JP2014038794A - リチウムイオン二次電池用電極の製造方法および製造装置ならびにリチウムイオン二次電池用電極 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用電極の製造方法および製造装置ならびにリチウムイオン二次電池用電極 Download PDF

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Abstract

【課題】充放電サイクルにおける体積変化の大きいシリコン系活物質材料を用いて、性能が良好かつ安定したリチウムイオン二次電池用電極およびその製造技術を提供する。
【解決手段】シリコン系活物質を含む塗布液Lを負極集電体11に塗布して、互いに離隔した複数のストライプ状活物質パターン121からなるラインアンドスペース構造の負極活物質層を形成する。こうして形成される負極電極では、充電時の活物質の膨張の方向を制御することができるとともに、ストライプ状活物質パターン121間の空隙により吸収されるため、パターンの損壊や剥がれによる容量低下を抑えることができる。
【選択図】図2

Description

この発明は、リチウムイオン二次電池に好適な電池用電極の構造およびそれを製造する技術に関するものである。
リチウムイオン二次電池用の電極のうち特に負極としては、放電電位やエネルギー密度などの物性値から例えば黒鉛のような炭素材料を活物質として用いたものが実用化されている。そして、近年においては、単位質量当たり、単位体積当たりの充放電容量が炭素材料よりも大きなシリコンまたはその化合物を活物質材料として用いることが検討されている。しかしながら、シリコン系活物質はリチウムイオンの吸蔵・放出の過程における体積変化が大きく、特に二次電池用途においては寿命(サイクル特性)が著しく短くなることからこれまで実用化されるに至っていない。
シリコン系活物質を用いた二次電池の構成例としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1には、集電体として機能する銅箔の表面にRFスパッタリングによって柱状構造を有する非晶質シリコンの薄膜を形成したものを負極電極とした構成が記載されている。
特開2012−038737号公報(例えば、段落0071、図2)
この特許文献1では、充放電サイクルにおける膨張・収縮に起因して生じる応力が活物質膜に形成された切れ目によって緩和され、これによって活物質膜の剥離が抑制されることで電極のサイクル特性が改善されるとしている。しかしながら、上記従来技術では、集電体膜表面の凹凸に起因して活物質膜に現れる厚みの薄い部分に切れ目を生じさせることで柱状構造を得ている。このため、得られる活物質膜の構造は成膜時の集電体膜の表面状態に依存することになり、性能の再現性および安定性に欠けるという問題があった。
このように、充放電サイクルにおける体積変化の大きい活物質材料を用い、しかも性能が良好かつ安定した電池用電極を製造する技術については、これまでのところ確立されるに至っていない。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、充放電サイクルにおける体積変化の大きいシリコン系活物質材料を用いて、性能が良好かつ安定したリチウムイオン二次電池用電極およびその製造技術を提供することを目的とする。
この発明の一の態様は、リチウムイオン二次電池用電極の製造方法であって、上記目的を達成するため、所定の配列方向に沿って複数の吐出口が列状に配置されたノズル体と、集電体として機能する基材とを、前記基材の表面に対し前記吐出口の各々が近接対向する状態に配置する工程と、前記吐出口の各々から活物質材料としてのシリコンまたはその化合物の粒子を含む塗布液を吐出させながら、前記基材に対して前記ノズル体を前記基材の表面に沿って前記吐出口の配列方向と交わる方向に相対移動させて、互いに離隔し前記基材表面から突出した複数のストライプ状の活物質パターンを前記基材表面に形成する工程とを備えている。
また、この発明の他の態様は、リチウムイオン二次電池用電極の製造装置であって、上記目的を達成するため、所定の配列方向に沿って複数の吐出口が列状に配置され、前記吐出口の各々から活物質材料としてのシリコンまたはその化合物の粒子を含む塗布液を連続的に吐出するノズル体と、集電体として機能する基材を、前記基材の表面に対し前記吐出口の各々が近接対向する状態に保持する保持手段と、前記吐出口が前記基材表面に沿って移動するように、前記ノズル体と前記基材とを相対的に移動させる移動手段とを備えている。
このように構成された発明では、複数の吐出口から吐出される活物質材料を含む塗布液によって、基材表面に活物質パターンが形成される。したがって活物質パターンの形状や寸法、その配置を適切に管理しながら、互いに離隔した複数の活物質パターンを形成することが可能である。複数の活物質パターン間の隙間空間は、充電により一時的に膨張する活物質を受け入れる機能を有する。このため、膨張・収縮サイクルにより活物質に加わる応力が緩和されて、容量低下の原因となる活物質パターンの損壊が抑制され、充放電サイクル特性の優れた長寿命の電池用電極を製造することができる。
すなわち、本発明によれば、シリコンまたはその化合物を活物質として用いることで高い充放電容量を得つつ、充放電サイクルにおける活物質の膨張・収縮に起因する活物質パターンの損壊を効果的に抑制して充放電サイクル特性の優れたリチウムイオン二次電池用電極を製造することができる。また、活物質パターンの形状や配置を良好に制御することができるので、性能の安定したリチウムイオン二次電池用電極を製造可能である。
これらの発明においては、例えば、複数の吐出口の開口形状が互いに等しく、かつ配列方向における吐出口の配列ピッチが一定であってもよい。このようにすれば、互いに等しい断面形状を有する複数の活物質パターンを一定ピッチで並べて基材表面に形成することができ、充放電サイクルにおける各活物質パターンの膨張・収縮の挙動を揃えて性能をより安定させることができる。
また例えば、隣接する活物質パターン間の活物質パターンの延設方向に直交する幅方向における間隔を、幅方向における活物質パターンの幅よりも小さくするようにしてもよい。活物質パターン間の間隔を大きくすれば、活物質の膨張に対する余裕度は高くなるが、電極としての面積当たりの活物質量が減るため容量が小さくなる。本願発明者らの知見ではシリコン系活物質における充電時の膨張量は幅方向において最大で2倍程度であるから、活物質パターンの幅よりも大きな間隔を設けることは無駄である。パターン幅より小さな間隔を設けることで、電極としての容量とサイクル特性とをバランスさせた電池用電極を製造することができる。
また例えば、幅方向における開口幅が活物質パターンの幅よりも小さい吐出口から塗布液を吐出して、該吐出後に塗布液を基材表面で広がらせるようにしてもよい。高容量と優れたサイクル特性とを両立させるためには、活物質パターンの断面形状および隣接パターンとの間隔を微細なものとする必要がある。特にパターン間隔を小さくするためには、ノズル体において隣接する吐出口間の間隔を小さくする必要があり、吐出口周辺部材が肉薄となってその強度低下が問題となり得る。吐出後に塗布液を基材表面で広がらせることにより、吐出口間の間隔は完成後のパターン間隔よりも大きくてもよいこととなるので、このような問題を回避することが可能である。
また例えば、塗布液が導電助剤をさらに含んでもよい。活物質材料とともに導電助剤を含有させると、活物質パターンにおける活物質材料の含有量が低下することにより活物質パターンの膨張量が小さくなる。すなわち、活物質材料と導電助剤との混合比率を制御することで、活物質パターンの膨張量を制御することが可能である。このことを利用して、電極としての容量とサイクル特性とをバランスさせた電池用電極を製造することが可能である。
また、この発明にかかるリチウムイオン二次電池用電極は、上記目的を達成するため、集電体として機能する基材と、前記基材表面に形成された、活物質材料としてのシリコンまたはその化合物を含み互いに離隔して前記基材表面から突出した複数のストライプ状の活物質パターンとを備えている。このように構成されたリチウムイオン二次電池用電極は、上記した理由により、高容量と優れた充放電サイクル特性とを兼備したものである。このようなリチウムイオン二次電池用電極は、具体的には上記した製造方法または製造装置によって製造することが可能である。
ここで例えば、複数の活物質パターンが互いに平行で、幅が互いに等しく、かつ、隣接する活物質パターン間の間隔が一定である構成とすれば、充放電サイクルにおける各活物質パターンの膨張・収縮の挙動が揃うので、性能をより安定させることが可能である。
また例えば、基材表面からの活物質パターンの頂部高さの半分の高さにおける活物質パターンの幅をW、隣接する活物質パターン間の当該高さにおける間隔をS、当該高さにおける活物質パターンの充電前の幅に対する充電後の幅の比として定義される膨張係数をnとしたとき、次式:
S/W≧n/20
の関係が満たされるように、活物質パターンを構成することができる。詳しくは後述するが、本願発明者らは、上記条件が満たされるように活物質パターンの幅W、間隔Sおよび膨張係数nの組み合わせを選んだとき、充放電の繰り返しにおける容量の低下を極めて小さく抑えることができることを見出した。すなわち、上記関係式を満たすようなストライプ状の活物質パターンを基材表面に形成することで、充放電サイクルにおける体積変化の大きい活物質材料を用いた場合でも性能が良好かつ安定したリチウムイオン二次電池用電極を得ることが可能である。
この発明によれば、高い充放電容量および優れた充放電サイクル特性を有し、しかも性能の安定したリチウムイオン二次電池用電極を得ることができる。
この発明を用いて製造される電池の構成例を示す図である。 負極電極の製造過程を模式的に示す図である。 吐出口および活物質パターンの寸法の関係を示す図である。 膨張係数の定義を説明する図である。 活物質パターンの組成と膨張係数との関係の例を示す図である。 充放電サイクルにおける放電容量の変化の例を示す図である。 実験結果の例を示す図である。 電極製造プロセスの一態様を示すフローチャートである。 電極製造装置の他の構成例を示す図である。
図1はこの発明を用いて製造される電池の構成例を示す図である。より詳しくは、図1(a)は負極電極としてこの発明にかかるリチウムイオン二次電池用電極の一実施形態を採用したリチウムイオン二次電池モジュールの断面構造を示す模式図であり、図1(b)はその負極電極を示す斜視図である。このリチウムイオン二次電池モジュール1は、負極集電体11の上に負極活物質層12、セパレータ131と電解液132とを有する電解質層13、正極活物質層14および正極集電体15を順番に積層した構造を有している。この明細書では、X、YおよびZ座標方向をそれぞれ図1(a)に示すように定義する。
図1(b)は負極集電体11表面に負極活物質層12を形成してなる負極電極10の構造を示している。図1(b)に示すように、負極活物質層12はY方向に沿って延びるストライプ状のパターン121がX方向に一定間隔を空けて多数並んだ、ラインアンドスペース構造となっている。
一方、正極電極は正極集電体15の表面に略一様に正極活物質層14が積層された構造を有している。そして、上記のように構成された正極電極および負極電極10がそれぞれの活物質層を内向きにしてセパレータ131を介して重ね合わされ、隙間に電解液132が含浸されることにより、リチウムイオン二次電池モジュール1が形成される。このリチウムイオン二次電池モジュール1に適宜タブ電極が設けられたり、複数のモジュールが積層されてリチウムイオン二次電池が構成される。
ここで、リチウムイオン二次電池モジュール1の各層を構成する材料として、正極集電体15、負極集電体11としては例えばアルミニウム箔、銅箔をそれぞれ用いることができる。また、正極活物質層14としては、正極活物質として公知の材料、例えばLiCoO2、LiMnO2およびそれらの混合物を用いることができる。また、セパレータ131としては例えばポリプロピレン(PP)シートを、電解液132としては例えば、支持塩としてのリチウム塩、例えば六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を含むエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合物(EC/DEC)を用いることができる。なお、各機能層の材質についてはこれらに限定されるものではない。
また、負極活物質層12としては、単結晶シリコン粒子または非晶質シリコン粒子、もしくは例えばSiO、SiOCのようなシリコン化合物を用いることができる。リチウムイオン二次電池としてはこれまで例えば黒鉛のような炭素材料を負極活物質として用いたものが実用化されているが、シリコン系活物質は炭素系活物質よりも高い比容量を有しており(代表的には、黒鉛の約370mAh/gに対して単結晶シリコンでは約4000mAh/g)、より充放電容量の大きな電池を構成することが可能である。
ただし、シリコン系活物質のようにリチウムとの合金を形成することで負極活物質として作用する材料では、充放電に伴うリチウムイオンの吸蔵・放出サイクルにおける活物質の体積変化が大きい。このため、充放電サイクルにおいて膨張収縮が繰り返されることに起因して活物質層の損壊や集電体層からの剥離が進み、容量が次第に低下してくる。すなわち、このように充放電による体積変化の大きい材料を活物質として用いる場合、電極の充放電サイクル特性が問題となる可能性がある。
そこで、この実施形態では、図1(b)に示すようにラインアンドスペース構造の負極集電体層12を形成し、複数のストライプ状のパターン121の間に形成される隙間空間によってパターン121の体積変化を吸収することができるようにしている。すなわち、各活物質パターン121を一軸方向に延びるストライプ状とすることにより、各活物質パターン121がランダムな方向へ膨張するのを抑制し、その膨張の方向をパターン延設方向に直交する方向に限定することができる。そして、パターンが膨張する方向に隙間を設けることにより、膨張によってパターンに加わる応力を緩和して、パターンの損壊や剥がれを防止することができる。
このようなパターンを形成する1つの方法として、活物質材料を含むペースト状の塗布液を負極集電体11の表面にストライプ状に塗布しこれを硬化させる方法がある。以下、このような塗布技術による負極電極の製造過程について説明する。
図2は負極電極の製造過程を模式的に示す図である。より詳しくは、図2(a)は負極電極10を製造するための電極製造装置の一例20における主要構成を示す図であり、図2(b)はそのうちのノズル体21の下面における吐出口211の配置を示す図である。また、図2(c)はこの電極製造装置20による負極電極の製造過程を示す斜視図である。
上記のようなラインアンドスペース構造の負極活物質層12は、図2(a)に示すように、負極活物質材料を含む塗布液Lを連続的に吐出するノズル体21を負極集電体11の表面に近接対向配置し、ノズル体21と負極集電体11とを相対的に移動させることにより作製可能である。より具体的には、この電極製造装置20は、上面が略平坦で負極集電体11を載置可能な載置面となった可動ステージ22を有している。可動ステージ22はステージ駆動機構23により駆動されてY方向に水平移動可能となっている。そして、可動ステージ22の上面に載置された負極集電体11の上方には、図2(b)に示すようにX方向に沿って複数の吐出口211が下面に設けられたノズル体21が配置される。このときノズル体21の下面に設けられた吐出口211は負極集電体11の表面に近接対向配置される。ノズル体21の内部には負極活物質材料を含むペースト状の塗布液が貯留されている。
塗布液としては、上記した負極活物質材料に、結着剤としての例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリアミドイミド、溶剤としての例えばN−メチルピロリドン(NMP)などを混錬してその粘度を適当に調整したものを用いることができる。また、後述するように、例えばアセチレンブラックやカーボンブラックなどの導電助剤をさらに加えてもよい。
ステージ駆動機構23が可動ステージ22を移動させることにより、負極集電体11とノズル体21との相対移動が実現される。すなわち、可動ステージ22が矢印方向Dsへ駆動されると、相対的にはノズル体21が負極集電体11の表面に沿って矢印方向Dnへと移動する。このようにして負極集電体11とノズル体21との相対移動を行いつつ、各吐出口211から吐出させた塗布液Lを負極集電体11に塗布することによって、負極集電体11の表面には、ノズル移動方向Dnに沿った互いに平行な多数のストライプ状の活物質パターン121が形成される。
なお、このような塗布方法はいわゆるノズルスキャン法と称されるものである。ノズルスキャン法によって塗布液を基材に塗布する技術は公知であり、本方法においてもそのような公知技術を適用することが可能であるので、装置構成については詳しい説明を省略する。
図3は吐出口および活物質パターンの寸法の関係を示す図である。より具体的には、図3(a)は吐出口211の寸法とパターン121の断面形状との関係を示す図である。また、図3(b)ないし図3(d)はパターン断面形状の他の例を示す図である。図3(a)に示すように、ノズル体21の下面に設けられた複数の吐出口211は、いずれも同一の開口形状および寸法を有している。具体的には、各吐出口211はX方向における開口長さL1、これに直交する方向の開口長さL2を有する矩形の開口形状を有しており、それらがX方向に沿って等間隔(配列ピッチP)で一列に配列されている。各部の寸法例としては、例えばL1=40μm、L2=30μm、P=60μmとすることができる。この場合、X方向における吐出口211間の間隔Dは20μmである。
このような寸法を有する吐出口211から吐出される塗布液により負極集電体11表面に形成される活物質パターン121の断面形状は、塗布液が非常に高い粘度を有する場合には吐出口211の開口形状とほぼ同じになると考えられる。しかしながら、断面形状を厳密に維持すべくそのような高粘度の塗布液を押し出してパターンを形成することは容易でなく、ある程度の流動性を持った(つまり粘度の低い)塗布液が用いられるのがより現実的である。
このような流動性を有する塗布液が吐出口211から吐出され負極集電体11に塗布されると、図3(a)に示すように、負極集電体11上では吐出口211の開口幅L1よりも幅が広がった状態で活物質パターン121が形成される。また吐出口211の矩形形状の角部に対応する部分は丸みを帯びた形状となる。活物質パターン121の幅が広がることにより、隣接する活物質パターン121間の間隔は、隣接する吐出口211間の間隔よりも若干小さくなる。
活物質パターン121の断面形状が必ずしも矩形とならないことを考慮して、各活物質パターン121の幅およびそれらの間隔を以下のように定義する。負極集電体11表面からの活物質パターン121頂部の高さをH1としたとき、その半分の高さH2、つまり負極集電体11表面から0.5H1の高さにおける、X方向に沿ったパターン121の寸法をパターン幅W、当該高さにおけるX方向に沿った隣接パターン間の距離をパターン間隔Wとする。
上記したように、塗布液の流動性に起因して、形成されるパターンの幅Wは吐出口211の幅211より広くなる一方、パターン間隔Sは吐出口211の間隔Dよりも狭くなる。このことは、活物質パターン121を狭い間隔で形成したい場合に有利に作用する。電極としての容量を大きくするためには、負極集電体11の表面に担持される活物質の量を多くする必要があり、このためには多数のストライプ状パターンを狭い間隔で形成することが好ましい。一方、ノズル体21において複数の吐出口211間の間隔Dを小さくすることは、吐出口211の側壁を構成する部材の厚みが薄くなることにつながり、吐出口211周辺の強度が低下してしまうという問題が生じる。
吐出後に塗布液を側方に広がらせてパターン幅Wを増大させることで、吐出口211間の間隔Dは設計上のパターン間隔Sよりも大きくすることができ、このような強度の低下を回避することが可能である。パターン幅Wおよび間隔Sを設計通りの値とするには、塗布液の粘度、吐出口211の形状、塗布液の吐出量およびノズル体21と負極集電体11との相対移動速度等の塗布条件が高い精度で管理される必要があるが、ノズルスキャン法による塗布技術はこのような要求に応えることができる十分な実績を有する。例えば前述した寸法例のノズル体21を用いて、パターン高さH1=20μmm、パターン幅W=50μm、パターン間隔S=10μmの活物質パターンを形成することが可能である。これに対して、前述の特許文献1では、活物質の膨張を吸収するための空隙を計画的にかつ制御性よく活物質層に配置するための技術が確立されているとは言い難い。
なお、活物質パターンの断面形状は、上記に限定されず、吐出口の開口形状や塗布液の粘度等により種々のものが考えられる。その一部の例を図3(b)ないし図3(d)に示した。図3(b)は断面形状が台形である活物質パターンの例を、図3(c)は断面形状が三角形である活物質パターンの例を、また図3(d)は断面形状が倒立台形である活物質パターンの例をそれぞれ示している。さらに、これらの角部が丸みを帯びた形状も考えられる。これらの任意の形状のパターンについても、図3(b)ないし図3(d)にそれぞれ示すように、パターン高さの半分の高さにおけるパターンの寸法および間隔としてパターン幅Wおよびパターン間隔Sを定義することが可能である。
前述したように、シリコン系活物質材料のように合金を形成することでリチウムを吸蔵するタイプの活物質材料では、充放電サイクルにおける活物質層の体積変化が大きい。この実施形態の活物質層12はストライプ状の活物質パターン121により構成されているので、その長手方向への寸法変化が抑えられ、充電に伴う材料の膨張は断面形状の膨らみとして現れる。特に、活物質パターン121の頂部側はセパレータ131および対極電極によって膨張が規制されるので、主として断面が側方に膨らむこととなる。ここで、活物質パターン121の膨張の程度を定量的に表すパラメータとして膨張係数nを導入し、これを以下のように定義する。
図4は膨張係数の定義を説明する図である。図4(a)における活物質パターン121は、充電前(もしくは放電状態)の断面形状が実線により、また充電状態の断面形状が点線により示されている。前述の定義から、放電状態におけるパターン121の幅Wは、パターン高さH1の半分の高さH2におけるパターン寸法により表すことができる。一方、充電状態でのパターン121の幅Wcについても、同じ高さH2におけるパターン寸法により表すこととする。そして、放電状態におけるパターン幅に対する充電状態のパターン幅、すなわち次式:
n=Wc/W … (式1)
により表される数値nを、当該パターンの膨張係数と定義する。膨張係数nは活物質層の組成に依存する値である。
膨張係数nは以下のようにして実測することができる。図4(b)に示すように、測定対象であるストライプ状の活物質パターンT2が形成された金属箔集電体T1、セパレータT3およびリチウム金属箔T4を積層し、電解液(図示省略)を含浸させてテストピースT0を作成する。セパレータT3およびリチウム金属箔T4には対応する位置に観察用の小孔T31、T41をそれぞれ設けておく。なお、シリコン系活物質材料は本実施形態において負極活物質材料として機能させることを予定するものであるが、対極としてリチウム金属箔を組み合わせた場合においては正極として作用する。しかしながら、このことは膨張係数nを求めることを目的とする実験に影響を与えない。正負いずれの極に用いられてもリチウムイオンの吸蔵・放出のプロセスには変化がないからである。
図4(c)に示すように、こうして作成されたテストピースT0を充放電計測器T5に接続して充放電動作を行わせ、例えばレーザー顕微鏡により小孔T31、T41を介して活物質パターンT2をin−situ観察しその寸法を計測する。こうして充電状態のパターン幅Wcと放電状態のパターン幅Wとを求め、膨張係数nを求めることができる。なお、膨張係数nの求め方はこれに限定されるものではなく、充電状態と放電状態との間でパターン幅を比較することができれば他の方法であってもよい。
本願発明者らは、充放電による体積変化の大きい活物質材料を用いて充放電サイクル特性の優れた電極を形成することのできる条件を見出すことを目的として次に説明する実験を行った。この実験では、組成の異なる(したがって膨張係数nが異なる)複数の活物質パターンを種々の寸法で作成し、その充放電サイクル特性の評価を行った。
図5は活物質パターンの組成と膨張係数との関係の例を示す図である。ここでは活物質として単結晶シリコン粉末を使用し、結着剤としてのポリアミドイミドを加えてNMP溶剤に混ぜ込み混錬したものを塗布液として使用した。また、導電助剤としてのカーボンブラックを混合することで、活物質パターンにおける活物質の含有比率を変化させた。
その一例である負極材料1では、溶剤を除く固体成分のうち単結晶シリコン粉末を90重量%、ポリアミドイミドを10重量%とし、カーボンブラックを加えていない。このときの膨張係数nは1.95であった。このことは、充電によりパターン幅Wが2倍近くまで膨張することを示す。
負極材料2では、44重量%のカーボンブラックを加え、単結晶シリコン粉末の含有量を46重量%とした。ポリアミドイミドの含有量は10重量%である。体積変化の大きいシリコンの含有量が低下したことにより、膨張係数nは1.75と負極材料1よりも小さな値となっている。さらに単結晶シリコン粉末の含有量を19重量%まで低下させ、カーボンブラックを71重量%、ポリアミドイミドを10重量%含ませた負極材料3では、膨張係数nが1.42となった。
なお、現在実用化されている炭素系活物質は、図5に「従来例」として示されるように、シリコン含有量を0としてカーボンブラック(より一般的には黒鉛)に活物質としての機能を持たせたものに相当する。この場合の膨張係数nは1.05程度であり、シリコン系活物質に比べて十分に小さい。したがって充放電サイクル特性は良好である。
なお、活物質パターンにおけるシリコン含有量を低くすると膨張係数nが小さくなるが、吸蔵できるリチウムの量も少なくなって電極としての容量は小さくなる。一方、シリコン含有量を大きくすると充放電容量は増大するが、膨張係数nが大きくなり充放電サイクルにおける膨張収縮に起因する容量の経時的低下が問題となり得る。この問題に対しては活物質層をラインアンドスペース構造とすることで応力を緩和し容量低下の抑制を図ることができるが、膨張を吸収するべく活物質パターンの隙間を大きくすると実質的に活物質の量が少なくなり、容量自体が小さくなってしまう。
このように、充放電による体積変化の大きい活物質材料を用いる場合、サイクル特性を重視すると容量が小さくなり、容量を大きくしようとするとサイクル特性が劣化してしまうというトレードオフがあり、高容量と優れた充放電サイクル特性とを両立させるための条件についてはこれまで確立されるに至っていなかった。
本願発明者らは、以下に説明する実験により、活物質材料の膨張係数nとパターン寸法(パターン幅Wおよび間隔S)とを適宜に組み合わせることで、高容量と充放電サイクル特性とを両立させた電極を作製可能であることを見出した。
実験では、組成を異ならせた複数の塗布液を用いて前述の方法によりそれぞれ負極電極を作成し、セパレータおよび正極電極と組み合わせて2032型コイン電池を試作し、その充放電サイクル特性を測定した。負極集電体としては厚さ10μmの圧延銅箔を用い、塗布液の組成および寸法を変えて複数種の負極電極を作製した。
正極電極としては、厚さ20μmの圧延アルミニウム箔に、正極活物質材料としてのLiCoO2(LCO)、導電助剤としてのカーボンブラックおよび結着剤としてのPVDFを重量比8:1:1で混錬したものをNMP溶剤に混ぜ込んだ塗布液をブレードコーターにより均一塗布し乾燥させたものを用いた。また、セパレータとしてはPP製シートを、電解液としては、1mol/dmのLiPFを溶解させたEC/DEC混合物を使用した。
充放電サイクル特性の評価は、25℃において、0.1Cレート、カットオフ電圧0ないし2.0V(フルセル)で10サイクルの充放電を行い、各サイクルにおける放電容量を測定して、以下の式:
(容量維持率)=(10サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)×100 [%] … (式2)
で定義される容量維持率を算出することにより行った。以下、その結果の一部について説明する。
図6は充放電サイクルにおける放電容量の変化の例を示す図である。ここでは、図5の負極材料1を用い、パターン幅Wを一定(50μm)としパターン間隔Sを変化させて活物質パターンを作製した試料を用いた。図6は、充放電サイクルごとの放電容量を、初期容量を100%として、またパターン間隔Sとパターン幅Wとの比の値(S/W)をパラメータとして示したものである。パターン間隔Sの範囲としては、6μm(S/W=0.12)から12μm(S/W=0.24)とした。
パターン間隔Sとパターン幅Wとの比S/Wが比較的大きい場合にはサイクルごとの放電容量の変化は僅かである一方、この比の値がある程度より小さくなるとサイクルごとに放電容量が急激に低下してゆく傾向が、図6から読み取れる。この実験では、10サイクル目の容量が初期容量の90%以上を維持しているものを良品として、良品を得るための条件を探索した。
図7は実験結果の例を示す図である。より詳しくは、図7(a)は、負極材料1を用い、パターン幅Wを50μmおよび70μmの2種類としてパターン間隔Sを種々に変化させて測定した、パターン間隔Sとパターン幅Wとの比S/Wと、10サイクル後の容量維持率との関係を示す図である。また、図7(b)および図7(c)は、同じ実験をそれぞれ負極材料2および負極材料3を用いて行った結果を示している。
これらの結果から、パターン間隔Sとパターン幅Wとの比S/Wが小さい領域では容量維持率が小さいが、比の値をある程度より大きくすると容量維持率が急激に立ち上がり、良好な充放電サイクル特性が得られることがわかる。容量維持率の立ち上がり位置は負極材料によって異なり、膨張係数nが小さいほど、比の値S/Wが小さい領域で容量維持率が立ち上がる。すなわち、比の値S/Wが同じであれば、膨張係数nが小さいほどサイクル特性は良好である。したがって、パターン幅Wが同じであれば膨張係数nが小さいほどパターン間隔Sを小さくすることができる。これは、パターンの膨張が小さいため、これを吸収するためのスペースも少なくて済むことの表れと見られる。
また、同じ材料では、パターン幅Wによらず同じ傾向が表れているが、パターン幅Wの小さい方が、若干立ち上がりが早くなって(図において左方に偏倚して)いる。これは、パターン幅Wが大きくなると1つのパターン内での膨張に起因する応力が大きくなり、これを吸収しきれなくなってパターンの損壊が起きやすいためと考えられる。
このように、パターン間隔Sとパターン幅Wとの比S/W、膨張係数nおよび容量維持率の間には相関があり、それらの相関に基づき、10サイクル後の容量維持率が90%以上の良品を得るための条件を求めると、次式:
S/W ≧ n/20 … (式3)
により、よい近似が得られることがわかった。
なお、(式3)において、左辺を大きくしようとすると、集電体上においてパターン間の空隙が多くなり充放電に寄与する活物質の量が少なくなる。パターン間隔Sが最大でもパターン幅Wよりも小さくなるように、つまり左辺が1より小さくなるようにすることが初期容量を確保するという観点からは好ましい。一方、単体で体積変化の大きい材料で右辺を小さくしようとすると、導電助剤等の添加により活物質の含有量を低下させる必要があるので、やはり活物質の量が少なくなってしまう。これらは初期容量の低下につながる。したがって、高容量と優れた充放電サイクル特性とを両立させるためには、(式3)を満たす範囲において等号成立に近い条件を選ぶことが好ましいと言える。
以上より、例えばシリコン系活物質のように充放電による体積変化の大きい活物質材料を用いて、高容量かつサイクル特性の優れたリチウムイオン二次電池用電極を製造するためには、例えば次のような製造プロセスを実行すればよいこととなる。
図8は電極製造プロセスの一態様を示すフローチャートである。ここでは、活物質パターンの寸法が予め設定されており、その設計条件を満たしつつ、高容量と良好なサイクル特性とを両立させた電極を製造するものとする。まず、使用する活物質材料について、導電助剤等の添加物との混合比と膨張係数nとの関係を把握する(ステップS101)。なお、例えば過去の実験や文献等から活物質材料の組成と膨張係数nとの関係が既知である場合には、その情報を利用してもよい。その知見に基づき、与えられた寸法との兼ね合いで上記(式3)の条件を満たす膨張係数nとなる混合比で材料を混合し塗布液を調製する(ステップS102)。なお、吐出後の塗布液の広がりについては塗布液の粘度に依存するので、塗布液への溶剤の添加量によって調整することが可能である。
こうして得られた塗布液を例えば図2に示す電極製造装置20に適用して、負極電極を製造する。具体的には、負極集電体11となる金属箔、例えば銅箔を電極製造装置20の可動ステージ22にセットし(ステップS103)、ステージ駆動機構23により可動ステージ22を移動させる(ステップS104)。この状態で、ノズル体21に設けられた吐出口211の各々から上記で調製した塗布液を吐出させて活物質パターンを形成する(ステップS105)。このようにして、高容量と良好な充放電サイクル特性とを両立させた電極を優れた生産性で製造することが可能である。
なお、活物質パターンの幅Wおよび間隔Sのいずれかが自由に設定可能である場合には、予め調製された、あるいは適宜に調製した活物質材料を含む塗布液の物性に合わせて、上記(式3)を満たすような活物質パターンの幅Wおよび間隔Sのパターンを形成することで、同様にして高容量と良好な充放電サイクル特性とを両立させた電極を製造することが可能である。
また、図2に示す電極製造装置20は枚葉状のシート体である負極集電体11に対して塗布液を塗布することで負極電極10を製造する装置であるが、より大量生産に適した形態として、例えば以下に説明するいわゆるロール・トゥ・ロール方式の製造装置によって電極を製造することも可能である。
図9は電極製造装置の他の構成例を示す図である。この電極製造装置30は、ロール状に巻回された活物質形成前の長尺シート体3を保持するとともにシート体3を一定速度で送り出す供給ローラ32と、活物質層が形成された後のシートSを巻き取る巻き取りローラ33とを備えている。これらがローラ駆動機構36により回転駆動されることにより、シート体3が所定の搬送方向Dsに一定の速度で搬送される。シート体3は完成後の電極において集電体として機能するものであり、例えば金属箔を用いることができるが、搬送を容易にするために例えば樹脂シートで裏打ちされたものでもよい。
供給ローラ32から巻き取りローラ33に至る搬送経路上には、シート体3の表面に対向してノズル体31が設けられている。このノズル体31の構造は前述のノズル体21と同一のものであってよい。ノズル体31には塗布液供給部35から適宜の組成に調製された塗布液が供給される。
ノズル体31は、塗布液供給部35から活物質を含む塗布液の供給を受けて、該塗布液をシート体3の表面に塗布する。シート体3を挟んでノズル体31と反対側に設けられたノズル対向ローラ34は、ノズル体31とシート体3との位置関係を一定に維持して安定した塗布を可能にするバックアップローラとして機能する。
このような構成を有する電極製造装置30を用いた場合においても、形成すべき活物質パターンの膨張係数nとその寸法(パターン幅Wおよび間隔S)との関係を(式3)を満たすものとすることにより、高容量と良好な充放電サイクル特性とを両立させた電極を製造することが可能である。
以上説明したように、上記実施形態では、負極集電体11が本発明の「基材」に相当している。また、図2の電極製造装置20では、可動ステージ22が本発明の「保持手段」として機能し、ステージ駆動機構23が本発明の「移動手段」として機能している。一方、図9の電極製造装置30では、シート体3が本発明の「基材」に相当しており、ローラ32〜34が本発明の「保持手段」として機能し、ローラ駆動機構36が本発明の「移動手段」として機能している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では負極活物質として単結晶シリコン粉末を用いているが、これ以外にも、非晶質シリコンや、SiOやSiOCなどのシリコン化合物を用いるようにしてもよい。なお、上記したリチウムイオン二次電池用電極の構造は、これらのシリコン系活物質に限らず、充放電における体積変化の大きい他の活物質材料を用いた場合でも、容量とサイクル特性との両立を図る上で有効なものである。
また、上記実施形態の負極材料では、結着剤の混合比を一定として活物質と導電助剤との混合比を種々に変えているが、結着剤の混合比についても変化させてもよい。また導電助剤および結着剤の種類についても上記したものに限定されない。
また、上記実施形態における活物質パターンの断面形状はその一例を示したものであって、これに限定されず、任意の断面形状を用いることが可能である。またノズル体に設ける吐出口の開口形状も、上記実施形態のような矩形に限定されず、種々のものを用いることが可能である。
本発明によれば、高容量と優れたサイクル特性とを両立させたリチウムイオン二次電池を製造することが可能である。
1 リチウムイオン二次電池モジュール
3 シート体(基材)
10 負極電極
11 負極集電体(基材)
12 負極活物質層
13 電解質層
14 正極活物質層
15 正極集電体
20,30 電極製造装置
21,31 ノズル体
22 可動ステージ(保持手段)
23 ステージ駆動機構(移動手段)
32〜34 ローラ(保持手段)
36 ローラ駆動機構(移動手段)
121 (負極)活物質パターン
211 吐出口
S パターン間隔
W パターン幅

Claims (12)

  1. 所定の配列方向に沿って複数の吐出口が列状に配置されたノズル体と、集電体として機能する基材とを、前記基材の表面に対し前記吐出口の各々が近接対向する状態に配置する工程と、
    前記吐出口の各々から活物質材料としてのシリコンまたはその化合物の粒子を含む塗布液を吐出させながら、前記基材に対して前記ノズル体を前記基材の表面に沿って前記吐出口の配列方向と交わる方向に相対移動させて、互いに離隔し前記基材表面から突出した複数のストライプ状の活物質パターンを前記基材表面に形成する工程と
    を備えるリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  2. 前記複数の吐出口の開口形状が互いに等しく、かつ前記配列方向における前記吐出口の配列ピッチが一定である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  3. 隣接する前記活物質パターン間の前記活物質パターンの延設方向に直交する幅方向における間隔を、前記幅方向における前記活物質パターンの幅よりも小さくする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  4. 前記幅方向における開口幅が前記活物質パターンの幅よりも小さい前記吐出口から前記塗布液を吐出して、該吐出後に前記塗布液を前記基材表面で広がらせる請求項3に記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  5. 前記塗布液が導電助剤をさらに含む請求項1ないし4のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  6. 前記基材表面からの前記活物質パターンの頂部高さの半分の高さにおける前記活物質パターンの幅をW、隣接する前記活物質パターン間の当該高さにおける間隔をS、当該高さにおける前記活物質パターンの充電前の幅に対する充電後の幅の比として定義される膨張係数をnとしたとき、次式:
    S/W≧n/20
    の関係が満たされる請求項1ないし5のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  7. 集電体として機能する基材と、
    前記基材表面に形成された、活物質材料としてのシリコンまたはその化合物を含み互いに離隔して前記基材表面から突出した複数のストライプ状の活物質パターンと
    を備えるリチウムイオン二次電池用電極。
  8. 前記複数の活物質パターンが互いに平行で、幅が互いに等しく、かつ、隣接する前記活物質パターン間の間隔が一定である請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  9. 請求項1ないし6のいずれかに記載の製造方法により製造された、請求項7または8に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  10. 前記基材表面からの前記活物質パターンの頂部高さの半分の高さにおける前記活物質パターンの幅をW、隣接する前記活物質パターン間の当該高さにおける間隔をS、当該高さにおける前記活物質パターンの充電前の幅に対する充電後の幅の比として定義される膨張係数をnとしたとき、次式:
    S/W≧n/20
    の関係が満たされる請求項7または8に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  11. 所定の配列方向に沿って複数の吐出口が列状に配置され、前記吐出口の各々から活物質材料としてのシリコンまたはその化合物の粒子を含む塗布液を連続的に吐出するノズル体と、
    集電体として機能する基材を、前記基材の表面に対し前記吐出口の各々が近接対向する状態に保持する保持手段と、
    前記吐出口が前記基材表面に沿って移動するように、前記ノズル体と前記基材とを相対的に移動させる移動手段と
    を備えるリチウムイオン二次電池用電極の製造装置。
  12. 前記複数の吐出口の開口形状が互いに等しく、かつ前記配列方向における前記吐出口の配列ピッチが一定である請求項11に記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造装置。
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