JP2014041021A - 放射性セシウムで汚染したコンクリート廃材の除染方法 - Google Patents

放射性セシウムで汚染したコンクリート廃材の除染方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材を簡易かつ効率的に除染する方法を提供する。
【解決手段】放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材に対してpHが7以上の水溶液を接触させ、前記コンクリート廃材中の放射性セシウムを前記水溶液中に溶出させて、セシウム溶出液を生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射性セシウムで汚染したコンクリート廃材の除染方法に関する。
例えば、原子力発電所において大規模な事故が発生した場合、原子力施設を構成する建屋等も部分的に破壊される場合が多く、上述した事故処理にあっては建屋等を解体して処理する必要がある。上記事故に際しては、大量の放射性核種が飛散するため、上記建屋等を構成するコンクリート材も上記放射性核種で汚染されてしまうことから、当該コンクリート材の処理方法などが懸念される。
汚染されたコンクリート材、すなわちコンクリート廃材に含有される放射性核種の大部分は134Csや137Csであり、特に137Csは半減期が30.2年と長く、長期に影響を及ぼすことが想定される。そのため、コンクリート廃材からのセシウムの除去が望まれる。汚染物質の除去に関しては、いくつかの提案がなされている。
例えば、放射性物質(放射性核種)で汚染されたコンクリート廃材を破砕して、粗粒分と細粒分と微細粒分とを含む連続した粒度分布の粒状のコンクリート廃棄物を得た後、この粒状のコンクリート廃棄物をドラム缶に充填して、上記粒状のコンクリート廃棄物中の水硬性物質の存在により上記粒状のコンクリート廃棄物を固化する方法が提案されている。しかしながら、この方法は、単に放射性核種で汚染されたコンクリート廃材の処理方法を開示しているに過ぎず、上記コンクリート廃材の除染方法については何ら開示していない。
また、コンクリート等の表面に付着した汚染物質に対して、一対の電極から電位を印加することによるイオン化した、塩化ナトリウム等のブライン原料からなるブライン溶液を除染溶液として用い、上記汚染物質を除染する技術が開示されている。しかしながら、この技術では、除去溶液をイオン化するために電圧印加手段が必要であるとともに、当該電圧印加手段からの電圧制御を行う必要があり、操作が煩雑であり、効率よく簡便に汚染物質を除染することが困難であった。
特開平10−153691号 特表2012−503547号
本発明の課題は、放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材を簡易かつ効率的に除染する方法を提供することである。
本発明の一態様は、放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材に対してpHが7以上の水溶液を接触させ、前記コンクリート廃材中の放射性セシウムを前記水溶液中に溶出させて、セシウム溶出液を生成するステップを具えることを特徴とする、放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材の除染方法に関する。
本発明によれば、放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材を簡易かつ効率的に除染する方法を提供することができる。
実施形態におけるコンクリート廃材を除染するための処理装置を概略的に示す図である。 実施形態におけるセシウム溶出液を吸着剤で処理する工程を概略的に示す図である。 実施形態におけるセシウム溶出液を吸着剤で処理する工程を概略的に示す図である。 実施形態におけるセシウム溶出液を吸着剤で処理する工程を概略的に示す図である。 実施形態におけるセシウム溶出液を吸着剤で処理する工程を概略的に示す図である。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材を除染するために使用する処理装置の概略構成を示す図である。
図1に示す処理装置10は、pHが7以上の水溶液W1の入った反応容器11と、反応容器11と配管21を介して接続され、反応容器11で処理して生成された放射性セシウム溶出液W2を回収し、貯留するための貯留槽12とを有している。なお、反応容器11及び貯留槽12には、以下に説明する本実施形態のコンクリート廃材の除染方法に従って、pH調整剤(アルカリ)並びにセメント及びセシウムに対する吸着剤を適宜添加できるように構成されている。
反応容器11の外周部には、反応容器11内の水溶液W1を適当な温度に加熱するためのヒータ111が設けられ、さらに、反応容器11の下部には、攪拌子112が設置されている。なお、攪拌子112に代えて、あるいはこれに加えて超音波印加装置を配設することもできる。
処理装置10を構成する反応容器11、貯留槽12及び配管21は、ステンレス等の耐食性の高い材料から構成する。また、反応容器11及び貯留槽12の容量は、処理すべきコンクリート廃材の量に応じて適宜に選択することができる。
次に、図1に示す放射性廃液の処理装置10を用いた放射性廃液の処理方法について説明する。
最初に、図1の処理装置10における反応容器11中に、放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材Sを浸漬させる。なお、コンクリート廃材Sは、例えば原子力施設を構成する建屋等のコンクリートの瓦礫を水洗浄して表面に付着した泥や土等を洗浄した後、適当な大きさに粉砕することによって得る。
コンクリート廃材Sの大きさは、反応容器11内に浸漬できればその大きさは特に限定されるものではないが、小さいほど水溶液W1との接触面積が増大するので、コンクリート廃材Sからの放射性セシウムの除去をより効果的に行うことができる。但し、通常は、上述した粉砕工程との兼ね合いから、数mm〜数十cmの大きさ、好ましくは数十mm〜数cmの大きさとする。
放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材Sを水溶液W1に浸漬し、必要に応じて水溶液W1を攪拌子112で撹拌し、必要に応じて超音波を印加することにより、コンクリート廃材S中に含有された放射性セシウムが水溶液W1中に溶出するようになる。これは水溶液W1のpHを7以上に保持することに起因する。これは高pH領域で固相の表面電荷が反転し、陽イオンを吸着しにくくなることによる。コンクリート廃材Sを固相、水溶液W1を液相として考えた場合、水溶液W1のpHを7以上とすることにより、セシウムの固相であるコンクリート廃材Sに対する分配係数が減少し、水溶液W1に対する分配係数が増大するためと考えられる。
なお、水溶液W1のpHを増大させてアルカリ性とすることにより、水溶液W1中へのコンクリート廃材Sからの放射性セシウムの溶出量は増大し、特にpHを12以上とすることにより、コンクリート廃材Sからのセシウムの溶出量は増大する。これもアルカリ添加により高pH領域で固相の表面電荷が反転し、陽イオンを吸着しにくくなることによる。コンクリート廃材Sを固相、水溶液W1を液相として考えた場合、水溶液W1のpHを7以上の範囲で増大させることにより、セシウムの固相であるコンクリート廃材Sに対する分配係数が減少し、水溶液W1に対する分配係数が増大するためと考えられる。
水溶液W1のpHを7以上の範囲で増大させる、すなわちアルカリ性とするためには、所定のアルカリを添加する必要があり、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)、アンモニア(NH3)、水酸化カルシウム( Ca(OH)2)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、水酸化バリウム(Ba(OH)2)、水酸化ストロンチウム(Sr(OH)2)、水酸化ルビジウム(Rb(OH)2)等、汎用のアルカリから適宜選択して用いることができる。
上述したアルカリの中でも特に水酸化カリウムを用いることが好ましい。この場合、水溶液W1のpHを他のアルカリを用いて同一とした場合においても、コンクリート廃材Sからの水溶液W1中への放射性セシウムの溶出量を増大させることができる。これは固相へのセシウムの吸着反応ではイオン交換反応も存在し、カリウムのイオン半径がセシウムのイオン半径と近いために、吸着反応が競合するためと考えられる。コンクリート廃材Sを固相、水溶液W1を液相として考えた場合、水溶液W1中の水酸化カリウムを添加してアルカリ性とすることにより、セシウムの固相であるコンクリート廃材Sに対する分配係数が減少し、水溶液W1に対する分配係数が増大するためと考えられる。
以上のように、コンクリート廃材Sから水溶液W1中にセシウムを溶出させた後は、この水溶液W1をセシウム溶出液W2として配管21を介して貯留槽12に移送し、貯留する。
その後は、貯留槽12に対してセメントを添加し、セメント固化して地中に埋めもどすこともできるが、以下に説明するように、セシウムに対する吸着剤を添加し、放射性セシウムのみを吸着剤とともに分離して、セメント固化等、後の処理に供することもできる。
なお、セメント固化に使用するセメントとしては、例えばアルミナセメント、高炉スラグセメント、フライアッシュセメント及びポルトランドセメントを挙げることができる。これらのセメント材は容易に入手ができるとともに安価であって、かつ海水や化学物質に対して安定であるので、本実施形態のように放射性のセシウム溶出液を固化して安定化させるセメント材として適している。特に、アルミナセメントは、アルミニウムの原料であるボーキサイトと石灰石から作られ、酸化アルミニウムを含むセメントであって、混練後すぐに強い強度を発揮するので、イオン閉じ込め性に優れている。
(第2の実施形態)
図2〜図5は、本実施形態の放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材を除染するための方法を説明するための工程図である。
最初に、第1の実施形態に示す方法に従って、貯留槽12にセシウム溶出液W2を貯留する。
次いで、図2に示すように、貯留槽12内のセシウム溶出液W2のセシウム(Cs)に対して磁性体付き吸着剤14を添加し、十分に攪拌混合する。
吸着剤14は、セシウム溶出液W2中に含まれるセシウムに対して高い吸着性能を有することが必要であり、好ましくは、以下の式で定義される分配係数が500(ml/g)以上、より好ましくは1000(ml/g)以上である
Kd=(Ci−Cf)/Cf×V/m
(Kd:分配係数(ml/g)、Ci:溶液中セシウム初期濃度(Bq/g)、Cf:溶液中セシウム平衡後濃度(Bq/g)、V:溶液体積(ml)、m:吸着剤重量(g))。
このような要件を満足する吸着剤としては特に限定されるものではないが、例えばフェロシアン化物、ケイチタン酸、及びゼオライトを挙げることができる。
フェロシアン化物としては、フェロシアン化カリウム、フェロシアン化ナトリウム、フェロシアン化カルシウム、フェロシアン化鉄、フェロシアン化ニッケル、フェロシアン化銅などを上げることができる。また、ゼオライトは、モルデナイト型ゼオライト、チャバサイト型ゼオライト、クリノプチロライト型ゼオライト、A型ゼオライト、Y型ゼオライト、X型ゼオライトなどを挙げることができる。さらに、ケイチタン酸は、ケイチタン酸バリウム、ケイチタン酸ストロンチウムなどの塩であってもよい。
なお、吸着剤14の分配係数は高いほど好ましいが、現状での上限値は約10000程度である。このような吸着剤14としては、所定のゼオライト、例えばモルデナイト型ゼオライトや、所定のフェロシアン化物、例えばフェロシアン化ニッケルによって達成することができる。
また、添加する吸着剤14の量は、吸着剤14の種類(分配係数)やセシウム溶出液W2中のセシウム濃度などに応じて適宜決定する。
一方、図2に示す吸着剤14は磁性体が担持されているが、吸着剤14に対する磁性体の担持は、例えば圧着法あるいはゾルゲル法で行うことができる。
圧着法による場合は、例えば、吸着剤14及び磁性体を、ミキサー、撹拌機、ミル、ニーダー等の混練機中で混練することによって、吸着剤14と磁性体とを圧着することができる。また、実験室レベルにおいては、吸着剤14及び磁性体を乳鉢に入れ、乳棒で吸着剤14及び磁性体を擦り潰して圧力を負荷することによっても行うことができる。
ゾルゲル法による場合は、別途準備した容器内に吸着剤14及び磁性体を入れ、これにヒドロゾルあるいはオルガノゾルを導入し、十分混合した後に加熱してゲル化することにより、吸着剤14及び磁性体を接着させるものである。なお、多量の吸着剤14を使用する場合は、ヒドロゲルを用いた方が安価であって好ましい。
また、磁性体は、磁鉄鉱、チタン鉄鉱、磁硫鉄鉱、マグネシウムフェライト、コバルトフェライト、ニッケルフェライト、バリウムフェライトなどから構成できるが、水中での安定性に優れたフェライト系化合物からなる磁性粒子であればより好ましい。例えば磁鉄鉱であるマグネタイト(Fe)は安価であるだけでなく、水中でも磁性体として安定し、元素としても安全であるため、水処理に使用しやすいので好ましい。
磁性体は、球状、多面体、不定形など種々の形状を取り得るが特に限定されず、望ましい粒径や形状は、製造コストなどを鑑みて適宜選択すればよい。
図2に示すように、セシウム溶出液W2に対して吸着剤14を添加すると、図3に示すように、吸着剤14はセシウム溶出液W2中のセシウムを吸着するようになる。
次いで、吸着剤14がセシウム溶出液W2中のセシウムを吸着した後は、図4に示すように、貯留槽12中に磁石16を挿入し、適宜攪拌することにより、磁石16に対してセシウム溶出液W2中の吸着剤14を、これに担持された磁性体の磁力を利用して付着させる。その後、図5に示すように、磁石16を貯留槽12から引き上げることによって、磁石16とともに放射性セシウムを吸着した吸着剤14が貯留槽12、すなわちセシウム溶出液W2から取り出され、その結果、セシウム溶出液W2からは放射性セシウムが除去されることになる。なお、放射性セシウムが除去された後は、貯留槽12内には処理水W3が残留する。
なお、磁石16を貯留槽12内に挿入する代わりに、貯留槽12の周囲に電磁石や永久磁石等を配置し、これら磁石を上下動させることなどによってセシウム溶出液W2中の磁性体付き吸着剤14を貯留槽12外に取り出すようにすることもできる。
図5に示すように、貯留槽12から取り出した放射性セシウムを吸着した吸着剤14が付着した磁石16は、その後、電磁石の場合は通電を止めるまたは掻き取りなどの処理を、永久磁石の場合は掻き取り処理をして吸着剤14を磁石16より除去し、除去された吸着剤14は必要に応じて焼却減容処理などを施した後にセメント固化またはガラス固化などの処理を経る。これによって、セシウム溶出液W2中に含まれた放射性セシウムの除去及び放射性処理が行われることになる。
(実施例1)
セシウムを1ppm吸着させた大きさ数mm、重さ15gのコンクリート廃材を準備し、これをpH7の純水(水溶液)W1及び水酸化カリウムを溶解させ、pHを12に調整した水溶液W1中に浸漬させて超音波を印加した後の、上記コンクリート廃材からのセシウムの除去率を測定した。なお、除去率は、水溶液W1中に溶出したセシウムの濃度を測定することにより導出した。
その結果、純水の場合は、コンクリート廃材に吸着したセシウムの内の2%が除去され、水酸化カリウム水溶液の場合は、コンクリート廃材に吸着したセシウムの内の18%が除去されることが判明した。
また、上述のような操作を繰り返し実施したところ、特に水酸化カリウム水溶液の場合は、コンクリート廃材から再度16%のセシウムが除去されていることが判明した。このことから、特に水溶液W1のpHが12以上であり、水酸化カリウムを含む場合において、コンクリート廃材からのセシウムの除去率が高くなっていることが分かる。
(実施例2)
本実施例では、実施例1で得たセシウム溶出液に対する吸着剤によるセシウム吸着効果を調べた。
ビーカー中に、セシウム濃度8×10−10mol/lのセシウム水溶液(溶出液)の40mlを入れ、これにマグネタイトを担持させたフェロシアン化ニッケルを、質量比で磁性体付着吸着剤/セシウム溶液=1/1000となるように添加して撹拌し、24時間静置した。その後、棒磁石を入れて磁性体付吸着剤を当該棒磁石に付着させ、セシウム水溶液中のセシウム残存量を測定し、フェロシアン化ニッケルの、水溶液中におけるセシウムに対する吸着性能を評価した。
なお、マグネタイトをフェロシアン化ニッケルに担持するに際しては、平均粒子径0.5μmのマグネタイト粉末と平均粒子径100μmのフェロシアン化ニッケル粉末とを乳鉢で1〜3分間乳棒で擦りつぶして圧着させた。
その結果、水溶液中のセシウムの残存量は4×10−10mol/lとなり、上述した磁性体付き吸着剤によって、懸濁液中のセシウムの50%が吸着除去されていることが判明した。
(実施例3)
磁性体付き吸着剤を、平均粒子径0.5μmのマグネタイト粉末と平均粒子径100μmのフェロシアン化ニッケル粉末の混合物10mlとにシリカゾル10mlを入れた後に、150℃に加熱することによってゲル化し、マグネタイト粒子とフェロシアン化ニッケル粉末とを接着した以外は、実施例2と同様にして懸濁液を調整し、磁性体付き吸着剤によるセシウムの吸着量を評価した。
その結果、懸濁液中のセシウムの残存量は4×10−10mol/lとなり、上述した磁性体付き吸着剤によって、懸濁液中のセシウムの50%が吸着除去されていることが判明した。
なお、上記実施例では、セシウムの吸着剤としてフェロシアン化ニッケルを用いた場合について説明したが、ケイチタン酸、モデナイト型ゼオライト、及びチャバサイト型ゼオライトを用いた場合においても、懸濁液中から高い割合でセシウムが吸着除去されていることが判明した。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 コンクリート廃材を除染するための処理装置
11 反応容器
12 貯留槽
14 吸着剤
16 磁石
21 配管
S コンクリート廃材
W1 水溶液
W2 セシウム溶出液

Claims (9)

  1. 放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材に対してpHが7以上の水溶液を接触させ、前記コンクリート廃材中の放射性セシウムを前記水溶液中に溶出させて、セシウム溶出液を生成するステップを具えることを特徴とする、放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材の除染方法。
  2. 前記水溶液はアルカリ性であることを特徴とする、請求項1に記載の放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材の除染方法。
  3. 前記水溶液はアルカリ種として水酸化カリウムを含むことを特徴とする、請求項2に記載の放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材の除染方法。
  4. 前記セシウム溶出液中に放射性セシウムに対して吸着性を有する吸着剤を浸漬させ、前記吸着剤に対して前記放射性セシウムを吸着させるステップを具えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材の除染方法。
  5. 前記吸着剤は、Kd=(Ci−Cf)/Cf×V/m
    (Kd:分配係数(ml/g)、Ci:溶液中セシウム初期濃度(Bq/g)、Cf:溶液中セシウム平衡後濃度(Bq/g)、V:溶液体積(ml)、m:吸着剤重量(g))で示される分配係数が500ml/g以上であることを特徴とする、請求項4に記載の放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材の除染方法。
  6. 前記吸着剤は、フェロシアン化物、ケイチタン酸、及びゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項5に記載の放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材の除染方法。
  7. 前記吸着剤に対して磁性体を担持させることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一に記載の放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材の除染方法。
  8. 前記吸着剤に対する前記磁性体の担持は、圧着法によって実施することを特徴とする、請求項7に記載の放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材の除染方法。
  9. 前記吸着剤に対する前記磁性体の担持は、ゾルゲル法によって実施することを特徴とする、請求項7に記載の放射性セシウムで汚染されたコンクリート廃材の除染方法。
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