JP2014040392A - アルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法 - Google Patents

アルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸を、多量の溶媒を用いたり、煩雑な工程を行うことなく、汎用反応設備を用いて、簡便に且つ工業的に有利に製造できる方法を提供する。
【解決手段】アルキルホスホン酸ジエステルを、固体酸触媒の存在下、水を添加しながら、120℃以上の温度で加水分解反応させることを特徴とする、下記一般式(I)
Figure 2014040392

〔式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を示す。Rは、炭素数1〜20のアルキル基または水素原子を表す。〕で表わされるアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸を、工業的に有利に製造できる方法に関する。
アルキルホスホン酸モノエステル及びアルキルホスホン酸は下記一般式(I)で表される化合物であり、難燃剤、金属抽出剤等に用いられる工業的に有用な化合物として広く知られている。
Figure 2014040392
〔式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を示す。Rは、炭素数1〜20のアルキル基または水素原子を示す。〕
α−オレフィンと亜リン酸とをエステル系溶媒中で過酸化物の存在下に反応させ、反応生成物をケトン系溶媒で再結晶させて、アルキルホスホン酸を製造する方法が公知である(特許文献1参照)。しかし、この方法は、多量の溶媒を用いること、濃縮工程、再結晶工程等の煩雑な工程が必要となること等から、工業的生産には不利である。
また、硫酸等の不揮発性の酸の存在下、水蒸気ガス吹き込みにて水分を与えながら、アルキルホスホン酸エステル化合物を120℃以上で加水分解反応させてホスホン酸を生成させるホスホン酸の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この方法には、硫酸等の不揮発性酸が、汎用反応設備であるSUS304製反応釜等に対する腐食性が強いという問題がある。また、硫酸は、残存した場合、製品に対して悪影響を及ぼす可能性が高いため、溶媒を加え、金属アルカリにより中和、水洗などの工程を経て除去するという煩雑な工程を必要とし、工業的生産には不利である。
一方、活性白土、ゼオライト、珪藻土などの吸着剤を用いて、脂環族ジカルボン酸ジエステルを精製することや、アルコール性ヒドロキシル基含有化合物とヒドロキシ安息香酸とのエステル合成の固体酸触媒として、活性白土などを用いることは、公知である(特許文献3及び4参照)。
特開2001−270888号公報 特開2010−24214号公報 特開2001−49275号公報 特開2009−167374号公報
本発明の目的は、アルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸を、多量の溶媒を用いたり、煩雑な工程を行うことなく、汎用反応設備を用いて、簡便に且つ工業的に有利に製造できる方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、アルキルホスホン酸ジエステルを、固体酸触媒の存在下で、水を添加しながら120℃以上で加水分解反応を行うことによって、アルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸を、多量の溶媒を用いたり、煩雑な工程を行うことなく、高収率で、汎用反応設備を用いて、簡便に且つ工業的に有利に製造できることを見出した。本発明者は、かかる知見に基づいて、更に種々検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の各項のアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法を提供するものである。
1.下記一般式(II)
Figure 2014040392
〔式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を示す。R及びRは、互いに独立して、炭素数1〜20のアルキル基または水素原子を示す。但し、R及びRの少なくとも一つは炭素数1〜20のアルキル基である。〕で表わされるアルキルホスホン酸ジエステルを、固体酸触媒の存在下、水を添加しながら、120℃以上の温度で加水分解反応させることを特徴とする、下記一般式(I)
Figure 2014040392
〔式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を示す。Rは、炭素数1〜20のアルキル基または水素原子を表す。〕で表わされるアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法。
2.加水分解反応の温度が、120〜200℃程度である上記項1に記載のアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法。
3.固体酸触媒が、活性白土である上記項1又は上記項2に記載のアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法。
4.固体酸触媒の使用量が、一般式(II)のアルキルホスホン酸ジエステルに対して、0.1〜5質量%程度である上記項1〜3のいずれかに記載のアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法。
5.反応系内の液相中の水含有量を飽和状態に保つ様に水を添加することにより、生成したアルコール類を系外に排出しつつ加水分解反応させる、上記項1〜4のいずれかに記載のアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法。
本発明のアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法によれば、以下の如き格別顕著な効果を得ることができる。
(1)本発明の製造方法によれば、アルキルホスホン酸ジエステルを、固体酸触媒の存在下で、水を添加しながら120℃以上の温度で加水分解反応を行うことによって、アルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸を、多量の溶媒や硫酸等の不揮発性酸を用いることなく、高収率で、汎用反応設備を用いて、簡便に製造できる。
(2)また、本発明方法によれば、加水分解反応の触媒として固体酸触媒を用いることから、液状の酸を用いて加水分解する場合と比較して、中和、水洗などの工程を経る必要がないので、アルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸を容易に製造できる。
(3)また、本発明方法によれば、固体酸触媒は、反応終了後に濾過工程を行うのみで、容易に分離できるので、目的物のアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の精製が容易である。
(4)また、本発明方法によれば、水を添加しながら反応することにより、反応液中に含有される水分が常に飽和状態となるように保たれ、常圧においても、120℃以上の高温に保持することができ、短時間で加水分解反応が出来る。さらに、加水分解反応は可逆反応であるが、水の留去と共に、加水分解により生成したアルコール類を系外に排出することで、平衡を移動させることで反応を促進させることができる。
(5)従って、本発明方法によれば、アルキルホスホン酸モノエステル、アルキルホスホン酸又はこれらの任意の混合物を、効率良く工業的に有利に製造することができる。
以下、本発明のアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法について、より詳細に説明する。
本発明の製造方法は、一般式(II)で表されるアルキルホスホン酸ジエステルを、固体酸触媒の存在下、水を添加しながら、120℃以上の温度で加水分解反応させることによって、一般式(I)で表される、アルキルホスホン酸モノエステル、アルキルホスホン酸又はこれらの混合物を製造することを、特徴とする。製造物がアルキルホスホン酸モノエステル、アルキルホスホン酸又はこれらの混合物のいずれとなるかは、固体触媒の種類や使用量、反応温度、反応時間等によって、適宜調整することができる。
一般式(I)及び(II)で表される各リン化合物において、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を示す。
より具体的には、Rで示される炭素数1〜20のアルキル基としては、分岐鎖状でも直鎖状でもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などの炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、8〜18であるのが好ましく、10〜16であるのがより好ましい。Rで示される炭素数1〜20のアルキル基は置換基を有していてもよい。即ち、当該アルキル基中の水素原子の一部が、後述する活性白土等の固体酸触媒と反応不活性な官能基で置換されていてもよい。後述する固体酸触媒と反応不活性な官能基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホン基などが挙げられる。
また、一般式(I)及び(II)で表される各リン化合物において、R及びRは、互いに独立して、炭素数1〜20のアルキル基または水素原子を示す。但し、一般式(I)のリン化合物においては、R及びRの少なくとも一つは炭素数1〜20のアルキル基である。
及びRで示される炭素数1〜20のアルキル基としては、分岐鎖状でも直鎖状でもよく、当該アルキル基の炭素数は好ましくは1〜10であり、より好ましくは2〜6である。炭素数1〜20の分岐鎖状もしくは直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、2−メチルブチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、n−ヘプチル基、iso−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1−プロピルブチル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、1−エチル−1−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−3−メチルブチル基、2−エチル−1−メチルブチル基、2−エチル−1−メチルブチル基、2−エチル−2−メチルブチル基、2−エチル−3−メチルブチル基、1,1−ジエチルプロピル基、n−オクチル基、iso−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、1−プロピルヘプチル基、2−プロピルヘプチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などが挙げられる。
固体酸触媒
本発明方法では、固体酸触媒存在下に、一般式(II)のアルキルホスホン酸ジエステルの加水分解反応を行う。本発明における固体酸触媒としては、本発明における加水分解反応において、反応系中に溶解しない酸であればよく、このような固体酸触媒としては、例えば、活性白土、酸性白土等が挙げられるが、特に好ましい固体酸触媒は活性白土である。
固体酸触媒である上記活性白土は、通常、天然の酸性白土(一般にモンモリロナイト系粘土、化学式は一般にAl・4SiO・nHO)を鉱酸(例えば硫酸)で処理し、アルミナ・鉄・マグネシウムの一部を溶出させて、比表面積、吸着脱色能を増大させた化合物のことである。
活性白土等としては、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、日本活性白土株式会社製「活性白土T」、水澤化学工業株式会社製「ガレオンアース」等が挙げられる。
固体酸触媒の使用量は、加水分解反応を受ける一般式(II)のアルキルホスホン酸ジエステルに対して、0.1〜5質量%程度であるのが好ましい(即ち、質量比でアルキルホスホン酸ジエステル100に対して0.1〜5程度)。固体酸触媒の使用量が、この範囲であれば、十分な触媒効果が得られ、これ以上に固体酸触媒の量を多くしても、これ以上の触媒効果は得られず、コスト高になることや、濾過の際に濾過速度の低下を発生させる。固体酸触媒の使用量は、一般式(II)のアルキルホスホン酸ジエステルに対して、0.4〜4質量%程度であるのがより好ましく、1〜2質量%程度であるのが特に好ましい。
反応温度
本発明においては、加水分解反応を120℃以上の温度で行う。すなわち上記一般式(II)のアルキルホスホン酸ジエステルの温度を120℃以上とし、該化合物に水を添加しながら、加水分解反応を行う。この温度範囲であれば加水分解反応が速やかに進行するため、適当な時間で反応を完結できる。反応温度は、120〜200℃程度であるのが好ましく、140〜200℃程度であるのがより好ましく、160〜180℃程度であるのが特に好ましい。
反応圧力及び反応雰囲気
本発明における反応は、常圧又は加圧下で行うことができるが、汎用設備で反応を行うことができることから、常圧で行うことが好ましい。また、反応雰囲気は、特に限定されず、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガス雰囲気、窒素雰囲気等の不活性雰囲気;空気雰囲気等の各種雰囲気下に反応を行うことができる。これらの内、高温状態での酸素と接触による目的物の着色などを抑制するために、窒素雰囲気、希ガス雰囲気等の不活性雰囲気であるのが、好ましい。
水の添加
本発明方法において、加水分解に要する水分は、反応系内に水を添加することで供給される。水の添加により与えられる水分は、常に液相中の水分が飽和状態であるように水分の出入りの均衡が保たれることが好ましい。水の添加の方法としては、例えば、反応液中に、水を滴下したり、水蒸気を吹き込んだりすることによって行うことができる。本発明においては、水の添加量を調節することにより、反応液中に存在できる必要最小限な量の水分しか存在しないように調整できることから、常圧においても加水分解反応に必要な高温状態を維持できる。ここで、本発明においては、加水分解反応で生成したアルコール類を水の添加により発生する水蒸気との共沸により、系外に排出し、回収設備で回収しながら反応を行うことができる。
反応時間
本発明の製造方法における加水分解の反応時間は、反応温度、出発化合物の種類や量、生成物の種類などにより適宜設定すればよいが、通常、1〜80時間程度であるのが好ましく、3〜50時間程度であるのがより好ましく、5〜20時間程度であるのが特に好ましい。
反応終了後の処理方法
本発明方法においては、反応終了後に、固体酸触媒を濾過等によって、除去するのみで、目的物のアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸を容易に分離できる。このように、固体酸触媒を容易に除去できるので、通常、中和、水洗等を行う必要は無い。また、目的物の粘度が高い場合、ヘキサン、トルエンやキシレンなどの溶媒を用い、濾過した後、溶媒を留去しても良い。さらに、目的物が固体の場合、分離後、必要に応じて、析出、再結晶等の精製を行ってもよい。
反応の追跡
本発明の製造方法においては、加水分解反応の追跡を、酸価によって行うことができる。酸価とは、試料1g中に含まれる酸性成分を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム(mg)数であり、JIS K2501−2003に記載の方法に従って、測定することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は、これらの各例によって限定されるものではない。
実施例1
ドデシルホスホン酸モノエチル及びテトラデシルホスホン酸モノエチルの製造
滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管、還流装置、攪拌機を装着した1000mLのガラス製の4つ口フラスコに、ドデシルホスホン酸ジエチル及びテトラデシルホスホン酸ジエチルの混合物(混合重量比率55:45)183.5g及び活性白土2.4g(原料混合物に対して1.3%、日本活性白土(株)製、商品名「活性白土T」)を入れ、窒素ガスを吹き込みながら、加熱により温度120℃まで上昇させた。そして、滴下ロートにて、水を滴下して添加しながら(添加速度:約10g/時間)昇温し、180℃にて5時間反応させた。水蒸気とともに生成したエタノールなどは、還流冷却管により冷却、分離しながら反応を行った。酸価により反応を追跡し、酸価193mgKOH/gに到達した時点で、135℃まで冷却した後、温度を保持しながら、減圧することで反応容器内に残存する水及びエタノールなどを除去した。No.2濾紙を敷いたブフナーロート上に、濾過助剤として珪藻土(商品名「ラヂオライト 900」、昭和化学工業(株)製)を敷き詰め、反応溶液を濾過することで、触媒である活性白土を除去し、ドデシルホスホン酸モノエチル及びテトラデシルホスホン酸モノエチル(混合重量比率55:45) 160.0gを得た(収率95.6%)。
実施例2
ドデシルホスホン酸モノエチル、テトラデシルホスホン酸モノエチル、ドデシルホスホン酸及びテトラデシルホスホン酸の製造
滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管、還流装置、攪拌機を装着した1000mLのガラス製の4つ口フラスコにドデシルホスホン酸ジエチル及びテトラデシルホスホン酸ジエチルの混合物(混合重量比率55:45)183.5g(0.573モル)及び活性白土4.8g(原料混合物に対して2.6%、日本活性白土(株)製、商品名「活性白土T」)を入れ、窒素ガスを吹き込みながら、加熱により温度120℃まで上昇させた。そして水を滴下して添加しながら(添加速度:10g/時間)昇温し、180℃にて15時間反応させた。水蒸気とともに反応系外に出てくる分解反応で生成したエタノールなどは、還流冷却管により冷却、分離しながら反応を行った。酸価により反応を追跡し、酸価286mgKOH/gに到達した時点で、135℃まで冷却し、減圧下、温度を保持しながら、反応容器内に残存する水及びエタノールなどを1時間除去した。No.2濾紙を敷いたブフナーロート上に、濾過助剤として珪藻土(商品名「ラヂオライト 900」、昭和化学工業(株)製)を敷き詰め、濾過することで、触媒である活性白土を除去し、ドデシルホスホン酸モノエチル、テトラデシルホスホン酸モノエチル、ドデシルホスホン酸及びテトラデシルホスホン酸(混合重量比率33:27:22:18) 139.4gを得た(収率86.6%)。
実施例3
ヘキサデシルホスホン酸モノエチル及びオクタデシルホスホン酸モノエチルの製造
滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管、還流装置、攪拌機を装着した1000mLのガラス製の4つ口フラスコにヘキサデシルホスホン酸ジエチル及びオクタデシルホスホン酸ジエチルの混合物(混合重量比率57:43)183.5g及び活性白土4.8g(原料混合物に対して2.6%、日本活性白土(株)製、商品名「活性白土T」)を入れ、窒素ガスを吹き込みながら、加熱により温度120℃まで上昇させた。そして、滴下ロートにて、水を滴下して添加しながら(添加速度:約10g/時間)昇温し、180℃にて5時間反応させた。水蒸気とともに生成したエタノールなどは、還流冷却管により冷却、分離しながら反応を行った。酸価により反応を追跡し、酸価162mgKOH/gに到達した時点で、135℃まで冷却した後、温度を保持しながら、減圧することで反応容器内に残存する水及びエタノールなどを除去した。No.2濾紙を敷いたブフナーロート上に、濾過助剤として珪藻土(商品名「ラヂオライト 900」、昭和化学工業(株)製)を敷き詰め、反応溶液を濾過することで、触媒である活性白土を除去し、ヘキサデシルホスホン酸モノエチル及びオクタデシルホスホン酸モノエチル(混合重量比率57:43) 154.9gを得た(収率91.2%)。
実施例4
ヘキサデシルホスホン酸モノエチル、オクタデシルホスホン酸モノエチル、ヘキサデシルホスホン酸及びオクタデシルホスホン酸の製造
滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管、還流装置、攪拌機を装着した1000mLのガラス製の4つ口フラスコにヘキサデシルホスホン酸ジエチル及びオクタデシルホスホン酸ジエチルの混合物(混合重量比率57:43)183.5g及び活性白土4.8g(原料混合物に対して2.6%、日本活性白土(株)製、商品名「活性白土T」)を入れ、窒素ガスを吹き込みながら、加熱により温度120℃まで上昇させた。そして、滴下ロートにて、水を滴下して添加しながら(添加速度:約10g/時間)昇温し、180℃にて20時間反応させた。水蒸気とともに生成したエタノールなどは、還流冷却管により冷却、分離しながら反応を行った。酸価により反応を追跡し、酸価211mgKOH/gに到達した時点で、135℃まで冷却した後、温度を保持しながら、減圧することで反応容器内に残存する水及びエタノールなどを除去した。No.2濾紙を敷いたブフナーロート上に、濾過助剤として珪藻土(商品名「ラヂオライト 900」、昭和化学工業(株)製)を敷き詰め、反応溶液を濾過することで、触媒である活性白土を除去し、ヘキサデシルホスホン酸モノエチル、オクタデシルホスホン酸モノエチル、ヘキサデシルホスホン酸及びオクタデシルホスホン酸(混合重量比率42:32:15:11) 136.5gを得た(収率82.1%)。
本発明のアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法は、目的物であるアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸を、多量の溶媒や硫酸等の不揮発性酸を用いることなく、高収率で、汎用反応設備を用いて、簡便に且つ工業的に有利に製造できる方法として、産業上好適に利用できる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(II)
    Figure 2014040392
    〔式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を示す。R及びRは、互いに独立して、炭素数1〜20のアルキル基または水素原子を示す。但し、R及びRの少なくとも一つは炭素数1〜20のアルキル基である。〕で表わされるアルキルホスホン酸ジエステルを、固体酸触媒の存在下、水を添加しながら、120℃以上の温度で加水分解反応させることを特徴とする、下記一般式(I)
    Figure 2014040392
    〔式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を示す。Rは、炭素数1〜20のアルキル基または水素原子を表す。〕で表わされるアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法。
  2. 加水分解反応の温度が、120〜200℃である請求項1に記載のアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法。
  3. 固体酸触媒が、活性白土である請求項1又は請求項2に記載のアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法。
  4. 固体酸触媒の使用量が、一般式(II)のアルキルホスホン酸ジエステルに対して、0.1〜5質量%である請求項1〜3のいずれかに記載のアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法。
  5. 反応系内の液相中の水の含有量を飽和状態に保つ様に水を添加することにより、生成したアルコール類を系外に排出しつつ加水分解反応させる、請求項1〜4のいずれかに記載のアルキルホスホン酸モノエステル及び/又はアルキルホスホン酸の製造方法。
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