御部31は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流とモータ電流検出部60にて検出された実電流Imとの偏差を求める偏差演算部32と、その偏差がゼロとなるようにフィードバック処理を行うフィードバック(F/B)処理部33とを有している。
偏差演算部32は、目標電流算出部20からの出力値である目標電流信号ITとモータ電流検出部60からの出力値であるモータ電流信号Imsとの偏差の値を偏差信号32aとして出力する。モータ電流信号Imsは、モータ電流検出部60にて検出された実電流Imが出力信号に変換された信号である。
フィードバック(F/B)処理部33は、目標電流と実電流Imとが一致するようにフィードバック制御を行うものであり、例えば、入力された偏差信号32aに対して、比例要素で比例処理した信号を出力し、積分要素で積分処理した信号を出力し、加算演算部でこれらの信号を加算してフィードバック処理信号33aを生成・出力する。
PWM信号生成部35は、フィードバック制御部31からの出力値に基づいてPWM信号を生成し、生成したPWM信号をモータ駆動部50に向けて出力する。
次に、モータ駆動部50について説明する。
モータ駆動部50は、所謂インバータであり、スイッチング素子として6個の独立したトランジスタ(FET)を備え、6個の内の3個のトランジスタは電源の正極側ラインと各相の電気コイルとの間に接続され、他の3個のトランジスタは各相の電気コイルと電源の負極側(アース)ラインと接続されている。そして、6個の中から選択した2個のトランジスタのゲートを駆動してこれらのトランジスタをスイッチング動作させることにより、電動モータ110の駆動を制御する。
次に、モータ電流検出部60について説明する。
モータ電流検出部60は、モータ駆動部50に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ110に流れる実電流Imの値を検出して、検出した実電流Imをモータ電流信号Imsに変換して出力する。
次に、制御装置10が備えるその他の部品について説明する。
制御装置10は、図2に示すように、電動モータ110に流れる電流のリップル成分を吸収するための大容量のコンデンサ71と、電流を通電したり遮断したりする各種のリレー72と、を備えている。このリレー72としては、モータ駆動部50への電流を通電・遮断するパワーリレー721と、3つの経路が並列に配置されたモータ端子の内の2つの経路に各々直列に接続されて、モータ駆動部50から電動モータ110に供給される電流を通電・遮断するモータリレー722とが設けられている。
その他、制御装置10は、安定した電流制御を行うために、図2に示すように、ダイオードD1、D2、D3、D4、抵抗R1、R2およびスイッチング素子S1、S2を有している。
次に、目標電流算出部20のベース電流算出部21について詳細に説明する。
ベース電流算出部21は、操舵トルクTおよび車速Vcに応じたベース電流IBを算出する。ベース電流算出部21は、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、操舵トルクTおよび車速Vcなどとベース電流IBとの対応を示すベース電流算出マップと、検出した操舵トルクTおよび車速Vcとに基づいてベース電流IBを算出する。
図4は、操舵トルクTおよび車速Vcとベース電流IBとの対応を示すベース電流算出マップの一例を示す図である。
図4に示すように、ベース電流IBを算出するのに用いるベース電流算出マップは、車速Vcが同じである場合には、操舵トルクTが大きいほどベース電流IBが大きくなるように作成されている。また、ベース電流算出マップは、操舵トルクTが同じである場合には、車速Vcが低いほどベース電流IBが大きくなるように作成されている。これは、車速Vcが低いほど、転動輪である前輪150と路面との間の摩擦抵抗が大きくなり、前輪150の転舵に必要な力が大きくなるからである。
図5は、ある車速Vcにおける操舵トルクTおよび前輪150に生じる荷重(以下、「操舵輪荷重」と称する場合もある。)とベース電流IBとの対応を示すベース電流算出マップの一例を示す図である。
図5に示すように、ベース電流IBを算出するのに用いるベース電流算出マップは、車速Vcが同じである場合には、前輪150に生じる荷重(操舵輪荷重)が大きいほどベース電流IBが大きくなるように作成されている。これは、転動輪である前輪150に生じる荷重が大きいほど、前輪150と路面との間の摩擦抵抗が大きくなり、前輪150の転舵に必要な力が大きくなるからである。
そして、ベース電流算出部21は、前輪150に生じる荷重(操舵輪荷重)を以下のように推定する。
ベース電流算出部21は、座席圧センサ18から取得した信号を基に、自動車1に乗車している人数および乗車位置を把握する。例えば、(1)運転席圧センサ181、助手席圧センサ182、2列目運転席側座席圧センサ183および2列目助手席側座席圧センサ184からの信号がHighレベルで、他の座席圧センサ18からの信号がLowレベルである場合には、1列目の座席には運転席15および助手席16に合計2人が座り、2列目の座席には2列目運転席側座席171および2列目助手席側座席172に合計2人が座っていることを把握する。また、例えば、(2)運転席圧センサ181、助手席圧センサ182、2列目運転席側座席圧センサ183、2列目助手席側座席圧センサ184、3列目運転席側座席圧センサ186および3列目助手席側座席圧センサ187からの信号がHighレベルで、2列目中央座席圧センサ185からの信号がLowレベルである場合には、1列目の座席には運転席15および助手席16に合計2人が座り、2列目の座席には2列目運転席側座席171および2列目助手席側座席172に合計2人が座り、3列目の座席には3列目運転席側座席174および3列目助手席側座席175に合計2人が座っていることを把握する。
そして、ベース電流算出部21は、以下の式(3)に基づいて操舵輪荷重を推定する。
操舵輪荷重=自動車1の荷重+1列目の荷重×1列目の人数+2列目の荷重×2列目の人数+3列目の荷重×3列目の人数・・・(3)
ここで、自動車1の荷重=車両重量、1列目の荷重=55、2列目の荷重=55×60%、3列目の荷重=55×20%とする。「55」は、乗車する人の平均的な体重を想定して仮定した値である。また、2列目の荷重および3列目の荷重は、それぞれの荷重が全て前輪150に生じるのではなく、それぞれ60%、20%の荷重が前輪150に生じると仮定して操舵輪荷重の算出式が定められている。なお、60%、20%という値は自動車1の車種に応じて任意に設定してもよい。このように、ベース電流算出部21は、運転席15および後部座席17に着席している乗員の体重が同じであるとしても、後部座席17に乗員が着席していることに起因して操舵輪(前輪150)に生じる荷重(操舵輪荷重)は、運転席15に乗員が着席していることに起因して操舵輪(前輪150)に生じる荷重(操舵輪荷重)よりも小さいとして操舵輪荷重を推定する。
また、自動車1の荷重は、自動車1の車両重量のα%(例えば60%)が前輪150に生じると仮定して車両重量×α%としてもよい。
ベース電流算出部21は、例えば、上記(1)の場合は、式(3)により、操舵輪荷重=自動車1の荷重+55×2+55×60%×2と推定する。また、上記(2)の場合は、式(3)により、操舵輪荷重=自動車1の荷重+55×2+55×60%×2+55×20%×2と推定する。
そして、ベース電流算出部21は、操舵輪荷重と、車速Vcと、操舵トルクTと、ベース電流IBとの対応を示すベース電流算出マップと、式(3)により算出した操舵輪荷重と、車速Vcと、操舵トルクTとに基づいてベース電流IBを算出する。
次に、フローチャートを用いて、ベース電流算出部21が行うベース電流算出処理の手順について説明する。
図6は、ベース電流算出部21が行うベース電流算出処理の手順を示すフローチャートである。ベース電流算出部21は、このベース電流算出処理を予め定めた期間毎に繰り返し実行する。
先ず、ベース電流算出部21は、座席圧センサ18から取得した信号に基づいて自動車1に乗車している人数および乗車位置を把握する(ステップ(以下、単に、「S」と記す。)601)。その後、S601にて把握した人数および乗車位置および式(3)に基づいて操舵輪荷重を算出する(S602)。
また、ベース電流算出部21は、車速センサ170から取得した信号に基づいて車速Vcを把握するとともに、位相補償部26から取得した信号に基づいて操舵トルクTを把握する(S603)。
そして、ベース電流算出部21は、S602にて算出した操舵輪荷重、S603にて把握した車速Vcおよび操舵トルクT、予め作成しROMに記憶しておいたベース電流算出マップに基づいてベース電流IBを算出する(S604)。そして、算出したベース電流IBを目標電流決定部25に出力する。
このようにして、ベース電流算出部21は、定期的にベース電流IBを算出し、目標電流決定部25に出力する(S605)。
以上のように構成されたステアリング装置100においては、制御装置10の目標電流算出部20のベース電流算出部21が、自動車1に乗車している人数および乗車位置に基づいて転動輪である前輪150に生じる荷重(操舵輪荷重)を推定し、この操舵輪荷重に応じたベース電流IBを算出する。そのため、自動車1の乗員の増加などにより前輪150に生じる荷重が増加した場合でも、操舵フィーリングに違和感が生じることを抑制することができる。
すなわち、自動車1に乗車している人数が異なると前輪150に生じる荷重が異なる。それゆえ、前輪150に生じる荷重の変動に関わらず電動モータ110に供給する電流値を変更しないと、例えば、前輪150に生じる荷重が大きくなるほど前輪150と路面との間の摩擦抵抗が大きくなるため、前輪150に生じる荷重が小さい場合に比べてステアリングホイール101の操作量を大きくしなければならない。つまり、前輪150に生じる荷重に応じてステアリングホイール101を操作する力を変更しなければならず、操舵フィーリングに違和感が生じてしまう。例えば、運転席15に運転者が着席しているのみの場合と、運転席15に運転者が着席しているのに加えて運転席15の後方の後部座席17に乗員が着席している場合とでは前輪150に生じる荷重が異なることから、後部座席17に乗員が着席している場合に、運転者が、運転席15に運転者が着席しているのみの場合の操舵トルクTに比べて操舵トルクTを大きくする必要がある。そのため、操舵フィーリングに違和感が生じてしまう。
本実施の形態に係るステアリング装置100の制御装置10は、前輪150に生じる荷重の変動に応じて電動モータ110に供給する電流値を変更するので、前輪150に生じる荷重に関わらずステアリングホイール101の操作量を略一定にすることができる。それゆえ、本実施の形態に係るステアリング装置100によれば、前輪150に生じる荷重の変動に起因して操舵フィーリングに違和感が生じることを抑制することができる。
なお、ベース電流算出部21が前輪150に生じる荷重(操舵輪荷重)を推定する手法は上述した態様に限定されない。
例えば、車内の内部を撮影可能なカメラ(画像センサ)を備え、このカメラからの情報を基に乗員人数および乗車位置を把握し、式(3)を用いて算出してもよい。その際、カメラからの情報を基に各乗員の体格を把握し、式(3)の各列目の荷重を算出してもよい。例えば、各列目の荷重を算出する際に用いる「55」を、カメラからの情報を基に把握した各乗員の体重に代えてもよい。
また、前輪150に生じる荷重(操舵輪荷重)を、前輪150のサスペンションに設けた荷重センサにて検出してもよい。
1…自動車、10…制御装置、18…座席圧センサ、20…目標電流算出部、21…ベース電流算出部、30…モータ駆動制御部、40…モータ制御部、50…モータ駆動部、60…モータ電流検出部、100…電動パワーステアリング装置、101…ステアリングホイール(ハンドル)、110…電動モータ

Claims (5)

  1. 運転席の後方に後部座席を有する車両の進行方向を変えるためのステアリングホイールの操作に対するアシスト力を付与する電動モータと、
    前記電動モータに供給する目標電流を設定する目標電流設定手段と、
    を備え、
    前記目標電流設定手段は、前記車両の前記後部座席に乗員が着席しているか否かに応じて前記目標電流を変更することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記目標電流設定手段は、前記後部座席に設けられ、当該後部座席に乗員が着席しているか否かを検出する検出手段が乗員の着席を検出したら、乗員の着席を検出しない場合よりも前記目標電流を大きく設定することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記目標電流設定手段は、前記運転席、助手席、前記後部座席それぞれに設けられて乗員が着席しているか否かを検出する複数の検出手段による乗員の着席の検出を基に操舵輪に生じる荷重を算出する算出手段を有し、当該算出手段が算出した荷重に基づいて前記目標電流を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記目標電流設定手段の前記算出手段は、前記複数の検出手段が前記運転席および前記後部座席に乗員が着席していることを検出した場合には、両乗員の体重が同じであるとしても、当該後部座席に乗員が着席していることに起因して前記操舵輪に生じる荷重は、当該運転席に乗員が着席していることに起因して当該操舵輪に生じる荷重よりも小さいとして当該操舵輪に生じる荷重を推定することを特徴とする請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記目標電流設定手段は、前記操舵輪に生じる荷重が異なる場合には前記目標電流が異なるように作成された制御マップを有し、前記算出手段が算出した当該操舵輪に生じる荷重と当該制御マップとに基づいて当該目標電流を設定することを特徴とする請求項3または4に記載の電動パワーステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019031126A (ja) * 2017-08-04 2019-02-28 株式会社ジェイテクト 操舵制御装置

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