JP2014044178A - 車両用表示システム及び表示方法 - Google Patents

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隆哉 犬飼
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Abstract

【課題】航続可能な距離を表示するにあたり、運転者に与える不安を軽減することが可能な車両用表示システム及び表示方法を提供する。
【解決手段】車両用表示システム1は、設定されたルートにおける目的地までの距離と、当該ルートを走行した際のSOC変化とを相関させて表示するものであって、目的地までの予想SOC変化を、異なる条件における予想エネルギー消費量に応じて複数演算する消費電力予測演算部24及びバッテリ残存容量予測演算部25と、実際のエネルギー消費に基づいて実SOC変化を演算するバッテリ残存容量演算部21と、バッテリ残存容量演算部21により演算された実SOC変化を表示すると共に、消費電力予測演算部24及びバッテリ残存容量予測演算部25により演算された複数の予想SOC変化のうち、少なくとも1つの予想SOC変化を選択して表示するディスプレイ17とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用表示システム及び表示方法に関する。
従来、電気自動車等のバッテリの残存容量から航続可能な距離を推定する走行可能距離推定システムが提案されている。この走行可能距離推定システムにおいて表示装置は、例えばバッテリ残存容量の90%未満の電力消費にて目的地に到達できる場合、目的地までのルートを黒色で表示し、バッテリ残存容量の90%以上の電力消費にて目的地に到達できる場合、ルート上において90%未満の電力消費にて到達できる部位を黒色で表示し、以降のルートを黄色で表示する。さらに、走行可能距離推定システムは、ルート上において到達不可の箇所に関しては、赤色でルートを表示する(特許文献1参照)。
特開2006−115623号公報
しかし、車両の航続距離は電力の消費状態によって大きく変化するものであり、従来装置では本当に黒や黄にて表示されるルートまで走行することができるのか、運転者に不安を与えるものであった。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、航続可能な距離を表示するにあたり、運転者に与える不安を軽減することが可能な車両用表示システム及び表示方法を提供することにある。
本発明の車両用表示システム及び表示方法は、異なる条件における予想エネルギー消費量に応じて目的地までの予想SOC変化を複数演算すると共に、実際のエネルギー消費に基づいて実SOC変化を演算し、実SOC変化と、複数の予想SOC変化のうち、少なくとも1つの予想SOC変化とを選択して表示する。
本発明によれば、複数の予想SOC変化のうち少なくとも1つの予想SOC変化を選択して表示するため、例えば消費エネルギーが大きかった場合における予想SOC変化についても表示することができ、運転者に対して消費エネルギーが大きかった場合に目的地まで到達可能であるかなどの情報を提供できることとなり、航続可能な距離を表示するにあたり、運転者に与える不安を軽減することができる。
本実施形態に係る車両用表示システムを示す概略構成図である。 図1に示した車両用表示システムの詳細を示す構成図である。 本実施形態に係る車両用表示システムによる表示方法を示す第1のフローチャートである。 本実施形態に係る車両用表示システムによる表示方法を示す第2のフローチャートである。 本実施形態に係る車両用表示システムの表示例を示す図である。 本実施形態に係る車両用表示システムの第2表示例を示す図である。 本実施形態に係る車両用表示システムの第3表示例を示す図である。 本実施形態に係る車両用表示システムの第4表示例を示す図である。 本実施形態に係る車両用表示システムの第5表示例を示す図である。 本実施形態に係る車両用表示システムの第6表示例を示す図であり、(a)は走行前の表示例を示し、(b)は走行中の表示例を示している。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る車両用表示システムを示す概略構成図である。図1に示すように、車両用表示システム1は、図1に示すように例えば電気自動車に搭載されるナビゲーション装置10と、車両コントローラ20と、バッテリ装置30と、各種センサ40と、各種電装品50と、電気自動車外の情報提供装置2とから構成されている。また、これらの各部2,10〜50はCAN(Controller Area Network)その他の車載LAN(Local Area Network)、その他
の通信ラインによって接続され、情報の授受を行うことができる。
ナビゲーション装置10は、設定されたルートに従って、自車両である電気自動車を目的地まで経路案内するものである。このナビゲーション装置10は、現在位置検知装置11と、制御装置12と、入力装置(入力手段)13と、通信装置14と、地図情報記憶部15と、経路探索装置16と、ディスプレイ17(表示手段)とを備えている。
現在位置検知装置11は、GPS受信機などにより構成され、自車両の現在位置情報を検知するものである。制御装置12は、ナビゲーション装置10の全体を制御するものであり、特に本実施形態では、バッテリ残容量(SOC(State of Charge))の変化を表
示させる処理などを実行する。
入力装置13は、目的地設定や表示の切り替えなど、ユーザの操作を受付可能なインターフェースである。通信装置14は、情報提供装置2と通信網を介してITSやVICS(登録商標)情報などの通信を可能とするものである。地図情報記憶部15は、高度に関する情報を含む地図情報を記憶したものであって、HDD(Hard Disk Drive)やDVD
(Digital Versatile Disc)などの記憶媒体により構成されている。経路探索装置16は、地図情報記憶部15により記憶される地図情報や通信装置14などからの区間車速情報などを基に経路探索を演算するものである。ディスプレイ17は、地図情報、経路探索結果、目的地までの距離、及び目的地までのルートにおけるSOC変化などを表示させるものである。
車両コントローラ20は、バッテリ装置30から送信される電圧などの情報、各種センサ40や各種電装品50から送信される各種情報から演算される車速情報や電装品消費電力情報を受信可能なものである。また、車両コントローラ20は、上記の情報を基に演算される現在の消費電力量、及び予想SOC変化などの情報を演算及び蓄積可能なものである。
図2は、図1に示した車両用表示システム1の詳細を示す構成図である。なお、図2では、図1に示したナビゲーション装置10及び車両コントローラ20の詳細を示すと共に、図1に示した通信装置14の図示を省略するものとする。
図2に示すように、車両コントローラ20は、バッテリ残存容量演算部(実SOC変化演算手段)21と、電装品消費電力演算部22と、車両情報蓄積部23と、消費電力予測演算部(予想SOC変化演算手段)24と、バッテリ残存容量予測演算部(予想SOC変化演算手段)25とを備えている。
バッテリ残存容量演算部21は、バッテリ装置30から得られる電圧などからSOCを演算するものである。バッテリ残存容量演算部21は、演算したSOCを制御装置12に送信し、制御装置12は、バッテリ残存容量演算部21により演算されたSOC、すなわち実SOCをディスプレイ17に表示させる。なお、制御装置12は、バッテリ装置30が演算するSOCを直接入力して、ディスプレイ17に表示させるようになっていてもよい。この場合、バッテリ装置30が実SOC変化演算手段として機能することとなる。
電装品消費電力演算部22は、空調システムなどの各種電装品による消費電力を演算するものである。車両情報蓄積部23は、電装品消費電力演算部22により演算された電装品消費電力量、及び、各種センサ40からの情報を蓄積するものである。この車両情報蓄積部23は、車速、加減速、及び外気温情報のみならず、車両重量、空気抵抗係数、タイヤ転がり抵抗係数、及びモータ・減速機効率などの情報も蓄積されている。
消費電力予測演算部24及びバッテリ残存容量予測演算部25は、目的地までの予想SOC変化を、異なる条件における予想エネルギー消費量に応じて複数演算するものである。具体的に消費電力予測演算部24は、車両情報蓄積部23に蓄積される情報と、地図情報記憶部15に記憶される高度情報と、情報提供装置2から得られる区間車速情報から、各リンクの消費電力量を予測演算し、バッテリ残存容量予測演算部25は、現在のSOCから、予測演算された各リンクの消費電力量を減算していくことで、予測されたバッテリ残存容量の変化、すなわち予想SOC変化を演算するものである。
より詳細に説明すると、消費電力予測演算部24は、勾配エネルギーEh、転がり抵抗損失エネルギーEr、空気抵抗エネルギーEa、及び、加速抵抗エネルギーEαを演算し、これらから、各リンクの消費電力量を演算する。
まず、消費電力予測演算部24は、以下の式(1)から勾配エネルギーEhを算出する。
Eh[J]=Mgh (1)
なお、式(1)においてMは車両重量[kg]であり、gは重力加速度「m/s」であ
り、hは標高差[m]である。
また、消費電力予測演算部24は、以下の式(2)から転がり抵抗損失エネルギーErを算出する。
Er[J]=μMg×d (2)
なお、μは転がり抵抗係数であり、dは、リンク区間の距離[m]である。
さらに、消費電力予測演算部24は、以下の式(3)から転がり空気抵抗エネルギーEaを算出する。
Ea[J]=1/2×ρ×Cd×A×(Vsp/3.6)2×d (3)
なお、ρは空気密度[kg/m]であり、Cdは空気抵抗係数であり、Aは前面投影面
積「M2」であり、Vspは車速[km/h]である。
加えて、消費電力予測演算部24は、以下の式(4)から転がり空気抵抗エネルギーEaを算出する。
Eα[J]=Mα×d (4)
なお、αは加速度[m/s]である。
以上の式(1)〜(4)により各エネルギーを算出した後、消費電力予測演算部24は、走行エネルギー量Pdwp算出する。ここで、(Eh+Er+Ea+Eα)>0の場合
、走行エネルギーPdは、
Pd[kWh]=(Eh+Er+Ea+Eα)/ηm/ηg/3.6 (5)
なお、ηmはモータ効率[%]であり、ηgはギア効率[%]である。
一方、(Eh+Er+Ea+Eα)<0の場合、走行エネルギーPdは、
Pd[kWh]=(Eh+Er+Ea+Eα)×ηm×ηg/3.6 (6)である。
以上により走行エネルギーPdを算出した消費電力予測演算部24は、さらに電装品消費エネルギーEauxを算出する。
Eaux[J]=Waux×d/(Vsp/3.6)(7)
なお、Wauxは補機消費電力[W]である。
その後、消費電力予測演算部24は、以下の式(8)から各リンクの消費電力Pr_allを予測する。
Pr_all[kWh]=Pd+Eaux/3.6 (8)
なお、図2に示す例において式(4)の加速度αは車両情報蓄積部23に蓄積された情報を用いているが、これに限らず、各種センサ40からの情報を直接得るようにしてもよい。加えて、補機消費電力Wauxについても車両情報蓄積部23に蓄積された過去の情報を用いてもよいし、外気温情報から予測するようにしてもよい。
以上のようにして、消費電力予測演算部24は、各リンクの消費電力Pr_allを予測した後、バッテリ残存容量予測演算部25は、式(9)により、バッテリ残存容量を演算する。
SOCn=SOCc−Σ(n−1)Pr_all (9)
なお、SOCnはリンクnにおけるバッテリSOCであり、SOCcは走行開始時点のバッテリSOCである。
その後、バッテリ残存容量予測演算部25は、演算した情報を制御装置12に送信し、制御装置12は、予測されたバッテリ残存容量の変化、すなわち予想SOC変化をディスプレイ17に表示させる。
ここで、消費電力予測演算部24は、上記各式に異なる条件を代入して、条件毎に各リンクの電力消費量を算出し、バッテリ残存容量予測演算部25は、条件毎に各リンクの電力消費量に基づいて、標準的な予想エネルギー消費量に基づいた標準予想SOC変化、最大の予想エネルギー消費量に基づいた最大予想SOC変化、及び、最小の予想エネルギー消費量に基づいた最小予想SOC変化を演算する。
そして、制御装置12は、上記の標準予想SOC変化、最大予想SOC変化、及び、最小予想SOC変化を、状況に適するようにディスプレイ17に全て表示させたり、いずれか1つを表示させたりする。
なお、制御装置12は、上記の標準予想SOC変化、最大予想SOC変化、及び、最小予想SOC変化のうち、いずれか1つを選択表示する旨の操作が入力装置13を介して行われた場合、例えばその操作を優先させて選択された1つを表示させる。
次に、本実施形態に係る車両用表示システムによる表示方法について説明する。図3及び図4は、本実施形態に係る車両用表示システムによる表示方法を示すフローチャートである。なお、図3に示す処理は車両走行前に実行され、図4に示す処理は車両走行中に実行されるものとして説明するが、特にこれに限られるものではない。
図3に示すように、まず、制御装置12は、バッテリ残存容量予測演算部25により演算された予想SOC変化を表示させる(S1)。図5は、本実施形態に係る車両用表示システム1の表示例を示す図である。制御装置12は、図5に示すようにして予想SOC変化を表示させる。具体的に制御装置12は、出発地から目的地までの距離を横軸とし、縦軸を予想SOCとしたグラフ形式で表示させる。なお、図5では標準予想SOC変化を表示させているが、ステップS1は、特に標準予想SOC変化に限らず、最大予想SOC変化、及び、最小予想SOC変化を表示させてもよいし、3つの予想SOC変化の全てを表示してもよい。
次いで、制御装置12は、目的地の到達時点における最大予想SOC変化の値(すなわち目的地の到達時の予想SOC)が所定値以上であるか否かを判断する(S2)。そして、所定値以上であると判断した場合(S2:YES)、制御装置12は、標準予想SOC変化をディスプレイ17に表示させる(S3)。このとき、制御装置12は、最大予想SOC変化、及び、最小予想SOC変化の表示を禁止させる。このため、目的地到達時点における最大予想SOC変化の値が所定値以上であり、目的地まで確実に到達できると予想される場合に、標準予想SOC変化を表示して今後のSOCの変化予想を運転者に提示できると共に、最大予想SOC変化と最小予想SOC変化の表示を禁止してシンプルな表示を実現することもできる。その後、図3に示す処理は終了する。
一方、最大予想SOC変化の値が所定値以上でないと判断した場合(S2:NO)、制御装置12は、図6に示すように、標準予想SOC変化、最大予想SOC変化、及び、最小予想SOC変化の全てをディスプレイ17に表示させる(S4)。図6は、本実施形態に係る車両用表示システム1の第2表示例を示す図である。目的地の到達時点における最大予想SOC変化の値が所定値未満であり、目的地の到達までのかなりの電力を消費すると予想される場合に、最大予想SOC変化を表示して運転者の不安を軽減することができる。さらに、標準予想SOC変化と最小予想SOC変化を表示してエコ運転を促すことができる。その後、図3に示す処理は終了する。
図4は、本実施形態に係る車両用表示システムによる表示方法を示す第2フローチャートである。まず、図4に示すように、車両が走行を開始すると(S11)、制御装置12は、現在地における実SOC変化の値が同地点における標準予想SOC変化の値以上であるか否かを判断する(S12)。
標準予想SOC変化の値以上であると判断した場合(S12:YES)、制御装置12は、最小予想SOC変化をディスプレイ17に表示させ、標準予想SOC変化、及び、最大予想SOC変化の表示を禁止する(S13)。このため、未到達のリスクが少ない運転者に対してシンプルな表示で且つエコ運転を促すことができる。その後、図4に示す処理は終了する。
なお、ステップS13の処理において本実施形態に係る制御装置12は、図7に示すように予想SOC変化と実SOC変化とを同時にディスプレイ17に表示させる。図7は、本実施形態に係る車両用表示システム1の第3表示例を示す図である。図7に示すように、例えばステップS12において「YES」と判断された場合、最小予想SOC変化のみならず、制御装置12は、バッテリ残存容量演算部21により演算されたSOCをディスプレイ17に表示させる。この際、制御装置12は、車両が一定区間走行する毎に順次SOCを表示させるため、そのSOCの連続が図7に示すように実SOC変化として表示される。このような表示により、最小予想SOC変化と実SOC変化とを対比させて表示することができ、運転者にエコ運転を促すことができる。なお、図7に示す例では、最小予想SOC変化と実SOC変化とを表示しているが、これに限らず、標準予想SOC変化や
最大SOC変化と実SOC変化とを対比させて表示してもよいし、3つの予想SOC変化と実SOC変化とを対比させて表示してもよい。
再度、図4を参照する。現在地における実SOC変化の値が同地点における標準予想SOC変化の値以上でないと判断した場合(S12:NO)、制御装置12は、最大予想SOC変化を表示し、標準予想SOC変化、及び、前記最小予想SOC変化の表示を禁止する(S14)。このため、未到達のリスクが大きい運転者に対してシンプルな表示で且つ未到達の可能性を抑制することができる。その後、図4に示す処理は終了する。
なお、本実施形態に係る車両用表示システム1は以下に示す表示を行うようになっていてもよい。図8は、本実施形態に係る車両用表示システム1の第4表示例を示す図である。図8に示すように、制御装置12は、予想SOC変化と実SOC変化とを対比させて表示するだけでなく、走行している道路や、交差点及びインターなどの地名等の情報、及び、高度情報についてもディスプレイ17に表示させる。これにより、より詳しく運転者に情報提示することができる。
さらに、図8に示す例において、制御装置12は現在地までの実SOC変化を表示させると共に、現在地以降については、例えば実SOC変化につながるように標準予想SOC変化を表示させる。これにより、運転者に今後の走行による消費電力をより分かり易く提示できることとなる。なお、制御装置12は、実SOC変化につながるように標準予想SOC変化を表示させるだけでなく、実SOC変化につながるように最大予想SOC変化や最小SOC変化を表示させるようにしてもよい。
図9は、本実施形態に係る車両用表示システム1の第5表示例を示す図である。図9に示すように、制御装置12は、設定されたルートに充電経由地が存在する場合、経由地までは標準予想SOC変化を表示させ、最大予想SOC変化及び最小予想SOC変化の表示を禁止する。このため、経由地にて充電されることが明らかであって経由地にて満充電となることが予測されることから、目的地に到達可能であるか否かは経由地以降の走行が重要であり、経由地までは標準予想SOC変化を表示することで、表示の煩雑さを抑制することができる。
なお、図9では経由地以降について標準予想SOC変化を表示させているが、これに限らず、経由地以降については図3に示すフローチャートに従って、3つの予想SOC変化を表示するようにしてもよいし、走行中の場合には、図4に示すフローチャートに従って最大予想SOC変化又は最小予想SOC変化を表示するようにしてもよい。
図10は、本実施形態に係る車両用表示システム1の第6表示例を示す図であり、(a)は走行前の表示例を示し、(b)は走行中の表示例を示している。例えば図3に示すステップS2において「NO」と判断され、図10(a)に示すように、制御装置12は、標準予想SOC変化、最大予想SOC変化、及び最小予想SOC変化を表示させたとする。
その後、車両が走行を開始すると、制御装置12は、図10(b)に示すように、現在地をスタート地点として表示させる。すなわち、制御装置12は、現在地から目的地までの予想SOC変化を表示させ、既に走行した出発地から現在地までの予想SOC変化の表示を禁止する。このため、出発地から目的地の予想SOC変化を表示させる場合と比較して、出発地から現在地までの情報を表示する必要が無く、表示する情報量を減らして表示の煩雑さを抑制したり、現在地から目的地までの予想SOC変化をより拡大して表示したりすることができる。
このようにして、本実施形態に係る車両用表示システム1及び表示方法によれば、複数の予想SOC変化のうち少なくとも1つの予想SOC変化を選択して表示するため、例えば消費エネルギーが大きかった場合における予想SOC変化についても表示することができ、運転者に対して消費エネルギーが大きかった場合に目的地まで到達可能であるかなどの情報を提供できることとなり、航続可能な距離を表示するにあたり、運転者に与える不安を軽減することができる。
また、目的地到達時点における予想SOC変化の値が所定値未満である場合、標準予想SOC変化、最大予想SOC変化、及び、最小予想SOC変化を表示させる。このため、目的地到達時点における予想SOC変化の値が所定値未満であり、目的地到達までのかなりの電力を消費すると予想される場合に、最大予想SOC変化を表示して運転者の不安を軽減することができると共に、標準予想SOC変化と最小予想SOC変化を表示してエコ運転を促すことができる。
また、目的地到達時点における予想SOC変化の値が所定値以上である場合、標準予想SOC変化を表示させ、最大予想SOC変化、及び、最小予想SOC変化の表示を禁止させる。このため、目的地到達時点における予想SOC変化の値が所定値以上であり、目的地まで確実に到達できると予想される場合に、標準予想SOC変化を表示して今後のSOCの変化予想を運転者に提示できると共に、最大予想SOC変化と最小予想SOC変化の表示を禁止してシンプルな表示を実現することもできる。
また、目的地到達時点における予想SOC変化の値は、最大予想SOC変化の値が採用される。このため、目的地到達時点において最も電力を消費したときの値と所定値とを比較することとなり、例えば目的地到達時においてもSOCにある程度余裕があると勘違いしてしまう事態などを防止することができる。
また、走行中における現在の実SOC変化の値が、同地点における標準予想SOC変化の値以上である場合、最小予想SOC変化を表示するため、未到達のリスクが少ない運転者に対してシンプルな表示で且つエコ運転を促すことができる。
また、走行中における現在の実SOC変化の値が、同地点における標準予想SOC変化の値未満である場合、最大予想SOC変化を表示するため、未到達のリスクが大きい運転者に対してシンプルな表示で且つ未到達の可能性を抑制することができる。
また、標準予想SOC変化、最大予想SOC変化、及び、最小予想SOC変化のいずれか1つを表示させる操作を受け付け可能な入力装置13をさらに備えるため、ユーザの操作により標準、最大及び最小の予想SOC変化を選択的に表示させることができ、ユーザの要望に応じたシンプルな表示を実現することができる。
また、設定されたルートに充電経由地が存在する場合、当該経由地まで標準予想SOC変化を表示させ、最大予想SOC変化、及び、最小予想SOC変化の表示を禁止するため、経由地にて充電されることが明らかであって経由地にて満充電となることが予測されることから、目的地に到達可能であるか否かは経由地以降の走行であり、経由地までは標準予想SOC変化を表示することで、表示の煩雑さを抑制することができる。
また、現在地から目的地までの予想SOC変化を表示させるため、出発地から目的地の予想SOC変化を表示させる場合と比較して、出発地から現在地までの情報を表示する必要が無く、表示する情報量を減らして表示の煩雑さを抑制したり、現在地から目的地までの予想SOC変化をより拡大して表示したりすることができる。
また、横軸を目的地までの距離とし、縦軸をSOCとしたグラフ形式により予想SOC変化を表示させるため、視認性及び運転者への認知性が高い表示を行うことができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものでは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。例えば本実施形態においては、横軸を目的地までの距離とし、縦軸をSOCとしたグラフ形式により予想SOC変化を表示させているが、縦軸及び横軸は上記に限らず、縦軸を距離とし横軸をSOCとするなど、種々の変更が可能である。また、グラフ形式に限らず、数値のみを表示する形式であってもよいし、他の手法による表示を行ってもよい。
また、本実施形態において予想SOC変化は、式(1)〜(9)に基づいて算出されるが、これに限らず、一部式を変更又は省略してもよいし、他の式等を追加してもよい。
1…車両用表示システム
2…情報提供装置
10…ナビゲーション装置
11…現在位置検知装置
12…制御装置
13…入力装置(入力手段)
14…通信装置
15…地図情報記憶部
16…経路探索装置
17…ディスプレイ(表示手段)
20…車両コントローラ
21…バッテリ残存容量演算部(実SOC変化演算手段)
22…電装品消費電力演算部
23…車両情報蓄積部
24…消費電力予測演算部(予想SOC変化演算手段)
25…バッテリ残存容量予測演算部(予想SOC変化演算手段)
30…バッテリ装置
40…各種センサ
50…各種電装品

Claims (11)

  1. 設定されたルートにおける目的地までの距離と、当該ルートを走行した際のSOC変化とを相関させて表示する車両用表示システムであって、
    目的地までの予想SOC変化を、異なる条件における予想エネルギー消費量に応じて複数演算する予想SOC変化演算手段と、
    実際のエネルギー消費に基づいて実SOC変化を演算する実SOC変化演算手段と、
    前記実SOC変化演算手段により演算された実SOC変化を表示すると共に、前記予想SOC変化演算手段により演算された複数の予想SOC変化のうち、少なくとも1つの予想SOC変化を選択して表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とする車両用表示システム。
  2. 前記予想SOC変化演算手段は、標準的な予想エネルギー消費量に基づいた標準予想SOC変化、最大の予想エネルギー消費量に基づいた最大予想SOC変化、及び、最小の予想エネルギー消費量に基づいた最小予想SOC変化を演算し、
    前記表示手段は、目的地到達時点における予想SOC変化の値が所定値未満である場合、前記予想SOC変化演算手段により演算された標準予想SOC変化、最大予想SOC変化、及び、最小予想SOC変化を表示させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用表示システム。
  3. 前記表示手段は、目的地到達時点における予想SOC変化の値が所定値以上である場合、前記予想SOC変化演算手段により演算された標準予想SOC変化を表示させ、最大予想SOC変化、及び、最小予想SOC変化の表示を禁止する
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両用表示システム。
  4. 前記目的地到達時点における予想SOC変化の値は、最大予想SOC変化の値が採用される
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の車両用表示システム。
  5. 前記表示手段は、走行中における現在の実SOC変化の値が、同地点における標準予想SOC変化の値以上である場合、最小予想SOC変化を表示し、標準予想SOC変化、及び、最大予想SOC変化の表示を禁止する
    ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の車両用表示システム。
  6. 前記表示手段は、走行中における現在の実SOC変化の値が、同地点における標準予想SOC変化の値未満である場合、最大予想SOC変化を表示し、標準予想SOC変化、及び、最小予想SOC変化の表示を禁止する
    ことを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の車両用表示システム。
  7. 標準予想SOC変化、最大予想SOC変化、及び、最小予想SOC変化のいずれか1つを表示させる操作を受け付け可能な入力手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の車両用表示システム。
  8. 前記表示手段は、設定されたルートに充電経由地が存在する場合、当該経由地まで標準予想SOC変化を表示させ、最大予想SOC変化、及び、最小予想SOC変化の表示を禁止する
    ことを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の車両用表示システム。
  9. 前記表示手段は、現在地から目的地までの予想SOC変化を表示させる
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の車両用表示システム。
  10. 前記表示手段は、横軸を目的地までの距離とし、縦軸をSOCとしたグラフ形式により予想SOC変化を表示させる
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の車両用表示システム。
  11. 設定されたルートにおける目的地までの距離と、当該ルートを走行した場合におけるSOC変化とを相関させて表示する車両用表示システムの表示方法であって、
    目的地までの予想SOC変化を、異なる条件における予想エネルギー消費量に応じて複数演算する予想SOC変化演算工程と、
    目的地までの実SOC変化を、実施のエネルギー消費に基づいて演算する実SOC変化演算工程と、
    前記実SOC変化演算工程において演算された実SOC変化を表示すると共に、前記予想SOC変化演算工程において演算された複数の予想SOC変化のうち、少なくとも1つの予想SOC変化を選択して表示する表示工程と、
    を備えることを特徴とする車両用表示システムの表示方法。
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JP2024037216A (ja) * 2022-09-07 2024-03-19 キワ・アート・アンド・デザイン株式会社 移動支援システム、移動支援プログラム及び、移動支援方法

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