JP2014036979A - 圧延設備及び圧延方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】1つのエマルション潤滑油循環供給系統で潤滑過多になりやすい厚手材から、潤滑不足になりやすい薄手材までスリップやチャタリング及び焼き付きを発生させることなく安定した冷間タンデム圧延が可能で、且つ、製造コストの低減が可能な冷間タンデム圧延における圧延設備及び圧延方法を提供する。
【解決手段】上下ワークロールを有する複数の圧延スタンドから構成され、金属ストリップを冷間タンデム圧延する圧延設備であって、前記上下ワークロールにエマルション潤滑油を噴射させる噴射機構と、前記エマルション潤滑油を循環させる循環機構と、前記複数の圧延スタンドのうち少なくとも1つの圧延スタンドの上流側において前記金属ストリップの表裏面に対してエマルション潤滑油の原液を静電塗布する静電塗布装置と、前記金属ストリップをアースするアース装置と、を備える、圧延設備が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、厚手材や薄手材等の金属ストリップの冷間タンデム圧延を行う圧延設備及び圧延方法に関する。
一般に冷間タンデム圧延では、圧延潤滑油濃度が1〜3%のエマルション圧延潤滑油が循環利用されており、リサーキュレーション潤滑と呼ばれている。このリサーキュレーション潤滑では圧延機に供給されたエマルション圧延潤滑油を一旦ダーティータンクと呼ばれる潤滑油タンクに回収し、劣化した浮上油を取り除いた後、フィルターや鉄粉除去装置などの浄化処理を行い、クリーンタンクと呼ばれる潤滑油タンクに供給し、その後、冷間タンデム圧延機に供給している。また、クリーンタンク内にはアジテータと呼ばれる攪拌機が具備されており、クリーンタンク内で分離等が生じないように、また、クリーンタンク内のエマルション潤滑油が均一になるように撹拌されている。
上記冷間タンデム圧延では、製品板厚1mm程度の厚手材から、製品板厚0.3mm程度の薄手材まで圧延される。厚手材は冷延率が小さく、圧延速度も速くないので、ロールバイト内における摩擦発熱および加工発熱が少なく、焼き付きが発生しにくい。このため、焼き付きを発生させることなく、エマルション濃度を低くして圧延することが可能である。一方、薄手材は冷延率が大きく、圧延速度も速いので、ロールバイト内における摩擦発熱および加工発熱が大きく、焼き付きが発生しやすい。このためエマルション濃度を高くしないと焼き付きが発生する。
上記厚手材と薄手材を同一の潤滑条件で圧延すると、以下のような問題が生じる。両者を高濃度のエマルション潤滑油で圧延すると、薄手材に関しては問題ないが、厚手材では潤滑過多となりスリップやチャタリング(異常振動現象)が生じる。スリップやチャタリングが生じると表面品質や板厚精度が不良となる。また、両者を低濃度のエマルション潤滑油で圧延すると、厚手材に関しては問題ないが、薄手材では潤滑不足となり焼き付きが発生する。従って、高濃度と低濃度のエマルション潤滑油循環供給系統を2つ持ち、厚手材と薄手材に応じて切り替える方法(例えば特許文献1)や、低濃度のエマルション潤滑油循環供給システムと高濃度のエマルション圧延潤滑油掛け捨ての潤滑供給システムを持ち、薄手材の圧延時にはストリップに少量の高濃度のエマルション圧延潤滑油を供給するハイブリット圧延潤滑方法(例えば特許文献2)が一般的に用いられている。
また、1つのエマルション潤滑油循環供給系統でエマルション圧延潤滑油の同じ濃度で潤滑特性を変化させる方法としては、エマルション潤滑油の温度を制御する方法(例えば特許文献3)や、流量を制御する方法(例えば特許文献4)や、圧力を制御する方法(例えば特許文献5)等があり、さらに2つのエマルション潤滑油循環供給系統でエマルション圧延潤滑油の同じ濃度で潤滑特性を変化させる方法としては、濃度は同じであるが潤滑性の良い(プレートアウトの良い)エマルション平均粒径の大きな圧延潤滑油を潤滑不足が生じる圧延条件時に上述したハイブリッド圧延潤滑で用いる方法などがある(例えば特許文献6)。さらに、1つのエマルション潤滑油循環供給系統で補助的に少量の圧延潤滑油を効率よく供給する方法が提案されている。例えば固体潤滑剤をワークロールに直接押しつけ塗布する方法(特許文献7)や、噴霧潤滑方法で潤滑油原液を微細な粒子としてワークロール表面に噴霧する方法(特許文献8)などがある。
特開平8−155510号公報 特開2010−227959号公報 特開2005−305473号公報 特開2006−142348号公報 特開2006−142349号公報 特開2002−172412号公報 特開2000−301217号公報 特開2001−179313号公報
固体潤滑の場合には、冷間圧延機の板幅方向全面に亘って均一に塗布することが難しく、ムラになる場合もあり、また、付着量をコントロールするのが困難である。さらに、噴霧潤滑は効果があるものの付着効率が悪く、また、ロールや金属ストリップに付着せずに浮遊した油の微細粒子がハウジング等に付着して、ミル汚れやボタ落ちによる表面欠陥を新たに招く場合がある。圧延機周囲を密閉し吸引すれば、密閉された圧延機外部における油の飛散等の汚れは防止できるが、圧延機のハウジング等への飛散した油の付着によるミル汚れやボタ落ちによる表面欠陥は防止できない。このようにエマルション潤滑油を用いないような上記潤滑方法にも様々な問題点がある。
エマルション潤滑油を用いる潤滑方法として、例えば高濃度と低濃度のエマルション潤滑油循環供給系統を2つ持つことは有効な手段ではあるが、設備コストが増大すると共に油原単位が上がり、製造コストが増大するという問題がある。また、セミダイレクト圧延潤滑方法では、高濃度のエマルション潤滑油が混入し、タンク内のエマルション潤滑油濃度が上昇し、潤滑過多になるので、タンク内のエマルション潤滑油の一部を廃棄するとともに浄水を加えて希釈し所定の濃度にする必要があり、これも油原単位が上がり、製造コストが増大するという問題がある。さらに、エマルション潤滑油の温度を制御する方法は加熱または冷却装置が必要であり、これも設備コストが増大すると共に製造コストが増大するという問題がある。エマルション潤滑油の流量を制御する方法は有効であるが、厚手材から薄手材まで適正な圧延ができるように流量を減少させた際には板幅方向のストリップ表面へのプレートアウト不均一性やロール冷却能力低下やロールの清浄性が低下し品質低下の問題を新たに招くことになる。
さらに、エマルション潤滑油の圧力を制御する方法はその効果代が小さく、この方法では厚手材から薄手材まで適正な圧延が十分にできず、まだ課題が残る。2つのエマルション潤滑油循環供給系統でエマルション圧延潤滑油の同じ濃度で潤滑特性を変化させる方法、即ち、エマルション平均粒径を変化させる方法は、タンク内のエマルション圧延潤滑油濃度変化の懸念はないが、平均粒径の制御が微妙なので、設備コストが増大すると共に製造コストが増大するという問題がある。
このように上記挙げたような従来技術は、圧延潤滑技術として一定の効果はあるものの、設備コストや製造コストが増大するという問題があった。
そこで、本発明は、エマルション圧延潤滑油を循環供給しながら圧延を行う冷間タンデム圧延において、1つのエマルション潤滑油循環供給系統で潤滑過多になりやすい厚手材から、潤滑不足になりやすい薄手材までスリップやチャタリング及び焼き付きを発生させることなく安定した冷間タンデム圧延が可能で、且つ、製造コストの低減が可能な冷間タンデム圧延における圧延設備及び圧延方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明によれば、上下ワークロールを有する複数の圧延スタンドから構成され、金属ストリップを冷間タンデム圧延する圧延設備であって、前記上下ワークロールにエマルション潤滑油を噴射させる噴射機構と、前記エマルション潤滑油を循環させる循環機構と、前記複数の圧延スタンドのうち少なくとも1つの圧延スタンドの上流側において前記金属ストリップの表裏面に対してエマルション潤滑油の原液を静電塗布する静電塗布装置と、前記金属ストリップをアースするアース装置と、を備える、圧延設備が提供される。
また、本発明によれば、上下ワークロールを有する複数の圧延スタンドから構成され、金属ストリップを冷間タンデム圧延する圧延設備であって、前記上下ワークロールにエマルション潤滑油を噴射させる噴射機構と、前記エマルション潤滑油を循環させる循環機構と、前記複数の圧延スタンドのうち少なくとも1つの圧延スタンドの上下ワークロール表面に対してエマルション潤滑油の原液を静電塗布する静電塗布装置と、エマルション潤滑油の原液を静電塗布した上下ワークロールをアースするアース装置と、を備える、圧延設備が提供される。
また、本発明によれば、上下ワークロールを有する複数の圧延スタンドから構成され、金属ストリップを冷間タンデム圧延する圧延設備であって、前記上下ワークロールにエマルション潤滑油を噴射させる噴射機構と、前記エマルション潤滑油を循環させる循環機構と、前記複数の圧延スタンドのうち少なくとも1つの圧延スタンドの上流側において前記金属ストリップの表裏面に対してエマルション潤滑油の原液を静電塗布する第1の静電塗布装置と、当該圧延スタンドの上下ワークロール表面に対してエマルション潤滑油の原液を静電塗布する第2の静電塗布装置と、前記金属ストリップ及びエマルション潤滑油の原液を静電塗布した前記上下ワークロールをアースするアース装置と、を備える、圧延設備が提供される。
上記圧延設備においては、前記静電塗布装置は、前記複数の圧延スタンドのうち少なくとも焼き付きが発生しやすい圧延スタンドの上流側に備えられても良い。
また、前記静電塗布装置は、前記複数の圧延スタンドのうち少なくとも焼き付きが発生しやすい圧延スタンドの上下ワークロール表面に対してエマルション潤滑油の原液を静電塗布するものであっても良い。
また、前記第1の静電塗布装置は、前記複数の圧延スタンドのうち少なくとも焼き付きが発生しやすい圧延スタンドの上流側に備えられ、前記第2の静電塗布装置は、前記複数の圧延スタンドのうち少なくとも焼き付きが発生しやすい圧延スタンドの上下ワークロール表面に対してエマルション潤滑油の原液を静電塗布するものであっても良い。
なお、前記焼き付きが発生しやすい圧延スタンドは、前記複数の圧延スタンドのうちダル圧延を行う圧延スタンドを除く最も圧下率が高い圧延スタンドである。
また、前記静電塗布装置は、エマルション潤滑油の原液を噴射するノズルを有しており、前記ノズルは開閉自在であり、前記金属ストリップの板幅方向に複数配置されても良い。なお、前記ノズルの具体的な開閉方法としては、例えばノズルに直結する配管内に電磁弁を設置し、この電磁弁を開閉することによって流量のオン・オフを切り替えることで行われる。
また、前記第1の静電塗布装置及び前記第2の静電塗布装置はエマルション潤滑油の原液を噴射するノズルを有しており、前記ノズルは開閉自在であり、前記金属ストリップの板幅方向に複数配置されても良い。
また、別な観点からの本発明によれば、上記記載の圧延設備において金属ストリップを冷間タンデム圧延する圧延方法であって、前記静電塗布装置によって塗布されるエマルション潤滑油の原液の単位面積当たりの塗布量が一定となるように、前記金属ストリップの板速度に基づいて前記静電塗布装置によるエマルション潤滑油の原液の供給量を制御する、圧延方法が提供される。
また、本発明によれば、上記記載の圧延設備において金属ストリップを冷間タンデム圧延する圧延方法であって、前記静電塗布装置によって塗布されるエマルション潤滑油の原液の単位面積当たりの塗布量が一定となるように、エマルション潤滑油の原液が塗布される上下ワークロールの周速度に基づいて前記静電塗布装置によるエマルション潤滑油の原液の供給量を制御する、圧延方法が提供される。
また、本発明によれば、上記記載の圧延設備において金属ストリップを冷間タンデム圧延する圧延方法であって、前記第1の静電塗布装置によって金属ストリップの表裏面に塗布されるエマルション潤滑油の原液の単位面積当たりの塗布量が一定となるように、前記金属ストリップの板速度に基づいて前記第1の静電塗布装置によるエマルション潤滑油の原液の供給量を制御し、且つ、前記第2の静電塗布装置によって上下ワークロールの表面に塗布されるエマルション潤滑油の原液の単位面積当たりの塗布量が一定となるように、前記上下ワークロールの周速度に基づいて前記第2の静電塗布装置によるエマルション潤滑油の原液の供給量を制御する、圧延方法が提供される。
本発明によれば、エマルション圧延潤滑油を循環供給しながら圧延を行う冷間タンデム圧延において、1つのエマルション潤滑油循環供給系統で潤滑過多になりやすい厚手材から、潤滑不足になりやすい薄手材までスリップやチャタリング及び焼き付きを発生させることなく安定した冷間タンデム圧延が可能で、且つ、製造コストの低減が可能な冷間タンデム圧延における圧延設備及び圧延方法が提供される。
本発明の第1の実施の形態にかかる圧延設備の概略的な説明図である。 静電塗布装置の概略的な構成を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる圧延設備の概略的な説明図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる圧延設備の概略的な説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、以下に説明する実施の形態では5基の圧延スタンドから構成される冷間タンデム圧延設備を例示して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる圧延設備1の概略的な説明図である。この圧延設備1の上流には金属ストリップSの酸洗処理を行う酸洗設備(図示せず)が配置されており、圧延設備1には熱間圧延され表層のスケールを除去された金属ストリップSが連続的に供給されている。一方、圧延設備1の下流には、この圧延設備1で冷間圧延された金属ストリップSを切断する切断機(図示せず)や、当該金属ストリップSをコイル状に巻き取る巻き取りリール(図示せず)が配置されている。
図1に示すように、圧延設備1は5基の圧延スタンド10a〜10eから構成されており、これら圧延スタンド10a〜10eはいずれも同型の4重式圧延機である。即ち、いずれの圧延スタンドもロールチョック(図示せず)によって支持される上下ワークロール及び上下バックアップロールを有している。本実施の形態では、説明のために5基の圧延スタンド10a〜10eを圧延上流側からそれぞれ第1スタンド10a〜第5スタンド10eと呼称する。また、第1スタンド10a〜第5スタンド10eが有する上ワークロールを12a〜12e、下ワークロールを13a〜13e、上バックアップロールを15a〜15e、下バックアップロールを16a〜16eとそれぞれ符号を付し、図示する。
上記上下ワークロール(12a〜12e、13a〜13e)の寸法は、例えばロール径400〜600mm、胴長1500〜3000mmであることが好ましく、また、上記上下バックアップロール(15a〜15e、16a〜16e)の寸法は、例えばロール径1200〜1600mm、胴長1500〜3000mmであることが好ましい。
また、第1スタンド10a〜第5スタンド10eの入側には、各圧延スタンドの上下ワークロールに所定濃度(例えば1〜3%程度)のエマルション圧延潤滑油(以下、エマルション潤滑油とも呼称する)を噴射させる噴射機構20がそれぞれ設けられている。エマルション潤滑油としては、例えば40℃における粘度が50cStである高分子合成エステル基油の圧延潤滑油を濃度1.6%、温度50℃としたものが例示される。
噴射機構20はエマルション潤滑油を噴射する上ノズル21と下ノズル22から構成されている。ここでは、第1スタンド10a〜第5スタンド10eに設けられる噴射機構にそれぞれ20a〜20eと符号を付し、各圧延スタンドの上ノズルを21a〜21e、下ノズルを22a〜22eと符号を付す。なお、図示していないが、エマルション潤滑油は各圧延スタンド出側から各上下ワークロールの冷却用にクーラント供給ノズルからも供給されている。
図1に示すように、各圧延スタンドに設けられる噴射機構20(即ち、上ノズル21及び下ノズル22)は、いずれも流路31を介して清浄なエマルション潤滑油が貯留されているクリーンタンク30に連通している。即ち、クリーンタンク30に貯留されたエマルション潤滑油が流路31を介して各噴射機構20に供給され、当該エマルション潤滑油がロール潤滑及び冷却のために上ノズル21及び下ノズル22から各圧延スタンドのロールバイト入口部に噴射される構成となっている。
また、第1スタンド10a〜第5スタンド10eそれぞれの下方には、各圧延スタンドに使用(噴射)された使用済のエマルション潤滑油を回収する回収機構33が設けられている。回収機構33は、使用済のエマルション潤滑油を貯留しておくためのダーティータンク35に連通しており、回収機構33によって回収された使用済のエマルション潤滑油はダーティータンク35に送られる。
クリーンタンク30とダーティータンク35は、フィルター37を備えた流路38を介して連通しており、ダーティータンク35に送られた使用済のエマルション潤滑油はフィルター37において濾過され、濾過済みのエマルション潤滑油が流路38を通じてクリーンタンク30に送られる構成となっている。なお、クリーンタンク30内には、清浄なエマルション潤滑油を撹拌する撹拌機39が設置されている。
以上のように、クリーンタンク30から噴射機構20に供給されたエマルション潤滑油は、各圧延スタンドにおいて使用された後、回収機構33によって回収され、回収された使用済のエマルション潤滑油はダーティータンク35に送られ、ダーティータンク35内の使用済エマルション潤滑油は濾過されて清浄化された後クリーンタンク30に再度送られる。即ち、エマルション潤滑油はこれらクリーンタンク30、回収機構33、ダーティータンク35、フィルター37及びこれらに付随する各流路によって構成される循環機構40によって循環利用されている。なお、ここで例示するクリーンタンク30、ダーティータンク35の寸法はほぼ等量で、例えば縦5m、横8m、高さ3.75mであり、それぞれ容量は約50〜300mであり、圧延規模に応じて適宜設定される。
また、第1スタンド10aの上流側及び第1スタンド10a〜第5スタンド10eの各スタンド間には、スタンド間張力を測定するテンションロール45がそれぞれ設けられている。ここでは、上流側から順にテンションロール45a〜45eと符号を付す。これらテンションロール45a〜45eのうち、テンションロール45d、45eにはアース装置50が接続されており、このアース装置50によってテンションロール45d、45eを介して金属ストリップSはアースされている。
また、本実施の形態にかかる圧延設備1においては、第4スタンド10dの上流側に、金属ストリップSの表面(図中の上面)にエマルション潤滑油の原液を静電塗布する静電塗布装置60と、金属ストリップSの裏面(図中の下面)にエマルション潤滑油の原液を静電塗布する静電塗布装置61が備えられている。静電塗布装置60、61は共に同一の構成であり、帯電した油粒子をノズルから霧状に噴射し対象物に塗布する装置である。なお、同様に第5スタンド10eの上流側にも同じ構成の静電塗布装置63、64が備えられている。
ここでは、静電塗布装置の装置構成を、静電塗布装置60について図示した図面を参照して簡単に説明する。なお、他の静電塗布装置61、63、64についても同様の構成である。図2は静電塗布装置60の概略的な構成を示す説明図である。図2に示すように、静電塗布装置60はエマルション潤滑油の原液(以下、単に原液とも記載する)を投入する投入口65と、原液を噴射させるための開閉自在な噴射口66を備えたノズル67によって構成され、ノズル67内に投入された原液に高電圧を印加する低電流DC高圧電源68が備えられている。また、噴射口66の近傍には強い電界を発生させるための一対の誘電棒(インダクトバー)69が設置されている。また、ノズル67の背面側端部(噴射口66と反対側の端部)には、ノズル67内にエアーを導入するエアー導入口71が設けられており、ここからのエアーの導入によって噴射口66から原液が噴射される構成となっている。
静電塗布装置60においては、投入口65から投入された原液が低電流DC高圧電源68によってノズル67内部で直接帯電する。帯電した原液は静電荷により帯電粒子を形成し、各々の粒子が同電極の電荷を持つために互いに反発し、更に、エアー導入口71からエアーが導入され、その結果、噴射口66から原液の粒子(油粒子)が飛び出す。飛び出した原液の粒子は誘電棒69による強い電界の影響によって帯電した更に小さい微粒子に分解され、これら微粒子が持っている電荷により互いに反発することで霧状となる。噴射口66は金属ストリップSの表面方向に向けて開口しているため、霧状となった原液の微粒子が金属ストリップSの表面に向けて噴射される。
上述したように、アース装置50によって金属ストリップSはアースされているため、帯電した原液の微粒子は異電極のアースされた金属ストリップSに吸着し電荷を失う。このようにして、静電塗布装置60によってエマルション潤滑油の原液が金属ストリップSの表面に吸着されることとなる。この原液の吸着量は金属ストリップSの板速度に基づいて調整される。具体的には、投入口65に接続された定量ポンプ(図示せず)によって原液の供給量を好適な量に調整し、その供給量に合わせて高圧電源68の電圧や、誘電棒69による電界の強さを調整することで適宜制御することが可能である。なお、同様の原理で静電塗布装置61、63、64の稼動によって原液が金属ストリップSの表裏面に吸着する。
ここで、図2には、説明の簡略化のため、静電塗布装置60を構成するノズル64が1つである場合を図示したが、静電塗布装置60は複数のノズルによって構成されていても良い。この場合、当該複数のノズルは金属ストリップSの板幅方向に複数並べて配置されることが好ましい。これは、金属ストリップSの板幅方向に対して均一に原液を噴射させることが好ましいからである。
以上説明した圧延設備1においては、第1スタンド10a〜第5スタンド10eの全ての圧延スタンドに対して、循環機構40によって循環利用されている所定濃度のエマルション潤滑油が供給された状態で金属ストリップSの冷間タンデム圧延が行われる。加えて、第4スタンド10dと第5スタンド10eにおいては、静電塗布装置60、61、63、64の稼動により、必要に応じてエマルション潤滑油の原液を金属ストリップSに吸着させることが可能な構成となっている。
一般的に金属ストリップSの冷間タンデム圧延では、製品板厚1mm程度の厚手材から製品板厚0.3mm程度の薄手材まで様々な厚さの製品が圧延される。厚手材の圧延では、冷延率が小さく圧延速度も速くないため、摩擦発熱や加工発熱が小さく、金属ストリップSの焼き付き、スリップ、チャタリング等は発生しにくい。そのため、圧延設備1において循環機構40による所定濃度のエマルション潤滑油の供給のみで圧延を行ったとしても、表面品質や板厚精度に問題のない製品が圧延される。
一方、薄手材の圧延では、冷延率が大きく、圧延速度が速いため、摩擦発熱や加工発熱による金属ストリップSの焼き付き、スリップ、チャタリング等が発生しやすい。そこで、圧延設備1において循環機構40による所定濃度のエマルション潤滑油の供給に加え、静電塗布装置60、61、63、64によってエマルション潤滑油の原液を金属ストリップS表裏面に吸着させて圧延を行うことで、摩擦発熱や加工発熱を抑え、金属ストリップSの焼き付き、スリップ、チャタリング等を発生させることなく、表面品質や板厚精度に問題のない製品を安定して圧延することが可能となる。
また、圧延設備1においては、エマルション潤滑油を供給する循環機構40に加えて、エマルション潤滑油の原液を金属ストリップS表裏面に吸着させる静電塗布装置60、61、63、64を設け、これら静電塗布装置60、61、63、64を圧延条件(即ち、製品条件)に応じて適宜稼動させることが可能な構成としている。これにより、圧延する金属ストリップSが厚手材、薄手材のいずれの場合であっても、同一の圧延設備1においてエマルション潤滑油の循環系統を1つ設けたのみで、安定して表面品質や板厚精度に問題のない製品を圧延することが可能となり、従来に比べ設備・製造コストの低減を実現することができる。
以上、本発明の第1の実施の形態について説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記第1の実施の形態においては、静電塗布装置60、61、63、64を第4スタンド10d上流側、第5スタンド10e上流側に設けた場合を例示・図示して説明しているが、本発明はこれに限られるものではなく、圧延設備1を構成する複数の圧延スタンドのうち少なくとも1つの圧延スタンドの上流側に静電塗布装置を設けることとすれば良い。
また、より好ましくは、圧延設備1を構成する複数の圧延スタンドのうち、金属ストリップS圧延時に焼き付きが発生しやすい圧延スタンドの上流側に静電塗布装置を設けることが望ましい。具体的には、例えば実際に圧延設備1において金属ストリップSの冷間タンデム圧延を実施し、経験的に焼き付きの発生が多く見られた圧延スタンドの上流側に静電塗布装置を設ければ良い。
一般的な金属ストリップの冷間タンデム圧延では、焼き付きが発生しやすい圧延スタンドは、複数配置される圧延スタンドのうちダル圧延を行う圧延スタンドを除く最も圧下率が高い圧延スタンドであることが知られている。これは、圧下率が高い圧延スタンドでは摩擦発熱や加工発熱が大きいことからも明らかである。従って、摩擦発熱や加工発熱を効率的に抑制させることが望ましいといった観点から、複数配置される圧延スタンドのうちダル圧延を行う圧延スタンドを除く最も圧下率が高い圧延スタンドの上流側に静電塗布装置を設けることが好ましい。なお、ダル圧延を行わない場合には、最終スタンドが最も圧延速度が速く、焼き付きが発生しやすいので、最終スタンドの上流側に静電塗布装置を設けることが好ましい。
(第2の実施の形態)
また、上記本発明の第1の実施の形態では、静電塗布装置60、61、63、64の稼動によって金属ストリップSの表裏面に対してエマルション潤滑油の原液を吸着させる場合について説明したが、圧延時の摩擦発熱や加工発熱を抑制させるといった観点からは、原液を必ずしも金属ストリップSの表裏面に吸着させる必要はなく、例えば圧延スタンドの上下ワークロールに対して原液を吸着させても良い。そこで、以下では圧延スタンドの上下ワークロールに対して原液を吸着させる構成の圧延設備70について図3を参照して説明する。なお、ここでは上記第1の実施の形態と同一の機能構成を有する構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図3は本発明の第2の実施の形態にかかる圧延設備70の概略的な説明図である。図3に示すように、圧延設備70においては、第4スタンド10dの上流側に、上ワークロール12dの表面にエマルション潤滑油の原液を静電塗布する静電塗布装置72と、下ワークロール13dの表面にエマルション潤滑油の原液を静電塗布する静電塗布装置73が備えられている。また、同様に第5スタンド10eの上流側にも上ワークロール12eの表面に原液を静電塗布する静電塗布装置75と、下ワークロール13eの表面に原液を静電塗布する静電塗布装置76が備えられている。これら静電塗布装置72、73、75、76は上記第1の実施の形態で説明した静電塗布装置60、61、63、64と同様の構成である。
また、上ワークロール12d、12e及び下ワークロール13d、13eには、アース装置50が接続されており、上ワークロール12d、12e及び下ワークロール13d、13eはアースされた状態となっている。従って、上記第1の実施の形態で説明した原理と同様の原理で、上ワークロール12d、12e及び下ワークロール13d、13eには、静電塗布装置72、73、75、76から噴射された原液を吸着させることが可能な構成となっている。この原液の吸着量は金属ストリップSの板速度と静電塗布装置72、73、75、76からの原液の供給量を検出し適宜制御することが可能である。
この圧延設備70では、循環機構40による所定濃度のエマルション潤滑油の供給に加え、静電塗布装置72、73、75、76によってエマルション潤滑油の原液を上下ワークロール12d、12e、13d、13eの表面に吸着させて圧延を行うことで、摩擦発熱や加工発熱を抑え、金属ストリップSの焼き付き、スリップ、チャタリング等を発生させることなく、表面品質や板厚精度に問題のない製品を安定して圧延することが可能となる。
加えて、エマルション潤滑油を供給する循環機構40に加えて、エマルション潤滑油の原液を上下ワークロール12d、12e、13d、13eの表面に吸着させる静電塗布装置72、73、75、76を設け、これら静電塗布装置72、73、75、76を圧延条件(即ち、製品条件)に応じて適宜稼動させることが可能な構成としているため、圧延する金属ストリップSが厚手材、薄手材のいずれの場合であっても、同一の圧延設備70においてエマルション潤滑油の循環系統を1つ設けたのみで、安定して表面品質や板厚精度に問題のない製品を圧延することが可能となり、従来に比べ設備・製造コストの低減を実現することができる。
(第3の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、静電塗布装置60、61、63、64の稼動によって金属ストリップSの表裏面に対してエマルション潤滑油の原液を吸着させる場合について説明し、上記第2の実施の形態では、静電塗布装置72、73、75、76の稼動によって上下ワークロール12d、12e、13d、13eの表面にエマルション潤滑油の原液を吸着させる場合について説明した。本発明においては、金属ストリップSの表裏面に対して静電塗布を行う静電塗布装置と、上下ワークロールの表面に対して静電塗布を行う静電塗布装置とを両方設ける構成としても良い。そこで、ここでは図4を参照して、金属ストリップSの表裏面に対して静電塗布を行う静電塗布装置(以下、第1の静電塗布装置)と、上下ワークロールの表面に対して静電塗布を行う静電塗布装置(以下、第2の静電塗布装置)とを備えた構成の圧延設備80について説明する。
図4は、本発明の第3の実施の形態にかかる圧延設備80の概略的な説明図である。なお、ここでは上記第1及び第2の実施の形態と同一の機能構成を有する構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。図4に示すように、圧延設備80には、金属ストリップSの表裏面に対して原液を吸着させる静電塗布装置60、61、63、64と、上下ワークロール12d、12e、13d、13eの表面に原液を吸着させる静電塗布装置72、73、75、76が共に設けられている。また、これに伴い、金属ストリップS及び上下ワークロール12d、12e、13d、13eはアース装置50によってアースされている。
図4に示す構成の圧延設備80によれば、上記第1及び第2の実施の形態と同じく、循環機構40による所定濃度のエマルション潤滑油の供給に加え、静電塗布装置60、61、63、64及び静電塗布装置72、73、75、76によってエマルション潤滑油の原液を金属ストリップS表裏面、上下ワークロール12d、12e、13d、13eの表面に吸着させて圧延を行うことで、摩擦発熱や加工発熱を抑え、金属ストリップSの焼き付き、スリップ、チャタリング等を発生させることなく、表面品質や板厚精度に問題のない製品を安定して圧延することが可能となる。
加えて、金属ストリップS表裏面と上下ワークロール12d、12e、13d、13e表面の両方に原液を吸着させて圧延を行う構成としているため、特に金属ストリップSとして薄手材を圧延する場合には、摩擦発熱や加工発熱を効率的に抑制することができ、金属ストリップSの焼き付き、スリップ、チャタリング等を発生させることなく、表面品質や板厚精度に問題のない製品を安定して効率的に圧延することが可能となる。
(実施例1)
本発明の実施例1として、金属ストリップとして素材板厚4.0mm、仕上げ板厚0.95mmの厚手材と、素材板厚2.8mm、仕上げ板厚0.40mmの薄手材を下記表1と表2に示す圧延条件でもって圧延した。ここで、いずれの場合も板幅1240mmのコイルを用い、鋼種としては普通鋼を用いた。
Figure 2014036979
Figure 2014036979
表1に示す金属ストリップの表面を通常仕上げする圧延条件において、第1スタンド〜第5スタンドのワークロールは表面粗さ0.3〜0.8μmRaである。一方、表2に示す金属ストリップの表面を梨地仕上げ(ダル仕上げ)する圧延条件において、第1スタンド〜第4スタンドのワークロールは表面粗さ0.3〜0.8μmRaで、最終スタンド(第5スタンド)のワークロールは表面粗さ2〜6μmRaである。
冷間タンデム圧延の最高圧延速度は例えば2000m/minであり、金属ストリップの表面が梨地仕上げの場合には第5スタンドでの圧下率は小さいので焼き付きが発生しにくく、焼き付きは第4スタンドで発生しやすい。このような理由から、本実施例では静電塗布装置を第4スタンド及び第5スタンドに設けるものとした。即ち、上記第3の実施の形態において図示・説明した構成(図4参照)の圧延設備を用いた。
以上説明した設備・圧延条件でもって、先ずは、静電塗布装置によるエマルション潤滑油の原液(以下、単に原液とも記載する)の塗布を行わない条件で、厚手材と薄手材の圧延を行った。エマルション圧延潤滑油としては、高分子合成エステル基油の圧延潤滑油(粘度50cSt、40℃)、を濃度1.5%、2.5%、温度50℃で使用した。
その結果、エマルション潤滑油の濃度が1.5%の場合において、通常仕上げの厚手材は圧延速度2000m/minでも焼き付きは発生しなかったが、通常仕上げの薄手材は圧延速度1650m/minで第5スタンドにおいて焼き付きが発生した。また、エマルション潤滑油の濃度が1.5%の場合において、梨地仕上げの厚手材は圧延速度2000m/minでも焼き付きは発生しなかったが、梨地仕上げの薄手材は圧延速度1500m/minで第4スタンドにおいて焼き付きが発生した。
エマルション潤滑油の濃度が2.5%の場合において、通常仕上げの薄手材は圧延速度2000m/minでも焼き付きは発生しなかったが、通常仕上げの厚手材は圧延速度1300m/minでスリップが発生した。また、エマルション潤滑油の濃度が2.5%の場合いおいて、梨地仕上げの薄手材は圧延速度2000m/minでも焼き付きは発生しなかったが、梨地仕上げの厚手材は圧延速度1000m/minでスリップが発生した。
この結果から、静電塗布装置による原液の塗布を行わない条件では、厚手材と薄手材は同じ潤滑条件(同じエマルション濃度)で、いずれかは最高圧延速度で圧延することができないことが判明した。
次に、金属ストリップの焼き付きを防止する観点から、1)金属ストリップ表裏面に原液を塗布する場合、2)ワークロール表面に原液を塗布する場合、3)金属ストリップ表裏面及びワークロール表面に原液を塗布する場合のそれぞれについて、塗布すべき単位面積当たりの塗布量(以下、下限塗布量)について検討を行った。ここで、油原単位はエマルション潤滑油の濃度が低い方が有利であるので、エマルション潤滑油の濃度は1.5%にした。この条件でもって静電塗布する原液の時間当たりの供給量を定量ポンプの調整によって変化させ、その値と焼き付きが発生した際の板速度および/またはロール周速度から塗布すべき単位面積当たりの塗布量(下限塗布量)をそれぞれ求めた。
求められた下限塗布量は以下の通りである。
1)金属ストリップ表裏面に原液を静電塗布する場合、下限塗布量は圧延速度2000m/minで20mg/mであった。
2)ワークロール表面に原液を静電塗布する場合、下限塗布量は圧延速度2000m/minで40mg/mであった。
3)金属ストリップ表裏面及びワークロール表面に原液を静電塗布する場合、金属ストリップ表裏面に10mg/mで原液を塗布すると、ワークロール表面に対する下限塗布量は圧延速度2000m/minで20mg/mであった。
次に、金属ストリップのスリップを防止する観点から、1)金属ストリップ表裏面に原液を塗布する場合、2)ワークロール表面に原液を塗布する場合、3)金属ストリップ表裏面及びワークロール表面に原液を塗布する場合のそれぞれについて、塗布すべき単位面積当たりの塗布量(以下、上限塗布量)について検討を行った。ここでは、静電塗布する原液の時間当たりの供給量を変化させ、その値とスリップが発生した際の板速度および/またはロール周速度から塗布すべき単位面積当たりの塗布量(下限塗布量)をそれぞれ求めた。
求められた上限塗布量は以下の通りである。
1)金属ストリップ表裏面に原液を静電塗布する場合、下限塗布量は圧延速度2000m/minで300mg/mであった。
2)ワークロール表面に原液を静電塗布する場合、下限塗布量は圧延速度2000m/minで600mg/mであった。
3)金属ストリップ表裏面及びワークロール表面に原液を静電塗布する場合、金属ストリップ表裏面に100mg/mで原液を塗布すると、ワークロール表面に対する下限塗布量は圧延速度2000m/minで400mg/mであった。
以上の検討結果から、好適な原液の静電塗布量は以下のように定まる。
1)金属ストリップ表裏面に原液を静電塗布する場合、圧延速度2000m/minで下限塗布量は20mg/m、上限塗布量は300mg/m
2)ワークロール表面に原液を静電塗布する場合、圧延速度2000m/minで下限塗布量は40mg/m、上限塗布量は600mg/m
3)金属ストリップ表裏面及びワークロール表面に原液を静電塗布する場合には、双方のバランスで定まる。
以上の検討結果から、金属ストリップ表裏面および/またはワークロール表面に原液を静電塗布することによって、薄手材から厚手材まで焼き付きやスリップの生じることなく、低濃度の1つの潤滑システムで効率的に圧延できることが確認された。なお、圧延最高速度である圧延速度2000m/minは、圧延速度200m/minから加速しており、ノズルからの供給量が同じであれば金属ストリップ表裏面および/またはワークロール表面の単位面積当たりの油供給量は10倍変化するので、これを防止するために金属ストリップおよび/またはワークロールの速度を検出し、金属ストリップ表裏面および/またはワークロール表面の単位面積当たりの油供給量が一定となるように流量を制御した。また、塗布量の効率化を図る(無駄を省く)ために、板幅に応じて塗布量や塗布箇所を好適に制御することがより好ましい。
(実施例2)
本発明の実施例2として、図4に示した構成の圧延設備を用いて、従来より知られている圧延における代表的な潤滑技術(後述する従来技術1〜3)と本願発明にかかる圧延方法についての比較検討を行った。なお、実施した代表的な圧延条件は 上記実施例1に示した表1と同じである。また、エマルション圧延潤滑油としては、高分子合成エステル基油の圧延潤滑油(粘度50cSt、40℃)、を濃度1.5%、2.5%、温度50℃で使用した。
従来技術1としては鋼種(厚手材と薄手材)によりエマルション濃度を変更する方法を採用し、従来技術2としては鋼種(厚手材と薄手材)によらずエマルション濃度は一定であるが高濃度のエマルション潤滑油をスタンド間で板表面に供給する方法を採用し、従来技術3としては鋼種(厚手材と薄手材)によらずエマルション濃度は一定であるが潤滑油の原液をスタンド間で板表面に噴霧(エアアトマイズ)する方法を採用した。
(従来技術1)
従来技術1について検討する際には、タンク内のエマルション潤滑油を新たにつくり変えた。従来技術1では、エマルション潤滑油の濃度が1.5%の場合、厚手材は圧延速度2000m/minでも焼き付きは発生しなかったが、薄手材は圧延速度1650m/minで焼き付きが発生した。また、エマルション潤滑油の濃度が2.5%の場合には、薄手材は圧延速度2000m/minでも焼き付きは発生しなかったが、厚手材は圧延速度1300m/minでスリップが発生した。この結果から、従来技術1を採用した場合には、厚手材と薄手材は同じ潤滑条件(同じエマルション濃度)ではいずれかは最高圧延速度で圧延することができないことが判明した。
(従来技術2)
従来技術2について検討する際には、図4の装置構成において別途少量タンクを設け、濃度15%のエマルション潤滑油を第4、第5スタンドの上流に30リットル/min(片面)供給するノズルを設けて検討を行った。従来技術2では、エマルション潤滑油の濃度が1.5%の場合、高濃度のエマルション潤滑油をスタンド間で板表面に供給しなくても厚手材は圧延速度2000m/minで焼き付きは発生しなかったが、薄手材は圧延速度1650m/minで焼き付きが発生した。エマルション潤滑油の濃度が1.5%の場合において、高濃度(15%)のエマルション潤滑油をスタンド間で板表面に供給する(30リットル/min×4台)ことによって、薄手材は圧延速度2000m/minでも焼き付きは発生しなかった。しかしながら、原液を18リットル/min消費することとなり、これによりタンクのエマルション濃度は高くなるのでエマルション濃度が有る管理値(例えば1.8%)を超えるとオーバーフローさせて希釈する必要があり、製造コストの上昇をもたらした。
(従来技術3)
従来技術3について検討する際には、本発明にかかる圧延設備の静電塗布装置において低電流DC高圧電源(電圧負荷ユニットの電源)を切って検討を行った。エマルション潤滑油の濃度が1.5%の場合、高濃度のエマルション潤滑油をスタンド間において金属ストリップ表裏面にエアアトマイズすると、圧延速度2000m/minでは下限塗布量1000mg/m 、上限塗布量8000mg/mの範囲であれば薄手材に焼き付きは発生しなかった。静電塗布について上記実施例1に示した結果と比べて、上下限の値が大きいのは付着効率が悪いためである、また、長期間(例えば10日間)実施した場合、ハウジング上部に板に付着せず浮遊した油が付着し、それが凝集して落下し、板表面にボタ落ちと呼ばれる表面欠陥を生じさせた。また、工場内が霧化し、油が至る所に付着した。
(本願発明)
本願発明では金属ストリップ表裏面に静電塗油する場合に、上限塗布量は圧延速度2000m/minで100mg/mとした。本願発明にかかる技術を用いた場合、薄手材に焼き付きは発生しなかった。この場合、供給量は1分間に0.8リットル/min消費することになるが、これによるタンクのエマルション濃度の上昇は遅いので、厚手材と薄手材の割合が50%程度までであればエマルション濃度が有る管理値(例えば1.8%)を超えることは無かった。また、長期間(例えば30日間)実施した場合、上記従来技術3のような板表面にボタ落ちと呼ばれる表面欠陥を生じさなかった。
以上説明した比較検討結果から、本願発明にかかる技術によれば、エマルション圧延潤滑油を循環供給しながら圧延を行う冷間タンデム圧延において、1つのエマルション潤滑油循環供給系統で潤滑過多になりやすい厚手材から、潤滑不足になりやすい薄手材までスリップやチャタリング及び焼き付きを発生させることなく安定した冷間タンデム圧延が可能となり、且つ、製造コストの低減が可能となることが分かった。
本発明は、厚手材や薄手材等の金属ストリップの冷間タンデム圧延を行う圧延設備及び圧延方法に適用できる。
1、70、80…圧延設備
10(10a〜10e)…圧延スタンド
12(12a〜12e)…上ワークロール
13(13a〜13e)…下ワークロール
15(15a〜15e)…上バックアップロール
16(16a〜16e)…下バックアップロール
20(20a〜20e)…噴射機構
21(21a〜21e)…上ノズル
22(22a〜22e)…下ノズル
30…クリーンタンク
33…回収機構
35…ダーティータンク
37…フィルター
39…撹拌機
40…循環機構
45(45a〜45e)…テンションロール
50…アース装置
60、61、63、64…静電塗布機構
65…投入口
66…噴射口
67…ノズル
68…低電流DC高圧電源
69…誘電棒
71…エアー導入口
72、73、75、76…静電塗布装置
S…金属ストリップ

Claims (12)

  1. 上下ワークロールを有する複数の圧延スタンドから構成され、金属ストリップを冷間タンデム圧延する圧延設備であって、
    前記上下ワークロールにエマルション潤滑油を噴射させる噴射機構と、
    前記エマルション潤滑油を循環させる循環機構と、
    前記複数の圧延スタンドのうち少なくとも1つの圧延スタンドの上流側において前記金属ストリップの表裏面に対してエマルション潤滑油の原液を静電塗布する静電塗布装置と、
    前記金属ストリップをアースするアース装置と、を備える、圧延設備。
  2. 上下ワークロールを有する複数の圧延スタンドから構成され、金属ストリップを冷間タンデム圧延する圧延設備であって、
    前記上下ワークロールにエマルション潤滑油を噴射させる噴射機構と、
    前記エマルション潤滑油を循環させる循環機構と、
    前記複数の圧延スタンドのうち少なくとも1つの圧延スタンドの上下ワークロール表面に対してエマルション潤滑油の原液を静電塗布する静電塗布装置と、
    エマルション潤滑油の原液を静電塗布した上下ワークロールをアースするアース装置と、を備える、圧延設備。
  3. 上下ワークロールを有する複数の圧延スタンドから構成され、金属ストリップを冷間タンデム圧延する圧延設備であって、
    前記上下ワークロールにエマルション潤滑油を噴射させる噴射機構と、
    前記エマルション潤滑油を循環させる循環機構と、
    前記複数の圧延スタンドのうち少なくとも1つの圧延スタンドの上流側において前記金属ストリップの表裏面に対してエマルション潤滑油の原液を静電塗布する第1の静電塗布装置と、
    当該圧延スタンドの上下ワークロール表面に対してエマルション潤滑油の原液を静電塗布する第2の静電塗布装置と、
    前記金属ストリップ及びエマルション潤滑油の原液を静電塗布した前記上下ワークロールをアースするアース装置と、を備える、圧延設備。
  4. 前記静電塗布装置は、前記複数の圧延スタンドのうち少なくとも焼き付きが発生しやすい圧延スタンドの上流側に備えられる、請求項1に記載の圧延設備。
  5. 前記静電塗布装置は、前記複数の圧延スタンドのうち少なくとも焼き付きが発生しやすい圧延スタンドの上下ワークロール表面に対してエマルション潤滑油の原液を静電塗布するものである、請求項2に記載の圧延設備。
  6. 前記第1の静電塗布装置は、前記複数の圧延スタンドのうち少なくとも焼き付きが発生しやすい圧延スタンドの上流側に備えられ、
    前記第2の静電塗布装置は、前記複数の圧延スタンドのうち少なくとも焼き付きが発生しやすい圧延スタンドの上下ワークロール表面に対してエマルション潤滑油の原液を静電塗布するものである、請求項3に記載の圧延設備。
  7. 前記焼き付きが発生しやすい圧延スタンドは、前記複数の圧延スタンドのうちダル圧延を行う圧延スタンドを除く最も圧下率が高い圧延スタンドである、請求項4〜6のいずれかに記載の圧延設備。
  8. 前記静電塗布装置は、エマルション潤滑油の原液を噴射するノズルを有しており、
    前記ノズルは開閉自在であり、前記金属ストリップの板幅方向に複数配置される、請求項1、2、4、5のいずれかに記載の圧延設備。
  9. 前記第1の静電塗布装置及び前記第2の静電塗布装置はエマルション潤滑油の原液を噴射するノズルを有しており、
    前記ノズルは開閉自在であり、前記金属ストリップの板幅方向に複数配置される、請求項3又は6に記載の圧延設備。
  10. 請求項1に記載の圧延設備において金属ストリップを冷間タンデム圧延する圧延方法であって、
    前記静電塗布装置によって塗布されるエマルション潤滑油の原液の単位面積当たりの塗布量が一定となるように、前記金属ストリップの板速度に基づいて前記静電塗布装置によるエマルション潤滑油の原液の供給量を制御する、圧延方法。
  11. 請求項2に記載の圧延設備において金属ストリップを冷間タンデム圧延する圧延方法であって、
    前記静電塗布装置によって塗布されるエマルション潤滑油の原液の単位面積当たりの塗布量が一定となるように、エマルション潤滑油の原液が塗布される上下ワークロールの周速度に基づいて前記静電塗布装置によるエマルション潤滑油の原液の供給量を制御する、圧延方法。
  12. 請求項3に記載の圧延設備において金属ストリップを冷間タンデム圧延する圧延方法であって、
    前記第1の静電塗布装置によって金属ストリップの表裏面に塗布されるエマルション潤滑油の原液の単位面積当たりの塗布量が一定となるように、前記金属ストリップの板速度に基づいて前記第1の静電塗布装置によるエマルション潤滑油の原液の供給量を制御し、
    且つ、前記第2の静電塗布装置によって上下ワークロールの表面に塗布されるエマルション潤滑油の原液の単位面積当たりの塗布量が一定となるように、前記上下ワークロールの周速度に基づいて前記第2の静電塗布装置によるエマルション潤滑油の原液の供給量を制御する、圧延方法。
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