JP2003193224A - 薄膜製造装置とその装置を用いた薄膜積層装置並びに薄膜製造方法 - Google Patents

薄膜製造装置とその装置を用いた薄膜積層装置並びに薄膜製造方法

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JP2003193224A
JP2003193224A JP2001390287A JP2001390287A JP2003193224A JP 2003193224 A JP2003193224 A JP 2003193224A JP 2001390287 A JP2001390287 A JP 2001390287A JP 2001390287 A JP2001390287 A JP 2001390287A JP 2003193224 A JP2003193224 A JP 2003193224A
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thin film
substrate
chamber
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film manufacturing
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JP2001390287A
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Noritaka Kawase
徳隆 川瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機EL素子を応用したディスプレイ等の生
産効率を向上させることができる薄膜製造装置を提供す
ること。 【解決手段】 薄膜製造装置は、薄膜形成用材料を蒸発
させる蒸発室と、基板を収容し蒸発室から蒸発する材料
を受け入れて基板上に蒸着させる成膜室と、蒸発室と成
膜室とを作動時にそれぞれ真空にするための真空ポンプ
と、ゲートバルブとを備え、成膜室と蒸発室はゲートバ
ルブを介して遮断可能に連通されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、薄膜製造装置お
よびその装置を用いた薄膜製造方法に関し、詳しくは、
有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子の有機
薄膜の連続生産に適した薄膜製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機薄膜を形成する方法の1つとして真
空蒸着法が知られている。特に、有機EL素子の有機薄
膜を形成する場合には、有機材料が分解しやすいこと、
イオンや電子等の衝撃に弱いこと、及び粉体で昇華蒸発
する材料が多いことなどの理由から上述の真空蒸着法が
利用されている。
【0003】真空蒸着法は、真空中で蒸発源を加熱して
薄膜材料を蒸発させ、蒸発した薄膜材料を基板の表面に
蒸着させることにより基板上に薄膜を成膜するものであ
る。真空蒸着法において薄膜材料を加熱・蒸発させるた
めの蒸発源としては抵抗加熱蒸発源や、成膜材料に電子
ビームやレーザービームを直接照射して蒸発させる電子
ビーム蒸発源やレーザービーム蒸発源などが知られてい
る。
【0004】有機薄膜を真空蒸着法で形成する場合に
は、真空蒸着装置が用いられる。真空蒸着装置は高真空
に保たれた成膜室を備えている。成膜室の下部には薄膜
材料が充填された蒸発源が配置され、上部には成膜され
る基板を支持する基板ホルダーが配置される。基板と蒸
発源の間には成膜される薄膜の膜厚を制御するためのシ
ャッターと、膜厚をモニタするための膜厚計が配置され
る。
【0005】蒸発源としては、クヌーセンセルと呼ばれ
るルツボがよく使用される。クヌーセンセルは、窒化ボ
ロン製のルツボと、ルツボの外周を取り巻く加熱コイル
とから主に構成される。また、ルツボの温度を制御する
ために、ルツボの外側に熱遮蔽板が設けられ、ルツボの
下側には熱電対が設けられる。このようなルツボに薄膜
材料を充填し、加熱コイルを加熱すると、薄膜材料が蒸
発する。
【0006】また近年、基板上に薄膜を形成する方法の
1つとして、薄膜形成用ドナーシートの転写層を基板上
に熱転写する熱転写法が知られている(例えば、特開平
11−260549号公報参照)。
【0007】詳しくは、薄膜形成用ドナーシートは、ポ
リエチレンテレフタレートなどからなるシート上に、カ
ーボン粒子が混合されたエポキシ樹脂などからなる光熱
変換層と、所望の薄膜の積層からなる転写層が順に形成
されたものである。そして、この薄膜形成用ドナーシー
トを基板に密着させ、シート裏面からレーザーを照射し
て転写層を基板に熱転写し、その後シートを取り除くと
基板上に所望の薄膜の積層を得ることができる。
【0008】なお、この熱転写法は、熱転写によって基
板上に所望の薄膜を得るという手法をとるので、上記転
写層には欠損がなく膜厚・膜質が均一であることが求め
られる。従って、転写層を構成する各薄膜を形成する方
法としても上述の真空蒸着法が利用される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】真空蒸着装置は、ルツ
ボの温度制御等を考慮すると一度に充填できる薄膜材料
の量が限られている。従って、ルツボに充填された一回
分の薄膜材料で成膜できる面積は比較的小さく、薄膜材
料が無くなる度に、成膜室を一旦大気圧に戻して薄膜材
料を充填し、再び成膜室を真空にする必要がある。成膜
室を真空から大気圧へ戻し、再び、大気圧から真空にす
るという上記の操作は時間を要する。このため、有機E
L素子を応用したディスプレイ等を量産する場合、薄膜
の形成に時間がかかり、生産効率を高めるうえでの障害
となっている。
【0010】この発明は以上のような事情を考慮してな
されたものであり、有機EL素子を応用したディスプレ
イ等の生産効率を向上させることができる薄膜製造装置
とその装置を用いた薄膜製造方法を提供するものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、薄膜形成用
材料を設置して蒸発させる蒸発室と、基板を収容し蒸発
室から蒸発する材料を受け入れて基板上に蒸着させる成
膜室と、蒸発室と成膜室とを作動時にそれぞれ真空にす
るための真空ポンプと、ゲートバルブとを備え、成膜室
と蒸発室はゲートバルブを介して遮断可能に連通されて
なる薄膜製造装置を提供するものである。
【0012】つまり、この発明による薄膜製造装置は、
薄膜形成用材料を設置して蒸発させるための蒸発室を備
え、この蒸発室と成膜室がゲートバルブを介して遮断可
能に連通されてなる。別の見方をすると、従来の成膜室
に該当する部分が、蒸発室と成膜室の2つの部屋で構成
され、これら2つの部屋がゲートバルブを介して遮断可
能に連通されてなる。
【0013】従って、薄膜材料の供給を行う際、蒸発室
のみを真空から大気圧へ戻して薄膜材料を供給すること
ができる。このため、複数枚の基板を連続的に成膜する
場合に、成膜室全体を真空から大気圧へ戻し、薄膜材料
の供給後、再び成膜室全体を真空にする必要がある従来
の薄膜製造装置よりも成膜に要する時間が短縮される。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明による薄膜製造装置は、
蒸発室が薄膜材料を加熱するための蒸発源を備え、蒸発
源は薄膜材料を収容するための容器を有し、蒸発室外か
ら蒸発源の容器へ薄膜材料を供給する材料供給機構をさ
らに備えてもよい。
【0015】このように構成すると、薄膜材料の供給が
自動化され、薄膜材料を正確な量で迅速に供給できるよ
うになる。材料供給機構としては、例えば、予めペレッ
ト状に固められた薄膜材料を蒸発源の容器へ搬送し投入
する搬送・投入ロボットを用いることができる。薄膜材
料をペレット状とすると、搬送・投入ロボットによって
扱われ易いだけでなく、薄膜材料の供給量をより正確に
調整することができる。
【0016】また、この発明によれば、薄膜材料の供給
に要する時間が短縮されるので、蒸発源の容器に供給さ
れる薄膜材料を1回の成膜に必要な最小限の量とし、1
回の成膜が完了するたびに薄膜材料の供給を行っても生
産効率が悪化しない。従って、蒸発源の容器としては、
1回の成膜に必要な最小限の量の薄膜材料を入れること
ができればよく、小型の容器を採用することが可能とな
る。
【0017】小型の容器は熱容量が小さく温度制御し易
いので、成膜される薄膜の膜厚を正確に制御できるよう
になる。また、容器からの輻射熱が小さくなるので薄膜
のダメージを最小限に留めることができる。ここで、具
体的な蒸発源としては、例えば、窒化ボロン製のルツボ
(容器)の外周を加熱コイルで取り巻いた、いわゆる、
クヌーセンセルを用いることができる。
【0018】また、この発明による薄膜製造装置におい
て、成膜室は、所定パターンの薄膜が基板に成膜される
ようにパターニングマスクおよびシャッター機構を備え
ていてもよい。このように構成すると、成膜と同時にパ
ターニングを行うことができ、特に有機EL素子を応用
したディスプレイ等を量産する場合における生産効率が
向上する。なお、上記パターニングマスクは、基板の表
面に接するように設けられてもよいし、成膜室内で基板
を保持する基板ホルダーの蒸発源と対向する面に設けら
れてもよい。
【0019】また、この発明による薄膜製造装置におい
て、基板は電極を表面に形成した有機エレクトロルミネ
ッセンス素子用の基板であってもよい。このように構成
すると、予め電極が形成されている基板に対して成膜を
行うことができ、結果として、有機EL素子を応用した
ディスプレイ等の生産効率を向上させることができる。
なお、基板の表面に形成される電極とは、有機EL素子
用の正孔注入電極または電子注入電極のいずれか一方を
意味する。
【0020】ここで、上記基板としては、例えば、ガラ
ス、アルミニウムなどの金属や、ポリエステル、ポリア
クリル、ポリエポキシ、ポリエチレン、ポリスチレン、
ポリカーボネート、ポリサルホンなどのプラスチックか
らなる基板を挙げることができる。しかし、通常、有機
EL素子は透明な基板上に正孔注入電極、正孔輸送層、
発光層(有機層)、電子輸送層、電子注入電極が順に積
層されて構成されるので、この発明による薄膜製造装置
を用いて有機EL素子を製造する場合に好適な上記基板
としては、例えば、ガラス基板などを挙げることができ
る。
【0021】また、通常、有機EL素子は基板側から発
光した光を取り出すので、上記正孔注入電極としては透
明ないし半透明の電極が好ましい。透明電極としては、
ITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドー
プ酸化インジウム)、ZnOなどが挙げられるが、なか
でもITO又はIZOが好ましいものとして挙げられ
る。
【0022】また、正孔の注入を高めるためにポリビニ
ルカルバゾール、ポリシラン、ポリチオフェン誘導体、
PEDOT/PSS(ポリエチレンスルホン酸をドープ
したポリエチレンジオキシチオフェン)などのような高
分子バッファ層を積層させていてもよい。
【0023】正孔注入電極の膜厚は、正孔注入を十分行
える一定以上の膜厚であればよく、その上限は特に限定
されないが、厚すぎると剥離などを生ずる恐れがあり、
薄すぎると成膜時の膜強度、正孔輸送能力、抵抗値など
の点で問題がある。従って、正孔注入電極の好ましい膜
厚は約50〜500nmの範囲であり、さらに好ましく
は約50〜300nmの範囲である。
【0024】上記正孔輸送層の正孔輸送材料としては、
従来から光伝導材料において、正孔の電荷輸送材料とし
て慣用されているものや、電界発光素子の正孔輸送材料
に使用される公知のものの中から任意のものを選択して
用いることができる。
【0025】正孔輸送材料としては、例えば、低分子化
合物としてトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導
体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導
体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレン
ジアミン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアント
ラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導
体、スチルベン誘導体などを挙げることができるがこれ
らに限定されるものではない。
【0026】また、これらの正孔輸送材料に正孔注入輸
送能力を増加させる働きのある添加物を加えてもよい。
通常、正孔輸送層の膜厚は約1nm〜1μm程度の範囲
内であることが好ましく、必要であれば2層以上で構成
してもよい。
【0027】上記発光層の発光材料としては、低分子材
料として金属オキシノイド化合物(8−ヒドロキシキノ
リン金属錯体)、ブタジエン誘導体、クマリン誘導体、
ジシアノメチレンピラン誘導体、フルオレッセイン誘導
体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、アミノピレン誘
導体、ベンズオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘
導体、オキサゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ス
チリルアミン誘導体、ビススチリルベンゼン誘導体、ト
リススチリルベンゼン誘導体などを挙げることができる
がこれらに限定されるものではない。通常、発光層の膜
厚は約1nm〜1μm程度の範囲内であることが好まし
く、必要であれば2層以上で構成してもよい。
【0028】上記電子輸送層の電子輸送材料としては、
従来から光伝導材料において電子の電荷輸送材料として
慣用されているものや、電界発光素子の電子輸送材料に
使用される公知のものの中から任意のものを選択して用
いることができる。
【0029】電子輸送材料としては、例えば、有機化合
物としてオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導
体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アント
ラキノン誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン誘
導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノン誘導体、金
属オキシノイド化合物、シロール誘導体などを挙げるこ
とができるがこれらに限定されるものではない。
【0030】また、これらの電子輸送材料に電子注入輸
送能力を増加させる働きのある添加物を加えてもよい。
通常、電子輸送層の膜厚は約1nm〜1μm程度の範囲
内であることが好ましい。
【0031】上記電子注入電極としては、低仕事関数の
物質が好ましく、例えば、K、Li、Na、Mg、L
a、Ce、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、S
n、Zn、Zrなどの金属元素単体、または安定性を向
上させるためにそれらを含む2成分、3成分の合金系を
用いることが好ましい。
【0032】合金系としては、例えば、LiF/Al、
Li2O/Al、Ca/Al、Ca/Ag、Ba/A
g、Mg・Ag共蒸着層、Li・Al共蒸着層、Mg・
In共蒸着層などが好ましい。なお、電子注入電極は蒸
着法やスパッタ法でも形成できる。
【0033】電子注入電極の膜厚は、電子注入を十分行
える一定以上の膜厚であればよく、約0.1nm以上、
好ましくは約1nm以上であれば特にその上限は限定さ
れない。しかし、通常は約1〜500nm程度の膜厚と
なるように成膜すればよい。
【0034】また、この発明による薄膜製造装置におい
て、基板は光熱変換層を表面に形成した有機エレクトロ
ルミネッセンス素子用の薄膜形成用ドナーシートであっ
てもよい。
【0035】このように構成すると、この発明による薄
膜製造装置を用いて薄膜形成用ドナーシートの転写層を
形成でき、結果として、有機EL素子を応用したディス
プレイ等の生産効率を向上させることができる。なお、
ここで有機EL素子用の薄膜形成用ドナーシートとは、
熱転写法で有機EL素子を製造する際に用いられるもの
であり、基材シートの上に光熱変換層と転写層が形成さ
れたものである。
【0036】そこで、この発明において、上記基材シー
トとしては透明な高分子材料からなるものを用いること
ができる。このような高分子材料としては、例えば、ポ
リエチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリ
アクリル、ポリエポキシ、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、ポリサルホンなどの大抵の樹脂
を挙げることができる。
【0037】また、上記光熱変換層は、レーザー光を効
率良く熱に変換できる層であればよく、例えば、アルミ
ニウム、その酸化物および/またはその硫化物からなる
金属層や、カーボンブラック、黒鉛または赤外線吸収染
料などが添加された高分子からなる有機層などを光熱変
換層とすることができる。また、上記転写層としては、
例えば、光熱変換層の上に上述の電子輸送層、発光層、
正孔輸送層を順に積層したものを転写層とすることがで
きる。
【0038】この発明は、別の観点からみると、上記の
この発明による薄膜製造装置によって形成された薄膜形
成用ドナーシートを用いて製造される有機エレクトロル
ミネッセンス素子を提供するものでもある。
【0039】しかし、この発明による薄膜製造装置の用
途は有機EL素子の製造に限定されるものではなく、有
機EL素子以外の素子や装置の薄膜形成において幅広く
用いることができる。
【0040】また、この発明は、さらに別の観点からみ
ると、上記のこの発明による薄膜製造装置を用いる薄膜
製造方法であって、基板へ薄膜を蒸着する際には、成膜
室と蒸発室を真空にしてゲートバルブを開き、薄膜材料
の供給時には、ゲートバルブを閉じて蒸発室を大気圧に
戻してから蒸発室へ薄膜材料を供給する薄膜製造方法を
提供するものでもある。
【0041】また、この発明は、さらに別の観点からみ
ると、複数の薄膜製造装置と、薄膜製造装置の間で基板
を搬送する基板搬送部とを備え、各薄膜製造装置が上記
のこの発明による薄膜製造装置である薄膜積層装置を提
供するものでもある。
【0042】
【実施例】以下に図面に示す実施例に基づいてこの発明
を詳述する。なお、この実施例によってこの発明が限定
されるものではない。また、以下に説明する複数の実施
例において共通する部材には同じ符号を用いて説明す
る。
【0043】実施例1 この発明の実施例1による薄膜製造装置について図1に
基づいて説明する。図1は実施例1による薄膜製造装置
の構成を概略的に説明する説明図である。
【0044】図1に示されるように、この発明の実施例
1による薄膜製造装置1は、薄膜形成用材料を蒸発させ
る蒸発室2と、基板3を収容し蒸発室2から蒸発する薄
膜材料を受け入れて基板3上に蒸着させる成膜室4と、
蒸発室2と成膜室4とを作動時にそれぞれ真空にするた
めの真空ポンプ5a、5b、5cと、ゲートバルブ6
a、6b、6cとを備え、成膜室4と蒸発室2はゲート
バルブ6aを介して遮断可能に連通されるように構成さ
れている。
【0045】蒸発室2は薄膜材料を加熱するための蒸発
源7としてクヌーセンセルを備えている。また、蒸発室
2は、薄膜材料を外部からクヌーセンセルのルツボ7a
へ充填できるように材料供給口8を有している。
【0046】一方、成膜室4は成膜される基板3を支持
するための基板ホルダー9を上部に備えている。基板ホ
ルダー9は回転駆動装置(図示せず)から成膜室内へ延
びた回転軸10に連結されており、成膜時に基板3を保
持した状態で回転させられる。また、成膜室4は、成膜
される薄膜の膜厚を制御するためのシャッター11a、
11bと、膜厚をモニタするための膜厚計12を備えて
いる。
【0047】蒸発室2と成膜室4は、互いに連通できる
ようにそれぞれ連通口13a、13bを有し、これら連
通口13a、13bを任意に開閉できるようにゲートバ
ルブ6aが設けられている。真空ポンプ5a、5bは、
蒸発室2と成膜室4にそれぞれ設けられている。真空ポ
ンプ5a、5bはそれぞれ独立して作動することがで
き、蒸発室2と成膜室4を互いに独立して真空にするこ
とができる。
【0048】また、成膜室2の隣には搬出・搬入室14
が設けられている。搬出・搬入室14には真空ポンプ5
cが設けられており、必要に応じて搬出・搬入室14の
室内を真空にできる。成膜室4と搬出・搬入室14はゲ
ートバルブ6cで仕切られている。また、搬出・搬入室
14には基板搬送ロボット15が設けられており、この
基板搬送ロボット15が、成膜済みの基板3を成膜室4
から搬出・搬入室14へ搬送すると共に、未成膜の基板
3を搬出・搬入室14から成膜室4へ搬送する。なお、
少なくとも基板搬送ロボット15による搬送が行われる
あいだ、搬出・搬入室14は真空にされる。これによ
り、成膜室4を真空にしたまま基板3の搬出・搬入が行
えるようになっている。
【0049】以下に、複数枚の基板3を連続的に成膜す
る場合における薄膜製造装置1の基本的な使用方法につ
いて説明する。まず、成膜室4と搬出・搬入室14の間
に設けられたゲートバルブ6aを開き、搬出・搬入室1
4から未成膜の基板3を成膜室4に搬入して基板ホルダ
ー9にセットする。基板3の搬入作業が完了すると成膜
室4と搬出・搬入室14の間に設けられたゲートバルブ
6cを閉じる。
【0050】次に、蒸発室2の材料供給口8に設けられ
たゲートバルブ6bを開き、材料供給口8からルツボ7
aへペレット状の薄膜材料を充填する。ルツボ7aへの
充填作業が完了すると材料供給口8のゲートバルブ6b
を閉じる。次に、蒸発室2と成膜室4を共に真空にす
る。この際、蒸発室2と成膜室4の連通口13a、13
bの間に設けられたゲートバルブ6aは、開いた状態で
もよいし、閉じた状態でもよい。もし閉じた状態であれ
ば、蒸発室2と成膜室4が共に真空になった後に開くこ
とが好ましい。
【0051】次に、基板ホルダー9を回転させると共
に、蒸発源7を加熱してルツボ7aに充填された薄膜材
料を蒸発させる。これにより、蒸発した薄膜材料が基板
3の表面に蒸着され、基板3の表面に薄膜が成膜され
る。
【0052】基板3の成膜が完了すると、ゲートバルブ
6cを開き、成膜された基板3を基板搬送ロボット15
によって成膜室4から真空に維持された搬出・搬入室1
4へ搬出し、搬出・搬入室14の成膜済み基板用ホルダ
(図示せず)に収納する。成膜済み基板用ホルダへの収
納が完了すると、基板搬送用ロボット15は未成膜基板
用ホルダ(図示せず)から未成膜の基板3を取り出して
成膜室4へ搬入する。その後、ゲートバルブ6cが閉じ
られる。
【0053】次に、蒸発室2と成膜室4の連通口13
a、13bに設けられたゲートバルブ6aを閉じ、蒸発
室2を徐々に大気圧へ戻す。次に、蒸発室2の材料供給
口8に設けられたゲートバルブ6bを開き、ルツボ7a
へ薄膜材料を充填する。ルツボ7aへの充填作業が完了
すると、材料供給口8のゲートバルブ6bを閉じ、真空
ポンプ5aを作動させて蒸発室2を再び真空にする。
【0054】その後、蒸発室2と成膜室4の連通口13
a、13bに設けられたゲートバルブ6aを再び開き、
蒸発源7を加熱して基板3への成膜を行う。これ以降
は、所望枚数の基板3に対する成膜が完了するまで上述
の工程と同じ作業が繰り返される。所望の枚数の基板3
に対する成膜作業が完了すると、基板搬送ロボット15
は成膜済みの基板3が収納された成膜済み基板用ホルダ
を搬出・搬入室14から搬出口(図示せず)を介して外
部へ搬出する。また、空になった未成膜基板用ホルダも
次回の成膜の準備を行うために外部へ搬出され、装置の
外部にて未成膜の基板3が収納される。
【0055】従来の薄膜製造装置では1枚の基板の成膜
が完了する度に成膜室全体(すなわち、この発明による
薄膜製造装置の成膜室と蒸発室を一体にした部屋)を大
気圧に戻す必要があるのに対し、この発明では所望の枚
数の基板3に対する成膜が完了するまで成膜室4を真空
に維持し、薄膜材料を供給する際には蒸発室2のみが大
気圧へ戻される。
【0056】従って、薄膜材料の供給後、成膜を再び開
始する際には蒸発室2のみを真空にして蒸発室2と成膜
室4の連通口13a、13bに設けられたゲートバルブ
6aを開けばよく、従来の成膜室全体を再び真空にする
場合よりも成膜を再び開始するまでに要する時間が短縮
される。この結果、複数枚の基板を連続的に成膜する場
合に成膜に要する時間が短縮され、有機EL素子を応用
したディスプレイ等の生産効率を向上させることができ
る。
【0057】実施例2 この発明の実施例2による薄膜積層装置について図2に
基づいて説明する。図2は実施例2による薄膜積層装置
の構成を概略的に説明する説明図である。
【0058】図2に示されるように、この発明の実施例
2による薄膜積層装置51は、複数の薄膜製造装置1
a、1bと、薄膜製造装置1a、1bの間で基板3を搬
送する基板搬送ロボット15を有する搬出・搬入室14
(基板搬送部)とを備え、各薄膜製造装置1a、1bが
実施例1の薄膜製造装置1からなっている。
【0059】実施例2による薄膜積層装置51は、基板
3上に複数種類の薄膜を積層する必要がある場合に用い
られる。例えば、基板上に2種類の薄膜をする場合、ま
ず、1つ目の薄膜製造装置1aで基板3上に1層目とな
る薄膜を成膜する。
【0060】1層目の薄膜の成膜が完了すると、ゲート
バルブ6c、6dを開き、搬出・搬入室14に設けられ
た基板搬送ロボット15によって成膜室4aから搬出
し、搬出・搬入室14を介して成膜室4bへ搬入する。
成膜室4bへの搬入が完了すると、基板搬送ロボット1
5は搬出・搬入室14の未成膜基板用ホルダ(図示せ
ず)から未成膜の基板3を取り出し、1層目の成膜を行
う成膜室4aへ搬入する。その後、ゲートバルブ6c、
6dが閉じられる。
【0061】ここで、搬出・搬入室14は真空ポンプ5
cによって真空に維持されているため、成膜室4a、4
bを真空に維持したまま、基板3の搬出並びに搬入を行
うことができる。ゲートバルブ6c、6dが閉じられる
と、薄膜製造装置1aでは未成膜の基板3に対して1層
目の薄膜が成膜され、薄膜製造装置1bでは1層目の薄
膜の上に2層目の薄膜が成膜される。
【0062】薄膜製造装置1a、1bでそれぞれ成膜が
完了すると、再びゲートバルブ6c、6dを開き、基板
搬送ロボット15によって2層目の薄膜の成膜が完了し
た基板3を成膜室4bから搬出・搬入室14へ搬入し、
搬出・搬入室14の成膜済み基板用ホルダ(図示せず)
へ収納する。成膜済みの基板3を成膜済み基板用ホルダ
へ収納すると、基板搬送ロボット15は1層目の薄膜の
成膜が完了した基板3を成膜室4aから搬出し、成膜室
4bへ搬入する。以降、所望の枚数の基板3に対する成
膜作業が完了するまで、上述の工程と同様の工程が繰り
返される。
【0063】所望の枚数の基板3に対する成膜作業が完
了すると、基板搬送ロボット15は成膜済みの基板3が
収納された成膜済み基板用ホルダを搬出・搬入室14か
ら搬出口(図示せず)を介して外部へ搬出する。また、
空になった未成膜済み基板用ホルダも次回の成膜の準備
を行うために外部へ搬出され、装置の外部にて未成膜の
基板3が収納される。なお、実施例2では、2つの薄膜
製造装置1a、1bを搬出・搬入室14を介して接続し
たが、3層や4層などより多数の積層を形成する必要が
ある場合は3つや4つなどの積層数に対応した数の薄膜
製造装置を搬出・搬入室を介してそれぞれ接続すればよ
い。
【0064】以上のようなこの発明の実施例1又は2に
よる薄膜製造装置を用いた具体的な薄膜製造方法1〜3
並びに比較例について以下に説明する。
【0065】薄膜製造方法1 薄膜製造方法1では、この発明の実施例1による薄膜製
造装置1(図1参照)を用いて、5枚のガラスからなる
基板3に連続的に薄膜を製造する。ガラスからなる基板
3としては、厚さ約0.7mm、縦と横がそれぞれ約1
00mmのものを用いる。成膜室4と蒸発室2の減圧時
の圧力はそれぞれ1×10-6Torr以下とする。蒸発
源7のルツボ7aの開口の中心から基板3の中心までの
距離は約350mmとする。
【0066】薄膜材料としては、ペレット状に固められ
た約100mgのトリス(8−キノリノラト)アルミニ
ウム(Alq3)を使用する。5枚の基板3にそれぞれ
蒸着速度約0.3nm/sec.で膜厚約100nmと
なるまで蒸着する。
【0067】このようにして薄膜が製造された5枚の基
板3を観察したところ、5枚とも同じ膜厚で再現性良く
成膜されたことが確認された。また、5枚の基板3を成
膜するのに要した時間は約50分であった。
【0068】薄膜製造方法2 薄膜製造方法2では、この発明の実施例2による薄膜積
層装置51(図2参照)を用いて5枚の有機EL素子を
連続的に作製する。なお、図3に薄膜製造方法2によっ
て作製される有機EL素子の概略的な断面図を示す。
【0069】図3に示されるガラスからなる基板3とし
ては、厚さ約150nmのITO透明電極(正孔注入電
極)22が形成された厚さ0.7mmのものを用いる。
ITO透明電極22は64×64画素(1画素=1×1
mm)が得られるように予めパターニングする。また、
基板3は、薄膜製造装置1にセットする前に、中性洗
剤、水、イソプロピルアルコールを用いて超音波洗浄
し、次いでイソプロパノール蒸気中から引き上げて乾燥
し、表面を紫外線照射装置(エキシマランプ:約172
nm(Xe2 *)、放射照度:約10mW/cm2)によ
って約30分間洗浄する。成膜室4と蒸発室2の減圧時
の圧力はそれぞれ1×10-6Torr以下とする。蒸発
源7のルツボ7aの開口の中心から基板3の中心までの
距離は約350mmとする。
【0070】正孔注入層23を構成する薄膜材料として
銅フタロシアニン(以下、CuPc)、正孔輸送層24
を構成する薄膜材料としてN,N'−ジフェニル−N,
N'−m−トリル−4,4'−ジアミノ−1,1'−ビフ
ェニル(以下、TPD)、電子注入輸送・発光層25と
してAlq3、電子注入電極26としてMgAg(A
g:10at%)をそれぞれ用いる。また、各層の蒸着
速度は約0.3nm/sec.とし、電子注入電極のみ
はMg0.5nm/sec.、Ag0.05nm/se
c.とする。各層の膜厚は、正孔注入層23が約40n
m、正孔輸送層24が約30nm、電子注入輸送・発光
層25が約50nm、電子注入電極26が約200nm
とする。
【0071】このようにして作製された5枚の有機EL
素子21について、約0.22mAの定電流で全ての画
素を点灯させたときの輝度を測定した結果、各サンプル
における平均輝度は約105cd/m2、その分布範囲
は±5%以内であり、輝度のばらつきが少ない有機EL
素子21を作製できた。また、5枚の有機EL素子21
を作製するにあたって、成膜に要した時間は約120分
であった。
【0072】比較例 比較例では、1枚の基板の成膜が完了するたびに成膜室
全体を大気圧に戻し、薄膜材料充填後、再び成膜室全体
を減圧する必要がある従来の薄膜製造装置(図示せず)
によって5枚の有機EL素子を作製する。なお、有機E
L素子としての構成は上述の薄膜製造方法2によるもの
と変わらず、その構成は図3に示すとおりである。ま
た、使用した材料および各層の成膜条件も薄膜製造方法
2と同じである。
【0073】比較例で作製された5枚の有機EL素子に
ついて、約0.22mAの定電流で全ての画素を点灯さ
せたときの輝度を測定した結果、各サンプルにおける平
均輝度は約105cd/m2、その分布範囲は±5%以
内であった。また、5枚の有機EL素子を作製するにあ
たって、成膜に要した時間は約350分であった。
【0074】つまり、従来の薄膜製造装置を用いても、
有機EL素子の性能および品質については低下しなかっ
た。しかし、1枚の基板の成膜が完了するたびに成膜室
全体を大気圧に戻して薄膜材料を充填し、充填後、再び
成膜室全体を真空にする必要があるので、5枚の有機E
L素子を作製するにあたり、薄膜製造方法2よりも長い
時間を要した。
【0075】薄膜製造方法3 薄膜製造方法3では、この発明の実施例2による薄膜積
層装置51(図2参照)を用いて5枚の薄膜形成用ドナ
ーシートを連続的に作製し、さらにその作製された薄膜
形成用ドナーシートを用いて5枚の有機EL素子を作製
するものである。
【0076】なお、図4に薄膜製造方法3によって作製
される薄膜形成用ドナーシートの概略的な断面図を示
し、図5にその薄膜形成用ドナーシートの転写層を基板
上に熱転写する様子を示す。また、有機EL素子として
の構成は上述の薄膜製造方法2によるものと変わらず、
その構成は図3に示すとおりである。
【0077】図4に示される基材シート32としては、
膜厚約0.2mmのポリエチレンテレフタレートシート
上に、光熱変換層33として熱硬化型エポキシ樹脂を膜
厚約5μmでコーティングし、さらにその上に熱伝播層
および剥離層(共に図示せず)としてポリαメチルスチ
レン酸を膜厚約1μmでコーティングしたものを用い
る。
【0078】成膜室4と蒸発室2の減圧時の圧力はそれ
ぞれ1×10-6Torr以下とする。蒸発源7のルツボ
7aの開口の中心から基材シート32の中心までの距離
は約350mmとする。
【0079】基板3に転写される転写層34は、基材シ
ート32側から電子注入輸送・発光層25、正孔輸送層
24、正孔注入層23を順に積層して構成する。電子注
入輸送・発光層25を構成する材料としてAlq3、正
孔輸送層24を構成する材料としてTPD、正孔注入層
23を構成する薄膜材料としてCuPcをそれぞれ用い
る。また、各層の蒸着速度は約0.3nm/sec.と
し、各層の膜厚は、電子注入輸送・発光層25が約50
nm、正孔輸送層24が約30nm、正孔注入層23が
約40nmとする。
【0080】このようにして作製される5枚の薄膜形成
用ドナーシート31を5枚のガラスからなる基板3(図
5参照)にそれぞれ密着させる。なお、各基板3は表面
に予め64本のストライプ状にパターニングされたIT
O透明電極(図示せず)が形成されたものを用いる。
【0081】図5に示されるように、各基板3に薄膜形
成用ドナーシート31を密着させてから、光熱変換用の
光源41を薄膜形成用ドナーシート31側から前記スト
ライプ状のITO透明電極に対して平行に照射してIT
O透明電極上に転写層34を熱転写し、その後、基材シ
ート32及び光熱変換層33を剥離する。なお、光源4
1としては、ビームの大きさが約100μm(1/
2)で約8WのNd−YAGレーザーを用いる。
【0082】その後、転写層34の上に膜厚約200n
mのMgAg(Ag:約10at%)をITO透明電極
に対して64本のストライプ状に直行するように成膜し
て電子注入電極26とし、各画素が図3に示される構成
を有する64×64画素の有機EL素子21を作製す
る。
【0083】このようにして作製された5枚の有機EL
素子21について、約0.22mAの定電流で全ての画
素を点灯させたときの輝度を測定した結果、各サンプル
における平均輝度は約95cd/m2、その分布範囲は
±5%以内であり、輝度のばらつきが少ない有機EL素
子21を作製できた。また、5枚の薄膜形成用ドナーシ
ート31を作製するにあたって、成膜に要した時間は約
90分であった。
【0084】
【発明の効果】この発明によれば、薄膜製造装置は薄膜
形成用材料を蒸発させるための蒸発室を備え、この蒸発
室と成膜室がゲートバルブを介して遮断可能に連通され
てなるので、蒸発室のみを真空から大気圧へ戻して薄膜
材料を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1による薄膜製造装置の構成
を概略的に説明する説明図である。
【図2】この発明の実施例2による薄膜積層装置の構成
を概略的に説明する説明図である。
【図3】この発明の実施例における薄膜製造方法2で作
製される有機EL素子の構成を概略的に示す断面図であ
る。
【図4】この発明の実施例における薄膜製造方法3で作
製される薄膜形成用ドナーシートの構成を概略的に示す
断面図である。
【図5】この発明の実施例における薄膜製造方法3で作
製される薄膜形成用ドナーシートの転写層を基板上に熱
転写する様子を説明する説明図である。
【符号の説明】
1・・・薄膜製造装置 2・・・蒸発室 3・・・基板 4・・・成膜室 5a,5b,5c・・・真空ポンプ 6a,6b,6c・・・ゲートバルブ 7・・・蒸着源 7a・・・ルツボ 8・・・材料供給口 9・・・基板ホルダー 10・・・回転軸 11a,11b・・・シャッター 12・・・膜厚計 13a,13b・・・連通口 14・・・搬出・搬入室 15・・・基板搬送ロボット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜形成用材料を設置して蒸発させる蒸
    発室と、基板を収容し蒸発室から蒸発する材料を受け入
    れて基板上に蒸着させる成膜室と、蒸発室と成膜室とを
    作動時にそれぞれ真空にするための真空ポンプと、ゲー
    トバルブとを備え、成膜室と蒸発室はゲートバルブを介
    して遮断可能に連通されてなる薄膜製造装置。
  2. 【請求項2】 蒸発室は薄膜材料を加熱するための蒸発
    源を備え、蒸発源は薄膜材料を収容するための容器を有
    し、蒸発室外から蒸発源の容器へ薄膜材料を供給する材
    料供給機構をさらに備える請求項1に記載の薄膜製造装
    置。
  3. 【請求項3】 成膜室は、所定パターンの薄膜が基板に
    成膜されるようにパターニングマスクおよびシャッター
    機構を備える請求項1又は2に記載の薄膜製造装置。
  4. 【請求項4】 基板は電極を表面に形成した有機エレク
    トロルミネッセンス素子用の基板である請求項1〜3の
    いずれか1つに記載の薄膜製造装置。
  5. 【請求項5】 基板は光熱変換層を表面に形成した有機
    エレクトロルミネッセンス素子用の薄膜形成用ドナーシ
    ートである請求項1〜3のいずれか1つに記載の薄膜製
    造装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の薄膜製造装置によって
    形成された薄膜形成用ドナーシートを用いて製造される
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1つに記載の薄
    膜製造装置において、基板へ薄膜を蒸着する際には、成
    膜室と蒸発室を真空にしてゲートバルブを開き、薄膜材
    料の供給時には、ゲートバルブを閉じて蒸発室を大気圧
    に戻してから蒸発室へ薄膜材料を供給する薄膜製造方
    法。
  8. 【請求項8】 複数の薄膜製造装置と、薄膜製造装置の
    間で基板を搬送する基板搬送部とを備え、各薄膜製造装
    置が請求項1〜5のいずれか1つに記載の薄膜製造装置
    である薄膜積層装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100826743B1 (ko) * 2003-07-17 2008-04-30 후지 덴키 홀딩스 가부시키가이샤 유기 박막의 제조장치
JP2012026041A (ja) * 2011-10-27 2012-02-09 Tokyo Electron Ltd 蒸着装置

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