JP2014042057A - 炭酸ガス絶縁電力機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁ガスとして環境に優しい安価な炭酸ガスを使用しても、機器内部の異常を検出する。
【解決手段】筐体1内に外周面が絶縁被覆物2aで覆われた導線を巻回して構成される巻線2と、この巻線2を支持する絶縁スペーサ4が収容されると共に、炭酸ガス3が絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、前記絶縁スペーサ4は、絶縁部材4aの外周面を前記巻線2との間に発生する放電により前記炭酸ガス3が分解されてCOとともに発生する酸素と結合する還元性固体物質4bで覆われた構成とし、且つ前記筐体1内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサ6を設ける。
【選択図】図1
【解決手段】筐体1内に外周面が絶縁被覆物2aで覆われた導線を巻回して構成される巻線2と、この巻線2を支持する絶縁スペーサ4が収容されると共に、炭酸ガス3が絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、前記絶縁スペーサ4は、絶縁部材4aの外周面を前記巻線2との間に発生する放電により前記炭酸ガス3が分解されてCOとともに発生する酸素と結合する還元性固体物質4bで覆われた構成とし、且つ前記筐体1内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサ6を設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、炭酸ガス雰囲気中での機器内部の異常が検出可能な炭酸ガス絶縁電力機器に関する。
例えばガス絶縁変圧器のようなガス絶縁電力機器においては、機器本体を収容した容器内に充填される絶縁ガスとして、絶縁性能と冷却性能に優れたSF6ガスが用いられている。
従来、かかるSF6ガス絶縁電力機器において、機器の状態監視や、機器内部の異常の有無を検出する装置または方法としては、容器内に充填されたSF6ガスから生成されるフッ素化合物の有無を検出するようにしたもの(例えば、特許文献1〜3)や、フッ素化合物以外の分解ガスの有無を検出するようにしたもの(例えば、特許文献4,5)がある。
SF6ガスは、大量のフッ素元素を含むため、ガス中の放電や高温により分解されると自然大気中には存在しないフッ素化合物が生成され、その多くは活性なので、センサによる検出が可能である。
しかるに、最近では環境問題の一環として、SF6ガスは地球温暖化係数が炭酸ガスの23900倍と大きいことから、大気放出が規制されている。
したがって、ガス絶縁電力機器において、容器内にSF6ガスを充填するに際して、大気への漏洩を抑えるには、機器の据付後あるいは機器の開放点検後に長時間の真空引き時間とガス封入時間が必要となるため、付帯工事費用の増大と工事期間の長期化をもたらすという問題があり、またSF6ガスが人造ガスであることから高価である。
そこで、SF6ガスを使用しないガス絶縁電力機器として、安価な窒素ガスや炭酸ガスに転換すれば、機器価格の低下とガス管理の規制が緩和されると同時に、熱分解しにくいガスであることから機器の許容温度を高く設定でき、機器の小型化と低価格化を図ることができる。
しかしながら、これらのガスは部分放電や高温による分解生成物として従来のようなフッ素化合物の検出による状態監視を行うことができない。
すなわち、ガス絶縁電力機器の絶縁ガスとして、窒素ガスを使用した場合には窒素ガスが単一元素により構成されるため、分解生成ガスは存在せず、残留ガスあるいは封入される機器を構成する物質との間で反応した生成物、例えばNOxが発生する。
また、ガス絶縁電力機器の絶縁ガスとして、炭酸ガスを使用した場合、炭酸ガスが炭素と酸素との化合物からなるガスであるため、放電などにより分解すると一酸化炭素と酸素とに分解され、その殆んどが素早く再結合してCO2に戻るため、機器内部の状態を監視することが困難である。
このような問題から、炭酸ガスを絶縁媒体とするガス分析による機器内部状態の検出が困難となるため、いまだガス絶縁電力機器の絶縁ガスとして炭酸ガスに転換されていないのが現状である。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、絶縁ガスとして環境に優しい安価な炭酸ガスを使用しても、機器内部の異常を検出することができる炭酸ガス絶縁電力機器を提供することを目的とする。
本発明は上記の目的を達成するため、次のような炭酸ガス絶縁電力機器を構成するものである。
(1)本発明は、筐体内に外周面が絶縁被覆物で覆われた導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、前記絶縁スペーサは、絶縁部材の外周面を前記巻線との間に発生する放電により前記炭酸ガスが分解されてCOとともに発生する酸素と結合する還元性固体物質で覆われた構成とし、且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設ける。
(2)本発明は、筐体内に外周面が絶縁被覆物で覆われた導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、前記絶縁スペーサは、前記巻線との間に発生する放電により加熱されるとCOを発生するカルボン酸からなる樹脂により構成するか、またはカルボン酸からなる樹脂を含浸した構成とし、且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設ける。
(3)本発明は、筐体内に導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、前記巻線は、前記絶縁スペーサとの間に発生する放電や導線に流れる過電流により加熱されるとCOを発生するカルボン酸を前記導線の表面に塗布した構成とし、且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設ける。
(4)本発明は、筐体内に導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、前記巻線は、前記絶縁スペーサとの間に発生する放電や導線に流れる過電流により加熱されるとCO2をCOに分解する作用のあるルテニウムあるいはレニウムを含む金属をメッキまたは合金化した導線の周囲にハロゲン化合物を含む縁被被覆物で覆われた構成とし、且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設ける。
(5)本発明は、筐体内に導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、前記巻線は、前記絶縁スペーサとの間に発生する放電や導線に流れる過電流により加熱されるとCO2をCOに分解する作用のあるルテニウムを含む金属導体をハロゲン化アルカリ金属で被覆した構成とし、且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設ける。
(6)本発明は、筐体内に導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、前記筐体や導線などの金属材料の炭酸ガス露出面に、COが吸収・消費されることのないニッケル系を含まない合金を使用し、且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設ける。
(7)本発明は、筐体内に導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、前記筐体などの金属材料の炭酸ガス露出面に、COが透過することのないクロムメッキ層を施し、且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設ける。
(8)本発明は、筐体内に開閉器接点が収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填されたガス絶縁開閉器を備えた炭酸ガス絶縁電力機器において、前記開閉器接点は、炭酸ガスをCOに分解可能な触媒金属からなる基材の先端部を覆うように接点材料を設けた構成とし、且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設ける。
本発明によれば、絶縁ガスとして環境に優しい安価な炭酸ガスを使用しても、機器内部の異常を検出することができる。
(第1の実施形態)
図1は本発明による異常検出機能を備えた炭酸ガス絶縁電力機器の第1の実施形態を模式的に示す構成図である。
図1は本発明による異常検出機能を備えた炭酸ガス絶縁電力機器の第1の実施形態を模式的に示す構成図である。
図1において、1は筐体で、この筐体1内には巻線2が収容されると共に、炭酸ガス3が絶縁ガスとして充填され、この炭酸ガス3は筐体1の外側に配置された冷却器5を通して循環することで冷却される。
上記巻線2は、外周面が絶縁被覆物2aで覆われた銅線2bにより構成される複数の単位巻線2cを相互間に絶縁スペーサ4を介在させてそれぞれ配置し固定することで構成される。
第1の実施形態では、かかる構成の炭酸ガス絶縁電力機器において、絶縁スペーサ4として、帯状の絶縁部材4aの周面が生石灰等の還元性固体物質4bで覆われ、これを複数枚重ね合せて構成したものである。また、冷却器5近傍の筐体1の内壁面にCOを検出するセンサ6を取付ける。
このように構成された炭酸ガス絶縁電力機器において、いま、絶縁スペーサ4と単位巻線2cとの間で部分放電が発生すると、その空間に存する炭酸ガスが放電により分解され、高温のCOと酸素が発生する。この部分に発生した高温の酸素は、絶縁部材4aの周面を覆う還元性固体物質4bと素早く結合し、絶縁媒体中の酸素を吸収する。
したがって、高温のCOの周囲から酸素が除去されるので、COは絶縁ガス中に残留する。そして、絶縁ガスは冷却のために筐体1と冷却器5との間を循環しているので、冷却器5近傍の筐体1の内壁面に取付けられたセンサ6により、絶縁ガス中に含まれるCOが検出される。これによりセンサ6の出力を図示しないモニタで解析し表示することにより機器内部の状態監視が可能となる。
(第2の実施形態)
図2は本発明による異常検出機能を備えた炭酸ガス絶縁電力機器の第2の実施形態を模式的に示す構成図である。
図2は本発明による異常検出機能を備えた炭酸ガス絶縁電力機器の第2の実施形態を模式的に示す構成図である。
図2において、21は筐体で、この筐体21内には鉄心27、この鉄心27に巻装される巻線22が収容されると共に、炭酸ガス23が絶縁ガスとして充填される。
上記巻線22は、外周面が絶縁被覆物22aで覆われた銅線22bにより構成される複数の単位巻線22cを相互間に絶縁スペーサ24を介在させてそれぞれ配置し固定することで構成される。
第2の実施形態では、かかる構成の炭酸ガス絶縁電力機器において、絶縁スペーサ24として、カルボン酸からなる樹脂により構成するか、またはカルボン酸からなる樹脂を含浸した構成とし、また、鉄心27や銅線22bの表面にカルボン酸からなる樹脂を塗布するようにしたものである。
このカルボン酸からなる樹脂は、高温に加熱されると分解されてCOを発生する性質を有している。
また、筐体21の内壁面にCOを検出するセンサ26を取付ける。
このように構成された炭酸ガス絶縁電力機器において、いま、絶縁スペーサ24と単位巻線22c、単位巻線22cと鉄心27との間で発生する部分放電や、単位巻線22cに流れる過電流によりこれらの部材が高温に加熱されると、カルボン酸が分解されてCOを発生する。この分解したカルボン酸はCOを吸着しにくいため、COは絶縁ガス中に放出される。
そして、絶縁ガスが対流によりセンサ26に到達すると、センサ26は絶縁ガス中に含まれるCOを検出する。
したがって、センサ26の出力を図示しないモニタで解析し表示することにより機器内部の状態監視が可能となる。
上記実施形態では、銅線22bの表面にカルボン酸からなる樹脂を塗布する場合について述べたが、巻線22としてルテニウムを含む金属をメッキまたは合金化した銅線22bの周囲にハロゲン化合物を含む縁被被覆物22aを施してもよい。
また、巻線22として表面がルテニウムを含む金属導体をハロゲン化アルカリ金属で被覆するようにしてもよい。
このように第2の実施形態では、絶縁スペーサ24が高温に加熱されると分解されてCOを大量に発生する樹脂により構成するか、または樹脂を含浸した構成とし、また、鉄心27や銅線22bの表面に樹脂を塗布するようにしたので、機器内部の局部加熱が外部から検出可能となる。また、樹脂材料は絶縁能力を発揮できるので、検出のための特別な部材を介在させる必要がない。さらに金属材料は銅線の一部として活用できるので、CO発生のための特別な部材を介在させる必要がない。
(第3の実施形態)
図3は本発明による異常検出機能を備えた炭酸ガス絶縁電力機器の第3の実施形態を模式的に示す構成図である。
図3は本発明による異常検出機能を備えた炭酸ガス絶縁電力機器の第3の実施形態を模式的に示す構成図である。
図3において、31は筐体で、この筐体31内には鉄心37、この鉄心37に巻装される巻線32が収容されると共に、炭酸ガス33が絶縁ガスとして充填される。
上記巻線32は、外周面が絶縁被覆物32aで覆われた銅線32bにより構成される複数の単位巻線32cを相互間に絶縁スペーサ34を介在させてそれぞれ配置し固定することで構成される。
第3の実施形態では、かかる構成の炭酸ガス絶縁電力機器において、筐体31や銅線32bなどの金属材料にニッケル系を含まない合金を使用し、また鉄心37などの鉄鋼部材にはクロムメッキ層38を施し、鉄合金には銅を含む合金を適用するようにしたものである。
また、筐体31の内壁面にCOを検出するセンサ36を取付ける。
ここで、ニッケルを含まない合金としては、クロムモリブデン鋼、真鍮、黄銅、半田、燐青銅、ステンレス、ジュラルミン、珪素鋼などがある。
このように構成された炭酸ガス絶縁電力機器において、いま、絶縁スペーサ34と単位巻線32c、単位巻線32cと鉄心37との間で発生する部分放電や、単位巻線32cに流れる過電流によりこれらの部材が高温に加熱されると、絶縁ガスとして充填された炭酸ガスが分解してCOが発生する。
ここで、筐体31や銅線32bなどの金属材料にニッケル系を含む合金が使用されていると、COはニッケル原子と反応し、カルボニル基を生成するため、絶縁ガス中のCOは吸収・消費され、これによりセンサ36での検出が困難となる。また、COが鉄心37のような鉄鋼と接触するとCOの炭素が鉄部材に浸入し、酸素が放出されるメタルダスティング腐食が発生する。
しかし、本実施形態では、筐体31や銅線32bなどの金属材料にニッケル系を含まない合金を使用しているので、絶縁ガス中のCOは吸収・消費されることはない。また、鉄心37などの鉄鋼部材の表面にクロムメッキ層38を施すと、COはクロムメッキ層を透過することができないので、メタルダスティング腐食は発生せず、COが消費されることがない。
このように本実施形態では、筐体31や銅線32bなどの金属部材でのCO消費を抑制することにより、加熱や部分放電などで発生したCOは消費・減少することなく、センサ36に到達するので、高感度で機器内部状態を監視することができる。また、鉄心37などの鉄鋼部材の表面にクロムメッキ層38を施すか、鉄合金には銅を含む合金化によりCO消費が抑制されるので、機器の構成要素を特別な部材で保護することなく目的が達成される。特にクロムは磁性体であることから鉄心の主磁束に影響しない上、クロム層にマンガンを混ぜると反強磁性を示すことから、漏れ磁束などの入射が抑制され、渦電流損が抑制される。
(第4の実施形態)
図4は本発明による異常検出機能を備えた炭酸ガス絶縁電力機器の第4の実施形態としてガス絶縁開閉器を模式的に示す構成図である。
図4は本発明による異常検出機能を備えた炭酸ガス絶縁電力機器の第4の実施形態としてガス絶縁開閉器を模式的に示す構成図である。
図4において、41は筐体で、この筐体41内にはしゃ断器などの開閉器接点42が収容されると共に、炭酸ガス43が絶縁ガスとして充填される。
上記開閉器接点42は、図4(a),(b)に示すように固定接点42aと可動接点42bを備え、可動接点42bは固定接点42aに対して接触又は開離することで、接点の開閉が行われる。
第4の実施形態では、このような構成のガス絶縁開閉器において、開閉器接点42の可動接点42bとして、マグネシウムやマグネシウム合金などの触媒物質からなる基材42b−1とこの基材42b−1の先端外周部を覆うように設けられた導電率の高い接点材料42b−2とから構成するようにしたものである。
また、筐体41の内壁面にCOを検出するセンサ46を取付ける。
このように構成されたガス絶縁開閉器において、いま、図4(a)に示すように可動接点42bが固定接点42aに閉路した状態から、図4(b)に示すように可動接点42bを固定接点42aから開路すると、可動接点42bが電流しゃ断により発生するアークにより加熱され、その接点材料42b−2は昇華、蒸発して消耗して行く。
そして、接点の開閉回数が度重なるにつれて、接点材料42b−2の消耗が進み、基材42b−1が露出し、この基材42b−1が筐体41内に絶縁ガスとして充填された炭酸ガス43の雰囲気中に晒される。
この状態で接点を開閉すると固定及び可動接点間に発生するアークにより可動接点42bを構成する基材42b−1が加熱されると、この基材42b−1が触媒物質であることから、炭酸ガスと反応して大量のCOを生成する。
この生成されたCOは絶縁ガスに拡散し、対流によりセンサ46に到達すると、センサ46は絶縁ガス中に含まれるCOを検出する。
したがって、センサ46の出力を図示しないモニタで解析し表示することにより可動接点42bの消耗が容易に判断できる。
このように本実施形態では、筐体41内に開閉器接点42が収容されると共に、炭酸ガス43が絶縁ガスとして充填されたガス絶縁開閉器において、開閉器接点42を構成する可動接点42bとして、触媒物質からなる基材42b−1の先端外周部を覆うように導電率の高い接点材料42b−2を設けるようにしたので、接点材料42b−2の消費・消失により露出した基材42b−1が接点間のアークにより加熱されると炭酸ガスが大量に分解されてCOが大量に発生し、これをセンサ46により検出することにより可動接点42bの消耗を容易に判断することができる。
なお、上記実施形態において、触媒物質は単一素材である必要がなく、例えば安価なマグネシウム合金が適用できる。
1,21,31,41…筐体、2,22,32…巻線、2a,22a,32a…絶縁被覆物、2b,22b,32b…銅線、2c,22c,32c…単位巻線、3,23,33,43…炭酸ガス、4,24,34…絶縁スペーサ、4a…絶縁部材、4b…還元性固体物質、5…冷却器、6,26,36,46…センサ、27,37…鉄心、38…クロムメッキ層、42…開閉器接点、42a…固定接点、42b…可動接点、42b−1…触媒物質からなる基材、42b−2…接点材料
従来、かかるSF6ガス絶縁電力機器において、機器の状態監視や、機器内部の異常の有無を検出する装置または方法としては、容器内に充填されたSF6ガスから生成されるフッ素化合物の有無を検出するようにしたもの(例えば、特許文献1〜3)や、フッ素化合物以外の分解ガスの有無を検出するようにしたもの(例えば、特許文献4)がある。
(1)本発明は、筐体内に外周面が絶縁被覆物で覆われた導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、前記絶縁スペーサは、前記巻線との間に発生する放電により加熱されるとCOを発生するカルボン酸からなる樹脂により構成するか、またはカルボン酸からなる樹脂を含浸した構成とし、且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設ける。
(2)本発明は、筐体内に導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、前記巻線は、前記絶縁スペーサとの間に発生する放電や導線に流れる過電流により加熱されるとCOを発生するカルボン酸を前記導線の表面に塗布した構成とし、且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設ける。
(3)本発明は、筐体内に導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、前記巻線は、前記絶縁スペーサとの間に発生する放電や導線に流れる過電流により加熱されるとCO2をCOに分解する作用のあるルテニウムあるいはレニウムを含む金属をメッキまたは合金化した導線の周囲にハロゲン化合物を含む絶縁被覆物で覆われた構成とし、且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設ける。
(4)本発明は、筐体内に導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、前記巻線は、前記絶縁スペーサとの間に発生する放電や導線に流れる過電流により加熱されるとCO2をCOに分解する作用のあるルテニウムを含む金属導体をハロゲン化アルカリ金属で被覆した構成とし、且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設ける。
(5)本発明は、筐体内に導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、前記筐体や導線などの金属材料の炭酸ガス露出面に、COが吸収・消費されることのないニッケル系を含まない合金を使用し、且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設ける。
(6)本発明は、筐体内に導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、前記筐体などの金属材料の炭酸ガス露出面に、COが透過することのないクロムメッキ層を施し、且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設ける。
(7)本発明は、筐体内に開閉器接点が収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填されたガス絶縁開閉器を備えた炭酸ガス絶縁電力機器において、前記開閉器接点は、炭酸ガスをCOに分解可能な触媒金属からなる基材の先端部を覆うように接点材料を設けた構成とし、且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設ける。
上記実施形態では、銅線22bの表面にカルボン酸からなる樹脂を塗布する場合について述べたが、巻線22としてルテニウムを含む金属をメッキまたは合金化した銅線22bの周囲にハロゲン化合物を含む絶縁被覆物22aを施してもよい。
Claims (8)
- 筐体内に外周面が絶縁被覆物で覆われた導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、
前記絶縁スペーサは、絶縁部材の外周面を前記巻線との間に発生する放電により前記炭酸ガスが分解されてCOとともに発生する酸素と結合する還元性固体物質で覆われた構成とし、
且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設けたことを特徴とする炭酸ガス絶縁電力機器。 - 筐体内に外周面が絶縁被覆物で覆われた導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、
前記絶縁スペーサは、前記巻線との間に発生する放電により加熱されるとCOを発生するカルボン酸からなる樹脂により構成するか、またはカルボン酸からなる樹脂を含浸した構成とし、
且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設けたことを特徴とする炭酸ガス絶縁電力機器。 - 筐体内に導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、
前記巻線は、前記絶縁スペーサとの間に発生する放電や導線に流れる過電流により加熱されるとCOを発生するカルボン酸を前記導線の表面に塗布した構成とし、
且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設けたことを特徴とする炭酸ガス絶縁電力機器。 - 筐体内に導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、
前記巻線は、前記絶縁スペーサとの間に発生する放電や導線に流れる過電流により加熱されるとCOを発生するルテニウムを含む金属をメッキまたは合金化した導線の周囲にハロゲン化合物を含む縁被被覆物で覆われた構成とし、
且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設けたことを特徴とする炭酸ガス絶縁電力機器。 - 筐体内に導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、
前記巻線は、前記絶縁スペーサとの間に発生する放電や導線に流れる過電流により加熱されるとCOを発生するルテニウムを含む金属導体をハロゲン化アルカリ金属で被覆した構成とし、
且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設けたことを特徴とする炭酸ガス絶縁電力機器。 - 筐体内に導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、
前記筐体や銅線などの金属材料の炭酸ガス露出面に、COが吸収・消費されることのないニッケル系を含まない合金を使用し、
且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設けたことを特徴とする炭酸ガス絶縁電力機器。 - 筐体内に導線を巻回して構成される巻線とこの巻線を支持する絶縁スペーサが収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填された炭酸ガス絶縁電力機器において、
前記筐体などの金属材料の炭酸ガス露出面に、COが透過することのないクロムメッキ層を施し、
且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設けたことを特徴とする炭酸ガス絶縁電力機器。 - 筐体内に開閉器接点が収容されると共に、炭酸ガスが絶縁ガスとして充填されたガス絶縁開閉器を備えた炭酸ガス絶縁電力機器において、
前記開閉器接点は、炭酸ガスをCOに分解可能な触媒金属からなる基材の先端部を覆うように接点材料を設けた構成とし、
且つ前記筐体内の絶縁ガス雰囲気中にCOを検出するセンサを設けたことを特徴とする炭酸ガス絶縁電力機器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013217893A JP2014042057A (ja) | 2013-10-18 | 2013-10-18 | 炭酸ガス絶縁電力機器 |
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