JP2014038225A - 露光方法及び露光装置、並びにフラットパネルディスプレイの製造方法及びデバイス製造方法 - Google Patents

露光方法及び露光装置、並びにフラットパネルディスプレイの製造方法及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板保持部材の小型化が可能で、かつ大型基板に対する多面取りの露光を支障なく行う露光装置を提供する。
【解決手段】 液晶露光装置10は、照明光ILによりマスクMを介して基板Pを露光し、基板P上の複数の領域のそれぞれにマスクMに形成されたパターンを転写する。露光装置10は、マスクMを保持するマスクホルダ14と、基板Pの一部を水平面に平行に保持する基板ホルダ30と、基板Pに対して、マスクMを介した照明光ILを水平面内の一軸方向(X軸方向)に走査するビーム走査装置と、基板ホルダ30に対して基板Pを、水平面内の3自由度方向のうちの少なくとも一方向に駆動する基板Xステップ送り装置76と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、露光方法及び露光装置、並びにフラットパネルディスプレイの製造方法及びデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、エネルギビームによりマスクを介して物体を露光し、前記物体上の複数の領域のそれぞれにマスクのパターンを転写する露光方法及び露光装置、並びに前記露光方法又は露光装置を用いるフラットパネルディスプレイの製造方法及びデバイス製造方法に関する。
従来、液晶表示素子、半導体素子(集積回路等)等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、主として、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが用いられている。
近年、露光装置の露光対象物である基板、特に液晶表示素子用の基板(矩形のガラス基板)は、そのサイズが大型化する傾向にあり、これに伴い該基板を保持する基板保持部材も大型化し、その重量も増大している。かかるステージの大型化に対処することを目的とした露光装置を、発明者は先に提案した(例えば、特許文献1参照)。
ここで、上記特許文献1に開示される露光装置を含み、従来の露光装置では、基板を保持する基板保持部材を水平面に沿って所定の長ストロークで案内する基板ステージを備えていた。特に、スキャナの場合、マスクを保持して移動するマスクステージをも備えていた。
ところで、露光装置は、マイクロデバイスの量産のための装置であることから、高精度かつ高スループットであることが必然的に要請される。しかるに、基板ステージが大きくなるに連れ、基板ステージを駆動するための駆動力の増加、基板ステージの位置決め精度の悪化、及び大型の基板保持部材を全面に渡って平面度良く仕上げることが困難になるなど、特に露光精度の低下が懸念されるようになってきた。かかる背景下で、基板ステージを小型化が可能で、かつ大型基板に対する多面取りの露光(複数ショット領域の露光)を支障なく行うことができる新技術の出現が待望されていた。
米国特許出願公開第2010/0018950号明細書
本発明の第1の態様によれば、エネルギビームによりマスクを介して物体を露光し、前記物体上の複数の領域のそれぞれに前記マスクに形成されたパターンを転写する露光方法であって、物体保持部材の水平面に平行な物体載置面上に前記物体の第1の領域を含む第1部分を載置し、前記物体を実質的に静止した状態で、前記マスクを介した前記エネルギビームを前記水平面内の一軸方向に走査して、前記物体上の前記第1の領域に前記パターンを少なくとも1つ転写することと、前記物体を前記物体保持部材に対して前記水平面内で移動させ、前記物体上の第2の領域を含む前記物体の第2部分を前記物体保持部材の前記物体載置面上に載置することと、前記第2部分が前記物体載置面上に載置された前記物体を実質的に静止した状態で、前記マスクを介した前記エネルギビームを前記水平面内の一軸方向に走査して、前記物体上の前記第2の領域に前記パターンを少なくとも1つ転写することと、を含む露光方法が、提供される。
これによれば、物体を実質的に静止した状態で露光が行われ、物体上の各領域にマスクのパターンがそれぞれ転写されるので、物体を保持する物体保持部材を長ストロークで駆動するためのステージが不要になる。また、物体を物体保持部材に対して水平面内で移動させて、物体の露光対象の領域を、物体保持部材の物体載置面上に載置するので、物体保持部材は、物体の露光対象の領域を所定位置に移動するいわゆるステッピング時にも、静止したままで良い。従って、物体保持部材として、例えば1回の露光で露光される物体上の領域と同程度のサイズの物体載置面を有する小型の物体保持部材を採用することが可能になる。また、マスクを介したエネルギビームを水平面内の一軸方向に走査することで、物体の露光が行われるので、物体が大型化しても、支障なく、その物体に対する露光、例えば多面取りの露光を行うことが可能になる。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様の露光方法により前記物体を露光することと、露光された前記物体を現像することと、を含むフラットパネルディスプレイの製造方法が、提供される。
本発明の第3の態様によれば、第1の態様の露光方法により前記物体を露光することと、前記物体を現像することと、を含むデバイス製造方法が、提供される。
本発明の第4の態様によれば、エネルギビームによりマスクを介して物体を露光し、前記物体上の複数の領域のそれぞれに前記マスクに形成されたパターンを転写する露光装置であって、前記マスクを保持するマスク保持部材と、前記物体の一部を水平面に平行に保持する物体保持部材と、前記物体に対して、前記マスクを介した前記エネルギビームを前記水平面内の一軸方向に走査するビーム走査装置と、前記物体保持部材に対して前記物体を、前記水平面内の3自由度方向のうちの少なくとも一方向に駆動する駆動系と、を備える露光装置が、提供される。
これによれば、ビーム走査装置により、物体に対して、マスクを介したエネルギビームが水平面内の一軸方向に走査され、物体を実質的に静止した状態で露光が行われ、物体上の各領域にマスクのパターンがそれぞれ転写される。これにより、物体を保持する物体保持部材を長ストロークで駆動するためのステージが不要になる。また、駆動系により、物体保持部材に対して物体が、水平面内の3自由度方向のうちの少なくとも一方向に駆動されるので、物体を物体保持部材に対して水平面内で移動させて、物体の露光対象の領域を、物体保持部材の物体載置面上に載置することが可能になる。すなわち、物体保持部材は、物体の露光対象の領域を所定位置に移動するいわゆるステッピング時にも、静止したままで良くなる。従って、物体保持部材として、例えば1回の露光で露光される物体上の領域と同程度のサイズの物体載置面を有する小型の物体保持部材を採用することが可能になる。また、物体が大型化しても、支障なく、その物体に対する露光、例えば多面取りの露光を行うことが可能になる。
本発明の第5の態様によれば、第4の態様の露光装置により前記物体を露光することと、露光された前記物体を現像することと、を含むフラットパネルディスプレイの製造方法が、提供される。
本発明の第6の態様によれば、第4の態様の露光装置により前記物体を露光することと、露光された前記物体を現像することと、を含むデバイス製造方法が、提供される。
第1の実施形態に係る液晶露光装置の構成を概略的に示す図である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための斜視図(その1)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための斜視図(その2)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための斜視図(その3)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための斜視図(その4)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための斜視図(その5)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための側面図(その1)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための側面図(その2)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための側面図(その3)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための側面図(その4)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための側面図(その5)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その1)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その2)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その3)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その4)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その5)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その6)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その7)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その8)である。 第1の実施形態に係る液晶露光装置が備える主制御装置の入出力関係を基板ステージの動作系を中心に示すブロック図である。 第2の実施形態に係る液晶露光装置の構成を説明するための図、かつ基板の露光動作を説明するための平面図(その1)である。 第2の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その2)である。 第2の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その3)である。 第2の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その4)である。 第2の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その5)である。 第2の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その6)である。 第2の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その7)である。 第2の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その8)である。 第3の実施形態に係る液晶露光装置の構成を概略的に示す図である。 第3の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その1)である。 第3の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その2)である。 第3の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その3)である。 第3の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その4)である。 第4の実施形態に係る液晶露光装置の構成を説明するための図、かつ基板の露光動作を説明するための平面図(その1)である。 第4の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その2)である。 第4の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その3)である。 第4の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その4)である。 第4の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その5)である。 第4の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その6)である。 第4の実施形態の変形例に係る液晶露光装置の構成を説明するための図、かつ基板の露光動作を説明するための平面図(その1)である。 第4の実施形態の変形例に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その2)である。 第4の実施形態の変形例に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための平面図(その3)である。 第5の実施形態に係る液晶露光装置の構成を説明するための図、かつ基板の露光動作を説明するための斜視図(その1)である。 第5の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための斜視図(その2)である。 第5の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための斜視図(その3)である。 第5の実施形態に係る液晶露光装置で行われる基板の露光動作を説明するための斜視図(その4)である。 照明系と投影光学系とが機械的に分離した変形例に係る液晶露光装置の構成を概略的に示す図である。
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態について、図1〜図20に基づいて説明する。
図1には、第1の実施形態に係る液晶露光装置10の構成が概略的に示されている。液晶露光装置10は、例えば液晶表示装置(フラットパネルディスプレイ)などに用いられる矩形(角型)のガラス基板P(以下、単に基板Pと称する)を露光対象物とする投影露光装置である。
液晶露光装置10は、照明系12、回路パターンが形成されたマスクMを保持するマスクホルダ14、投影光学系16、基板テーブル25、基板テーブル25に支持され、表面(図1で+Z側を向いた面)にレジスト(感応剤)が塗布された基板Pを保持する基板ホルダ30、並びに照明系12、マスクホルダ14、投影光学系16、基板テーブル25等を支持する装置本体(ボディ)88、エア浮上ユニット70、基板ステップ送りシステム75、及び制御系等を有している。液晶露光装置10では、後述するように、マスクMと基板Pとが実質的に静止した状態で、照明系12及び投影光学系16が、同期して所定方向に走査されることで、基板Pの露光が行われ、基板P上にマスクMのパターンが転写される。以下、露光時に照明系12と投影光学系16とがマスクM及び基板Pに対してそれぞれ走査される方向をX軸方向とし、水平面内でX軸に直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
照明系12は、照明系ハウジング61、照明系ハウジング61内に収容された光源62(例えば、水銀ランプ)及び照明光学系64を有している。照明光学系64は、照明系ハウジング61内に所定の位置関係で収容された反射鏡、ダイクロイックミラー、シャッター、波長選択フィルタ、視野絞り、各種レンズなど(いずれも図示せず)を含む。照明系12は、光源62から発せられた光を各種レンズ系等及び視野絞りを介して所定の断面形状の光束に整形し、その光束を露光ビーム(照明光)ILとしてマスクMに照射する。照明光ILとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)などの光(あるいは、上記i線、g線、h線の合成光)が用いられる。照明系12を構成する光源62及び照明光学系64の詳細な構成例は、例えば米国特許第6,552,775号明細書などに開示されている。
照明系ハウジング61には、その高さ方向中央より幾分下方の外周に、平面視で矩形の輪郭を有するフランジ63が一体的に固定されている。
照明系12は、フランジ63を介して、装置本体88の一部を構成する一対の第1ガイド部82に、X軸方向に移動可能に支持されている。一対の第1ガイド部82のそれぞれとしては、所定長さでX軸方向に延びるYZ断面U字状の部材が用いられている。この場合、フランジ63のY軸方向の両端部には、コイルユニット(又は磁石ユニット)が内蔵され、一対の第1ガイド部82のそれぞれには、そのコイルユニット(又は磁石ユニット)とともに、一対のX軸リニアモータを構成する磁石ユニット(又はコイルユニット)が設けられている。この一対のX軸リニアモータにより、照明系12が走査方向(X軸方向)に所定の長ストロークで駆動される。以下、この一対のX軸リニアモータを照明系駆動系15(図1では不図示、図20参照)と称する。照明系12のX軸方向に関する位置情報(X位置情報)は、不図示のリニアエンコーダ又はレーザ干渉計等を含む照明系位置計測システム13(図20参照)により求められる。
マスクホルダ14は、平面視矩形の枠上部材から成り、所定の回路パターンが形成されたマスクMの下面の外周部の一部を、例えば真空吸着により保持している。マスクホルダ14は、一対の第1ガイド部82のそれぞれと、後述する一対の第2ガイド部86のそれぞれとを一体化する、一対の支持部材84相互間に水平に配置されている。マスクホルダ14は、一対の支持部材84に一体的に固定されている。
なお、マスクホルダ14は、平面視矩形の枠状部材のみならず、マスクM下面の外周部を複数箇所保持できれば良いので、それぞれが所定間隔離間した複数(例えば3つ)の棒状部材から成るマスク受け台としても良い。
投影光学系16は、マスクホルダ14の下方に配置されている。投影光学系16は、例えば特開平9−244255号公報の図3、図4及び図5に開示される結像光学系と同様の構成のマクロレンズアレイユニットから成り、等倍の正立像を形成する。投影光学系16は、一例として、平面視で(Z軸方向から見て)XY平面内に例えば米国特許第6,552,775号明細書に開示されている投影光学系と同様に千鳥状に配置された、複数、例えば5つの部分光学系によって構成されている。5つの部分光学系は、不図示のホルダに固定されることでユニット化され、これにより、全体の投影光学系16が、単一のユニットとして構成されている。
各部分光学系は、Z軸方向に沿って所定間隔でそれぞれXY平面に平行に(水平に)配置された上下4段の平板マクロレンズアレイ(以下、第1、第2、第3及び第4マクロレンズアレイ(MLA)と呼ぶ)と、最上段に位置する第1MLAとその次の段に位置する第2MLAとの間、及び最下段に位置する第4MLAとその次の段に位置する第3MLAとの間に、それぞれ水平に配置された第1、第2の開口絞りアレイと、第2及び第3MLA相互間に水平に配置された視野絞りアレイと、を備え、これらの素子がホルダで一体化されて構成されている。これらの素子は、マスクM側から基板P側に向かって、第1MLA、第1開口絞りアレイ、第2MLA、視野絞りアレイ、第3MLA、第2開口絞りアレイ、及び第4MLAの順に配置されている。また、第1MLAと第3MLAは、それぞれの基板表面(MLAの各レンズエレメントが形成される基板の各レンズエレメントと反対側の面)を基板Pに向けて配置され、第2MLAと第4MLAは、その基板表面をマスクMに向けて配置されている。
各部分光学系は、第1MLAと第2MLAとからなる前段MLAによって、区域ごと倒立中間像が作られ、これを第3MLAと第4MLAとからなる後段MLAで再び結像することによって、等倍の正立像を得ている。各部分光学系は、両側テレセントリックな結像光学系である。
投影光学系16は、マスクMのパターン像の投影領域が例えば千鳥状に配置された複数、例えば5つの部分光学系を含み、Y軸方向を長手方向とする単一の長方形状(帯状)のイメージフィールドを持つ投影光学系と同等に機能する。以下では投影光学系16の千鳥状に配置された複数の投影領域をまとめて露光領域IAと呼ぶ。
投影光学系16は、外周部の高さ方向中央近傍に、平面視で矩形の輪郭を有するフランジ66が一体的に固定されている。
投影光学系16は、フランジ66を介して、装置本体88の一部を構成する一対の第2ガイド部86に、X軸方向に移動可能に支持されている。一対の第2ガイド部86のそれぞれとしては、所定長さでX軸方向に延びるYZ断面U字状の部材が用いられている。この場合、フランジ66のY軸方向の両端部には、コイルユニット(又は磁石ユニット)が内蔵され、一対の第2ガイド部86のそれぞれには、そのコイルユニット(又は磁石ユニット)とともに、一対のX軸リニアモータを構成する磁石ユニット(又はコイルユニット)が設けられている。この一対のX軸リニアモータにより、投影光学系16が走査方向(X軸方向)に所定の長ストロークで駆動される。以下、この一対のX軸リニアモータを投影光学系駆動系22(図1では不図示、図20参照)と称する。投影光学系16のX位置情報は、不図示のリニアエンコーダ又はレーザ干渉計等を含む投影光学系位置計測システム17(図20参照)により求められる。
液晶露光装置10では、照明系12からの照明光ILによってマスクM上の照明領域が照明されると、マスクMを通過した照明光ILにより、投影光学系16を介してその照明領域内のマスクMの回路パターンの投影像(部分正立像)が、投影光学系16の像面側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布された基板P上の照明領域に共役な照明光の照射領域(露光領域)IAに形成される。そして、照明系12と投影光学系16との同期駆動によって、マスクMに対して照明領域(照明光IL)を走査方向に移動させると共に、基板Pに対して露光領域IAを走査方向に相対移動させることで、基板P上の1つのショット領域の露光が行われ、そのショット領域にマスクMの回路パターンが転写される。
装置本体88は、図1に示されるように、床11上に設置された下部ボディ18と、下部ボディ18上に搭載された上部ボディ80とを含む。
下部ボディ18は、床11上にX軸方向に所定間隔で互いに平行にかつY軸方向を長手方向として配置された板状(又は棒状)部材から成る一対の架台18b(図1では紙面奥側の架台は18bは紙面手前側の架台18bの奥に隠れている)と、一対の架台18b上に一対のサイドフレーム18cを介して水平に支持された板状のフレーム18aと、を備えている。なお、架台18bは、2つに限らず、1つあるいは3つ以上設けられていても良い。
各架台18bは、複数の防振装置19を介して床11上に設置されている(図1参照)。一対のサイドフレーム18cは、それぞれの下端が一対の架台18b上面のY軸方向の一端部と他端部に接続されている。フレーム18aは、平面視において中央に照明光IL等が通過するための開口18dが形成された矩形の板部材から成り、一対のサイドフレーム18cにより一対の架台18b上でY軸方向の両端部が下方から支持されている。下部ボディ18は、複数の防振装置19を介してクリーンルームの床11上に設置されているので、装置本体88(及びマスクホルダ14、投影光学系16等)に対する床11からの振動の伝達が効果的に抑制されている。
上部ボディ80は、前述したそれぞれ一対の第1ガイド部82、支持部材84、第2ガイド部86とを含む。
一対の第1ガイド部82のそれぞれとしては、前述した如く、X軸方向を長手方向とするYZ断面U字状の部材が用いられている。一対の第1ガイド部82の互いに対向する面(Y軸方向の内側面)の高さ方向中央にはX軸方向に延びる両端が開口した溝82bが形成されている。一対の第1ガイド部82のそれぞれは、少なくとも照明系12のXストローク長とフランジ63のX軸方向長さとを加えたX軸方向の長さを有している。一対の第1ガイド部82の溝82b内には、照明系12に固定されたフランジ63のY軸方向の両端部が挿入され、これにより、照明系12が一対の第1ガイド部82に沿って移動可能に構成さている。照明系12は、不図示のXリニアガイド(ガイドとエアベアリングとから成る非接触式の低摩擦ガイドが望ましい)に沿って、照明系駆動系15を介して主制御装置50によってX軸方向に長ストロークで駆動される。
一対の支持部材84のそれぞれは、XY断面矩形の形状から成る。一対の支持部材84のそれぞれは、一対の第1ガイド部82それぞれに対応する位置に配置され、下方から第1ガイド部82を支持している。各支持部材84のX軸方向寸法は、照明系12が、照明系駆動系により駆動され、例えば+X側のストローク端(移動限界位置の近傍)に位置した際に、一対の第1ガイド部82に許容できないレベルの撓みが発生しないよう十分な剛性が確保できる長さに設定されている。
一対の第2ガイド部86のそれぞれは、第1ガイド部82と同様に構成されている。すなわち、一対の第2ガイド部86のそれぞれとしては、X軸方向を長手方向とする断面U字状の部材が用いられ、それぞれの対向面(Y軸方向内側面)の高さ方向中央にX軸方向に延びる、両端が開口した溝86bが形成されている。各第2ガイド部86は、少なくとも投影光学系16のXストローク長とフランジ66のX軸方向長さとを加えたX軸方向の長さを有している。一対の第2ガイド部86の溝86b内には、投影光学系16に固定されたフランジ66のY軸方向の両端部が挿入され、これにより、投影光学系16が一対の第2ガイド部86に沿って移動可能に構成さている。投影光学系16は、不図示のXリニアガイド(ガイドとエアベアリングとから成る非接触式の低摩擦ガイドが望ましい)に沿って、投影光学系駆動系22を介して主制御装置50によってX軸方向に長ストロークで駆動される。
基板テーブル25は、平面視矩形の板状部材から成る。基板テーブル25は、一対の架台18b上に載置され、マスクMの真下に、すなわちマスクMと上下に重なる位置に位置している。基板テーブル25は複数、例えば3つの楔式の上下動装置52を介して、基板ホルダ30を下方から支持している。
3つの上下動装置52は、それぞれ支持点において基板ホルダ30をZ軸方向に駆動することで、基板ホルダ30をZ軸方向、θx及びθy方向に駆動する。すなわち、3つの上下動装置52によって、基板ホルダ30のZ・レベリング駆動装置が構成される。3つの上下動装置52のそれぞれは、図1に簡略化して示されるように、基板テーブル25上面に沿ってスライド移動する側面視直角三角形状の楔部材から成る可動部材53と、可動部材53の斜面と基板ホルダ30の下面とに挟持された転動体54とを有している。各転動体54は、一例として、基板ホルダ30の下面に、例えば水平面内において可動部材53の移動方向に直交する軸回りに回動(回転)自在に不図示の支持部材を介して取り付けられた円柱状部材から成る。3つの可動部材53は、実際には、基板ホルダ30の中心にほぼ対応する同一の点を中心点として中心角120度を成す3本の直線にそれぞれ沿ってスライド可能に構成されている。3つの上下動装置52(3つの可動部材53)それぞれは、主制御装置50(図20参照)によって不図示の駆動系を介して、中心角120度の直線に沿って駆動され、これによって、転動体54のZ位置が変化することで、基板ホルダ30(基板P)のZ位置、及びθx,θy方向の位置が調整される。以下では、説明の便宜上、3つの上下動装置52を、纏めてZ・レベリング装置52と表記する。
基板ホルダ30は、XY平面に平行に配置された平面視矩形の板状部材から成り、その上面が平面度良く仕上げられている。基板ホルダ30としては、図2及び図12等からわかるように、X軸方向及びY軸方向の寸法が、それぞれ基板Pの1/2程度の物が用いられている。基板ホルダ30は、上面に基板Pを真空吸着保持するための不図示の微少な孔部が複数形成されている。すなわち、基板ホルダ30は、基板Pの一部を真空吸着することで、基板Pの一部の平面度を矯正することができる。また、基板ホルダ30は、上述の微小な孔部から高圧気体を噴出し、基板Pの一部を浮上支持(又は基板Pと基板ホルダ30との間の摩擦力を低減)することができる。
また、基板ホルダ30は、基板ホルダ駆動系27(図1では不図示、図20参照)により、基板テーブル25に対して、少なくとも水平面の3軸方向(X、Y、θz)に駆動可能な状態で基板テーブル25上にZ・レベリング装置52を介して支持されている。
液晶露光装置10は、さらに、基板ホルダ30(又は基板P)のマスクMに対する位置ずれ量を検出するためのアライメント検出系47(図1では不図示、図20参照)と、投影光学系16の基準位置から基板PまでのZ軸方向の距離を計測するフォーカス位置検出系48(図1及び図20参照)と、を備えている。ここで、基板Pの表面が投影光学系16の焦点位置に一致したときのフォーカス位置検出系48の計測値(基準値)を求めておくことで、以後は、フォーカス位置検出系48の計測結果と基準値との比較結果からデフォーカス量を求めることができる。なお、フォーカス位置検出系48は、投影光学系16の基準位置からマスク面までのZ軸方向の距離を計測するようにしても良い。
アライメント検出系47(図20参照)による計測結果は、主制御装置50(図20参照)に送られる。主制御装置50は、その計測結果に基づき、基板PとマスクMとが所定の位置関係になるよう、主に基板ホルダ駆動系27(図20参照)を介して基板ホルダ30(基板P)を基板テーブル25に対して、水平面内で駆動する。以下、上記のアライメント検出系47による基板ホルダ30(又は基板P)のマスクMに対する位置ずれ量の検出を基板のアライメント計測と呼び、これに加えてその結果に基づいて基板P上のショット領域のXY平面内の位置情報を求めるとともに基板ホルダ30(基板P)の位置の調整を行うことを、基板のアライメントと呼ぶ。
図1に戻り、フォーカス位置検出系48は、例えば投影光学系16に固定されたフランジ66の下面に複数(例えば3つ)固定されている。フォーカス位置検出系48による検出結果は、主制御装置50(図20参照)に送られる。主制御装置50は、その検出結果に基づいて、基板Pの表面が実質的に投影光学系16の焦点面に一致する(焦点深度の範囲内に位置する)よう、主にZ・レベリング装置52を介して基板ホルダ30(基板P)を駆動する。以下、フォーカス位置検出系48による検出結果に基づく、基板ホルダ30(基板P)の駆動動作を、合焦動作と呼ぶ。
なお、基板Pの厚さのばらつき、投影光学系16の走査方向と基板Pとの平行誤差及び投影光学系16の走査方向の真直度誤差等による基板Pに対する照明光IL(露光パターン)の焦点ずれを補正するため、前述のZ・レベリング装置52により、基板ホルダ30は、Z軸方向及び/又はチルト方向(θx、θy)に微小駆動される。そして、この場合のZ・レベリング装置52の制御は、予めフォーカス位置検出系48によって求めた複数個所での計測値(オフライン計測)にしたがって基板ホルダ30を随時駆動するオープン制御でも良いし、投影光学系16の走査中に常時駆動を行なうフィードバック制御でも良いし、あるいは、フィードバック制御にフィードフォワード制御を併用したものでも良い。
液晶露光装置10では、基板ホルダ30あるいは基板テーブル25には、複数の基準指標とCCDカメラが内蔵されており、投影光学系16を通してマスクMの指標と前記基準指標とを観察できるようになっていても良い。この場合において、例えば投影光学系16内の複数の部分光学系が個別に位置調整可能であれば、少なくとも1つの部分光学系を微少駆動して投影光学系16をキャリブレーションできるようになっていても良い。
エア浮上ユニット70は、平面視で基板ホルダ30の+X側、−X側、+Y側、−Y側それぞれに1つずつ配置されている。図1では、図面の錯綜を防止するため、基板ホルダ30の+Y側及び−Y側にそれぞれ位置するエア浮上ユニット70のみが示されている。なお、エア浮上ユニット70は、基板ホルダ30を取り囲む配置で複数、例えば8つ配置されていても良い。
各エア浮上ユニット70は、床11に固定され、平面視矩形の支持板(上面板)71aと支持板71aを床11上で水平に支持する複数の脚71bとを有するフレーム71と、支持板71aの上に設けられた複数のエアベアリング72と、を備えている。支持板71aは、基板ホルダ30とほぼ同じ面積を有している。エアベアリング72は、支持板71aの上に複数(例えば3行3列のマトリクス状の配置で9つ)設けられている。各エアベアリング72は、その上面が基板ホルダ30の上面とほぼ同じ高さになるよう設定されている。なお、フレーム71は、床11に固定されているが、これに限らず、下部ボディ18(架台18b)に固定されていても良い。
上述した複数のエアベアリング72は、多孔質体や機械的に複数の微小な穴を有するスラスト型のエアベアリング構造になっている。複数のエアベアリング72は、気体供給装置73(図20参照)からの加圧気体(例えば高圧空気)の供給により、基板Pの一部を浮上支持することができるようになっている。各エアベアリング72に対する気体供給装置73からの高圧空気の供給のオン・オフは、図20に示される主制御装置50によって制御される。ここで、図20では、作図の便宜上、単一の気体供給装置73が図示されているが、これに限らず、各エアベアリング72に対して個別に高圧空気を供給するエアベアリング72と同数の気体供給装置を用いても良いし、あるいは、複数のエアベアリング72ごと(例えば1つのエア浮上ユニット70が備える複数(例えば9個)のエアベアリング72ごと)に気体供給装置を設けても良い。図20では、これらの全てを代表して、単一の気体供給装置73が示されている。いずれにしても、主制御装置50によって、気体供給装置73からの各エア浮上ユニットに対する高圧空気の供給のオン・オフが制御される。
例えば、基板Pは、図12に示されるように、基板ホルダ30上に搬入され、露光動作が開始される直前に、基板Pの−X側の端面と基板ホルダ30の−X端面とがほぼ一致するよう位置決めされ(実際は基板Pの−X端面が幾分−X側に位置するよう位置決めされ)、かつ基板Pの−Y側の端面と基板ホルダ30の−Y端面とがほぼ一致するよう位置決めされる(実際は基板Pの−Y端面が幾分−Y側に位置するよう位置決めされる)。従って、基板Pの一部(この場合、−X側半部かつ−Y側半部、すなわち第3象限部分)が基板ホルダ30の基板載置面上に載置されると、基板Pの残りの部分、すなわち+X側半部かつ+Y側半部、すなわち第1象限部分、+X側半部かつ−Y側半部、すなわち第4象限部分、及び−X側半部かつ+Y側半部、すなわち第2象限部分が基板ホルダ30の+X側及び+Y側に張り出した状態となる。このとき、基板Pは、その第3象限部分の下面が基板ホルダ30に吸着保持され、第2象限部分及び第4象限部分が、それぞれが対向するエア浮上ユニット70により下方から非接触支持される。これにより、基板Pの自重による撓みが抑制される。この場合、4つのエア浮上ユニット70のうち、基板Pの下面に対向するエア浮上ユニット70が備えるエアベアリング72のみから加圧気体が噴出されることが好ましい。
基板ステップ送りシステム75は、図1及び図20に示されるように、基板Xステップ送り装置76、及び一対の基板Yステップ送り装置77等を有している。基板Xステップ送り装置76及び一対の基板Yステップ送り装置77のそれぞれは、基板Pを保持(例えば吸着)して、基板ホルダ30に対してX軸方向又はY軸方向に移動させる装置である。図1では、図面の錯綜を防止するため、基板Xステップ送り装置76が基板ステップ送りシステム75として代表的に図示されている。
基板Xステップ送り装置76は、図1に示されるように、基板ホルダ30と、基板ホルダ30の−Y側に位置するエア浮上ユニット70との間に、両者に接すること無く、配置されている。
基板Xステップ送り装置76は、床11に固定されX軸方向に伸びる固定部76bと、基板Pの裏面を吸着し、固定部76bに沿ってX軸方向に移動する可動部76aと、を備えている。可動部76aは、駆動装置78(図1では不図示、図20参照)の一部を構成するアクチュエータ(不図示)によって、X軸方向に駆動される。アクチュエータは、一例として可動部76aに設けられた可動子と固定部76bに設けられた固定子とから成るリニアモータによって構成することができる。基板Xステップ送り装置76の可動部76aのX軸方向の移動ストロークは基板ホルダ30のX軸方向長さとほぼ同じ(幾分長い)である。基板Xステップ送り装置76には、可動部76aの位置を計測するエンコーダなどの位置読み取り装置87(図1では不図示、図20参照)が設けられている。なお、上記のアクチュエータは、リニアモータに限らず、ボールねじ又はベルトを用いた回転モータを駆動源とする駆動機構によって構成しても良い。また、固定部76bは、床11に固定されているとしたが、これに限らず下部ボディ18に固定されていても良い。
また、基板Xステップ送り装置76の可動部76a(基板吸着面)は基板Pの裏面を吸着したり、吸着を解除して基板Pから分離したりする必要があるので、駆動装置78によってZ軸方向にも微少駆動可能に構成されている。
一対の基板Yステップ送り装置77は、図12に示されるように基板ホルダ30の+X側及び−X側に、それぞれ1つずつ配置されている。+X側に配置された基板Yステップ送り装置77は、基板ホルダ30の+X側に配置されたエア浮上ユニット70の−X側に配置され、−X側に配置された基板Yステップ送り装置77は、基板ホルダ30の−X側に配置されたエア浮上ユニット70の+X側に配置されている。すなわち、基板ホルダ30の+X側及び−X側にそれぞれ配置された一対のエア浮上ユニット70には、エアベアリング72が、基板Yステップ送り装置77と干渉しない配置で設けられている。
一対の基板Yステップ送り装置77は、基板Xステップ送り装置76と配置が異なる点を除き、ほぼ同じ構成から成り、床11上に固定されたY軸方向に伸びる固定部77bと、基板Pの裏面を吸着してY軸方向に固定部77bに沿って移動する可動部77aと、を備えている。可動部77aは、駆動装置79(図12では不図示、図20参照)の一部を構成する、例えばリニアモータによって構成されるアクチュエータによって、Y軸方向に駆動される。各基板Yステップ送り装置77の可動部77aのY軸方向の移動ストロークは基板ホルダ30のY軸方向の幅とほぼ同じ(幾分長い)である。基板Yステップ送り装置77には、可動部77aの位置を計測するエンコーダなどの位置読み取り装置89(図12では不図示、図20参照)が設けられている。なお、アクチュエータは、リニアモータに限らず、ボールねじ又はベルトを用いた回転モータを駆動源とする駆動機構によって構成しても良い。また、固定部77bは、床11に固定されているとしたが、これに限らず下部ボディ18に固定されていても良い。
各基板Yステップ送り装置77の可動部77a(基板吸着面)は、基板Pの裏面を吸着したり、吸着を解除して基板Pから分離したりする必要があるので、駆動装置79によってZ軸方向にも微少駆動可能に構成されている。
図20には、液晶露光装置10の制御系を中心的に構成し、構成各部を統括制御する主制御装置50の入出力関係がブロック図にて示されている。主制御装置50は、ワークステーション(又はマイクロコンピュータ)等を含む。
次に、上述のように構成された本実施形態に係る液晶露光装置10で行なわれる基板の露光処理のための一連の動作について説明する。
液晶露光装置10(図1参照)では、主制御装置50(図20参照)の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクホルダ14へのマスクMのロードが行われるとともに、基板Pが、不図示の搬入用ハンド部材を含む不図示の基板搬入装置によって基板ホルダ30上に載置される。本実施形態では、前述したように、基板Pは、その第3象限部分が基板ホルダ30の基板載置面上に載置され(図12参照)、その後、基板Pは、基板ホルダ30により、その下面が真空吸引される。このとき、基板Pは、その第1、第2及び第4象限部分が、基板ホルダ30からはみ出ており、複数のエア浮上ユニット70によって下方から非接触支持されている(図1参照)。このとき、基板ホルダ30の+X側及び+Y側にそれぞれ位置するエア浮上ユニット70のエアベアリング72からのみ高圧空気の噴出を行ない、その他のエアベアリング72からの高圧空気の噴出は停止していることが望ましい。このとき、図12に示されるように、−X側に配置された基板Yステップ送り装置77の可動部77aは、−Y側のストローク端近傍に位置し、+X側に配置された基板Yステップ送り装置77の可動部77aは、+Y側のストローク端近傍に位置している。また、基板Xステップ送り装置76の可動部76aは、+X側のストーク端近傍に位置している。
そして、主制御装置50により、アライメント検出系47(図20参照)を用いてアライメント計測及びこの結果に基づく基板Pのアライメント、及びフォーカス位置検出系48を用いて焦点位置計測及び、この結果に基づく合焦動作が実行され、その後、基板P上の複数のショット領域に順次レンズスキャン方式でマスクMのパターンを転写する、一連の露光動作が行なわれる。この露光動作に際して、基板Pのステッピングと、マスクM及び基板Pに対する、照明系12及び投影光学系16のX軸方向の走査を伴う走査露光が、交互に繰り返し行われるので、以下ではこの露光動作を、便宜上、通常のスキャナの場合と同様に、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作と呼ぶ。
以下、本実施形態に係る液晶露光装置10で行われる上記ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作について、図12〜図19に示される液晶露光装置10(の一部)の平面図に基づいて説明する。ここで、図2〜6に示される液晶露光装置10(の一部)の斜視図及び、図7〜11に示される液晶露光装置10(の一部)の側面図は、必要に応じて説明を補足するために用いる。なお、図12〜図19には、図面の錯綜を防止し、かつ説明を分かりやすくするために、露光領域IA、基板P、基板ホルダ30、基板Xステップ送り装置76、及び基板Yステップ送り装置77のみが図示されている。また、図12〜図19において示される露光領域IAは、露光時に照明光ILが投影光学系16を介して照射される照明領域(を模式化したもの)であり、実際には、露光時以外に形成されることはないが、基板Pと投影光学系16との位置関係を明確にするため常に図示されている。また、図12〜図19では、基板Xステップ送り装置76及び基板Yステップ送り装置77による基板ホルダ30に対する基板Pの移動は、白抜き矢印で示され、照明系12及び投影光学系16の移動(スキャン動作)は、黒矢印で示されている。また、露光済みのショット領域には、露光の向きをわかりやすくするために「F」記号が付されている。また、ここでは、基板Pに対し、X軸方向に2面(2スキャン)、Y軸方向に2面(2スキャン)の4面取り(合計4スキャン)の露光を行なう場合について説明する。
露光処理は、一例として、図13に示されるように、基板Pの第3象限に設定された第1ショット領域SA1から開始される。
主制御装置50は、基板Pのアライメントの結果に基づいて、基板P上の第1ショット領域SA1の露光のためのスキャン開始位置を求める。ここで、露光のためのスキャンは、走査露光時の等速移動区間の前後に加速区間及び減速区間を含むので、スキャン開始位置は、厳密に言えば加速開始位置である。そして、主制御装置50は、照明系駆動系15及び投影光学系駆動系22をそれぞれ介して照明系12及び投影光学系16を、そのスキャン開始位置(加速開始位置)に位置決めする。図12には、このようにして、基板P上のショット領域SA1の露光のためのスキャン開始位置(加速開始位置)に照明系12及び投影光学系16が位置決めされた直後の状態が示されている。
そして、主制御装置50により、照明系12と投影光学系16とが、図12の状態から、図2及び図12中に黒矢印で示されるように、同期して+X方向へ駆動され、基板Pに対するスキャン露光動作が行われる。図7には、図12の状態に対応する液晶露光装置10の一部省略した側面図が示されている。
走査露光は、照明系12及び投影光学系16の+X方向へ加速後の等速移動中に、マスクMを介して基板Pに照明光ILが照射されることで行われる。
図13には、基板Pの第1ショット領域SA1に対するスキャン露光が終了して、照明系12と投影光学系16とが停止した状態が示されている。
第1ショット領域SA1へのマスクパターンの転写が終了すると、主制御装置50は、+X側の基板Yステップ送り装置77の可動部77aを、基板Pの下面に当接するまで上昇駆動する。可動部77aが基板Pの下面に当接すると、基板Pは、可動部77aにより、その下面の中央近傍(中央より幾分+X側)位置を、吸着保持される。
基板Pが可動部77aに吸着保持されると同時又は幾分遅れて、基板ホルダ30による基板Pの吸着保持が解除される。その後、図8に示されるように、基板ホルダ30上面に形成された複数の不図示の開口から加圧気体(高圧空気)が噴出され、基板Pは、可動部77aに吸着保持された状態で、基板ホルダ30上に浮上支持(又は基板Pと基板ホルダ30との摩擦力が低減)される。そして、主制御装置50により、基板ホルダ30の−Y側に位置するエア浮上ユニット70が有する停止状態にあったエアベアリング72からの加圧気体(高圧空気)の噴出が開始される。その後、図3及び図13中に白抜き矢印で示されるように、可動部77aが所定のストロークで−Y側に駆動されることにより、基板Pは、基板ホルダ30に対して、例えば基板PのY軸方向長さの1/2に相当する距離だけ−Y側に移動される。そして、主制御装置50により、基板ホルダ30の+Y側に位置するエア浮上ユニット70が有するエアベアリング72からの加圧気体の噴出が停止される。
その後、主制御装置50により、可動部77aが、下降駆動されると、基板Pが基板ホルダ30上に載置され、その基板Pが再度基板ホルダ30に吸着保持される。そして、主制御装置50により、前述と同様、基板Pのアライメント及び合焦動作が実行される。
そして、基板Pのアライメント及び合焦動作が終了すると、主制御装置50は、基板Pのアライメントの結果に基づいて、次の露光のための加速に備えて、照明系12及び投影光学系16を、基板P上の第2ショット領域SA2の露光のためのスキャン開始位置に位置決めする。図14には、照明系12及び投影光学系16が、第2ショット領域SA2の露光のためのスキャン開始位置に位置決めされた状態が示されている。
そして、主制御装置50は、図4及び図14中に黒矢印で示されるように、照明系12及び投影光学系16の−X方向への加速を開始して、前述と同様にして第2ショット領域SA2に対しスキャン露光を行い、第2ショット領域SA2にマスクパターンを転写する。図15には、基板Pの第2ショット領域SA2に対するスキャン露光が終了して、照明系12及び投影光学系16が停止した状態が示されている。
第2ショット領域SA2へのマスクパターンの転写が終了すると、主制御装置50は、基板Xステップ送り装置76の可動部76aを介して、図15に示されるように、基板Pを基板ホルダ30に対して−X方向にステップ移動させる。基板Xステップ送り装置76を用いた基板Pの基板ホルダ30に対する移動方法は、ステップ移動させる方向が異なる点を除き、上述の基板Yステップ送り装置77を用いた移動方法とほぼ同じである。
すなわち、主制御装置50は、基板Xステップ送り装置76の可動部76aを基板Pの下面に当接するまで上昇駆動し、基板P下面の中央近傍(中央より幾分−Y側)を可動部76aに吸着保持させる。
基板Pが可動部77aに吸着保持されると同時又は幾分遅れて、基板ホルダ30による基板Pの吸着保持が解除される。その後、図9に示されるように、基板ホルダ30上面に形成された複数の不図示の開口から加圧気体(高圧空気)が噴出され、基板Pは、可動部76aに吸着保持された状態で、基板ホルダ30上に浮上支持(又は基板Pと基板ホルダ30との摩擦力が低減)される。そして、主制御装置50により、基板ホルダ30の−X側に位置するエア浮上ユニット70が有する停止状態にあったエアベアリング72からの加圧気体(高圧空気)の噴出が開始される。その後、図5、図9及び図15中に白抜き矢印で示されるように、可動部76aが所定のストロークで−X側に駆動されることにより、基板Pは、基板ホルダ30に対して、例えば基板Pの長手方向長さの1/2に相当する距離だけ−X側に移動される。そして、主制御装置50により、基板ホルダ30の+X側に位置するエア浮上ユニット70が有するエアベアリング72からの加圧気体の噴出が停止される。
その後、主制御装置50により、可動部76aが、下降駆動されると、基板Pが基板ホルダ30上に載置され、その基板Pが再度基板ホルダ30に吸着保持される。そして、主制御装置50により、前述と同様、基板Pのアライメント及び合焦動作が実行される。
そして、基板Pのアライメント及び合焦動作が終了すると、主制御装置50は、アライメントの結果に基づいて、次の露光のための加速に備えて、照明系12及び投影光学系16を、基板P上の第3ショット領域SA3の露光のためのスキャン開始位置に位置決めする。図6及び図16には、照明系12及び投影光学系16が、第3ショット領域SA3の露光のためのスキャン開始位置に位置決めされた状態が示されている。
そして、主制御装置50は、図10及び図16の黒矢印で示されるように、照明系12及び投影光学系16の+X方向への加速を開始して、前述と同様にして第3ショット領域SA3に対しスキャン露光を行い、第3ショット領域SA3にマスクパターンを転写する。図11及び図17には、基板Pの第3ショット領域SA3に対するスキャン露光が終了して、照明系12及び投影光学系16が停止した状態が示されている。
第3ショット領域SA3へのマスクパターンの転写が終了すると、主制御装置50は、−X側の基板Yステップ送り装置77の可動部77aを介して、図17に示されるように、基板Pを基板ホルダ30に対して+Y方向にステップ移動させる。−X側の基板Yステップ送り装置77を用いた基板Pの基板ホルダ30に対する移動方法は、ステップ移動させる方向が異なる点を除き、上述の+X側の基板Yステップ送り装置77を用いた移動方法とほぼ同じである。
すなわち、主制御装置50は、−X側の基板Yステップ送り装置77の可動部77aを、基板Pの下面に当接するまで上昇駆動し、基板P下面の中央近傍(中央より幾分−X側)位置を、可動部77aに吸着保持させる。
基板Pが可動部77aに吸着保持されると同時又は幾分遅れて、基板ホルダ30による基板Pの吸着保持が解除される。その後、基板ホルダ30上面に形成された複数の不図示の開口から加圧気体が噴出され、基板Pは、可動部77aに吸着保持された状態で、基板ホルダ30上に浮上支持(又は基板Pと基板ホルダ30との摩擦力が低減)される。そして、主制御装置50により、基板ホルダ30の+Y側に位置するエア浮上ユニット70が有する停止状態にあったエアベアリング72からの加圧気体の噴出が開始される。その後、図17中に白抜き矢印で示されるように、可動部77aが所定のストロークで+Y側に駆動されることにより、基板Pは、基板ホルダ30に対して、例えば基板PのY軸方向長さの1/2に相当する距離だけ+Y側に移動される。そして、主制御装置50により、基板ホルダ30の−Y側に位置するエア浮上ユニット70が有するエアベアリング72からの加圧気体の噴出が停止される。
その後、主制御装置50により、可動部77aが、下降駆動されると、基板Pが基板ホルダ30上に載置され、その基板Pが再度基板ホルダ30に吸着保持される。そして、主制御装置50により、前述と同様、基板Pのアライメント及び合焦動作が実行される。
そして、基板Pのアライメント及び合焦動作が終了すると、主制御装置50は、アライメントの結果に基づいて、次の露光のための加速に備えて、照明系12及び投影光学系16を、基板P上の第4ショット領域SA4の露光のためのスキャン開始位置に位置決めする。図18には、照明系12及び投影光学系16が、第4ショット領域SA4の露光のためのスキャン開始位置に位置決めされた状態が示されている。
そして、主制御装置50は、図18中に黒矢印で示されるように、照明系12及び投影光学系16の−X方向への加速を開始して、前述と同様にして第4ショット領域SA4に対しスキャン露光を行い、第4ショット領域SA4にマスクパターンを転写する。図19には、基板Pの第4ショット領域SA4に対するスキャン露光が終了して、照明系12及び投影光学系16が停止した状態が示されている。
以上説明したように、本実施形態に係る液晶露光装置10によると、主制御装置50により、照明系駆動系15及び投影光学系駆動系22を介して照明系12及び投影光学系16が、マスクM及び基板Pに対してX軸方向に走査され、これにより、基板Pに対してマスクMを介した照明光ILがX軸方向に走査され、基板Pを静止した状態で露光が行われ、基板P上の複数のショット領域のそれぞれにマスクMのパターンが転写される。このため、基板Pを保持する基板ホルダ30を長ストロークで駆動するためのステージが不要になる。
また、本実施形態に係る液晶露光装置10によると、基板ステップ送りシステム75により、基板ホルダ30に対して基板Pが、X軸方向及びY軸方向に駆動されるので、基板Pを基板ホルダ30に対して水平面内で移動させて、基板Pの露光対象のショット領域を、基板ホルダ30の基板載置面上に載置することが可能になる。すなわち、基板ホルダ30は、基板Pの露光対象のショット領域を所定位置に移動するいわゆるステッピング時にも、静止したままで良くなる。従って、基板ホルダ30として、例えば1回の露光で露光される物体上の領域と同程度のサイズの物体載置面を有する小型の基板ホルダ30を採用することが可能になる。従って、本実施形態に係る液晶露光装置10によると、基板Pが大型化しても、支障なく、その基板Pに対する露光、例えば多面取りの露光を行うことが可能になる。
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について、図21〜図28に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を簡略化若しくは省略する。
本第2の実施形態に係る液晶露光装置110は、基板ホルダの大きさ、基板の基板ホルダに対する移動方法が、前述した第1の実施形態に係る液晶露光装置10と相違する。以下、相違点を中心として、液晶露光装置110について説明する。
液晶露光装置110では、前述の基板ホルダ30に代えて図21に示される基板ホルダ130が用いられ、基板ステップ送りシステム75に代えて基板ステップ送りシステム175が設けられ、更に基板ステップ送りシステム175が、基板Pを基板ホルダ130に対してY軸方向にのみ移動させる点、及びエア浮上ユニット70の配置が、前述の液晶露光装置10と異なる。
これをさらに詳述すると、基板ホルダ130は、図21に示されるように、X軸方向の長さ寸法が基板Pとほぼ同じ寸法で(実際には幾分短く)、Y軸方向の幅寸法が基板Pの1/2程度の寸法である平面視矩形の直方体形状を有する。基板ホルダ130には、図21に示されるように、その+Y側面のX軸方向の中央に、上方(+Z側)及び+Y側が開口した所定深さの切り欠き132が形成されている。
基板ステップ送りシステム175は、基板Pを基板ホルダ130に対してY軸方向に移動させる装置である。すなわち、上述の基板Yステップ送り装置77と同様の構成であるので、以下では、基板ステップ送りシステム175を基板Yステップ送り装置175と称する。
基板Yステップ送り装置175が有する固定部175bは、Y軸方向長さが基板Pの2/3程度に設定され、−Y側端部が基板ホルダ130に形成された切り欠き132内に挿入されている。すなわち、可動部175aは、固定部175bに沿って、基板ホルダ130の+Y側端部から、Y軸方向に基板PのY軸方向長さの2/3程度の距離だけ駆動される。
基板ホルダ130の+Y側及び−Y側には、エア浮上ユニット70(図21〜図28では不図示、図1参照)が基板ホルダ130に対して所定距離離間して配置されている。
上述のようにして構成された本第2の実施形態に係る液晶露光装置110では、前述した第1の実施形態に係る液晶露光装置10と同様に、マスクホルダ14へのマスクMのロード、基板Pの基板ホルダ130上への搬入、基板Pの基板ホルダ130上への吸着及び複数のエア浮上ユニット70による基板Pの非接触支持、基板Pのアライメント及び合焦動作が行われる。基板Pのアライメント及び合焦動作の終了後、基板P上に設定された複数のショット領域に順次マスクパターンを転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
以下、本第2の実施形態に係る液晶露光装置で行われる上記ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作について、図21〜図28に基づいて説明する。なお、図21〜図28には、図面の錯綜を防止し、かつ説明を分かりやすくするために、露光領域IA、基板P、基板ホルダ130、基板Yステップ送り装置175のみが図示されている。また、図21〜図28において示される露光領域IAは、露光時に照明光ILが投影光学系16を介して照射される照明領域(を模式化したもの)であり、実際には、露光時以外に形成されることはないが、基板Pと投影光学系16との位置関係を明確にするため常に図示されている。また、図21〜図28では、基板Yステップ送り装置175による基板ホルダ130に対する基板Pの移動は、白抜き矢印で示され、照明系12及び投影光学系16の移動(スキャン動作を含む)は、黒矢印で示されている。また、露光済みのショット領域には、露光の向きをわかりやすくするために「F」記号が付されている。また、ここでは、基板Pに対し、X軸方向に3面(3スキャン)、Y軸方向に3面(3スキャン)の9面取り(合計9スキャン)の露光を行なう場合について説明する。
露光処理は、一例として、図21に示されるように、基板Pの−Y側かつ−X側の端部に設定された第1ショット領域SA1から開始される。
主制御装置50により、基板Pのアライメントの結果に基づいて、基板P上の第1ショット領域SA1の露光のためのスキャン開始位置が求められ、そのスキャン開始位置(加速開始位置)に照明系12及び投影光学系16が位置決めされる(図21参照)。そして、この状態から、主制御装置50により、照明系12と投影光学系16とが、図21中に黒矢印で示されるように、同期して+X方向へ駆動され、基板Pに対するスキャン露光動作が行われる。これにより、基板Pの第1ショット領域SA1にマスクパターンが転写される(図22参照)。
第1ショット領域SA1への露光処理が終了すると、主制御装置50により、図22中に黒矢印で示されるように、照明系12と投影光学系16とが同期して−X方向に駆動(Xステップ駆動)され、第2ショット領域SA2の露光のためのスキャン開始位置に位置決めされる(図23参照)。次いで、主制御装置50により、図23に黒矢印で示されるように、照明系12と投影光学系16とが同期して+X方向へ駆動され、基板Pのスキャン露光が行われ、基板P上の第2ショット領域SA2にマスクパターンが転写される。
第2ショット領域SA2への露光処理が終了すると、第1ショット領域SA1に対する露光処理終了後と同様に、照明系12と投影光学系16とが−X方向に駆動(Xステップ駆動)され、第3ショット領域SA3の露光のためのスキャン開始位置に位置決めされた後、照明系12と投影光学系16とが同期して+X方向へ駆動され、基板P上の第3ショット領域SA3にマスクパターンが転写される。図24には、基板Pの第3ショット領域SA3に対するスキャン露光が終了して、照明系12と投影光学系16とが停止した状態が示されている。
第3ショット領域SA3へのマスクパターンの転写が終了すると、図24中に白抜き矢印で示されるように、基板Pが基板ホルダ130に対して、例えば−Y側に基板PのY軸方向寸法の1/3程度駆動される。この際の複数のエア浮上ユニット70及び基板Yステップ送り装置175の動作は、前述の第1の実施形態と基本的に同じなので、ここでは詳細説明を省略する。
図25には、基板Pが基板ホルダ130に−Y側に移動された直後の状態が示されている。その後、基板ホルダ130上面からの加圧気体の噴出が停止され、基板Pが基板ホルダ130上に吸着保持される。その後、基板Pのアライメント及び合焦動作が行われ、アライメントの結果に基づいて、次の露光のための加速に備えて、照明系12及び投影光学系16が、基板P上の第4ショット領域SA4の露光のためのスキャン開始位置に位置決めされる。
そして、図25中に黒矢印で示されるように、主制御装置50による、照明系12と投影光学系16との−X方向の同期駆動が開始され、前述と同様にして第4ショット領域SA4に対しスキャン露光が行われ、第4ショット領域SA4にマスクパターンが転写される。以降、主制御装置50により、照明系12及び投影光学系16のXステップ駆動及びスキャン駆動が繰り返され、第5ショット領域SA5、及び第6ショット領域SA6に順次マスクパターンが転写される。第4ショット領域SA4に対する露光終了後、第5及び第6ショット領域SA5、SA6に対する露光処理の際の手順は、照明系12及び投影光学系16の駆動方向が逆向きである点を除き、上記第1ショット領域SA1に対する露光終了後の第2、第3ショット領域SA2、SA3に対する露光処理の際と同様であるので、ここでは説明を省略する。図26には、基板Pの第6ショット領域SA6に対するスキャン露光が終了して、照明系12と投影光学系16とが停止した状態が示されている。
基板Pの第6ショット領域SA6へのマスクパターンの転写が終了すると、図26中に白抜き矢印で示されるように、基板Pが基板ホルダ130に対して、−Y方向に例えば基板PのY軸方向長さの1/3程度駆動される。これにより、基板P上の第7〜第9ショット領域SA7〜SA9を含む部分が基板ホルダ130上に載置される(図27参照)。この際の複数のエア浮上ユニット70及び基板Yステップ送り装置175の動作は、前述した第1の実施形態とほぼ同じなので、ここでは詳細説明を省略する。基板Pが基板ホルダ130に対して−Y方向に駆動された状態、すなわち図27に示される状態では、基板Pは、−Y側端部近傍がエア浮上ユニット70によって下方から非接触支持される。
この後、基板ホルダ130による基板Pの吸着保持が開始され、基板Pのアライメント及び合焦動作が行われた後、アライメントの結果に基づいて、照明系12及び投影光学系16が、基板P上の第7ショット領域SA7に対する露光のためのスキャン開始位置へ位置決めされる。その後、主制御装置50により、図27中に黒矢印で示されるように、照明系12と投影光学系16との+X方向の加速が開始され、前述と同様にして第7ショット領域SA7にマスクパターンが転写される。以降、主制御装置50により、照明系12及び投影光学系16のステップ駆動及びスキャン駆動が繰り返され、図28に示されるように、第8ショット領域SA8、及び第9ショット領域SA9に順次マスクパターンが転写される。第7ショット領域SA7に対する露光終了後、第8及び第9ショット領域SA8、SA9に対する露光処理の際の手順は、前述の第1ショット領域SA1に対する露光終了後第2、第3ショット領域SA2、SA3に対する露光処理の際と同様であるので、ここでは詳細説明を省略する。
以上説明した本第2の実施形態に係る液晶露光装置110によると、前述した第1の実施形態に係る液晶露光装置10と同等の効果を得ることができる他、基板ステップ送りシステム175(基板Yステップ送り装置175)の構成を簡略化することができる。
なお、上記第2の実施形態に係る液晶露光装置110では、X軸方向の露光に関して1面ずつスキャンを行ったが、これに限らず、例えば2面及び3面を、一度に露光しても良い。
《第3の実施形態》
次に、第3の実施形態について、図29〜図33に基づいて説明する。ここで、前述した第1、第2の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を簡略化若しくは省略する。
本第3の実施形態に係る液晶露光装置210は、基板ホルダに形成された切り欠き形状、基板の基板ホルダに対する移動方法が、前述した第2の実施形態に係る液晶露光装置110と相違する。以下、相違点を中心として、液晶露光装置210について説明する。
液晶露光装置210では、前述の基板ホルダ130に代えて切り欠き形状の異なる基板ホルダ230が用いられ、基板ステップ送りシステム175に代えて基板回転装置67が設けられている点、及びエア浮上ユニット70の配置が、前述の液晶露光装置110と異なる。
これをさらに詳述すると、基板ホルダ230は、図30に示されるように、その+Y側面のX軸方向の中央に、上方及び+Y側が開口した所定深さの切り欠き133が形成されている。切り欠き133は、平面視において、半十字状(十字の半部)の形状を有している。
基板回転装置67は、基板Pを基板ホルダ230に対してZ軸周りに、例えば180度回転させる装置である。基板回転装置67は、図29に示されるように、床11に固定された固定部67c、固定部67cに支持されたZ・θzアクチュエータ67b、及びZ・θzアクチュエータ67bによって上下動及び回転(θz方向)駆動可能に支持された吸着パッド67aを有している。
Z・θzアクチュエータ67bは、その上端に吸着パッド67aが取り付けられ、該吸着パッド67aを上下動させるとともにθz方向に回転駆動させる。吸着パッド67aは、図30に示されるように、平面視十字形状の吸着面を有し、その一部が基板ホルダ230に形成された切り欠き133内に収容されている。吸着パッド67aには、不図示のバキューム装置が接続されており、吸着パッド67aは、基板Pの下面に当接した状態で基板Pを吸着保持できるようになっている。
吸着パッド67aは、Z・θzアクチュエータ67bにより、上面が基板ホルダ230上面より下方に位置し、基板Pの下面から離間する位置(以下、収容位置と称する)と、上面が基板ホルダ230の上面から+Z側に所定量突出した位置(より正確には吸着パッド67aに下方から支持された基板Pの下面が基板ホルダ230から離間する位置((以下、突出位置と称する))との間でZ軸方向(上下方向)に駆動される。吸着パッド67aは、突出位置にあるとき、Z・θzアクチュエータ67bにより、基板ホルダ230に対してθz方向に、例えば180°回転駆動可能である。また、吸着パッド67aは、図29に示されるように、収容位置にあるとき、基板ホルダ230に形成された切り欠き133内に、少なくとも一部が収容される。
エア浮上ユニット70は、図29に示されるように、基板ホルダ230の+Y側に所定距離離間して1つ、または複数配置されている。
上述のようにして構成された本第3の実施形態に係る液晶露光装置210では、前述した第2の実施形態に係る液晶露光装置110と同様に、マスクホルダ14へのマスクMのロード、基板Pの基板ホルダ230上への搬入、基板Pの基板ホルダ230上への吸着及びエア浮上ユニット70による基板Pの非接触支持、並びに基板Pのアライメント及び合焦動作が行われる。基板Pのアライメント及び合焦動作の終了後、基板P上に設定された複数のショット領域に逐次ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
以下、本第3の実施形態に係る液晶露光装置で行われる上記ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作について、図30〜図33に基づいて説明する。なお、図30〜図33には、図面の錯綜を防止し、かつ説明を分かりやすくするために、露光領域IA、基板P、基板ホルダ230、基板回転装置67が有する吸着パッド67aのみが図示されている。また、図30〜図33において示される露光領域IAは、露光時に照明光ILが投影光学系16を介して照射される照明領域(を模式化したもの)であり、実際には、露光時以外に形成されることはないが、基板Pと投影光学系16との位置関係を明確にするため常に図示されている。また、図30〜図33では、基板回転装置67による基板ホルダ230に対する基板Pの移動は、白抜き矢印で示され、照明系12及び投影光学系16の移動(スキャン動作を含む)は、黒矢印で示されている。また、露光済みのショット領域には、露光の向きをわかりやすくするために「F」記号が付されている。また、ここでは、基板Pに対し、X軸方向に3面(3スキャン)、Y軸方向に2面(2スキャン)の6面取り(合計6スキャン)の露光を行なう場合について説明する。
露光処理は、一例として、図30に示されるように、基板Pの−Y側半部かつ−X側の端部に設定された第1ショット領域SA1から開始される。
主制御装置50により、基板Pのアライメントの結果に基づいて、基板P上の第1ショット領域SA1の露光のためのスキャン開始位置が求められ、照明系12及び投影光学系16が、そのスキャン開始位置(加速開始位置)に位置決めされる(図30参照)。そして、この状態から、図30中に黒矢印で示されるように、照明系12と投影光学系16とが同期して+X方向へ駆動され、基板Pに対するスキャン露光動作が行われる。これにより、基板Pの第1ショット領域SA1にマスクパターンが転写される。
第1ショット領域SA1への露光処理が終了すると、照明系12及び投影光学系16が−X方向に駆動(Xステップ駆動)され、第2ショット領域SA2の露光のためのスキャン開始位置に位置決めされる。以降、主制御装置50により、照明系12と投影光学系16とのXステップ駆動及びスキャン動作が繰り返され、基板P上の第2ショット領域SA2、及び第3ショット領域SA3に順次マスクパターンが転写される。第1ショット領域SA1に対する露光終了後の第2及び第3ショット領域SA2、SA3に対する露光処理の手順は、第2実施形態に係る液晶露光装置110での露光処理の際と同様であるので、ここでは説明を省略する。
第3ショット領域SA3へのマスクパターンの転写が終了すると、主制御装置50は、Z・θzアクチュエータ67bを介して吸着パッド67aを、基板Pの下面に当接するまで上昇駆動する。吸着パッド67aが基板Pの下面に当接すると、基板Pは、吸着パッド67aにより、その下面の中央近傍位置を、吸着保持される。
基板Pが吸着パッド67aに吸着保持されると同時又は幾分遅れて、基板ホルダ230による基板Pの吸着保持が解除される。その後、基板ホルダ230上面に形成された複数の不図示の開口から加圧気体が噴出され、基板Pは、吸着パッド67aに吸着保持された状態で、基板ホルダ230上に浮上支持(又は基板Pと基板ホルダ230との摩擦力が低減)される。このとき、エア浮上ユニット70からの加圧気体の噴出は、常に行われている。その後、図31中に白抜き矢印で示されるように、吸着パッド67aがθz方向に180度回転駆動されることにより、基板Pは、基板ホルダ230に対して、例えばθz方向に180度回転移動される。これにより、基板Pの未露光のショット領域SA4、SA5、及びSA6が、基板ホルダ230上に位置づけられる。
その後、主制御装置50により、吸着パッド67aが、下降駆動されると、基板P(の第4、第5、第6ショット領域SA4、SA5、SA6部分)が基板ホルダ230上に載置され、その基板Pが再度基板ホルダ230に吸着保持される。そして、主制御装置50により、基板Pのアライメント及び合焦動作が実行される。
そして、基板Pのアライメント及び合焦動作が終了すると、主制御装置50は、アライメントの結果に基づいて、次の露光のための加速に備えて、基板P上の第4ショット領域SA4の露光のためのスキャン開始位置に照明系12及び投影光学系16を、位置決めする。図32には、照明系12及び投影光学系16が、第4ショット領域SA4の露光のためのスキャン開始位置に位置決めされた状態が示されている。
その後、図32中に黒矢印で示されるように、照明系12と投影光学系16との−X方向の加速を開始して、前述と同様にして第4ショット領域SA4に対しスキャン露光を行い、第4ショット領域SA4にマスクパターンを転写する。以降、主制御装置50は、照明系12及び投影光学系16のステップ駆動及びスキャン駆動を繰り返し、図33に示されるように、第5ショット領域SA5、及び第6ショット領域SA6に順次マスクパターンを転写する。第4ショット領域SA4に対する露光終了後第5及び第6ショット領域SA5、SA6に対する露光処理の際の手順は、前述の第1ショット領域SA1に対する露光終了後第2、第3ショット領域SA2、SA3に対する露光処理の際と、スキャン方向が反対である点を除き同様であるので、ここでは詳細説明を省略する。
以上説明した本第3の実施形態に係る液晶露光装置210によると、前述した第2の実施形態に係る液晶露光装置110と同等の効果を得ることができる。これに加え、本第3実施形態に係る液晶露光装置210では、図29に示されるように、エア浮上ユニット70が基板ホルダ230の−Y側には設置されないので、装置本体を小さくすることができる。また、基板の移動が回転だけなので、構成が単純であり、動作が速く、コストを抑えることができる。
なお、上記第3の実施形態に係る液晶露光装置210では、X軸方向の露光に関して1面ずつスキャンを行ったが、これに限らず、例えば2面及び3面を、一度に露光しても良い。
《第4の実施形態》
次に、第4の実施形態について、図34〜図39に基づいて説明する。ここで、前述した第1、第3の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を簡略化若しくは省略する。
本第4の実施形態に係る液晶露光装置310は、基板ホルダに形成された切り欠き形状、基板の基板ホルダに対する移動方法が、前述した第3の実施形態に係る液晶露光装置210と相違する。以下、相違点を中心として、液晶露光装置310について説明する。
液晶露光装置310では、前述の基板ホルダ230に代えて切り欠き形状の異なる基板ホルダ330が用いられ、基板回転装置67に代えて基板移動装置68が設けられている点、及びエア浮上ユニット70の配置が、前述の液晶露光装置210と異なる。
これをさらに詳述すると、基板ホルダ330は、図34に示されるように、基板ホルダ230と同様に、X軸方向の長さ寸法が基板Pとほぼ同じ寸法で(実際には幾分短く)、Y軸方向の幅寸法が基板Pの1/2程度の寸法の平面視矩形の直方体部材から成るが、その+Y側面のX軸方向中央には、前述の切り欠き133に比べてY軸方向に長い切り欠き部233が形成されている。切り欠き部233は、基板ホルダ330の+Y側の端面から所定距離、例えば基板PのY軸方向のサイズの1/6の距離の位置にかけて形成された上方及び+Y端部が開口した所定深さの第1凹部134と、第1凹部134の−Y端部のX軸方向両側に位置し、第1凹部134に連通する第1凹部134より幾分深さが浅い一対の第2凹部135と、第1凹部134の+Y端部のX軸方向両側に位置し、第1凹部134に連通する第1凹部134より幾分深さが浅い一対の第3凹部136とを含む。第1凹部134と一対の第2凹部135とにより、平面視十字形状の凹部が形成され、第1凹部134と一対の第3凹部136とにより、平面視半十字形状の凹部が形成されている。以下では、便宜上、上記の十字形状の凹部を十字溝135と称するとともに、半十字形状の凹部を半十字溝136と称する。
基板ホルダ330の第1凹部134の内部底面には、Y軸方向を長手方向とする不図示のYリニアガイドが設けられている。
基板移動装置68は、基板Pを基板ホルダ330に対して、回転移動及び並進移動させる装置である。具体的には、基板移動装置68は、基板Pを基板ホルダ330に対して、θz方向に例えば180度回転させ、Y軸方向に例えば1/6移動させる装置である。基板移動装置68は、不図示であるが、基板回転装置67と同様に、Z・θzアクチュエータ67b及び吸着パッド67a(図29参照)を備えている。基板移動装置68の下面(Z・θzアクチュエータ67bの下面)には、不図示のスライダ部材が固定され、該スライダ部材と、基板ホルダ330に設けられた上述のYリニアガイドとによって一軸ガイド装置であるYリニアガイド装置が構成されている。
基板移動装置68は、吸着パッド67aが前述の突出位置にあるとき、Z・θzアクチュエータ67bにより、基板ホルダ230に対してθz方向に、例えば180度回転駆動可能であると同時に、Yリニアガイドに沿ってY軸方向に移動可動である。また、吸着パッド67aは、前述の収容位置にあるとき、基板ホルダ330に形成された十字溝135内又は半十字溝136内に、少なくとも一部が収容される。
エア浮上ユニット70は、基板ホルダ330の+Y側及び−Y側に、基板ホルダ330に所定距離離間してそれぞれ1つ、または複数配置されている。
上述のようにして構成された本第4の実施形態に係る液晶露光装置310では、前述した第3の実施形態に係る液晶露光装置210と同様に、マスクホルダ14へのマスクMのロード、基板Pの基板ホルダ330上への搬入、基板Pの基板ホルダ330上への吸着及び複数のエア浮上ユニット70による基板Pの非接触支持、基板Pのアライメント及び合焦動作が行われる。アライメント及び合焦動作の終了後、基板P上に設定された複数のショット領域に逐次ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。ここで、図34に示されるように、基板Pが基板ホルダ330上へ搬入された際に、吸着パッド67aは、+Y側のストローク端の半十字溝136内に一部が収容され、平面視において基板Pの中央位置に位置している。
以下、本第4の実施形態に係る液晶露光装置で行われる上記ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作について、図34〜図39に基づいて説明する。なお、図34〜図39には、図面の錯綜を防止し、かつ説明を分かりやすくするために、露光領域IA、基板P、基板ホルダ330、基板移動装置68の有する吸着パッド67aのみが図示されている。また、図34〜図39において示される露光領域IAは、露光時に照明光ILが投影光学系16を介して照射される照明領域(を模式化したもの)であり、実際には、露光時以外に形成されることはないが、基板Pと投影光学系16との位置関係を明確にするため常に図示されている。また、図34〜図39では、基板移動装置68による基板ホルダ330に対する基板Pの移動は、白抜き矢印で示され、照明系12及び投影光学系16の移動(スキャン動作を含む)は、黒矢印で示されている。また、露光済みのショット領域には、露光の向きをわかりやすくするために「F」記号が付されている。また、ここでは、基板Pに対し、X軸方向に3面(3スキャン)、Y軸方向に3面(3スキャン)の9面取り(合計9スキャン)の露光を行なう場合について説明する。
露光処理は、一例として、図34に示されるように、基板Pの−Y側かつ−X側の端部に設定された第1ショット領域SA1から開始される。
主制御装置50により、基板Pのアライメントの結果に基づいて、基板P上の第1ショット領域SA1の露光のためのスキャン開始位置が求められ、照明系12及び投影光学系16が、そのスキャン開始位置(加速開始位置)に位置決めされる(図34参照)。そして、この状態から、図34中に黒矢印で示されるように、照明系12と投影光学系16とが同期して+X方向へ駆動され、基板Pに対するスキャン露光動作が開始され、以後前述した第3の実施形態に係る液晶露光装置210と同様の手順で、基板P上の第1ショット領域SA1〜第3ショット領域SA3に順次マスクパターンが転写される。図35には、基板Pの第3ショット領域SA3に対するスキャン露光が終了して、照明系12と投影光学系16とが停止した状態が示されている。
第3ショット領域SA3へのマスクパターンの転写が終了すると、図35中に白抜き矢印で示されるように、主制御装置50により、吸着パッド67aを介して、基板Pが基板ホルダ330に対してθz方向に例えば180度回転され、基板Pの未露光のショット領域SA4、SA5、及びSA6を含む部分が、基板ホルダ330上に位置づけられる。この際の複数のエア浮上ユニット70及び吸着パッド67aの動作は、前述の第3の実施形態と基本的に同じなので、ここでは詳細説明を省略する。
その後、基板Pが再び基板ホルダ330上に吸着保持され、主制御装置50により、基板Pのアライメント及び合焦動作が行われる。そして、主制御装置50は、アライメントの結果に基づいて、次の露光のための加速に備えて、基板P上の第4ショット領域SA4の露光のためのスキャン開始位置に、照明系12及び投影光学系16を、位置決めする。図36には、照明系12及び投影光学系16が、第4ショット領域SA4の露光のためのスキャン開始位置に位置決めされた状態が示されている。
そして、この状態から、図36中に黒矢印で示されるように、照明系12と投影光学系16とが同期して−X方向へ駆動され、基板Pに対するスキャン露光動作が開始され、以後、前述した第1ショット領域SA1〜第3ショット領域SA3に対する露光処理の際と、スキャン方向が反対である点を除き同様の手順で、基板P上の第4ショット領域SA4〜第6ショット領域SA6に順次マスクパターンが転写される。図37には、基板Pの第6ショット領域SA6に対するスキャン露光が終了して、照明系12と投影光学系16とが停止した状態が示されている。
第6ショット領域SA6へのマスクパターンの転写が終了すると、主制御装置50は、吸着パッド67aを、基板Pの下面に当接するまで上昇駆動する。吸着パッド67aが基板Pの下面に当接すると、基板Pは、吸着パッド67aにより、その下面の中央近傍位置を、吸着保持される。
基板Pが吸着パッド67aに吸着保持されると同時又は幾分遅れて、基板ホルダ330による基板Pの吸着保持が解除される。その後、基板ホルダ330上面に形成された複数の不図示の開口から加圧気体が噴出され、基板Pは、吸着パッド67aに吸着保持された状態で、基板ホルダ330上に浮上支持される。そして、主制御装置50は、停止状態にあった−Y側に位置するエア浮上ユニット70の有するエアベアリング72から、加圧気体を噴出する。その後、図37中に白抜き矢印で示されるように、吸着パッド37aが所定のストロークで−Y側に駆動されることにより、基板Pは、基板ホルダ330に対して、例えば基板PのY軸方向長さの1/6に相当する距離だけ−Y側に移動され、基板Pの未露光のショット領域SA7、SA8、及びSA9を含む部分が、基板ホルダ330上に位置づけられる。ここで、+Y側に位置するエア浮上ユニット70の有するエアベアリング72からの加圧気体は、常に噴出されている。
その後、主制御装置50により、吸着パッド67aが下降駆動され、吸着パッド67aは、十字溝135内に収容される。同時に、基板Pは、基板ホルダ330上に載置され、その基板Pが再度基板ホルダ330に吸着保持される。そして、主制御装置50により、基板Pのアライメント及び合焦動作が実行される。
そして、主制御装置50は、アライメントの結果に基づいて、次の露光のための加速に備えて、基板P上の第7ショット領域SA7の露光のためのスキャン開始位置に、照明系12及び投影光学系16を、位置決めする。図38には、照明系12及び投影光学系16が、第7ショット領域SA7の露光のためのスキャン開始位置に位置決めされた状態が示されている。
そして、この状態から、図38中に黒矢印で示されるように、照明系12と投影光学系16とが同期して+X方向へ駆動され、基板Pに対するスキャン露光動作が開始され、以後、前述した第1ショット領域SA1〜第3ショット領域SA3に対する露光処理の際と同様の手順で、基板P上の第7ショット領域SA7〜第9ショット領域SA9に順次マスクパターンが転写される。図39には、基板Pの第9ショット領域SA9に対するスキャン露光が終了して、照明系12と投影光学系16とが停止した状態が示されている。
以上説明した本第4の実施形態に係る液晶露光装置310によると、前述した第3の実施形態に係る液晶露光装置210と同等の効果を得ることができる。また、基板PをY軸方向に移動させる吸着パッド67aのストロークを、基板PのY軸方向長さの1/6程度にすることができ、前述の第2の実施形態に係る液晶露光装置110の可動部175aのストロークに比べて短くすることができる。なお、上の説明では、基板P上のショット領域SA1、SA2、SA3、SA4、SA5、SA6、SA7、SA8、SA9の順に露光を行うものとしたが、これに限らず、基板P上のショット領域SA1、SA2、SA3、SA7、SA8、SA9、SA6、SA5、SA4の順に露光することもできる。例えば、基板P上のショット領域SA1〜SA3の露光終了後、基板PをY軸方向にスライドさせて、ショット領域SA7〜SA9の露光を行った後、基板Pを回転及びスライドさせて、ショット領域SA4〜SA6を露光するようにすることができる
なお、上記第4の実施形態に係る液晶露光装置310では、X軸方向の露光に関して1面ずつスキャンを行ったが、これに限らず、例えば2面及び3面を、一度に露光しても良い。
《第4の実施形態の変形例》
また、上記第4の実施形態では、基板ホルダ330の第1凹部134の内部底面にYリニアガイドを設け、吸着パッド67aが基板ホルダ330の+Y側端部近傍から−Y側に移動する場合について例示したが、これに限らず、例えば図40に示されるように、基板ホルダ330に代えて基板ホルダ330’を用い、基板ホルダ330’の+Y側にリニアガイド137を配置し、該リニアガイド137に沿って、吸着パッド67aが基板ホルダ330’の+Y側端部近傍から+Y側に駆動される構成を採用しても良い。この場合、主制御装置50は、例えば、図40に示されるように第6ショット領域SA6の露光後に、−Y側のストローク端に位置している吸着パッド67aを+Y側のストローク端に一旦移動後(図41参照)、吸着パッド67aに基板Pを吸着させ、その基板Pを保持した吸着パッド67aを−Y側に駆動する(図42参照)。
しかるに、第6ショット領域SA6の露光終了後に上記の吸着パッド67aの+Y側のストローク端への移動動作を開始したのでは、大きな待ち時間が生じるので、第6ショット領域SA6の露光が終了するまでの間に、吸着パッド67aを+Y側のストローク端に移動させておき、第6ショット領域SA6の露光が終了した後直ちに基板Pの吸着を開始するようにすることとしても良い。
以上説明した本変形例によると、前述した第4の実施形態に係る液晶露光装置310と同等の効果を得ることができる。これに加え、第4の実施形態のように、基板ホルダ330’に大きな切り欠きを設ける必要がないので、矯正による基板Pの平面度を第4実施形態よりも向上させることができる。また、基板Pの回転を基板ホルダ330’の+Y側で行うこともできるので、基板回転装置の吸着パッドと基板ホルダとが干渉するおそれもない。
《第5の実施形態》
次に、第5の実施形態について、図43〜図46に基づいて説明する。ここで、前述した第2の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を簡略化若しくは省略する。
本第5の実施形態に係る液晶露光装置410は、マスクを複数、例えば2枚用いて露光を行うことが可能であることが、前述した第2の実施形態に係る液晶露光装置110と相違する。以下、相違点を中心として、液晶露光装置410について説明する。
液晶露光装置410では、2枚のマスクM1,M2がスキャン方向(X軸方向)に並んで配置可能になっている点、各一対の第1ガイド部82及び第2ガイド部86に代えて各一対の第1ガイド部182及び第2ガイド部186が用いられている点が、前述の液晶露光装置110と異なる。なお、第1ガイド部182及び第2ガイド部186は、一方(−Y側)のみが図示され、他方(+Y側)の図示は省略されている。
これをさらに詳述すると、図43に示されるように、液晶露光装置410には、X軸方向に2枚のマスクM1,M2が所定距離離間して配置されている。一対の第1ガイド部182のそれぞれは、X軸方向に並んで配置された2枚のマスクの合計の長さ以上の長さを有し、前述の第1ガイド部82に比べ、少なくともマスク1枚分のX軸方向長さだけX軸方向に長い。一対の第1ガイド部182は、照明系12がスキャン駆動する際のガイドとなるので、本実施形態では照明系12は、スキャン方向に並んで配置された2枚のマスクを一度にスキャンすることができるようになっている。
同様に、投影光学系16がスキャン駆動する際のガイドとなる一対の第2ガイド部186のそれぞれも、前述の第2ガイド部86に比べ、少なくともマスク1枚分のX軸方向長さだけX軸方向に長くなっている。
ここで、マスクM1,M2を保持するマスクホルダは、図43〜図46では不図示であるが、それぞれのマスクM1,M2ごとに設けても良いし、照明光ILが通過する2つの開口が形成された1つのマスクホルダを用いても良い。
液晶露光装置410のその他の部分の構成は、前述した第2の実施形態に係る液晶露光装置110と同様になっている。
上述のようにして構成された本第5の実施形態に係る液晶露光装置410では、前述した第2の実施形態に係る液晶露光装置110と同様に、マスクホルダへのマスクM1,M2のロード、基板Pの基板ホルダ130上への搬入、基板Pの基板ホルダ130上への吸着及び複数のエア浮上ユニット70による基板Pの非接触支持、基板Pのアライメント及び合焦動作が行われる。アライメント及び合焦動作の終了後、基板P上に設定された複数のショット領域に逐次ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
以下、本第5の実施形態に係る液晶露光装置で行われる上記ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作について、図43〜図46に基づいて説明する。なお、図43〜図46には、図面の錯綜を防止し、かつ説明を分かりやすくするために、照明系12、照明光IL、投影光学系16、第1ガイド部182、第2ガイド部186、マスクM1,M2,基板P、基板ホルダ130のみが図示されている。また、照明光ILは、実際には、露光時以外に照射されることはないが、図43〜図46では、照明光ILは、基板Pと投影光学系16及び照明系12との位置関係を明確にするため常に図示されている。また、図43〜図46では、基板ステップ送り装置175による基板ホルダ130に対する基板Pの移動は、白抜き矢印で示され、照明系12及び投影光学系16の移動(スキャン動作を含む)は、黒矢印で示されている。以下の説明では、基板に対し、X軸方向に2面(2スキャン)、Y軸方向に2面(2スキャン)の4面取り(合計4スキャン)の露光を行なう場合について説明する。
露光処理は、一例として、図43に示されるように、基板Pの−Y側半部かつ−X側半部に設定された第1ショット領域から開始される。
基板Pのアライメントの結果に基づいて、主制御装置50は、照明系12及び投影光学系16を、第1ショット領域の露光のためのスキャン開始位置に位置決めする。次いで、主制御装置50は、図43中に黒矢印で示されるように、照明系12と投影光学系16とを+X方向へ同期して駆動し、基板Pに対するスキャン露光を行う。
主制御装置50は、一度のスキャン動作で照明系12及び投影光学系16をストローク一端からストローク他端まで駆動し、マスクM1及びマスクM2のマスクパターンをそれぞれ、基板Pの第1ショット領域及び第1ショット領域の+X側に設定された第2ショット領域に、順次転写する。この際、照明系12及び投影光学系16は、目標速度になるまでストローク一端から例えば一定加速度で同期して加速され、目標速度に達すると一定の整定時間で等速同期状態に達し、その等速同期状態を2枚目のマスクM2を通り過ぎるまで維持された後、減速されて停止する。前記の等速同期状態を維持している間、照明系12から照明光ILがマスクM1、M2に照射され、そのマスクのパターン領域を介した照明光ILが、基板P上に投影光学系16を介して照射されることで、基板P上の第1及び第2ショット領域が露光される。図44には、基板Pの第1ショット領域及び第2ショット領域へのマスクパターンの転写が終了した状態が示されている。
第2ショット領域へのマスクパターンの転写が終了すると、図44中に白抜き矢印で示されるように、主制御装置50は、基板ステップ送り装置175を介して、基板Pを基板ホルダ130に対して、基板PのY軸方向長さの1/2程度の距離だけ−Y側に移動する。この際の複数のエア浮上ユニット70及び可動部175aの動作は、前述の第2の実施形態と基本的に同じなので、ここでは詳細説明を省略する。
基板Pが基板ホルダ130に対して−Y側に移動され、再び基板ホルダ130上に吸着保持されると、主制御装置50は、基板Pのアライメント及び合焦動作を行う。主制御装置50は、アライメントの結果に基づいて、次の露光のための加速に備えて、照明系12及び投影光学系16を基板P上の第2ショット領域の+Y側に設定された第3ショット領域の露光のためのスキャン開始位置に位置決めする。図45には、照明系12及び投影光学系16が、第3ショット領域の露光のためのスキャン開始位置に位置決めされた状態が示されている。
その後、照明系12及び投影光学系16は、図45中に黒矢印で示されるように、−X方向へ同期して駆動され、基板Pに対するスキャン露光が行われる。主制御装置50は、一度のスキャン動作で照明系12及び投影光学系16をストローク他端からストローク一端まで駆動し、マスクM2及びマスクM1のマスクパターンをそれぞれ、基板Pの第3ショット領域及び第3ショット領域の−X側に設定された第4ショット領域に、順次転写する。第3ショット領域及び第4ショット領域に対する露光処理の際の手順は、前述の第1ショット領域及び第2ショット領域に対する露光処理の際と、スキャン方向が反対である点を除き同様であるので、ここでは詳細説明を省略する。図46には、基板Pに対する第3ショット領域及び第4ショット領域への転写が終了した状態が示されている。
以上説明した本第5の実施形態に係る液晶露光装置410によると、第2の実施形態で得られた効果に加え、2枚のマスクのマスクパターンを、一度のスキャン動作で転写することができるので、更にスループットを早くすることができる。また、2枚のマスクに異なるパターンのマスクを用いることで、一度のスキャン動作で、異なる2つのパターンを露光することができる。
なお、本第5の実施形態では、液晶露光装置410が、マスクを2枚用いるものとしたが、3枚以上用いても良い。また、本第5の実施形態では、前述した第2の実施形態に係る液晶露光装置110の一部を変更した液晶露光装置410について説明したが、前述した第3、第4の各実施形態に係る液晶露光装置を、液晶露光装置410と同様に複数枚のマスクを一度にスキャン露光可能に改良しても良い。
なお、上記第1〜第5の各実施形態では、照明系12が、投影光学系16と共に走査方向であるX軸方向に移動する構成になっているものとしたが、これに限らず、例えば投影光学系16の露光フィールドより広い範囲、あるいは投影光学系16の走査範囲を適正に照明することができるのであれば、照明系12は投影光学系16と同期して移動しなくても良い。また、照明系12を走査する場合には、光源も同時に移動させても良いし、光源は柔軟な光ファイバーで繋いで、光源自体を移動しない構成にしても良い。要は、基板Pを実質的に静止した状態で、マスクMを介した照明光ILを水平面内の一軸方向に走査して、基板P上の少なくとも1つの領域に、一度のスキャン露光でマスクのパターンを転写できれば良い。従って、投影光学系16は、必ずしもなくても良い。
また、上記各実施形態では、照明系12は、装置本体に搭載したが、これにかぎらず、例えば図47に示されるように、装置本体から切り離して床11上に設置しても良い。かかる場合には、照明系12を駆動する反力が装置本体に作用しないので、外乱となる振動を抑えることができ、露光精度を向上することができる。
また、不図示であるが、投影光学系を駆動するときの反力も装置本体に作用しないようにしても良い。これには、投影光学系を装置本体から切り離して設置しても良いし、運動量保存則に従って、投影光学系16と反対方向に移動する重り(カウンターマスとも呼ばれる)により、反力を打ち消す反力キャンセラーを採用しても良い。
また、上記各実施形態では、基板ホルダ上の基板を移し替える場合に、基板ホルダから高圧エアを噴出して基板の一部を浮上させたが、基板ホルダ内に上下動が可能なエアベアリング付きの基板リフト装置を設けて、これを使って基板を基板ホルダから分離させ、さらに基板リフト装置上からエア浮上させるようにしても良い。
また、基板とマスクとの位置合わせは、基板ホルダを微少移動して行なったが、マスク台(マスクホルダ)を微少移動させて行なっても良いし、両方を移動させても良い。または、投影光学系内の光学要素(レンズなど)を微少移動させて位置決め(倍率調整を含む)を行うようにしても良い。また、これらのマスクと基板の位置決めは、露光前に一度行うだけでも良いし、スキャン中常時行うようにしても良い。
また、上記各実施形態に係る液晶露光装置において、照明光は、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。また、照明光としては、例えばDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、固体レーザ(波長:355nm、266nm)などを使用しても良い。
また、各実施形態に係る液晶露光装置では、マイクロレンズアレイ(MLA)ユニットを含む投影光学系16が用いられるものとしたが、これに限らず、投影光学系16は、複数本の投影光学ユニットを備えたマルチレンズ方式の投影光学系などであっても良い。投影光学ユニットの本数はこれに限らず、1本以上あれば良い。また、マルチレンズ方式の投影光学系に限らず、例えばオフナー型の大型ミラーを用いた投影光学系などであっても良い。また、上記各実施形態では投影光学系16として、投影倍率が等倍のものを用いる場合について説明したが、これに限らず、投影光学系は縮小系及び拡大系のいずれでも良い。
また、光透過性のマスク基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクが用いられたが、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク)、例えば、非発光型画像表示素子(空間光変調器とも呼ばれる)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)を用いる可変成形マスクを用いても良い。
また、露光装置としては、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置、ステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置であっても良い。
なお、露光装置としては、サイズ(外径、対角線の長さ、一辺の少なくとも1つを含む)が500mm以上の基板、例えば液晶表示素子などのフラットパネルディスプレイ用の大型基板を露光する露光装置に対して適用することが特に有効である。
また、露光装置の用途としては、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。なお、露光対象となる物体はガラスプレートに限られるものでなく、例えばウエハ、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。また、露光対象物がフラットパネルディスプレイ用の基板である場合、その基板の厚さは特に限定されず、例えばフィルム状(可撓性を有するシート状の部材)のものも含まれる。
液晶表示素子(あるいは半導体素子)などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたマスク(あるいはレチクル)を製作するステップ、ガラス基板(あるいはウエハ)を製作するステップ、上述した各実施形態の露光装置、及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをガラス基板に転写するリソグラフィステップ、露光されたガラス基板を現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ガラス基板上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
以上説明したように、本発明の露光方法及び露光装置は、物体にエネルギビームを用いて所定のパターンを形成するのに適している。また、本発明のフラットパネルディスプレイの製造方法は、フラットパネルディスプレイの製造に適している。また、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの生産に適している。
10…液晶露光装置、12…照明系、14…マスクホルダ、15…照明系駆動系、16…投影光学系、22…投影光学系駆動系、30…基板ホルダ、50…主制御装置、62…光源、64…照明光学系、67…基板回転装置、70…エア浮上ユニット、72…エアベアリング、75…基板ステップ送りシステム、76…基板Xステップ送り装置、77…基板Yステップ送り装置、132…切り欠き、175a…可動部、IL…照明光、M…マスク、P…基板。

Claims (32)

  1. エネルギビームによりマスクを介して物体を露光し、前記物体上の複数の領域のそれぞれに前記マスクに形成されたパターンを転写する露光方法であって、
    物体保持部材の水平面に平行な物体載置面上に前記物体の第1の領域を含む第1部分を載置し、前記物体を実質的に静止した状態で、前記マスクを介した前記エネルギビームを前記水平面内の一軸方向に走査して、前記物体上の前記第1の領域に前記パターンを少なくとも1つ転写することと、
    前記物体を前記物体保持部材に対して前記水平面内で移動させ、前記物体上の第2の領域を含む前記物体の第2部分を前記物体保持部材の前記物体載置面上に載置することと、
    前記第2部分が前記物体載置面上に載置された前記物体を実質的に静止した状態で、前記マスクを介した前記エネルギビームを前記水平面内の一軸方向に走査して、前記物体上の前記第2の領域に前記パターンを少なくとも1つ転写することと、を含む露光方法。
  2. 前記エネルギビームの前記水平面内の一軸方向の走査は、光源で発生した前記エネルギビームを所定の断面形状に整形し、その整形後の前記エネルギームを前記マスクに対して前記一軸方向に走査することで行われる請求項1に記載の露光方法。
  3. 前記エネルギビームの前記水平面内の一軸方向の走査は、前記断面形状が整形された前記エネルギビームを前記マスクに対して射出する光学部材を、前記一軸方向に駆動することで行われる請求項2に記載の露光方法。
  4. 前記エネルギビームの前記水平面内の一軸方向の走査に際し、
    前記マスクを介した前記エネルギビームを前記物体に照射する光学系と、前記光学部材とを、同期して前記一軸方向に駆動する請求項3に記載の露光方法。
  5. 前記光学系は、水平面に平行に配置された複数のマイクロレンズ群から成るマイクロレンズアレイユニットを含む請求項4に記載の露光方法。
  6. 前記物体の第2の部分を前記物体保持部材の前記物体載置面上に載置することでは、前記物体を前記物体保持部材に対して前記水平面内で一方向に並進駆動する請求項1〜5のいずれか一項に記載の露光方法。
  7. 前記一方向は、前記一軸方向及び水平面内で前記一軸方向に直交する方向のいずれかである請求項6に記載の露光方法。
  8. 前記物体の第2部分を前記物体保持部材の前記物体載置面上に載置することでは、前記物体を前記物体保持部材に対して前記水平面内で回転させる請求項1〜5のいずれか一項に記載の露光方法。
  9. 前記物体の第2部分を前記物体保持部材の前記物体載置面上に載置することでは、前記物体保持部材及び前記物体の前記物体載置面上に載置された部分を除く部分を支持する支持部材上に前記物体を浮上支持した状態で前記物体を移動させる請求項1〜8のいずれか一項に記載の露光方法。
  10. 前記第1の領域及び前記第2の領域には、それぞれ前記マスクのパターンが複数転写される請求項1〜9のいずれか一項に記載の露光方法。
  11. 前記物体は、フラットパネルディスプレイ装置に用いられる基板である請求項1〜10のいずれか一項に記載の露光方法。
  12. 前記基板は、少なくとも一辺の長さが500mm以上である請求項11に記載の露光方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の露光方法により前記物体を露光することと、
    露光された前記物体を現像することと、を含むフラットパネルディスプレイの製造方法。
  14. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の露光方法により前記物体を露光することと、
    前記物体を現像することと、を含むデバイス製造方法。
  15. エネルギビームによりマスクを介して物体を露光し、前記物体上の複数の領域のそれぞれに前記マスクに形成されたパターンを転写する露光装置であって、
    前記マスクを保持するマスク保持部材と、
    前記物体の一部を水平面に平行に保持する物体保持部材と、
    前記物体に対して、前記マスクを介した前記エネルギビームを前記水平面内の一軸方向に走査するビーム走査装置と、
    前記物体保持部材に対して前記物体を、前記水平面内の3自由度方向のうちの少なくと一方向に駆動する駆動系と、を備える露光装置。
  16. 前記ビーム走査装置は、光源で発生した前記エネルギビームを所定の断面形状に整形し、その整形後の前記エネルギームを前記マスクに対して前記一軸方向に走査する請求項15に記載の露光装置。
  17. 前記ビーム走査装置は、前記断面形状が整形された前記エネルギビームを前記マスクに対して射出する光学部材と、該光学部材を前記一軸方向に駆動する第1駆動部材とを含む請求項16に記載の露光装置。
  18. 前記ビーム走査装置は、前記マスクを介した前記エネルギビームを前記物体に照射する光学系と、前記第1駆動部材により前記光学部材が前記一軸方向に駆動されるのに同期して前記光学系を前記一軸方向に駆動する第2駆動部材とをさらに含む請求項17に記載の露光装置。
  19. 前記光学系は、水平面に平行に配置された複数のマイクロレンズ群から成るマイクロレンズアレイユニットを含む請求項18に記載の露光装置。
  20. 前記駆動系は、前記物体を前記物体保持部材に対して前記水平面内で少なくとも一方向に並進駆動する並進移動装置、及び前記物体を前記物体保持部材に対して前記水平面内で回転駆動する回転駆動装置の少なくとも一方を含む請求項15〜19のいずれか一項に記載の露光装置。
  21. 前記並進移動装置は、前記物体を前記物体保持部材に対して前記一軸方向及び水平面内で前記一軸方向に直交する方向の少なくとも一方の方向に駆動する請求項20に記載の露光装置。
  22. 前記マスク保持部材には、複数のマスクが前記一軸方向に並んで配置される請求項15〜21のいずれか一項に記載の露光装置。
  23. 前記物体保持部材には、前記水平面内で前記一軸方向に直交する方向の一端面及び上面が開口した切欠き部が形成され、前記駆動系の少なくとも一部が該切欠き部内に収容されている請求項15〜22のいずれか一項に記載の露光装置。
  24. 前記物体保持部材は、その一面に気体噴出部を有し、該気体噴出部から前記物体に対して気体を噴出して、前記物体を前記一面上に浮上支持する請求項15〜23のいずれか一項に記載の露光装置。
  25. 前記駆動系は、前記物体が少なくとも前記物体保持部材の前記一面上に浮上支持された状態で前記物体を移動させる請求項24に記載の露光装置。
  26. 前記物体の前記物体載置面上に載置された部分を除く部分を支持する支持部材を、更に備える請求項24又は25に記載の露光装置。
  27. 前記支持部材は、その一面に気体噴出部を有し、該気体噴出部から前記物体に対して気体を噴出して、前記物体を前記一面上に浮上支持する請求項26に記載の露光装置。
  28. 前記駆動系は、前記物体が前記物体保持部材及び前記支持部材の前記一面上に浮上支持された状態で前記物体を移動させる請求項27に記載の露光装置。
  29. 前記物体は、フラットパネルディスプレイ装置に用いられる基板である請求項15〜28のいずれか一項に記載の露光装置。
  30. 前記基板は、少なくとも一辺の長さ又は対角長が500mm以上である請求項29に記載の露光装置。
  31. 請求項15〜30のいずれか一項に記載の露光装置により前記物体を露光することと、
    露光された前記物体を現像することと、を含むフラットパネルディスプレイの製造方法。
  32. 請求項15〜28のいずれか一項に記載の露光装置により前記物体を露光することと、
    露光された前記物体を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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