JP2014038302A - 可変焦点眼鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、簡単な操作により、異なる距離にある視認対象物を、個別に、明瞭に視認することができる汎用性のある可変焦点眼鏡を提供する。
【解決手段】焦点距離を変化させることができる可変焦点レンズ15R、15L毎に設けられ、可変焦点レンズ15R、15Lの焦点距離を変化させる駆動部23R、23L、駆動部23R、23Lを制御する制御部25、所定のスイッチ51、57を備え、スイッチ51、57に対して所定の操作をした場合には、駆動部23の駆動量が、スイッチ51、57の操作によって指定される、可変焦点レンズ15R、15L毎に記憶された、所定の距離にある視認対象物を可変焦点眼鏡の使用者が明瞭に視認できる際の駆動量となるように、制御部25が駆動部23を個別に制御する可変焦点眼鏡。
【選択図】図1

Description

本発明は、焦点距離を調整することができる可変焦点眼鏡に関し、特に、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、異なる距離にある視認対象物を、個別に、一定の明瞭さをもって視認することができる、汎用性のある可変焦点眼鏡に関する。
人間の目は、一般的に、加齢によって焦点調節機能が低下し、老視の症状が現れてくる。このため、従来技術では、近用眼鏡(近いものを見る眼鏡、例えば老眼鏡)を掛ける必要が生じる。また、近視である者が加齢して、老視の症状が現れた場合には、近用眼鏡(近いものを見る眼鏡、例えば老眼鏡)と遠用眼鏡(遠くのものを見る眼鏡、近視用眼鏡)を交互に掛け替えねばならなかった。そこで、これらの問題点を解決するために、可変焦点レンズを用いて遠近を見る眼鏡が公開されている。
例えば、内部に空間が形成されたレンズと、レンズの空間およびこの空間に連なるリザーバに液体を封入し、リザーバに設けられたダイアルを回転させることにより、レンズの空間に流入する液体の量を変化させて度数を調整できる可変焦点眼鏡が出願されている。(例えば、特許文献1)
しかしながら、この可変焦点眼鏡は、視認対象物までの距離に応じて、都度、手動でダイアルを手動で回転させなければならず、煩わしいという課題を有している。
また、可変焦点レンズを用いて遠近を見る眼鏡として、ポンプの作動によりレンズ体の内部の透明液体の容量を変えて、焦点を変化させようとする眼鏡が公開されている。(例えば、特許文献2)
ところで、この眼鏡は、ポンプが作動すると、透明液体が、注入口からレンズ体内に流入し、一方で、レンズ体内の透明液体が、排出口から排出される。そして、排出口から排出された透明液体は、チューブおよびポンプを介して再び注入口からレンズ体内に注入される。つまり、透明液体が循環するに過ぎず、そもそも、レンズ体の焦点距離を調整することができないという不具合を有している。
また、この眼鏡は、ポンプの吐出側に接続される1本のチューブが途中で分岐しており、透明液体が各々のレンズ体に注入されるようになっている。そして、各々のレンズ体から排出された透明液体が1本のチューブに合流し、ポンプの吸入側に接続するようになっている。つまり、この眼鏡は、左右のレンズ体毎に焦点距離を調整する仕組みを備えておらず、左右のレンズ体毎に焦点距離を調整することができない。その結果、左右で度数が異なる使用者は、視覚対象物を明確に見ることができないという課題を有している。
また、この眼鏡が、仮にレンズ体の焦点距離を調整できる眼鏡であったとしても、ポンプ、バルブ、流量計を用いた方法では、一般的には、液体の出し入れを長年繰り返すことにより、累積的な流量誤差が生じる課題、可変焦点レンズの焦点距離を、繰り返し、正確に再現することができないという課題を有している。
また、この眼鏡には、バルブが設けられている。バルブの具体的な構成は示されていないが、コントローラがバルブを駆動制御することから考慮すれば、電気を用いて弁を機械的に作動させる何らかの機械装置(例えば電磁弁)および配線が必要となる。しかも、この眼鏡は、流量計まで設けられるために、眼鏡が非常に大きく、あるいは重くなってしまい、実用に供さないという課題を有している。
また、可変焦点レンズを用いて遠近を見る眼鏡として、フレームに設けられた複数のスイッチを同時に押すと、可変焦点レンズに電圧を印加して、焦点の切り替えをする電子眼鏡が公開されている。(例えば、特許文献3)
しかしながら、この電子眼鏡は、単に遠方視野、近方視野を切り替えるだけであり、使用者の視力に合わせて、視認対象物を明確に見るようにはできないという課題を有している。また、使用者毎に焦点距離を変更することができないので、使用者が変わると、視認対象物を明瞭に見ることができないという課題を有している。さらに、左右のレンズ体毎に焦点距離を調整することができないので、左右の視力が異なる使用者は、視認対象物を明瞭に見ることができないという課題を有している。つまり、この電子眼鏡は、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者に対する汎用性がない。
また、可変焦点レンズを用いて遠近を見る眼鏡として、遠方を見る固定レンズに、液晶レンズを貼り合わせ、焦点切替スイッチを押して、プランジャをON接点側に切り替えると、液晶レンズに電圧が印加されて、近方視野に切り替えられ、プランジャをOFF接点側に切り替えると、液晶レンズに印加される電圧が停止されて、固体レンズの度数により、遠方視野をみることができる電子眼鏡が公開されている。(例えば、特許文献4)
しかしながら、この電子眼鏡は、遠方用として、使用者固有の固体レンズを用いなければならないので、使用者が代わると、必ずしも視認対象物を明瞭に見られるとは限らないという課題を有している。しかも、この電子眼鏡は、使用者専用として用いた場合でも、使用者の度数が進んでしまうと、固体レンズの部分を作り直す必要があり、引いては、液晶レンズも作り直さなければならないという課題を有している。つまり、この電子眼鏡は、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者に対する汎用性がないばかりでなく、使用者専用として用いた場合にも、使用できる条件(例えば、使用者の視力が変わらない)が限定されてしまうという課題を有している。
また、可変焦点レンズを用いて遠近を見る眼鏡として、ベローズ内のエレクトロアクティブポリマー部材と対向電極との間に電圧を印加してベローズを変形させることで、可変焦点レンズ部のメンブレンに流動性透明充填液を出し入れさせて、焦点距離を変える可変焦点レンズ装置が公開されている。(例えば、特許文献5)
しかしながら、この可変焦点レンズ装置は、単に、液圧ポンプを駆動させ、流動性透明充填液を出入りさせて、メンブレンを湾曲させ、焦点を切り替えるだけであり、視認する視認対処物が代わると、いちいち、片側ずつ、左右の可変焦点レンズの焦点距離を合わせなければならないという課題を有している。また、ベローズ内のエレクトロアクティブポリマー部材と対向電極との間に電圧を印加してベローズを変形させる構成であるために、液体の出し入れを長年繰り返すと、累積的な流量誤差が生じ、可変焦点レンズの焦点距離を、繰り返し、正確に再現することができないという課題を有している。
特許文献1乃至特許文献5は、いずれも、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、簡単な操作により、異なる距離にある視認対象物を、個別に、一定の明瞭さをもって視認することができないという課題を有している。
特表2011−516925号公報 特開平5−303011号公報 特開2009−80242号公報 特開2009−98649号公報 特開2009−251420号公報
上述したように、上述した特許文献2の眼鏡、特許文献3の電子眼鏡、特許文献4の電子眼鏡は、そもそも、レンズ体の焦点距離を調整することができないという不具合、あるいは、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者に対する汎用性がないなどの課題があった。一方、特許文献1の眼鏡、特許文献5の可変焦点レンズ装置は、一定の汎用性があるものの、特許文献1では、都度、手動でダイアルを回転させなければならず、煩わしいという課題、特許文献5では、片側ずつ、左右の可変焦点レンズの焦点距離を合わせなければならないという課題を有している。
つまり、従来技術では、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、簡単な操作により、異なる距離にある視認対象物を、個別に、一定の明瞭さをもって視認することができる汎用性のある可変焦点眼鏡を提供することができなかった。本願発明は上記点に鑑み、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、簡単な操作により、異なる距離にある視認対象物を、個別に、一定の明瞭さをもって視認することができる汎用性のある可変焦点眼鏡を提供することを目的とする。
また、上述した課題を解決するために、発明者は、可変焦点眼鏡を発明したが、使用者にとって掛け心地のよい可変焦点眼鏡、操作性のよい可変焦点眼鏡、利便性の高い可変焦点眼鏡であることが望まれる。本願発明は上記点に鑑み、使用者にとって掛け心地のよい可変焦点眼鏡、あるいは操作性のよい可変焦点眼鏡、あるいは利便性の高い可変焦点眼鏡を提供することを副次的な目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、焦点距離を変化させることができる可変焦点レンズを備えた可変焦点眼鏡において;
可変焦点レンズ毎に設けられ、可変焦点レンズの焦点距離を変化させる駆動部と、
駆動部を制御する制御部と、
所定のスイッチと、
を備えており、
スイッチに対して所定の操作をした場合には、駆動部の駆動量が、スイッチの操作によって指定される、可変焦点レンズ毎に記憶された、所定の距離にある視認対象物を可変焦点眼鏡の使用者が明瞭に視認できる際の駆動量となるように、制御部が駆動部を個別に制御することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1において、所定の距離にある視認対象物を明瞭に視認できる際の駆動量が、可変焦点レンズ毎に、使用者により教示された駆動量であることを特徴とする。
これによれば、スイッチに対して所定の操作をすると、所定の距離にある視認対象物を可変焦点眼鏡の使用者が明瞭に視認できる際の駆動量となる。この駆動量は、使用者が個別に、視認対象物を明瞭に視認できる際の駆動量であるために、簡単な操作によって、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、視認対象物を明瞭に視認することができる。したがって、従来例のように、いちいちダイアルを手動で回転させずとも、あるいは片側ずつ、左右の可変焦点レンズの焦点距離を合わせることをせずとも、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者自身が、簡単な操作によって、視認対象物を明瞭に視認することができる。その結果、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、簡単な操作により、異なる距離にある視認対象物を、個別に、一定の明瞭さをもって視認することができる汎用性のある可変焦点眼鏡を提供することができる。
なお、スイッチ操作をしない限り、駆動量も変わらないので、使用者が個別の視認対象物を視認している際に、他の視認対象物が横切っても、駆動量が切り替わることがない。このため、視認対象物を安定的に視認することができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2において、請求項1または請求項2において、可変焦点レンズが、液体の出し入れによって焦点距離を変化させることができる可変焦点レンズであり、
駆動部が、液体を出し入れして可変焦点レンズの焦点距離を変化させる駆動部であることを特徴とする。
これによれば、可変焦点レンズが、液体の出し入れによって焦点距離を変化させることができる可変焦点レンズであるため、液晶式の可変焦点眼鏡のような課題、すなわち、誘電体材料を用いているために、一般的に、レンズにおける光の透過率が低くなる課題、レンズにおける光の透過率が低くなると、明度が下がり、使用者の瞳孔径が大きくなって、焦点深度が浅くなり、焦点を合わせ難いという課題、利用者に負担をかけてしまうという課題、大口径にすることが難しく、視野が限定されるという課題を解決することができる。
請求項4に記載の発明では、請求項3において、可変焦点レンズに、液体が出し入れされる内部空間が形成されており、
駆動部が;
内部空間につながる内径部に設けられ、可動することにより、液体を出し入れして可変焦点レンズの焦点距離を変化させるピストンと、
ステッピングモータ、サーボモータ、所定の距離にある視認対象物が明瞭に視認できる場合の駆動量に制御可能なDCモータのうち、いずれかのモータと、
を備えており、
制御部がモータを個別に駆動することにより、ピストンを可動させることを特徴とする。
これによれば、視認対象物を、使用者が一定の明瞭さをもって視認できる際の焦点距離となるように、制御部がステッピングモータ、サーボモータ、所定の距離にある視認対象物が明瞭に視認できる場合の駆動量となるように作動するDCモータを制御してピストンを可動させ、内部空間内への液体の出し入れ量を制御することができる。上述した各モータは、正確に位置決めすることができ、位置再現性も有しているので、各モータによって可動するピストンもまた正確に位置決めされ、正確に位置が再現される。そのため、可変焦点レンズの焦点距離を、繰り返し、正確に再現することができる。
また、可変焦点レンズ毎に液体の出し入れ量を制御することができるので、可変焦点レンズ毎に焦点距離を変更することができる。このため、左右の視力度数が異なっていても、右目、左目ごとに、焦点距離を微細に制御することができる。その結果、使用者が一定の明瞭さをもって、視認対象物を視認できる可変焦点眼鏡を提供することができる。
また、可変焦点レンズの焦点距離を、繰り返し、正確に再現することができるので、特許文献2のような、バルブおよび流量計を必要としない。また、特許文献5のような、動作液体および流動性透明液体充填液を貯留する液圧力流量伝達装置セルも必要としない。このため、可変焦点眼鏡をコンパクトにすることができる。その結果、使用者にとって掛け心地のよい可変焦点眼鏡を提供することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1または請求項2において、可変焦点レンズが、印加電圧の増減によって焦点距離を変化させることができる可変焦点レンズであり、
駆動部が、印加電圧を増減して可変焦点レンズの焦点距離を変化させる駆動部であることを特徴とする。
これによれば、装置を小型化、軽量化することができる。その結果、使用者にとって掛け心地のよい可変焦点眼鏡を提供することができる。また、液体式の可変焦点眼鏡のように、液漏れを考慮する必要がない。
請求項6に記載の発明では、請求項1乃至請求項5のいずれか1つにおいて、スイッチに対し所定の操作をした場合には、可変焦点レンズ毎に事前に教示された、所定の距離にある視認対象物を明瞭に視認できる際の駆動量から、任意の距離にある視認対象物までの距離に応じた、駆動部に対する駆動量を、可変焦点レンズ毎に算出し、
駆動部に対する駆動量が算出された駆動量となるように、制御部が駆動部を制御することを特徴とする。
これによれば、可変焦点レンズ毎に、駆動部に対する駆動量が、任意の距離にある視認対象物までの距離に応じた、駆動部に対する駆動量となるために、簡単な操作によって、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、任意の距離にある視認対象物を明瞭に視認することができる。その結果、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、簡単な操作により、任意の距離にある距離にある視認対象物を、個別に、一定の明瞭さをもって視認することができる汎用性のある可変焦点眼鏡を提供することができる。
請求項7に記載の発明では、請求項1乃至請求項6のいずれか1つにおいて、駆動部、駆動部を操作する操作部、制御部、駆動部および制御部に電源を供給する電源供給部のうち、少なくとも操作部が、可変焦点レンズを保持する眼鏡フレームと別体に設けられるリモートコントローラに設けられていることを特徴とする。
これによれば、駆動部、操作部、制御部、電源供給部のうち、少なくとも操作部が、リモートコントローラに設けられるので、眼鏡フレーム側の重量を軽減することができる。その結果、掛け心地のよい可変焦点眼鏡を提供することができる。また、リモートコントローラに設けられた操作部により、駆動部を操作することができるので、操作性がよく、利便性の高い可変焦点眼鏡を提供することができる。
請求項8に記載の発明のように、請求項1乃至請求項7のいずれか1つの可変焦点眼鏡が、視認対象物までの距離を測定する距離測定手段、視認対象物の有無を検出する視認対象物検出手段のいずれか1つを備えていてもよい。
第1実施形態による可変焦点眼鏡の平面図で、図2のA−A断面図である。 第1実施形態による可変焦点眼鏡の正面図である。 図1のB−B断面図である。 図1のC−C断面図である。 第1の実施形態による左側の可変焦点レンズおよび駆動部の拡大図である。 第1の実施形態による可変焦点眼鏡のブロック図である。 第2の実施形態による可変焦点眼鏡の平面図である。 第2の実施形態による可変焦点眼鏡の正面図である。 図7のA方向から見た側面図である。 図7のB方向から見た側面図である。 第2の実施形態による可変焦点眼鏡のブロック図である。 第5の実施形態による可変焦点眼鏡の駆動量−距離相関図である。 第6の実施形態による可変焦点眼鏡の駆動量−距離相関図である。 第7の実施形態による可変焦点眼鏡の左側の可変焦点レンズおよび駆動部の拡大図である。 図14のF−F断面図である。 図14のG−G断面図である。 第8の実施形態による可変焦点眼鏡の正面図である。 第9の実施形態による可変焦点眼鏡の正面図である。 第10の実施形態による可変焦点眼鏡の駆動部の説明図である。 第11の実施形態による可変焦点眼鏡の平面図である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、可変焦点眼鏡のうち、液体式可変焦点眼鏡に関するものである。図1は、可変焦点眼鏡11の平面図で、図2のA−A断面図である。図2は、可変焦点眼鏡の正面図である。図3は、図1のB−B断面図である。図4は、図1のC−C断面図である。図5は、可変焦点レンズおよび駆動部の拡大図である。図1に示すように、可変焦点眼鏡11は、眼鏡フレーム13の前面部分を構成し、左右一対の可変焦点レンズ15を保持するフロント17、フロント17に連なるテンプル19を備えている。なお、第1の実施形態では、テンプル19は、フロント17と一体に形成されるが、一般的に使用される眼鏡と同様に、テンプル19をフロント17と別体にし、所定の連結部材などを介して折り曲げる構造としてもよい。
なお、以下の説明では、必要に応じて、左右一対の可変焦点レンズ15、テンプル19を、次のように使い分けて説明する。すなわち、左右一対の可変焦点レンズ15のうち、使用者が可変焦点眼鏡11をかけた状態で、右側の可変焦点レンズ15を可変焦点レンズ15Rと称し、左側の可変焦点レンズ15を可変焦点レンズ15Lと称するものとする。また、使用者が可変焦点眼鏡11をかけた状態で、右側のテンプル19を、テンプル19Rと称し、左側のテンプル19を、テンプル19Lと称するものとする。また、右側のテンプル19Rに設けられた駆動部23を、駆動部23Rと称し、左側のテンプル19Lに設けられた駆動部23を、駆動部23Lと称するものとする。また、右側のテンプル19Rに設けられたステッピングモータ35を、ステッピングモータ35Rと称し、左側のテンプル19Lに設けられたステッピングモータ35を、ステッピングモータ35Lと称するものとする。
なお、後述するように、ステッピングモータは、駆動部の駆動源であり、駆動部そのものではないが、ステッピングモータが駆動すると、駆動部が駆動する。また、制御部がステッピングモータを制御することは、結果的に、制御部が駆動部を制御することでもある。このため、適宜、ステッピングモータ(駆動部)を駆動する、制御部がステッピングモータ(駆動部)を制御する、などと記載する。また、制御部は、後述する記憶部を含めた広い概念で用いており、適宜、記憶部(制御部)に記憶する、記憶部(制御部)に記憶される、などと記載する。
可変焦点レンズ15は、図5に示すように、前面側を形成する前面レンズ15a、後面側を形成する後面レンズ15b、前面レンズ15aおよび後面レンズ15bの間に配置される可撓性の可撓膜15cを備えている。前面レンズ15aと可撓膜15cとの間には、空間15dが形成され、可撓膜15cと後面レンズ15bとの間には、空間15eが形成される。上述した後面レンズ15bには、空間15eと連通路13aとを連通する孔部15fが形成されている。連通路13aは、孔部15fと、後述する貯留室37とを連通する。空間15e、孔部15f、連通路13a、貯留室37には透明液体21(例えば、透明度の高いシリコン油)が充填されている。
また、右側のテンプル19Rには、右側の可変焦点レンズ15Rに透明液体21を出し入れして、右側の可変焦点レンズ15Rの厚みを変更することにより焦点距離を変更する駆動部23Rと、駆動部23R、23L、制御部25に電力を供給する電源供給部27とが設けられている。また、左側のテンプル19Lには、左側の可変焦点レンズ15Lに透明液体21を出し入れして、左側の可変焦点レンズ15Lの厚みを変更することにより焦点距離を変更する駆動部23Lと、駆動部23R、23Lを制御する制御部25とが設けられている。電源供給部27から供給される電力は、配線29(図2に図示)を経由して、駆動部23、制御部25に送電される。上述した配線29は、エッチング、銅箔の貼り付け等により、フィルム上に形成された配線パターンであってもよい。配線パターンをフィルム上に形成することで、眼鏡フレーム13を小型化することができる。
次に、駆動部23について説明する。説明に際しては、左側のテンプル19Lに設けられる駆動部23Lについて説明する。なお、右側のテンプル19Rに設けられる駆動部23Rについては、左側のテンプル19Lに設けられる駆動部23Lと同様に構成される。
図5に示すように、左側のテンプル19Lには、内径部19aが形成されており、この内径部19aに、ピストン31、送りねじ軸33、左側のステッピングモータ35Lが内蔵されている。内径部19aのうち、少なくとも、ピストン31が摺動する部分は、円筒状に形成されており、ピストン31と内径部19aとで、透明液体21を貯留する貯留室37が形成される。ピストン31には、めねじが形成されており、送りねじ軸33が螺入されている。
送りねじ軸33の内径部33aには、左側のステッピングモータ35Lの軸35aが圧入されており、軸35aが回転すると、送りねじ軸33が一体となって回転する。左側のステッピングモータ35Lの軸35aが、軸35a側の反対側から軸35aの方向に見て反時計方向に回転すると、ピストン31がD方向に移動する。この際、貯留室37に貯留された透明液体21が、連通路13a、孔部15fを経由して、空間15e側に移動する。空間15e側に透明液体21が流入すると、左側の可変焦点レンズ15Lが厚さ方向に膨らんで、屈折率を高くすることができる(焦点距離を短くすることができる)。
また、左側のステッピングモータ35Lの軸35aが、軸35a側の反対側から軸35aの方向に見て時計方向に回転すると、ピストン31が、図5に示すE方向に移動する。この際、空間15eに貯留された透明液体21が、孔部15f、連通路13aを経由して、貯留室37側に移動する。貯留室37側に透明液体21が移動すると、左側の可変焦点レンズ15Lが厚さ方向に縮んで、屈折率を低くすることができる(焦点距離を長くすることができる)。なお、ピストン31には、回り止め31aが設けられており、送りねじ軸33が回転した際に、ピストン31が回転しないように構成されている。
ところで、制御部25から所定量のパルス信号を、右側のステッピングモータ35R、左側のステッピングモータ35Lに与えると、軸35aがパルス信号の量(パルス数)に応じた角度分だけ、回転する。上述したパルス数は、駆動部23R、23Lを駆動させる際の駆動量である。なお、上述したパルス数は、軸35aの回転量に換算することができることから、軸35aの回転量を、本願発明の駆動量として扱ってもよい。また、可動部(例えば、ピストン31)の移動量を、本願発明の駆動量として扱ってもよい。上述した可動部(例えば、ピストン31)の移動量は、リニアスケール、センサなどを用いて検出してもよい。可動部とは、駆動源(第1の実施形態では、ステッピングモータ35)が駆動することにより、可動する部分であり、第1の実施形態では、ピストン31、送りねじ軸が相当する。
なお、上述した右側のステッピングモータ35R、左側のステッピングモータ35Lに、ロータリエンコーダを設けてもよい。ロータリエンコーダは、駆動量検出手段として機能する。図1に示すように、ステッピングモータ35R、35Lにロータリエンコーダ39を設けると、パルス数およびパルス数から換算される軸35aの回転量を極めて正確に検出することができる。また、パルス数を制御部25にフィードバックして、駆動部23を制御することができる。
次に、制御部25について説明する。制御部25には、ステッピングモータ35R、35Lを制御する制御プログラムが記憶されている。この制御プログラムは、後述するタッチセンサ51、タッチセンサ57に対して所定の操作をした場合に、駆動部23の駆動量が、タッチセンサ51、タッチセンサ57の操作により指定される、事前に教示された駆動量となるように、駆動部23を制御する機能を有している。
次に、操作部47について説明する。右側のテンプル19R、左側のテンプル19Lには、操作部47が設けられている。操作部47のうち、右側のテンプル19には、図4に示すように、電源をオン、オフする電源スイッチ49、タッチセンサ51、教示ボタン53が設けられている。また、操作部47のうち、左側のテンプル19Lには、図3に示すように、モード切換ボタン55、タッチセンサ57、登録ボタン59が設けられている。
タッチセンサ51、タッチセンサ57に触れると、制御部25に所定の検出信号が入力される。タッチセンサ51、タッチセンサ57は、本願発明のスイッチの一例を構成する。スイッチは、上述したタッチセンサの他に、押ボタンスイッチ、近接スイッチなど、他のスイッチであってもよい。
モード切換ボタン55は、モードの切り替えを行う。上述したモード切換ボタン55を押すと、視点切り替えモード、一定モード、任意モード、教示モードを切り換えることができる。
視点切り替えモードとは、異なる距離にある複数の視認対象物に対し、個別に焦点距離を切り替えるモードであり、使用者が一定の明瞭さをもって視認対象物を視認できるように、制御部25が、ステッピングモータ35R(駆動部23R)、ステッピングモータ35L(駆動部23L)を制御して、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を変化させるモードである。一定モードとは、自動車を運転するときのように、焦点距離が変化しては不都合を生じる場合に、焦点距離を一定にするモードである。任意モードとは、任意の位置にある視認対象物に対して、都度、使用者が一定の明瞭さをもって視認対象物を視認できるように、手動制御によって、焦点距離を変化させるモードである。
ところで、使用者の視力は、個々に異なるため、使用者に応じて、所定の距離にある視認対象物が明瞭に見えるように(一定の明瞭さを持って視認できるように)しなければならない。視認対象物が明瞭に見えるように焦点距離を合わせるために、使用者が事前に教示を行う。教示を行うには、モード切換ボタン55を押して、教示モードにする。
教示モード時に、使用者が指でタッチセンサ51に触れると、制御部25に所定の検出信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ51から指を離すと、上述した検出信号の入力が停止される。制御部25は、検出信号が入力されるごとに、右側のステッピングモータ35Rの軸35aが正転、逆転を交互に繰り返すように、右側のステッピングモータ35Rを制御する。タッチセンサ51を触れている間は、軸35aの正転または逆転が維持され、指を離すと、停止する。
同様に、教示モード時に、使用者が指でタッチセンサ57に触れると、制御部25に所定の検出信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ57から指を離すと、上述した検出信号の入力が停止される。制御部25は、検出信号が入力されるごとに、左側のステッピングモータ35Lの軸35aが正転、逆転を交互に繰り返すように、左側のステッピングモータ35Lを制御する。タッチセンサ57を触れている間は、軸35aの正転または逆転が維持され、指を離すと、停止する。
教示には、遠近2点を教示する2点教示、3点を教示する3点教示、多点を教示する多点教示などがある。
2点教示について、説明する。最初に、右側の可変焦点レンズ15Rにおける教示の手順を説明する。図1において、使用者が、左側の可変焦点レンズ15Lを手で覆い、第1の距離(例えば、眼鏡フレーム13から視認対象物OB1までの距離L1=30cm)にある視認対象物OB1を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ51に指で触れて、あるいは指を離して、右側のステッピングモータ35Rを駆動させ、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できるように、右側の可変焦点レンズ15Rの焦点距離を変化させる。そして、教示ボタン53を押す。この際、右側のステッピングモータ35Rに対する原点からのパルス数N1が、記憶部63(制御部25)に記憶される(記憶部63は、図6参照)。なお、右側のステッピングモータ35Rに、ロータリエンコーダが設けられている場合には、ロータリエンコーダが検出した原点位置からのパルス数が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
次に、使用者が、左側の可変焦点レンズ15Lを手で覆い、第2の距離(例えば、眼鏡フレーム13から視認対象物OB2までの距離L2=100cm)にある視認対象物OB2を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ51に指で触れて、あるいは指を離して、右側のステッピングモータ35Rを駆動させ、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できるように、右側の可変焦点レンズ15Rの焦点距離を変化させる。そして、教示ボタン53を押す。この際、右側のステッピングモータ35Rに対する原点からのパルス数N2が、記憶部63(制御部25)に記憶される。なお、右側のステッピングモータ35Rに、ロータリエンコーダが設けられている場合には、ロータリエンコーダが検出した原点位置からのパルス数が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
左側の可変焦点レンズ15Lにおける教示の手順を説明する。図1において、使用者が、右側の可変焦点レンズ15Rを手で覆い、上述した視認対象物OB1を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ57に指で触れて、あるいは指を離して、左側のステッピングモータ35Lを駆動させ、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できるように、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を変化させる。そして、教示ボタン53を押す。この際、左側のステッピングモータ35Lに対する原点からのパルス数N3が、記憶部63(制御部25)に記憶される。なお、左側のステッピングモータ35Lに、ロータリエンコーダが設けられている場合には、ロータリエンコーダが検出した原点位置からのパルス数が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
次に、使用者が、右側の可変焦点レンズ15Rを手で覆い、上述した視認対象物OB2を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ57に指で触れて、あるいは指を離して、左側のステッピングモータ35Lを駆動させ、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できるように、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を変化させる。そして、教示ボタン53を押す。この際、左側のステッピングモータ35Lに対する原点からのパルス数N4が、記憶部63(制御部25)に記憶される。なお、左側のステッピングモータ35Lに、ロータリエンコーダが設けられている場合には、ロータリエンコーダが検出した原点位置からのパルス数が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
上述したタッチセンサ51、タッチセンサ57、教示ボタン53、記憶部63(制御部25)は、教示手段の一例を構成する。なお、ステッピングモータ35にロータリエンコーダ39を設けた場合には、タッチセンサ51、タッチセンサ57、教示ボタン53、記憶部63(制御部25)、ロータリエンコーダが、本願発明の教示手段の一例を構成する。なお、パルス数N1、パルス数N2、パルス数N3、パルス数N4に代え、パルス数N1から換算される回転量Rev1、パルス数N2から換算される回転量Rev2、パルス数N3から換算される回転量Rev3、パルス数N4から換算される回転量Rev4を記憶してもよい。
教示を終えると、制御部25に記憶されたプログラムにより、タッチセンサの操作とパルス数とが関連づけられる。例えば、タッチセンサに対し、操作Aを行った場合には、右側のステッピングモータ35Rに対するパルス数をN1、左側のステッピングモータ35Lに対するパルス数をN3にし、タッチセンサに対し、操作Bを行った場合には、右側のステッピングモータ35Rに対するパルス数をN2、左側のステッピングモータ35Lに対するパルス数をN4にするというように、所定の操作に対し、ステッピングモータ35R、35Lに対するパルス数が関連付けられる。つまり、タッチセンサ51、タッチセンサ57の操作によって、右側のステッピングモータ35Rに対するパルス数N1、パルス数N2、左側のステッピングモータ35Lに対するパルス数N3、パルス数N4を指定することができる。タッチセンサ51、タッチセンサ57は、パルス数を指定する機能を有している。なお、パルス数N1、パルス数N2、パルス数N3、パルス数N4に代えて、パルス数N1から換算される回転量Rev1、パルス数N2から換算される回転量Rev2、パルス数N3から換算される回転量Rev3、パルス数N4から換算される回転量Rev4の各回転量と、スイッチの操作とを関連付けてもよい。
2点教示を行った後、この可変焦点眼鏡11を、視点切り替えモードで使用する場合には、モード切換ボタン55を押して、視点切り替えモードにする。モード切換ボタン55を押して、視点切り替えモードにすると、タッチセンサ51またはタッチセンサ57に触るごとに、ステッピングモータ35のパルス数が、交互に、後述する(1)項、(2)項のパルス数となるように、制御部25が、右側のステッピングモータ35R(駆動部23R)、左側のステッピングモータ35Lを、個別に制御する。つまり、第1の実施形態における可変焦点眼鏡11は、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L毎に、事前に教示された駆動量を再現することにより、遠近2点の視認対象物OB1、OB2に対し、交互に焦点を合わせることができる。その結果、使用者は、タッチセンサ51またはタッチセンサ57に触るごとに、遠近2点の視認対象物OB1、OB2を、交互に、一定の明瞭さをもって視認することができる。
(1)右側:パルス数N1、左側:パルス数N3
(2)右側:パルス数N2、左側:パルス数N4
なお、タッチセンサとパルス数との関連付けには、種々の方法がある。例えば、タッチセンサ51、タッチセンサ57のうち、どちらか1つのタッチセンサを触るごとに、ステッピングモータ35R、35Lのパルス数が、交互に、上述した(1)項、(2)項のパルス数となるように、制御部25が、右側のステッピングモータ35R(駆動部23R)、左側のステッピングモータ35L(駆動部23L)を制御してもよい。
また、タッチセンサ51を押すと、右側のステッピングモータ35Rのパルス数をパルス数N1、左側のステッピングモータ35Lのパルス数をパルス数N3にし、タッチセンサ57を押すと、右側のステッピングモータ35Rのパルス数をパルス数N2、左側のステッピングモータ35Lのパルス数をパルス数N4にするようにしてもよい。なお、パルス数N1、パルス数N2、パルス数N3、パルス数N4に代えて、パルス数N1から換算される回転量Rev1、パルス数N2から換算される回転量Rev2、パルス数N3から換算される回転量Rev3、パルス数N4から換算される回転量Rev4の各回転量と、スイッチの操作とを関連付けてもよい。
次に、3点教示について、図1を用いて説明する。教示対象となる視認対象物OB1、視認対象物OB2、視認対象物OB3が、それぞれ、距離L1、距離L2、距離L3にあるものとする。
3点教示は、上述した2点教示と同様の手順に準じて、使用者が教示を行う。右側の可変焦点レンズ15Rでは、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できる際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数N1(あるいは回転量Rev1)、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できる際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数N2(あるいは回転量Rev2)、視認対象物OB3が最も明瞭に視認できる際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数N3(あるいは回転量Rev3)を、使用者が教示する。これにより、パルス数N1(あるいは回転量Rev1)、パルス数N2(あるいは回転量Rev2)、パルス数N3(あるいは回転量Rev3)が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
また、左側の可変焦点レンズ15Lでは、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できる際の、左側のステッピングモータ35Lのパルス数N4(あるいは回転量Rev4)、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できる際の、左側のステッピングモータ35Lのパルス数N5(あるいは回転量Rev5)、視認対象物OB3が最も明瞭に視認できる際の、左側のステッピングモータ35Lのパルス数N6(あるいは回転量Rev6)を、使用者が教示する。これにより、パルス数N4(あるいは回転量Rev4)、パルス数N5(あるいは回転量Rev5)、パルス数N6(あるいは回転量Rev6)が、記憶部63(制御部25)に記憶される。なお、ステッピングモータ35に、ロータリエンコーダが設けられている場合には、ロータリエンコーダが、原点位置からのパルス数を検出する。
3点教示を行った後、この可変焦点眼鏡11を、視点切り替えモードで使用する場合には、モード切換ボタン55を押して、視点切り替えモードにする。モード切換ボタン55を押して、視点切り替えモードにすると、タッチセンサ51またはタッチセンサ57に触るごとに、ステッピングモータ35R、35Lのパルス数(あるいは回転量)が、順次、後述する(1)、(2)、(3)を繰り返すように、制御部25が、ステッピングモータ35を制御する。これにより、タッチセンサ51またはタッチセンサ57に触れるだけで、3点の視認対象物OB1、OB2、OB3を、順次、一定の明瞭さをもって視認することができる。
(1)右側:パルス数N1(回転量Rev1)、左側:パルス数N4(回転量Rev4)
(2)右側:パルス数N2(回転量Rev2)、左側:パルス数N5(回転量Rev5)
(3)右側:パルス数N3(回転量Rev3)、左側:パルス数N6(回転量Rev6)
つまり、教示を行うことにより、タッチセンサの操作とパルス数(あるいは回転量)とが関連づけられ、タッチセンサ51、タッチセンサ57の操作によって、右側のステッピングモータ35Rのパルス数N1(回転量Rev1)、パルス数N2(回転量Rev2)、パルス数N3(回転量Rev3)、左側のステッピングモータ35Lのパルス数N4(回転量Rev4)、パルス数N5(回転量Rev5)、パルス数N6(回転量Rev6)を指定することができる。
なお、タッチセンサと駆動量との関連付けには、種々の方法がある。例えば、タッチセンサ51に触るごとに、順次、上述した(1)、(2)、(3)を繰り返すように、制御部25が、ステッピングモータ35を制御するようにしてもよい。また、タッチセンサ57に触るごとに、順次、上述した(1)、(2)、(3)を繰り返すように、制御部25が、ステッピングモータ35を制御するようにしてもよい。また、タッチセンサ51に触るごとに、事前に教示したパルス数のうち、より大きいパルス数となるようにし、タッチセンサ57に触るごとに、事前に教示したパルス数のうち、より小さいパルス数となるようにしてもよい。
上述した例では、視認対象物が2点、3点である場合について説明したが、4点以上であってもよい。
上記構成によれば、タッチセンサ51、タッチセンサ57に対して所定の操作をすると、可変焦点レンズ15毎(右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L)に設けられた駆動部23の駆動量が、タッチセンサ51、タッチセンサ57の操作によって指定される、可変焦点レンズ15毎(右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L)に事前に記憶された、所定の距離にある視認対象物を可変焦点眼鏡11の使用者が明瞭に視認できる際の駆動量となるように、制御部25が、駆動部23を個別に制御することができる。この駆動量は、使用者が個別に、視認対象物を明瞭に視認できる際の駆動量であり、使用者により教示されるために、簡単な操作によって、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、視認対象物を明瞭に視認することができる。したがって、従来例のように、いちいちダイアルを手動で回転させずとも、あるいは片側ずつ、左右の可変焦点レンズの焦点距離を合わせることをせずとも、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者自身が、簡単な操作によって、視認対象物を明瞭に視認することができる。その結果、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、簡単な操作により、異なる距離にある視認対象物を、個別に、一定の明瞭さをもって視認することができる汎用性のある可変焦点眼鏡を提供することができる。
なお、タッチセンサ51またはタッチセンサ57を触らなければ、(スイッチ操作をしなければ、)駆動量(パルス数、回転量など)も変わらないので、使用者が一定の明瞭さをもって、特定の視認対象物を視認している際に、他の外乱要素(例えば他の視認対象物が横切る)があっても、駆動量(パルス数、回転量など)が切り替わることがない。このため、視認対象物を安定的に視認することができ、しかも異なった距離にある複数の視認対象物を個別に視認することができる。
また、この可変焦点眼鏡11は、スイッチとして、タッチセンサを用いている。このため、指で触れるだけで、視認対象物を視認できることができ、操作性のよい可変焦点眼鏡を提供することができる。
なお、レンズの中に液晶などの誘電体材料を封入し、これに電圧を欠けて誘電率を変化させることで屈折率を制御する液晶式可変焦点眼鏡(あるいは液晶式電子眼鏡)と比較しても、一般的には、レンズにおける光の透過率が低くならない。したがって、明度が下がり、使用者の瞳孔径が大きくなって、焦点深度が浅くなり、焦点を合わせ難いということ、使用者に負担をかけてしまうということがない。また、口径を大きく構成できるので、視野が限定されるということもない。
(第1の実施形態における制御部25の詳細な説明)
第1の実施形態における制御部25について、図6を用いて、より詳細に説明する。図6に示すように、制御部25は、CPU61、記憶部63、所定のインターフェース65を備えている。CPU61は、記憶部63に記憶された制御プログラムを読み込んで、各種の処理を行う機能を有する。
記憶部63は、RAM67、ROM69を備えている。RAM67は、制御プログラム、実行プログラムの一時記憶領域として、種々のフラグ、変数の値などを記憶する機能を有する。また、ROM69には、ステッピングモータ35を制御する制御プログラム、後述するスイッチの操作により入力される信号を判定して各種制御を実行する実行プログラム、初期データなどが記憶されている。
上述した記憶部63は、視認対象物を使用者が個別に視認し、視認した視認対象物を、明瞭に視認できる際の、駆動部23の駆動量(ステッピングモータ35のパルス数など)を、記憶する機能を有している。上述した駆動量は、使用者が、上述した教示手段によって、教示する。使用者が教示を行うことによって、駆動量が記憶部63(制御部25、広くは、可変焦点眼鏡11)に記憶される。
なお、上述した記憶部63とは別に、駆動部23の駆動量を記憶する部分(例えば、図6に示す記憶部71)を設けてもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、可変焦点眼鏡のうち、電圧印加式可変焦点眼鏡に関するものである。図7は、可変焦点眼鏡11の平面図、図8は、可変焦点眼鏡の正面図、図9は、図7のA方向から見た側面図、図10は、図7のB方向から見た側面図、図11は、可変焦点眼鏡11のブロック図である。図7に示すように、可変焦点眼鏡11は、眼鏡フレーム13の前面部分を構成し、左右一対の可変焦点レンズ15を保持するフロント17、フロント17に連なるテンプル19を備えている。第2の実施形態では、一般的な折り曲げ可能な眼鏡と同様に、テンプル19と、フロント17とを、ネジを用いて連結して、折り曲げ可能な構造としたが、テンプル19と、フロント17とを一体に形成してもよい。
なお、以下の説明では、必要に応じて、左右一対の可変焦点レンズ15、テンプル19を、次のように使い分けて説明する。すなわち、左右一対の可変焦点レンズ15のうち、使用者が可変焦点眼鏡11をかけた状態で、右側の可変焦点レンズを可変焦点レンズ15Rと称し、左側の可変焦点レンズを可変焦点レンズ15Lと称するものとする。また、使用者が可変焦点眼鏡11をかけた状態で、右側のテンプルをテンプル19Rと称し、左側のテンプルをテンプル19Lと称するものとする。また、右側のテンプル19Rに設けられた駆動部23を、駆動部23Rと称し、左側のテンプル19Lに設けられた駆動部23を、駆動部23Lと称するものとする。
上述した可変焦点レンズ15は、例えば、再公表特許WO2009/081542のような構成であり、可変焦点レンズ15に設けられた液晶素子に電圧が印加されると、その電圧に応じて液晶分子の方向が変化することを利用して屈折率を変化させ、焦点距離を変更する、周知の可変焦点レンズである。
右側のテンプル19Rには、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に所定の印加電圧を印加する駆動部23Rと、制御部25に電力を供給する電源供給部27とが設けられている。また、左側のテンプル19Lには、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に所定の印加電圧を印加する駆動部23Lと、駆動部23R、23Lを制御する制御部25とが設けられている。電源供給部27から供給される電力は、配線29を経由して、制御部25、駆動部23に送電される。上述した配線29は、エッチング、銅箔の貼り付け等により、フィルム上に形成された配線パターンであってもよい。配線パターンをフィルム上に形成することで、眼鏡フレーム13を小型化することができる。
次に、駆動部23について説明する。駆動部23は、図11に示すように、駆動制御回路73、ドライバ75、77、可変抵抗回路79を備えており、可変焦点レンズ15の液晶素子に所定の印加電圧を印加する電圧印加手段、可変焦点レンズ15の液晶素子を駆動する駆動手段として機能する。駆動制御回路73は、可変焦点レンズ15の液晶素子を駆動するための駆動信号を生成する。ドライバ75、77は、駆動制御回路73で生成された駆動信号を制御して、可変焦点レンズ15の液晶素子に所定の印加電圧を印加する。可変焦点レンズ15の液晶素子に印加される印加電圧(印加電圧量)は、本願発明の駆動量の一例を構成する。
ドライバ75、77の下流側には、印加電圧を可変する可変抵抗回路79が設けられており、可変焦点レンズ15の液晶素子に印加する印加電圧を段階的あるいは連続的に変化させることができる。可変抵抗回路79を制御して、液晶素子に印加する印加電圧を徐々に高くすると、液晶分子の楕円長軸が徐々に可変焦点レンズの光軸と平行になるように配向して、焦点距離が段階的あるいは連続的に長くなる(屈折率が低くなる)。また、可変抵抗回路79を制御し、液晶素子に印加する印加電圧を徐々に低くすると、液晶分子の楕円長軸が徐々に元の状態に戻り、焦点距離が段階的あるいは連続的に短くなる(屈折率が高くなる)。
次に、制御部25について、説明する。制御部25は、図11に示すように、CPU61、記憶部63、所定のインターフェース65を備えている。CPU61は、記憶部63に記憶された制御プログラムを読み込んで、各種の処理を行う機能を有する。
記憶部63は、RAM67、ROM69を備えている。RAM67は、制御プログラム、実行プログラムの一時記憶領域として、種々のフラグ、変数の値などを記憶する機能を有する。また、ROM69には、可変焦点レンズ15の液晶素子に印加する印加電圧を算出し、駆動部23を制御する制御プログラム、後述するスイッチの操作により入力される信号を判定して各種制御を実行する実行プログラム、初期データなどが記憶されている。
また、上述した記憶部63は、視認対象物を使用者が個別に視認し、視認した視認対象物を、明瞭に視認できる際の、駆動部23の印加電圧を記憶する機能を有している。上述した印加電圧は、使用者が、後述する教示手段によって、教示する。使用者が教示を行うことによって、印加電圧が記憶部63(制御部25、広くは、可変焦点眼鏡11)に記憶される。
なお、上述した記憶部63とは別に、駆動部23の印加電圧を記憶する部分(例えば、図6の記憶部71)を設けてもよい。
次に、操作部47について説明する。右側のテンプル19、左側のテンプル19Lには、操作部47が設けられている。操作部47のうち、右側のテンプル19には、図11に示すように、電源をオン、オフする電源スイッチ49、タッチセンサ51、教示ボタン53が設けられている。また、操作部47のうち、左側のテンプル19Lには、図11に示すように、モード切換ボタン55、タッチセンサ57、登録ボタン59が設けられている。
タッチセンサ51、タッチセンサ57に触れると、制御部25に所定の検出信号が入力される。タッチセンサ51、タッチセンサ57は、本願発明のスイッチの一例を構成する。スイッチは、上述したタッチセンサの他に、押ボタンスイッチ、近接スイッチなど、他のスイッチであってもよい。
モード切換ボタン55は、モードの切り替えを行う。上述したモード切換ボタン55を押すと、視点切り替えモード、一定モード、任意モード、教示モードを切り換えることができる。
視点切り替えモードとは、異なる距離にある複数の視認対象物に対し、個別に焦点距離を切り替えるモードであり、使用者が一定の明瞭さをもって視認対象物を視認できるように、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に印加する印加電圧を制御して、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を変化させるモードである。一定モードとは、自動車を運転するときのように、焦点距離が変化しては不都合を生じる場合に、焦点距離を一定にするモードである。任意モードとは、任意の位置にある視認対象物に対して、都度、使用者が一定の明瞭さをもって視認対象物を視認できるように、手動制御によって、焦点距離を変化させるモードである。
ところで、使用者の視力は、個々に異なるため、使用者に応じて、所定の距離にある視認対象物が明瞭に見えるように(一定の明瞭さを持って視認できるように)しなければならない。視認対象物が明瞭に見えるように焦点距離を合わせるために、使用者が事前に教示を行う。教示を行うには、モード切換ボタン55を押して、教示モードにする。
教示モード時に、使用者が指でタッチセンサ51に触れると、制御部25に所定の検出信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ51から指を離すと、上述した検出信号の入力が停止される。制御部25は、検出信号が入力されるごとに、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に印加する印加電圧について、増加、減少を交互に繰り返すように、右側の駆動部23Rを制御する。タッチセンサ51を触れている間は、印加電圧の増加、減少が維持され、指を離すと、停止する。
同様に、教示モード時に、使用者が指でタッチセンサ57に触れると、制御部25に所定の検出信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ57から指を離すと、上述した検出信号の入力が停止される。制御部25は、検出信号が入力されるごとに、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に印加する印加電圧について、を増加、減少を交互に繰り返すように、左側の駆動部23Lを制御する。タッチセンサ57を触れている間は、印加電圧の増加、減少が維持され、指を離すと、停止する。
教示には、遠近2点を教示する2点教示、3点を教示する3点教示、多点を教示する多点教示などがある。
2点教示について、説明する。最初に、右側の可変焦点レンズ15Rにおける教示の手順を説明する。図7において、使用者が、左側の可変焦点レンズ15Lを手で覆い、第1の距離(例えば、眼鏡フレーム13から視認対象物OB1までの距離L1=30cm)にある視認対象物OB1を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ51に指で触れて、あるいは指を離して、右側の駆動部23Rを駆動させ、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できるように、右側の可変焦点レンズ15Rの焦点距離を変化させる。そして、教示ボタン53を押す。この際、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に印加した印加電圧V1が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
次に、使用者が、左側の可変焦点レンズ15Lを手で覆い、第2の距離(例えば、眼鏡フレーム13から視認対象物OB2までの距離L2=100cm)にある視認対象物OB2を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ51に指で触れて、あるいは指を離して、右側の駆動部23Rを駆動させ、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できるように、右側の可変焦点レンズ15Rの焦点距離を変化させる。そして、教示ボタン53を押す。この際、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に印加した印加電圧V2が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
左側の可変焦点レンズ15Lにおける教示の手順を説明する。図7において、使用者が、右側の可変焦点レンズ15Rを手で覆い、上述した視認対象物OB1を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ57に指で触れて、あるいは指を離して、左側の駆動部23Lを駆動させ、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できるように、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を変化させる。そして、教示ボタン53を押す。この際、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に印加した印加電圧V3が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
次に、使用者が、右側の可変焦点レンズ15Rを手で覆い、上述した視認対象物OB2を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ57に指で触れて、あるいは指を離して、左側の駆動部23Lを駆動させ、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できるように、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を変化させる。そして、教示ボタン53を押す。この際、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に印加した印加電圧V4が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
上述したタッチセンサ51、タッチセンサ57、教示ボタン53、記憶部63(制御部25)は、教示手段の一例を構成する。
教示を終えると、制御部25に記憶されたプログラムにより、タッチセンサの操作とパルス数とが関連づけられる。例えば、タッチセンサに対し、操作Aを行った場合には、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧をV1、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧をV3にし、タッチセンサに対し、操作Bを行った場合には、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧をV2、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧をV4にするというように、所定の操作に対し、各液晶素子に対する印加電圧が関連付けられる。つまり、タッチセンサ51、タッチセンサ57の操作によって、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧V1、印加電圧V2、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧V3、印加電圧V4を指定することができる。タッチセンサ51、タッチセンサ57は、印加電圧を指定する機能を有している。
2点教示を行った後、この可変焦点眼鏡11を、視点切り替えモードで使用する場合には、モード切換ボタン55を押して、視点切り替えモードにする。モード切換ボタン55を押して、視点切り替えモードにすると、タッチセンサ51またはタッチセンサ57に触るごとに、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧が、交互に、後述する(1)項、(2)項の印加電圧となるように、制御部25が、右側の駆動部23R、左側の駆動部23Lを制御する。つまり、第2の実施形態の可変焦点眼鏡11は、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L毎に、事前に教示された印加電圧を再現することにより、遠近2点の視認対象物OB1、OB2に対し、交互に焦点を合わせることができる。その結果、使用者は、タッチセンサ51またはタッチセンサ57に触るごとに、遠近2点の視認対象物OB1、OB2を、交互に、一定の明瞭さをもって視認することができる。
(1)右側:印加電圧V1、左側:印加電圧V3
(2)右側:印加電圧V2、左側:印加電圧V4
なお、タッチセンサと印加電圧との関連付けには、種々の方法がある。例えば、タッチセンサ51、タッチセンサ57のうち、どちらか1つのタッチセンサを触るごとに、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧が、交互に、上述した(1)項、(2)項の印加電圧となるように、制御部25が、駆動部23R、23Lを制御してもよい。
また、タッチセンサ51を押すと、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧を印加電圧V1、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧を印加電圧V3にし、タッチセンサ57を押すと、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧を印加電圧V2、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧を印加電圧V4にするようにしてもよい。
次に、3点教示について、図7を用いて説明する。教示対象となる視認対象物OB1、視認対象物OB2、視認対象物OB3が、それぞれ、距離L1、距離L2、距離L3にあるものとする。
3点教示は、上述した2点教示と同様の手順に準じて、使用者が教示を行う。右側の可変焦点レンズ15Rでは、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できる際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧V1、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できる際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧V2、視認対象物OB3が最も明瞭に視認できる際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧V3を、使用者が教示する。これにより、印加電圧V1、印加電圧V2、印加電圧V3が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
また、左側の可変焦点レンズ15Lでは、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できる際の、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧V4、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できる際の、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧V5、視認対象物OB3が最も明瞭に視認できる際の、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧V6を、使用者が教示すると、印加電圧V4、印加電圧V5、印加電圧V6が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
3点教示を行った後、この可変焦点眼鏡11を、視点切り替えモードで使用する場合には、モード切換ボタン55を押して、視点切り替えモードにする。モード切換ボタン55を押して、視点切り替えモードにすると、タッチセンサ51またはタッチセンサ57に触るごとに、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧が、順次、(1)、(2)、(3)を繰り返すように、制御部25が、駆動部23を制御する。これにより、タッチセンサ51またはタッチセンサ57に触れるだけで、3点の視認対象物OB1、OB2、OB3を、順次、一定の明瞭さをもって視認することができる。
(1)右側:印加電圧V1、左側:印加電圧V4
(2)右側:印加電圧V2、左側:印加電圧V5
(3)右側:印加電圧V3、左側:印加電圧V6
つまり、教示を行うことにより、タッチセンサの操作と印加電圧とが関連づけられ、タッチセンサ51、タッチセンサ57の操作によって、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧V1、印加電圧V2、印加電圧V3、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧V4、印加電圧V5、印加電圧V6を指定することができる。
なお、タッチセンサと印加電圧との関連付けには、種々の方法がある。例えば、タッチセンサ51に触るごとに、順次、上述した(1)、(2)、(3)を繰り返すように、制御部25が、駆動部23を制御するようにしてもよい。また、タッチセンサ57に触るごとに、順次、上述した(1)、(2)、(3)を繰り返すように、制御部25が、駆動部23を制御するようにしてもよい。また、タッチセンサ51に触るごとに、事前に教示した印加電圧のうち、より大きい印加電圧となるようにし、タッチセンサ57に触るごとに、事前に教示した印加電圧のうち、より小さい印加電圧となるようにしてもよい。
上述した例では、視認対象物が2点、3点である場合について説明したが、4点以上であってもよい。
上記構成によれば、タッチセンサ51、タッチセンサ57に対して所定の操作をすると、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧が、タッチセンサ51、タッチセンサ57の操作によって指定される、可変焦点レンズ15毎(右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L)に事前に記憶された、所定の距離にある視認対象物を可変焦点眼鏡の使用者が明瞭に視認できる際の印加電圧(駆動量)となるように、制御部25が、駆動部23R、23Lを個別に制御することができる。この駆動量は、使用者が個別に、視認対象物を明瞭に視認できる際の印加電圧(駆動量)であるために、簡単な操作によって、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、視認対象物を明瞭に視認することができる。したがって、従来例のように、いちいちダイアルを手動で回転させずとも、あるいは片側ずつ、左右の可変焦点レンズの焦点距離を合わせることをせずとも、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者自身が、簡単な操作によって、視認対象物を明瞭に視認することができる。その結果、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、簡単な操作により、異なる距離にある視認対象物を、個別に、一定の明瞭さをもって視認することができる汎用性のある可変焦点眼鏡を提供することができる。
また、タッチセンサ51またはタッチセンサ57を触らなければ、(スイッチ操作をしなければ、)印加電圧(駆動量)も変わらないので、使用者が一定の明瞭さをもって、特定の視認対象物を視認している際に、他の外乱要素(例えば他の視認対象物が横切る)があっても、印加電圧(駆動量)が切り替わることがない。このため、視認対象物を安定的に視認することができ、しかも異なった距離にある複数の視認対象物を個別に視認することができる。
また、この可変焦点眼鏡11は、スイッチとして、タッチセンサを用いている。このため、指で触れるだけで、視認対象物を視認できることができ、操作性のよい可変焦点眼鏡を提供することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第1の実施形態で説明した液体式可変焦点眼鏡において、任意の距離にある視認対象物に、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L毎に、片側ずつ、焦点距離を合わせる実施例である。以下、焦点距離を合わせる手順について、説明する。任意の距離にある視認対象物に焦点距離を合わせるには、モード切換ボタン55を押して、任意モードにする。
任意モード時に、使用者が指でタッチセンサ51に触れると、制御部25に、所定の検出信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ51から指を離すと、検出信号の入力が停止される。その際、制御部25に検出信号が入力される毎に、右側のステッピングモータ35Rの軸35aが正転、逆転を交互に繰り返すように、制御部25が、右側のステッピングモータ35Rを制御する。タッチセンサ51に触れている間は、軸35aの正転または逆転が維持され、指を離すと、停止する。
同様に、任意モード時に、使用者が指でタッチセンサ57に触れると、制御部25に、所定の検出信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ57から指を離すと、検出信号の入力が停止される。その際、検出信号が入力される毎に、左側のステッピングモータ35Lの軸35aが正転、逆転を交互に繰り返すように、制御部25が、左側のステッピングモータ35Lを制御する。タッチセンサ57に触れている間は、軸35aの正転または逆転が維持され、指を離すと、停止する。
上述した操作により、使用者が、上述したタッチセンサ51、57に指で触れて、あるいは指を離して、右側の駆動部23R、左側の駆動部23Lを駆動させて、任意の距離にある視認対象物が最も明瞭に視認できるようにすることができる。
これによれば、使用者が一定の明瞭さを持って、任意の視認対象物を視認できるように、可変焦点レンズ15の焦点距離を変えることができる。この可変焦点眼鏡11は、タッチセンサにより、焦点距離を変えることができるために、従来例のように、いちいちダイアルを手動で回転させずともよい。その結果、焦点調整の煩わしさを解消することができる可変焦点眼鏡を提供することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第2の実施形態で説明した電圧印加式可変焦点眼鏡において、任意の距離にある視認対象物に、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L毎に、片側ずつ、焦点距離を合わせる実施例である。以下、焦点距離を合わせる手順について、説明する。任意の距離にある視認対象物に焦点距離を合わせるには、モード切換ボタン55を押して、任意モードにする。
任意モード時に、使用者が指でタッチセンサ51に触れると、制御部25に、所定の検出信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ51から指を離すと、検出信号の入力が停止される。その際、検出信号が入力される毎に、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に印加する印加電圧が、交互に、増加、減少を繰り返すように、制御部25が、右側の駆動部23Rを制御する。タッチセンサ51に触れている間は、印加電圧の増加、減少が維持され、指を離すと、停止する。
同様に、任意モード時に、使用者が指でタッチセンサ57に触れると、制御部25に、所定の検出信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ57から指を離すと、検出信号の入力が停止される。その際、検出信号が入力される毎に、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に印加する印加電圧が、交互に、増加、減少を繰り返すように、制御部25が、左側の駆動部23Lを制御する。タッチセンサ57に触れている間は、印加電圧の増加、減少が維持され、指を離すと、停止する。
上述した操作により、使用者が、上述したタッチセンサ51、57に指で触れて、あるいは指を離して、右側の駆動部23R、左側の駆動部23Lを駆動させて、任意の距離にある視認対象物が最も明瞭に視認できるようにすることができる。
これによれば、任意モードで使用する場合、使用者が一定の明瞭さを持って、任意の視認対象物を視認できるように、可変焦点レンズ15の焦点距離を変えることができる。この可変焦点眼鏡11は、タッチセンサにより、焦点距離を変えることができるために、従来例のように、いちいちダイアルを手動で回転させずともよい。その結果、焦点調整の煩わしさを解消することができる可変焦点眼鏡を提供することができる。
(第5の実施形態)
第3の実施形態では、任意の距離にある視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L毎に、片側ずつ、焦点距離を合わせたが、第5の実施形態では、任意の距離にある視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を、同時に合わせるようにした。焦点距離を同時に合わせるには、事前に、教示を行う。教示は、2点教示、3点教示、多点教示のいずれであってもよいが、ここでは、第1の実施形態で説明した2点教示を行うものとする。教示する2点として、第1の距離(眼鏡フレーム13から視認対象物OB1までの距離L1=30cm)にある視認対象物OB1、第2の距離(可変焦点眼鏡11から視認対象物OB2までの距離L2=100cm)にある視認対象物OB2を想定する。また、任意の視認対象物OB3は、一例として、上述した視認対象物OB1と、視認対象物OB2の中間点(眼鏡フレーム13から任意の視認対象物までの距離L3=65cm)にあるものと仮定して説明する。(図1参照)
教示を行うと、第1の距離にある視認対象物OB1が明確に見える際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数N1、左側のステッピングモータ35Lのパルス数N3と、第2の距離にある視認対象物OB2が明確に見える際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数N2、左側のステッピングモータ35Lのパルス数N4とが、記憶部63に記憶される。2点教示を行った後、モード切換ボタン55を押して、任意モードにする。
任意モードにおいて、任意の視認対象物に焦点距離を合わせるには、使用者がタッチセンサ51、タッチセンサ57を操作して、焦点距離を合わせる操作を行う。タッチセンサ51を押すと、焦点距離が次第に長くなるように、また、タッチセンサ57を押すと、焦点距離が次第に短くなるように、制御部25が右側のステッピングモータ35Rの駆動量、左側のステッピングモータ35Lの駆動量を制御する。
ところで、任意の視認対象物OB3を明確に見られる際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数NR、左側のステッピングモータ35Lのパルス数NLを得るには、一定の計算式を用いる。この計算式は、可変焦点レンズのレンズ形状、駆動部の制御方法などによって異なるので、個々の可変焦点眼鏡に最も適した計算式が用いられる。
第5の実施形態では、ステッピングモータの駆動量と、視認対象物までの距離とからなる計算式を用いるものとし、一例として、(式1)、(式2)を適用する。(式1)は、(x1,y1)=(距離L1,パルス数N1)、(x2,y2)=(距離L2,パルス数N2)を通過する計算式である。(式2)は、(x1,y1)=(距離L1,パルス数N3)、(x2,y2)=(距離L2,パルス数N4)を通過する計算式である。(式1)、(式2)の計算式を、図12に示す。
(式1) NR=a1×(Ln−L1)+N1
(式2) NL=a2×(Ln−L1)+N3
(式1)におけるa1は、右側のステッピングモータ35Rに対する単位距離当たりのパルス数増分である。(式2)におけるa2は、左側のステッピングモータ35Lに対する単位距離当たりのパルス数増分である。(式1)におけるa1、(式2)におけるa2は、(式3)、(式4)により算出される。
(式3) a1=(N2−N1)/(L2−L1)
(式4) a2=(N4−N3)/(L2−L1)
上述した(式1)、(式2)に、(式3)、(式4)を、それぞれ、代入すると、(式5)、(式6)を得ることができる。
(式5) NR=(N2−N1)×(Ln−L1)/(L2−L1)+N1
(式6) NL=(N4−N3)×(Ln−L1)/(L2−L1)+N3
ただし、
NR:任意の視認対象物OB3を、一定の明瞭さをもって視認できる際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数(パルス)
NL:任意の視認対象物OB3を、一定の明瞭さをもって視認できる際の、左側のステッピングモータ35Lのパルス数(パルス)
N1:第1の距離にある視認対象物OB1を、一定の明瞭さをもって視認できる際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数(パルス)
N2:第2の距離にある視認対象物OB2を、一定の明瞭さをもって視認できる際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数(パルス)
N3:第1の距離にある視認対象物OB1を、一定の明瞭さをもって視認できる際の、左側のステッピングモータ35Lのパルス数(パルス)
N4:第2の距離にある視認対象物OB2を、一定の明瞭さをもって視認できる際の、左側のステッピングモータ35Lのパルス数(パルス)
Ln:任意の視認対象物OB3までの距離(cm)
L1:第1の距離にある視認対象物OB1までの距離(cm)
L2:第2の距離にある視認対象物OB2までの距離(cm)
作動について、説明する。任意の視認対象物OB3よりも、手前側(視認対象物OB1側)に焦点距離が合っている状態で、使用者がタッチセンサ51を操作すると、焦点距離が次第に長くなる。この際、制御部25が、上記計算式に基づき、焦点距離に応じたパルス数NR、NLとなるように、右側のステッピングモータ35R、左側のステッピングモータ35Lを、同時に制御する。そして、任意の距離にある視認対象物OB3に、焦点距離が合うと、使用者は、任意の視認対象物OB3を、一定の明瞭さをもって、視認することができる。
因みに、距離L1=30cm、L2=100cm、Ln=65cm、N1=600パルス、N2=2000パルスとすると、右側のステッピングモータ35Rのパルス数NRは、1300パルスとなる。
また、距離L1=30cm、L2=100cm、Ln=65cm、N3=700パルス、N4=2400パルスとすると、左側のステッピングモータ35Lのパルス数NLは、1550パルスとなる。
なお、任意の視認対象物OB3よりも、奥側(視認対象物OB2側)に焦点距離が合っている状態で、タッチセンサ57を押して、焦点距離が、次第に短くなるようにしても、任意の視認対象物OB3に焦点距離が合うようにできる。詳細な説明は、省略する。
上述した例では、計算式において、パルス数N1、パルス数N2、パルス数N3、パルス数N4を用いたが、これに代えて、パルス数N1から換算される回転量Rev1、パルス数N2から換算される回転量Rev2、パルス数N3から換算される回転量Rev3、パルス数N4から換算される回転量Rev4の各回転量を用いてもよい。
これによれば、使用者が、任意の視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15Rの焦点距離、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を、同時に合わせることができるため、任意の視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を、片側ずつ合わせる必要がない。その結果、焦点調整の煩わしさを解消することができる可変焦点眼鏡を提供することができる。
(第6の実施形態)
第4の実施形態では、任意の距離にある視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L毎に、片側ずつ、焦点距離を合わせたが、第6の実施形態では、任意の距離にある視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を、同時に合わせるようにした。焦点距離を同時に合わせるには、事前に、教示を行う。教示は、2点教示、3点教示、多点教示のいずれであってもよいが、ここでは、第2の実施形態で説明した2点教示を行うものとする。教示する2点として、第1の距離(眼鏡フレーム13から視認対象物OB1までの距離L1=30cm)にある視認対象物OB1、第2の距離(可変焦点眼鏡11から視認対象物OB2までの距離L2=100cm)にある視認対象物OB2を想定する。また、任意の視認対象物OB3は、一例として、上述した視認対象物OB1と、視認対象物OB2の中間点(眼鏡フレーム13から任意の視認対象物までの距離L3=65cm)にあるものと仮定して説明する。(図8参照)
教示を行うと、第1の距離にある視認対象物OB1が明確に見える際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧V1、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧V3と、第2の距離にある視認対象物OB2が明確に見える際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧V2、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧V4とが、記憶部63に記憶される。2点教示を行った後、モード切換ボタン55を押して、任意モードにする。
任意モードにおいて、任意の視認対象物に焦点距離を合わせるには、使用者がタッチセンサ51、タッチセンサ57を操作して、焦点距離を合わせる操作を行う。タッチセンサ51を押すと、焦点距離が次第に長くなるように、また、タッチセンサ57を押すと、焦点距離が次第に短くなるように、制御部25が、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧を制御する。
ところで、任意の視認対象物OB3を明確に見られる際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧VR、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧VLを得るには、一定の計算式を用いる。この計算式は、可変焦点レンズのレンズ形状、駆動部の制御方法などによって異なるので、個々の可変焦点眼鏡に最も適した計算式が用いられる。
第6の実施形態では、可変焦点レンズの液晶素子に対する印加電圧と、視認対象物までの距離とからなる計算式を用いるものとし、一例として、(式1)、(式2)を適用する。(式1)は、(x1,y1)=(距離L1,印加電圧V1)、(x2,y2)=(距離L2,印加電圧V2)を通過する計算式である。(式2)は、(x1,y1)=(距離L1,印加電圧V3)、(x2,y2)=(距離L2,印加電圧V4)を通過する計算式である。(式1)、(式2)の計算式を、図13に示す。
(式1) VR=a1×(Ln−L1)+V1
(式2) VL=a2×(Ln−L1)+V3
(式1)におけるa1は、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する単位距離当たりの印加電圧増分である。(式2)におけるa2は、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する単位距離当たりの印加電圧増分である。(式1)におけるa1、(式2)におけるa2は、(式3)、(式4)により算出される。
(式3) a1=(V2−V1)/(L2−L1)
(式4) a2=(V4−V3)/(L2−L1)
上述した(式1)、(式2)に、(式3)、(式4)を、それぞれ、代入すると、(式5)、(式6)を得ることができる。
(式5) VR=(V2−V1)×(Ln−L1)/(L2−L1)+V1
(式6) VL=(V4−V3)×(Ln−L1)/(L2−L1)+V3
ただし、
VR:任意の視認対象物OB3を、一定の明瞭さをもって視認できる際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧(ボルト)
VL:任意の視認対象物OB3を、一定の明瞭さをもって視認できる際の、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧(ボルト)
V1:第1の距離にある視認対象物OB1を、一定の明瞭さをもって視認できる際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧(ボルト)
V2:第2の距離にある視認対象物OB2を、一定の明瞭さをもって視認できる際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧(ボルト)
V3:第1の距離にある視認対象物OB1を、一定の明瞭さをもって視認できる際の、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧(ボルト)
V4:第2の距離にある視認対象物OB2を、一定の明瞭さをもって視認できる際の、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧(ボルト)
Ln:任意の視認対象物OB3までの距離(cm)
L1:第1の距離にある視認対象物OB1までの距離(cm)
L2:第2の距離にある視認対象物OB2までの距離(cm)
作動について、説明する。任意の視認対象物OB3よりも、手前側(視認対象物OB1側)に焦点距離が合っている状態で、使用者がタッチセンサ51を操作すると、焦点距離が次第に長くなる。この際、制御部25が、上記計算式に基づき、焦点距離に応じた印加電圧VR、VLとなるように、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧を、同時に制御する。そして、任意の距離にある視認対象物OB3に、焦点距離が合うと、使用者は、任意の視認対象物OB3を、一定の明瞭さをもって、視認することができる。
なお、任意の視認対象物OB3よりも、奥側(視認対象物OB2側)に焦点距離が合っている状態で、タッチセンサ57を押して、焦点距離が、次第に短くなるようにしても、任意の視認対象物OB3に焦点距離が合うようにできる。詳細な説明は、省略する。
これによれば、使用者が、任意の視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15Rの焦点距離、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を、同時に合わせることができるため、任意の視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を、片側ずつ合わせる必要がない。その結果、焦点調整の煩わしさを解消することができる可変焦点眼鏡を提供することができる。
(第7の実施形態)
第1実施形態では、ピストン、送りねじ軸、ステッピングモータを用いた回転−直線運動変換機構としたが、ラック・アンド・ピニオン機構としてもよい。なお、図1と同様の部分については、同じ番号を付し、詳細な説明は省略する。
以下、左側のテンプル19Lに設けられる駆動部23Lについて説明する。右側のテンプル19に設けられる駆動部23Rについては、左側のテンプル19Lに設けられる駆動部23Lと同様であるために、詳細な説明を省略する。図14は、左側のフロントおよびテンプル19の拡大図である。図15は、図14のF−F断面図である。図16は、図14のG−G断面図である。図14に示すように、駆動部81は、ピストン83、歯車85、ステッピングモータ35を備えている。
テンプル19には、内径部19aが形成されており、この内径部19aに、ピストン83が内蔵されている。内径部19aのうち、少なくとも、ピストン83が摺動する部分は、円筒状に形成されており、ピストン83と内径部19aとで、透明液体21を貯留する貯留室37が形成される。ピストン83には、歯切り部83aが形成されており、歯車85が噛み合っている。つまり、ピストン83と、歯車85とで、ラック・アンド・ピニオン機構が構成され、ラックに相当する部分がピストン83であるために、駆動部を小型化することができる。
歯車85の内径部85aには、ステッピングモータ35の軸35aが圧入されており、軸35aが回転すると、ピストン31が軸方向に移動する。ステッピングモータ35の軸35aが軸35a側の反対側から軸35aの方向に見て時計方向に回転すると、ピストン31が、図14に示すD方向に移動する。この際、貯留室37に貯留された透明液体21が、連通路13a、孔部15fを経由して、空間15e側に移動する。空間15e側に透明液体21が流入すると、可変焦点レンズ15が厚さ方向に膨らんで、屈折率を高くすることができる(焦点距離を短くすることができる)。
また、ステッピングモータ35の軸35aが、軸35a側の反対側から軸35aの方向に見て反時計方向に回転すると、ピストン31が、図14に示すE方向に移動する。この際、空間15eに貯留された透明液体21が、孔部15f、連通路13aを経由して、貯留室37側に移動する。貯留室37側に透明液体21が移動すると、可変焦点レンズ15が厚さ方向に縮んで、屈折率を低くすることができる(焦点距離を長くすることができる)。
上記構成によれば、焦点調整の煩わしさを解消することができる可変焦点眼鏡を提供することができる。また、駆動部を小型化することができるので、可変焦点眼鏡11をコンパクトに構成できる。
(第8の実施形態)
上述した各実施形態では、制御部、電源供給部、操作部を、眼鏡フレームに内蔵したが、制御部、電源供給部、操作部を眼鏡フレームと別体に設けてもよい。図17に示すように、リモートコントローラ87を設け、眼鏡フレーム13とリモートコントローラ87とを、信号線を含む電源ケーブル89で接続する構成とした。リモートコントローラ87には、制御部25、電源供給部27、操作部91が設けられる。なお、駆動部、制御部(図9の番号25)は、第1の実施形態と同様の構成であるものとして、説明する。
電源供給部27は、制御部25に電力を供給し、かつ駆動部23を駆動する。電源ケーブル89は、上述したように、信号先を含む電源ケーブルであり、伸び縮みできるように、らせん状に形成されている。また、操作部91は、液晶画面を用いたタッチパネルとした。操作部91は、第1の実施形態で説明した操作部47に相当し、第1の実施形態で説明した各種事前設定、モード切換等を行うことができる。
上記構成によれば、制御部25、電源供給部27、操作部91を眼鏡フレームと別体に設けたので、制御部、電源供給部、操作部の全てを眼鏡フレームに搭載する場合に比べて、眼鏡フレームの重量を軽くすることができ、掛け心地のよい可変焦点眼鏡を提供することができる。
(第9の実施形態)
第2の実施形態では、眼鏡フレームと操作ユニットとを、信号線を含む電源ケーブルで接続する構成としたが、眼鏡フレームと操作ユニットとの間で発生する制御を無線通信するようにしてもよい。図18に示すように、眼鏡フレーム13には、制御部25、電源供給部27、無線通信部93が設けられている。また、リモートコントローラ87には、操作部91、無線通信部95、電源供給部103が設けられている。無線通信部93、無線通信部95を介して、双方向に通信することができる。
リモートコントローラ87に設けられた操作部91を操作すると、所定の無線信号が、無線通信部93から無線通信部95を経由して、制御部25に送信される。また、制御部25から出力される信号が、無線通信部95から無線通信部93を経由して、リモートコントローラ87に無線送信される。
これによれば、操作部91がリモートコントローラ87に設けられており、しかも眼鏡フレーム13と、リモートコントローラ87との間で行われる通信が、無線通信であるために、リモートコントローラ87を自由に配置して使用することができる。その結果、操作性のよい可変焦点眼鏡、利便性の高い可変焦点眼鏡を提供することができる。なお、リモートコントローラ87を腕、手首に装着できる腕輪型のコントローラにすると、さらに操作性、利便性が向上する。
(第10の実施形態)
第1の実施形態では、ステッピングモータを用いたが、DCモータを用いてもよい。図19に示すように、DCモータ97の回転軸97aには、外周の一部に切り欠き部99aが形成された円板99が固定されており、回転軸97aが回転すると、円板99が一体となって回転する。センサ101は、円板99の切り欠き部99aを検出することができるので、制御部は、所定の距離にある視認対象物が明瞭に視認できる場合の、回転量(駆動量)を得ることができる。そして、DCモータ97を、この回転量(駆動量)分だけ作動させれば、所定の距離にある視認対象物が明瞭に視認できる。センサ101の替わりに、エンコーダを用いてもよい。この他、駆動部の駆動体として、サーボモータ、リニアモータなどであってもよい。
(第11の実施形態)
上述した液体式可変焦点眼鏡が、視認対象物までの距離を測定する距離測定手段(例えば、測距センサ、光電センサなど)を備え、この距離測定手段により測定された距離に応じて、焦点距離を変更する液体式可変焦点眼鏡であってもよい。図20に、距離測定手段45を備えた可変焦点眼鏡11の平面断面図を示す。なお、上述した距離測定手段に代え、所定の視認対象物の有無を検出する視認対象物検出手段(例えば、光電センサなど)が設けられていてもよい。
(第12の実施形態)
上述した電圧印加式可変焦点眼鏡が、第11の実施形態と同様に、視認対象物までの距離を測定する距離測定手段(例えば、測距センサ、光電センサなど)を備え、この距離測定手段により測定された距離に応じて、焦点距離を変更する電圧印加式可変焦点眼鏡であってもよい。なお、上述した距離測定手段に代え、所定の視認対象物の有無を検出する視認対象物検出手段(例えば、光電センサなど)が設けられていてもよい。
(その他の実施形態)
第1の実施形態では、駆動量検出手段として、ロータリエンコーダを用いたが、これに限定されるものではない。例えば、アナログ出力を行うポテンショメータ、レゾルバを用いてもよい。また、駆動部の特定の位置、例えば第1の実施形態で説明したピストンの移動量をセンサ、リニアエンコーダ等で検出するようにしてもよい。この場合、ピストンの移動量が駆動量であり、センサ、リニアエンコーダ等が、駆動量検出手段となる。
第1の実施形態では、ステッピングモータを用いてピストンを制御したが、ポンプを用いて、ピストンを制御してもよい。この場合、ピストンの可動量(駆動量)を検出する可動量検出手段(例えば、リニアセンサ)を設けると、バルブで制御する方式と比較して、透明液体を精密に制御することができる。また、特許文献1の可変焦点眼鏡に記載されているリザーバに設けられたダイアルを駆動する駆動部を設け、この駆動部を自動制御するようにしてもよい。
また、第5の実施形態で説明したパルス数NR、NLを求めるための計算式は、種々あり、これに限定されるものではない。
また、第6の実施形態で説明した印加電圧VR、VLを求めるための計算式は、種々あり、これに限定されるものではない。
また、第8の実施形態では、制御部、電源供給部、操作部を眼鏡フレームと別体に設けたが、制御部、電源供給部、操作部の少なくとも1つを、眼鏡フレームと別体に設けてもよい。
また、第8の形態では、制御部25、電源供給部27、操作部91を眼鏡フレーム13と別体にしたが、さらに駆動部23を、眼鏡フレーム13と別体に設けてもよい。また、別体にした制御部25、電源供給部27、操作部91、駆動部23をリモートコントローラ87に設けてもよい。この場合、例えば、図17に示すリモートコントローラ87に駆動部23を内蔵させ、眼鏡フレーム13側へと接続される配管を、電源ケーブル89と、一体に設けるとよい。眼鏡フレーム13の内部には、可変焦点レンズ15に繋がる配管路が形成される。
また、第8の実施形態は、液体式可変焦点レンズの変形例であるが、上述した電圧印加式可変焦点眼鏡に同様の構成を適用して、眼鏡フレーム13とリモートコントローラとを、信号線を含む電源ケーブルで接続する構成としてもよい。リモートコントローラには、制御部、電源供給部、操作部が設けられる。なお、制御部、電源供給部、操作部の少なくとも1つを、眼鏡フレームと別体に設けてもよい。また、上述した電圧印加式可変焦点眼鏡において、駆動部をリモートコントローラに設けてもよい。
また、第9の実施形態では、制御部25を眼鏡フレーム13に設けたが、制御部25を、リモートコントローラ87に設けてもよい。
また、第9の実施形態は、液体式可変焦点レンズの変形例であるが、上述した電圧印加式可変焦点眼鏡に同様の構成を適用して、眼鏡フレームと操作ユニットとの間で発生する制御を無線通信するようにしてもよい。なお、制御部を、リモートコントローラに設けてもよい。また、駆動部をリモートコントローラに設けてもよい。
また、上述した電圧印加式可変焦点眼鏡は、電圧を印加することにより焦点距離を可変する可変焦点眼鏡であればよく、上述した液晶式の可変焦点眼鏡に限定されない。例えば、レンズホルダー(容器)内に所定の可撓膜を隔てて、導電性液体と、絶縁性流体とを封入し、導電性液体に印加電圧を印加させて、界面を変化させ、焦点距離を変更する可変焦点眼鏡(オランダ:フィリップス エレクトロニックス社)、電子ウェッティング現象の原理を利用したレンズを用いた電子眼鏡(フランス:バリオプティック社)であってもよい。また、印加電圧をかけることで、レンズに外力を加え、レンズ厚を変化させ、焦点距離を変更する可変焦点眼鏡であってもよい。
また、第1の実施形態、第2の実施形態における3点教示後の操作手順において、タッチセンサを操作することによって、駆動量を変更する順番は、適宜変更可能である。
なお、本願発明は、上記実施例のみに限定されるものではなく、請求項の範囲に記載された技術的思想の中で、自由に変形が可能である。
11…可変焦点眼鏡
13…眼鏡フレーム
15、15R、15L…可変焦点レンズ
17…フロント
19、19R、19L…テンプル
21…透明液体
23、23R、23L…駆動部
25…制御部
27…電源供給部
31…ピストン
33…送りねじ軸
35、35R、35L…ステッピングモータ
37…貯留室
39…ロータリエンコーダ
41…(欠番)
43…(欠番)
47…操作部
49…電源スイッチ
51…タッチセンサ
53…教示ボタン
55…モード切換ボタン
57…タッチセンサ
59…登録ボタン
(第6の実施形態)
第4の実施形態では、任意の距離にある視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L毎に、片側ずつ、焦点距離を合わせたが、第6の実施形態では、任意の距離にある視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を、同時に合わせるようにした。焦点距離を同時に合わせるには、事前に、教示を行う。教示は、2点教示、3点教示、多点教示のいずれであってもよいが、ここでは、第2の実施形態で説明した2点教示を行うものとする。教示する2点として、第1の距離(眼鏡フレーム13から視認対象物OB1までの距離L1=30cm)にある視認対象物OB1、第2の距離(可変焦点眼鏡11から視認対象物OB2までの距離L2=100cm)にある視認対象物OB2を想定する。また、任意の視認対象物OB3は、一例として、上述した視認対象物OB1と、視認対象物OB2の中間点(眼鏡フレーム13から任意の視認対象物までの距離L3=65cm)にあるものと仮定して説明する。(図13参照)
本発明は、焦点距離を調整することができる可変焦点眼鏡に関し、特に、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、異なる距離にある視認対象物を、個別に、明瞭に視認することができる、汎用性のある可変焦点眼鏡に関する。
人間の目は、一般的に、加齢によって焦点調節機能が低下し、老視の症状が現れてくる。このため、従来技術では、近用眼鏡(近いものを見る眼鏡、例えば老眼鏡)を掛ける必要が生じる。また、近視である者が加齢して、老視の症状が現れた場合には、近用眼鏡(近いものを見る眼鏡、例えば老眼鏡)と遠用眼鏡(遠くのものを見る眼鏡、近視用眼鏡)を交互に掛け替えねばならなかった。そこで、これらの問題点を解決するために、可変焦点レンズを用いて遠近を見る眼鏡が公開されている。
例えば、内部に空間が形成されたレンズと、レンズの空間およびこの空間に連なるリザーバに液体を封入し、リザーバに設けられたダイアルを回転させることにより、レンズの空間に流入する液体の量を変化させて度数を調整できる可変焦点眼鏡が出願されている。(例えば、特許文献1)
しかしながら、この可変焦点眼鏡は、視認対象物までの距離に応じて、都度、手動でダイアルを手動で回転させなければならず、煩わしいという課題を有している。
また、可変焦点レンズを用いて遠近を見る眼鏡として、ポンプの作動によりレンズ体の内部の透明液体の容量を変えて、焦点を変化させようとする眼鏡が公開されている。(例えば、特許文献2)
ところで、この眼鏡は、ポンプが作動すると、透明液体が、注入口からレンズ体内に流入し、一方で、レンズ体内の透明液体が、排出口から排出される。そして、排出口から排出された透明液体は、チューブおよびポンプを介して再び注入口からレンズ体内に注入される。つまり、透明液体が循環するに過ぎず、そもそも、レンズ体の焦点距離を調整することができないという不具合を有している。
また、この眼鏡は、ポンプの吐出側に接続される1本のチューブが途中で分岐しており、透明液体が各々のレンズ体に注入されるようになっている。そして、各々のレンズ体から排出された透明液体が1本のチューブに合流し、ポンプの吸入側に接続するようになっている。つまり、この眼鏡は、左右のレンズ体毎に焦点距離を調整する仕組みを備えておらず、左右のレンズ体毎に焦点距離を調整することができない。その結果、左右で度数が異なる使用者は、視覚対象物を明確に見ることができないという課題を有している。
また、この眼鏡が、仮にレンズ体の焦点距離を調整できる眼鏡であったとしても、ポンプ、バルブ、流量計を用いた方法では、一般的には、液体の出し入れを長年繰り返すことにより、累積的な流量誤差が生じる課題、可変焦点レンズの焦点距離を、繰り返し、正確に再現することができないという課題を有している。
また、この眼鏡には、バルブが設けられている。バルブの具体的な構成は示されていないが、コントローラがバルブを駆動制御することから考慮すれば、電気を用いて弁を機械的に作動させる何らかの機械装置(例えば電磁弁)および配線が必要となる。しかも、この眼鏡は、流量計まで設けられるために、眼鏡が非常に大きく、あるいは重くなってしまい、実用に供さないという課題を有している。
また、可変焦点レンズを用いて遠近を見る眼鏡として、フレームに設けられた複数のスイッチを同時に押すと、可変焦点レンズに電圧を印加して、焦点の切り替えをする電子眼鏡が公開されている。(例えば、特許文献3)
しかしながら、この電子眼鏡は、単に遠方視野、近方視野を切り替えるだけであり、使用者の視力に合わせて、視認対象物を明確に見るようにはできないという課題を有している。また、使用者毎に焦点距離を変更することができないので、使用者が変わると、視認対象物を明瞭に見ることができないという課題を有している。さらに、左右のレンズ体毎に焦点距離を調整することができないので、左右の視力が異なる使用者は、視認対象物を明瞭に見ることができないという課題を有している。つまり、この電子眼鏡は、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者に対する汎用性がない。
また、可変焦点レンズを用いて遠近を見る眼鏡として、遠方を見る固定レンズに、液晶レンズを貼り合わせ、焦点切替スイッチを押して、プランジャをON接点側に切り替えると、液晶レンズに電圧が印加されて、近方視野に切り替えられ、プランジャをOFF接点側に切り替えると、液晶レンズに印加される電圧が停止されて、固体レンズの度数により、遠方視野をみることができる電子眼鏡が公開されている。(例えば、特許文献4)
しかしながら、この電子眼鏡は、遠方用として、使用者固有の固体レンズを用いなければならないので、使用者が代わると、必ずしも視認対象物を明瞭に見られるとは限らないという課題を有している。しかも、この電子眼鏡は、使用者専用として用いた場合でも、使用者の度数が進んでしまうと、固体レンズの部分を作り直す必要があり、引いては、液晶レンズも作り直さなければならないという課題を有している。つまり、この電子眼鏡は、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者に対する汎用性がないばかりでなく、使用者専用として用いた場合にも、使用できる条件(例えば、使用者の視力が変わらない)が限定されてしまうという課題を有している。
また、可変焦点レンズを用いて遠近を見る眼鏡として、ベローズ内のエレクトロアクティブポリマー部材と対向電極との間に電圧を印加してベローズを変形させることで、可変焦点レンズ部のメンブレンに流動性透明充填液を出し入れさせて、焦点距離を変える可変焦点レンズ装置が公開されている。(例えば、特許文献5)
しかしながら、この可変焦点レンズ装置は、単に、液圧ポンプを駆動させ、流動性透明充填液を出入りさせて、メンブレンを湾曲させ、焦点を切り替えるだけであり、視認する視認対処物が代わると、いちいち、片側ずつ、左右の可変焦点レンズの焦点距離を合わせなければならないという課題を有している。また、ベローズ内のエレクトロアクティブポリマー部材と対向電極との間に電圧を印加してベローズを変形させる構成であるために、液体の出し入れを長年繰り返すと、累積的な流量誤差が生じ、可変焦点レンズの焦点距離を、繰り返し、正確に再現することができないという課題を有している。
特許文献1乃至特許文献5は、いずれも、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、簡単な操作により、異なる距離にある視認対象物を、個別に、明瞭に視認することができないという課題を有している。
特表2011−516925号公報 特開平5−303011号公報 特開2009−80242号公報 特開2009−98649号公報 特開2009−251420号公報
上述したように、上述した特許文献2の眼鏡、特許文献3の電子眼鏡、特許文献4の電子眼鏡は、そもそも、レンズ体の焦点距離を調整することができないという不具合、あるいは、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者に対する汎用性がないなどの課題があった。一方、特許文献1の眼鏡、特許文献5の可変焦点レンズ装置は、一定の汎用性があるものの、特許文献1では、都度、手動でダイアルを回転させなければならず、煩わしいという課題、特許文献5では、片側ずつ、左右の可変焦点レンズの焦点距離を合わせなければならないという課題を有している。
つまり、従来技術では、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、簡単な操作により、異なる距離にある視認対象物を、個別に、明瞭に視認することができる汎用性のある可変焦点眼鏡を提供することができなかった。本願発明は上記点に鑑み、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、簡単な操作により、異なる距離にある視認対象物を、個別に、明瞭に視認することができる汎用性のある可変焦点眼鏡を提供することを目的とする。
また、上述した課題を解決するために、発明者は、可変焦点眼鏡を発明したが、使用者にとって掛け心地のよい可変焦点眼鏡、操作性のよい可変焦点眼鏡、利便性の高い可変焦点眼鏡であることが望まれる。本願発明は上記点に鑑み、使用者にとって掛け心地のよい可変焦点眼鏡、あるいは操作性のよい可変焦点眼鏡、あるいは利便性の高い可変焦点眼鏡を提供することを副次的な目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、焦点距離を変化させることができる左右一対の可変焦点レンズを備えた可変焦点眼鏡において;
可変焦点レンズ毎に設けられ、可変焦点レンズの焦点距離を変化させる駆動部と、
駆動部を駆動する操作を行うスイッチと、
スイッチの操作を受けて駆動部を制御する制御部と、
を備えており、
可変焦点眼鏡の使用者が所定の距離にある視認対象物を明瞭に視認できる際の、駆動部の所定の駆動量を、駆動部毎に、事前に記憶する機能を有しており、
使用者が、スイッチに対して、事前に記憶された所定の駆動量を再現する所定の操作をした場合に、事前に記憶された所定の駆動量を再現するように、制御部が駆動部を個別に制御することを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1において、使用者が、事前に記憶された所定の駆動量を再現する所定の操作をした場合に、駆動部の駆動量が、スイッチの操作によって指定される、駆動部毎に、事前に記憶された所定の駆動量となるように、制御部が駆動部を個別に制御することを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2において、所定の距離にある視認対象物を明瞭に視認できる際の所定の駆動量が使用者により教示された駆動量であることを特徴とする。
これによれば、スイッチに対して所定の操作をすると、所定の距離にある視認対象物を可変焦点眼鏡の使用者が明瞭に視認できる際の駆動量となる。この駆動量は、使用者が個別に、視認対象物を明瞭に視認できる際の駆動量であるために、簡単な操作によって、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、視認対象物を明瞭に視認することができる。したがって、従来例のように、いちいちダイアルを手動で回転させずとも、あるいは片側ずつ、左右の可変焦点レンズの焦点距離を合わせることをせずとも、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者自身が、簡単な操作によって、視認対象物を明瞭に視認することができる。その結果、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、簡単な操作により、異なる距離にある視認対象物を、個別に、明瞭に視認することができる汎用性のある可変焦点眼鏡を提供することができる。
なお、スイッチ操作をしない限り、駆動量も変わらないので、使用者が個別の視認対象物を視認している際に、他の視認対象物が横切っても、駆動量が切り替わることがない。このため、視認対象物を安定的に視認することができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1乃至請求項3のいずれか1つにおいて、可変焦点レンズが、液体の出し入れによって焦点距離を変化させることができる可変焦点レンズであり、
駆動部が、液体を出し入れして可変焦点レンズの焦点距離を変化させる駆動部であることを特徴とする。
これによれば、可変焦点レンズが、液体の出し入れによって焦点距離を変化させることができる可変焦点レンズであるため、液晶式の可変焦点眼鏡のような課題、すなわち、誘電体材料を用いているために、一般的に、レンズにおける光の透過率が低くなる課題、レンズにおける光の透過率が低くなると、明度が下がり、使用者の瞳孔径が大きくなって、焦点深度が浅くなり、焦点を合わせ難いという課題、利用者に負担をかけてしまうという課題、大口径にすることが難しく、視野が限定されるという課題を解決することができる。
なお、請求項5に記載の発明のように、請求項4において、駆動部が、駆動源と、駆動源が駆動することにより可動する可動部とを備えており、
可動部の移動量を、駆動量としてもよい。
請求項6に記載の発明では、請求項4において、可変焦点レンズに、液体が出し入れされる内部空間が形成されており、
駆動部が;
内部空間につながる内径部に設けられ、可動することにより、液体を出し入れして可変焦点レンズの焦点距離を変化させるピストンと、
ステッピングモータ、サーボモータ、所定の距離にある視認対象物が明瞭に視認できる場合の駆動量に制御可能なDCモータのうち、いずれかのモータと、
を備えており、
制御部がモータを個別に駆動することにより、ピストンを可動させることを特徴とする。
これによれば、視認対象物を、使用者が明瞭に視認できる際の焦点距離となるように、制御部がステッピングモータ、サーボモータ、所定の距離にある視認対象物が明瞭に視認できる場合の駆動量となるように作動するDCモータを制御してピストンを可動させ、内部空間内への液体の出し入れ量を制御することができる。上述した各モータは、正確に位置決めすることができ、位置再現性も有しているので、各モータによって可動するピストンもまた正確に位置決めされ、正確に位置が再現される。そのため、可変焦点レンズの焦点距離を、繰り返し、正確に再現することができる。
また、可変焦点レンズ毎に液体の出し入れ量を制御することができるので、可変焦点レンズ毎に焦点距離を変更することができる。このため、左右の視力度数が異なっていても、右目、左目ごとに、焦点距離を微細に制御することができる。その結果、使用者が明瞭に、視認対象物を視認できる可変焦点眼鏡を提供することができる。
また、可変焦点レンズの焦点距離を、繰り返し、正確に再現することができるので、特許文献2のような、バルブおよび流量計を必要としない。また、特許文献5のような、動作液体および流動性透明液体充填液を貯留する液圧力流量伝達装置セルも必要としない。このため、可変焦点眼鏡をコンパクトにすることができる。その結果、使用者にとって掛け心地のよい可変焦点眼鏡を提供することができる。
請求項7に記載の発明では、請求項1乃至請求項3のいずれか1つにおいて、可変焦点レンズが、印加電圧の増減によって焦点距離を変化させることができる可変焦点レンズであり、
駆動部が、印加電圧を増減して可変焦点レンズの焦点距離を変化させる駆動部であることを特徴とする。
これによれば、装置を小型化、軽量化することができる。その結果、使用者にとって掛け心地のよい可変焦点眼鏡を提供することができる。また、液体式の可変焦点眼鏡のように、液漏れを考慮する必要がない。
請求項8に記載の発明では、請求項1乃至請求項7のいずれか1つにおいて、可変焦点眼鏡が、焦点可変レンズの焦点距離を次第に変更する操作を行うスイッチを備えており、
事前に記憶された所定の駆動量から、焦点可変レンズの焦点距離を次第に変更した際に、所定の距離にある視認対象物を明瞭に視認できる、駆動部に対する駆動量を算出する機能を有しており、
スイッチを操作して、焦点可変レンズの焦点距離を次第に変更した場合に、駆動部の駆動量が、算出された駆動量となるように、制御部が駆動部を制御することを特徴とする。
これによれば簡単な操作によって、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、任意の距離にある視認対象物を明瞭に視認することができる。その結果、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、簡単な操作により、任意の距離にある距離にある視認対象物を、個別に、明瞭に視認することができる汎用性のある可変焦点眼鏡を提供することができる。
請求項9に記載の発明では、請求項1乃至請求項8のいずれか1つにおいて、駆動部、駆動部を操作する操作部、制御部、駆動部および制御部に電源を供給する電源供給部のうち、少なくとも操作部が、可変焦点レンズを保持する眼鏡フレームと別体に設けられるリモートコントローラに設けられていることを特徴とする。
これによれば、駆動部、操作部、制御部、電源供給部のうち、少なくとも操作部が、リモートコントローラに設けられるので、眼鏡フレーム側の重量を軽減することができる。その結果、掛け心地のよい可変焦点眼鏡を提供することができる。また、リモートコントローラに設けられた操作部により、駆動部を操作することができるので、操作性がよく、利便性の高い可変焦点眼鏡を提供することができる。
請求項10に記載の発明のように、請求項1乃至請求項9のいずれか1つの可変焦点眼鏡が、視認対象物までの距離を測定する距離測定手段、視認対象物の有無を検出する視認対象物検出手段のいずれか1つを備えていてもよい。
第1実施形態による可変焦点眼鏡の平面図で、図2のA−A断面図である。 第1実施形態による可変焦点眼鏡の正面図である。 図1のB−B断面図である。 図1のC−C断面図である。 第1の実施形態による左側の可変焦点レンズおよび駆動部の拡大図である。 第1の実施形態による可変焦点眼鏡のブロック図である。 第2の実施形態による可変焦点眼鏡の平面図である。 第2の実施形態による可変焦点眼鏡の正面図である。 図7のA方向から見た側面図である。 図7のB方向から見た側面図である。 第2の実施形態による可変焦点眼鏡のブロック図である。 第5の実施形態による可変焦点眼鏡の駆動量−距離相関図である。 第6の実施形態による可変焦点眼鏡の駆動量−距離相関図である。 第7の実施形態による可変焦点眼鏡の左側の可変焦点レンズおよび駆動部の拡大図である。 図14のF−F断面図である。 図14のG−G断面図である。 第8の実施形態による可変焦点眼鏡の正面図である。 第9の実施形態による可変焦点眼鏡の正面図である。 第10の実施形態による可変焦点眼鏡の駆動部の説明図である。 第11の実施形態による可変焦点眼鏡の平面図である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、可変焦点眼鏡のうち、液体式可変焦点眼鏡に関するものである。図1は、可変焦点眼鏡11の平面図で、図2のA−A断面図である。図2は、可変焦点眼鏡の正面図である。図3は、図1のB−B断面図である。図4は、図1のC−C断面図である。図5は、可変焦点レンズおよび駆動部の拡大図である。図1に示すように、可変焦点眼鏡11は、眼鏡フレーム13の前面部分を構成し、左右一対の可変焦点レンズ15を保持するフロント17、フロント17に連なるテンプル19を備えている。なお、第1の実施形態では、テンプル19は、フロント17と一体に形成されるが、一般的に使用される眼鏡と同様に、テンプル19をフロント17と別体にし、所定の連結部材などを介して折り曲げる構造としてもよい。
なお、以下の説明では、必要に応じて、左右一対の可変焦点レンズ15、テンプル19を、次のように使い分けて説明する。すなわち、左右一対の可変焦点レンズ15のうち、使用者が可変焦点眼鏡11をかけた状態で、右側の可変焦点レンズ15を可変焦点レンズ15Rと称し、左側の可変焦点レンズ15を可変焦点レンズ15Lと称するものとする。また、使用者が可変焦点眼鏡11をかけた状態で、右側のテンプル19を、テンプル19Rと称し、左側のテンプル19を、テンプル19Lと称するものとする。また、右側のテンプル19Rに設けられた駆動部23を、駆動部23Rと称し、左側のテンプル19Lに設けられた駆動部23を、駆動部23Lと称するものとする。また、右側のテンプル19Rに設けられたステッピングモータ35を、ステッピングモータ35Rと称し、左側のテンプル19Lに設けられたステッピングモータ35を、ステッピングモータ35Lと称するものとする。
なお、後述するように、ステッピングモータは、駆動部の駆動源であり、駆動部そのものではないが、ステッピングモータが駆動すると、駆動部が駆動する。また、制御部がステッピングモータを制御することは、結果的に、制御部が駆動部を制御することでもある。このため、適宜、ステッピングモータ(駆動部)を駆動する、制御部がステッピングモータ(駆動部)を制御する、などと記載する。また、制御部は、後述する記憶部を含めた広い概念で用いており、適宜、記憶部(制御部)に記憶する、記憶部(制御部)に記憶される、などと記載する。
可変焦点レンズ15は、図5に示すように、前面側を形成する前面レンズ15a、後面側を形成する後面レンズ15b、前面レンズ15aおよび後面レンズ15bの間に配置される可撓性の可撓膜15cを備えている。前面レンズ15aと可撓膜15cとの間には、空間15dが形成され、可撓膜15cと後面レンズ15bとの間には、空間15eが形成される。上述した後面レンズ15bには、空間15eと連通路13aとを連通する孔部15fが形成されている。連通路13aは、孔部15fと、後述する貯留室37とを連通する。空間15e、孔部15f、連通路13a、貯留室37には透明液体21(例えば、透明度の高いシリコン油)が充填されている。
また、右側のテンプル19Rには、右側の可変焦点レンズ15Rに透明液体21を出し入れして、右側の可変焦点レンズ15Rの厚みを変更することにより焦点距離を変更する駆動部23Rと、駆動部23R、23L、制御部25に電力を供給する電源供給部27とが設けられている。また、左側のテンプル19Lには、左側の可変焦点レンズ15Lに透明液体21を出し入れして、左側の可変焦点レンズ15Lの厚みを変更することにより焦点距離を変更する駆動部23Lと、駆動部23R、23Lを制御する制御部25とが設けられている。電源供給部27から供給される電力は、配線29(図2に図示)を経由して、駆動部23、制御部25に送電される。上述した配線29は、エッチング、銅箔の貼り付け等により、フィルム上に形成された配線パターンであってもよい。配線パターンをフィルム上に形成することで、眼鏡フレーム13を小型化することができる。
次に、駆動部23について説明する。説明に際しては、左側のテンプル19Lに設けられる駆動部23Lについて説明する。なお、右側のテンプル19Rに設けられる駆動部23Rについては、左側のテンプル19Lに設けられる駆動部23Lと同様に構成される。
図5に示すように、左側のテンプル19Lには、内径部19aが形成されており、この内径部19aに、ピストン31、送りねじ軸33、左側のステッピングモータ35Lが内蔵されている。内径部19aのうち、少なくとも、ピストン31が摺動する部分は、円筒状に形成されており、ピストン31と内径部19aとで、透明液体21を貯留する貯留室37が形成される。ピストン31には、めねじが形成されており、送りねじ軸33が螺入されている。
送りねじ軸33の内径部33aには、左側のステッピングモータ35Lの軸35aが圧入されており、軸35aが回転すると、送りねじ軸33が一体となって回転する。左側のステッピングモータ35Lの軸35aが、軸35a側の反対側から軸35aの方向に見て反時計方向に回転すると、ピストン31がD方向に移動する。この際、貯留室37に貯留された透明液体21が、連通路13a、孔部15fを経由して、空間15e側に移動する。空間15e側に透明液体21が流入すると、左側の可変焦点レンズ15Lが厚さ方向に膨らんで、屈折率を高くすることができる(焦点距離を短くすることができる)。
また、左側のステッピングモータ35Lの軸35aが、軸35a側の反対側から軸35aの方向に見て時計方向に回転すると、ピストン31が、図5に示すE方向に移動する。この際、空間15eに貯留された透明液体21が、孔部15f、連通路13aを経由して、貯留室37側に移動する。貯留室37側に透明液体21が移動すると、左側の可変焦点レンズ15Lが厚さ方向に縮んで、屈折率を低くすることができる(焦点距離を長くすることができる)。なお、ピストン31には、回り止め31aが設けられており、送りねじ軸33が回転した際に、ピストン31が回転しないように構成されている。
ところで、制御部25から所定量のパルス信号を、右側のステッピングモータ35R、左側のステッピングモータ35Lに与えると、軸35aがパルス信号の量(パルス数)に応じた角度分だけ、回転する。上述したパルス数は、駆動部23R、23Lを駆動させる際の駆動量である。なお、上述したパルス数は、軸35aの回転量に換算することができることから、軸35aの回転量を、本願発明の駆動量として扱ってもよい。また、可動部(例えば、ピストン31)の移動量を、本願発明の駆動量として扱ってもよい。上述した可動部(例えば、ピストン31)の移動量は、リニアスケール、センサなどを用いて検出してもよい。可動部とは、駆動源(第1の実施形態では、ステッピングモータ35)が駆動することにより、可動する部分であり、第1の実施形態では、ピストン31、送りねじ軸が相当する。
なお、上述した右側のステッピングモータ35R、左側のステッピングモータ35Lに、ロータリエンコーダを設けてもよい。ロータリエンコーダは、駆動量検出手段として機能する。図1に示すように、ステッピングモータ35R、35Lにロータリエンコーダ39を設けると、パルス数およびパルス数から換算される軸35aの回転量を極めて正確に検出することができる。また、パルス数を制御部25にフィードバックして、駆動部23を制御することができる。
次に、制御部25について説明する。制御部25には、ステッピングモータ35R、35Lを制御する制御プログラムが記憶されている。この制御プログラムは、後述するタッチセンサ51、タッチセンサ57に対して所定の操作をした場合に、駆動部23の駆動量が、タッチセンサ51、タッチセンサ57の操作により指定される、事前に教示された駆動量となるように、駆動部23を制御する機能を有している。
次に、操作部47について説明する。右側のテンプル19R、左側のテンプル19Lには、操作部47が設けられている。操作部47のうち、右側のテンプル19には、図4に示すように、電源をオン、オフする電源スイッチ49、タッチセンサ51、教示ボタン53が設けられている。また、操作部47のうち、左側のテンプル19Lには、図3に示すように、モード切換ボタン55、タッチセンサ57、登録ボタン59が設けられている。
タッチセンサ51、タッチセンサ57に触れると、制御部25に所定の検出信号が入力される。タッチセンサ51、タッチセンサ57は、本願発明のスイッチの一例を構成する。スイッチは、上述したタッチセンサの他に、押ボタンスイッチ、近接スイッチなど、他のスイッチであってもよい。
モード切換ボタン55は、モードの切り替えを行う。上述したモード切換ボタン55を押すと、視点切り替えモード、一定モード、任意モード、教示モードを切り換えることができる。
視点切り替えモードとは、異なる距離にある複数の視認対象物に対し、個別に焦点距離を切り替えるモードであり、使用者が明瞭に視認対象物を視認できるように、制御部25が、ステッピングモータ35R(駆動部23R)、ステッピングモータ35L(駆動部23L)を制御して、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を変化させるモードである。一定モードとは、自動車を運転するときのように、焦点距離が変化しては不都合を生じる場合に、焦点距離を一定にするモードである。任意モードとは、任意の位置にある視認対象物に対して、都度、使用者が明瞭に視認対象物を視認できるように、手動制御によって、焦点距離を変化させるモードである。
ところで、使用者の視力は、個々に異なるため、使用者に応じて、所定の距離にある視認対象物が明瞭に見えるようにしなければならない。視認対象物が明瞭に見えるように焦点距離を合わせるために、使用者が事前に教示を行う。教示を行うには、モード切換ボタン55を押して、教示モードにする。
教示モード時に、使用者が指でタッチセンサ51に触れると、制御部25に所定の検出信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ51から指を離すと、上述した検出信号の入力が停止される。制御部25は、検出信号が入力されるごとに、右側のステッピングモータ35Rの軸35aが正転、逆転を交互に繰り返すように、右側のステッピングモータ35Rを制御する。タッチセンサ51を触れている間は、軸35aの正転または逆転が維持され、指を離すと、停止する。
同様に、教示モード時に、使用者が指でタッチセンサ57に触れると、制御部25に所定の検出信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ57から指を離すと、上述した検出信号の入力が停止される。制御部25は、検出信号が入力されるごとに、左側のステッピングモータ35Lの軸35aが正転、逆転を交互に繰り返すように、左側のステッピングモータ35Lを制御する。タッチセンサ57を触れている間は、軸35aの正転または逆転が維持され、指を離すと、停止する。
教示には、遠近2点を教示する2点教示、3点を教示する3点教示、多点を教示する多点教示などがある。
2点教示について、説明する。最初に、右側の可変焦点レンズ15Rにおける教示の手順を説明する。図1において、使用者が、左側の可変焦点レンズ15Lを手で覆い、第1の距離(例えば、眼鏡フレーム13から視認対象物OB1までの距離L1=30cm)にある視認対象物OB1を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ51に指で触れて、あるいは指を離して、右側のステッピングモータ35Rを駆動させ、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できるように、右側の可変焦点レンズ15Rの焦点距離を変化させる。そして、教示ボタン53を押す。この際、右側のステッピングモータ35Rに対する原点からのパルス数N1が、記憶部63(制御部25)に記憶される(記憶部63は、図6参照)。なお、右側のステッピングモータ35Rに、ロータリエンコーダが設けられている場合には、ロータリエンコーダが検出した原点位置からのパルス数が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
次に、使用者が、左側の可変焦点レンズ15Lを手で覆い、第2の距離(例えば、眼鏡フレーム13から視認対象物OB2までの距離L2=100cm)にある視認対象物OB2を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ51に指で触れて、あるいは指を離して、右側のステッピングモータ35Rを駆動させ、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できるように、右側の可変焦点レンズ15Rの焦点距離を変化させる。そして、教示ボタン53を押す。この際、右側のステッピングモータ35Rに対する原点からのパルス数N2が、記憶部63(制御部25)に記憶される。なお、右側のステッピングモータ35Rに、ロータリエンコーダが設けられている場合には、ロータリエンコーダが検出した原点位置からのパルス数が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
左側の可変焦点レンズ15Lにおける教示の手順を説明する。図1において、使用者が、右側の可変焦点レンズ15Rを手で覆い、上述した視認対象物OB1を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ57に指で触れて、あるいは指を離して、左側のステッピングモータ35Lを駆動させ、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できるように、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を変化させる。そして、教示ボタン53を押す。この際、左側のステッピングモータ35Lに対する原点からのパルス数N3が、記憶部63(制御部25)に記憶される。なお、左側のステッピングモータ35Lに、ロータリエンコーダが設けられている場合には、ロータリエンコーダが検出した原点位置からのパルス数が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
次に、使用者が、右側の可変焦点レンズ15Rを手で覆い、上述した視認対象物OB2を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ57に指で触れて、あるいは指を離して、左側のステッピングモータ35Lを駆動させ、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できるように、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を変化させる。そして、教示ボタン53を押す。この際、左側のステッピングモータ35Lに対する原点からのパルス数N4が、記憶部63(制御部25)に記憶される。なお、左側のステッピングモータ35Lに、ロータリエンコーダが設けられている場合には、ロータリエンコーダが検出した原点位置からのパルス数が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
上述したタッチセンサ51、タッチセンサ57、教示ボタン53、記憶部63(制御部25)は、教示手段の一例を構成する。なお、ステッピングモータ35にロータリエンコーダ39を設けた場合には、タッチセンサ51、タッチセンサ57、教示ボタン53、記憶部63(制御部25)、ロータリエンコーダが、本願発明の教示手段の一例を構成する。なお、パルス数N1、パルス数N2、パルス数N3、パルス数N4に代え、パルス数N1から換算される回転量Rev1、パルス数N2から換算される回転量Rev2、パルス数N3から換算される回転量Rev3、パルス数N4から換算される回転量Rev4を記憶してもよい。
教示を終えると、制御部25に記憶されたプログラムにより、タッチセンサの操作とパルス数とが関連づけられる。例えば、タッチセンサに対し、操作Aを行った場合には、右側のステッピングモータ35Rに対するパルス数をN1、左側のステッピングモータ35Lに対するパルス数をN3にし、タッチセンサに対し、操作Bを行った場合には、右側のステッピングモータ35Rに対するパルス数をN2、左側のステッピングモータ35Lに対するパルス数をN4にするというように、所定の操作に対し、ステッピングモータ35R、35Lに対するパルス数が関連付けられる。つまり、タッチセンサ51、タッチセンサ57の操作によって、右側のステッピングモータ35Rに対するパルス数N1、パルス数N2、左側のステッピングモータ35Lに対するパルス数N3、パルス数N4を指定することができる。タッチセンサ51、タッチセンサ57は、パルス数を指定する機能を有している。なお、パルス数N1、パルス数N2、パルス数N3、パルス数N4に代えて、パルス数N1から換算される回転量Rev1、パルス数N2から換算される回転量Rev2、パルス数N3から換算される回転量Rev3、パルス数N4から換算される回転量Rev4の各回転量と、スイッチの操作とを関連付けてもよい。
2点教示を行った後、この可変焦点眼鏡11を、視点切り替えモードで使用する場合には、モード切換ボタン55を押して、視点切り替えモードにする。モード切換ボタン55を押して、視点切り替えモードにすると、タッチセンサ51またはタッチセンサ57に触るごとに、ステッピングモータ35のパルス数が、交互に、後述する(1)項、(2)項のパルス数となるように、制御部25が、右側のステッピングモータ35R(駆動部23R)、左側のステッピングモータ35Lを、個別に制御する。つまり、第1の実施形態における可変焦点眼鏡11は、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L毎に、事前に教示された駆動量を再現することにより、遠近2点の視認対象物OB1、OB2に対し、交互に焦点を合わせることができる。その結果、使用者は、タッチセンサ51またはタッチセンサ57に触るごとに、遠近2点の視認対象物OB1、OB2を、交互に、明瞭に視認することができる。
(1)右側:パルス数N1、左側:パルス数N3
(2)右側:パルス数N2、左側:パルス数N4
なお、タッチセンサとパルス数との関連付けには、種々の方法がある。例えば、タッチセンサ51、タッチセンサ57のうち、どちらか1つのタッチセンサを触るごとに、ステッピングモータ35R、35Lのパルス数が、交互に、上述した(1)項、(2)項のパルス数となるように、制御部25が、右側のステッピングモータ35R(駆動部23R)、左側のステッピングモータ35L(駆動部23L)を制御してもよい。
また、タッチセンサ51を押すと、右側のステッピングモータ35Rのパルス数をパルス数N1、左側のステッピングモータ35Lのパルス数をパルス数N3にし、タッチセンサ57を押すと、右側のステッピングモータ35Rのパルス数をパルス数N2、左側のステッピングモータ35Lのパルス数をパルス数N4にするようにしてもよい。なお、パルス数N1、パルス数N2、パルス数N3、パルス数N4に代えて、パルス数N1から換算される回転量Rev1、パルス数N2から換算される回転量Rev2、パルス数N3から換算される回転量Rev3、パルス数N4から換算される回転量Rev4の各回転量と、スイッチの操作とを関連付けてもよい。
次に、3点教示について、図1を用いて説明する。教示対象となる視認対象物OB1、視認対象物OB2、視認対象物OB3が、それぞれ、距離L1、距離L2、距離L3にあるものとする。
3点教示は、上述した2点教示と同様の手順に準じて、使用者が教示を行う。右側の可変焦点レンズ15Rでは、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できる際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数N1(あるいは回転量Rev1)、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できる際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数N2(あるいは回転量Rev2)、視認対象物OB3が最も明瞭に視認できる際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数N3(あるいは回転量Rev3)を、使用者が教示する。これにより、パルス数N1(あるいは回転量Rev1)、パルス数N2(あるいは回転量Rev2)、パルス数N3(あるいは回転量Rev3)が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
また、左側の可変焦点レンズ15Lでは、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できる際の、左側のステッピングモータ35Lのパルス数N4(あるいは回転量Rev4)、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できる際の、左側のステッピングモータ35Lのパルス数N5(あるいは回転量Rev5)、視認対象物OB3が最も明瞭に視認できる際の、左側のステッピングモータ35Lのパルス数N6(あるいは回転量Rev6)を、使用者が教示する。これにより、パルス数N4(あるいは回転量Rev4)、パルス数N5(あるいは回転量Rev5)、パルス数N6(あるいは回転量Rev6)が、記憶部63(制御部25)に記憶される。なお、ステッピングモータ35に、ロータリエンコーダが設けられている場合には、ロータリエンコーダが、原点位置からのパルス数を検出する。
3点教示を行った後、この可変焦点眼鏡11を、視点切り替えモードで使用する場合には、モード切換ボタン55を押して、視点切り替えモードにする。モード切換ボタン55を押して、視点切り替えモードにすると、タッチセンサ51またはタッチセンサ57に触るごとに、ステッピングモータ35R、35Lのパルス数(あるいは回転量)が、順次、後述する(1)、(2)、(3)を繰り返すように、制御部25が、ステッピングモータ35を制御する。これにより、タッチセンサ51またはタッチセンサ57に触れるだけで、3点の視認対象物OB1、OB2、OB3を、順次、明瞭に視認することができる。
(1)右側:パルス数N1(回転量Rev1)、左側:パルス数N4(回転量Rev4)
(2)右側:パルス数N2(回転量Rev2)、左側:パルス数N5(回転量Rev5)
(3)右側:パルス数N3(回転量Rev3)、左側:パルス数N6(回転量Rev6)
つまり、教示を行うことにより、タッチセンサの操作とパルス数(あるいは回転量)とが関連づけられ、タッチセンサ51、タッチセンサ57の操作によって、右側のステッピングモータ35Rのパルス数N1(回転量Rev1)、パルス数N2(回転量Rev2)、パルス数N3(回転量Rev3)、左側のステッピングモータ35Lのパルス数N4(回転量Rev4)、パルス数N5(回転量Rev5)、パルス数N6(回転量Rev6)を指定することができる。
なお、タッチセンサと駆動量との関連付けには、種々の方法がある。例えば、タッチセンサ51に触るごとに、順次、上述した(1)、(2)、(3)を繰り返すように、制御部25が、ステッピングモータ35を制御するようにしてもよい。また、タッチセンサ57に触るごとに、順次、上述した(1)、(2)、(3)を繰り返すように、制御部25が、ステッピングモータ35を制御するようにしてもよい。また、タッチセンサ51に触るごとに、事前に教示したパルス数のうち、より大きいパルス数となるようにし、タッチセンサ57に触るごとに、事前に教示したパルス数のうち、より小さいパルス数となるようにしてもよい。
上述した例では、視認対象物が2点、3点である場合について説明したが、4点以上であってもよい。
上記構成によれば、タッチセンサ51、タッチセンサ57に対して所定の操作をすると、可変焦点レンズ15毎(右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L)に設けられた駆動部23の駆動量が、タッチセンサ51、タッチセンサ57の操作によって指定される、可変焦点レンズ15毎(右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L)に事前に記憶された、所定の距離にある視認対象物を可変焦点眼鏡11の使用者が明瞭に視認できる際の駆動量となるように、制御部25が、駆動部23を個別に制御することができる。この駆動量は、使用者が個別に、視認対象物を明瞭に視認できる際の駆動量であり、使用者により教示されるために、簡単な操作によって、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、視認対象物を明瞭に視認することができる。したがって、従来例のように、いちいちダイアルを手動で回転させずとも、あるいは片側ずつ、左右の可変焦点レンズの焦点距離を合わせることをせずとも、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者自身が、簡単な操作によって、視認対象物を明瞭に視認することができる。その結果、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、簡単な操作により、異なる距離にある視認対象物を、個別に、明瞭に視認することができる汎用性のある可変焦点眼鏡を提供することができる。
なお、タッチセンサ51またはタッチセンサ57を触らなければ、(スイッチ操作をしなければ、)駆動量(パルス数、回転量など)も変わらないので、使用者が明瞭に、特定の視認対象物を視認している際に、他の外乱要素(例えば他の視認対象物が横切る)があっても、駆動量(パルス数、回転量など)が切り替わることがない。このため、視認対象物を安定的に視認することができ、しかも異なった距離にある複数の視認対象物を個別に視認することができる。
また、この可変焦点眼鏡11は、スイッチとして、タッチセンサを用いている。このため、指で触れるだけで、視認対象物を視認できることができ、操作性のよい可変焦点眼鏡を提供することができる。
なお、レンズの中に液晶などの誘電体材料を封入し、これに電圧を欠けて誘電率を変化させることで屈折率を制御する液晶式可変焦点眼鏡(あるいは液晶式電子眼鏡)と比較しても、一般的には、レンズにおける光の透過率が低くならない。したがって、明度が下がり、使用者の瞳孔径が大きくなって、焦点深度が浅くなり、焦点を合わせ難いということ、使用者に負担をかけてしまうということがない。また、口径を大きく構成できるので、視野が限定されるということもない。
(第1の実施形態における制御部25の詳細な説明)
第1の実施形態における制御部25について、図6を用いて、より詳細に説明する。図6に示すように、制御部25は、CPU61、記憶部63、所定のインターフェース65を備えている。CPU61は、記憶部63に記憶された制御プログラムを読み込んで、各種の処理を行う機能を有する。
記憶部63は、RAM67、ROM69を備えている。RAM67は、制御プログラム、実行プログラムの一時記憶領域として、種々のフラグ、変数の値などを記憶する機能を有する。また、ROM69には、ステッピングモータ35を制御する制御プログラム、後述するスイッチの操作により入力される信号を判定して各種制御を実行する実行プログラム、初期データなどが記憶されている。
上述した記憶部63は、視認対象物を使用者が個別に視認し、視認した視認対象物を、明瞭に視認できる際の、駆動部23の駆動量(ステッピングモータ35のパルス数など)を、記憶する機能を有している。上述した駆動量は、使用者が、上述した教示手段によって、教示する。使用者が教示を行うことによって、駆動量が記憶部63(制御部25、広くは、可変焦点眼鏡11)に記憶される。
なお、上述した記憶部63とは別に、駆動部23の駆動量を記憶する部分(例えば、図6に示す記憶部71)を設けてもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、可変焦点眼鏡のうち、電圧印加式可変焦点眼鏡に関するものである。図7は、可変焦点眼鏡11の平面図、図8は、可変焦点眼鏡の正面図、図9は、図7のA方向から見た側面図、図10は、図7のB方向から見た側面図、図11は、可変焦点眼鏡11のブロック図である。図7に示すように、可変焦点眼鏡11は、眼鏡フレーム13の前面部分を構成し、左右一対の可変焦点レンズ15を保持するフロント17、フロント17に連なるテンプル19を備えている。第2の実施形態では、一般的な折り曲げ可能な眼鏡と同様に、テンプル19と、フロント17とを、ネジを用いて連結して、折り曲げ可能な構造としたが、テンプル19と、フロント17とを一体に形成してもよい。
なお、以下の説明では、必要に応じて、左右一対の可変焦点レンズ15、テンプル19を、次のように使い分けて説明する。すなわち、左右一対の可変焦点レンズ15のうち、使用者が可変焦点眼鏡11をかけた状態で、右側の可変焦点レンズを可変焦点レンズ15Rと称し、左側の可変焦点レンズを可変焦点レンズ15Lと称するものとする。また、使用者が可変焦点眼鏡11をかけた状態で、右側のテンプルをテンプル19Rと称し、左側のテンプルをテンプル19Lと称するものとする。また、右側のテンプル19Rに設けられた駆動部23を、駆動部23Rと称し、左側のテンプル19Lに設けられた駆動部23を、駆動部23Lと称するものとする。
上述した可変焦点レンズ15は、例えば、再公表特許WO2009/081542のような構成であり、可変焦点レンズ15に設けられた液晶素子に電圧が印加されると、その電圧に応じて液晶分子の方向が変化することを利用して屈折率を変化させ、焦点距離を変更する、周知の可変焦点レンズである。
右側のテンプル19Rには、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に所定の印加電圧を印加する駆動部23Rと、制御部25に電力を供給する電源供給部27とが設けられている。また、左側のテンプル19Lには、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に所定の印加電圧を印加する駆動部23Lと、駆動部23R、23Lを制御する制御部25とが設けられている。電源供給部27から供給される電力は、配線29を経由して、制御部25、駆動部23に送電される。上述した配線29は、エッチング、銅箔の貼り付け等により、フィルム上に形成された配線パターンであってもよい。配線パターンをフィルム上に形成することで、眼鏡フレーム13を小型化することができる。
次に、駆動部23について説明する。駆動部23は、図11に示すように、駆動制御回路73、ドライバ75、77、可変抵抗回路79を備えており、可変焦点レンズ15の液晶素子に所定の印加電圧を印加する電圧印加手段、可変焦点レンズ15の液晶素子を駆動する駆動手段として機能する。駆動制御回路73は、可変焦点レンズ15の液晶素子を駆動するための駆動信号を生成する。ドライバ75、77は、駆動制御回路73で生成された駆動信号を制御して、可変焦点レンズ15の液晶素子に所定の印加電圧を印加する。可変焦点レンズ15の液晶素子に印加される印加電圧(印加電圧量)は、本願発明の駆動量の一例を構成する。
ドライバ75、77の下流側には、印加電圧を可変する可変抵抗回路79が設けられており、可変焦点レンズ15の液晶素子に印加する印加電圧を段階的あるいは連続的に変化させることができる。可変抵抗回路79を制御して、液晶素子に印加する印加電圧を徐々に高くすると、液晶分子の楕円長軸が徐々に可変焦点レンズの光軸と平行になるように配向して、焦点距離が段階的あるいは連続的に長くなる(屈折率が低くなる)。また、可変抵抗回路79を制御し、液晶素子に印加する印加電圧を徐々に低くすると、液晶分子の楕円長軸が徐々に元の状態に戻り、焦点距離が段階的あるいは連続的に短くなる(屈折率が高くなる)。
次に、制御部25について、説明する。制御部25は、図11に示すように、CPU61、記憶部63、所定のインターフェース65を備えている。CPU61は、記憶部63に記憶された制御プログラムを読み込んで、各種の処理を行う機能を有する。
記憶部63は、RAM67、ROM69を備えている。RAM67は、制御プログラム、実行プログラムの一時記憶領域として、種々のフラグ、変数の値などを記憶する機能を有する。また、ROM69には、可変焦点レンズ15の液晶素子に印加する印加電圧を算出し、駆動部23を制御する制御プログラム、後述するスイッチの操作により入力される信号を判定して各種制御を実行する実行プログラム、初期データなどが記憶されている。
また、上述した記憶部63は、視認対象物を使用者が個別に視認し、視認した視認対象物を、明瞭に視認できる際の、駆動部23の印加電圧を記憶する機能を有している。上述した印加電圧は、使用者が、後述する教示手段によって、教示する。使用者が教示を行うことによって、印加電圧が記憶部63(制御部25、広くは、可変焦点眼鏡11)に記憶される。
なお、上述した記憶部63とは別に、駆動部23の印加電圧を記憶する部分(例えば、図6の記憶部71)を設けてもよい。
次に、操作部47について説明する。右側のテンプル19、左側のテンプル19Lには、操作部47が設けられている。操作部47のうち、右側のテンプル19には、図11に示すように、電源をオン、オフする電源スイッチ49、タッチセンサ51、教示ボタン53が設けられている。また、操作部47のうち、左側のテンプル19Lには、図11に示すように、モード切換ボタン55、タッチセンサ57、登録ボタン59が設けられている。
タッチセンサ51、タッチセンサ57に触れると、制御部25に所定の検出信号が入力される。タッチセンサ51、タッチセンサ57は、本願発明のスイッチの一例を構成する。スイッチは、上述したタッチセンサの他に、押ボタンスイッチ、近接スイッチなど、他のスイッチであってもよい。
モード切換ボタン55は、モードの切り替えを行う。上述したモード切換ボタン55を押すと、視点切り替えモード、一定モード、任意モード、教示モードを切り換えることができる。
視点切り替えモードとは、異なる距離にある複数の視認対象物に対し、個別に焦点距離を切り替えるモードであり、使用者が明瞭に視認対象物を視認できるように、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に印加する印加電圧を制御して、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を変化させるモードである。一定モードとは、自動車を運転するときのように、焦点距離が変化しては不都合を生じる場合に、焦点距離を一定にするモードである。任意モードとは、任意の位置にある視認対象物に対して、都度、使用者が明瞭に視認対象物を視認できるように、手動制御によって、焦点距離を変化させるモードである。
ところで、使用者の視力は、個々に異なるため、使用者に応じて、所定の距離にある視認対象物が明瞭に見えるようにしなければならない。視認対象物が明瞭に見えるように焦点距離を合わせるために、使用者が事前に教示を行う。教示を行うには、モード切換ボタン55を押して、教示モードにする。
教示モード時に、使用者が指でタッチセンサ51に触れると、制御部25に所定の検出信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ51から指を離すと、上述した検出信号の入力が停止される。制御部25は、検出信号が入力されるごとに、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に印加する印加電圧について、増加、減少を交互に繰り返すように、右側の駆動部23Rを制御する。タッチセンサ51を触れている間は、印加電圧の増加、減少が維持され、指を離すと、停止する。
同様に、教示モード時に、使用者が指でタッチセンサ57に触れると、制御部25に所定の検出信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ57から指を離すと、上述した検出信号の入力が停止される。制御部25は、検出信号が入力されるごとに、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に印加する印加電圧について、を増加、減少を交互に繰り返すように、左側の駆動部23Lを制御する。タッチセンサ57を触れている間は、印加電圧の増加、減少が維持され、指を離すと、停止する。
教示には、遠近2点を教示する2点教示、3点を教示する3点教示、多点を教示する多点教示などがある。
2点教示について、説明する。最初に、右側の可変焦点レンズ15Rにおける教示の手順を説明する。図7において、使用者が、左側の可変焦点レンズ15Lを手で覆い、第1の距離(例えば、眼鏡フレーム13から視認対象物OB1までの距離L1=30cm)にある視認対象物OB1を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ51に指で触れて、あるいは指を離して、右側の駆動部23Rを駆動させ、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できるように、右側の可変焦点レンズ15Rの焦点距離を変化させる。そして、教示ボタン53を押す。この際、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に印加した印加電圧V1が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
次に、使用者が、左側の可変焦点レンズ15Lを手で覆い、第2の距離(例えば、眼鏡フレーム13から視認対象物OB2までの距離L2=100cm)にある視認対象物OB2を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ51に指で触れて、あるいは指を離して、右側の駆動部23Rを駆動させ、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できるように、右側の可変焦点レンズ15Rの焦点距離を変化させる。そして、教示ボタン53を押す。この際、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に印加した印加電圧V2が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
左側の可変焦点レンズ15Lにおける教示の手順を説明する。図7において、使用者が、右側の可変焦点レンズ15Rを手で覆い、上述した視認対象物OB1を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ57に指で触れて、あるいは指を離して、左側の駆動部23Lを駆動させ、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できるように、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を変化させる。そして、教示ボタン53を押す。この際、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に印加した印加電圧V3が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
次に、使用者が、右側の可変焦点レンズ15Rを手で覆い、上述した視認対象物OB2を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ57に指で触れて、あるいは指を離して、左側の駆動部23Lを駆動させ、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できるように、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を変化させる。そして、教示ボタン53を押す。この際、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に印加した印加電圧V4が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
上述したタッチセンサ51、タッチセンサ57、教示ボタン53、記憶部63(制御部25)は、教示手段の一例を構成する。
教示を終えると、制御部25に記憶されたプログラムにより、タッチセンサの操作とパルス数とが関連づけられる。例えば、タッチセンサに対し、操作Aを行った場合には、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧をV1、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧をV3にし、タッチセンサに対し、操作Bを行った場合には、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧をV2、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧をV4にするというように、所定の操作に対し、各液晶素子に対する印加電圧が関連付けられる。つまり、タッチセンサ51、タッチセンサ57の操作によって、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧V1、印加電圧V2、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧V3、印加電圧V4を指定することができる。タッチセンサ51、タッチセンサ57は、印加電圧を指定する機能を有している。
2点教示を行った後、この可変焦点眼鏡11を、視点切り替えモードで使用する場合には、モード切換ボタン55を押して、視点切り替えモードにする。モード切換ボタン55を押して、視点切り替えモードにすると、タッチセンサ51またはタッチセンサ57に触るごとに、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧が、交互に、後述する(1)項、(2)項の印加電圧となるように、制御部25が、右側の駆動部23R、左側の駆動部23Lを制御する。つまり、第2の実施形態の可変焦点眼鏡11は、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L毎に、事前に教示された印加電圧を再現することにより、遠近2点の視認対象物OB1、OB2に対し、交互に焦点を合わせることができる。その結果、使用者は、タッチセンサ51またはタッチセンサ57に触るごとに、遠近2点の視認対象物OB1、OB2を、交互に、明瞭に視認することができる。
(1)右側:印加電圧V1、左側:印加電圧V3
(2)右側:印加電圧V2、左側:印加電圧V4
なお、タッチセンサと印加電圧との関連付けには、種々の方法がある。例えば、タッチセンサ51、タッチセンサ57のうち、どちらか1つのタッチセンサを触るごとに、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧が、交互に、上述した(1)項、(2)項の印加電圧となるように、制御部25が、駆動部23R、23Lを制御してもよい。
また、タッチセンサ51を押すと、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧を印加電圧V1、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧を印加電圧V3にし、タッチセンサ57を押すと、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧を印加電圧V2、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧を印加電圧V4にするようにしてもよい。
次に、3点教示について、図7を用いて説明する。教示対象となる視認対象物OB1、視認対象物OB2、視認対象物OB3が、それぞれ、距離L1、距離L2、距離L3にあるものとする。
3点教示は、上述した2点教示と同様の手順に準じて、使用者が教示を行う。右側の可変焦点レンズ15Rでは、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できる際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧V1、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できる際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧V2、視認対象物OB3が最も明瞭に視認できる際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧V3を、使用者が教示する。これにより、印加電圧V1、印加電圧V2、印加電圧V3が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
また、左側の可変焦点レンズ15Lでは、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できる際の、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧V4、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できる際の、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧V5、視認対象物OB3が最も明瞭に視認できる際の、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧V6を、使用者が教示すると、印加電圧V4、印加電圧V5、印加電圧V6が、記憶部63(制御部25)に記憶される。
3点教示を行った後、この可変焦点眼鏡11を、視点切り替えモードで使用する場合には、モード切換ボタン55を押して、視点切り替えモードにする。モード切換ボタン55を押して、視点切り替えモードにすると、タッチセンサ51またはタッチセンサ57に触るごとに、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧が、順次、(1)、(2)、(3)を繰り返すように、制御部25が、駆動部23を制御する。これにより、タッチセンサ51またはタッチセンサ57に触れるだけで、3点の視認対象物OB1、OB2、OB3を、順次、明瞭に視認することができる。
(1)右側:印加電圧V1、左側:印加電圧V4
(2)右側:印加電圧V2、左側:印加電圧V5
(3)右側:印加電圧V3、左側:印加電圧V6
つまり、教示を行うことにより、タッチセンサの操作と印加電圧とが関連づけられ、タッチセンサ51、タッチセンサ57の操作によって、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧V1、印加電圧V2、印加電圧V3、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧V4、印加電圧V5、印加電圧V6を指定することができる。
なお、タッチセンサと印加電圧との関連付けには、種々の方法がある。例えば、タッチセンサ51に触るごとに、順次、上述した(1)、(2)、(3)を繰り返すように、制御部25が、駆動部23を制御するようにしてもよい。また、タッチセンサ57に触るごとに、順次、上述した(1)、(2)、(3)を繰り返すように、制御部25が、駆動部23を制御するようにしてもよい。また、タッチセンサ51に触るごとに、事前に教示した印加電圧のうち、より大きい印加電圧となるようにし、タッチセンサ57に触るごとに、事前に教示した印加電圧のうち、より小さい印加電圧となるようにしてもよい。
上述した例では、視認対象物が2点、3点である場合について説明したが、4点以上であってもよい。
上記構成によれば、タッチセンサ51、タッチセンサ57に対して所定の操作をすると、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧が、タッチセンサ51、タッチセンサ57の操作によって指定される、可変焦点レンズ15毎(右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L)に事前に記憶された、所定の距離にある視認対象物を可変焦点眼鏡の使用者が明瞭に視認できる際の印加電圧(駆動量)となるように、制御部25が、駆動部23R、23Lを個別に制御することができる。この駆動量は、使用者が個別に、視認対象物を明瞭に視認できる際の印加電圧(駆動量)であるために、簡単な操作によって、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、視認対象物を明瞭に視認することができる。したがって、従来例のように、いちいちダイアルを手動で回転させずとも、あるいは片側ずつ、左右の可変焦点レンズの焦点距離を合わせることをせずとも、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者自身が、簡単な操作によって、視認対象物を明瞭に視認することができる。その結果、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者が、簡単な操作により、異なる距離にある視認対象物を、個別に、明瞭に視認することができる汎用性のある可変焦点眼鏡を提供することができる。
また、タッチセンサ51またはタッチセンサ57を触らなければ、(スイッチ操作をしなければ、)印加電圧(駆動量)も変わらないので、使用者が明瞭に、特定の視認対象物を視認している際に、他の外乱要素(例えば他の視認対象物が横切る)があっても、印加電圧(駆動量)が切り替わることがない。このため、視認対象物を安定的に視認することができ、しかも異なった距離にある複数の視認対象物を個別に視認することができる。
また、この可変焦点眼鏡11は、スイッチとして、タッチセンサを用いている。このため、指で触れるだけで、視認対象物を視認できることができ、操作性のよい可変焦点眼鏡を提供することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第1の実施形態で説明した液体式可変焦点眼鏡において、任意の距離にある視認対象物に、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L毎に、片側ずつ、焦点距離を合わせる実施例である。以下、焦点距離を合わせる手順について、説明する。任意の距離にある視認対象物に焦点距離を合わせるには、モード切換ボタン55を押して、任意モードにする。
任意モード時に、使用者が指でタッチセンサ51に触れると、制御部25に、所定の検出信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ51から指を離すと、検出信号の入力が停止される。その際、制御部25に検出信号が入力される毎に、右側のステッピングモータ35Rの軸35aが正転、逆転を交互に繰り返すように、制御部25が、右側のステッピングモータ35Rを制御する。タッチセンサ51に触れている間は、軸35aの正転または逆転が維持され、指を離すと、停止する。
同様に、任意モード時に、使用者が指でタッチセンサ57に触れると、制御部25に、所定の検出信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ57から指を離すと、検出信号の入力が停止される。その際、検出信号が入力される毎に、左側のステッピングモータ35Lの軸35aが正転、逆転を交互に繰り返すように、制御部25が、左側のステッピングモータ35Lを制御する。タッチセンサ57に触れている間は、軸35aの正転または逆転が維持され、指を離すと、停止する。
上述した操作により、使用者が、上述したタッチセンサ51、57に指で触れて、あるいは指を離して、右側の駆動部23R、左側の駆動部23Lを駆動させて、任意の距離にある視認対象物が最も明瞭に視認できるようにすることができる。
これによれば、使用者が明瞭に、任意の視認対象物を視認できるように、可変焦点レンズ15の焦点距離を変えることができる。この可変焦点眼鏡11は、タッチセンサにより、焦点距離を変えることができるために、従来例のように、いちいちダイアルを手動で回転させずともよい。その結果、焦点調整の煩わしさを解消することができる可変焦点眼鏡を提供することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第2の実施形態で説明した電圧印加式可変焦点眼鏡において、任意の距離にある視認対象物に、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L毎に、片側ずつ、焦点距離を合わせる実施例である。以下、焦点距離を合わせる手順について、説明する。任意の距離にある視認対象物に焦点距離を合わせるには、モード切換ボタン55を押して、任意モードにする。
任意モード時に、使用者が指でタッチセンサ51に触れると、制御部25に、所定の検出信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ51から指を離すと、検出信号の入力が停止される。その際、検出信号が入力される毎に、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に印加する印加電圧が、交互に、増加、減少を繰り返すように、制御部25が、右側の駆動部23Rを制御する。タッチセンサ51に触れている間は、印加電圧の増加、減少が維持され、指を離すと、停止する。
同様に、任意モード時に、使用者が指でタッチセンサ57に触れると、制御部25に、所定の検出信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ57から指を離すと、検出信号の入力が停止される。その際、検出信号が入力される毎に、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に印加する印加電圧が、交互に、増加、減少を繰り返すように、制御部25が、左側の駆動部23Lを制御する。タッチセンサ57に触れている間は、印加電圧の増加、減少が維持され、指を離すと、停止する。
上述した操作により、使用者が、上述したタッチセンサ51、57に指で触れて、あるいは指を離して、右側の駆動部23R、左側の駆動部23Lを駆動させて、任意の距離にある視認対象物が最も明瞭に視認できるようにすることができる。
これによれば、任意モードで使用する場合、使用者が明瞭に、任意の視認対象物を視認できるように、可変焦点レンズ15の焦点距離を変えることができる。この可変焦点眼鏡11は、タッチセンサにより、焦点距離を変えることができるために、従来例のように、いちいちダイアルを手動で回転させずともよい。その結果、焦点調整の煩わしさを解消することができる可変焦点眼鏡を提供することができる。
(第5の実施形態)
第3の実施形態では、任意の距離にある視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L毎に、片側ずつ、焦点距離を合わせたが、第5の実施形態では、任意の距離にある視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を、同時に合わせるようにした。焦点距離を同時に合わせるには、事前に、教示を行う。教示は、2点教示、3点教示、多点教示のいずれであってもよいが、ここでは、第1の実施形態で説明した2点教示を行うものとする。教示する2点として、第1の距離(眼鏡フレーム13から視認対象物OB1までの距離L1=30cm)にある視認対象物OB1、第2の距離(可変焦点眼鏡11から視認対象物OB2までの距離L2=100cm)にある視認対象物OB2を想定する。また、任意の視認対象物OB3は、一例として、上述した視認対象物OB1と、視認対象物OB2の中間点(眼鏡フレーム13から任意の視認対象物までの距離L3=65cm)にあるものと仮定して説明する。(図1参照)
教示を行うと、第1の距離にある視認対象物OB1が明確に見える際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数N1、左側のステッピングモータ35Lのパルス数N3と、第2の距離にある視認対象物OB2が明確に見える際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数N2、左側のステッピングモータ35Lのパルス数N4とが、記憶部63に記憶される。2点教示を行った後、モード切換ボタン55を押して、任意モードにする。
任意モードにおいて、任意の視認対象物に焦点距離を合わせるには、使用者がタッチセンサ51、タッチセンサ57を操作して、焦点距離を合わせる操作を行う。タッチセンサ51を押すと、焦点距離が次第に長くなるように、また、タッチセンサ57を押すと、焦点距離が次第に短くなるように、制御部25が右側のステッピングモータ35Rの駆動量、左側のステッピングモータ35Lの駆動量を制御する。
ところで、任意の視認対象物OB3を明確に見られる際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数NR、左側のステッピングモータ35Lのパルス数NLを得るには、一定の計算式を用いる。この計算式は、可変焦点レンズのレンズ形状、駆動部の制御方法などによって異なるので、個々の可変焦点眼鏡に最も適した計算式が用いられる。
第5の実施形態では、ステッピングモータの駆動量と、視認対象物までの距離とからなる計算式を用いるものとし、一例として、(式1)、(式2)を適用する。(式1)は、(x1,y1)=(距離L1,パルス数N1)、(x2,y2)=(距離L2,パルス数N2)を通過する計算式である。(式2)は、(x1,y1)=(距離L1,パルス数N3)、(x2,y2)=(距離L2,パルス数N4)を通過する計算式である。(式1)、(式2)の計算式を、図12に示す。
(式1) NR=a1×(Ln−L1)+N1
(式2) NL=a2×(Ln−L1)+N3
(式1)におけるa1は、右側のステッピングモータ35Rに対する単位距離当たりのパルス数増分である。(式2)におけるa2は、左側のステッピングモータ35Lに対する単位距離当たりのパルス数増分である。(式1)におけるa1、(式2)におけるa2は、(式3)、(式4)により算出される。
(式3) a1=(N2−N1)/(L2−L1)
(式4) a2=(N4−N3)/(L2−L1)
上述した(式1)、(式2)に、(式3)、(式4)を、それぞれ、代入すると、(式5)、(式6)を得ることができる。
(式5) NR=(N2−N1)×(Ln−L1)/(L2−L1)+N1
(式6) NL=(N4−N3)×(Ln−L1)/(L2−L1)+N3
ただし、
NR:任意の視認対象物OB3を、明瞭に視認できる際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数(パルス)
NL:任意の視認対象物OB3を、明瞭に視認できる際の、左側のステッピングモータ35Lのパルス数(パルス)
N1:第1の距離にある視認対象物OB1を、明瞭に視認できる際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数(パルス)
N2:第2の距離にある視認対象物OB2を、明瞭に視認できる際の、右側のステッピングモータ35Rのパルス数(パルス)
N3:第1の距離にある視認対象物OB1を、明瞭に視認できる際の、左側のステッピングモータ35Lのパルス数(パルス)
N4:第2の距離にある視認対象物OB2を、明瞭に視認できる際の、左側のステッピングモータ35Lのパルス数(パルス)
Ln:任意の視認対象物OB3までの距離(cm)
L1:第1の距離にある視認対象物OB1までの距離(cm)
L2:第2の距離にある視認対象物OB2までの距離(cm)
作動について、説明する。任意の視認対象物OB3よりも、手前側(視認対象物OB1側)に焦点距離が合っている状態で、使用者がタッチセンサ51を操作すると、焦点距離が次第に長くなる。この際、制御部25が、上記計算式に基づき、焦点距離に応じたパルス数NR、NLとなるように、右側のステッピングモータ35R、左側のステッピングモータ35Lを、同時に制御する。そして、任意の距離にある視認対象物OB3に、焦点距離が合うと、使用者は、任意の視認対象物OB3を、明瞭に、視認することができる。
因みに、距離L1=30cm、L2=100cm、Ln=65cm、N1=600パルス、N2=2000パルスとすると、右側のステッピングモータ35Rのパルス数NRは、1300パルスとなる。
また、距離L1=30cm、L2=100cm、Ln=65cm、N3=700パルス、N4=2400パルスとすると、左側のステッピングモータ35Lのパルス数NLは、1550パルスとなる。
なお、任意の視認対象物OB3よりも、奥側(視認対象物OB2側)に焦点距離が合っている状態で、タッチセンサ57を押して、焦点距離が、次第に短くなるようにしても、任意の視認対象物OB3に焦点距離が合うようにできる。詳細な説明は、省略する。
上述した例では、計算式において、パルス数N1、パルス数N2、パルス数N3、パルス数N4を用いたが、これに代えて、パルス数N1から換算される回転量Rev1、パルス数N2から換算される回転量Rev2、パルス数N3から換算される回転量Rev3、パルス数N4から換算される回転量Rev4の各回転量を用いてもよい。
これによれば、使用者が、任意の視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15Rの焦点距離、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を、同時に合わせることができるため、任意の視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を、片側ずつ合わせる必要がない。その結果、焦点調整の煩わしさを解消することができる可変焦点眼鏡を提供することができる。
(第6の実施形態)
第4の実施形態では、任意の距離にある視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15L毎に、片側ずつ、焦点距離を合わせたが、第6の実施形態では、任意の距離にある視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を、同時に合わせるようにした。焦点距離を同時に合わせるには、事前に、教示を行う。教示は、2点教示、3点教示、多点教示のいずれであってもよいが、ここでは、第2の実施形態で説明した2点教示を行うものとする。教示する2点として、第1の距離(眼鏡フレーム13から視認対象物OB1までの距離L1=30cm)にある視認対象物OB1、第2の距離(可変焦点眼鏡11から視認対象物OB2までの距離L2=100cm)にある視認対象物OB2を想定する。また、任意の視認対象物OB3は、一例として、上述した視認対象物OB1と、視認対象物OB2の中間点(眼鏡フレーム13から任意の視認対象物までの距離L3=65cm)にあるものと仮定して説明する。(図13参照)
教示を行うと、第1の距離にある視認対象物OB1が明確に見える際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧V1、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧V3と、第2の距離にある視認対象物OB2が明確に見える際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧V2、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧V4とが、記憶部63に記憶される。2点教示を行った後、モード切換ボタン55を押して、任意モードにする。
任意モードにおいて、任意の視認対象物に焦点距離を合わせるには、使用者がタッチセンサ51、タッチセンサ57を操作して、焦点距離を合わせる操作を行う。タッチセンサ51を押すと、焦点距離が次第に長くなるように、また、タッチセンサ57を押すと、焦点距離が次第に短くなるように、制御部25が、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧を制御する。
ところで、任意の視認対象物OB3を明確に見られる際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧VR、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧VLを得るには、一定の計算式を用いる。この計算式は、可変焦点レンズのレンズ形状、駆動部の制御方法などによって異なるので、個々の可変焦点眼鏡に最も適した計算式が用いられる。
第6の実施形態では、可変焦点レンズの液晶素子に対する印加電圧と、視認対象物までの距離とからなる計算式を用いるものとし、一例として、(式1)、(式2)を適用する。(式1)は、(x1,y1)=(距離L1,印加電圧V1)、(x2,y2)=(距離L2,印加電圧V2)を通過する計算式である。(式2)は、(x1,y1)=(距離L1,印加電圧V3)、(x2,y2)=(距離L2,印加電圧V4)を通過する計算式である。(式1)、(式2)の計算式を、図13に示す。
(式1) VR=a1×(Ln−L1)+V1
(式2) VL=a2×(Ln−L1)+V3
(式1)におけるa1は、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する単位距離当たりの印加電圧増分である。(式2)におけるa2は、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する単位距離当たりの印加電圧増分である。(式1)におけるa1、(式2)におけるa2は、(式3)、(式4)により算出される。
(式3) a1=(V2−V1)/(L2−L1)
(式4) a2=(V4−V3)/(L2−L1)
上述した(式1)、(式2)に、(式3)、(式4)を、それぞれ、代入すると、(式5)、(式6)を得ることができる。
(式5) VR=(V2−V1)×(Ln−L1)/(L2−L1)+V1
(式6) VL=(V4−V3)×(Ln−L1)/(L2−L1)+V3
ただし、
VR:任意の視認対象物OB3を、明瞭に視認できる際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧(ボルト)
VL:任意の視認対象物OB3を、明瞭に視認できる際の、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧(ボルト)
V1:第1の距離にある視認対象物OB1を、明瞭に視認できる際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧(ボルト)
V2:第2の距離にある視認対象物OB2を、明瞭に視認できる際の、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧(ボルト)
V3:第1の距離にある視認対象物OB1を、明瞭に視認できる際の、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧(ボルト)
V4:第2の距離にある視認対象物OB2を、明瞭に視認できる際の、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧(ボルト)
Ln:任意の視認対象物OB3までの距離(cm)
L1:第1の距離にある視認対象物OB1までの距離(cm)
L2:第2の距離にある視認対象物OB2までの距離(cm)
作動について、説明する。任意の視認対象物OB3よりも、手前側(視認対象物OB1側)に焦点距離が合っている状態で、使用者がタッチセンサ51を操作すると、焦点距離が次第に長くなる。この際、制御部25が、上記計算式に基づき、焦点距離に応じた印加電圧VR、VLとなるように、右側の可変焦点レンズ15Rの液晶素子に対する印加電圧、左側の可変焦点レンズ15Lの液晶素子に対する印加電圧を、同時に制御する。そして、任意の距離にある視認対象物OB3に、焦点距離が合うと、使用者は、任意の視認対象物OB3を、明瞭に、視認することができる。
なお、任意の視認対象物OB3よりも、奥側(視認対象物OB2側)に焦点距離が合っている状態で、タッチセンサ57を押して、焦点距離が、次第に短くなるようにしても、任意の視認対象物OB3に焦点距離が合うようにできる。詳細な説明は、省略する。
これによれば、使用者が、任意の視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15Rの焦点距離、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を、同時に合わせることができるため、任意の視認対象物に対し、右側の可変焦点レンズ15R、左側の可変焦点レンズ15Lの焦点距離を、片側ずつ合わせる必要がない。その結果、焦点調整の煩わしさを解消することができる可変焦点眼鏡を提供することができる。
(第7の実施形態)
第1実施形態では、ピストン、送りねじ軸、ステッピングモータを用いた回転−直線運動変換機構としたが、ラック・アンド・ピニオン機構としてもよい。なお、図1と同様の部分については、同じ番号を付し、詳細な説明は省略する。
以下、左側のテンプル19Lに設けられる駆動部23Lについて説明する。右側のテンプル19に設けられる駆動部23Rについては、左側のテンプル19Lに設けられる駆動部23Lと同様であるために、詳細な説明を省略する。図14は、左側のフロントおよびテンプル19の拡大図である。図15は、図14のF−F断面図である。図16は、図14のG−G断面図である。図14に示すように、駆動部81は、ピストン83、歯車85、ステッピングモータ35を備えている。
テンプル19には、内径部19aが形成されており、この内径部19aに、ピストン83が内蔵されている。内径部19aのうち、少なくとも、ピストン83が摺動する部分は、円筒状に形成されており、ピストン83と内径部19aとで、透明液体21を貯留する貯留室37が形成される。ピストン83には、歯切り部83aが形成されており、歯車85が噛み合っている。つまり、ピストン83と、歯車85とで、ラック・アンド・ピニオン機構が構成され、ラックに相当する部分がピストン83であるために、駆動部を小型化することができる。
歯車85の内径部85aには、ステッピングモータ35の軸35aが圧入されており、軸35aが回転すると、ピストン31が軸方向に移動する。ステッピングモータ35の軸35aが軸35a側の反対側から軸35aの方向に見て時計方向に回転すると、ピストン31が、図14に示すD方向に移動する。この際、貯留室37に貯留された透明液体21が、連通路13a、孔部15fを経由して、空間15e側に移動する。空間15e側に透明液体21が流入すると、可変焦点レンズ15が厚さ方向に膨らんで、屈折率を高くすることができる(焦点距離を短くすることができる)。
また、ステッピングモータ35の軸35aが、軸35a側の反対側から軸35aの方向に見て反時計方向に回転すると、ピストン31が、図14に示すE方向に移動する。この際、空間15eに貯留された透明液体21が、孔部15f、連通路13aを経由して、貯留室37側に移動する。貯留室37側に透明液体21が移動すると、可変焦点レンズ15が厚さ方向に縮んで、屈折率を低くすることができる(焦点距離を長くすることができる)。
上記構成によれば、焦点調整の煩わしさを解消することができる可変焦点眼鏡を提供することができる。また、駆動部を小型化することができるので、可変焦点眼鏡11をコンパクトに構成できる。
(第8の実施形態)
上述した各実施形態では、制御部、電源供給部、操作部を、眼鏡フレームに内蔵したが、制御部、電源供給部、操作部を眼鏡フレームと別体に設けてもよい。図17に示すように、リモートコントローラ87を設け、眼鏡フレーム13とリモートコントローラ87とを、信号線を含む電源ケーブル89で接続する構成とした。リモートコントローラ87には、制御部25、電源供給部27、操作部91が設けられる。なお、駆動部、制御部(図9の番号25)は、第1の実施形態と同様の構成であるものとして、説明する。
電源供給部27は、制御部25に電力を供給し、かつ駆動部23を駆動する。電源ケーブル89は、上述したように、信号先を含む電源ケーブルであり、伸び縮みできるように、らせん状に形成されている。また、操作部91は、液晶画面を用いたタッチパネルとした。操作部91は、第1の実施形態で説明した操作部47に相当し、第1の実施形態で説明した各種事前設定、モード切換等を行うことができる。
上記構成によれば、制御部25、電源供給部27、操作部91を眼鏡フレームと別体に設けたので、制御部、電源供給部、操作部の全てを眼鏡フレームに搭載する場合に比べて、眼鏡フレームの重量を軽くすることができ、掛け心地のよい可変焦点眼鏡を提供することができる。
(第9の実施形態)
第2の実施形態では、眼鏡フレームと操作ユニットとを、信号線を含む電源ケーブルで接続する構成としたが、眼鏡フレームと操作ユニットとの間で発生する制御を無線通信するようにしてもよい。図18に示すように、眼鏡フレーム13には、制御部25、電源供給部27、無線通信部93が設けられている。また、リモートコントローラ87には、操作部91、無線通信部95、電源供給部103が設けられている。無線通信部93、無線通信部95を介して、双方向に通信することができる。
リモートコントローラ87に設けられた操作部91を操作すると、所定の無線信号が、無線通信部93から無線通信部95を経由して、制御部25に送信される。また、制御部25から出力される信号が、無線通信部95から無線通信部93を経由して、リモートコントローラ87に無線送信される。
これによれば、操作部91がリモートコントローラ87に設けられており、しかも眼鏡フレーム13と、リモートコントローラ87との間で行われる通信が、無線通信であるために、リモートコントローラ87を自由に配置して使用することができる。その結果、操作性のよい可変焦点眼鏡、利便性の高い可変焦点眼鏡を提供することができる。なお、リモートコントローラ87を腕、手首に装着できる腕輪型のコントローラにすると、さらに操作性、利便性が向上する。
(第10の実施形態)
第1の実施形態では、ステッピングモータを用いたが、DCモータを用いてもよい。図19に示すように、DCモータ97の回転軸97aには、外周の一部に切り欠き部99aが形成された円板99が固定されており、回転軸97aが回転すると、円板99が一体となって回転する。センサ101は、円板99の切り欠き部99aを検出することができるので、制御部は、所定の距離にある視認対象物が明瞭に視認できる場合の、回転量(駆動量)を得ることができる。そして、DCモータ97を、この回転量(駆動量)分だけ作動させれば、所定の距離にある視認対象物が明瞭に視認できる。センサ101の替わりに、エンコーダを用いてもよい。この他、駆動部の駆動体として、サーボモータ、リニアモータなどであってもよい。
(第11の実施形態)
上述した液体式可変焦点眼鏡が、視認対象物までの距離を測定する距離測定手段(例えば、測距センサ、光電センサなど)を備え、この距離測定手段により測定された距離に応じて、焦点距離を変更する液体式可変焦点眼鏡であってもよい。図20に、距離測定手段45を備えた可変焦点眼鏡11の平面断面図を示す。なお、上述した距離測定手段に代え、所定の視認対象物の有無を検出する視認対象物検出手段(例えば、光電センサなど)が設けられていてもよい。
(第12の実施形態)
上述した電圧印加式可変焦点眼鏡が、第11の実施形態と同様に、視認対象物までの距離を測定する距離測定手段(例えば、測距センサ、光電センサなど)を備え、この距離測定手段により測定された距離に応じて、焦点距離を変更する電圧印加式可変焦点眼鏡であってもよい。なお、上述した距離測定手段に代え、所定の視認対象物の有無を検出する視認対象物検出手段(例えば、光電センサなど)が設けられていてもよい。
(その他の実施形態)
第1の実施形態では、駆動量検出手段として、ロータリエンコーダを用いたが、これに限定されるものではない。例えば、アナログ出力を行うポテンショメータ、レゾルバを用いてもよい。また、駆動部の特定の位置、例えば第1の実施形態で説明したピストンの移動量をセンサ、リニアエンコーダ等で検出するようにしてもよい。この場合、ピストンの移動量が駆動量であり、センサ、リニアエンコーダ等が、駆動量検出手段となる。
第1の実施形態では、ステッピングモータを用いてピストンを制御したが、ポンプを用いて、ピストンを制御してもよい。この場合、ピストンの可動量(駆動量)を検出する可動量検出手段(例えば、リニアセンサ)を設けると、バルブで制御する方式と比較して、透明液体を精密に制御することができる。また、特許文献1の可変焦点眼鏡に記載されているリザーバに設けられたダイアルを駆動する駆動部を設け、この駆動部を自動制御するようにしてもよい。
また、第5の実施形態で説明したパルス数NR、NLを求めるための計算式は、種々あり、これに限定されるものではない。
また、第6の実施形態で説明した印加電圧VR、VLを求めるための計算式は、種々あり、これに限定されるものではない。
また、第8の実施形態では、制御部、電源供給部、操作部を眼鏡フレームと別体に設けたが、制御部、電源供給部、操作部の少なくとも1つを、眼鏡フレームと別体に設けてもよい。
また、第8の形態では、制御部25、電源供給部27、操作部91を眼鏡フレーム13と別体にしたが、さらに駆動部23を、眼鏡フレーム13と別体に設けてもよい。また、別体にした制御部25、電源供給部27、操作部91、駆動部23をリモートコントローラ87に設けてもよい。この場合、例えば、図17に示すリモートコントローラ87に駆動部23を内蔵させ、眼鏡フレーム13側へと接続される配管を、電源ケーブル89と、一体に設けるとよい。眼鏡フレーム13の内部には、可変焦点レンズ15に繋がる配管路が形成される。
また、第8の実施形態は、液体式可変焦点レンズの変形例であるが、上述した電圧印加式可変焦点眼鏡に同様の構成を適用して、眼鏡フレーム13とリモートコントローラとを、信号線を含む電源ケーブルで接続する構成としてもよい。リモートコントローラには、制御部、電源供給部、操作部が設けられる。なお、制御部、電源供給部、操作部の少なくとも1つを、眼鏡フレームと別体に設けてもよい。また、上述した電圧印加式可変焦点眼鏡において、駆動部をリモートコントローラに設けてもよい。
また、第9の実施形態では、制御部25を眼鏡フレーム13に設けたが、制御部25を、リモートコントローラ87に設けてもよい。
また、第9の実施形態は、液体式可変焦点レンズの変形例であるが、上述した電圧印加式可変焦点眼鏡に同様の構成を適用して、眼鏡フレームと操作ユニットとの間で発生する制御を無線通信するようにしてもよい。なお、制御部を、リモートコントローラに設けてもよい。また、駆動部をリモートコントローラに設けてもよい。
また、上述した電圧印加式可変焦点眼鏡は、電圧を印加することにより焦点距離を可変する可変焦点眼鏡であればよく、上述した液晶式の可変焦点眼鏡に限定されない。例えば、レンズホルダー(容器)内に所定の可撓膜を隔てて、導電性液体と、絶縁性流体とを封入し、導電性液体に印加電圧を印加させて、界面を変化させ、焦点距離を変更する可変焦点眼鏡(オランダ:フィリップス エレクトロニックス社)、電子ウェッティング現象の原理を利用したレンズを用いた電子眼鏡(フランス:バリオプティック社)であってもよい。また、印加電圧をかけることで、レンズに外力を加え、レンズ厚を変化させ、焦点距離を変更する可変焦点眼鏡であってもよい。
また、第1の実施形態、第2の実施形態における3点教示後の操作手順において、タッチセンサを操作することによって、駆動量を変更する順番は、適宜変更可能である。
なお、本願発明は、上記実施例のみに限定されるものではなく、請求項の範囲に記載された技術的思想の中で、自由に変形が可能である。
11…可変焦点眼鏡
13…眼鏡フレーム
15、15R、15L…可変焦点レンズ
17…フロント
19、19R、19L…テンプル
21…透明液体
23、23R、23L…駆動部
25…制御部
27…電源供給部
31…ピストン
33…送りねじ軸
35、35R、35L…ステッピングモータ
37…貯留室
39…ロータリエンコーダ
41…(欠番)
43…(欠番)
47…操作部
49…電源スイッチ
51…タッチセンサ
53…教示ボタン
55…モード切換ボタン
57…タッチセンサ
59…登録ボタン

Claims (8)

  1. 焦点距離を変化させることができる可変焦点レンズを備えた可変焦点眼鏡において;
    前記可変焦点レンズ毎に設けられ、前記可変焦点レンズの焦点距離を変化させる駆動部と、
    前記駆動部を制御する制御部と、
    所定のスイッチと、
    を備えており、
    前記スイッチに対して所定の操作をした場合には、前記駆動部の駆動量が、前記スイッチの操作によって指定される、前記可変焦点レンズ毎に記憶された、所定の距離にある視認対象物を前記可変焦点眼鏡の使用者が明瞭に視認できる際の駆動量となるように、前記制御部が前記駆動部を個別に制御することを特徴とする可変焦点眼鏡。
  2. 前記所定の距離にある視認対象物を明瞭に視認できる際の駆動量が、前記可変焦点レンズ毎に、前記使用者により教示された駆動量であることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点眼鏡。
  3. 前記可変焦点レンズが、液体の出し入れによって焦点距離を変化させることができる可変焦点レンズであり、
    前記駆動部が、前記液体を出し入れして前記可変焦点レンズの焦点距離を変化させる駆動部であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可変焦点眼鏡。
  4. 前記可変焦点レンズに、前記液体が出し入れされる内部空間が形成されており、
    前記駆動部が;
    前記内部空間につながる内径部に設けられ、可動することにより、前記液体を出し入れして前記可変焦点レンズの焦点距離を変化させるピストンと、
    ステッピングモータ、サーボモータ、所定の距離にある視認対象物が明瞭に視認できる場合の駆動量に制御可能なDCモータのうち、いずれかのモータと、
    を備えており、
    前記制御部が前記モータを個別に駆動することにより、前記ピストンを可動させることを特徴とする請求項3に記載の可変焦点眼鏡。
  5. 前記可変焦点レンズが、印加電圧の増減によって焦点距離を変化させることができる可変焦点レンズであり、
    前記駆動部が、前記印加電圧を増減して前記可変焦点レンズの焦点距離を変化させる駆動部であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可変焦点眼鏡。
  6. 前記スイッチに対し所定の操作をした場合には、前記可変焦点レンズ毎に事前に教示された、所定の距離にある視認対象物を明瞭に視認できる際の駆動量から、任意の距離にある視認対象物までの距離に応じた、前記駆動部に対する駆動量を、前記可変焦点レンズ毎に算出し、
    前記駆動部に対する駆動量が算出された駆動量となるように、前記制御部が前記駆動部を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の可変焦点眼鏡。
  7. 前記駆動部、前記駆動部を操作する操作部、前記制御部、前記駆動部および制御部に電源を供給する電源供給部のうち、少なくとも前記操作部が、前記可変焦点レンズを保持する眼鏡フレームと別体に設けられるリモートコントローラに設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の可変焦点眼鏡。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1つの可変焦点眼鏡が、前記視認対象物までの距離を測定する距離測定手段、前記視認対象物の有無を検出する視認対象物検出手段のいずれか1つを備えていることを特徴とする可変焦点眼鏡。
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