JP2014037204A - 乳母車用幌の幌骨 - Google Patents

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泰彦 坂西
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Abstract

【課題】右方向に折り畳みを行う乳母車に取り付けた状態のまま乳母車を折りたたんでも、幌の形態が崩れたり幌骨が折れたりすることがないようにする。
【解決手段】乳母車用幌に用いられ、可撓性を有してアーチ状に湾曲する幌骨11において、幌骨11の長手方向の中間部に、該部分を補強するため他の部分よりも硬い硬質部12を形成すべく、金属製の補強板13を重合する。補強板13はあらかじめ弧状に湾曲しており、乳母車の折りたたみ時に湾曲を抑制して、幌骨11のアーチ形状を保持するとともに、幌骨11の変形や損傷を防ぐ。
【選択図】図1

Description

この発明は、乳母車に用いられる幌に関し、より詳しくは、乳母車を折りたたんでも損傷しないような乳母車用幌の幌骨に関する。
乳母車の幌としては、両端が互いに枢着されたあった2本の幌骨間に幌布を張ったものが知られている(例えば下記特許文献1の図3参照)。この幌の幌骨はアーチ状に大きく湾曲している。
しかし、乳母車には持ち運び等に便利なように、前後方向のほか左右方向にも小さくなるように折り畳み可能に構成されているものがある。このような乳母車では、幌のついた状態で乳母車の折り畳みを行うのが通常である。折りたたむ際にいちいち幌を取り外すのでは、便利さを享受できないからである。
乳母車を折りたたむと幌の幌骨は、大きく湾曲した状態から一部が小さく湾曲した状態に変形する。幌骨は幌布を形よくピンと張れように可撓性を有した細幅板状に合成樹脂で形成されており、変形は可能である。
しかしながら、乳母車を左右方向に縮めたときには、幌骨の湾曲、特にアーチ形状の頂部(長手方向の中間部)の湾曲が小さくなる変形が起こる。
このような動作が繰り返されるうちに、幌骨の頂部が小さく曲がってしまい、アーチ形状が崩れたり、幌骨が折れてしまったりすることがあった。
ところが、このような問題を解決しようとする幌は、これまでになかった。
特開2009-101790号公報
そこで、この発明は、左右方向に折り畳みを行う乳母車に備えても幌の形態が崩れたり幌骨が折れたりすることがないようにすることを主な目的とする。
そのための手段は、乳母車用幌に用いられ、可撓性を有してアーチ状に湾曲する幌骨であって、前記幌骨の長手方向の中間部に、該部分を補強するため他の部分よりも硬い硬質部が形成された乳母車用幌の幌骨である。
前記硬質部は弧状に湾曲した状態であるとよい。また前記硬質部は、補強板を重合して構成するとよく、この前記補強板は、金属製であったり、幌骨に対して両端部がピン部材で結合されたりするものであるとよい。
この構成では、前記硬質部が幌骨の長手方向の中間部が過度に湾曲することを抑制する。幌骨の長手方向の中間部は幌を乳母車に付けた状態のまま乳母車を左右方向に縮めたときに、もっとも大きく変形し、小さく湾曲した形状になり得る部分である。このような変形に際して、硬質部が過度の湾曲を抑制するので、幌骨の形状は保持され、損傷は回避される。
課題を解決するための第2の手段は、前記乳母車用幌の幌骨を備えた乳母車用幌である。
課題を解決するための第3の手段は、前記乳母車用幌の幌骨を備えた乳母車である。
この発明によれば、幌の長手方向の中間部が硬質部によって変形を抑制されるので、幌を左右方向に折り畳みを行う乳母車に備えて、幌がついた状態のまま乳母車の折り畳みを繰り返し行っても、幌の形態が崩れたり幌骨が折れたりすることを防止できる。
幌骨の正面図と底面図と断面図。 幌骨を用いた乳母車用幌の斜視図。 幌を取り付ける乳母車の展開状態の斜視図。 幌を取り付ける乳母車の折りたたみ状態の斜視図。 幌骨の要部の分解状態の断面図。 幌骨の作用状態を示す正面図。 他の例に係る幌骨の要部の断面図。 他の例に係る幌骨の要部の断面図。
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1は幌骨11の正面図(図1(a))と底面図(図1(b))と断面図(図1(c))であり、この幌骨は、例えば図2に示したような乳母車用幌21(以下「幌」という)に使用される。
まず、幌21について説明する。
幌21は、アーチ形状に湾曲する2本の前記幌骨11を前後両端縁に備えて、これらの間に幌布22を張った構造である。具体的には、幌布22の前後両端縁に幌骨11を収容する収容筒部22aを形成して、これらの収容筒部22aに、幌骨11の両端を出した状態で幌骨11を内蔵している。
2本の幌骨11の両端は互いに枢着されており、互いに接離する方向に回転可能である。つまり、幌骨11同士が離間した状態(図2に図示した状態)では、幌布22が張って乳幼児の上方を覆うことができ、幌骨11同士が接近した状態では、幌布22が前後方向で縮んで乳幼児の上方を開放することができる。
幌骨11の両端の枢着軸23の外側には、乳母車31(図3、図4参照)に対して着脱可能に取り付けるためのクリップ部材24が相対回転可能に備えられている。クリップ部材24は、乳母車31のフレームを構成する断面円形のパイプに嵌着する断面C字状の嵌着部24aと、嵌着部24aを着脱操作するときのつまみとなるつまみ部24bを有する。
幌骨11の両端より若干内側に寄った部分には、幌骨11の離間状態を保持する突っ張り部材25が形成される。突っ張り部材25は、幌骨11間で突っ張って幌布22を前後方向で張った状態にしたときに節度が作用する回転規制部25aを中間に有し、両端の固定部25bは、幌布22の上から幌骨11に対して相対回転可能に枢着されている。
幌21の後端縁の左右両側部には、乳母車31に対する着脱可能な固定を可能にするための連結部材26が備えられている。連結部材26は紐等の適宜のもので構成できるが、図示例の連結部材26は、一対の平テープ状のテープ部材26aからなり、これらのテープ部材26aには、乳母車31のフレームを構成する断面円形のパイプに巻きつけるために互いに係合する面ファスナ26b,26cを備えている。
このような幌21は、図3、図4に例示したような、前後方向と左右方向に縮む折りたたみを可能とする乳母車31に使用するのに好適である。図3はシート等の付属品を外したフレームのみの乳母車31の展開状態を示す斜視図で、図4はその折りたたみ状態を示す斜視図である。図4に示したように、乳母車31は、左右方向にも小さくなり、ステッキ状に折りたたまれる。
幌21の前記クリップ部材24と連結部材26は、ハンドル32から斜め下前方に延びるハンドル棒33に固定される。
つぎに幌骨11について説明する。
幌骨は、図1に示したように細幅帯状で、合成樹脂からなり、可撓性を有している。この幌骨11の長手方向の中間部が弧状に湾曲しており、この部分に、この部分を補強するため他の部分よりも硬い硬質部12が形成されている。
硬質部12は、金属製の補強板13を重合して構成される。補強板13は幌骨と同様に細幅帯状であるが、厚さは幌骨11よりも薄く、大きな弧状に形成されている。
補強板13と幌骨11は、補強板13の長手方向の両端部を幌骨11に対してピン部材としてのリベット14で固定して結合されている。補強板13は湾曲する幌骨11の裏面に長手方向の全体にわたって重合するので、図5に示したように、前記リベット14を通すために形成する貫通穴11a,13aの間隔は、幌骨11の貫通穴11a間隔W1よりも、補強板13の貫通穴13a間隔W2のほうが狭い。
また、補強板13の長さは適宜設定されるが、幌骨11の長手方向の両端部同士を近づけたときに、荷重が集中する部分を含むその近傍を覆う長さであるとよい。具体的には、例えば幌骨11全体の長さの8分の1前後の長さであるとよい。
補強板13の湾曲は、図6に一点鎖線で示したように、乳母車31を展開した使用時にきれいな弧を描く曲率となるようにする。
幌骨11に対して補強板13を固定するリベット14が幌骨11や補強板13の表面から突出するのを回避するには、例えば図7に示したように、幌骨11や補強板13に座彫り部11b,13bを形成しておくとよい。触ったときの触感が悪くなったり、幌布22の収容筒部22aが損傷したりすることを抑制できる。
幌骨11の両端部には、図1に示したように、幌骨11同士と前記クリップ部材24(図2参照)の枢着のための貫通穴15が形成されるとともに、これら両端部の貫通穴15よりも内側の位置には、前記突っ張り部材25(図2参照)を固定するための貫通穴16が形成されている。
このように構成された幌骨11では、図6に実線で示したように幌骨11の両端部同士を近づけて湾曲したときでも、硬質部12の過度の湾曲は抑制される。しかも硬質部12の湾曲は、前記のように乳母車31を展開した使用時にきれいな弧を描くように設定されている。
したがって、このような幌骨11を備えた幌21では、幌骨11の過度の湾曲が抑制される結果、湾曲癖がつくことを防止し、不測の損傷を回避できる。しかも、硬質部12はあらかじめ湾曲しているので、展開状態となる使用時には外観美麗な幌形状が得られ、幌骨11に繰り返して曲げ力を作用させた後でもその美麗な形態を維持できる。
よって、幌21を乳母車31に取り付けた状態のまま乳母車31を折りたたんで左右方向の長さを縮めたときでも、硬質部12の湾曲が抑えられるので、幌骨11の形状を保持し、損傷を防止することができる。しかも所定の湾曲形状を維持できる。この結果、長期間にわたって美麗な幌21の形態を維持でき耐久性もよい幌21や乳母車31が得られる。
そして前記のような幌骨11を備えた幌21では、折り曲げても形態を維持できるので、取扱いがいささか乱暴でも不測に棄損したりすることなく取扱いが容易であるという利点も得られる。前記のような幌21を備えた乳母車31では、幌21を取り付けた状態のまま折りたたみを繰り返して行っても幌21の形態や幌骨11の損傷を回避できるので、折り畳み可能に構成した乳母車31の利便性を十分に享受できるという利点も有する。
しかも、硬質部12は補強板13を取り付けて構成しており、この補強板13は金属製で、厚みを薄くすることができるので、硬質部12を備えても厚みを抑えることができ、幌布22と一体化させるときに嵩張るような不都合を回避でき、取扱い性がよい。
また、幌骨11に対する補強板13の結合は、リベット14で行っているので、不測に脱落しない強固な固定が可能であり、幌骨11に弧状の湾曲を付ける作業が容易である。
図8には、硬質部12の若干の他の例を示す。
図8(a)は、硬質部12を他の部位よりも厚みを厚くして構成した例である。硬質部12とその他の部位との境界部分は、傾斜面12aでなだらかに連続している。図示例では、硬質部12が幌骨11の裏面側のみに突出するようにしたが、表面側にも突出するようにしてもよい。表面または裏面にから起立し長手方向に延びるリブ(図示せず)の形成で硬質部12を構成することもできる。
図8(b)は、細幅板状をなす硬質の補強板13をインサート成形して硬質部12を形成した例を示す。補強板13は、金属製でも樹脂製でもよい。図示例では、硬質部12が幌骨11の裏面側に突出するように描いたが、突出しないようにすることもできる。
この発明の構成と、前記一形態の構成との対応において、
この発明のピン部材は、前記リベット14に対応するも、
この発明は前記の構成のみに限定されるものではなく、その他の形態を採用することもできる。
例えば幌21は、乳母車13に対して着脱できるものではなく、乳母車31に分離不能に備え付けられるものでもよい。
また幌21は、3本以上の幌骨11を有するものであってもよい。
補強板13の固定は、接着や溶着等で行ってもよい。
11…幌骨
12…硬質部
13…補強板
14…リベット
21…乳母車用幌
31…乳母車

Claims (7)

  1. 乳母車用幌に用いられ、可撓性を有してアーチ状に湾曲する幌骨であって、
    前記幌骨の長手方向の中間部に、該部分を補強するため他の部分よりも硬い硬質部が形成された
    乳母車用幌の幌骨。
  2. 前記硬質部が弧状に湾曲した状態である
    請求項1に記載の乳母車用幌の幌骨。
  3. 前記硬質部が補強板を重合して構成された
    請求項1または請求項2に記載の乳母車用幌の幌骨。
  4. 前記補強板が金属製である
    請求項3に記載の乳母車用幌の幌骨。
  5. 前記補強板の両端部が幌骨に対してピン部材で結合された
    請求項3または請求項4に記載の乳母車用幌の幌骨。
  6. 請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の乳母車用幌の幌骨を備えた乳母車用幌。
  7. 請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の乳母車用幌の幌骨を備えた乳母車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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