JP2014041186A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】抵抗発熱層70を含む定着ベルト50の外周面に加圧部材を押圧して定着ニップを形成し、未定着画像の形成されたシートを当該定着ニップに通紙して熱定着する定着装置において、ベルト幅方向における抵抗発熱層70の両側端部に、フランジ付受電部材68の筒状部68Aの一部を接触する状態で設け、フランジ部68Bに、給電部材58を前記ベルト幅方向に弾性圧接させる構成とした。
【選択図】図3
Description
当該定着装置は、記録シートに接触する定着ベルト自体が熱容量の低い発熱体(抵抗発熱層)を有し、定着ベルトを直接加熱するため、電力の供給開始から定着可能状態に達するまでのウォームアップ時間が短く、消費電力が少ないといった特徴を有している。
定着ベルトの内周側には、当該定着ベルトと平行に弾性体ローラーが遊挿されている。一方、定着ベルトの外周側には、当該定着ベルトと平行に、前記弾性体ローラーに対向させて加圧ローラーが設けられている。
また、前記一対の電極の各々に対し、その外周面に摺接するように給電部材が設けられている。
そして、加圧ローラーを回転させることにより、前記定着ベルトが従動走行し、前記両給電部材を介して給電することにより前記抵抗発熱層が発熱する。この状態で、前記定着ニップに記録シートを通紙することにより、記録シートに形成された未定着のトナー像が定着される。
定着ベルトは、原形が円形断面を有しているものが、定着ニップの形成により、その形がくずれた態様で回転走行されるため、走行中に、いわゆるばたつきが生じる。また、走行中に定着ベルトの端縁が蛇行規制部材に当接すると、蛇行規制部材との間で生じる摩擦力によって円滑な走行が妨げられることによってもばたつきが生じる。すなわち、当該定着ベルトをその幅方向側面からみたとき、定形が維持されずに変形してしまう。
これに対処するため、給電部材をさらに定着ベルト(電極)の径方向内側に押し込み、摺接位置における電極の径方向における変位を抑制することが考えられる。しかし、そうすると、給電部材と電極との間の接触圧が大きくなり、両者間の摩擦力が増大するため、摩耗の進行が早まり、その寿命が短くなってしまう。
さらに、前記定着ベルト内側に、前記加圧部材と対向させて弾性体ローラーが遊挿されていることを特徴とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、電子写真方式によって記録シートに画像を形成する画像形成装置であって、前記記録シートに形成されたトナー像の定着装置として、上記の定着装置を備えていることを特徴とする。
<実施の形態1>
図1は、タンデム型フルカラープリンター10(以下、単に「プリンター10」と言う。)の概略構成を示す図である。
各感光体ドラム26Y,…,26Kは、露光装置28Y,…,28Kによる露光を受ける前にクリーナー34Y,…,34Kで表面の残存トナーが除去された後、帯電器30Y,…,30Kにより一様に帯電されており、このように一様に帯電した状態で上記露光を受けると、感光体ドラム26Y,…,26Kの表面に静電潜像が形成される。
この際、各色の作像動作は、そのトナー像が、走行する転写ベルト12の同じ位置に重ね合わせて転写されるようにすべく、上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
当該2次転写位置において、2次転写ローラー42の静電的作用により、転写ベルト12上のトナー像が記録シートへ再転写(2次転写)される。
<定着装置>
図2は、定着装置22の概略構成を示す斜視図である。
また、加圧ローラー54は、不図示のモーターを動力源とし、不図示の動力伝達機構を介して矢印Aの方向に回転駆動される。定着ベルト50と弾性体ローラー52とは、加圧ローラー54の回転に従動して、矢印Bの方向に走行あるいは回転する。
(定着ベルト)
定着ベルト50は、その幅方向(軸心方向)における両端部に、給電部材56,58と接触して、電源64からの電力供給を受ける受電部材である電極としてフランジ付電極66,68を有している。
図3(a)に示すように、フランジ付電極68が設けられていない領域では、内側から抵抗発熱層70、補強層72、弾性層74、および離型層76がこの順で積層された構造をしている。
合成樹脂には、PI(ポリイミド)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の耐熱性を有するものを用いることができるが、この中でも最も高い耐熱性を有するPIが好ましい。
抵抗発熱層70の厚みは、30〜150[μm]が好ましい。
なお、電気抵抗率の調整を目的として、金属合金や金属間化合物などの導電性粒子を適度に混入しても構わないし、機械的強度の向上のためにガラスファイバー、ウィスカ、酸化チタン、チタン酸カリウムなどを混入しても構わないし、熱伝導率の向上のために窒化アルミ、アルミナなどを混入しても構わない。
抵抗発熱層70は、芳香族テトラカルボン酸ニ無水物と芳香族ジアミンとを有機溶媒中で重合して得られるポリイミドワニスに導電フィラーを均一に分散させてから、金型に塗布しイミド転化させて製造される。
離型層76は、熱定着後における記録シートとの離型性を高めるために設けられており、水との接触角は90度以上、好ましくは110度以上であり、表面粗さは、Ra:0.01〜50[μm]の範囲が好ましい。離型層76は、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)で形成され、フッ素系チューブまたはフッ素系コーティング等で構成される。これらは、絶縁性材料であるが、導電性材料で形成する場合もある。フッ素系チューブには、例えば、三井・デュポン フロロケミカル株式会社製の銘柄:PFA350−J、451HP−J、951HP Plus等を用いることができる。離型層76の厚みは、5〜100[μm]の範囲が好ましい。
円筒部材78および円板部材80は、導電性を有する材料で形成されている。具体的には、銅、アルミ、ニッケル、ステンレス、真鍮、リン青銅などで形成されるが、この中でも、電気抵抗率が低く耐熱性、耐酸化性に優れたニッケル、ステンレス、アルミ等を用いるのが好ましい。
円板部材80の外径は、円筒部材78の外径よりも14[mm]大きく設定される。よって、円板部材80の外径は、円筒部材78の外径の大きさに応じ、34〜54[mm]の範囲で設定される。
なお、上記の例では、二つの部材(円筒部材78、円板部材80)を組み合わせて、フランジ付電極68を構成したが、これに限らず、フランジ付電極68は、単一の部材で構成しても構わない。そのようなフランジ付電極は、例えば、金属円板(材料は、上記に列挙したもの)を深絞り成形することにより得られる。すなわち、金属円板を深絞りして、カップ状の部材を作成し、絞られずに残存するフランジを適当な大きさの円形(円環状)に切断してフランジ部68を形成し、前記カップ状をした部分の底部を切断し、残る側面で円筒部68を構成するのである。
(弾性体ローラー)
図4に、定着ベルト50の幅方向(軸心方向)における中央位置で、定着ベルト50、弾性体ローラー52、および加圧ローラー54を切断した横断面図を示す。
芯金82は、例えば、アルミニウム、鉄等の金属からなる。芯金82は、図4では中実の丸棒を例に示しているが、中空の丸棒(パイプ)でも構わない。
(加圧ローラー)
加圧ローラー54は、芯金86の外周に弾性層88、離型層90がこの順で形成されてなるものであり、外径が20〜100[mm]である。
弾性層88は、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの耐熱性の高い弾性体で形成され、厚みが1〜20[mm]である。
(給電部材)
図2に戻り、給電部材56,58は、例えば、直方体状をしたカーボンブラシであり、摺動性および導電性を有する銅黒鉛質や炭素黒鉛質等の材料からなる。給電部材56,58の各々は、フランジ付電極66,68の各々に摺接している。この摺接の態様は、いずれの給電部材56,58も同様なので、図3(a)を参照しながら、給電部材58を代表に説明する。
同様に、もう一方の給電部材56も圧縮コイルばね92の付勢力によって、フランジ付電極66に対し定着ベルト50のベルト幅方向に弾性圧接されている(図2)。
給電部材56,58は、リード線96によって電源64に接続されている。
上記の構成からなる定着装置22によれば、前述した従来よりも給電部材と電極との間の接触状態を良好に維持でき、もって、スパークの発生を抑制できる理由について、以下説明する。
また、定着ベルト(フランジ付電極)の定着ベルト幅方向の変位は、緩やかであるため、給電部材とフランジ付電極との接触を維持するために、給電部材をフランジ付電極に強く押し付ける(圧接力を大きくする)必要がない。すなわち、給電部材とフランジ付電極との間の摩擦力を増大させる必要がないため、摩耗の進行を抑制することができ、両者の短寿命も防止することができる。
<実施の形態2>
実施の形態1では、フランジ付受電部材であるフランジ付電極66,68においてフランジ部66B,68Bを、フランジ付電極66,68の長さ方向(定着ベルト50のベルト幅方向)における端部に設けることとしたが、実施の形態2では、略中央部(中程)に設けることとした。
図5(a)に、実施の形態2における定着ベルト98の、フランジ付電極100側の端部を含む部分における縦断面図を示す。
フランジ付円筒部材102の円筒部102Bの外径の大きさは、円筒部材78と同じに設定される。また、円筒部102Bの厚みは、例えば、1[mm]に設定される。
フランジ付電極100の全長L1は、20〜30[mm]の範囲で設定され、フランジ付円筒部材102における円筒部102Bの全長L2は、例えば、15[mm]に設定される。フランジ付円筒部材102におけるフランジ部102Cの厚みは、例えば、2[mm]に設定される。
図5(a)から分かるように、フランジ付電極100は、フランジ付円筒部材102の円筒部102Bと円筒部材78とで、全体としての円筒部が構成されている。そして、当該円筒部の長さ方向における中程において、径方向の張り出したフランジ部102Cが、フランジ付電極100の全体におけるフランジ部でもある。
なお、上記の例では、給電部材58をフランジ付電極100のフランジ部102Cの定着ベルト98のベルト幅方向における外側の主面に摺接させているが、図5(b)に示すように、反対側の主面(すなわち、定着ベルト98のベルト幅方向における内側の主面)に摺接させても構わない。この場合にも、フランジ部102Cを介して給電部材58と対向させて、バックアップ部材104を設けることとしても構わない。上記の図5(a)に示す例では、設置スペースの関係上、バックアップ部材104の周面をフランジ部102Cに摺接させているが、図5(b)に示す例では、バックアップ部材104の長手方向における端面をフランジ部102Cに摺接させている。このようにすれは、バックアップ部材104を曲げようとする(撓ませようとする)外力が働かないため、より強固に支持することができる。
(1)上記実施の形態では、フランジ付電極1個に対し給電部材を1個設けたが、これに限らず、フランジ付電極1個に対し給電部材を複数個設けても良い。実施の形態1において、フランジ付電極68に対し給電部材58を2個設けた例を図6に示す。
(2)実施の形態2において、バックアップ部材104を設けたが、実施の形態1においても、同様に、バックアップ部材を設けても構わない。
(3)上記実施の形態では、定着ベルト内側に、加圧ローラーと対向させて、弾性体ローラーを遊挿したが、これに限らず、弾性体ローラーの外径を定着ベルトの内径と略同じ大きさにし、弾性体ローラーの外周面全体が定着ローラー内周面に密接する構成としても構わない。このようにしても、弾性体ローラーが発泡弾性体といった比較的柔軟な材料で構成されているため、定着ベルトは径方向に容易に変位し、その走行中に上述したばたつきは発生する。
50 定着ベルト
54 加圧ローラー
56,58 給電部材
66,68,100 フランジ付電極
68A 円筒部
68B,102C フランジ部
70 抵抗発熱層
Claims (4)
- 抵抗発熱層を含む定着ベルトの外周面に加圧部材を押圧して定着ニップを形成し、未定着画像の形成されたシートを当該定着ニップに通紙して熱定着する定着装置であって、
ベルト幅方向における前記抵抗発熱層の両側端部に、フランジ付受電部材の筒状部の一部が接触する状態で設けられ、フランジ部には、少なくとも一つの給電部材が前記ベルト幅方向に弾性圧接されていることを特徴とする定着装置。 - 前記給電部材に圧接されるフランジ部を、当該フランジ部を介して前記給電部材と対向する位置で支えるバックアップ部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記定着ベルト内側に、前記加圧部材と対向させて弾性体ローラーが遊挿されていることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
- 電子写真方式によって記録シートに画像を形成する画像形成装置であって、
前記記録シートに形成されたトナー像の定着装置として、請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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