JP2014040721A - 弦材の係留構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】木製の桁の剛性を向上させるため、テンションロッドなどの弦材を配置する場合に用いられ、弦材に作用する張力により、桁が引き裂かれることを防止できる弦材の係留構造を提供する。
【解決手段】桁10の中間部から突出する支柱15を設けて、支柱15の先端付近を経由して桁10の両端部を結ぶ弦材20を組み込み、桁10の剛性を向上させる場合において、桁10の端部で弦材20を引き留める箇所には、桁10の主穴13に埋め込まれる埋没軸31と、埋没軸31の端面に固定され且つ弦材20の端部を保持する連結具51と、を配置する。さらに桁10には副穴14を設け、その中には、連結具51または埋没軸31に接触し且つ埋没軸31を桁10の端部方向に押圧する拘束軸41を埋め込む。拘束軸41により、埋没軸31を横倒しにするような内向き荷重に対抗でき、埋没軸31で桁10が引き裂かれることを防止して、弦材20を確実に係留できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、木製の桁の剛性を向上させるため、テンションロッドなどの弦材を配置する場合に用いられるもので、桁端部における弦材の係留構造に関する。
木材は、建築材料として広く使用されているが、強度上の理由から大規模な建築物の骨格として使用されることは少なかった。しかし近年は、集成材の製造技術の向上により、大断面で機械的性質も安定した木材が無理なく入手できるようになり、これを利用した大規模な建築物も着工されるようになった。ただし大断面の集成材は、重量がかさみ資源消費も多くなるため、比較的小断面の木材をトラス構造に組み上げて、強度の確保と軽量化を両立させる場合もある。
木材の強度を向上させる技術の例として、下記特許文献1が挙げられる。この文献では、梁の補強構造が開示されており、梁は、梁弦材と張材とからなり、梁弦材は、矩形断面の棒状である。対する張材は、梁弦材を補強するように台形状に配置され、その両端は、弦材に固定され、また中間部は、垂直束材によって梁弦材と一定の距離が確保されている。梁弦材と張材と垂直束材は、トラス構造となっており、張材で梁弦材の両端を引き寄せて、梁弦材にむくり(キャンバー)を与えている。
また下記特許文献2では、水槽や水路の上方に架け渡す覆蓋が開示されている。この覆蓋は、軽量化と低コスト化を図りながら長尺化できることを特徴としており、水槽等を跨ぐアーチ弦材と、アーチ弦材の下に配置される面板と、アーチ弦材と面板とを結ぶ吊下部材と、で構成されている。そしてアーチ弦材の両端部は、面板に固定されており、さらに吊下部材は、ある程度の間隔で複数を配置してある。このように、アーチ弦材で面板を吊り下げることで、面板に要求される強度が緩和され、覆蓋の軽量化や低コスト化が実現する。
木造建築物等で用いる桁の剛性を向上させるため、図9のように、桁にテンションロッドなどの弦材を配置することがある。この図では、桁の下面二箇所に支柱を設けた上、支柱の先端付近を経由して、桁の両端部を結ぶテンションロッドを台形状に配置してあり、テンションロッドの張力を調整することで、桁にキャンバーを与えて剛性を向上できる。なおテンションロッドは、支柱を境として四区間に分断されており、各区間の中央には、張力を調整するためのターンバックルを組み込んである。またテンションロッドなどの各要素は、左右対称の配置となっている。
図9において、個々のテンションロッドの端部には、水滴状のクレビス(継ぎ手)を一体化してある。また桁の両端部には、テンションロッドを係留するため、ラグスクリューを用いた埋没軸を埋め込んである。この埋没軸の下端面には、固定ボルトを介して二股形状の連結具を取り付けてあり、さらに連結具にピンを差し込んで、テンションロッドのクレビスを保持している。そして桁にキャンバーを与える際は、ターンバックルを操作して、テンションロッドに大きな張力を作用させる。そのため、連結具を挟んで対向する埋没軸とテンションロッドは、一直線に並ぶことが好ましく、埋没軸と桁下面との交角も小さくなる。
特開2001−342710号公報 特開2002−88893号公報
図9のように、連結具を挟んで対向する埋没軸とテンションロッドは、強度上の観点から、一直線に並ぶことが好ましい。そのため埋没軸を埋め込むための穴は、桁下面との交角が小さく、穴を加工する際、ドリルの先端が不安定になり、穴の位置や直径に誤差を生じやすい。さらに、ラグスクリューを穴にねじ込む際、凸条によって穴の入口付近が削り取られて、外観などが悪化する。
このような不具合があるため、埋没軸は図10のように、桁下面に対してできるだけ直角方向に埋め込むことが多く、その結果、連結具を挟んで対向する埋没軸とテンションロッドは、一直線に並ぶことなく交角が発生する。この場合、テンションロッドに作用する張力により、埋没軸を横倒しにするような内向き荷重が発生して、最悪の場合、桁が引き裂かれて、埋没軸が桁の中央寄りに移動してしまい、テンションロッドを係留できなくなる恐れがある。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、木製の桁の剛性を向上させるため、テンションロッドなどの弦材を配置する場合に用いられ、弦材に作用する張力により、桁が引き裂かれることを防止できる弦材の係留構造の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、桁の剛性を向上させるため、該桁の中間部から突出する支柱を設け、該支柱の先端付近を経由して前記桁の両端部を結ぶ弦材の係留構造であって、前記桁の端部で前記弦材を引き留める箇所には、前記桁に設けた主穴に埋め込まれる棒状の埋没軸と、該埋没軸の端面に固定され且つ前記弦材の端部を保持する連結具と、を配置して、前記桁には、前記主穴から見て中央寄りに副穴を設け、該副穴には、前記連結具または前記埋没軸に接触し且つ前記埋没軸を前記桁の端部方向に押圧可能な拘束軸を埋め込んであることを特徴とする弦材の係留構造である。
本発明は、桁端部における弦材の係留構造に関するもので、弦材に作用する張力により、桁が引き裂かれることを防止する。一般的な桁は、柱の上に架設されるが、本発明での桁は、単純な棒材を意味しており、用途に制約はなく、水平に敷設されるとも限らない。ただし桁は、集成材を含む木製とする。また弦材は、桁を補強するためのもので、単純に張力だけを伝達できればよく、ワイヤーロープやテンションロッドなどを使用する。なおテンションロッドは、タイロッドとも呼ばれ、プレハブ小屋の補強などで多用されている。
支柱は、弦材を桁から離れて配置するためのもので、桁の長手方向に対して直交するように延びている。また支柱は、桁の端部近傍を除く中間部に設けられ、その長さや個数や間隔などは自在である。ただし支柱には、弦材の張力に由来する圧縮荷重が作用するため、一定の強度が必要で、その根元は釘などで桁に固定する。なお一本の桁に複数個の支柱を設ける場合、その方向は同一に揃える。
弦材は、支柱の先端付近を経由して桁の両端部を結んでいる。そのため支柱が一個だけの場合、弦材は三角形状に配置され、また支柱が複数の場合、弦材は台形状に配置される。そして全ての弦材に張力を与えると、桁にキャンバーが与えられ、桁と弦材と支柱で簡易なトラス構造が形成され、桁の剛性が向上する。なお、弦材としてテンションロッドを使用する場合、桁の両端部の間を一本だけで結ぶ訳ではなく、支柱を境として分断され、分断された区間毎にターンバックルを組み込み、張力を発生させる。
埋没軸は、ラグスクリューなど、桁に埋め込む棒状のもので、それ自体で弦材を係留することはできない。そのため埋没軸と弦材との間には、連結具を介在させる。連結具は、ボルト等で埋没軸に固定され、さらに弦材の端部を係留するための機能を有する。なお弦材として、クレビスを一体化したテンションロッドを用いる場合、連結具は、クレビスを挟み込む二股形状として、連結具とクレビスを貫通するピンを差し込むことが多い。
このように、桁の剛性を向上させるため、弦材や支柱を配置して、桁にキャンバーを与える点は、従来と同じである。また弦材を係留する桁の端部には、棒状の埋没軸を埋め込み、弦材に作用する張力を受け止める点や、埋没軸と弦材との間に連結具を介在させる点についても、従来と同じである。しかし本発明では、埋没軸の変位を規制するため、桁に拘束軸を埋め込んでおり、この点が従来と異なる。
埋没軸を埋め込むため桁に加工する穴は、作業性などを考慮して、桁表面との交角をできるだけ大きくする。そのため埋没軸は、係留される弦材と一直線に並ぶことはなく、前記のように、弦材に作用する張力により、埋没軸を横倒しにするような内向き荷重が発生して、桁を引き裂こうとする。拘束軸は、これを防止するためのもので、埋没軸に作用する内向き荷重を受け止める。
拘束軸は棒状で、埋没軸から見て桁の中央寄りに埋め込まれ、さらに拘束軸が埋没軸または連結具と接触することで、内向き荷重は、埋没軸と拘束軸との両方で受け止められる。そのため、埋没軸周辺の応力が緩和され、桁が引き裂かれることを防止できる。
請求項2記載の発明は、桁の剛性を向上させるため、該桁の中間部から突出する支柱を設け、該支柱の先端付近を経由して前記桁の両端部を結ぶ弦材の係留構造であって、前記桁の端部で前記弦材を引き留める箇所には、前記桁に設けた主穴に埋め込まれる棒状の埋没軸と、該埋没軸の端面に固定され且つ前記弦材の端部を保持する連結具と、を配置して、前記連結具には、前記埋没軸から見て中央寄りの位置で前記桁と接触する尾状部を備え、該尾状部は、固定手段で前記桁に取り付けてあることを特徴とする弦材の係留構造である。
この発明は、請求項1記載の発明と同様、桁端部における弦材の係留構造に関するもので、桁に埋没軸を埋め込む点や、埋没軸と弦材との間に連結具を介在させる点は、何ら変わりがない。しかし本発明では、連結具に尾状部を設けて、この尾状部を桁に接触させて、さらに尾状部を固定手段で桁に取り付けており、請求項1記載の発明で開示される拘束軸は不要である。
尾状部は、連結具の外縁から尾のように突出して桁に接触する部分で、埋没軸から見て、桁の中央寄りを向くものとする。さらに尾状部は、何らかの固定手段で桁に取り付ける。固定手段は、桁と尾状部との変位を規制して、埋没軸に作用する内向き荷重に対抗する役割を担う。固定手段の具体例としては、釘やボルトやコーチスクリューなどのほか、桁の表面に溝や穴を加工して、その中に尾状部を嵌め込む方式でもよい。
請求項1記載の発明のように、埋没軸と連結具を介して桁端部に弦材を係留する構造において、埋没軸に隣接して拘束軸を埋め込み、拘束軸を埋没軸または連結具に接触させることで、拘束軸は、埋没軸を横倒しにするような内向き荷重に対抗する。そのため、埋没軸で桁が引き裂かれることを防止して、弦材を確実に係留できる。また拘束軸が内向き荷重に対抗することから、埋没軸と桁表面との交角を大きくでき、埋没軸を埋め込むための穴を桁に加工する際、作業が容易になる。
請求項2記載の発明のように、連結具には、桁に接触する尾状部を設けて、さらに何らかの固定手段で尾状部を桁に取り付けることで、連結具は、埋没軸に作用する内向き荷重に対抗可能となる。そのため拘束軸を用いることなく、請求項1記載の発明と同じ効果を得られる。
本発明による弦材の係留構造を示す側面図と斜視図である。下方の斜視図については、各要素を分離して描いている。 図1の下方に描いた各要素を組み上げた状態の斜視図と縦断面図である。 帯状片を有する連結具を用いた弦材の係留構造を示す側面図と斜視図である。下方の斜視図については、各要素を分離して描いている。 図3の下方に描いた各要素を組み上げた状態の斜視図と縦断面図である。 拘束軸を用いることなく、内向き荷重に対抗できる弦材の係留構造を示す側面図と斜視図である。下方の斜視図については、各要素を分離して描いている。 図5の下方に描いた各要素を組み上げた状態の斜視図と縦断面図である。 シャフトを埋没軸として、異形棒鋼を拘束軸とした構成を示す斜視図である。 弦材を複線化した構成を示す斜視図である。 桁に弦材を配置する際の従来技術を示す側面図と斜視図で、桁端部において、埋没軸と弦材が一直線に並んでいる。 桁に弦材を配置する際の従来技術を示す側面図と斜視図で、桁端部において、埋没軸と桁下面との交角を大きくすることで、埋没軸と弦材が「く」の字状に並んでいる。
図1は、本発明による弦材20の係留構造を示す側面図と斜視図である。下方の斜視図については、各要素を分離して描いている。桁10は、矩形断面の単純な棒材で、その下部に弦材20を配置することで、剛性を向上させている。そして弦材20を台形状に配置するため、桁10の下面二箇所に支柱15を設けている。支柱15は、主に圧縮荷重を受けるため、桁10の下面に対して直角に突出しており、釘などで桁10に固定されている。なお本発明において、桁10は集成材を含む木製であることを前提とするが、その断面形状や長さは自在である。
弦材20は、建築分野で広く使用されているテンションロッドであり、その端部には、水滴状のクレビス28を一体化してある。また弦材20は、二箇所の支柱15の先端付近を経由して、桁10の両端部を結んでいるが、この間を一本で結んでいる訳ではなく、支柱15を境界として三区間に分断されており、個々の区間のほぼ中央には、張力を調整するためのターンバックル23を組み込んでいる。そして桁10の端部では、埋没軸31と連結具51で弦材20が係留されており、対する柱15の先端付近では、留め具25で弦材20が係留されている。留め具25は二股形状で、柱15の先端付近の側面に背中合わせで配置されている。
全ての区間に弦材20を配置した後、ターンバックル23で張力を調整すると、桁10の両端部が下方に引き込まれて、桁10にキャンバーが与えられる。さらに弦材20と支柱15がトラス構造のように機能して、桁10の剛性が向上する。したがって桁10の長尺化が可能で、大規模な建築物にも使用可能である。
桁10の端部では、埋没軸31と連結具51で弦材20を係留している。埋没軸31は、一般のラグスクリューを流用したもので、その側周面には、螺旋状の凸条35が突出している。さらに下端面は、工具を掛けるための六角部37となっており、六角部37の中心にはネジ穴36を形成してある。次に連結具51は、中心体52とアーム55の二要素からなり、中心体52は、六角部37に接触して埋没軸31と一体化するもので、またアーム55は、中心体52の左右両側に配置され、中心体52とクレビス28をつなぐ。
中心体52は、丸棒を一定の厚さで切り出したもので、その外周には、埋没軸31との接触を考慮して、対向する二平面を設けてあり、さらにこの二平面を貫通する中孔54を形成してある。中心体52を六角部37に接触させて、中孔54とネジ穴36を同心に揃えた後、中孔54からネジ穴36に向けて固定ボルト39を差し込むと、中心体52が埋没軸31に固定される。なお固定ボルト39の頭部も、中心体52の外周に設けた平面に接触する。
中心体52の両側面の中心からは、アーム55を差し込むための側軸53が突出している。そしてアーム55の抜けを防止するため、その外側には、ワッシャ56と押圧ボルト57を組み込む。なお押圧ボルト57を螺合できるよう、側軸53の中心には雌ネジを形成してあり、押圧ボルト57を締め付けた後も、アーム55は自在に回転できる。左右のアーム55を中心体52に取り付けた後、その間にクレビス28を挟み込み、これらを貫通するようにピン58を差し込むと、連結具51を介して弦材20が埋没軸31に係留される。
拘束軸41は、埋没軸31と並んで桁10に埋め込まれるが、埋没軸31よりも桁10の中央寄りに位置している。そして拘束軸41が中心体52に接触することで、埋没軸31が桁10の中央に向けて変位することを規制する。なお拘束軸41は、埋没軸31と同様、一般のラグスクリューを流用したもので、その側周面には、螺旋状の凸条45が突出しているほか、一端面には、六角部47とネジ穴46を形成してある。
桁10には、埋没軸31を埋め込むための主穴13と、拘束軸41を埋め込むための副穴14をあらかじめ加工してある。主穴13と副穴14は、ハの字を上下反転させたような配置となっており、双方の軸線は、桁10の下面の先で交差する。そのため拘束軸41の下端面は、中心体52の外周に接触する。また主穴13と副穴14のいずれも、桁10の下面との交角が大きく、加工時の作業は容易である。なおこの図において、桁10を除く各要素は、左右対称の配置となっている。
図2は、図1の下方に描いた各要素を組み上げた状態である。桁10の端部では、この図のように、弦材20が連結具51を介して埋没軸31で係留されている。また埋没軸31は、桁10の下面から斜方向に延びる主穴13に埋め込まれており、その凸条35が桁10の中に突き刺さっており、引き抜き荷重に対抗できる。なお埋没軸31の下部は、桁10の下面から突出している。
埋没軸31の下端面には、連結具51が固定される。連結具51は、中央に位置する中心体52と、その両側面に位置するアーム55と、からなり、アーム55は、中心体52に対して自在に回転できる。ただしワッシャ56と押圧ボルト57により、アーム55は中心体52から離脱できない。そして左右のアーム55の間には、クレビス28が挟み込まれており、これらはピン58で一体化してある。そのため弦材20に張力が作用すると、アーム55と弦材20が一直線に並ぶ。
拘束軸41は、埋没軸31よりも桁10の中央寄りに埋め込まれているが、埋没軸31と拘束軸41は、ハの字を上下反転させたような配置となっており、さらに拘束軸41の下端面が中心体52の外周に接触するよう、埋没軸31や拘束軸41の埋め込み量を調整してある。なお拘束軸41を押し込む荷重は、その凸条45を介して桁10に伝達される。
弦材20は、桁10の下面との交角が小さいのに対して、埋没軸31を埋め込む主穴13は、加工を容易にするため、桁10の下面との交角を大きくしてある。したがって、連結具51を挟んで対向する埋没軸31と弦材20は、一直線に並ぶことなく所定の交角を有する。この状態で弦材20に張力を与えると、埋没軸31には引き抜き荷重のほか、自らを横倒しにするような内向き荷重が発生する。しかしこの内向き荷重は、拘束軸41で受け止められ、主穴13周辺の応力が緩和される。そのため、埋没軸31で桁10が引き裂かれることを防止でき、桁10の健全性が維持される。
図3は、帯状片63を有する連結具61を用いた弦材20の係留構造を示している。図1と同様、ラグスクリューを流用した埋没軸31と拘束軸41を桁10に埋め込んでいるが、連結具61の形状は異なる。この連結具61は、左右のアーム65が平行に並ぶ二股形状で、中心には固定ボルト39を差し込むための中孔64を設けてある。そして連結具61の外縁からは、拘束軸41との接触を担う帯状片63が突出している。帯状片63は、埋没軸31と拘束軸41との交角を考慮して屈曲している。またアーム65は、帯状片63を補強するため逆三角形状としてあり、左右のアーム65の間にクレビス28を挟み込み、これらを貫通するようにピン58を差し込む。
この図の拘束軸41は、帯状片63と直に接触する訳ではなく、拘束軸41のネジ穴46に調整ボルト43を差し込み、調整ボルト43の頭部を帯状片63に接触させる。調整ボルト43を用いることで、連結具61に作用する反力を自在に調整でき、より確実に弦材20を係留できる。なお調整ボルト43の緩みを防止するため、その軸部にはナット44を組み込んでいる。
図4は、図3の下方に描いた各要素を組み上げた状態である。弦材20が連結具61を介して埋没軸31で係留されている点は、図2と同じである。しかし他は異なり、連結具61には、桁10の中央寄りに突出する帯状片63を設けてあり、また拘束軸41の下端には、調整ボルト43とナット44を組み込んである。そして調整ボルト43の頭部を帯状片63に接触させることで、内向き荷重に対抗する。この構成では、埋没軸31や拘束軸41の埋め込み深さを厳密に管理する必要がない。また、調整ボルト43のねじ込み量を変えることで、帯状片63が受ける反力を調整できる。
図5は、拘束軸41、42を用いることなく、内向き荷重に対抗できる弦材20の係留構造を示している。この図では、図3と同様、桁10に埋没軸31を埋め込み、その下端面に二股形状の連結具71を取り付けている。ただし桁10には、拘束軸41、42を埋め込んでおらず、その代用として、連結具71に尾状部73を設けている。尾状部73は、桁10の中央に向けて突出しており、その先端を桁10に接触させて、さらに固定手段81で桁10と一体化することで、拘束軸41、42と同様の機能を発揮する。
図5の固定手段81は棒状で、一般のコーチスクリューを流用している。固定手段81の中間には、円盤状のツバ84を設けてあり、ツバ84から見て一端側には、凸条85を形成してあり、他端側には、工具を掛けるための六角部87とナット82を螺合するための雄ネジ86を形成してある。また桁10の下面には、固定手段81を埋め込むための細穴17を加工してあり、ツバ84を桁10の下面に密着させる。さらに尾状部73には、固定手段81を差し込むための大孔72を設けてある。
連結具71には、図3のものと同様、固定ボルト39を差し込むための中孔74を設けてある。またアーム75は、尾状部73を補強するため逆三角形状としてあり、左右のアーム75の間にクレビス28を挟み込み、これらを貫通するようにピン58を差し込む。
図6は、図5の下方に描いた各要素を組み上げた状態である。桁10に埋没軸31を埋め込んであり、その下端面に取り付けた連結具71を介して、弦材20を係留する。また連結具71から延びる尾状部73は、桁10の下面に接触しており、さらに固定手段81で桁10と一体化している。なお固定手段81のツバ84よりも上は、桁10の細穴17に埋め込まれており、凸条85が桁10に食い込んでいる。対してツバ84よりも下は、尾状部73を貫通しており、下端の雄ネジ86にナット82が螺合している。このように、固定手段81で桁10と尾状部73を一体化することで、埋没軸31に作用する内向き荷重に対抗できる。
図7は、シャフトを埋没軸32として、異形棒鋼を拘束軸42とした構成を示している。埋没軸や拘束軸は、所定の強度を有することを前提として、様々な棒状のものを使用できる。そこでこの図のように、シャフトを埋没軸32として、異形棒鋼を拘束軸42とすることもできる。この埋没軸32は金属製の丸棒で、主穴13に埋め込んだ後、桁10からドリフトピン18を打ち込んで固定する。そのため桁10の側面には、主穴13と交差する横孔16を加工してあり、さらに埋没軸32の側周面には、側面孔38を形成してある。
また異形棒鋼を用いた拘束軸42は、規則的な凹凸が側周面に形成されており、接着剤で副穴14に固定する。そのほか連結具51は、図1と全く同じもので、中心体52とアーム55で構成され、固定ボルト39を介して埋没軸32に取り付けられる。なお埋没軸と拘束軸は棒状であればよいため、この図とは逆に、埋没軸に異形棒鋼を用いて、拘束軸にシャフトを用いることもできる。
図8は、弦材20を複線化した構成を示している。埋没軸31と拘束軸41を桁10に埋め込み、埋没軸31に連結具51を取り付け、さらに拘束軸41を連結具51に接触させる点は、図1と同じである。しかしこの連結具51は、図1のものと一部が異なり、中心体52だけで構成され、アーム55は用いない。この中心体52の両側面からは、側軸53が突出しており、それぞれの側軸53にクレビス28を差し込むと、二本の弦材20が平行に並ぶ。なおクレビス28の抜け止めのため、側軸53の端面には、ワッシャ56と押圧ボルト57を取り付けている。弦材20を複線化することで、桁10の剛性を一段と向上させることができる。
10 桁
13 主穴
14 副穴
15 支柱
16 横孔
17 細穴
18 ドリフトピン
20 弦材(テンションロッド)
23 ターンバックル
25 留め具
28 クレビス
31 埋没軸(ラグスクリュー)
32 埋没軸(シャフト)
35 凸条
36 ネジ穴
37 六角部
38 側面孔
39 固定ボルト
41 拘束軸(ラグスクリュー)
42 拘束軸(異形棒鋼)
43 調整ボルト
44 ナット
45 凸条
46 ネジ穴
47 六角部
51 連結具
52 中心体
53 側軸
54 中孔
55 アーム
56 ワッシャ
57 押圧ボルト
58 ピン
61 連結具
63 帯状片
64 中孔
65 アーム
71 連結具
72 大孔
73 尾状部
74 中孔
75 アーム
81 固定手段(コーチスクリュー)
82 ナット
84 ツバ
85 凸条
86 雄ネジ
87 六角部

Claims (2)

  1. 桁(10)の剛性を向上させるため、該桁(10)の中間部から突出する支柱(15)を設け、該支柱(15)の先端付近を経由して前記桁(10)の両端部を結ぶ弦材(20)の係留構造であって、
    前記桁(10)の端部で前記弦材(20)を引き留める箇所には、
    前記桁(10)に設けた主穴(13)に埋め込まれる棒状の埋没軸(31、32)と、該埋没軸(31、32)の端面に固定され且つ前記弦材(20)の端部を保持する連結具(51、61)と、を配置して、
    前記桁(10)には、前記主穴(13)から見て中央寄りに副穴(14)を設け、該副穴(14)には、前記連結具(51、61)または前記埋没軸(31、32)に接触し且つ前記埋没軸(31、32)を前記桁(10)の端部方向に押圧可能な拘束軸(41、42)を埋め込んであることを特徴とする弦材(20)の係留構造。
  2. 桁(10)の剛性を向上させるため、該桁(10)の中間部から突出する支柱(15)を設け、該支柱(15)の先端付近を経由して前記桁(10)の両端部を結ぶ弦材(20)の係留構造であって、
    前記桁(10)の端部で前記弦材(20)を引き留める箇所には、
    前記桁(10)に設けた主穴(13)に埋め込まれる棒状の埋没軸(31、32)と、該埋没軸(31、32)の端面に固定され且つ前記弦材(20)の端部を保持する連結具(71)と、を配置して、
    前記連結具(71)には、前記埋没軸(31、32)から見て中央寄りの位置で前記桁(10)と接触する尾状部(73)を備え、該尾状部(73)は、固定手段(81)で前記桁(10)に取り付けてあることを特徴とする弦材(20)の係留構造。
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