JP2014038739A - 真空蒸着装置及び有機el装置の製造方法 - Google Patents

真空蒸着装置及び有機el装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】膜厚を精度良く均一に分布させることができる真空蒸着装置を提供することを課題とするものである。
【解決手段】複数の放出開口によって構成される一組の開口グループと、複数の放出開口によって構成される他の開口グループがあり、同一の成膜材料の蒸気を2以上の開口グループから放出可能であり、前記一組の開口グループから放出される成膜材料の蒸気によって基材に生成された膜はその厚さが部位によってばらつきを有するものであり、前記他の開口グループから放出される成膜材料の蒸気によって基材に生成された膜についてもその厚さが部位によってばらつきを有するものであり、前記一組の開口グループによって生成された膜厚のばらつきと、前記他の開口グループによって生成された膜厚のばらつきが相違し、かつ両者は膜厚のばらつきを補完して平滑化する関係にある構成とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、真空蒸着装置に関するものである。特に有機EL(Electro Luminescence)装置を製造する際に好適に使用できる真空蒸着装置に関するものである。本発明は、真空蒸着装置を使用した有機EL装置の製造方法に関するものである。
近年、白熱灯や蛍光灯に代わる照明装置として有機EL装置が注目され、多くの研究がなされている。
ここで、有機EL装置は、ガラス基板や透明樹脂フィルム等の基材に、有機EL素子を積層したものである。
また、有機EL素子は、一方又は双方が透光性を有する2つの電極を対向させ、この電極の間に有機化合物からなる発光層を積層したものである。有機EL装置は、電気的に励起された電子と正孔との再結合のエネルギーによって発光する。
有機EL装置は、自発光デバイスであるため、ディスプレイ材料として使用すると高コントラストの画像を得ることができる。また、発光層の材料を適宜選択することにより、種々の波長の光を発光することができる。また、白熱灯や蛍光灯に比べて厚さが極めて薄く、且つ面状に発光するので、設置場所の制約が少ない。
代表的な有機EL装置の層構成は、図23の通りである。図23に示される有機EL装置200は、ガラス基板202上に、透明電極層203と、機能層205と、裏面電極層206が積層され、これらが封止部207によって封止されたものである。有機EL装置200は、ガラス基板202側から光を取り出す、いわゆる、ボトムエミッション型と称される構成である。
また、機能層205は、複数の有機化合物又は導電性酸化物の薄膜が積層されたものである。代表的な機能層205の層構成は、図23の通りであり、透明電極層203側から順に正孔注入層208、正孔輸送層210、発光層211、電子輸送層212、及び電子注入層215を有している。
そして、有機EL装置200は、ガラス基板202上に、前記した層を順次成膜することによって製造される。
一般的に、上記した各層のうち、透明電極層203は、インジウム錫酸化物(ITO)等の透明導電膜で形成された層であり、主にスパッタ法又は化学気相蒸着(CVD)法によって成膜される。機能層205は、前記したように複数の有機化合物や導電性酸化物の薄膜が積層されており、各薄膜はいずれも真空蒸着法によって成膜される。裏面電極層206は、アルミニウム等の金属薄膜であり、真空蒸着法によって成膜される。
このように、一般的な有機EL装置は、真空蒸着法が多用されて製造される。
真空蒸着法は、例えば、特許文献1に開示されたような真空蒸着装置を使用して成膜する技術である。
真空蒸着装置は、成膜対象に成膜する成膜室と、成膜材料を蒸発させる蒸発部と、成膜室と蒸発部を接続する蒸着用配管によって構成されるものである。
成膜室は、成膜対象であるガラス基板を固定するステージと、ステージに固定されたガラス基板に向かって蒸気を放出する成膜材料放出部を備えている。蒸発部は、加熱装置と、成膜材料を入れる坩堝とよって構成されている。蒸着用配管は、成膜材料放出部と蒸発部の双方に連通する配管である。
特開2012−97338号公報
特許文献1に記載の蒸着装置は、当業者間でエリアソースと呼ばれる手法にて、ガラス基板全面に有機EL素子を蒸着する機能を有している。具体的には、特許文献1に記載の蒸着装置は、複数の噴霧孔が面状に分布した薄膜材料放出部(成膜材料放出部)を備えており、当該噴霧孔からガラス基板に薄膜蒸気(成膜蒸気)を噴霧させることによって所望の層を成膜する。複数の噴霧孔が面状に分布しているため、ガラス基板上のどの位置においてもむら無く層を形成することができると考えられていた。
ところが、発明者らは、エリアソースで蒸着すると、わずかではあるが中央が厚く、周囲が薄く蒸着されることを発見した。このわずかな分布は、使用期間が短い間には影響が少ないが、使用期間が長くなると、有機EL装置の輝度分布に大きく影響を与え、また有機EL装置の寿命においても大きく影響を与えることがわかった。
そこで、本発明は、膜厚を精度良く均一に分布させることができる真空蒸着装置を提供することを課題とするものである。
上記の課題を解決するための請求項1に記載の発明は、減圧可能であって基材を設置可能な成膜室と、基材に対して成膜材料の蒸気を放出する放出開口が複数設けられた成膜材料放出部を有し、成膜材料放出部から成膜材料の蒸気を放出して基材に成膜する真空蒸着装置において、複数の放出開口によって構成される一組の開口グループと、複数の放出開口によって構成される他の開口グループがあり、同一の成膜材料の蒸気を2以上の開口グループから放出可能であり、前記一組の開口グループから放出される成膜材料の蒸気によって基材に生成された膜はその厚さが部位によってばらつきを有するものであり、前記他の開口グループから放出される成膜材料の蒸気によって基材に生成された膜についてもその厚さが部位によってばらつきを有するものであり、前記一組の開口グループによって生成された膜厚のばらつきと、前記他の開口グループによって生成された膜厚のばらつきが相違し、かつ両者は膜厚のばらつきを補完して平滑化する関係にあることを特徴とする真空蒸着装置である。
本発明の構成によれば、一組の開口グループによって生成された膜厚のばらつきと、他の開口グループによって生成された膜厚のばらつきが相違し、かつ両者は膜厚のばらつきを補完して平滑化する関係にあるものである。
例えば、意図的に一組の開口グループの膜厚分布が中央から外側に向かって厚みが薄い凸分布した場合、他の開口グループの膜厚分布は、外側から中央に向かって薄い凹分布である。すなわち、一組の開口グループによって形成される膜の膜厚が薄い部位には、他の開口グループによって形成される膜を厚くし、一組の開口グループによる膜の膜厚が厚い部位には、他の開口グループによる膜の膜厚を薄くしている。
そして、一組の開口グループの凸分布と他の開口グループの凹分布を組み合わせて蒸着することによって、互いの分布が蒸着対象である基材に形成された薄膜の厚薄を補完して平滑化することができる。そのため、一組の開口グループ及び他の開口グループによって積層される膜厚を精度良く均一に分布させることができる。
請求項2に記載の発明は、成膜材料を蒸発させる蒸発部を複数有し、1又は複数の蒸発部によって構成される蒸発部グループと、当該蒸発部グループを構成する蒸発部から蒸発された成膜材料が通過する共通蒸気流路とを有し、前記共通蒸気流路から前記一組の開口グループに対する成膜材料の蒸気の供給と、他の開口グループに対する成膜材料の蒸気の供給とを切り換える供給切替え手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着装置である。
本発明によれば、前記共通蒸気流路から前記一組の開口グループに対する成膜材料の蒸気の供給と、他の開口グループに対する成膜材料の蒸気の供給とを切り換える供給切替え手段を備えている。すなわち、所定の蒸発部グループから一組の開口グループと他の開口グループに供給される流路は、共通の流路である共通蒸気流路であり、一組の開口グループと他の開口グループへの成膜材料の蒸気の供給は、当該共通蒸気流路を介して供給することが可能である。そのため、開口グループごとに蒸発部グループを重複させて設ける必要がない。それ故に、作業性がよく、蒸発部グループの設置空間も小さくすることができる。
また供給切り替え手段によって、使用する開口グループに合わせて、使用する成膜材料の蒸気を供給することが可能であるため、例えば、それぞれの開口グループの成膜時間などを調整しやすく所望の膜厚を調整しやすい。
請求項3に記載の発明は、成膜材料を蒸発させる蒸発部を複数有し、1又は複数の蒸発部によって構成される一組の蒸発部グループと、複数の放出開口によって構成される一組の開口グループが接続されて一個の放出系統を形成し、前記放出系統が複数存在する流路構成を備えており、複数の蒸発部グループに跨がって属する蒸発部があり、複数の放出系統に属する開口グループから同一の蒸発部で蒸発させた成膜材料の蒸気を放出可能であることを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着装置である。
本発明の構成によれば、複数の蒸発部グループに跨がって属する蒸発部があり、複数の放出系統に属する開口グループから同一の蒸発部で蒸発させた成膜材料の蒸気を放出可能である。すなわち、複数の蒸発部グループは互いに蒸発部を共有している。そのため、当該跨がって属する蒸発部から異なる放出系統を経由して2種類の同一膜を成膜することが可能である。
請求項4に記載の発明は、成膜材料を蒸発させる蒸発部を複数有し、1又は複数の蒸発部によって構成される一組の蒸発部グループと、複数の放出開口によって構成される一組の開口グループが接続されて一個の放出系統を形成し、前記放出系統が複数存在する流路構成を備えており、前記複数の蒸発部の中には同一種類の成膜材料を蒸発させる2以上の同機能蒸発部があり、異なる放出系統に属する蒸発部グループに同機能蒸発部があり、複数の放出系統に属する開口グループから同一種類の成膜材料の蒸気を放出可能であることを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着装置である。
本発明の構成によれば、前記複数の蒸発部の中には同一種類の成膜材料を蒸発させる2以上の同機能蒸発部があり、異なる放出系統に属する蒸発部グループに同機能蒸発部がある。すなわち、2以上の異なる放出系統に同機能の蒸発部がそれぞれ存在している。そして、それぞれ2以上の同機能の蒸発部で蒸気となった成膜材料の蒸気が複数の放出系統に属する開口グループから放出可能となっている。
そのため、異なる2つ以上の開口グループに同一の種類の蒸気を供給することができ、膜厚のばらつきが異なる少なくとも2種類の同一膜を成膜することができる。それ故に、当該同一膜間で互いに補完させて平滑化することができる。
請求項5に記載の発明は、前記開口グループは、いずれも面状に分布していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の真空蒸着装置である。
本発明の構成によれば、前記開口グループは、いずれも面状に分布しているため、成膜対象の基材全面に同時に成膜することができる。それ故に成膜時間を短縮することができる。
請求項6に記載の発明は、前記一組の開口グループから放出される成膜材料の蒸気の放出パターンは、前記他の開口グループから放出される成膜材料の蒸気の放出パターンと相違することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の真空蒸着装置である。
ここでいう「放出パターン」とは、成膜材料の蒸気を放出する際の規則性を表し、例えば、成膜材料の蒸気を放出する際の成膜速度や蒸気の拡散度、蒸気の温度、蒸気の圧力、蒸気の自由度、成膜対象までの蒸気の経路などである。
本発明の構成によれば、一組の開口グループから放出される成膜材料の蒸気の放出パターンと他の開口グループから放出される成膜材料の蒸気の放出パターンが相違するため、生成される膜厚のばらつきを相違させやすい。
請求項7に記載の発明は、成膜室には複数の基材を設置可能であり、複数の成膜材料放出部を有し、前記複数の成膜材料放出部は異なる基材と対向する位置にあり、蒸発部から前記複数の成膜材料放出部に蒸発した成膜材料の蒸気がそれぞれ供給され、複数の成膜材料放出部から同時に成膜材料の蒸気が放出されて対向する位置のそれぞれの基材に同時に成膜することが可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の真空蒸着装置である。
本発明の構成によれば、成膜室に複数の基材を設置可能であり、且つ各基材に対向する位置に成膜材料放出部がある。そしてそれぞれの成膜材料放出部から同時に成膜材料の蒸気を放出してそれぞれの基材に同時に成膜することが可能である。そのため、複数の基材に同時に成膜を施すことが可能であり、単位時間あたりに成膜可能な基材の数が多い。
請求項8に記載の発明は、成膜室内においては、二つの基材の被成膜面が対向する向きに立設され、二つの基材の間に成膜材料放出部が設置されていることを特徴とする請求項7に記載の真空蒸着装置である。
本発明の構成によれば、二つの基材の間に成膜材料放出部が設置されているので、成膜室内の空間を有効に活用することができ、装置の全体形状を小型化することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の真空蒸着装置を使用して有機EL装置を製造する有機EL装置の製造方法において、異なる放出系統に属する放出開口から同一の成膜材料の蒸気を、時間差を設けて放出することを特徴とする有機EL装置の製造方法である。
本発明の製造方法によると、異なる放出系統に属する放出開口から同一の成膜材料の蒸気を、時間差を設けて放出するため、異なる放出系統に属する放出開口で放出される成膜材料の蒸気同士が緩衝せず、膜厚のばらつきを予想しやすい。そのため、膜厚のばらつきを補完させやすい。
本発明の真空蒸着装置によれば、膜厚を精度良く均一に分布させることができる。
また本発明の製造方法によれば、膜厚のばらつきを予想しやすく、膜厚のばらつきを補完させやすい。
本発明の第1実施形態に係る真空蒸着装置の作動原理図である。 図1の真空蒸着装置の要部の斜視図である。 図2の要部の分解斜視図である。 図1の真空蒸着装置の蒸発部の概念図である。 図2の要部のA−A断面図である。 図2の要部の平面図である。 図1の真空蒸着装置を用いて成膜した場合の膜厚分布の説明図である。 図1の真空蒸着装置を用いた成膜手順におけるタイムチャートである。 図1の真空蒸着装置を用いた成膜手順の説明図である。 図1の真空蒸着装置を用いた成膜手順の説明図である。 図1の真空蒸着装置を用いた成膜手順の説明図である。 図1の真空蒸着装置を用いた成膜手順の説明図である。 図1の真空蒸着装置を用いた成膜手順の説明図である。 図1の真空蒸着装置を用いた成膜手順の説明図である。 図1の真空蒸着装置を用いた成膜手順の説明図である。 図1の真空蒸着装置を用いて成膜可能な有機EL装置の層構成の模式図である。 他の実施形態における真空蒸着装置の作動原理図である。 他の実施形態における真空蒸着装置の作動原理図である。 他の実施形態における真空蒸着装置の作動原理図である。 図19の真空蒸着装置の蒸気放出部の断面図である。 他の実施形態における真空蒸着装置の作動原理図である。 図21の真空蒸着装置の蒸気放出部の断面図である。 一般的な有機EL装置の層構成の模式図である。
以下に、本発明の第1実施形態に係る真空蒸着装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の第1実施形態の真空蒸着装置1は、図1のように、成膜室2と、複数の蒸発部10a〜10uを備えており、これらを接続する接続流路5によって接続されている。
成膜室2は気密性を有するものであり、減圧手段7と、シャッター8が備えられている。減圧手段7は成膜室2内の空間を真空状態に維持する部材であり、公知の減圧ポンプである。
なお、ここでいう「真空状態」とは、10-3Pa以下の真空度を有する状態を指す。真空度は低ければ低いほど好ましい。本実施形態の具体的な真空度は1×10-3〜1×10-9Paの範囲であり、1×10-5〜1×10-9Paの範囲が望ましい。
成膜室2は、基板11を搬送する基板搬送装置12を備えており、成膜室2の壁面には、図示しない搬入口と搬出口が設けられている。
基板搬送装置12は、基板11(基材)を搬送する装置であり、成膜室2に対して基板11の出し入れや、所望の成膜位置に基板11を固定する機能を有する。すなわち、基板搬送装置12は、基板11を所定の成膜位置まで搬送したり、成膜室2の外部から搬入口を介して成膜室2の内部に基板11を搬入したり、成膜室2の内部から搬出口を介して成膜室2の外部へ基板11を搬出したりすることが可能である。
シャッター8は、可動式シャッターであり、図2に示される第1蒸気放出部30の放出開口48(開口)と第2蒸気放出部31の放出開口49(開口)のそれぞれを隠す閉塞姿勢と、図2に示される第1蒸気放出部30の放出開口48(開口)と第2蒸気放出部31の放出開口49を開放する開放姿勢を取ることが可能となっている。
図4に示される蒸発部10a(蒸発部10b〜10u)は、成膜材料16a(成膜材料16b〜16u)を蒸発させる部位であり、蒸発室21と、坩堝22と、加熱手段23,24と、をそれぞれ備えている。
蒸発室21は、接続流路5を経由して成膜室2と連通されており、成膜室2と別個の筐体となっている。
蒸発室21は、固体状又は液体状の成膜材料16a(成膜材料16b〜16u)を気体状の成膜蒸気18a(18b〜18u)に変換する蒸発空間25を内蔵している。
なお、以下の説明においては、成膜材料16a〜16uの性状を区別するため、蒸気となった成膜材料16(16a〜16u)を成膜蒸気18(18a〜18u)として表す。
坩堝22は、所望の成膜材料16を収容する容器である。
加熱手段23は、坩堝22を加熱する部材であり、加熱手段24は、蒸発室21全体を加熱する部材である。加熱手段23,24はともに公知のヒーターを使用している。
成膜材料16(16a〜16u)は、後述する有機EL装置100の各層を形成する所望の成膜材料である。
成膜材料16の性状は、粉体やペレット状の固体や、半練り状の流動体、あるいは液体などが採用可能である。すなわち、成膜材料16は、液状や粉末状、粒状の物質である。なお、本実施形態では、粉末状の成膜材料16を使用している。
接続流路5に目を移すと、接続流路5は、図1のように第1蒸気放出部30に成膜蒸気18a〜18uを供給する第1供給流路32と、第2蒸気放出部31に成膜蒸気18a〜18uを供給する第2供給流路33と、各蒸発部10a〜10uと接続される分岐流路36a〜36uと、これらを接続する合流流路35(共通蒸気流路)と、を有している。
第1供給流路32の中途には、第1開閉弁37が設けられており、第2供給流路33の中途には、第2開閉弁38が設けられている。言い換えると、成膜する際の第1供給流路32の成膜蒸気18の流れ方向の中流に第1開閉弁37は位置しており、第2供給流路33の成膜蒸気18の流れ方向の中流に第2開閉弁38は位置している。
第1開閉弁37及び第2開閉弁38は、公知の開閉弁であり、制御装置26の命令を受けて開閉可能となっている。
また分岐流路36a〜36uの中途には、蒸発用開閉弁40a〜40uが設けられている。言い換えると、分岐流路36a〜36uの成膜蒸気18a〜18uの流れ方向の中流には、蒸発用開閉弁40a〜40uが位置している。
蒸発用開閉弁40a〜40uは、公知の開閉弁であり、制御装置26の命令を受けて開閉可能となっている。
合流流路35(共通蒸気流路)は、分岐流路36a〜36uが合流し、第1供給流路32と第2供給流路33へ分岐する流路である。
各蒸発部10a〜10uは、分岐流路36a〜36uを介して互いに接続されており、第1蒸気放出部30及び/又は第2蒸気放出部31に成膜蒸気18a〜18uを供給する蒸発部ユニット20を形成している。
真空蒸着装置1は、蒸発部ユニット20と第1蒸気放出部30とが第1供給流路32を介して接続されてなる第1放出系統57と、蒸発部ユニット20と第2蒸気放出部31とが第2供給流路33を介して接続されてなる第2放出系統58とを備えている。
接続流路5には、図示しない加熱手段が取り付けられており、成膜時においては成膜材料16の気化温度以上に加熱されている。そのため、接続流路5内を気体状の成膜蒸気18が通過しても状態変化が起こらず、気体状態のまま第1蒸気放出部30及び第2蒸気放出部31まで流れることが可能となっている。それ故に、接続流路5をなす配管の内側面に成膜蒸気18a〜18cが固化して成膜材料16が固着することを抑制することができる。
本発明の真空蒸着装置1は、基板11に向かって成膜蒸気18を放出する第1蒸気放出部30及び第2蒸気放出部31に特徴を有している。
第1蒸気放出部30は、図2,図3,図5のように第1収容部45と、第1放出部50と、挿通開口47を有している。
第1収容部45は、図5のように、その内部に各蒸発部10から第1供給流路32を介して供給される成膜蒸気18を収容可能な筐体である。第1収容部45は、少なくとも上面(基板11側の面)が面状に広がった箱状体である。本実施形態では、第1収容部45は直方体状をしている。
第1放出部50は、図3のように第1収容部45内の成膜蒸気18を外部に放出可能な筒状体であり、そのそれぞれの放出開口48(48A〜48C)は、第1収容部45との接続位置によって開口径の大きさが異なっている。放出開口48A〜48Cの開口形状は、図6のように、いずれも円形であり、平面視すると、第1収容部45の上面にまんべんなく分布している。
具体的には、第1放出部50は、第1収容部45の上面に接続されており、第1収容部45の上面の中央から外側に向けて放出開口49Aを中心として同心環上に開口の大きさが異なっている。第1放出部50の中心(放出開口49A)から近い順に放出開口48A<放出開口48B<放出開口48Cの関係となっている。また、放出開口49Aを中心として同心環上に位置する放出開口48A,48A,・・・は、略同一径となっている。同様に、放出開口49Aを中心として同心環上に位置する放出開口48B,48B,・・・、放出開口48C,48C,・・・は、いずれも略同一径となっている。
そして、放出開口48A〜48Cから放出される成膜蒸気18によって形成される薄膜60は、図7のような谷形の膜厚分布となっている。すなわち、基板11の外側から中央に向けて膜厚が小さくなっている。また、膜厚分布の算術平均粗さR1は、共に10nm以内に収まっていることが好ましく、5nm以内に収まっていることがより好ましく、1nm以内に収まっていることが特に好ましい。
挿通開口47は、図2のように真空蒸着装置1を組み立てた際に第2放出部51の一部が挿通可能な開口である。挿通開口47は、第2放出部51の外形よりもやや大きい。
第1蒸気放出部30には、図示しない加熱手段が取り付けられており、所望の温度に維持されている。
一方、第2蒸気放出部31は、図3,図5のように第2収容部46と、第2放出部51と、を有している。
第2収容部46は、図5のように、その内部に各蒸発部10から第2供給流路33を介して供給される成膜蒸気18を収容可能な筐体である。第2収容部46は、第1収容部45と同様、少なくとも上面(基板11側の面)が面状に広がった箱状体である。本実施形態では、第2収容部46は直方体状をしている。
第2放出部51は、図3のように第2収容部46内の成膜蒸気18を外部に放出可能な筒状体であり、そのそれぞれの放出開口49A〜49Dは、第2収容部46との接続位置によって開口径の大きさが異なっている。放出開口49A〜49Dの開口形状は、いずれも円形であり、平面視すると、第2収容部46の上面にまんべんなく分布している。
具体的には、第2放出部51は、第2収容部46の上面に接続されており、第2収容部46の上面の中央から外側に向けて放出開口49Aを中心として同心環上に開口の大きさが異なっている。第2放出部51は、図6のように第2放出部51の中央から近い順に放出開口49A>放出開口49B>放出開口49C>放出開口49Dの関係となっている。また、放出開口49Aを中心として同心環上に位置する放出開口49B,49Bは、略同一径となっている。同様に、放出開口49Aを中心として同心環上に位置する放出開口49C,49C、放出開口49D,49D,・・・は、いずれも略同一径となっている。
そして、放出開口49A〜49Dから放出される成膜蒸気18によって形成される薄膜61は、図7のような山形の膜厚分布となっている。また、膜厚分布の算術平均粗さR2は共に10nm以内に収まっていることが好ましく、5nm以内に収まっていることがより好ましく、1nm以内に収まっていることが特に好ましい。
また、図7のように放出開口48A〜48Cによって形成される薄膜60と放出開口49A〜49Dによって形成される薄膜61の積層構造は、互いに補完し合って膜厚が均一となっている。すなわち、当該積層構造は、基板11の全体で平滑となっている。
第2蒸気放出部31には、図示しない加熱手段が取り付けられており、所望の温度に維持されている。
真空蒸着装置1は、図1のように第1蒸気放出部30に膜厚センサー27が接続されており、第2蒸気放出部31に膜厚センサー28が接続されている。そして、真空蒸着装置1は、膜厚センサー27,28で読み取った情報を制御装置26に送信される構造となっている。
膜厚センサー27,28は、公知の膜厚センサーであり、成膜される膜厚に寄与する情報を制御装置26に送信可能となっている。
制御装置26は、各開閉弁37,38,40の開閉制御が可能な装置であり、膜厚センサー27,28の情報などに合わせて各開閉弁37,38,40に開閉命令を送信可能となっている。
本発明の真空蒸着装置1は、このように第1蒸気放出部30の放出開口48の開口形状と第2蒸気放出部31の放出開口49の開口形状が異なるという特徴を有している。
すなわち、第1蒸気放出部30から放出される成膜蒸気と第2蒸気放出部31から放出される成膜蒸気とでは、放出パターンが相違するという特徴を有している。
ここでいう「放出パターン」とは、成膜蒸気を放出する際の規則性を表し、例えば、成膜蒸気を放出する際の成膜速度、成膜蒸気の拡散度、成膜蒸気の温度、成膜蒸気の圧力、成膜蒸気の自由度、成膜対象までの成膜蒸気の経路などである。
本実施形態の真空蒸着装置1における各部材の位置関係について説明する。
成膜室2に注目すると、成膜室2の角部近傍には、図1のように減圧手段7が配されている。
第1供給流路32の一部を形成する第1管路55(図2参照)は、成膜室2の内外に挿通し、その一部が成膜室2の内壁面に対して立設されている。具体的には、第1管路55の一部は、成膜時における基板11の面に対して直交する方向に突設されている。
第2供給流路33の一部を形成する第2管路56(図2参照)は、成膜室2の内外に挿通し、その一部が成膜室2の内壁面に対して立設されている。具体的には、第2管路56の一部は、成膜時における基板11の面に対して直交する方向に突設されている。
第1管路55の端部には、図2のように第1蒸気放出部30が配されている。そして、第1蒸気放出部30の上面は、図1のように、成膜時に基板11に向かって平行になるように配設されている。具体的には、第1蒸気放出部30の噴霧面(第1放出部50が設けられている面)は、成膜時における基板11の面に対して平行となっている。
第1蒸気放出部30と第2蒸気放出部31は、図2のように上下に2重に重なった構造をしており、第2蒸気放出部31の上方に第1蒸気放出部30が位置している。
第2蒸気放出部31の第2放出部51は、図2のように挿通開口47を経由して第1蒸気放出部30の上面よりも基板11側に突出している。
第2蒸気放出部31の第2放出部51の突出方向先端面は、図5のように第1蒸気放出部30の第1放出部50の突出方向先端面と同一平面Xを形成している。
第1蒸気放出部30の第1放出部50と第2蒸気放出部31の第2放出部51は、図6のように碁盤状に分布されている。すなわち、第1放出部50と第2放出部51は短手方向及び長手方向に交互に配されている。
また、基板搬送装置12は、図1のように第1蒸気放出部30の噴霧面から噴霧方向に所定の距離だけ離れた位置に配されており、シャッター8は、その間に配されている。具体的には、シャッター8は、基板搬送装置12と第1放出部50、第2放出部51との間に設けられている。
蒸発部10a〜10cに注目すると、図1,図4のように蒸発室21の上部に分岐流路36が接続されており、当該接続部位の下方には、坩堝22が配されている。坩堝22には、図4のようにそれぞれ成膜材料16a(16b〜16u)が充填されている。坩堝22の周りには、加熱手段23が設けられている。すなわち、加熱手段23によって成膜材料16a(16b〜16u)を加熱し、気化又は昇華することが可能となっている。蒸発室21の周りにも加熱手段24が設けられており、成膜時において成膜材料16a(16b〜16u)の気化温度よりもやや高い温度に維持している。
以下、本発明の真空蒸着装置1を用いた有機EL装置100(図16参照)の成膜方法について説明するが、成膜手順の説明に先立って、成膜開始時の真空蒸着装置1の各部位の状態について説明する。
成膜室2は、減圧手段7によって常に減圧されており、超高真空状態になっている。ここでいう「超高真空状態」とは、真空度が10-5Pa以下の状態を表す。
第1開閉弁37、第2開閉弁38、蒸発用開閉弁40a〜40uは、図9のように、いずれも閉状態になっている。また、それぞれの蒸発部10a〜10uの坩堝22内には所望の成膜材料16a〜16uが充填されている。
以下、成膜手順について説明すると、有機EL装置は、1つの成膜材料の成分のみで1つの層を蒸着する単蒸着と、複数の成膜材料の成分を混合して1つの層を蒸着する共蒸着を併用して成膜される。
まず、真空蒸着装置1を用いて共蒸着を行い、1つの層(例えば、ホール注入層、発光層、電子注入層など)を成膜する場合について説明する。
基板搬送装置12によって、成膜室2に基板11を搬入し、基板11が第1蒸気放出部30の噴出面に対向するように固定する。
なお、本実施形態では、あらかじめ別工程によって基板上にスパッタ等の公知の手法によって透明導電膜などを成膜し、この状態の基板11を真空蒸着装置1に搬入している。
本実施形態の真空蒸着装置1は、2回に分けて、1つの層を成膜する。具体的には、第2蒸気放出部31を用いて凸分布状に成膜する凸分布成膜工程と、第1蒸気放出部30を用いて凹分布状に成膜する凹分布成膜工程を行う。
まず、凸分布成膜工程について説明する。
図8,図10のようにシャッター8を閉塞姿勢にすることによってこの基板11の成膜面を覆い、第2開閉弁38及び、蒸発部10a,10bの蒸発用開閉弁40a,40bを開状態にする(予備動作)。
このとき、坩堝22内から気化又は昇華した成膜材料16a,16b(成膜蒸気18a,18b)は、蒸発部10a,10bから順に分岐流路36a,36b、合流流路35、第2供給流路33を通過して、第2蒸気放出部31に至り、シャッター8に噴霧される。具体的には、蒸発部10aから供給された成膜蒸気18aと、蒸発部10bから供給された成膜蒸気18bが合流流路35内で混合され、混合蒸気65となって第2蒸気放出部31に至る。
また、このとき、他の蒸発部10c〜10uの蒸発用開閉弁40c〜40uは、ともに閉状態を維持しており、第1開閉弁37も閉状態を維持している。
その後、図8に示される予備動作から所定時間Aが経過すると、シャッター8を開放姿勢にし、図11のように第1蒸気放出部30の放出開口48から基板11に気体状の成膜蒸気18aと成膜蒸気18bの混合蒸気65が噴霧される(成膜開始)。
所定時間Aは、1秒から10秒であることが好ましい。
このとき、膜厚センサー28によって膜厚に関する情報(成膜量など)を監視しており、常時制御装置26に当該情報を送信している。
所望の膜厚まで成膜材料16aと成膜材料16bの混合層が基板11に膜60が成膜されると(成膜終了)、図12のように成膜された基板に対してシャッター8を閉塞姿勢にし、第2開閉弁38を閉状態にする。
続いて、図13のように第1開閉弁37を開状態にし、凹分布成膜工程を行う。
このとき、坩堝22内から気化又は昇華した成膜材料16a,16b(成膜蒸気18a,18b)は、蒸発部10a,10bから順に分岐流路36a,36b、合流流路35、第1供給流路32を通過して、第1蒸気放出部30に至り、シャッター8に噴霧される。具体的には、蒸発部10aから供給された成膜蒸気18aと、蒸発部10bから供給された成膜蒸気18bが合流流路35内で混合され、混合蒸気65となって第1蒸気放出部30に至る。
図8に示される第1開閉弁37を開状態にしてから所定時間Bが経過すると、シャッター8を開放姿勢にし、図14のように第1蒸気放出部30の放出開口48から基板11に気体状の成膜蒸気18aと成膜蒸気18bの混合蒸気65が噴霧される(成膜開始)。
所定時間Bは、1秒から10秒であることが好ましい。
このとき、膜厚センサー27によって膜厚に関する情報(成膜量など)を監視しており、常時制御装置26に当該情報を送信している。
その後、所望の膜厚まで成膜材料16aと成膜材料16bの混合層が基板11に膜61が成膜されると(成膜終了)、図15のように蒸発用開閉弁40a,40bを再び閉状態にし、成膜の必要に応じて、所望の成膜用開閉弁40を開状態とする(蒸発部切替)。
以上が共蒸着を行った際の成膜手順である。
続いて、真空蒸着装置1を用いて単蒸着を行い、1つの層(例えば、正孔輸送層、電子輸送層など)を成膜する場合について説明する。
なお、ほとんどの手順が共蒸着を行った際と同様であるため、重複する部分については説明を省略する。
まず、凸分布成膜工程について説明する。
シャッター8を閉塞姿勢にすることによってこの基板11の成膜面を覆い、第2開閉弁38及び蒸発部10cの蒸発用開閉弁40cを開状態とする(予備動作)。
すなわち、共蒸着の場合には、使用する蒸発部が複数であったのに対して、単蒸着の場合は、使用する蒸発部が1つである。
その後、予備動作から所定時間(図8に示される所定時間Aに相当)が経過すると、シャッター8を開放姿勢にし、第2蒸気放出部31の放出開口49から基板11に気体状の成膜蒸気18cが噴霧される(成膜開始)。
所望の膜厚まで成膜材料16cの単一層が基板11に成膜されると(成膜終了)、成膜された基板11に対してシャッター8を閉塞姿勢にし、第2開閉弁38を閉状態にする。
続いて、第1開閉弁37を開状態にし、凹分布成膜工程を行う。
第1開閉弁37を開状態にしてから所定時間(図8に示される所定時間Bに相当)が経過すると、シャッター8を開放姿勢にし、第1蒸気放出部30の放出開口48から基板11に気体状の成膜蒸気18cが噴霧される(成膜開始)。
このとき、膜厚センサー27によって膜厚に関する情報(成膜量など)を監視しており、常時制御装置26に当該情報を送信している。
その後、所望の膜厚まで成膜材料16cの単一層が基板11に成膜されると(成膜終了)、蒸発用開閉弁40cを再び閉状態にし、成膜の必要に応じて、所望の蒸発用開閉弁40を開放する(蒸発部切替)。
以上が単蒸着を行った際の成膜手順である。
上記した成膜手順を応用して有機EL装置100の各層を形成する。
すなわち、基板11の代わりに基板102上に第1電極層103が成膜されたものを真空蒸着装置1に導入し、上記した共蒸着と単蒸着を組み合わせて有機EL装置100を形成する。
最後に本実施形態の真空蒸着装置1で成膜される有機EL装置100の層構成について説明する。
有機EL装置100は、図16のように、透光性を有した基板102上に、第1電極層103と機能層105と第2電極層106が積層し、封止層130によって封止したものである。
また、機能層105の構成は、例えば、図16のように、第1電極層103側から順に、第1正孔注入層107,第1正孔輸送層108,青色発光層109,及び第1電子輸送層110から構成される青色発光ユニットと、第2正孔注入層114,第2正孔輸送層115,赤色発光層116,緑色発光層117,第2電子輸送層118,及び電子注入層119から構成される赤緑発光ユニットとを、第1接続層111,第2接続層112,及び第3接続層113から構成される接続層で電気的に接続(コネクト)したタンデム構造とすることができる。ここで、本発明の真空蒸着装置を用いて、高生産性、かつ、高材料使用効率で、本発明の効果である面内膜厚均一性の効果を十分に引き出す観点からは、各発光ユニットの合計膜厚は50nm〜300nm程度にすることが好ましく、また、各発光層の膜厚は、5nm〜50nm程度とすることが好ましい。
ここで、青色発光層109をホスト材料に青色蛍光材料をドープした層とし、赤色発光層116、及び緑色発光層117をホスト材料に各々の色の燐光材料をドープした層とすることで、蛍光燐光ハイブリッド構造とすることが、高輝度、高演色性、及び長寿命な有機EL素子を得る観点から好ましい。
このようなタンデム構造の有機EL素子においては、各発光層の膜厚は、各色の発光スペクトル強度と直接関係しており、また、各発光層は膜厚方向に直列接続され、かつ、膜厚方向に比べて面内方向のキャリアの移動が極端に制限されているので、各発光層の膜厚は、他色の発光スペクトルとも密接に関係する。
また、寿命が長い三重項励起子の発光である燐光を用いるハイブリッド構造の有機EL素子、特に赤色、及び緑色の発光層が隣接していたり、一層からなる場合には、発光が長波長側にレッドシフトしがちであり、各発光層の膜厚を設計通りに制御することが重要となる。
従って、このようなタンデム構造の有機EL素子においては、特に本発明の真空蒸着装置で機能層105を成膜することが有効である。
第1正孔注入層107、及び第1正孔輸送層108と、第2正孔注入層114、及び第2正孔輸送層115は、各々、1層の正孔注入輸送層とすることができ、また、各々、正孔輸送材料からなる層、又は、有機p型ドーパントをドープした正孔輸送材料からなる層とすることができる。
また、例えば、第1接続層111を有機n型ドーパントをドープした有機電子輸送材料からなる層、第2接続層112を有機電子輸送材料からなる層、第3接続層113を有機p型ドーパントをドープした有機正孔輸送材料からなる層とすることができる。
このようなドーパントや発光材料をドープしたホスト材料からなる層の成膜においては、例えば、本発明に係る一組の開口グループからホスト材料、及びドープする材料を基板(基材)中央が厚くなるように放出し、他の一組の開口グループから同じホスト材料、及びドープする材料を基板中央が薄くなるように放出することが、本発明の効果である面内膜厚均一性の観点からだけではなく、マニホールド内で材料同士が均一に混合する観点からも、好ましい。
また、本発明に係る一組の開口グループからホスト材料を放出し、他の一組の開口グループからドープする材料を放出する。例えば、基板(基材)中央が厚くなるように放出し、別の他の一組の開口グループから同じホスト材料を放出し、さらに別の一組の開口グル―プからドープする材料を放出する。例えば、基板(基材)中央が薄くなるように放出する。即ち、4組の開口グループを用いて、1層のドーパントや発光材料をドープしたホスト材料からなる層を形成することが好ましく、安価な製造装置で安定的に有機EL素子を製造する観点からは、同一の方向に放出する4組の開口グループを有する真空蒸着装置とすることが特に好ましい。また、異なる方向に放出する2群以上の開口グループを有する真空蒸着装置とし、各グループが4組の開口グループを有するようにすることもできる。同一の本発明に係る蒸発部を本発明に係る供給切替え手段を介して複数の開口グループに接続することで、一の本発明の真空蒸着装置で機能層105の全てを成膜することが好ましい。即ち、前述の電子輸送材料や正孔輸送材料は、異なる層を構成する場合も、同一の蒸発部から同一の材料を蒸発することで供給可能とすることが好ましい。
そして、機能層105を構成する各層及び第2電極層106は、真空蒸着装置1によって形成される。
基板102は、透光性及び絶縁性を有したものである。基板102の材質については特に限定されるものではなく、例えば、フレキシブルなフィルム基板やプラスチック基板などから適宜選択され用いられる。特にガラス基板や透明なフィルム基板は透明性や加工性の良さの点から好適である。
基板102は、面状に広がりをもっている。具体的には、多角形又は円形をしており、四角形であることが好ましい。本実施形態では、四角形状の基板を採用している。
基板102の最短辺(最短軸)は、300mm以上となっており、350mm以上となっていることが好ましく、500mm以上となっていることが特に好ましい。
基板102の面積は、900cm2以上、40000cm2以下となっており、1200cm2以上、15000cm2以下となっていることが好ましく、2500cm2以上11000cm2以下となっていることが特に好ましい。
第1電極層103の素材は、透明であって、導電性を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性酸化物などが採用される。機能層105内の発光層から発生した光を効果的に取り出せる点では、透明性が高いITOあるいはIZOが特に好ましい。本実施形態では、ITOを採用している。
第1正孔注入層107,第2正孔注入層114の材料としては、公知の物質を使用することができる。例えば、1,3,5−トリカルバゾリルベンゼン、4,4’−ビスカルバゾリルビフェニル、ポリビニルカルバゾール、m−ビスカルバゾリルフェニル、4,4’−ビスカルバゾリル−2,2’−ジメチルビフェニル、4,4’,4”−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン、1,3,5−トリ(2−カルバゾリルフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−カルバゾリル−5−メトキシフェニル)ベンゼン、ビス(4−カルバゾリルフェニル)シラン、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(NPB)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−co−N−(4−ブチルフェニル)ジフェニルアミン)(TFB)またはポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−co−ビス−N,N−フェニル−1,4−フェニレンジアミン(PFB)等を用いることができる。
第1正孔輸送層108,第2正孔輸送層115の材料としては、公知の物質を使用することができる。例えばベンジン、スチリルアミン、トリフェニルメタン、ポルフィリン、トリアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、ポアリールアルカン、フェニレンジアミン、アリールアミン、オキサゾール、アントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、およびこれらの誘導体、ポリシラン化合物、ビニルカルバゾール化合物、チオフェン化合物、アニリン化合物などの複素環式共役系のモノマーやオリゴマー、ポリマーなどが採用できる。
青色発光層109の材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、およびそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを採用できる。なかでも高分子材料のポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体やポリフルオレン誘導体などが好ましい。
赤色発光層116の材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが採用できる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
緑色発光層117の材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが採用できる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
第1電子輸送層110,第2電子輸送層118の材料としては、公知の物質を使用することができる。例えば、ベンジン、スチリルアミン、トリフェニルメタン、ポルフィリン、トリアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、ポアリールアルカン、フェニレンジアミン、アリールアミン、オキサゾール、アントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、およびこれらの誘導体、ポリシラン化合物、ビニルカルバゾール化合物、チオフェン化合物、アニリン化合物などの複素環式共役系のモノマーやオリゴマー、ポリマーなどが採用できる。
特に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(BAlq)などキノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等を好ましく用いることができる。また、この他ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(Zn(BTZ)2)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(BPhen)、バソキュプロイン(BCP)なども用いることができる。
電子注入層119の材料としては、公知の物質を使用することができる。例えば、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物等が採用できる。また、上記電子注入層として、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有させたもの、例えばAlq3中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等も好ましく用いることができる。
第2電極層106の材料は、特に限定されるものではなく、例えば銀(Ag)やアルミニウム(Al)などの金属が挙げられる。
本実施形態の真空蒸着装置1によれば、1つの成膜室2内で有機EL装置100のほぼ全層(基板102、第1電極層103、並びに封止層130を除く)を成膜することができる。
上記した実施形態では、1つの蒸発部内の成膜材料を複数の2以上の蒸気放出部から噴出される構造としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つの蒸気放出部に対して1つの蒸発部グループを割り当ててもよい。言い換えると、一つの放出系統につき1つの蒸発部グループを割り当てても良い。
具体的には、図17のように真空蒸着装置150は、第1蒸気放出部30に対して複数の蒸発部10から形成される蒸発部グループ151が接続されて1つの放出系統を形成し、第2蒸気放出部31に対して同一の複数の蒸発部10から形成される蒸発部グループ152が接続されて他の放出系統を形成している。
また、図18のように複数の蒸発部グループ161,162に跨がった蒸発部160を設けてもよい。すなわち、第1実施形態では、1つの蒸発部グループ全体が複数の放出系統に跨がっていたが、一部のみが複数の放出系統に跨がって接続されていてもよい。
上記した実施形態では、第1蒸気放出部30の上面の中心を基準として同心環上に位置する放出開口48,49の開口径を同一としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、2以上の蒸気放出部から噴出され、成膜される膜の分布を補完する関係であればよい。
上記した実施形態では、第1蒸気放出部30と第2蒸気放出部31との間で放出開口48,49の開口形状を相違させることによって放出パターンを相違させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、開閉弁の開度や成膜材料の加熱温度などを相違させることによって放出パターンを相違させてもよい。
上記した実施形態では、第1放出部50と第2放出部51をそれぞれ大小に分布させて放出開口の開口径を制御していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1放出部50と第2放出部51の外形を必ずしも放出開口に合わせる必要はない。例えば、第1放出部50と第2放出部51の大きさ(外形寸法)をそれぞれ単一にして放出開口の開口径のみを大小に分布してもよい。また、第1放出部50と第2放出部51の放出開口の上流に絞り装置を設けて、成膜時における蒸気の放出量を絞ってもよい。
上記した実施形態では、凸分布成膜工程、凹分布成膜工程の順に行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、凹分布成膜工程、凸分布成膜工程の順に行ってもよい。
上記した実施形態では、凸分布成膜工程と、凹分布成膜工程を別々に行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、凸分布成膜工程と凹分布成膜工程を同時に行っても良い。凸分布成膜工程と凹分布成膜工程を同時に行うと、第1放出部50から噴霧される成膜蒸気と第2放出部51から噴霧される成膜蒸気が互いに緩衝し、制御が複雑となるという点では、上記した実施形態のように別々に行うことが好ましい。
上記した実施形態では、一つの方向にのみ成膜蒸気を放出するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、多方向に成膜蒸気を放出するものであってもよい。
例えば、図19,図20に示される真空蒸着装置170は、第1蒸気放出部30と第2蒸気放出部31からなるユニット171と、第1蒸気放出部30と第2蒸気放出部31からなるユニット172を備えており、ユニット171の第1蒸気放出部30とユニット172の第1蒸気放出部30が互いに逆方向に向いている。また、ユニット171とユニット172はそれぞれ基板の被成膜面が対向する向きに立設されている。すなわち、2枚の基板の間に第1蒸気放出部30、第2蒸気放出部31、第2蒸気放出部31、第1蒸気放出部30が設置されている。真空蒸着装置170は、ユニット171とユニット172から2方向に成膜蒸気を放出可能となっており、異なる2枚の基板11a,11bを同時に成膜することが可能となっている。そのため、複数の基材に同時に成膜を施すことが可能であり、単位時間あたりに成膜可能な基材の数が多い。
また、例えば、図21,図22に示される真空蒸着装置180は、3つの蒸気放出部181,182,183を有しており、2方向に成膜蒸気を放出可能となっている。
蒸気放出部181,182,183は、3段に重ねられており、成膜室2の内面に対して立設されている。具体的には、蒸気放出部181,182,183は、2枚の基板の被成膜面が対向する向きに立設されており、2枚の基板の間に設置されている。
蒸気放出部181,183(第2蒸気放出部31に対応)に挟まれる蒸気放出部182(第1蒸気放出部30に対応)は、表裏(異なる方向)に第1放出部184,185が設けられており、蒸気放出部181,183には、第2放出部51,51が設けられている。蒸気放出部182は、2方向に対して第1蒸気放出部30の機能を有しているため、第1蒸気放出部30を2つ設ける必要がなく、成膜室2内の成膜空間を小さくすることができる。すなわち、真空蒸着装置を小型化することができる。
1 真空蒸着装置
2 成膜室
10,160 蒸発部
11,11a,11b 基板(基材)
16 成膜材料
18 成膜蒸気(成膜材料の蒸気)
20 蒸発部グループ
48 放出開口
49 放出開口(他の開口グループ)
50 第1放出部(一組の開口グループ)
51 第2放出部(他の開口グループ)
57 第1放出系統(放出系統)
58 第2放出系統(放出系統)
60 薄膜(生成された膜)
61 薄膜(生成された膜)

Claims (9)

  1. 減圧可能であって基材を設置可能な成膜室と、基材に対して成膜材料の蒸気を放出する放出開口が複数設けられた成膜材料放出部を有し、成膜材料放出部から成膜材料の蒸気を放出して基材に成膜する真空蒸着装置において、
    複数の放出開口によって構成される一組の開口グループと、複数の放出開口によって構成される他の開口グループがあり、
    同一の成膜材料の蒸気を2以上の開口グループから放出可能であり、
    前記一組の開口グループから放出される成膜材料の蒸気によって基材に生成された膜はその厚さが部位によってばらつきを有するものであり、前記他の開口グループから放出される成膜材料の蒸気によって基材に生成された膜についてもその厚さが部位によってばらつきを有するものであり、前記一組の開口グループによって生成された膜厚のばらつきと、前記他の開口グループによって生成された膜厚のばらつきが相違し、かつ両者は膜厚のばらつきを補完して平滑化する関係にあることを特徴とする真空蒸着装置。
  2. 成膜材料を蒸発させる蒸発部を複数有し、1又は複数の蒸発部によって構成される蒸発部グループと、当該蒸発部グループを構成する蒸発部から蒸発された成膜材料が通過する共通蒸気流路とを有し、前記共通蒸気流路から前記一組の開口グループに対する成膜材料の蒸気の供給と、他の開口グループに対する成膜材料の蒸気の供給とを切り換える供給切替え手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着装置。
  3. 成膜材料を蒸発させる蒸発部を複数有し、1又は複数の蒸発部によって構成される一組の蒸発部グループと、複数の放出開口によって構成される一組の開口グループが接続されて一個の放出系統を形成し、前記放出系統が複数存在する流路構成を備えており、
    複数の蒸発部グループに跨がって属する蒸発部があり、複数の放出系統に属する開口グループから同一の蒸発部で蒸発させた成膜材料の蒸気を放出可能であることを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着装置。
  4. 成膜材料を蒸発させる蒸発部を複数有し、1又は複数の蒸発部によって構成される一組の蒸発部グループと、複数の放出開口によって構成される一組の開口グループが接続されて一個の放出系統を形成し、前記放出系統が複数存在する流路構成を備えており、
    前記複数の蒸発部の中には同一種類の成膜材料を蒸発させる2以上の同機能蒸発部があり、異なる放出系統に属する蒸発部グループに同機能蒸発部があり、複数の放出系統に属する開口グループから同一種類の成膜材料の蒸気を放出可能であることを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着装置。
  5. 前記開口グループは、いずれも面状に分布していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の真空蒸着装置。
  6. 前記一組の開口グループから放出される成膜材料の蒸気の放出パターンは、前記他の開口グループから放出される成膜材料の蒸気の放出パターンと相違することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の真空蒸着装置。
  7. 成膜室には複数の基材を設置可能であり、
    複数の成膜材料放出部を有し、前記複数の成膜材料放出部は異なる基材と対向する位置にあり、
    蒸発部から前記複数の成膜材料放出部に蒸発した成膜材料の蒸気がそれぞれ供給され、
    複数の成膜材料放出部から同時に成膜材料の蒸気が放出されて対向する位置のそれぞれの基材に同時に成膜することが可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の真空蒸着装置。
  8. 成膜室内においては、二つの基材の被成膜面が対向する向きに立設され、二つの基材の間に成膜材料放出部が設置されていることを特徴とする請求項7に記載の真空蒸着装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の真空蒸着装置を使用して有機EL装置を製造する有機EL装置の製造方法において、異なる放出系統に属する放出開口から同一の成膜材料の蒸気を、時間差を設けて放出することを特徴とする有機EL装置の製造方法。
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