JP2014042917A - 鋳物製品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋳造欠陥が除去された良質の鋳物製品を効率良く製造する。
【解決手段】金型(1)の1つのキャビティ(2)で鋳造された素材(10)を分割して複数の鋳物製品を製造する方法であって、前記素材(10)は隣接する鋳物製品間の分割予定部(P1)に鋳造欠陥(11)を有し、該分割予定部(P1)で分割して複数の鋳物製品を得る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、金型鋳造で作製した素材を分割して複数個の鋳物製品を製造する方法およびその関連技術に関する。
低圧鋳造やスクイズ鋳造等の金型鋳造法は、金型のキャビティに溶湯を供給し、金型からの冷却により溶湯を凝固させることにより金型鋳造品を得る方法である。製造された金型鋳造品は、そのまま、または加工を施すことで製品として用いられるため、金型鋳造品における品質の確保が不可欠である。
前記金型鋳造品の品質低下、製品不良の原因の一つに鋳造欠陥がある。鋳造欠陥には複数の種類があり、溶湯の最終凝固部に発生する引け巣、溶湯内にガスを巻き込むことで発生するガス欠陥、酸化物の巻き込み等が挙げられる。これらの鋳造欠陥を防止する技術は現在までに多く発明されており、それらの中にはあえて鋳造欠陥を発生させることで良好な製品を得る方法がある(特許文献1、2参照)
特許文献1に記載されている自動車用ナックルの製造方法は、金型のキャビティが製品部であるナックル部と製品ではないライザー部からなり、ナックル部における溶湯の凝固速度をライザー部よりも速くすることでライザー部に最終凝固部を形成し、鋳造欠陥をライザー部に集中させるというものである。キャビティから取り出した鋳造品はライザー部を除去すれば鋳造欠陥の無い良好な品質のナックル部となる。
特許文献2には、セラミック粒子を分散させたアルミニウム合金材料の鋳造装置において、酸化物等の鋳造欠陥の因子となる不純物がキャビティ上部に浮き上がることに着目して、キャビティ上部に不純物溜まりを設けることが記載されている。鋳造品は前記不純物溜まりで凝固した部分を除去すれば、不純物を含まない品質の良い製品となる。
特許第4185475号公報 特許第4096087号公報
しかし、特許文献1,2に記載された方法は、鋳造欠陥部を除去する工程が必要であるから生産性が悪く、しかも1つの鋳造品から得られる製品は1つであるから材料歩留まりが悪いという問題点がある。
しかも、意図的に鋳造欠陥を集中させるといっても、良質製品と鋳造欠陥とを分離するには鋳造欠陥が分離可能な位置に集中するような製品形状や合金種に限定され、鋳造欠陥が広範囲に発生するような製品形状や合金種には適用できない。
さらに、鋳造欠陥部分を確実に取り除くには鋳造欠陥の無い良質な鋳造組織を切断することになるが、良質な鋳造組織は材料密度が高く強度も高いために、切断加工に時間を要し加工用ツールの摩耗も大きくなるという問題点がある。
本発明は、上述した技術背景に鑑み、鋳造欠陥が除去された良質の鋳物製品を効率良く製造することを目的とする。
即ち、本発明は下記[1]〜[14]に記載の構成を有する。
[1]金型の1つのキャビティで鋳造された素材を分割して複数の鋳物製品を製造する方法であって、
前記素材は隣接する鋳物製品間の分割予定部に鋳造欠陥を有し、該分割予定部で分割して複数の鋳物製品を得ることを特徴とする鋳物製品の製造方法。
[2]前記鋳造欠陥は引け巣である前項1に記載の鋳物製品の製造方法。
[3]前記素材は1つの鋳物製品とこの鋳物製品に隣接する他の鋳物製品とが対称形状である前項1または2に記載の鋳物製品の製造方法。
[4]前記1つの鋳物製品と他の鋳物製品とが面対称である前項3に記載の鋳物製品の製造方法。
[5]前記素材における分割予定部はキャビティへのランナーゲート部の延長線上に存在する前項1〜4のいずれかに記載の鋳物製品の製造方法。
[6]金型の一つのキャビティで鋳造された素材の内部に形成された鋳造欠陥を、前記鋳造欠陥を含む面で複数の鋳物製品に分割することによって除去することを特徴とする鋳造欠陥の除去方法。
[7]前記鋳造欠陥は引け巣である前項6に記載の鋳物欠陥の除去方法。
[8]前記素材は1つの鋳物製品とこの鋳物製品に隣接する他の鋳物製品とが対称形状である前項6または7に記載の鋳造欠陥の除去方法。
[9]前記1つの鋳物製品と他の鋳物製品とが面対称である前項8に記載の鋳造欠陥の除去方法。
[10]前記素材における鋳造欠陥はキャビティへのランナーゲート部の延長線上に存在する前項6〜9のいずれかに記載の鋳造欠陥の除去方法。
[11]前記鋳造欠陥が分割の起点、中継点、終点のうちの少なくとも1箇所を通る鋳造欠陥の除去方法。
[12]複数の鋳造空間が面対称で合わさった形状のキャビティを有する金型を備えることを特徴とする鋳造装置。
[13]前項1〜5のいずれかに記載された方法により製造されたことを特徴とする鋳物製品。
[14]鋳造により作製され、複数の鋳物製品に分割するための素材であって、隣接する鋳物製品間の分割予定部に鋳造欠陥を有することを特徴とする分割用鋳造素材。
上記[1]に記載の鋳物製品の製造方法によれば、鋳造した素材の分割予定部に密度が小さく強度の低い鋳造欠陥を有するので、鋳物製品に分割するための切断を容易に行うことができる。また、分割によって得た鋳物製品は鋳造欠陥が分割面に露出しているので、容易に鋳造欠陥を除去することができる。これらにより、1つの素材から鋳造欠陥のない良質の複数の鋳物製品を効率良く製造することができる。
上記[2]に記載の鋳物製品の製造方法によれば、鋳造欠陥として引け巣が形成された素材に対して上記の効果が得られる。
上記[3]に記載の鋳物製品の製造方法によれば、素材の鋳造時に対称中心に向かって均等に冷却することにより、素材の対称中心に鋳造欠陥として最終凝固部が形成される。かかる素材に対して上記の効果が得られる。
上記[4]に記載の鋳物製品の製造方法によれば、素材の鋳造時に対称中心となる面に向かって均等に冷却することにより、素材の対称中心である面内に鋳造欠陥として最終凝固部が形成される。かかる素材に対して上記の効果が得られる。
上記[5]に記載の鋳物製品の製造方法によれば、素材の鋳造時に分割予定部となる鋳造欠陥が溶湯の流れの合わせ目となるランナーゲート部の延長線上に形成される。かかる素材において上記の効果が得られる。
上記[6]に記載の鋳造欠陥の除去方法によれば、鋳造された素材をその内部に形成された鋳造欠陥を含む面で複数の鋳物製品に分割すると、分割面に鋳造欠陥が露出するので容易に除去することができる。また、鋳造欠陥は密度が小さく強度の低い鋳造組織であるから切断は容易である。これらによって、素材内部に形成された鋳造欠陥を効率良く除去することができる。
上記[7]に記載の鋳造欠陥の除去方法によれば、鋳造欠陥として引け巣が形成された素材に対して上記の効果が得られる。
上記[8]に記載の鋳造欠陥の除去方法によれば、素材の鋳造時に対称中心に向かって均等に冷却することにより、素材の対称中心に鋳造欠陥として最終凝固部が形成される。かかる素材に対して上記の効果が得られる。
上記[9]に記載の鋳造欠陥の除去方法によれば、素材の鋳造時に対称中心となる面に向かって均等に冷却することにより、素材の対称中心である面内に鋳造欠陥として最終凝固部が形成される。かかる素材に対して上記の効果が得られる。
上記[10]に記載の鋳造欠陥の除去方法によれば、素材の鋳造時に鋳造欠陥が溶湯の流れの合わせ目となるランナーゲート部の延長線上に形成される。かかる素材において上記の効果が得られる。
上記[11]に記載の鋳造欠陥の除去方法によれば、鋳造欠陥が素材の分割の起点、中継点、終点のいずれの位置にある場合でも上記の効果が得られる。
上記[12]に記載の鋳造装置によれば、キャビティが複数の鋳造空間が面対称で合わさった形状であるから、対称中心となる面内に鋳造欠陥としての最終凝固部を形成することが容易である。
上記[13]に記載の鋳物製品は鋳造欠陥が除去された良質の製品である。
上記[14]に記載の分割用鋳造素材は隣接する鋳物製品間の分割予定部に密度が小さく強度の低い鋳造欠陥を有するので、該分割予定部で複数の鋳物製品に分割することは容易である。また、分割によって得た鋳物製品は鋳造欠陥が分割面に露出しているので、容易に鋳造欠陥を除去することができる。これらにより、1つの分割用鋳造素材から鋳造欠陥のない良質の複数の鋳物製品を効率良く製造することができる。
本発明における分割用鋳造素材を作製するための鋳造装置を模式的に示す縦断面図である。 図1の鋳造装置において溶湯をキャビティに注入した状態を示す縦断面図である。 図1の鋳造装置で作製した分割用鋳造素材の分割例を示す断面図である。 図1の鋳造装置で作製した他の分割用鋳造素材を示す縦断面図である。 図4の分割用鋳造素材の分割例を示す縦断面図である。 本発明における分割用鋳造素材を作製するための他の鋳造装置を模式的に示す縦断面図である。
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
[分割用鋳造素材の作製および鋳造装置]
図1および図2は分割用鋳造素材を作製するための鋳造装置を模式的に示した縦断面図である。
鋳造装置(A)において、金型(1)は楕円体のキャビティ(2)を有し、キャビティ(2)の長手方向が鉛直となる方向に設置されている。前記キャビティ(2)への溶湯(8)供給は下方から行われ、金型(1)の下端面に設けられた鋳込み口(4)の同軸上に設けられたランナーゲート部(3)がキャビティ(2)の下端中央に連通している。また、前記鋳込み口(4)の周りには円筒形のスリーブ(5)が設置され、スリーブ(5)内に先端にプランジャーチップ(6)を取り付けたプランジャーロッド(7)が昇降自在に挿入されている。
前記キャビティ(2)は、その中心がランナーゲート部(3)の中心に延長線上にあり、図示したように、2つの鋳造空間(2a)(2b)がキャビティ(2)の中心を通る鉛直面(P1)に関して左右対称形状である。
前記鋳造装置(A)において、図1に示すように、プランジャーロッド(7)を下降させると図示されない供給装置からスリーブ(5)内に溶湯(8)が装填され、図2に示されているように、プランジャーロッド(7)を上昇させるとスリーブ(5)内の溶湯(8)が鋳込み口(4)およびランナーゲート部(3)を通じてキャビティ(2)に注入され、キャビティ(2)内の空気はガス抜き孔(図示省略)から金型(1)外に排出される。注入する溶湯(8)は一般的に行われている脱ガス処理を行ったものであることが好ましい。また、鋳造条件は酸化物やガスの巻き込みを防止することができる限り限定されない。
前記キャビティ(2)に注入された溶湯(8)は金型(1)からの冷却を受けて外側から内側へと凝固が進行して分割用鋳造素材(10)が鋳造される。前記キャビティ(2)は中心を通る鉛直面(P1)に関して左右対称形状であり、前記鉛直面(P1)はランナーゲート部(3)の延長線にあって溶湯(8)の流れのライン上に存在するので、前記鉛直面(P1)内およびその近傍に最終凝固部(11)が形成される。最終凝固部(11)には引け巣等の鋳造欠陥が発生しやすいので、前記分割用鋳造用素材(10)は前記鉛直面(P1)内およびその近傍に鋳造欠陥が集中していることになる。
鋳造した分割用鋳造素材(10)は、例えば図3に示すように鉛直面(P1)で切断して2つの鋳物製品(14)(14)に分割する。前記鉛直面(P1)は本発明における分割予定部に対応する。分割用鋳造素材の分割方法については後で詳述する。
[分割用鋳造素材における分割予定部]
本発明は1つのキャビティで鋳造品(分割用鋳造素材)を複数に分割することが前提であり、分割用鋳造素材の作製に際してあえて鋳造欠陥を発生させ、鋳造欠陥を発生させた箇所を分割予定部とする。換言すると、キャビティを複数個の鋳物製品に対応する鋳造空間を合体させた形状とし、鋳物製品の合わせ目となる部分にあえて鋳造欠陥を発生させてその部分を分割予定部とする。図1および図2に示した金型(1)は、2つの鋳物製品(14)(14)がキャビティ(2)の中心を通る鉛直面(P1)に関して左右対称に配置して合体した形状であるから、鉛直面(P1)に向かって2つの凝固が進行させて鉛直面(P1)を含む位置に最終凝固部(11)を形成させる。
前記金型(1)は左右対称形状であり対称中心である鉛直面(P1)に向かって凝固を進行させれば分割予定部である鉛直面(P1)およびその近傍に最終凝固部(11)を形成できるので、キャビティ(2)の上端中央部にランナーゲート部を設けた金型を使用しても同様の分割用鋳造素材を作製することができる。また、2つの鋳物製品に対応する鋳造空間を面対称に合体させた形状のキャビティ(分割用鋳造素材)においては、対称中心となる面に向かって凝固が進行させれば最終凝固部をその面を含む位置に形成することができるので、金型を均等に冷却すれば良く、冷却制御が容易である。
一般に、鋳造品は同じ金型で鋳造したものであっても、合金種や冷却状態によって最終凝固部の形状が異なるが、キャビティが分割予定部に関して対称形状であり、左右方向および上下方向の冷却がそれぞれに均等であれば、対称中心である分割予定部およびその近傍に最終凝固部が形成される。図1および図2に示した金型(1)およびそのキャビティ(2)は中心を通る鉛直面(P1)に関して左右対称であるから最終凝固部は鉛直面(P1)に対して左右対称に形成される。しかし、左右対称であっても、合金種、冷却速度、鋳物製品の体積や形状等によって、最終凝固部は左右方向および上下方向の寸法に違いが生じる。
図4および図5は図1および図2に示した金型(1)を用いて鋳造し、最終凝固部(13)の形状の異なる分割用鋳造素材(12)の例を示している。この分割用鋳造素材(12)の最終凝固部(13)は図2の分割用鋳造素材(10)の最終凝固部(11)よりも左右方向に大きく上下方向に小さく、より球に近い形状となる。
また、最終凝固部は1箇所に限定されない。金型形状によっては複数箇所に最終凝固部が形成されることがある。例えば図6の鋳造装置(B)の金型(21)は1つのキャビティ(22)に対して2つのランナーゲート部(23a)(23b)が形成され、鋳込み口(24)から供給される溶湯は2箇所からキャビティ(22)に注入される。このような金型(21)では2つの溶湯の流れができるので、凝固後の分割用鋳造素材(30)においてはランナーゲート部(23a)(23b)の延長線上にそれぞれ最終凝固部(31a)(31b)が形成される。そして、前記分割用鋳造素材(30)における分割予定部を各ランナーゲート部(23a)(23b)の中心を通る鉛直面(P3)(P4)に設定すれば、前記分割用鋳造材(30)は3つの鋳物製品(32)(33)(34)に分割される。
本発明で用いる分割用鋳造素材は鋳物製品の合わせ目である分割予定部に最終凝固部が形成されていれば足り、左右対称形状であることには限定されない。また、分割予定部が鋳造欠陥の長手方向に沿っていることも要さず、分割個数も限定されない。例えば、図5の分割用鋳造素材(12)は最終凝固部(13)の長手方向に沿った鉛直面(P1)を分割予定部とすることも、前記鉛直面(P1)に垂直な水平面(P2)を分割予定部とすることもできる。さらには、鉛直面(P1)および水平面(P2)の2面で分割して4つの鋳物製品(15)に分割することもできる。
[鋳造欠陥と分割予定部]
鋳造欠陥は材料密度の小さく強度の低い金属組織である。特に最終凝固部には鋳造欠陥として引け巣が発生し易く、材料密度が小さく強度の低い金属組織である。このような金属組織は切断が容易であって短時間で切断でき、切断ツールの摩耗や損傷も少ない。従って、分割用鋳造素材において鋳物製品の合わせ目である分割予定部に鋳造欠陥を発生させることによって、目的形状である鋳物製品への分割を容易に行うことができる。
また、切断の容易性という観点からは、分割予定部の広い範囲に鋳造欠陥が存在することが好ましい。例えば、図2の分割用鋳造素材(10)と図4の分割用鋳造素材(12)とは同一形状であり分割予定部{鉛直面(P1)}も同一であるが、分割予定部内の広い範囲に鋳造欠陥を有する図2の分割用鋳造素材(10)の方が切断が容易である。
また、鋳造欠陥の種類は引け巣や最終凝固部に限定されず、ガスの巻き込みや湯境等であってもよい。また、鋳造欠陥の発生位置は素材の内部、表面のどちらであっても良い。また、鋳造欠陥は分割予定部の起点、中継点、終点のうちの少なくとも1箇所を通るように分割予定部が設定されていれば良く、いずれも場合でも切断が容易になる。図3、5、6に示した分割例はいずれも分割の中継点に鋳造欠陥が存在する例である。
[分割用鋳造素材の分割と内部鋳造欠陥の除去]
本発明において分割用鋳造素材の分割手段は限定されず、切り代を必要としない剪断刃による切断、切り代を必要とする鋸刃による切断のどちらで複数の鋳物製品に分割しても良い。剪断刃による切断は短時間で分割でき、また切り代がないので分割によって材料歩留まりが下がることはない。しかし、鋳造欠陥は分割した鋳物製品に残っている。一方、丸鋸、コンター、ハンドソーといった鋸刃による切断は剪断よりも時間がかかるが、鋳造欠陥が切り代分の切粉として除去されるので、切断と同時に鋳造欠陥が除去されるか、あるいは鋳造欠陥の一部が除去されるので鋳物製品に残留する鋳造欠陥量を減らすことができる。図3は、分割用鋳造素材(10)の最終凝固部(11)の左右方向の寸法が鋸刃の刃幅と同寸であり、分割によって最終凝固部(11)が除去された分割例を示している。
本発明において分割手段は限定されないが、分割された鋳物製品の用途や鋳造欠陥量に応じてそれぞれに好適な分割手段がある。また、分割用鋳造素材は鋳造欠陥を含む面で分割するので、素材内部に形成された鋳造欠陥は分割によって鋳物製品の表面に露出することになるが、表面に露出した鋳造欠陥の処理方法も鋳物製品の用途に応じて異なる。
分割により得た鋳物製品をそのまま最終製品として用いる場合や密閉鍛造等により鋳物製品と同一体積の最終製品に成形するための鍛造用素材として用いる場合には、分割面が凹凸のない一様な状態である必要がある。どのような切断方法であっても切断後に表面切削等の後加工を行うことが好ましく、露出した鋳造欠陥は後加工時に除去することができる。特に剪断刃に切断面は鋳造欠陥における表面凹凸が大きくなるので、切断後の後加工の必要性が大きい。後加工時に除去量を調節できるので、分割時に必要以上の材料が失われないようするという観点からは切り代を必要としない剪断刃による切断を行うことが好ましい。ただし、鋳造欠陥が大きい場合は後加工だけで鋳造欠陥を除去するのは作業効率が悪いので、分割用鋳造素材を鋸刃で切断して切り代として鋳造欠陥の一部を除去しておくことも好ましい。
また、分割により得た鋳物製品を半密閉鍛造用の鍛造用素材として用いる場合は、切断による分割面の凹凸は許容されるので分割した鋳物製品をそのまま鍛造用素材として使用することができる。半密閉鍛造ではバリが生じることを前提とした加工であり、鋳物製品の表面に露出した鋳造欠陥はバリとして鍛造製品から除去されるからである。このとき、切断手段は、鋳造欠陥の分割面からの深さと鍛造で発生するバリ量とに応じて、切り代不要の剪断刃による切断、または切り代が生じる鋸刃による切断のいずれかを適宜選択すれば良い。例えば、図2に示した深さの浅い鋳造欠陥{最終凝固部(11)}に対しては剪断刃による切断を行い、図4の深さの深い鋳造欠陥{最終凝固部(13)}に対しては鋸刃による切断を行う。また、発生するバリ量が少なく鍛造製品に鋳造欠陥が残ることが予想される場合は、分割用鋳造素材を分割した後さらに後加工で鋳造欠陥を減らしておくことによって鍛造製品に鋳造欠陥が含まれないようにすることができる。
また、分割により得た鋳物製品の分割面に機械加工を施して最終製品を作製する場合は、その機械加工時に鋳造欠陥を除去することができる。
以上のように、分割用鋳造素材の分割によって内部の鋳造欠陥が表面に露出するので、鋳造欠陥の大きさと分割した鋳物製品の用途に応じた方法で鋳造欠陥を除去することができる。また、分割用鋳造素材の分割工程において鋳造欠陥を除去できるので、1つの分割用鋳造素材から鋳造欠陥の無い良質な鋳物製品あるいはその二次製品を効率良く製造することができる。
本発明は鋳物製品の製造に利用できる。
A、B…鋳造装置
1、21…金型
2、22…キャビティ
2a、2b…鋳造空間
3、23a、23b…ランナーゲート部
4、24…鋳込み口
5…スリーブ
6…プランジャーチップ
7…プランジャーロッド
8…溶湯
10、12、30…分割用鋳造素材
11、13、31a、31b…最終凝固部(鋳造欠陥)
14、15、32、33、34…鋳物製品
P1、P3、P4…鉛直面(分割予定部)
P2…水平面(分割予定部)

Claims (14)

  1. 金型の1つのキャビティで鋳造された素材を分割して複数の鋳物製品を製造する方法であって、
    前記素材は隣接する鋳物製品間の分割予定部に鋳造欠陥を有し、該分割予定部で分割して複数の鋳物製品を得ることを特徴とする鋳物製品の製造方法。
  2. 前記鋳造欠陥は引け巣である請求項1に記載の鋳物製品の製造方法。
  3. 前記素材は1つの鋳物製品とこの鋳物製品に隣接する他の鋳物製品とが対称形状である請求項1または2に記載の鋳物製品の製造方法。
  4. 前記1つの鋳物製品と他の鋳物製品とが面対称である請求項3に記載の鋳物製品の製造方法。
  5. 前記素材における分割予定部はキャビティへのランナーゲート部の延長線上に存在する請求項1〜4のいずれかに記載の鋳物製品の製造方法。
  6. 金型の一つのキャビティで鋳造された素材の内部に形成された鋳造欠陥を、前記鋳造欠陥を含む面で複数の鋳物製品に分割することによって除去することを特徴とする鋳造欠陥の除去方法。
  7. 前記鋳造欠陥は引け巣である請求項6に記載の鋳造欠陥の除去方法。
  8. 前記素材は1つの鋳物製品とこの鋳物製品に隣接する他の鋳物製品とが対称形状である請求項6または7に記載の鋳造欠陥の除去方法。
  9. 前記1つの鋳物製品と他の鋳物製品とが面対称である請求項8に記載の鋳造欠陥の除去方法。
  10. 前記素材における鋳造欠陥はキャビティへのランナーゲート部の延長線上に存在する請求項6〜9のいずれかに記載の鋳造欠陥の除去方法。
  11. 前記鋳造欠陥が分割の起点、中継点、終点のうちの少なくとも1箇所を通る鋳造欠陥の除去方法。
  12. 複数の鋳造空間が面対称で合わさった形状のキャビティを有する金型を備えることを特徴とする鋳造装置。
  13. 請求項1〜5のいずれかに記載された方法により製造されたことを特徴とする鋳物製品。
  14. 鋳造により作製され、複数の鋳物製品に分割するための素材であって、
    隣接する鋳物製品間の分割予定部に鋳造欠陥を有することを特徴とする分割用鋳造素材。
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