JP2014041011A - 血液凝集解析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】凝集の発生要因の血球種を特定する。
【解決手段】血液を流路に流して凝集の解析を行う血液凝集解析装置1は、解析部5を備える。この解析部5は、流路に流された血球のうち、凝集体Gを構成しない血球のサイズを血球種ごとに取得し、流路に流された血球のうち、凝集体Gを構成する血球のサイズ及び血球種を取得し、凝集体Gを構成しない血球のサイズと、凝集体Gを構成する血球のサイズとを血球種ごとに比較して、比較結果を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、血液凝集解析装置に関する。
従来より、健康に対する関心の高まりとともに、健康のバロメータとして血液の流動性や凝集能が注目されるようになっている。そのため、近年では、血液の流動性や凝集能を測定するための様々な技術が開発されている。
このうち、血液の流動性を調べる方法としては、微細な溝を有するフィルタに血液を通過させて、通過に要する時間を計測する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。この技術では、微細な溝のアレイを表面に備えたベース基板と透明基板とを密着させ、当該溝のアレイによってマイクロチャネルアレイを形成し、このマイクロチャネルアレイに血液を通過させて、通過時間を計測している。
また、血液の凝集能を調べる方法としては、上記と同様のマイクロチャネルアレイに血液を流しつつ、その様子をカメラで撮影する方法が知られている(例えば特許文献2参照)。この技術では、カメラによって血液の停滞箇所の画像を取得し、この画像から当該停滞箇所に含まれる血球種や、各種類の血球の面積、個数、位置などを求め、血液の凝集能として用いている(例えば特許文献2参照)。
ところで、血液の流動性の低下は血液の凝集を引き起こすため、心筋梗塞や冠動脈疾患など、心血管に生じる病気(以下、心血管イベントとする)に密接な関係を持つといわれている。そして、血液流動性の低下(ひいては凝集の発生)は、主に各種血球の変形能の低下によって引き起こされると考えられている。血球の変形能が低下すると、血液流動性が低下して凝集が発生する結果、血管内に血栓が形成され、血管閉塞を引き起こし、心筋梗塞などの心血管イベントに至ってしまう。
そのため、近年では、凝集の発生要因となる血球種を予め特定できる技術に対する要望が高まっている。
特開2006−145345号公報 国際公開第2009/133769号
しかしながら、上記特許文献1,2記載の技術では、血液の流動性や凝集能を測定することはできるものの、凝集の発生要因となる血球種を特定することはできない。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、凝集の発生要因の血球種を特定することのできる血液凝集解析装置を提供することを課題とする。
前記の課題を解決するために、本発明の血液凝集解析装置は、
血液を流路に流して凝集の解析を行う血液凝集解析装置において、
前記流路に流された血球のうち、凝集体を構成しない血球のサイズを血球種ごとに取得する正常血球サイズ取得部と、
前記流路に流された血球のうち、凝集体を構成する血球のサイズと血球種とを取得する凝集血球情報取得部と、
前記正常血球サイズ取得部により取得されたサイズと、前記凝集血球情報取得部により取得されたサイズとを血球種ごとに比較して、比較結果を出力する比較結果出力部と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、凝集の発生要因の血球種を特定することができる。
血液凝集解析装置の全体構成を示すブロック図である。 フィルタの側断面図である。 (a)は孔部の上面図であり、(b)は側断面図である。 解析結果記憶手段による記憶内容を示す図である。 血液凝集解析処理のフロー図である。 血流画像の一例を示す図である。 形状・サイズ解析処理のフロー図である。 異常挙動血球判定処理のフロー図である。 血流画像の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
図1は、本実施の形態における血液凝集解析装置1の全体構成を示すブロック図である。
この図に示すように、血液凝集解析装置1は、注入口10から注入した血液をフィルタ2に通して排出槽11へ導き、その過程で取得される情報から凝集の解析を行うものである。この血液凝集解析装置1は、主に、フィルタ2と、フィルタ2中の血液の流れを撮影するTVカメラ3と、TVカメラ3で撮影された血流画像を画像処理する画像処理部4と、血液の凝集を解析する解析部5とを備えている。
また、血液凝集解析装置1は、生理食塩水や生理活性物質などの液体を血液と混合してフィルタ2に導けるよう、ミクサー12や複数の溶液びん13を備えている。生理食塩水や生理活性物質などの液体と混合した血液(以下、血液という)は、差圧制御部14がポンプ15を制御してフィルタ2前後の差圧を調整することにより、フィルタ2中を所望量が流れるようになっている。また、ミクサー12,ポンプ15,注入口10のバルブ10a,及び解析部5は、シーケンス制御部16によって統合制御されている。
フィルタ2は、図2に示すように、ベース板21と、ベース板21上に固定されるシリコン単結晶基板22と、シリコン単結晶基板22の側面を囲んでベース板21上に固定される外側板23と、外側板23上に固定されるガラス平板24とから構成されている。シリコン単結晶基板22と上面のガラス平板24との間には、微細な流路群の孔部25が形成されるとともに、ベース板21には、シリコン単結晶基板22の中央部の穴に連通する導入口21aや、シリコン単結晶基板22と外側板23との隙間に連通する排出口21bが形成されている。これら導入口21a及び排出口21bは、チューブを介して注入口10及び排出槽11と連通されている。このような構成により、導入口21aからフィルタ2中へ導入された血液は、孔部25を通過して、排出口21bから排出されるようになっている。また、フィルタ2には、孔部25前後での各圧力を計測する圧力センサE1,E2が設けられ、この圧力センサE1,E2は、計測した各圧力P1,P2を差圧制御部14へ出力するようになっている(図1参照)。
フィルタ2に形成される孔部25は、図3(a),(b)に示すように、マイクロチャネル(ゲート)25aを多数有している。具体的には、シリコン単結晶基板22の上面における血流方向X(図3(a)の上下方向)の中央部分には、上面視六角形状の複数の土手部22aがそれぞれ血流方向Xに沿って延在するよう配設され、全体として血流方向Xの直交方向に配列された状態となっており、これら土手部22aの上面はガラス平板24に接合されている。これにより、各土手部22aの間にはマイクロチャネル25aが形成され、血流方向Xの直交方向に並んで配設された状態となっており、これらのマイクロチャネル25aによってマイクロチャネルアレイ250が形成されている。ここで、各マイクロチャネル25aの断面積は当該マイクロチャネル25aに対する上流側及び下流側の流路部分よりも小さくなっている。より具体的には、本実施の形態におけるマイクロチャネル25aの幅tは血液中の血球、例えば赤血球の血球径(約8μm)よりも狭く形成されている。図3(a)に示すように、このように形成された孔部25を流れる血液中の血球、例えば赤血球は、まずマイクロチャネル25a上流の入口領域Aを通った後、マイクロチャネル25aの内部領域Bを変形しながら通過し、最後にマイクロチャネル25a下流の出口領域Cを通過する。なお、特に限定はされないが、孔部25の上流端からマイクロチャネル25aの上流端までの長さla、マイクロチャネル25aの長さlb、及びマイクロチャネル25aの下流端から孔部25の下流端までの長さlcは、それぞれ約30μmに形成されている。
TVカメラ3は、本発明における撮影部であり、例えばデジタルCCDカメラなど、血流画像を取り込むのに十分な解像度を有した高速カメラである。このTVカメラ3は、図1に示すように、フィルタ2の上部に設置され、孔部25を通過する血液の流れを、ガラス平板24を介して撮影する。その撮影範囲は、複数のマイクロチャネル25aにおける入口領域A、内部領域B、及び出口領域Cを含む範囲となっている(図3(a)参照)。TVカメラ3によって得られた血流画像は、画像処理部4に出力されるとともに、図示しないディスプレイに表示されるようになっている。なお、TVカメラ3は、特に限定はされないが、動画が撮影可能なカメラである。
画像処理部4は、CPU(Central Processing Unit)等の解析手段や半導体メモリ等の記憶手段など(図示せず)を備え、TVカメラ3及び解析部5と電気的に接続されている。この画像処理部4は、TVカメラ3から入力された血流画像に対して画像処理を行うことにより、血流中の凝集体G(図6参照)に含まれる血球種を判別して、画像情報として解析部5へ出力する。
解析部5は、CPUなど(図示せず)を有しており、血液の凝集を解析するようになっている。この解析部5は、画像処理部4と電気的に接続されており、画像処理部4が出力した画像情報から血液中の凝集体Gを検出し、その解析を行って、結果をディスプレイ(図示せず)に表示させるようになっている。また、この解析部5は、画像処理部4と協働して、本発明における正常血球サイズ取得部、凝集血球情報取得部、比較結果出力部、凝集体別血球数出力部、粘着レベル出力部、全凝集体血球数出力部、異常レベル出力部、血球特定部、滞留血球情報取得部及び滞留血球比較結果出力部として機能するようになっている。なお、解析部5による具体的な処理内容については後述する。この解析部5は、PC等を用いて画像処理部4と一体に構成されてもよい。
以上の解析部5には、半導体メモリ等などで構成された解析結果記憶部50が接続されている。
解析結果記憶部50は、本発明における記憶部であり、解析部5による解析結果を記憶するようになっている。この解析結果記憶部50は、正常血球データ記憶部50a、異常血球データ記憶部50b及び異常血球総数記憶部50cを有している。このうち、正常血球データ記憶部50aは、図4(a)に示すように、凝集体Gを構成しない血球(以下、正常血球とする)についての解析結果を記憶するようになっている。また、異常血球データ記憶部50bは、図4(b)に示すように、凝集体Gを構成する血球(以下、異常血球とする)についての解析結果を記憶するようになっている。また、異常血球総数記憶部50cは、異常血球の総数を血球種ごとに記憶するようになっている。なお、図4(b),(c)には、後述の図6に示す血流画像の解析結果が図示されている。また、図4(b)には、図示の簡略化のため、各異常血球の解析結果のうち、凝集体Gの要因となった血球(以下、凝集要因血球Kとする)の解析結果のみが図示されている。これら正常血球データ記憶部50a、異常血球データ記憶部50b及び異常血球総数記憶部50cの具体的な記憶内容については後述する。
続いて、血液の凝集を解析する際の血液凝集解析装置1の動作について、図面を参照しながら説明する。
図5は、血液凝集解析装置1において行われる血液凝集解析処理を示すフロー図である。
この図に示すように、本実施の形態における血液凝集解析処理においては、まず孔部25中の血流が撮影される(ステップS1)。このステップでは、最初に、注入口10へ計測対象の血液が注がれるとともに、必要に応じて溶液びん13へ生理食塩水等が加えられる。そして、フィルタ2に所定の差圧が作用して血液をフィルタ2へ流すと同時に、TVカメラ3で孔部25中の血流が動画撮影される。この撮影により、図6に示すような血流画像が得られる。なお、図6では、径の大きい白塗りの円形状の図形によって白血球を示し、径の小さい網掛けの円形状の図形によって血小板を示し、網掛けの楕円形状の図形によって赤血球を示しており、具体的には、図6に示される血球と、その血球種との対応関係は、図4(b)の1段目,3段目,4段目に示す通りとなっている。
次いで、画像処理部4により所定時間分の血流画像が処理され、血流中の凝集体Gの検出処理が行われる(ステップS2)。具体的には、経時的に撮影された血流画像に基づいて血流内の各血球が追跡され、移動せずに滞留する血球が検出されることで凝集体Gが検出された後、凝集体G内の各血球の種類(血球種)が識別される。ここで、血流内の各血球を追跡する手法としては、例えば国際公開第2009/69417号に記載の手法を用いることができる。また、血流画像から凝集体Gを検出し、凝集体G内の血球の種類を識別する手法としては、例えば上述の特許文献2に記載の手法のうち、血流画像から血球滞留部を検出し、血球滞留部内の血球種を識別する手法を流用することができる。
そして、所定時間(例えば10秒)分の血流画像についてステップS2の処理(凝集体Gの検出及び凝集体内の各血球の種類の識別)が終了すると、図5に示すように、全ての血流画像について凝集体Gの検出処理が行われたか否かが解析部5によって判定され(ステップS3)、検出処理を未だ行っていない血流画像に対して凝集体Gの検出処理が順次行われる。ここで、全ての血流画像とは、ステップS1でTVカメラ3に撮影された血流動画から所定の時間間隔毎に抽出された画像の全てである。
そして、全ての血流画像について凝集体Gの検出処理が行われると(ステップS3;Yes)、凝集体Gが存在したか否か、より詳細には、ステップS2で行われた各検出処理によって凝集体Gが1つでも存在したか否かが解析部5によって判定される(ステップS4)。
このステップS4の処理において凝集体Gが存在したと判定された場合(ステップS4;Yes)には、解析部5や画像処理部4によって血球の形状・サイズ解析処理が行われる(ステップS5)。
具体的には、図7に示すように、まず解析部5により、ステップS2での凝集体Gの検出結果に基づいて、TVカメラ3に撮影された血流動画から所定の時間間隔毎に抽出された各血流画像を区分して得られる各画像領域のうち、凝集体Gの存在しなかった少なくとも1つの画像領域、即ち、正常血球のみが撮影されている画像領域から、各血球種の正常血球が複数個ずつ抽出され(ステップU1)、抽出された正常血球の1個ずつの形状が特定される(ステップU2)。次に、特定された各正常血球の形状に基づいて当該正常血球のサイズが解析部5により計測された後、図4(a)に示すように、血球種ごとの平均サイズが算出され、正常血球データ記憶部50aに記憶される(ステップU3)。これらのステップU1〜U3により、フィルタ2の流路に流された血球のうち、凝集体Gを構成しない血球のサイズが血球種ごとに取得されることとなる。ここで、本実施の形態においては、血球のサイズとして、血流方向Xの寸法(長さ)、血流方向Xの直交方向の寸法(幅)及び面積が用いられている。
次に、解析部5により、上述のステップS3での凝集体Gの検出結果に基づいて、凝集体Gの存在した血流画像から、凝集体Gの画像がそれぞれ抽出される(ステップU4)。
次に、画像処理部4により、抽出された各凝集体Gの画像に対し、当該凝集体Gを構成する各異常血球のエッジ(輪郭線)を強調するよう、画像処理が行われる(ステップU5)。なお、凝集体Gに含まれる異常血球を正確に検出する観点からは、このステップU5における画像処理が複数回行われ、エッジの強調度合いが高められることが好ましい。
次に、解析部5により、ステップU5での画像処理結果に基づいて、凝集体Gに含まれる各異常血球が抽出され、分離した血球として認識される(ステップU6)。これにより、凝集体Gごとに、当該凝集体Gに含まれる各血球種の血球数がカウント可能となる。なお、このステップU6の処理においては、各血球種について予め記憶された血球画像を用いてパターンマッチングを行い、異常血球を抽出することが好ましい。また、異常血球は平面視において円状から楕円状に変形している場合が多いため、例えば「最小2乗法による重なり合うだ円状パターンの分離計測」(渡辺孝志、他1名、電子情報通信学会論文誌D、電子情報通信学会、1987年6月、Vol.J70-D No.6、P1173-P1180)に開示の技術を用いて楕円状の血球を抽出しても良い。具体的には、異常血球のエッジから個々の血球パターンに合致する部分曲線の組を分離し、最小2乗法を適用して各楕円方程式を推定した後、方程式の係数から楕円状パターンの各パラメータを決定し、血球の抽出を行う。
ステップU6の処理が終了すると、次に、解析部5により、各異常血球の形状及び血球種が特定されるとともに、形状の特定結果に基づいて各異常血球のサイズが計測された後、図4(b)に示すように、凝集体Gごとに区分して、各異常血球の血球種及びサイズが異常血球の解析データの一部として異常血球データ記憶部50bに記憶される(ステップU7)。これらのステップU4〜U7により、フィルタ2の流路に流された血球のうち、凝集体Gを構成する異常血球のサイズ及び血球種が取得されることとなる。
そして、解析部5により、血球種ごとに、各異常血球のサイズと、正常血球の平均サイズとが比較されて、異常血球の面積に対する正常血球の面積の割合(=(正常血球の面積)/(異常血球の面積)×100)の値(以下、面積割合(W)とする)が算出され(ステップU8)、形状・サイズ解析処理が終了する。
以上のステップS5の形状・サイズ解析処理が終了すると、図4(b),図5に示すように、異常血球の解析データの一部として、各異常血球のサイズに関する異常レベルの算出が解析部5によって行われた後、凝集体Gごとに区分して、異常血球データ記憶部50bに記憶される(ステップS6)。具体的には、上述の面積割合(W)が0≦W<5(%)の場合には、異常レベルが「A」として算出され、面積割合(W)が5≦W<20(%)の場合には異常レベルが「B」として算出される。同様に、面積割合(W)が20≦W<50(%)の場合には異常レベルが「C」として算出され、面積割合(W)が50≦W<100(%)の場合には異常レベルが「D」として算出され、面積割合(W)が100≦W(%)の場合には異常レベルが「E」として算出される。但し、各異常レベルの閾値は他の値であっても良い。
次に、解析データに対するナンバリングと、凝集発生要因になった血球種の特定とが解析部5によって行われる(ステップS7)。
具体的には、図4(b),図6に示すように、まず血流画像内の各凝集体Gにナンバリングが行われて番号(以下、凝集体番号とする)が振られた後、各凝集体Gの解析データ(異常血球のサイズや異常レベル)に対応付けて、当該凝集体Gの識別情報(例えば凝集体Gの位置情報など。但し図4(b)では図示せず)と、該当の凝集体番号(当該凝集体Gに振られた凝集体番号)とが異常血球の解析データの一部として異常血球データ記憶部50bに記憶される。なお、図6では、凝集体番号の各数字を丸で囲い、該当する凝集体Gの近傍に図示している。
次に、各凝集体Gを追跡しながら血流画像を逆再生することにより、当該凝集体Gの凝集要因血球Kが特定された後、各凝集体Gについて、当該凝集体Gの発生時点の血流画像(逆再生により凝集要因血球Kが特定された時点の血流画像)から凝集要因血球Kの画像が抽出され、当該凝集体Gの凝集体番号に対応付けて異常血球の解析データの一部として異常血球データ記憶部50bに記憶される。
以上、ステップS7の処理により、ナンバリングされた各凝集体Gに対して、ナンバリングの番号と、当該凝集体Gに含まれる異常血球のサイズの解析データ等とが対応付けて記憶されることとなる。
ステップS7の処理が終了すると、図4(c)に示すように、次に、全凝集体Gを構成する異常血球の総数が解析部5により血球種ごとに総計されて、異常血球総数記憶部50cに記憶される(ステップS8)。
次に、図4(b)に示すように、異常血球の解析データの一部として、凝集体Gごとに、当該凝集体Gを構成する血球数がカウントされ、凝集要因血球Kにより粘着された血球の個数(以下、粘着血球数とする)が(凝集体Gを構成する血球数)−1の計算式によって算出され、当該凝集体Gの凝集体番号に対応付けて異常血球データ記憶部50bに記憶された後、解析結果記憶部50に記憶された解析結果がディスプレイに出力され(ステップS9)、血液凝集解析処理が終了する。また、このステップS9の処理では、算出された粘着血球数に基づいて、凝集要因血球Kの粘着レベルが算出され、該当の凝集体番号(当該粘着血球数に対応する凝集体番号)に対応付けて異常血球データ記憶部50bに記憶される。ここで、本実施の形態においては、粘着血球数が0〜4(個)の場合には、粘着レベルが「I」として算出され、粘着血球数が5〜7(個)の場合には、粘着レベルが「II」として算出される。同様に、粘着血球数が8〜14(個)の場合には、粘着レベルが「III」として算出され、粘着血球数が15(個)以上の場合には、粘着レベルが「IV」として算出される。但し、各粘着レベルの閾値は他の値であっても良い。なお、このステップS9で出力される解析結果のうち、異常血球データ記憶部50bから読み出されて出力される解析結果は、全ての異常血球の解析結果であっても良いし、図4(b)に示すように、凝集要因血球Kのみの解析結果であっても良い。
また、図5に示すように、上述のステップS4の処理において凝集体Gが存在しなかったと判定された場合(ステップS4;No)には、異常挙動を示す血球の有無判定処理が解析部5によって行われる(ステップS21)。具体的には、図8に示すように、まず、血流画像におけるマイクロチャネルアレイ250の出口領域Cの部分が解析部5によって経時的に解析され(ステップV1)、血球の流れ方向が正常であるか否か(血流方向Xに沿っているか否か)が判定される(ステップV2)。そして、血球の流れ方向が正常である場合(ステップV2;Yes)には、血球の挙動が正常であると判定され(ステップV3)、判定処理が終了する。一方、血球の流れ方向が異常である場合(ステップV2;No)、具体的には、図9に太線で囲って示すように、血球がマイクロチャネル25aの出口部分に張り付いたり、この血球に対して他の血球が雨粒状に張り付いたりする結果、血球が血流方向Xに対して横向きや逆向きに移動して出口領域Cに滞留する場合には、血球の挙動が異常であると判定され(ステップV4)、判定処理が終了する。
以上の判定処理が終了すると、図5に示すように、異常挙動があったか否かが解析部5によって判定され(ステップS22)、異常挙動がなかったと判定される場合(ステップS22;No)には、血液凝集解析処理が終了する。
また、このステップS22の処理において異常挙動があったと判定された場合(ステップS22;Yes)には、上述のステップS5と同様に、血球の形状・サイズ解析処理が解析部5によって行われる(ステップS23)。但し、このステップS23から後述のステップS27までの処理では、マイクロチャネルアレイ250の出口領域Cで異常挙動を示して滞留した血球の集まり(但し、異常挙動を示した血球のみの場合を含む)を凝集体Gとして扱うようになっている。
以上のステップS23の処理により、マイクロチャネルアレイ250の出口領域Cに滞留する血球(異常血球)のサイズ及び血球種が取得され、血球ごとに正常血球の平均サイズと、異常血球の平均サイズとが比較されることとなる。
ステップS23の形状・サイズ解析処理が終了すると、上述のステップS6,S7と同様に、異常血球のサイズに関する異常レベルの算出が解析部5によって行われ(ステップS24)、解析データに対するナンバリングと、凝集要因血球K(ここでは最初に異常挙動を示した血球)の種類の特定とが解析部5によって行われる(ステップS25)。
次に、上述のステップS8の処理と同様に、全凝集体Gを構成する異常血球の総数が解析部5により血球種ごとに総計されて、異常血球総数記憶部50cに記憶される(ステップS26)。
そして、上述のステップS9の処理と同様に、凝集体Gごとに、当該凝集体Gを構成する血球数がカウントされて、粘着血球数が算出され、当該凝集体Gの凝集体番号に対応付けて異常血球データ記憶部50bに記憶された後、解析結果記憶部50に記憶された解析結果がディスプレイに出力され(ステップS27)、血液凝集解析処理が終了する。
以上のように、本実施の形態における血液凝集解析装置1によれば、凝集体Gを構成しない正常血球の血球種ごとのサイズと、凝集体Gを構成する異常血球のサイズとが取得され、取得されたこれらのサイズの血球種ごとの比較結果が出力されるので、この比較結果に基づいて、凝集体Gにおける血球、つまり異常血球の変形の度合いを、血球種ごとに取得することができる。従って、何れの種類の血球で変形能が低下しているか、ひいては何れの種類の血球が凝集を引き起こし易くなっているかを知ることができるため、凝集の発生要因の血球種を特定することができる。
また、血球種ごとのサイズの比較結果から、各種類の血球の異常レベルが算出されて出力されるので、何れの種類の血球が凝集を引き起こし易くなっているかを容易に知り、凝集の発生要因の血球種を容易に特定することができる。
また、凝集体Gごとに、当該凝集体Gを構成する血球数がカウントされて出力されるので、凝集体Gの要因となった血球が他の血球を幾つ粘着させているかを知ることができる。従って、凝集体Gの要因となった血球がどの程度、凝集を引き起こし易くなっているかを知ることができる。
また、凝集体Gごとの血球数から、当該凝集体Gの要因となった血球の粘着レベルが算出されて出力されるので、凝集体Gの要因となった血球がどの程度、他の血球を粘着させているかを知ることができる。従って、凝集体Gの要因となった血球がどの程度、凝集を引き起こし易くなっているかを容易に知ることができる。
また、全凝集体Gを構成する血球数が血球種ごとに総計されて出力されるので、何れの種類の血球がどの程度、凝集し易くなっているかを知ることができる。
また、流路における血液の流れが撮影され、撮影画像を逆再生することにより凝集要因血球Kが特定されるので、凝集要因血球Kの血球種を確実に特定することができる。
また、撮影画像内の各凝集体Gにナンバリングが行われ、ナンバリングされた凝集体Gに対し、ナンバリングの番号と、当該凝集体Gについて取得された血球サイズのデータと、が対応付けられて記憶されるので、凝集体Gごとの解析を容易化することができる。
また、マイクロチャネルアレイ250の出口領域Cに滞留する血球のサイズが血球種ごとに取得され、血球種ごとに、凝集体G(滞留部)を構成しない血球のサイズと、出口領域Cに滞留する異常血球のサイズとが比較されて、比較結果が出力されるので、この比較結果に基づいて異常挙動の血球、つまり凝集し易い異常血球の変形の度合いを血球種ごとに取得することができる。従って、何れの種類の血球が凝集を引き起こし易くなっているかを知ることができるため、凝集の発生要因の血球種を確実に特定することができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、血液が流れるフィルタ2の孔部25は、マイクロチャネル25aを備えなくともよく、血液が略一定の方向へ流れていればよい。
1 血液凝集解析装置
3 TVカメラ
5 解析部
25a マイクロチャネル
50 解析結果記憶手段
250 マイクロチャネルアレイ

Claims (8)

  1. 血液を流路に流して凝集の解析を行う血液凝集解析装置において、
    前記流路に流された血球のうち、凝集体を構成しない血球のサイズを血球種ごとに取得する正常血球サイズ取得部と、
    前記流路に流された血球のうち、凝集体を構成する血球のサイズと血球種とを取得する凝集血球情報取得部と、
    前記正常血球サイズ取得部により取得されたサイズと、前記凝集血球情報取得部により取得されたサイズとを血球種ごとに比較して、比較結果を出力する比較結果出力部と、
    を備えることを特徴とする血液凝集解析装置。
  2. 請求項1記載の血液凝集解析装置において、
    凝集体ごとに、当該凝集体を構成する血球数をカウントして出力する凝集体別血球数出力部を備えることを特徴とする血液凝集解析装置。
  3. 請求項2記載の血液凝集解析装置において、
    前記凝集体別血球数出力部は、
    凝集体ごとの血球数から、当該凝集体の要因となった血球の粘着レベルを算出して出力する粘着レベル出力部を有することを特徴とする血液凝集解析装置。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の血液凝集解析装置において、
    全凝集体を構成する血球数を血球種ごとに総計して出力する全凝集体血球数出力部を備えることを特徴とする血液凝集解析装置。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の血液凝集解析装置において、
    前記比較結果出力部は、
    血球種ごとのサイズの比較結果から、各種類の血球の異常レベルを算出して出力する異常レベル出力部を有することを特徴とする血液凝集解析装置。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の血液凝集解析装置において、
    前記流路における血液の流れを撮影する撮影部と、
    前記撮影部による撮影画像を逆再生することにより、凝集体の要因となった血球を特定する血球特定部とを備えることを特徴とする血液凝集解析装置。
  7. 請求項6記載の血液凝集解析装置において、
    前記撮影部による撮影画像内の各凝集体にナンバリングを行い、ナンバリングされた凝集体に対し、ナンバリングの番号と、当該凝集体について前記凝集血球情報取得部により取得された血球のサイズ及び血球種と、を対応付けて記憶する記憶部を備えることを特徴とする血液凝集解析装置。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載の血液凝集解析装置において、
    前記流路には、
    自身に対する上流側及び下流側の流路部分よりも断面積の小さい複数のマイクロチャネルが血流方向と交差する方向に並ぶように配設されてマイクロチャネルアレイが形成されており、
    前記凝集血球情報取得部は、
    前記マイクロチャネルアレイの出口領域に滞留する血球のサイズと血球種とを取得する滞留血球情報取得部を有し、
    前記比較結果出力部は、
    前記正常血球サイズ取得部により取得されたサイズと、前記滞留血球情報取得部により取得されたサイズとを血球種ごとに比較して、比較結果を出力する滞留血球比較結果出力部を有することを特徴とする血液凝集解析装置。
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