JP2014037667A - マンガン含有物沈着防止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】次亜塩素酸塩が添加される製紙工程水においてマンガン含有物の紙への沈着を防止する方法の提供。
【解決手段】次亜塩素酸塩を添加することにより不溶性のマンガン含有物が生成する製紙工程水循環系において、水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水を添加する。前記添加は、次亜塩素酸塩と水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水とのモル比が残留塩素量と窒素とのモル比として1:1〜1:2となるように行う。これにより、効果的にマンガン含有物が抄造した紙に沈着することを防止して、安定に紙を製造することができる。
【選択図】なし

Description

この発明は、マンガン含有物沈着防止方法に関し、さらに詳しくは、酸化剤を添加することにより不溶性のマンガン含有物が発生する紙パルプ製造工程の白水循環系において、アンモニウム化合物を添加することを含む、紙製品へのマンガン含有物の沈着を防止する方法に関する。
紙パルプ製造工程では、原料となる木材に由来するセルロース、リグニン、ヘミセルロース、糖類などを栄養源として多くの微生物が工程水中に繁殖する。これら微生物は、製紙工程中のパイプラインやピットなどの壁面に付着して粘着性物質を分泌して、スライムを形成する。このスライムが、製紙原料に混入して紙切れによる生産効率の低下を引き起こしたり、紙製品の品質を低下させたりすることは、従来からよく知られている。このようなスライム障害を防止するため、種々の有機系殺菌剤が使用されてきたが、これら有機系殺菌剤には環境に悪影響を及ぼすもの、あるいは悪影響が懸念されるものが多い。このような環境影響性あるいは経済性の点から、その使用量は制限されてしまう。そこで、次亜塩素酸ナトリウムや二酸化塩素などの酸化剤を用いた微生物制御方法が提案されている。
他方、近年では紙製造工程のラインはクローズド化や古紙の利用、添加薬品の多様化などから、様々な汚れ物質が付着するようになっている。白水循環系でみられるマンガン含有物は、酸化数によって、茶色から黒色といった色を帯びるものだが、この異物が抄紙マシンの壁面やワイヤーに沈着して、抄造途中の紙面に付着し、湿紙にシミ状あるいは、塊状に付着したり、異物ごと紙が剥がれて粕穴を生じたりすることで、紙製品の商品価値を著しく落としてしまう。
製紙工程のマンガン含有物を防止する技術としては、水系におけるマンガン析出を阻害するためのセリウム塩の使用(特表2007−505738号公報:特許文献1参照)、無機組成物に関係するスケーリングの防止方法およびそのための組成物(特表2003−525104号公報:特許文献2参照)などが提案されている。
特表2007−505738号公報 特表2003−525104号公報
白水循環系などの製紙工程水からマンガン含有物が析出して製造される紙に沈着する原因の1つは、製紙工程のスライム汚れを防止するために添加される次亜塩素酸ナトリウムや二酸化塩素などの酸化剤であると考えられる。すなわち、酸化剤が水系のマンガンと反応して不溶性のマンガン含有物が生成すると考えられる。一方で、次亜塩素酸ナトリウムは、有機系殺菌剤と比べて環境に対する影響の少なさの点で優れるため、継続な使用が期待されるスライムコントロール剤である。
そこで、本発明は、次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩が添加される製紙工程水においてマンガン含有物の紙への沈着を防止する方法を提供する。
本発明は、一態様において、次亜塩素酸塩を添加することにより不溶性のマンガン含有物が生成する製紙工程水循環系において、水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水を、次亜塩素酸塩と水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水とのモル比が残留塩素量と窒素とのモル比として1:1〜1:2となるように添加することを特徴とする、紙製品へのマンガン含有物の沈着を防止する方法に関する。
また、本発明は、一態様において、スライムコントロールのために製紙工程水に次亜塩素酸塩が添加される製紙工程においてマンガン含有物の紙への沈着を防止する方法であって、前記製紙工程水に次亜塩素酸塩と、水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水とを添加することを含み、前記水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水の添加が、前記製紙工程水における次亜塩素酸塩と水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水とのモル比が残留塩素量と窒素とのモル比として1:1〜1:2となるように行われるマンガン含有物沈着防止方法に関する。
また、本発明は、一態様において、スライムコントロールのために次亜塩素酸塩が添加される製紙工程水を用いる紙の製造方法であって、マンガン含有物の紙への沈着を防止するために前記製紙工程水に、次亜塩素酸塩と、水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水とを添加することを含み、前記水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水の添加が、前記製紙工程水における次亜塩素酸塩と水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水とのモル比が残留塩素量と窒素とのモル比として1:1〜1:2となるように行われる、紙の製造方法に関する。
この発明によれば、例えば、マンガン含有物が発生しやすい環境下にある紙製造工程において、紙製品へマンガン含有物が混入することを効果的に抑制・防止する方法を提供でき、安定に紙を抄造する方法を提供できうる。
本発明は、次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩を添加することにより不溶性のマンガン含有物が生成する紙パルプ製造工程の白水循環系において、硫酸アンモニウム及び臭化アンモニウム等といった水溶性無機アンモニウム塩やアンモニア水を添加することで、抄造した紙にマンガン含有物が沈着することを効果的に防止して、安定に紙製品を製造することができるという知見に基づく。
本発明は、限定されない一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸ナトリウムを添加することにより不溶性のマンガン含有物が生成する製紙工程水循環系において、硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムを、次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムとのモル比が残留塩素量と窒素又は臭素とのモル比として1:1〜1:2となるように添加することを特徴とする、紙製品へのマンガン含有物の沈着を防止する方法に関する。
また、本発明は、限定されない一又は複数の実施形態において、スライムコントロールのために製紙工程水に次亜塩素酸ナトリウムが添加される製紙工程においてマンガン含有物の紙への沈着を防止する方法であって、前記製紙工程水に次亜塩素酸ナトリウムと、硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムとを添加することを含み、前記硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムの添加が、前記製紙工程水における次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムとのモル比が残留塩素量と窒素又は臭素とのモル比として1:1〜1:2となるように行われるマンガン含有物沈着防止方法に関する。
また、本発明は、限定されない一又は複数の実施形態において、スライムコントロールのために次亜塩素酸ナトリウムが添加される製紙工程水を用いる紙の製造方法であって、マンガン含有物の紙への沈着を防止するために前記製紙工程水に次亜塩素酸ナトリウムと、硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムとを添加することを含み、前記硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムの添加が、前記製紙工程水における次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムとのモル比が残留塩素量と窒素又は臭素とのモル比として1:1〜1:2となるように行われる、紙の製造方法に関する。
本明細書において「次亜塩素酸塩」は、一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、及び次亜塩素酸カルシウム等が挙げられる。次亜塩素酸塩は、固形のもの又は水溶液の形態のものを使用できる。
本明細書において「次亜塩素酸ナトリウム」は、特に限定されず、水溶液の形態のものを使用でき、市販の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用できる。
本明細書において「マンガン含有物」とは、マンガンの酸化物を含み、酸化数によって茶色から黒色を呈し、製紙工程において紙に沈着して汚れとなりうる物質をいう。マンガン含有物は、限定されない一又は複数の実施形態において、水に不溶である。マンガン含有物は、製紙工程水に存在するマンガン成分(イオン)が次亜塩素酸ナトリウムによって酸化され生成されると考えられるが、本発明はこのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。製紙工程における紙の汚れがマンガン含有物か否かは、例えば、蛍光X線分析によって確認できる。
本明細書において「沈着」とは、マンガン含有物が付着又は固着すること含み、限定されない一又は複数の実施形態において、紙にマンガン含有物の色が付くことをいう。
本明細書において「製紙工程水」とは、製紙白水(抄紙白水)、パルプ白水を含む。限定されない一又は複数の実施形態において、製紙工程水は、循環利用又は再利用されるものを含み、製紙工程水循環系における製紙工程水である。本明細書において「製紙工程水循環系」とは、製紙工程水の循環利用又は再利用される系をいう。
本明細書において「水溶性無機アンモニウム塩」は、アンモニウムイオンと無機イオンとの水溶性の塩をいい、一又は複数の実施形態において、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、硫酸アンモニウム、及び硝酸アンモニウム等が挙げられる。水溶性無機アンモニウム塩は、固体のもの或いは水溶液のものを使用でき、水溶液の場合の濃度も特に限定されなくてよい。安定性及びスペースの観点からは濃度は高いことが好ましい。
本明細書において「硫酸アンモニウム」は、特に限定されず、固体のもの或いは水溶液のものを使用でき、水溶液の場合の濃度も特に限定されなくてよい。安定性及びスペースの観点からは濃度は高いことが好ましい。
本明細書において「臭化アンモニウム」は、特に限定されず、固体のもの或いは水溶液のものを使用でき、水溶液の場合の濃度も特に限定されなくてよい。安定性及びスペースの観点からは濃度は高いことが好ましい。
本明細書において「沈着防止」とは、沈着の程度の抑制を含む。
本明細書において「残留塩素量」は、結合塩素及び遊離塩素を含む。残留塩素量は、使用する次亜塩素酸塩水溶液の有効塩素濃度から算出してもよく、従来知られ又は今後開発される方法によって測定してもよい。
本明細書において「紙製品」とは、限定されない一又は複数の実施形態において、製紙工程で製造される紙を含む。
本明細書において「スライムコントロール」とは、特に限定されないが、スライムの原因となる微生物の殺菌及び増殖抑制を含む。
[マンガン含有物沈着防止方法]
本発明のマンガン含有物沈着防止方法は、一態様において、次亜塩素酸塩を添加することにより不溶性のマンガン含有物が生成する製紙工程水循環系において、水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水(以下、これらをまとめて「アンモニウム塩等」ともいう)を、次亜塩素酸塩とアンモニウム塩等とのモル比が残留塩素量と窒素とのモル比として1:1〜1:2となるように添加することを特徴とする。また、本発明のマンガン含有物沈着防止方法は、一態様において、スライムコントロールのために次亜塩素酸塩が添加された製紙工程水を用いた製紙工程におけるマンガン含有物の紙への沈着を防止する方法であって、前記製紙工程水に次亜塩素酸塩と、アンモニウム塩等とを添加することを含み、前記アンモニウム塩等の添加が、前記製紙工程水における次亜塩素酸塩とアンモニウム塩等とのモル比が残留塩素量と窒素とのモル比として1:1〜1:2となるように行われる。
次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩を含む製紙工程水に、硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムといったアンモニウム塩等を添加することによりマンガン含有物の沈着を効果的に防止・抑制できるメカニズムの詳細は明らかではないが、水系に含まれるマンガンが次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩と反応して酸化マンガンになることでマンガン含有物の沈着が促されるが、硫酸アンモニウムといったアンモニウム塩等を添加することで酸化マンガンの生成を抑制して、マンガンが水中に溶解した状態が維持されるものと考えられる。但し、本発明はこのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本発明のマンガン含有物沈着防止方法は、限定されない一又は複数の実施形態において、製紙工程水の循環系において、酸化剤として使用されている次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩を添加することにより不溶性のマンガン含有物が生成する対象系で行われる。製紙工程水の循環系の水質条件などにより異なるが、製紙工程水中に全残留塩素量として5.0mg/リットル以上残留している製紙工程水の循環系において、不溶性のマンガン含有物が生成しやすい傾向にある。また、製紙工程水には通常マンガン成分(イオン)が含有される。本発明のマンガン含有物沈着防止方法によれば、製紙工程水中のマンガン成分(イオン)濃度がたまたま上昇した場合であっても、効果的にその沈着を防止・抑制することができる。
本発明に用いられる次亜塩素酸塩とアンモニウム塩等とのモル比は、残留塩素量と窒素のモル比(残留塩素量:窒素)として1:1〜1:2、好ましくは1:1.1〜1:1.6である。遊離塩素の発生抑制の点から、窒素は1以上が好ましい。過剰なアンモニウム塩等によりpHが低下し生成物(次亜塩素酸塩とアンモニウム塩等の反応生成物)が不安定になるのを回避する点から窒素は2以下が好ましい。
製紙工程水又は製紙工程水循環系に次亜塩素酸塩と、アンモニウム塩等とを添加する方法は、限定されない一又は複数の実施形態において、同時又は別々に添加される。同時添加の限定されない一又は複数の実施形態として、次亜塩素酸塩と、アンモニウム塩等とを予め混合して混合溶液を調製し、当該混合溶液を製紙工程水に添加することが挙げられる。
本発明のマンガン含有物沈着防止方法は、限定されない一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸ナトリウムを添加することにより不溶性のマンガン含有物が生成する製紙工程水循環系において、硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムを、次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムとのモル比が残留塩素量と窒素又は臭素とのモル比として1:1〜1:2となるように添加することを特徴とする。また、本発明のマンガン含有物沈着防止方法は、限定されない一又は複数の実施形態において、スライムコントロールのために次亜塩素酸ナトリウムが添加された製紙工程水を用いた製紙工程におけるマンガン含有物の紙への沈着を防止する方法であって、前記製紙工程水に次亜塩素酸ナトリウムと、硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムとを添加することを含み、前記硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムの添加が、前記製紙工程水における次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムとのモル比が残留塩素量と窒素又は臭素とのモル比として1:1〜1:2となるように行われる。
また、この発明の方法は、この発明の効果を阻害しない限りにおいて、公知の殺菌剤を併用添加することもできる。
[紙の製造方法]
本発明は、一態様において、スライムコントロールのために次亜塩素酸塩が添加された製紙工程水を用いた紙の製造方法であって、マンガン含有物の紙への沈着を防止するために前記製紙工程水に次亜塩素酸塩と、アンモニウム塩等とを添加することを含み、前記アンモニウム塩等の添加が、前記製紙工程水における次亜塩素酸塩とアンモニウム塩等とのモル比が残留塩素量と窒素とのモル比として1:1〜1:2となるように行われる紙の製造方法に関する。本発明の紙の製造方法は、一又は複数の実施形態において、本発明のマンガン含有物沈着防止方法を行うことを含む紙の製造方法である。
本発明は、限定されない一又は複数の実施形態において、スライムコントロールのために次亜塩素酸ナトリウムが添加された製紙工程水を用いた紙の製造方法であって、マンガン含有物の紙への沈着を防止するために前記製紙工程水に次亜塩素酸ナトリウムと、硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムとを添加することを含み、前記硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムの添加が、前記製紙工程水における次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムとのモル比が残留塩素量と窒素又は臭素とのモル比として1:1〜1:2となるように行われる紙の製造方法に関する。本発明の紙の製造方法は、一又は複数の実施形態において、本発明のマンガン含有物沈着防止方法を行うことを含む紙の製造方法である。
本発明を試験例により具体的に説明するが、本発明はこれらの試験例により限定されるものではない。
(調製例A)次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウムとの混合液の調製
次亜塩素酸ナトリウム溶液(残留塩素量140g/リットル)を脱イオン水で残留塩素量が5g/リットルになるよう希釈した後、30%硫酸アンモニウム溶液(硫酸アンモニウム(キシダ化学株式会社製)30gを脱イオン水で溶解し、全量を100gとしたもの)を残留塩素量と窒素のモル比が1:1.2になるよう混合した。
(調製例B)
残留塩素量と窒素のモル比が1:1.6になるよう混合したほかは調製例Aと同様に次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウムとの混合液を調製した。
(調製例C)
残留塩素量と窒素のモル比が1:0.8になるよう混合したほかは調製例Aと同様に次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウムとの混合液を調製した。
(調製例D)次亜塩素酸ナトリウムと臭化アンモニウムとの混合液の調製
次亜塩素酸ナトリウム溶液(残留塩素量140g/リットル)を脱イオン水で残留塩素量が5g/リットルになるよう希釈した後、1%水酸化ナトリウム水溶液を20ml/リットル加え、30%臭化アンモニウム水溶液(臭化アンモニウム30gを脱イオン水で溶解し、全量を100gとしたもの)を残留塩素量と窒素のモル比が1:1.2となるよう混合した。
(調製例E)次亜塩素酸ナトリウム水溶液の調製
次亜塩素酸ナトリウム溶液(残留塩素量140g/リットル)を脱イオン水で残留塩素が5g/リットルになるよう希釈した。
(調製例F)次亜塩素酸ナトリウムと臭化ナトリウムとの混合液の調製
次亜塩素酸ナトリウム溶液(残留塩素量140g/リットル)を脱イオン水で残留塩素が5g/リットルになるよう希釈した後、30%臭化ナトリウム水溶液(臭化ナトリウム(キシダ化学株式会社製)30gを脱イオン水で溶解し、全量を100gとしたもの)を残留塩素量と臭素のモル比が1:1.2になるよう混合した。
(調製例G)次亜塩素酸ナトリウムと塩化アンモニウムとの混合液の調製
次亜塩素酸ナトリウム溶液(残留塩素量140g/リットル)を脱イオン水で残留塩素量が5g/リットルになるよう希釈した後、20%塩化アンモニウム溶液(塩化アンモニウム(キシダ化学株式会社製)20gを脱イオン水で溶解し、全量を100gとしたもの)を残留塩素量と窒素のモル比が1:1.2になるよう混合した。
(調製例H)
残留塩素量と窒素のモル比が1:1.6になるよう混合したほかは調製例Gと同様に次亜塩素酸ナトリウムと塩化アンモニウムとの混合液を調製した。
(調製例I)
残留塩素量と窒素のモル比が1:0.8になるよう混合したほかは調製Gと同様に次亜塩素酸ナトリウムと塩化アンモニウムとの混合液を調製した。
(試験例1)マンガンの析出抑制効果の確認
大阪市水1リットルにマンガンとして10mg/リットルになるよう塩化マンガン・4水和物(キシダ化学株式会社製)を添加して溶解した。300mlビーカーに小分けし、調製例A〜Iの各薬剤をそれぞれ所定濃度となるように添加した。35℃で1時間撹拌した後、ビーカー内のマンガンの析出状態を目視にて確認した。結果の一例を表1に示す。
Figure 2014037667
表1の試験結果から、次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムとの併用(実施例1及び2)により、マンガン含有物の析出は見られなかった。これに対し次亜塩素酸ナトリウム単独や臭化ナトリウムとの併用(比較例1及び2)では、マンガン含有物の析出が見られた。
また、次亜塩素酸ナトリウムと塩化アンモニウムとの併用(実施例8及び9)により、マンガン含有物の析出は見られず、残留塩素量と窒素のモル比が1:1.2(実施例8)及び1:1.6(実施例9)のいずれの場合においても同様の結果が得られた。
(試験例2)マンガン含有物の析出抑制効果の確認
白水試料1リットルにマンガンとして10mg/リットルになるよう塩化マンガン・4水和物(キシダ化学株式会社製)を添加して溶解した。100mlビーカーに小分けし、調製例A〜Iの各薬剤をそれぞれ所定濃度となるように添加した。35℃で1時間撹拌した後、ビーカー内のマンガン異物の析出を目視にて確認した。測定結果の一例を表2に示す。
Figure 2014037667
表2の試験結果から、次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムとの併用(実施例3及び4)により、マンガン含有物の析出は見られなかった。これに対し次亜塩素酸ナトリウム単独や臭化ナトリウムとの併用(比較例3及び4)では、マンガン含有物の析出が見られた。
また、次亜塩素酸ナトリウムと塩化アンモニウムとの併用(実施例10及び11)により、マンガン含有物の析出は見られず、残留塩素量と窒素のモル比が1:1.2(実施例10)及び1:1.6(実施例11)のいずれの場合においても同様の結果が得られた。
(試験例3)白水中のマンガン含有物の析出抑制効果の確認
現場白水ろ液1リットルにマンガンとして10mg/リットルとなるよう塩化マンガン・4水和物(キシダ化学株式会社製)を添加して溶解した。この水にLBKPパルプシートを混合して、1%パルプスラリーを準備した。スラリーの水温を30℃に設定して、調製例A〜Iの各薬剤をそれぞれ所定濃度となるように添加した後、スターラーで1時間撹拌した。薬剤添加スラリーを吸引ろ過して、試験片シートを作成、目視でシート表面の付着物を確認した。測定結果を表3に示す。
Figure 2014037667
表3の試験結果から、次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウム又は臭化アンモニウムとを併用し、かつ残留塩素量と窒(臭)素のモル比が1:1〜1:2の場合(実施例5‐7)においては、マンガン含有物の析出は見られなかった。これに対し、残留塩素量と窒(臭)素のモル比が1:0.8の比較例6、次亜塩素酸ナトリウム単独(比較例7‐8)、及び次亜塩素酸ナトリウムと次亜臭素酸ナトリウムとの組合せ(比較例9‐10)では、マンガン含有物の析出が見られた。
また、次亜塩素酸ナトリウムと塩化アンモニウムとの併用において、残留塩素量と窒素のモル比が1:1.2(実施例12)及び1:1.6(実施例13)の場合は、マンガン含有物の析出が見られなかった。これに対し、残留塩素量と窒素のモル比が1:0.8の比較例11では、マンガン含有物の析出が見られた。

Claims (3)

  1. 次亜塩素酸塩を添加することにより不溶性のマンガン含有物が生成する製紙工程水循環系において、水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水を、次亜塩素酸塩と水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水とのモル比が残留塩素量と窒素とのモル比として1:1〜1:2となるように添加することを特徴とする、マンガン含有物沈着防止方法。
  2. スライムコントロールのために次亜塩素酸塩が製紙工程水に添加される製紙工程においてマンガン含有物の紙への沈着を防止する方法であって、
    前記製紙工程水に次亜塩素酸塩と、水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水とを添加することを含み、
    前記水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水の添加が、前記製紙工程水における次亜塩素酸塩と水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水とのモル比が残留塩素量と窒素とのモル比として1:1〜1:2となるように行われる、マンガン含有物沈着防止方法。
  3. スライムコントロールのために次亜塩素酸塩が添加される製紙工程水を用いる紙の製造方法であって、
    マンガン含有物の紙への沈着を防止するために前記製紙工程水に、次亜塩素酸塩と、水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水とを添加することを含み、
    前記水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水の添加が、前記製紙工程水における次亜塩素酸塩と水溶性無機アンモニウム塩又はアンモニア水とのモル比が残留塩素量と窒素とのモル比として1:1〜1:2となるように行われる、紙の製造方法。
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