JP2014037361A - 抗菌性マスターバッチ及びそれを用いた成形体 - Google Patents

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【課題】経時による変色が抑制されていると共に優れた抗菌性能を有するマスターバッチを提供する。
【解決手段】
オレフィン樹脂、脂肪酸銀及び分散剤を加熱混合して成るマスターバッチであって、前記オレフィン樹脂の塩素含有量が1ppm以下であり、前記分散剤の酸解離定数(pKa)が4.0以下であり、前記脂肪酸銀が0.1重量%〜2重量%の量で含有されており、前記脂肪酸銀と前記分散剤の重量比が1:0.5〜1:10であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗菌効果を有する銀化合物を含有するマスターバッチに関し、より詳細には、耐変色性に優れたマスターバッチ及びそれを用いた成形体に関する。
近年、医療用品や、台所、浴室、洗面所等高温多湿の条件下で使用される容器等の細菌や黴等が繁殖しやすい場所で用いられる製品以外にも、例えば、吊り革等のように公共の場所で使用されるもの、或いは壁紙や建具等の住宅関連部材、エアコン等のフィルター、更には衛生製品、キッチン用品、繊維、フィルム、シート、文具等、種々の製品に抗菌性能が求められている。
本発明者等は、スギ花粉等の植物性蛋白、ダニやその排泄物、カビ等の動物性蛋白から成るアレルゲン物質を免疫的に不活性化させ得る樹脂組成物として、金属超微粒子表面に有機酸成分を存在させてなる金属超微粒子を含有する樹脂組成物を提案している(特許文献1)。
従来より、抗菌効果を有する銀化合物を含有した組成物が、紫外線や熱により経時と共に変色が起こることは知られており、経時による変色が起こると商品価値が低下するという問題があった。
このような課題を解決するものとして、以下の先行技術が提案されている。
例えば、下記特許文献2には、銀系無機抗菌剤と2種類以上の特定の光安定化剤を含有したポリプロピレン系樹脂組成物が記載されており、また下記特許文献3には、脂肪酸銀と着色防止剤を含有した樹脂組成物が記載されている。
国際公開2009/107719号 特開平11−209533号公報 特開2010−248125号公報
上記特許文献2に記載されたポリプロピレン系樹脂組成物は、銀系無機抗菌剤と2種類以上の特定の光安定化剤を含有して成るものであり、耐変色性に優れるが、抗菌性を向上させるには銀系無機抗菌剤(抗菌性溶解性ガラス)を多量に添加することが必要であり、経済性、成形性、樹脂の性状が低下するという問題を有している。また、ポリプロピレンに含まれる触媒の残存量により、加熱混合する際に変色したり、紫外線による変色が起こりやすくなり、必ずしも満足するものではなかった。
また上記特許文献3に記載された脂肪酸銀と着色防止剤を含有した樹脂組成物も、耐変色性には優れているが、抗菌性能の向上には多くの添加量を要する。
一方、本発明者等は、樹脂中に脂肪酸金属塩及びサッカリン等の特定の化合物を含有してなる抗菌性樹脂組成物を提案しており、かかる樹脂組成物においては、脂肪酸金属塩と共にサッカリン等が含有されていることにより、抗菌性が顕著に向上することを見出したが(PCT/JP2012/053411)、脂肪酸銀とサッカリン等をポリオレフィン樹脂に共添加すると、脂肪酸銀のみを配合した場合に比して、経時により変色の程度が大きくなるという課題を見出した。
また、抗菌性樹脂組成物を得るために用いられる、抗菌剤を高濃度で含有するマスターバッチにおいては、抗菌剤の含有量が多いため、熱や光の影響を受け経時により変色が顕著に生じやすいという問題もある。
従って本発明の目的は、光や熱等の影響を受け、経時によって変色することが抑制されていると共に、抗菌性に優れるマスターバッチを提供することである。
本発明の他の目的としては、マスターバッチを他の樹脂組成物に配合して、希釈して使用した場合にも、加熱混合の際や、熱や光等の影響を受け経時による変色が抑制された成形体を提供することである。
本発明によれば、オレフィン樹脂、脂肪酸銀及び分散剤を加熱混合して成るマスターバッチであって、前記オレフィン樹脂の塩素含有量が1ppm以下であり、前記分散剤の酸解離定数(pKa)が4.0以下であり、前記脂肪酸銀が0.1重量%〜2重量%の量で含有されており、前記脂肪酸銀と前記分散剤の重量比が1:0.5〜1:10であることを特徴とする抗菌性マスターバッチが提供される。
本発明の抗菌性マスターバッチにおいては、
1.分散剤が、イミノ基を有するアミド化合物又は芳香族カルボン酸であること、
2.分散剤が、サッカリンであること、
3.オレフィン樹脂が、メタロセン系触媒ポリプロピレンであること、
4.照光前後の色差ΔE*abが5以下であること、
が好適である。
本発明によればまた、上記マスターバッチを、該マスターバッチに使用したオレフィン樹脂よりも塩素濃度の高いオレフィン樹脂に配合して成る樹脂組成物から成ることを特徴とする成形体が提供される。
本発明は、脂肪酸銀と分散剤を高い濃度で含有するマスターバッチであるにもかかわらず、マスターバッチの製造時の加熱混合する際やマスターバッチを樹脂に配合して加熱混合する際、或いは紫外線等の影響による経時と共に変色することが有効に防止されている。
しかも本発明のマスターバッチにおいては、分散剤の存在により効率的に銀イオンを溶出することが可能であり、かかるマスターバッチを配合してなる樹脂組成物からなる成形体においては、優れた抗菌性を発現することも可能である。
本発明のこのような効果は、後述する実施例の結果からも明らかである。
すなわち、本発明の抗菌性マスターバッチ(実施例1及び2)においては、耐変色性に優れていると共に、このマスターバッチをポリプロピレンに配合して作成した不織布においても優れた抗菌性が得られた(実施例3及び4)。
これに対して、ポリプロピレンにステアリン酸銀のみを添加した場合では、マスターバッチの変色は起こらないが(比較例1)、このマスターバッチをポリプロピレンに配合して作成したフィルムは抗菌活性値が低く、抗菌性の点で充分満足するものではなかった(比較例6)。また、サッカリンのみを添加した場合には、マスターバッチの変色も起こらないが(比較例2)、このマスターバッチをポリプロピレンに配合して作成したフィルムは抗菌性も得られなかった(比較例7)、更に、ポリプロピレンにステアリン酸銀と共に、分散剤としてpKaが5.0のラウリン酸を添加した場合には、マスターバッチの変色はないとしても(比較例3)、このマスターバッチをポリプロピレンに配合して作成したフィルムは抗菌性の点で充分満足するものではなかった(比較例8)。
更に、塩素含有量が本発明の範囲を超えるポリプロピレンを用いた場合には、脂肪酸銀及び分散剤を本発明の範囲を満足するように配合しても、耐変色性に劣っていることが明らかである(比較例4及び5、図1)。
尚、本発明のマスターバッチは、塩素を含有するオレフィン樹脂に配合し、希釈して使用した場合においても、耐変色性に優れていることがわかる(実施例3)。
実施例1〜2及び比較例4及び5についての照射試験前後のマスターバッチを示す写真である。
本発明の抗菌性マスターバッチにおいては、塩素含有量が1ppm以下のオレフィン樹脂に、脂肪酸銀と酸解離定数(pKa)が4.0以下の分散剤を所定の割合で配合することが重要な特徴である。
すなわち、本発明においては、上記分散剤を脂肪酸銀と共にオレフィン樹脂に配合することにより、脂肪酸銀の樹脂中での分散性を向上させると共に、酸解離定数が小さいため、樹脂中に分散した脂肪酸銀から抗菌成分である銀イオンへの解離を促し、優れた抗菌性能を発現させることが可能になる
その一方、分散剤は脂肪酸銀のみに関与するものではなく、加熱混合中にオレフィン樹脂中に存在する触媒等の塩素成分と銀イオンの反応を促進し、光による変色の原因となる塩化銀を生成しやすくなる。このため、分散剤を配合することによって、マスターバッチは光により変色が生じやすくなる。
本発明においては、分散剤と脂肪酸銀を混合した場合に生じる問題を解決するために、分散剤としてpKa(酸解離定数)が4.0以下のものを選択すると共に、塩素成分の含有量が1ppm以下のオレフィン樹脂を用いる。
すなわち、オレフィン樹脂に含まれる変色に起因する塩素成分の含有量が可及的にゼロに近いことにより、マスターバッチの変色を抑制することが可能になると共に、pKaが4.0以下の分散剤の存在により、脂肪酸銀がオレフィン樹脂中で微分散し、菌液と接触した際には脂肪酸銀から速やかに銀イオンへ解離して優れた抗菌性を有するのである。
(樹脂)
本発明のマスターバッチに用いるオレフィン樹脂は、塩素の含有量が可及的にゼロに近く低減されたものであることが好適であり、塩素の含有量が少なくとも1ppm以下であることが重要である。
オレフィン樹脂の製造には、触媒として一般にチーグラー・ナッタ系触媒又はメタロセン系触媒が使用されるが、本発明においては、触媒残渣に塩素成分を含有するチーグラー・ナッタ触媒よりもメタロセン触媒を用いて成るオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。
オレフィン樹脂としては、低−,中−,高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、ホモポリマー(単独重合体)やランダムポリマーやブロックポリマーであるポリプロピレンが挙げられる。
またオレフィン樹脂は、メルトフローレートが1g/10分〜200g/10分、特に1g/10分〜80g/10分の範囲にあることが好適である。
尚、本発明におけるオレフィン樹脂中の塩素含有量は、後述する塩素濃度の測定方法にて算出される。
(脂肪酸銀)
本発明の抗菌性マスターバッチに用いる脂肪酸銀としては、公知のものを全て使用することができ、脂肪酸としては、ミリスチン酸,ステアリン酸,オレイン酸,パルミチン酸,n−デカン酸,パラトイル酸,コハク酸,マロン酸,酒石酸,リンゴ酸,グルタル酸,アジピン酸、酢酸等を挙げることができる。
本発明においては特に、ステアリン酸銀を好適に使用することができる。
(分散剤)
本発明の抗菌性マスターバッチに用いる分散剤としては、酸解離定数(pKa)が4.0以下を示す酸を好適に使用することができる。
このような分散剤の中でも、イミノ基を有するアミド化合物、或いは芳香族カルボン酸を好適に使用することができ、これに限定されないが、サッカリン、サッカリンナトリウム、サッカリンカリウム等のイミノ基を有するアミド化合物、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びその誘導体を例示することができる。これらは単独或いは組合せで用いることができる。
本発明においては特に、サッカリンを好適に使用することができる。
(マスターバッチ)
本発明の抗菌性マスターバッチは、塩素含有量が1ppm以下のオレフィン樹脂、脂肪酸銀及pKaが4.0以下の分散剤から成り、脂肪酸銀が0.1重量%〜2重量%、特に0.1重量%〜1重量%の量で含有されていると共に、脂肪酸銀と分散剤の重量比が1:0.5〜1:10、特に1:1〜1:7であることが好適である。
上記範囲よりも脂肪酸銀の量が少ないと充分な抗菌性能を発揮することができず、その一方上記範囲よりも脂肪酸銀の量が多い場合には成形性が劣るようになる。また、上記範囲よりも分散剤の量が少ない場合には、分散剤による銀イオンの溶出効果を充分得ることができず、十分な抗菌性能の向上が得られないと共に、脂肪酸銀由来の黄色の着色が生じるおそれがあり、その一方上記範囲よりも分散剤の量が多い場合には、フィルム成形を行う際に冷却ロールに分散剤が析出する等の問題が発生して、生産性を低下させるおそれがある。
オレフィン樹脂と、脂肪酸銀及び分散剤の加熱混合は、これに限定されないが、例えばタンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサー又はスーパーミキサーのような混合機で予め均一に混合した後、単軸押出機や多軸押出機で溶融混練し、押出されたストランドをカッター等で切断して造粒する方法や、ニーダーやバンバリーミキサー等で溶融混練した後に押出機を用いて造粒する方法等が挙げられる。
加熱条件は、用いるオレフィン樹脂、脂肪酸銀及び分散剤の種類や配合量、或いは用いる混合機の条件等によっても相違するので、一概には規定できないが、用いるオレフィン樹脂の融点以上劣化温度未満の温度で、1〜600秒加熱されることが望ましい。
本発明のマスターバッチには、その用途に応じて、それ自体公知の各種配合剤、例えば、充填剤、可塑剤、レベリング剤、増粘剤、減粘剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を公知の処方に従って配合してもよい。
(成形体)
本発明の成形体は、前述したマスターバッチを熱可塑性樹脂に配合してなる樹脂組成物を、二本ロール法、射出成形、押出成形、圧縮成形等の従来公知の溶融成形に賦することにより、最終成形品の用途に応じた形状、例えば、粒状、ペレット状、繊維状、フィルム、シート、容器等の抗菌性成形体を得ることができる。
マスターバッチの熱可塑性樹脂への配合量は、マスターバッチ中の脂肪酸銀量によって一概に規定できないが、マスターバッチを樹脂にて10倍〜40倍に希釈して混合するのが望ましい。上記範囲よりもマスターバッチ量が少ない場合には、成形体に十分な抗菌性能を付与することができず、一方上記範囲よりもマスターバッチ量が多い場合には、成形性に劣るおそれがある。
また、マスターバッチを配合する熱可塑性樹脂としては、溶融成形が可能な熱可塑性樹脂であれば従来公知のものを全て使用でき、マスターバッチに用いる前述したオレフィン樹脂の他、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等を使用することができる。
尚、本発明のマスターバッチを配合する熱可塑性樹脂としては、マスターバッチに用いたのと同種のオレフィン樹脂、特にポリプロピレンを好適に使用することができる。
(実施例1)
塩素含有量が1ppm以下のランダムポリプロピレン(日本ポリプロ社製 メタロセン系触媒使用、MFR5g/10分)に、ステアリン酸銀を0.34重量%、サッカリン(pKa:2.2)を1.70重量%となるように配合し、押出成形機の設定温度230℃、Q(吐出量)/N(スクリュー回転数)=4/100=0.04の成形条件で、2軸押出機((株)テクノベル製)にてストランド状に押出し後、水冷、ペレタイズしてマスターバッチを作製した。
(実施例2)
オレフィン樹脂として塩素含有量が1ppm以下の別のランダムポリプロピレン(日本ポリプロ社製 メタロセン系触媒使用,MFR30g/10分)に変更した以外は実施例1と同様にマスターバッチを作製した。
(比較例1)
塩素含有量が1ppmより多いホモポリプロピレン(プライムポリマー社製 F−704NP,チーグラー・ナッタ触媒使用,MFR7g/10分)にステアリン酸銀を0.34重量%となるように配合し、押出成形機設定温度180℃、Q(吐出量)/N(スクリュー回転数)=4/100=0.04の成形条件で実施例1と同様にマスターバッチを作製した。
(比較例2)
塩素含有量が1ppmより多いホモポリプロピレン(プライムポリマー社製 F−704NP,チーグラー・ナッタ系触媒使用,MFR7g/10分)にサッカリンを1.70重量%となるように配合し、押出成形機設定温度230℃、Q(吐出量)/N(スクリュー回転数)=6/100=0.06の成形条件で実施例1と同様にマスターバッチを作製した。
(比較例3)
塩素含有量が1ppmより多いホモポリプロピレン(プライムポリマー社製 F−704NP,チーグラー・ナッタ系触媒使用,MFR7g/10分)に、ステアリン酸銀を0.34重量%、ラウリン酸(pKa:5.0)を1.70重量%となるように配合し、押出成形機設定温度180℃、Q(吐出量)/N(スクリュー回転数)=4/100=0.04の成形条件で実施例1と同様にマスターバッチを作製した。
(比較例4)
実施例1のランダムポリプロピレンを、塩素含有量が1ppmより多いホモポリプロピレン(プライムポリマー社製 F−704NP,チーグラー・ナッタ系触媒使用,MFR7g/10分)に変更した以外は実施例1と同様にマスターバッチを作製した。
(比較例5)
実施例1のランダムポリプロピレンを、塩素含有量が1ppmより多いホモポリプロピレン(プライムポリマー社製 S119,チーグラー・ナッタ触媒使用,MFR60g/10分)に変更した以外は実施例1と同様にマスターバッチを作製した。
(実施例3)
実施例2により作製されたマスターバッチを、表2に示す配合比(質量基準)で、ホモポリプロピレン(プライムポリマー社製 S119,チーグラー・ナッタ触媒使用,MFR60g/10分)に配合してドライブレンドした後、押出機で溶融し、スパンボンド法により紡糸し、エンボス加工して、目付20g/mのスパンボンド不織布を作製した。
(実施例4)
実施例2により作製されたマスターバッチを、表2に示す配合比(質量基準)で、実施例2で用いた、塩素含有量が1ppm以下のランダムポリプロピレン(日本ポリプロ社製 メタロセン系触媒使用,MFR30g/10分)に配合してドライブレンドした後、押出機で溶融し、スパンボンド法により紡糸し、エンボス加工して、目付20g/mのスパンボンド不織布を作製した。
(比較例6〜8)
比較例1〜3により作製されたマスターバッチを、表3に示す配合比(質量基準)で、比較例1で用いた塩素含有量が1ppmより多いホモポリプロピレン(プライムポリマー社製 F−704NP,チーグラー・ナッタ系触媒使用,MFR7g/10分)にそれぞれ配合してドライブレンドした後、押出機で溶融押出して 厚み100μmのフィルムをそれぞれ作製した。
(塩素濃度の測定)
目付量20g/mの不織布を30枚積層した後、φ10mmの分析面積とし、リガク社製蛍光X線分析装置を用い、オレフィン樹脂中に含まれる塩素元素の分析を行った。
オレフィン樹脂中に含まれる塩素元素の含有量が1ppmを越える場合を×、検出限界以下の1ppm以下の場合は○と判定した。
(照光前後の色調測定)
マスターバッチ及び不織布を、蛍光灯照射下において3時間静置し、照光前及び照光後の明度L* 、色座標a*及びb* の値を三刺激値直読式測色計(スガ試験機(株)製SM-4S-2)を用い測定した。照光前の測色値を基準にして、以下の式によって照光前後の色差Δ E*ab を算出した。
Δ E*ab=[(Δ L*)+(Δ a*)+(Δ b*)1/2
(照光後の変色判定)
色差ΔE*ab値5.0以下の場合を○、ΔE*ab値5.0を越える場合は×と判定した。
(静菌評価方法)
静菌試験方法は、JIS L 1902繊維製品の抗菌性試験方法・抗菌効果に準じた。菌種は黄色ブドウ球菌(S.aureus)を用いた。無加工試料の培養後菌数から抗菌加工試料の培養後菌数を除した数の対数値を静菌活性値とした。
(静菌評価の判定)
静菌活性値が2.2以上の場合を○、静菌活性値が2.2未満の場合を×と判定した。
Figure 2014037361
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本発明の抗菌性マスターバッチによれば、光や熱等の影響を受けて経時により変色することが有効に防止されていると共に、優れた抗菌性能を発現することができるため、使い捨て製品や汎用製品に好適に用いることができる。
また本発明の抗菌性マスターバッチを用いてなる成形体においては、細菌、アレルゲン物質の他、真菌、アミノ酸配列によって特定の立体構造を持つ酵素、或いはDNAまたはRNA(核酸)と少数の蛋白分子からなる粒子状物質であるウィルス等の微小蛋白質も、有効に不活性化することができる。例えば、医療分野、生活用品分野、寝装分野、建材分野、電子工業分野、水処理分野等を挙げることができる。具体的には、病院等で使用される製品或いは医療用品、台所、浴室、洗面所等高温多湿の条件下で使用される製品、床、壁面、カーテン、カーペット、壁床用塗料、接着剤、目地剤等の住宅関連部材、空調機器、織布、不織布等の繊維製品、マスク、フィルター等の濾過部材等の製品に好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. オレフィン樹脂、脂肪酸銀及び分散剤を加熱混合して成るマスターバッチであって、
    前記オレフィン樹脂の塩素含有量が1ppm以下であり、
    前記分散剤の酸解離定数(pKa)が4.0以下であり、
    前記脂肪酸銀が0.1〜2重量%の量で含有されており、
    前記脂肪酸と前記分散剤の重量比が1:0.5〜1:10であることを特徴とする抗菌性マスターバッチ。
  2. 前記分散剤が、イミノ基を有するアミド化合物又は芳香族カルボン酸である請求項1に記載の抗菌性マスターバッチ。
  3. 前記分散剤が、サッカリンである請求項1又は2に記載の抗菌性マスターバッチ。
  4. 前記オレフィン樹脂が、メタロセン系触媒ポリプロピレンである請求項1乃至3の何れかに記載の抗菌性マスターバッチ。
  5. 照光前後の色差ΔE*abが5以下である請求項1乃至4の何れかに記載の抗菌性マスターバッチ。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載のマスターバッチを、該マスターバッチに用いたオレフィン系樹脂よりも塩素濃度の高いオレフィン樹脂に配合して成る樹脂組成物から成ることを特徴とする成形体。
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