JP2014034503A - グラフェン膜の製造方法およびグラフェン膜 - Google Patents

グラフェン膜の製造方法およびグラフェン膜 Download PDF

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Abstract

【課題】 グラフェンを転写する際に生じるシワを防止する。
【解決手段】 本発明のある実施形態では、次の5つの工程を含んでいるグラフェン膜の製造工程が提供される:グラフェン成長工程S02、仮支持膜形成工程S04、遷移金属基板除去工程S06、貼付工程S08、および、仮支持膜除去工程S10。このうち、貼付工程では、樹脂仮支持膜とグラフェンとの積層体の膜面の面内方向にて少なくともグラフェンを引き伸ばしながら、基板の表面に対し積層体を貼り付ける。その後、仮支持膜除去工程において樹脂仮支持膜を取り除く。また、本発明のある実施形態では、引き伸ばして転写されたグラフェン膜も提供される。
【選択図】図2

Description

本発明は、グラフェン膜の製造方法およびグラフェン膜に関する。さらに詳細には本発明は、シート抵抗を低減したグラフェン膜の製造方法およびグラフェン膜に関する。
従来、sp結合で互いに結合して炭素原子のシート状の結晶構造を有するグラフェンにおいて、炭素原子の単層のシートからなるグラフェン(「単層グラフェン」という)が発見されている。単層グラフェンは、非特許文献1及び非特許文献2に記載のように、半整数ホール効果などの2次元性に由来する特異な量子伝導が報告され、物性物理の分野で注目されている。
単層グラフェンでは、キャリアの移動度が約15000cm/Vsであり、シリコンに比べ一桁以上高い値を示すことが知られている。この点に注目し単層グラフェンの各種の産業応用が提案されている。その応用先は多岐にわたり、Siを超えるトランジスタへの応用、スピン注入デバイス、単分子を検出するガスセンサーなどを含んでいる。なかでも、導電性薄膜や透明導電膜へのグラフェンの適用が注目されており活発に開発が行われている。
グラフェンを導電性薄膜または透明導電膜として利用する際の重要な特性の一つが低いシート抵抗である。シート抵抗は、膜厚と導電率とに反比例することから、膜厚を厚くするほどシート抵抗は低い値が得られる。また、導電率は移動度に比例するため、良質な膜のグラフェンを成膜して炭素原子の配列に不整合等を減らすことにより移動度を高められれば、様々な応用の可能性が拓ける。
また、グラフェンの典型的な製造方法の一つがCVD法である。例えば非特許文献3ではCVD法によってCuフォイル上に膜質の良いグラフェン薄膜を均一に成膜できることが報告されている。具体的には、CVD炉の内部にCuフォイルを配置して1000℃まで昇温しながら水素を導入しておき、そこにメタンなどの炭化水素系のガスを供給することにより、Cuフォイル表面にグラフェンが成膜される。
こうして形成されたグラフェンを導電性薄膜や透明導電膜の用途として用いるためには、Cu表面から剥離して目的の基板に形成する必要がある。その手法の典型的なものでは、形成されたグラフェンの上に樹脂仮支持膜としてPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)を形成する。その後、Cuフォイルをエッチングにより取り除く。次いで、グラフェン/PMMA膜を最終的な基板に対してグラフェンをその基板に接する向きに貼り付ける。その後にアセトンなどの有機溶媒にてPMMAを溶解させれば、グラフェンを当該最終的な基板の面の上に形成することができる。実際、この手法(以下「従来の転写法」と呼ぶ)により形成したグラフェンにおいては、結晶の欠陥に起因するといわれるラマン分光法のDピークが観測されず、非常に良質な結晶性を示す。つまり、従来の転写法はグラフェン膜のシート抵抗を低減する可能性のある手法といえる。
非特許文献4には、室温にて移動度が5000cm/Vsと非常に高いグラフェンをチャネル層として有する電界効果トランジスタ(FET)も報告されている。
K. S. Novoselov, A. K. Geim, S. V. Morozov, D. Jiang, Y. Zhang, S. V. Dubonos, I. V. Grigorieva, A. A. Firsov, Science 306 (2004)666. K. S. Novoselov, D. Jiang, F. Schedin, T. J. Booth, V. V. Khotkevich, S. V. Morozov and K. Geim, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 102 (2005) 10451. Xuesong Li, et al., "Transfer of Large-Area Graphene Films for High-Performance Transparent Conductive Electrodes", Nano Lett. 9, (2009) 4359-4362. S. Bae, et al., Nature Nanotechnology 5, (2010) 574-578.
そこで本願の発明者らも非特許文献3と同様の従来の転写法にてグラフェン膜の作製を試みた。その結果、SiO/Si上に転写した5mm×5mmのグラフェンのサンプルでは、ホール測定による移動度が1000cm/Vs程度となった。これは非特許文献4にて報告された値の1/5程度に過ぎない。本願の発明者らがこの原因を調査するため作製したグラフェンのサンプル表面をAFM(原子間力顕微鏡)により観察したところ、サンプルの表面に、数μmの間隔をおいて形成されたシワが多量に形成されていた。図1は、従来の転写法において実際に観察されたAFM像を示す画像であり、AFMの高さプロファイルを各位置の明度に当てはめて画像化したものである。なお、白く写った位置は他の暗く写っているグラフェンの表面から突出している「高い」位置であり、その突出しているものはグラフェンをなす炭素原子自体である。この突出した位置は、図1に示した例えば白線W1や白線W2のように線状に様々な方向に延びている。
つまり、本願の発明者らは、グラフェンの表面のこの突出した位置のうち線状のものは、グラフェンのシワであると推測している。この突出した位置の線状のところでは、元々平面的な形態のグラフェンが何らかの作用により平面を保てなくなって突出し、グラフェンが平面の面内で寄せ集められて、隆起したり互いに重なったりして形成され、線状に延びるパターンを作るものと考えている。その結果、突出した位置のシワの部分では、基本骨格である6員環がグラフェンのものから変形して張り合わさりながら隆起している。これに対し、シワ以外の部分では、グラフェン本来の平面的な配列が保たれている。
そしてこの観察結果から、本願の発明者らは、上述した移動度の実測値の低下の原因が上記シワに起因するものと判断した。つまり、グラフェンの原子層内を進むキャリアは、シワを横切る経路に進むと、そのシワの部分でトンネル伝導せざるを得なくなり、キャリアが散乱される。このキャリアの散乱が、移動度を低下させ、電気抵抗の増大に繋がるものと推測している。
ちなみに、非特許文献4には、グラフェンを産業応用に適する大面積での転写が確認されている。具体的には、グラフェンをロール・ツウ・ロール法のCVD法にて作製し、対角距離が30インチ(約76cm)のグラフェンを形成した事例が報告されている。ただし、非特許文献4においてもシワは観察されており、非特許文献4における5000cm/Vsもの移動度の測定データは、シワの間隔よりも小さい数μm程度の素子サイズにおいて、シワを横切らない伝導経路で測定されたものである。
本発明は、上記課題の少なくともいずれかを解決することを課題とする。すなわち本発明は、グラフェンを転写する際のシワを削減または解消することにより、低いシート抵抗を示すグラフェン膜を提供し、導電性を利用する各種の用途へのグラフェン膜の適用の可能性を拓くものである。
本願の発明者は、上述したように、透明導電膜などの用途に適するサイズに成膜したグラフェンでは、転写に伴うシワが伝導特性を低下させる要因になりかねないことに気づいた。そして、上記課題を解決するため本願の発明者は上記シワが発生する原因を詳細に調査した。その結果、上記シワが、主として、転写を行う際にPMMA等の樹脂仮支持基板が収縮してグラフェンが変形することによって導入されることを突止めた。さらに、上記シワは、補助的には、グラフェンの成長の際にCuフォイルとグラフェンとの熱膨張率の差によって導入される場合もあるとも考えている。
この結果を踏まえ、本願の発明者らは、シワを抑制してグラフェンを形成する手法を探索した。そして、転写のために利用するPMMAなどの樹脂仮支持基板とグラフェンとの積層体の膜面の面内方向にて外向きの力をグラフェンに印加しながら他の基板の表面にグラフェンを向けて貼り付けることがシワの生成の原因よらずに有効であることを確認した。また、本出願の実施例において後述するように、引き伸ばしによる相対歪と移動度との具体的関係も明らかとなった。
すなわち、本発明のある態様においては、遷移金属基板である第1基板の表面に炭素を含む原料物質を供給することにより、1層以上の炭素原子のシート状の結晶構造を有するグラフェンを成長させる工程と、該グラフェンの表面に接して樹脂仮支持膜である第2基板を形成する工程と、前記第1基板を除去する工程と、前記第2基板と前記グラフェンとの積層体の膜面の面内方向にて少なくとも該グラフェンを引き伸ばしながら、該グラフェンの前記第1基板に接していた側の表面を向けて、前記積層体を、該第1基板とも該第2基板とも異なる第3基板の表面に対し貼り付ける工程と、前記第2基板を除去する工程とを含むグラフェン膜の製造方法が提供される。
また、本発明のある態様においては、1層以上の炭素原子のシート状の結晶構造を有する膜に形成されたグラフェンを膜面の面内方向にて引き伸ばして基板に転写することにより当該基板の表面に接して配置されているグラフェン膜が提供される。
本発明の各態様において、第1基板および第2基板は、それぞれ、遷移金属基板および樹脂仮支持膜を互いに、またはこれら以外の基板から区別するために本出願で用いる呼称である。これに対し、第3基板は、第1基板とも第2基板とも別の基板である限り、任意の材質の任意の基板である。つまり、第3基板は、第1および第2基板の材質も含めて任意の材質により作製された物体である。通常は、第3基板の面の上に形成されたグラフェン膜をその後に支持する基板とて使用し続ける。その場合、第3基板をどのような物体とするかの選択は、グラフェン膜が適用される用途の観点に基づいてなされる。
グラフェンとは、sp結合で互いに結合して炭素原子が1原子層以上の膜状または層状に形成されている状態の物質を指す。したがって、本出願においてグラフェンの表現には、単層グラフェンのみならず複数の原子層の炭素原子のシートの構成のものも含む。なお、本出願においてグラフェン膜と呼ぶときは、例えば第3基板などの何らかの基板または基体に支持された状態のグラフェンを意図している。
本発明の各態様においてグラフェンを引き伸ばすとは、グラフェンを第3基板に転写した後に生じるシワを抑制しまたは取り除くために、少なくとも第3基板への転写の際に、グラフェンまたはグラフェンが接している第2基板の最表層に膜面の面内方向の向きの張力を印加する任意の動作をいう。張力つまり引っ張り応力は、グラフェンのシワの生成を防止するために作用させるため、引っ張り応力が生じるのは、グラフェンまたはグラフェンが接している第2基板の最表層である。最も典型的には、第2基板とグラフェンの積層体を引き伸ばすことにより、グラフェンも引き伸ばされる。その結果、グラフェンに接している部分の第2基板の最表層には伸張歪みが生じる。
シワとは、グラフェンが第3基板の面の上に転写された後の状態で平面状の膜が突出するようになっている線状の部分を呼ぶ。本出願においては、概ね1nm以上の突出量となって平面内にて延びる線状部分を指している。
本発明のいずれかの態様においては、電気伝導を担うキャリアの散乱の原因となるシワを抑制したグラフェン膜が提供され、導電性を利用する任意の用途へのグラフェン膜の適用の可能性が拓ける。
従来の転写法において実際に観察されたAFM像を示す画像であり、AFMの高さプロファイルを画像化したものである。 本発明のある実施形態におけるグラフェン膜の製造方法を示すフローチャートである。 本発明のある実施形態におけるグラフェン膜の製造方法の工程の各段階の様子を示す説明図である。 本発明のある実施形態において提供されるグラフェン膜の構造を示す概略断面図である。 図1に示した従来のグラフェンのAFM像において、高さが1nm以上である線状パターンを抽出した図である。 グラフェンの引き伸ばしによる相対歪のみを変更した各サンプルにおいて引き伸ばしによる相対歪と移動度との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係るグラフェン膜の製造方法およびグラフェン膜について図面を参照して説明する。当該説明に際し特に言及がない限り、全図にわたり共通する部分または要素には共通する参照符号が付されている。また、図中、各実施形態の要素のそれぞれは、必ずしも互いの縮尺比を保って示してはいない。
[1 実施形態]
本実施形態においては、グラフェン膜の製造方法およびグラフェン膜が提供される。図2は、本実施形態のグラフェン膜の製造方法を示すフローチャートである。また、図3は、当該製造方法の工程の各段階の様子を示す説明図である。
図2に示すように、本実施形態におけるグラフェン膜の製造工程は、次の5つの工程を含んでいる:グラフェン成長工程S02、仮支持膜形成工程S04、遷移金属基板除去工程S06、貼付工程S08、および、仮支持膜除去工程S10である。
グラフェン成長工程S02では、遷移金属基板である第1基板12の表面12Aに炭素を含む原料物質を供給することにより、1層以上の炭素原子のシート状の結晶構造を有するグラフェン10を成長させる(図3(a))。
具体的には、グラフェン10の成長法としては、CVD法またはPVD法(物理的気相堆積)により成膜することができる。このうちCVD法では、1×10−7Pa以下の超高真空中や10〜10000Pa程度の低圧、大気圧などのさまざまな条件下に維持した遷移金属基板を600〜1200℃程度に加熱する。その状態の遷移金属基板に対して、炭素原子を含むメタンなどの炭化水素ガスを吹き付ける。この処理によりメタンガスはクラッキング(解離吸着)される。供給されたガスに由来する炭素原子は遷移金属基板の表面の触媒効果を受け、長い距離をマイグレーションすることで、成長中のグラフェンの核に到達し、その到達した原子がそのグラフェンの端部に結合してゆくことによって成長してゆく。なお、遷移金属基板は、表面を単結晶の表面とし、薄膜により形成されていてもよい。
一方、PVD法による、グラフェンの成長方法としてはMBE(分子線エピタキシー法)やPLD(パルスレーザー堆積)などによりグラフェンを成長させることが可能である。MBEでは超高真空中でグラファイトを1200〜2000℃に加熱することで原子状の炭素を発生させ、分子線となった原子状炭素を、加熱した遷移金属基板表面上に供給する。これにより、遷移金属基板の触媒効果によってグラフェンが成膜される。これに対しPLDでは、超高真空中でグラファイトをKrFのエキシマレーザーにてアブレーションすることで、瞬時に蒸発した炭素が分子線の状態で供給される。この炭素の分子線を加熱された遷移金属基板に供給すると遷移金属基板の表面にグラフェンが成膜される。
なお、上述した第1基板のための遷移金属には、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Ru、Rh、Pd、W、Re、Ir、Ptまたはこれらの合金を採用することが可能である。また、遷移金属基板の形態は、フォイル、薄膜、バルク、およびそれらの単結晶、多結晶などとすることができる。これらのうち最も典型的な遷移金属基板は銅箔である。遷移金属基板は、グラフェンの支持基板となるとともに、上述したとおり、供給された炭素を含有するガスをクラッキングする触媒となり、炭素原子がシート状の結晶構造のグラフェンの成長を促進する作用を示す。
次の仮支持膜形成工程S04では、樹脂仮支持膜である第2基板14を、グラフェン10の表面に接するように形成する(図3(b))。具体的には、第1基板の面の上に形成されているグラフェン10を、その状態を維持しつつ第2基板14を形成する。この際、第2基板14は、グラフェン10を保持することが可能な材質により作製する。例えばグラフェン10に接した状態で液状の材質から固化させることが可能でその後にグラフェン10を保持しうる材質がこの第2基板14に適している。最も典型的な第2基板14は、溶媒に溶けている状態の溶媒可溶性の樹脂や、高分子となる前のプレポリマーなどの前駆体から、溶媒を揮発させたり、前駆体を重合させることによって固化したものである。この第2基板14となる樹脂仮支持膜は、例えば、ある程度の支持機能を発揮することができること、後の第1基板12の除去の際に影響を受けないこと、さらに、必要に応じて最終的にグラフェン10に影響を与えずに除去可能であること、という条件を満たす材質から選択される。この段階のグラフェン10は、第1基板12(遷移金属基板)と第2基板14(樹脂仮支持基板)とに挟まれた状態となっている(図3(b))。
次いで遷移金属基板除去工程S06において、第1基板12である遷移金属基板を除去する(図3(c))。遷移金属基板を除去するためには、例えば酸によるエッチングを採用することが可能である。この除去の処理は、グラフェン10を変質ない手法から選択される。第1基板が完全に除去されると、グラフェン10が第2基板14に付着して表面を露出させている状態の積層体20になる(図3(c))。
図3に示すように、しばしば、この段階でグラフェン10に凹凸が形成されているようである。その原因として本願の発明者らが推測しているものは、第1基板12である遷移金属基板の表面の微細な凹凸や、第1基板除去後に第2基板14である樹脂仮支持膜が収縮して作用する圧縮歪みなどである。なお、第2基板14である樹脂仮支持膜は、一般には材料の選択に制限が伴うことが多い。グラフェン10を変質させずに形成できること、およびグラフェン10を支持できることなどの条件を満たす必要があるためである。本実施形態においては、そのような狭い選択範囲から選択された材料に仮に収縮する性質があったとしても、シワの生成は抑制または解消される。
その後、貼付工程S08として、グラフェン10の第1基板12に接していた側の表面を他の基板である第3基板16に向けて、第3基板16の表面16Aに対して上記積層体20を貼り付ける(図3(d))。第3基板16は、第1基板12とも第2基板14とも別の基板である。本実施形態におけるこの貼付工程S08は、グラフェン10と第2基板14との積層体に対して、その膜面の面内方向にて引き伸ばす張力を少なくともグラフェン10に印加しながら実施する。ここで、第2基板14とグラフェン10との積層体は、第2基板14の厚みや性状に依存するものの、典型的には自立膜(free standing film)であり、一見すると食品用ラップフィルムにごく近い外観のものである。このため、上記積層体20は、積層体20面内の張力により伸縮する性質を有している。また、上記仮支持膜形成工程S04において形成される第2基板14(樹脂仮支持膜)の厚みなどの形状は、本貼付工程S08において、張力を作用させることが可能な形状に調整されている。具体的には、第2基板14とグラフェン10との積層体20を引き伸ばすためには、典型的には、何らかの膜を保持する治具類により張力を積層体20に作用させ、制御された伸張歪みを生成する。
なお、貼付工程S08における引き伸ばしの処理は、文字通りに第2基板14とグラフェン10との積層体20を膜面の面内方向にて引っ張るもののみには限定されていない。例えば、積層体20を曲面となるように反らして曲げ応力を生じさせることによりグラフェン10に引っ張り応力を生じさせること、積層体20をピンと張った状態にしておいて膜面に垂直にガス等により静水圧を印加することによって積層体20に面内方向の張力を生じさせること、等により、第2基板14とグラフェン10との積層体20における少なくともグラフェン10や、グラフェン10に接する第2基板14の最表層に張力を作用させることができる。
最後に仮支持膜除去工程S10において第2基板14を除去する(図3(e))。この手法としては、グラフェン10および第3基板16に対して影響を及ぼしにくい任意の手法を採用することができる。例えば、第3基板16がシリコン基板やガラス基板であるなら、樹脂仮支持基板の材質を溶解させる有機溶媒によって第2基板14を除去することができる。上記仮支持膜形成工程S04において形成される第2基板14(樹脂仮支持膜)の材質や性状は、本仮支持膜除去工程S10において除去可能なものを採用しておく。
以上の工程により、グラフェン10を第3基板16の面の上に形成してグラフェン膜100を製造することができる。次に、より詳細な製造条件について説明する。
本実施形態においては、貼付工程S08におけるグラフェン10の引き伸ばしによる相対歪みを適切な値とすることが好適である。上述したように、グラフェン10には種々の手法によって張力を作用させることができる。ただし、この作用させる張力の調整を、第2基板14とグラフェン10の積層体20における張力そのものを直接の指標として実行することは困難を伴う。そこで、その張力に応じて生じる第2基板14の寸法変化、より詳細には、グラフェン10に接している第2基板14の最表層の伸張歪みによる寸法変化を管理する。寸法変化は微細であったとしても微細な力にくらべ管理が容易である。このため、再現性の高い張力の印加が可能になるのである。特に、上記相対歪みとは、寸法変化を伴う上記伸張歪みの相対的な量である。そして相対歪みが、0.1%以上の相対歪みとなるように張力を生じさせると、グラフェン10に形成されるシワを実質的に減少させることが可能となる。ところが、さらに相対歪みの値を増大させて1%を超えると、グラフェンが破断することが多くなり、当該破断部分によるキャリアの散乱がシワと同様の問題を生じさせかねない。したがって、上記グラフェン10の引き伸ばしによる相対歪みの好適な値は、例えば0.1%以上1%以下である。この点については実施例において後に詳述する。
本実施形態において採用する第2基板14(樹脂仮支持基板)は、上述した条件を満たすことが可能な任意の材質のものとすることができる。とりわけ第2基板14として好適なものは、PMMA(ポリメチルメタクリレート)またはPDMS(ポリジメチルシロキサン)である。PMMAやPDMSは、溶媒に溶解させた状態の溶液により容易に塗布することが可能であり、また、その溶媒を揮発させて樹脂仮支持膜を形成することにも困難性は少ない。さらに、第1基板12の除去のための処理(エッチング処理)にも耐えうるばかりか、それ自体を除去することも容易に実施することができる。そしてさらに、グラフェン10を転写するために要する程度の膜に形成可能であり、グラフェン10との積層体20において張力を印加することも可能である。これらの条件を満たすPMMAやPDMSは、本実施形態において第2基板14(樹脂仮支持基板)として採用する材質の好適なものである。
さらに本実施形態の実施のためには、第2基板14の厚みを0.1μm以上10μm未満とすると好適である。一般に、第2基板14の厚みは、その材質とともに、上述した各工程を適切に実行するために決定することができる。ただし、第2基板14の厚みが0.1μm未満である場合、グラフェン10を引き伸ばす処理を行なうためのハンドリングが困難になり、例えば容易に破断する。また、第2基板14の厚みが10μmを超える場合、グラフェン10を引き伸ばす処理を、第2基板14とグラフェン10の積層体20の全体を伸ばすことにより行なおうとしても、均一に引き伸ばすことが難しくなる。したがって、第2基板14の厚みを0.1μm以上10μm未満とすることが好適である。
次に上記工程を経て形成されたグラフェン膜100の構造について説明する。図4は、本実施形態において提供されるグラフェン膜100の構造を示す概略断面図である。グラフェン10は、第3基板16の表面16Aに接して配置されている。このグラフェン10は、1層以上の炭素原子のシート状の結晶構造を有する膜であり、面内方向にて引き伸ばして第3基板16に転写することにより、第3基板16の表面16Aに接して配置されてグラフェン膜100をなしている。
本実施形態において提供されるグラフェン膜100では、上述した面内方向の引き伸ばしの処理によりグラフェン10が転写されている結果、グラフェン10のシワが抑制されている。このシワは、理想的には皆無とすべきであるものの、実用面の観点からは、目的の用途にとって支障が無い程度にまで削減されていればそれで十分な場合もある。本願の発明者は、このシワの削減の程度を定量的に評価するために、シワとシワとの間隔に着目する。ここで、個別のシワではなくシワとシワとの間隔に注目したのは、次の理由からである。伝導を担うキャリアはシワの部分にてトンネル伝導していると考えられるため、ある程度以上に突出した形状のシワは、突出量が異なっていても、キャリアの伝導に対して大差ない影響を及ぼすと本願の発明者らは考えているためである。つまり、シワそれ自体ではなく、キャリアがシワに出会うまでの距離に相当する量が意味を持つに違いない。
そして、シワとシワの間隔のための指標として、本出願においては「平均シワ間隔」と呼ぶ数値を利用することとする。その数値に基づいて表現すれば、端的には、本実施形態において提供されるシワが削減されているグラフェン膜の好ましい構成では、好ましくは、平均シワ間隔が10μm以上とされる。
ここで、平均シワ間隔は、測定対象物の観察範囲の面積を、その範囲に含まれるシワの総延長により除算した値として定義することとする。そしてこの数値は実際にもシワの間隔を表現するものである。というのは、まず第1に、シワ同士の間の距離と考えても妥当な量といえるからである。つまり、シワの総延長という長さの次元の量により観察範囲の面積という2乗の次元の量を除算しているために、長さつまり距離の次元の量となっている。やや異なる観点では、各シワに上記平均シワ間隔と等しい線幅を付与してその線幅を持つシワを描画することを考える。そうすると、幅が増大したシワ部分の「総面積」が、観察範囲の面積と等しくなっている、と考えることもできる。この場合にも、隣り合うシワまでの距離の平均的な値が上記平均シワ間隔であると考えることができる。いずれにしても、平均シワ間隔の値は、シワの量の少なさを表現するものであり、面積と総延長を関連づけてシワとシワとの距離の平均を表す数値となる。第2に、平均シワ間隔の値は、平面図形中の長さに着目してシワの量を決定する量であるため、シワ自体の程度には依存しない値となっている。つまり、シワとシワとの間のシワが存在しない部分を特徴付けるための指標にシワの部分の高さ(平面からの突出高さ)が反映されることは、合理的ではない。シワの高さは、シワと判定されたものについては区別をしない指標である点で、上記定義の指標はキャリアの散乱の作用のための指標として適切といえる。さらに第3に、この指標は客観的に扱いやすいという利点がある。シワの総延長のみに応じて決まる上記定義から、平均シワ間隔は、シワの本数や、シワが平面でどのような線形状となっているか、複数のシワが重なっていたり分岐しているか、といった幾何学的パターンに依存することなく、客観的に決定できる。極端には、1本のシワのみが撮影されていて通常の意味での間隔が決定できない場合でさえ、平均シワ間隔の値は算出することが可能である。これらの理由から、上述した定義による平均シワ間隔の値は、例えばAFM像により客観的に決定することができる値であり、シワとシワとの間隔を平均的に表現する使いやすい指標であると考えている。
なお、シワとシワ以外とを判定するためのシワの定義について、本願の発明者は、平面から高さが概ね1nm以上突出していること、線状パターンであることを同時に満たすものをシワと定義するのが適切と考えている。これに満たない突出量の部分がグラフェン中の伝導キャリアを散乱しないといえる確信があるわけではない。しかし、この基準により決定した平均シワ間隔は伝導特性との間に明瞭な相関を示す。また、グラフェンの表面の観察手段は、典型的にはAFMによる高さプロファイル画像であるが、これに限定されるものではない。
次に、上述した平均シワ間隔を具体例に基づき説明する。図5は、図1に示した従来のグラフェンのAFM像において、高さが1nm以上である線状パターンを抽出した直線または曲線を組み合わせた線画像である。各線の長さを画像から実測し合算することによりAFM画像内のシワの総延長が算出される。実際に図5においてその総延長を求めると38.55μmである。したがってAFM画像の面積である25μmをその総延長により除算することにより、図1のサンプルの平均シワ間隔は、0.648μmと求められる。なお、上述した平均シワ間隔が10μm以上である場合を図5に当てはめると、AFM像の面積が25μmである図5において約2.5μmのシワW3のみが存在する程度のシワの量以下ということである。
本実施形態において提供されるグラフェン膜は、グラフェンの原子層数が1層以上10層以下であると好適である。その理由は、グラフェン膜の適用用途に関係している。グラフェンは特に単層グラフェンにおいて高い移動度を示すことが知られている。他方、グラフェン膜が、光の透過が要求される用途において透明導電膜などとして利用される場合、透過率の点から層数には上限が存在する。具体的には、グラフェンは原子層1層で約2.3%もの高い光吸収を示すため、本実施形態で例えば透明導電膜のためにグラフェン膜を採用すると、10層の程度が上限とすると好適である。その場合、本実施形態において提供されるグラフェン膜の膜厚方向の光透過率が70%以上とすると有利である。
[実施例]
次に、本実施形態のグラフェン膜の実施例について説明する。実施例1および2は、上述した実施形態に従って作製したグラフェン膜のサンプルであり、実施例3は、多数のグラフェンにおいて引き伸ばしの条件を変更したサンプルから取得した移動度の特性を示す実施例である。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順、要素または部材の向きや具体的配置等は本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することかできる。したがって、本発明の範囲は以下の具体例に限定されるものではない。また、既に説明した図面を引き続き参照する。
[実施例1]
実施例1は、上述した引き伸ばしによる相対歪みを0.1%となるようにして作製したグラフェン膜のサンプルである。まず、グラフェン成長工程S02として、第1基板12としては10mm角のCMP研磨したCuフォイル(膜厚100μm)を採用した。第1基板12をCVDの反応炉に配置し、1×10−3Paまで真空引きを行った。そして、水素を5Pa(3.8×10−2Torr)導入した状態で、第1基板12を50℃/minの昇温レートで1000℃まで加熱した。その後、第1基板12を1000℃に保持した状態で水素の供給を停止し、原料ガスとしてメタンを約4.0×10Pa(約3Torr)導入した。第1基板12の基板温度とガス圧を保持した状態で10min成膜を行った。成膜後は100℃/secの冷却レートにて急冷することにより、第1基板12にグラフェン10を成長させた。
次に、仮支持膜形成工程S04を実施した。グラフェン10の表面に、ジククロベンゼンで10wt%に溶解したPMMA溶液を20μl滴下し、回転数4000rpm、60秒の条件でスピンコートした。その後40℃、30分間の条件で乾燥させ、PMMA膜による樹脂仮支持基板として第2基板14を形成した。
次いで、遷移金属基板除去工程S06を実施した。塩酸10ml、過酸化水素10ml、純水50mlの混合液に浸漬することで第1基板12としたCuフォイルをエッチングした。その後、5分間の流水洗浄し、乾燥させることで図3(c)のグラフェン10と第2基板14の積層体20を形成した。
その後、貼付工程S08を実施した。まず、上記積層体20の4辺を、面内の二つの向きに張力を印加可能な治具で固定した。そして、引き伸ばしによる相対歪みが0.1%となるように引張りながら、第3基板16であるSiO/Si基板のSiO表面に押し付け、180℃、30分間の条件で加熱した。この加熱により、PMMAが軟化し、グラフェン10をSiO/Si基板である第3基板16のSiO表面に密着させた。
最後に仮支持膜除去工程S10を実施した。具体的には、上記冶具を外しアセトンにて5分間浸漬することにより、第2基板14のPMMAをグラフェン10の表面から除去した。さらに超純水にて5分間洗浄して、図4のようにグラフェン10を第3基板16に配置したグラフェン膜100のサンプルを得た。本サンプルを実施例1サンプルと呼ぶ。
[実施例2]
実施例2は、上述した引き伸ばしによる相対歪みを1%となるようにして作製したグラフェン膜のサンプルである。実施例2サンプルとして、転写の際の引き伸ばしの相対歪みが1%であること以外は実施例1サンプルと同様の手順にてグラフェン膜のサンプルを作製した。このサンプルを実施例2サンプルと呼ぶ。
[比較例]
比較例は、上述した引き伸ばしを実施せずに作製したグラフェン膜のサンプルである。比較例サンプルとして、転写の際の引張を行わずに転写すること以外は実施例1と同様の手順にてグラフェン膜のサンプルを作製した。このサンプルを比較例サンプルと呼ぶ。
表1に示すように、本実施形態に従って作製したグラフェン膜である実施例1および実施例2のサンプルでは比較例1サンプルに比べ、移動度が増大し、平均シワ間隔も増大した。
Figure 2014034503
[実施例3]
実施例3は、多数のサンプルを作製して引き伸ばしによる相対歪と移動度の関係を調査した例である。サンプルは、グラフェンの引き伸ばしの量すなわち積層体20の引き伸ばしによる相対歪を変化させ、他の工程は実施例1と同様の手順にて作製した多数のサンプルとした。図6は各サンプルについての引き伸ばしによる相対歪と移動度の関係を示すグラフである。
図6のグラフから分かるように、引き伸ばしによる相対歪を少ない値から増大させるのに伴い、最初に移動度が増加する傾向と、その後に、1%の前後において移動度が急激に低下する傾向が観察された。ここで本願の発明者は移動度の目安とする目標値を5000cm/Vsとした。この目標値は引き伸ばしによる相対歪が0.1%以上1%以下の場合にほぼ達成される。そして、この目標値を上回るサンプルにおける平均シワ間隔を計測したところ、すべてが10μm以上のサンプルであった。なお、実施例3において作成したサンプルでは、引き伸ばしによる相対歪が5%のものは殆ど導電性がみられなかった。この引き伸ばしによる相対歪が5%のサンプルのグラフェン表面をAFMにより観察したところ、グラフェンの全体を横切るような大きな亀裂つまり破断が観察された。そのため、各サンプルのグラフェンの表面を観察したところ、移動度が低下しはじめたサンプルつまり引き伸ばしによる相対歪が0.5%以上のサンプルにおいて、微細な亀裂の数や亀裂の総延長が引き伸ばしによる相対歪の増大につれて増していることを確認した。
こうして実施例1〜3により本実施形態において説明したグラフェン膜の製法、およびグラフェン膜の構造が、高性能なグラフェン膜の実現に寄与することを実際に確認した。
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。上述の各実施形態および実施例は、発明を説明するために記載されたものであり、本出願の発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきものである。また、各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明のグラフェン膜の製造方法及びグラフェン膜は、グラフェン膜の電気伝導性を利用する任意のデバイスに利用可能である。
100 グラフェン膜
10 グラフェン
12 第1基板
12A 表面
14 第2基板
16 第3基板
16A 表面
20 積層体

Claims (8)

  1. 遷移金属基板である第1基板の表面に炭素を含む原料物質を供給することにより、1層以上の炭素原子のシート状の結晶構造を有するグラフェンを成長させる工程と、
    該グラフェンの表面に接して樹脂仮支持膜である第2基板を形成する工程と、
    前記第1基板を除去する工程と、
    前記第2基板と前記グラフェンとの積層体の膜面の面内方向にて少なくとも該グラフェンを引き伸ばしながら、該グラフェンの前記第1基板に接していた側の表面を向けて、前記積層体を、該第1基板とも該第2基板とも異なる第3基板の表面に対し貼り付ける工程と、
    前記第2基板を除去する工程と
    を含む
    グラフェン膜の製造方法。
  2. 前記貼り付ける工程におけるグラフェンの引き伸ばしによる相対歪みが0.1%以上1%以下である
    請求項1に記載のグラフェン膜の製造方法。
  3. 前記第2基板がPMMA(ポリメチルメタクリレート)またはPDMS(ポリジメチルシロキサン)である
    請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のグラフェン膜の製造方法。
  4. 前記第2基板の厚みが0.1μm以上10μm未満である
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のグラフェン膜の製造方法。
  5. 1層以上の炭素原子のシート状の結晶構造を有する膜に形成されたグラフェンを膜面の面内方向にて引き伸ばして基板に転写することにより当該基板の表面に接して配置されている
    グラフェン膜。
  6. 残留しているシワによる平均シワ間隔が10μm以上である
    請求項5に記載のグラフェン膜。
  7. 前記グラフェンの原子層数が1層以上10層以下である
    請求項5または請求項6に記載のグラフェン膜。
  8. 請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載のグラフェンを少なくとも1層有し、膜厚方向の光透過率が70%以上である
    グラフェン膜を用いた透明導電膜。
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