以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲーム装置の外観構成を示す斜視図、図2は、本実施形態におけるゲーム装置の正面図である。本実施形態のゲーム装置として、プレーヤの操作に応じてクレーンアーム(景品把持ユニット)を制御して、クレーンアームによる把持等により景品落とし口に落とされた景品を払い出すように動作するクレーンゲーム装置10を例に示す。
図1及び図2に示すクレーンゲーム装置10は、上部筐体12と下部筐体13とから構成されている。上部筐体12は、前面と側面の一部がアクリル板などの透明板15(開閉部材)により覆われており、透明板15を通じて筐体内部の景品フィールド16L,16Rが視認できるようになっている。透明板15は、例えば正面側が開閉可能に構成されており、景品フィールド16L,16Rへの景品の入れ替えや補充、景品フィールド16L,16Rに設置された景品フィールドユニット16La,16Lb,16Ra,16Rbの形態を変更する作業等の場合に開放することができる。
本実施形態におけるクレーンゲーム装置10は、同時に2人のプレーヤがゲームを実施することができるように、2つのゲームユニット(左側ユニット10L、右側ユニット10R)が搭載されている。左側ユニット10Lと右側ユニット10Rとは、基本的に、中央の境界線において左右対称に構成されているものとする。2つのゲームユニットの景品フィールド16L,16Rは、例えば透明の仕切板(図示せず)によって区分されている。仕切板により区分された2つの景品フィールド16L,16R(景品載置エリア)には、それぞれ景品を積載することができる。
本実施形態におけるクレーンゲーム装置10では、景品フィールド16Lには、2つの景品フィールドユニット16La,16Lbが配置されており、景品フィールド16Rには、2つの景品フィールドユニット16Ra,16Rbが配置されている。景品フィールドユニット16La,16Lb,16Ra,16Rbは、複数の細長の板部材が連結されて全体が帯状に構成されており、連結部分を可動可能とすることで様々な形態に変形できるように構成されている(詳細については図4〜図9を参照して説明する)。すなわち、景品フィールドユニット16La,16Lb,16Ra,16Rbの形態を変更することで、景品を積載することができる様々な形状の景品載置エリアを構成し、また景品を落下させることができる開口エリア(景品落とし口17L,17R)の位置を決めることができる。図1では、景品フィールドユニット16La,16Lb,16Ra,16Rbが配置されていないエリアを景品落とし口17L,17Rとする。
なお、図1及び図2では、景品フィールド16L,16Rには、それぞれ2つの景品フィールドユニットを配置した例を示しているが、1つの景品フィールドユニットを配置したり、3つ以上の景品フィールドユニットを配置したりすることも可能である。また、景品フィールドユニット16La,16Lb,16Ra,16Rbは、全て同じ構成とするだけでなく、全体のサイズが異なるものが含まれていても良い。
景品フィールド16Lの下方部と景品フィールド16Rの下方部のそれぞれには、景品フィールド16L,16R(景品フィールドユニット16La,16Lb,16Ra,16Rb)から落下した景品を、下部筐体13の前面側に設けられた景品取出口21L,21Rに誘導するための景品誘導空間が設けられている。また、景品誘導空間には、奥側を高く、手前側を低くした傾斜面(図3に示す傾斜面37L,37R)を設けている。傾斜面を設けることにより、景品落とし口から落下した景品が傾斜面に衝突し、景品取出口21L,21Rが設けられた下部筐体13の前面側に落下し易くなる。これにより、景品取出口21L,21Rから景品を取りやすくなる。
図2に示すように、左右の景品フィールド16L,16Rの上方には、プレーヤ操作に応じて動作が制御されるクレーンアーム(キャッチャー)18L,18Rが装着されている(図1では景品フィールド16L,16Rを見やすくするために図示を省略している)。上部筐体12内の景品フィールド16L,16Rの上方には、それぞれクレーンアーム18L,18Rを、例えばX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向(上下方向)に移動させるためのクレーン機構部(図示せず)が設けられている。クレーン機構部は、例えば、コンパネ部23L,23Rに設けられた複数のボタン24L,24R(例えば、横移動ボタン、縦移動ボタン)へのプレーヤ操作に応じて制御される。なお、コンパネ部23L,23Rには、ボタンだけでなく、プレーヤにより上下左右の方向を指示できるジョイスティックなどの入力デバイスを設けた構成としても良い。
クレーンアーム18L,18Rの先端部には、景品を把持するための2本のアーム18La,18Ra(把持爪)が設けられている(なお、3本あるいは4本のアームを設けても良い)。クレーンアーム18L,18Rの筐体18Lb,18Rbの内部には、アーム18La,18Raを開閉駆動するためのアームモータの他、制御回路等が実装された基板等が収納されている。クレーンアーム18L,18Rは、伸縮パイプ部材18Lc,18Rcの内部に収納されたワイヤによってクレーン機構部から吊り下げられている。クレーンアーム18L,18Rは、クレーン機構部によって巻回されていたワイヤが引き出されることで下降され、景品に到達する位置でアーム18La,18Raが閉じる(物を把持する)ように動作が制御される。
また、本実施形態におけるクレーンアーム18L,18Rは、アーム18La,18Raの向きを、図2に示すように下向きとするだけでなく、水平方向に変更することができる。例えば、クレーンアーム18L,18Rは、景品フィールド16L,16Rの形態(景品が載置される状態)に応じて、クレーンゲーム装置10の管理者による作業によって変更される。また、アーム18La,18Raの向きに応じて、クレーンアーム18L,18Rの移動制御(ユーザ操作に応じた移動方向)を変更することも可能である。
上部筐体12の奥面下部には、景品フィールドユニット16La,16Lb,16Ra,16Rbを固定するためのユニット固定部材(図2には図示せず。図12〜14参照)が設けられている。
また、上部筐体12の奥面上部には、景品ディスプレイ用のネットや景品を引っかけることができるフックを取り付け可能にしている。ネットやフックは、例えば奥面上部において水平方向に配設されたレールに取り付けられるようにして、レールに沿って左右方向に移動可能にする。ネットやフックを利用して景品を展示することで、ユーザにクレーンゲーム装置10の利用をアピールすることができる。
下部筐体13の正面側には、景品取出口21L,21R、フロントメンテドア22、プレーヤによって操作が行われるコンパネ(コントロールパネル)部23L,23Rが設けられている。
景品取出口21L,21Rは、筐体内(景品フィールド)から景品を外部に取り出すためのもので、景品フィールド16L,16Rの下方部に設けられた景品誘導空間と連通している。クレーンアーム18L,18Rを操作して景品を景品落とし口に落下させることにより、景品取出口21L,21Rから景品を取り出すことができる。
フロントメンテドア22は、下部筐体13の内部に収容された制御ユニット(制御PCB(Print Circuit Board))やその他の機構部に対して作業をするような場合に、管理者によって開放させることができる(鍵付き)。また、フロントメンテドア22の内部には、収納スペースが設けられており、補充用の景品などを収容しておくことができる。
コンパネ部23L,23Rには、クレーンアーム18L,18Rを動作させるためにプレーヤにより操作される複数のボタン24L,24Rの他、コインが投入されるコイン投入口26L,26R、プレイ料金や投入されたコインに応じた残りプレイ回数を表示するための表示装置27L,27R(例えば7セグ表示器)等が設けられている。また、ゲーム実行中の効果音や音楽、メッセージ音声などを出力するためのスピーカ28が設けられている。
また、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10には、管理者がクレーンゲーム装置10に対して各種設定をするための設定機器(図21に示す設定機器29)が設けられている。設定機器は、クレーンゲーム装置10の本体筐体から着脱可能な可搬型に構成されている。設定機器は、各種設定のための操作をする場合には、収納部から取り出して、クレーンゲーム装置10と近接した位置で手に保持した状態で取り扱うことができる。設定機器は、クレーンゲーム装置10の筐体内に収納された制御ユニットと、例えばケーブルや無線通信(無線LAN(Local Area Network)など)によって接続される。設定機器は、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rのそれぞれに対する各種設定を個別にすることができるものとする。
図3は、クレーンゲーム装置10の筐体内部の詳細な構成を示すために上部筐体12(景品フィールド16L,16R)を取り除いて示す図である。
図3に示すように、左側ユニット10Lには、景品誘導空間36Lが設けられており、景品誘導空間36Lの上に配置された景品フィールドユニット16La,16Lb(景品フィールド16L)により形成された景品落とし口から落下された景品が、景品取出口21Lまで通過可能となっている。景品誘導空間36Lには、景品フィールド16Lから落下された景品が衝突するように、クレーンゲーム装置10の前面側に傾斜した傾斜面37Lが形成されている。
同様にして、右側ユニット10Rには、景品誘導空間36Rが設けられており、景品誘導空間36Rの上に配置された景品フィールドユニット16Ra,16Rb(景品フィールド16R)により形成された景品落とし口から落下された景品が、景品取出口21Rまで通過可能となっている。景品誘導空間36Rには、景品フィールド16Rから落下された景品が衝突するように、クレーンゲーム装置10の前面側に傾斜した傾斜面37Rが形成されている。
傾斜面37L,37Rは、前述したように、景品フィールド16L,16Rから落下した景品を景品取出口21L,21Rを誘導するための他、景品フィールドユニット16La,16Lb,16Ra,16Rbを下方から支持するために使用することができる。傾斜面37L,37Rの表面には、景品フィールドユニット16La,16Lb,16Ra,16Rbの端部を係止することができる形状、例えば複数の溝37La,37Raが傾斜方向と垂直な向きで平行に形成される。溝37La,37Raは、景品フィールド16L,16Rから落下した景品等が係止しないように構成される。
図4は、景品フィールドユニット16Raの詳細を示す図である。なお、景品フィールドユニット16La,16Lb,16Rbは、景品フィールドユニット16Raと同様の構成を有するものとして詳細な説明を省略する。
図4に示すように、景品フィールドユニット16Raは、複数の板部材ユニット41,42,43,44,45,46,47が連結されることにより構成されている。図4では、7つの板部材ユニット41〜47を連結した例を示しているが、クレーンゲーム装置10の管理者等の作業によって、同じ構成の板部材ユニットをさらに連結させたり、あるいは連結を外したりすることで連結数を任意に変更することができる。
図5は、板部材ユニット41の構成を示す平面図である。なお、板部材ユニット42〜47は、板部材ユニット41と同じ構成を有するものとして詳細な説明を省略する。
図5に示すように、板部材ユニット41は、細長(短冊状)の表面が平面となっている板部材41aと、板部材41aの2つの長辺に沿ってそれぞれ配置された第1連結部材41bと第2連結部材41cとが設けられている。第1連結部材41bと第2連結部材41cは、隣接して配置される板部材ユニットと連結するためのもので、例えば板部材41aの長辺とほぼ同じ長さを有している。板部材ユニット41は、景品が載置される景品載置エリアを構成するため、第1連結部材41bと第2連結部材41cとを板部材41aとほぼ同じ長さとすることで、隣接する板部材ユニットとの連結部分に隙間ができないようにしている。なお、第1連結部材41bと第2連結部材41cは、連結することのみを目的とする場合には、板部材41aの長辺とほぼ同じ長さとする必要はない。
図5に示す例では、第1連結部材41bは、板部材41aの一方の長辺と、例えば2箇所に設けられた接続部材41dによって接続されている。また、第2連結部材41cは、板部材41aの他方の長辺と、例えば3箇所に設けられた接続部材41eによって接続されている。
図6は、図5に示すA−A線における断面図である。
図6に示すように、第1連結部材41bは、断面が円形となるパイプ状(中空)に形成されている。ただし、第1連結部材41bには、長手方向の両端部に渡ってスリット41gが設けられている。スリット41gの幅は、接続部材41eの幅より大きくなっている(図7、図9参照)。
また、第2連結部材41cは、円柱状に形成されている。第2連結部材41cの外形サイズは、第1連結部材41bの内径より僅かに小さくなっている。すなわち、第2連結部材41cは、隣接する板部材ユニットの第1連結部材に挿入することができる。
図7は、板部材ユニット41に設けられた第1連結部材41bに、隣接する板部材ユニット42に設けられた第2連結部材42cを挿入する様子を示す図である。
図7に示すように、板部材ユニット42に設けられた接続部材42eの位置を、第1連結部材41bのスリット41gに合わせることで、板部材ユニット42の全体を第1連結部材41bに内挿することができる。第1連結部材41bには、図5に示すように、3箇所にスリット41fが設けられている。スリット41fは、第1連結部材41bの軸方向と垂直な方向に設けられ、第1連結部材41bに内挿された第2連結部材42cの接続部材42eが、軸方向と垂直な方向に例えば180°の範囲で回動できるように設けられている(図9参照)。
図5に示すように、第1連結部材41bに設けられたスリット41fは、第2連結部材41cと接続された接続部材41eの位置に合わせて形成されている。すなわち、第1連結部材41bのスリット41fの位置は、板部材ユニット41と同様にして構成された板部材ユニット42の接続部材42eの位置と一致する。従って、板部材ユニット42の第2連結部材42cの全体を板部材ユニット41の第1連結部材41bに内挿すると、第2連結部材42cに接続された3つの接続部材42eが、それぞれ第1連結部材41bに設けられた3箇所のスリット41fの位置に一致することになり、第2連結部材42cを回動させることができる。
図8は、第2連結部材42cを回動させることで、接続部材42eがスリット41fに挿入される様子を示す図である。図8に示すように、第2連結部材42cは、第1連結部材41bに内挿させた状態で回動させることができる。この時、接続部材42eは、スリット41fの位置と一致するように第2連結部材42cに設けられているため、図8に示すようにスリット41fに挿入される。これにより、接続部材42eと接続された板部材42aは、図8の破線で示すように、第2連結部材42cを軸にして回動させることができる。
図9は、図4に示すB−B線における断面を示す図である。
図9に示すように、板部材ユニット42の第2連結部材42cは、板部材ユニット41の第1連結部材41bに内挿されることにより、外周面が第1連結部材41bと密着する。また、第2連結部材42cの外周面と第1連結部材41bの内周面は、摩擦係数を大きくする材質と形状により加工されている。すなわち、第2連結部材42cが第1連結部材41bに内挿された状態にある場合、所定以下の荷重であれば、第2連結部材42cは、第1連結部材41bの内部で回動しないようになっている。
例えば、板部材ユニット41と板部材ユニット42とが水平となるように連結されている状態において、クレーンゲーム装置10で扱われる景品を板部材ユニット41と板部材ユニット42に載置した場合(例えば、ゲーム運営時に実際に載置される個数分とする)であっても、第1連結部材41bと第2連結部材42cとの状態が変わらない(回動しない)程度の摩擦係数が設けられるものとする。
また、第2連結部材42cの外周面と第1連結部材41bの内周面との摩擦係数は、板部材ユニット41と板部材ユニット42とが連結されている状態において、クレーンゲーム装置10の管理者等が手作業により力を加えることで、第2連結部材42cが第1連結部材41bの内部で回動させることができる程度とする。
すなわち、景品フィールドユニット16Raは、管理者等の手作業によって板部材ユニット41〜47の各連結部分を任意に動かすことができ、手作業によって形成された形態を景品が載置されても維持するように、連結部分の連結強度が調整されて構成されている。これにより、管理者等は、景品フィールドユニット16Raによって任意の形態の景品載置エリアを景品フィールド16内に設けることが可能となる。
なお、前述した説明では、第2連結部材42cの外周面と第1連結部材41bの内周面との摩擦係数を大きくすることで、板部材ユニット41と板部材ユニット42の上に景品を載置しても、第1連結部材41bに内挿された第2連結部材42cが回動しない(状態が変わらない)ようにしているが、連結された隣接する板部材ユニット41と板部材ユニット42との連結部分が動かないように固定する構成を設けるようにしても良い。この場合、第2連結部材42cと第1連結部材41bとの摩擦係数を大きくする必要がなくなり、より簡単な構造により連結させることができる。
例えば、第1連結部材41bの外周面を締め付ける固定機構を設けることで、第2連結部材42cと第1連結部材41bとをより強く圧接させて連結部分が動かないようにできる。また、第1連結部材41bと第2連結部材42cのそれぞれに、周方向に複数の穴を設け、第1連結部材41bと第2連結部材42cとを連通するようにネジなどの部材を挿入することで連結部分が動かないようにできる。
また、板部材ユニット41の板部材41aと板部材ユニット42の板部材42aとを連結部材により連結することで連結部分が動かないようにできる。例えば、連結部材は、板部材41aの短辺側の側面に設けられたフック状(鉤状)の部材とする。板部材42aの短辺側の側面には、連結部材の先の曲がった部分を係止することができる係止部を複数箇所に設けておく。そして、板部材ユニット41と板部材ユニット42との連結部分の調整(板部材41a,41bがなす角度の調整)をした後、連結部材により板部材41a,41bとを連結する。これにより、板部材ユニット41,42の連結状態が固定され、多数の景品が載置されたとしても形態を維持することができる。
なお、板部材42aの短辺側の側面には、板部材41aと同様にして、板部材ユニット43の板部材43aに設けられた係止部に係止させることができる連結部材が設けられている。すなわち、板部材ユニット41〜47の板部材には、それぞれ隣接する板部材ユニットとの連結状態を固定するための連結部材と係止部とが設けられる。
また、景品フィールドユニット16Raの形態が管理者等の作業によって決められた後に、その形態を維持できるように補助する部材、例えば景品フィールドユニット16Raの下から支持する構成を設けることで、第2連結部材42cと第1連結部材41bとをより簡単な構造により連結させることができる。
図10及び図11は、景品フィールドユニット16Raにより形成される景品載置エリアの形態の例を示す図である。なお、図10及び図11では、板部材ユニット41〜48の構成を簡略化して示している。また、板部材ユニット41〜47と同じ構成を有する板部材ユニット48が、さらに板部材ユニット47に連結されている。
図10に示す例では、板部材ユニット41,42によって景品を載置できるように水平面が形成され、板部材ユニット42,43の連結部分と板部材ユニット43,44の連結部分がそれぞれ折り曲げられることで、板部材ユニット41,42よりも低い位置で板部材ユニット44,45によって水平面が形成されている。これにより、階段型の景品載置エリアを構成することができる。また、板部材ユニット45,46の連結部分が折り曲げられ、板部材ユニット46,47,48が垂直方向に延ばされている。板部材ユニット46,47,48を垂直方向に延ばすことにより、景品フィールドユニット16Raと下部筐体13までの間に景品落とし口17Rを設けることができる。また、垂直に延ばされた板部材ユニット46,47,48の下端を傾斜面37Rに接触させることで、板部材ユニット46,47,48により景品フィールドユニット16Raを下方から支持することができる(図12参照)。
図11に示す例では、板部材ユニット42,43により傾斜面を作成した例を示している。図11に示すように、板部材ユニット41〜44のそれぞれの連結部分は、管理者等が手作業によって任意の角度に調整することができるため、容易に傾斜面を作成することができる。景品載置エリアに傾斜面を設けることにより、複数の景品を山積みするような場合に、少ない景品数で多くの景品が山積みされているように展示することができる。
なお、図10及び図11は、景品フィールドユニット16Raにより形成される景品載置エリアの形態の一例であって、板部材ユニット41〜48の連結部分を調整することで、様々な形態を実現することができる。例えば、景品載置面を波打つような形態にしたり、奥側に低い位置で景品載置面を設けた形態としたり、例えば1つの板部材ユニット44のみを水平状態にして景品を載置できるエリアを制限した形態としたりすることができる。
図12、図13、及び図14は、景品フィールドユニット16Raのクレーンゲーム装置10への取り付け状態の例を示す図である。図12〜図14は、クレーンゲーム装置10の側面断面図によって示している。
図12〜図14に示すように、上部筐体12の奥面下部には、景品フィールドユニット16La,16Lb,16Ra,16Rbを固定あるいは係止するための複数のユニット固定部材50a,50b,50c,50dが設けられている。図12〜図14に示す例では、ユニット固定部材50a,50b,50c,50dは、上部筐体12の背面部材12a(景品フィールド側)に、それぞれ異なる高さで、クレーンゲーム装置10の両側面の間に渡って設けられている。ユニット固定部材50a,50b,50c,50dは、板部材ユニット41〜48に設けられた第1連結部材あるいは第2連結部材を固定あるいは係止することができる構成を有している。すなわち、例えば景品フィールドユニット16Raの端部を、景品載置エリアに必要とする高さに応じて、ユニット固定部材50a,50b,50c,50dの何れかを選択して固定することができる。
また、下部筐体13の前面部材13aの上端(景品フィールド側)には、クレーンゲーム装置10の両側面の間に渡って、ユニット固定部材51が設けられている。ユニット固定部材51は、板部材ユニット41〜48に設けられた第1連結部材あるいは第2連結部材を固定することができる構成を有している。
図12に示す例では、景品フィールドユニット16Raの一方の端部がユニット固定部材50bに固定され、他方の端部が垂直方向に延びる形態とされることで傾斜面37Rの上面に接触されている。傾斜面37Rの上面には溝37Raが形成されており、景品フィールドユニット16Raの他方の端部が溝37Raにより係止される。これにより、景品フィールドユニット16Raを安定した状態で設置することができる。
また、景品フィールドユニット16Raが前面部材13aに到達しない形態となっているため、景品フィールドユニット16Raと前面部材13aとの間に景品落とし口17Rが設けられる。
図13に示す例では、景品フィールドユニット16Raの一方の端部がユニット固定部材50cに固定され、他方の端部が水平方向に延びる形態とされることで前面部材13aに設けられたユニット固定部材51に固定されている。これにより、景品フィールドユニット16Raによって広い景品載置エリアが形成されている。また、図13に示す例では、景品フィールドユニット16Raと傾斜面37Rとの間に、景品フィールドユニット16Raを下方から支持するための補助部材52が設けられている。補助部材52は、管理者等により容易に脱着が可能であり、下端部が傾斜面37Rに設けられた溝37Raと係止することで安定して設置できるようになっている。補助部材52により景品フィールドユニット16Raを下から支持することで、景品フィールドユニット16Raは、広い景品載置エリアに多数の景品が山積されたとしても形態を維持することができる。
図14に示す例では、景品フィールドユニット16Raの一方の端部が最上部のユニット固定部材50aに固定され、そこから下方に延ばし、最下位置で水平にして景品載置エリアを形成し、他方の端部側の板部材ユニットを傾斜面37Rに沿わせるように接触させた形態としている。図14に示す例では、他方の端部が傾斜面37Rに沿わせるように接触されることで、傾斜面37Rと同様に機能する形態となっている。このため、景品落とし口17Rの開口面を広くしたことと実質同じとなり、景品を落下させやすくできる。
このようにして、景品フィールドユニット16Raは、高さの異なるユニット固定部材50a〜50dの何れかに固定し、複数の板部材ユニット41〜48の連結部分の角度調整をすることで、様々な形態に変形することができる。このため、クレーンゲーム装置10で扱う景品の形状やサイズに合わせた景品載置エリアや景品落とし口を設けたり、ゲーム難易度を調整するためにクレーンアーム18Rによって景品を景品落とし口に落としやすい、あるいは落としにくい形態の景品載置エリアや景品落とし口を設けたりすることが容易にできる。
なお、前述した説明では、図1に示す景品フィールドユニット16Raのみについて説明しているが、図1に示すように、他の景品フィールドユニット16La,16Lb,16Rbについても管理者等の作業によって個別に形態を設定することができる。従って、複数の異なる形態に設定された景品フィールドユニット16La,16Lb,16Ra,16Rbを組み合わせることで、景品フィールド16L,16Rのそれぞれにおいて、様々な形態の景品載置エリアや景品落とし口を設けることができる。
このようにして、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10では、景品落とし口の位置を変更するために、パネルを取り外して別の位置に設置し直すといった作業をする必要がなく、景品フィールドユニット16La,16Lb,16Ra,16Rbの形態を、複数の板部材ユニットの連結部分を調整することで変形できるので、景品載置エリアと景品を落下させる景品落とし口とを含むフィールドの形態をより簡単な作業によって変更することが可能となる。
なお、前述した説明では、板部材ユニット41〜48の板部材の表面は、平面としているが、景品を載置する際に利用できるように(景品を係止するなど)、穴や突起物を形成することも可能である。また、1つの板部材ユニット41においても板部材は全て同じ形状としているが、異なる形態の板部材、例えば短辺方向あるいは長辺方向の幅が異なる板部材が混在していても良い。
また、図13には、例えば景品フィールドユニット16Raを下から支持する補助部52を設ける例を示しているが、図13に示す形態の補助部材52に限るものではない。
また、例えば板部材ユニット41,42を連結するために、第1連結部材41bに第2連結部材42cを内挿させる構造を設けているが、板部材41a,42aがなす角度を管理者の手作業によって変更可能であり、かつ景品等を載置しても形態を維持することができる構造であれば、他の構造を採用することも可能である。例えば、板部材41aにギア状部材を設け、板部材42aに設けられた部材をギア状部材に係止させることにより、板部材41a,42aがなす角度を任意に調整できる構成とすることも可能である。
また、前述した説明では、景品フィールドユニット16La,16Lb,16Ra,16Rbは、上部筐体12の筐体奥面に設けられたユニット固定部材50a〜50dに端部を固定し、前方に伸ばして景品載置台を形成するとしているが、下部筐体13に設けられたユニット固定部材51に端部を固定して、後方に伸ばして景品載置台を形成しても良いし、さらに筐体側面にユニット固定部材50に設けることで、筐体側面に端部を固定し、横方向に伸ばして景品載置台を形成するようにしても良い。
次に、本実施形態におけるクレーンアーム18L,18Rの構成の詳細について説明する。
本実施形態におけるクレーンゲーム装置10では、前述したように、景品フィールドユニット16La,16Lb,16Ra,16Rbによって様々な形態の景品載置エリアを設けることが可能となっている。本実施形態では、景品載置エリアの形態に応じて、例えば景品載置エリアに載置された景品をクレーンアーム18L,18Rによって把持し易くするために、アーム18La,18Raの向きを下向きあるいは横向きに変更することができる。
図15は、本実施形態におけるクレーンアーム18Rの筐体18Rbを除いた内部構成(フレーム18Rd)を示す図であり、アーム18Raが下向きになっている状態を示している。なお、クレーンアーム18Lは、クレーンアーム18Rと同様の構成を有するものとして説明を省略する。
図15では、クレーンアーム18Rの筐体18Rbに収容されたフレーム18Rdのみを示している。筐体18Rbには、アーム18Raを駆動するためのアームモータの他、制御回路等が実装された基板、配線コードなどが収容されているが、図15では図示を省略している。
フレーム18Rdには、上部にワイヤ係止部材18Re(図16に詳細を示す)が取り付けられ、ワイヤ18Rfの先端部が係止されている。また、フレーム18Rdの側面部には、ネジ穴18Rd1が設けられており、フレーム18Rdの上部から取り外したワイヤ係止部材18Reを取り付けることができる。また、フレーム18Rdの下部には、アーム18Raの回動軸18Rd2が設けられている。
図16は、ワイヤ係止部材18Reの詳細な構成を示す図である。
図16に示すように、ワイヤ係止部材18Reは、底部には平面状の板部材18Re1が設けられており、この板部材18Re1に設けられたネジ穴18Re2を貫通するネジ18Re3によってフレーム18Rdに取り付けることができる。板部材18Re1の中央には円柱部材18Re5が設けられている。円柱部材18Re5は、上半分の径が下半分の径より小さくなっており、上半分の部分に伸縮パイプ部材18Rcが装着される。円柱部材18Re5の上半分の側面には、複数のネジ穴18Re6が設けられており、伸縮パイプ部材18Rcがネジ止めされる。
円柱部材18Re5の上部側面には、ワイヤ18Rfの先端に取り付けられた例えば球形の係止部材を挿入可能な穴18Re7が設けられている。また、穴18Re7と連続して、円柱部材18Re5の上端部中央までスリット18Re8が設けられている。スリット18Re8は、ワイヤ18Rfを通過可能な幅が設けられており、ワイヤ18Rfの係止部材が穴18Re7に挿入されることで、ワイヤ18Rfを円柱部材18Re5の上端中央まで導く。ワイヤ18Rfの係止部材がスリット18Re8を通過できないため、ワイヤ18Rfによってワイヤ係止部材18Re(クレーンアーム18R)を懸架することができる。
図16に示すように、ワイヤ係止部材18Reは、ネジ18Re3によってフレーム18Rdに固定される。従って、クレーンゲーム装置10の管理者等の作業により、フレーム18Rdの上部に取り付けられていたワイヤ係止部材18Reを取り外して、フレーム18Rdの側面に設けられたねじ穴18Rd1に付け替えることができる。
図17は、フレーム18Rdの側面にワイヤ係止部材18Reを取り付けた場合のクレーンアーム18Rを示す図である。図17は、クレーンアーム18Rの筐体18Rbを除いた内部構成(フレーム18Rd)を示している。図17に示すように、ワイヤ係止部材18Reをフレーム18Rdのねじ穴18Rd1に取り付けることで、アーム18Raを横向きにすることができる。
通常、クレーンアーム18Rに対する移動制御では、アーム18Raが下向きとなっているため、景品フィールド16に載置された景品に対して、上方から下降させることで把持動作をさせる。本実施形態では、アーム18Raを横向きにすることで、図18に示すように、クレーンアーム18Rを横方向に移動させることで(図18に示す矢印方向)、景品50に対する把持動作をさせることも可能となる。クレーンアーム18Rの移動制御の設定については後述する。
図19は、アーム18Raを横向きにした場合のクレーンアーム18Rの動きを示す図である。図19は、クレーンアーム18Rによる景品50を把持するための動作として、プレーヤ側(筐体前面側)から筐体奥の方向に、プレーヤのボタン操作によってクレーンアーム18Rを水平方向に移動させる様子を示している。
クレーンアーム18Rは、筐体内の上部に設けられたクレーン機構部に、可動機構60を介して吊り下げられている。クレーン機構部は、クレーンアーム18RをX軸方向、Y軸方向に移動させる機構と、クレーンアーム18RをZ軸方向に移動させる(ワイヤ18Rfを巻回する機構)を含む。
図20は、図19に示す可動機構60の詳細な構成を示す図である。
図20に示すように、可動機構60は、クレーン機構部にネジ止めにより固定される円柱部材61と、円柱部材61の側面部の2箇所に設けられた軸受け62と、2つの軸受け62の間に渡された軸63と、軸63に取り付けられた伸縮パイプ装着部材64が含まれる。伸縮パイプ装着部材64には、ねじ穴65が設けられており、伸縮パイプ部材18Rcの上端部がネジ止めされる。
軸63は、伸縮パイプ装着部材64(伸縮パイプ部材18Rc)を、軸63と垂直な方向に振り子のように可動させることができる。従って、軸63の向きを調整することで、伸縮パイプ部材18Rcを可動にする方向、すなわちクレーンアーム18Rが振り子のように可動する方向を決めることができる。
図19に示す例では、クレーンアーム18Rを筐体前面側から筐体奥の方向に移動させるため、この移動方向と同じ方向にクレーンアーム18Rが可動となるように、可動機構60(軸63)は、向きが調整されてクレーン機構部に取り付けられる。
これにより、図19に示すように、クレーンアーム18Rに景品50を把持するための動作をさせた結果、クレーンアーム18Rが景品50に圧接された状態となったとしても、クレーンアーム18Rは、可動機構60により振れるため、クレーン機構部の移動に追従しなくなる。従って、クレーンアーム18Rが景品50、あるいは他の構造物などに過剰に圧接されることにより、アーム18Raや伸縮パイプ部材18Rcの取り付け部分などが破損する恐れがなくなる。また、クレーンアーム18Rが景品50に対して過剰に圧接されないようにクレーン機構部を制御するために、クレーンアーム18Rに圧接センサや、圧接センサの検知に応じてクレーン機構部を制御するための機能などを設ける必要がないため構成を簡易にすることができる。
なお、図19では、クレーンアーム18Rについて説明しているが、クレーンアーム18Lも同様にして、クレーン機構部に可動機構を介して吊り下げられているものとする。
また、図19では、クレーンアーム18Rを筐体前面側から筐体奥の方向に移動させる例を示しているが、例えばクレーンアーム18Rを筐体の左右方向に移動させる場合には、可動機構60をクレーンアーム18Rが左右方向に振れるようにクレーン機構に取り付ければ良い。
さらに、図20に示す可動機構60は、1本の軸63によって伸縮パイプ装着部材64(クレーンアーム18R)を可動にしているため、クレーンアーム18Rが1方向に振れるようになっているが、多方向に振れるように構成することも可能である。例えば、固定点により伸縮パイプ装着部材64を可動にすることにより、何れの方向(360°)にもクレーンアーム18Rが振れるようにできる。クレーンアーム18Rが景品50に対して十分に重ければ、クレーンアーム18Rが可動機構60によって吊り下げられた状態にあっても、景品50を把持するための動作によって不用意にクレーンアーム18Rが振れることはなく、把持するための動作に支障が発生しない。 次に、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10の制御機能について説明する。
図21は、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10の機能構成を示すブロック図である。
図21に示すように、クレーンゲーム装置10の筐体内部には、各種ユニットが実装された制御PCB(Print Circuit Board)68が設けられている。制御PCB68に実装されたユニットには、CPU70、RAM71、記憶装置72、入出力処理ユニット73、X軸モータ駆動部74、Y軸モータ駆動部75、Z軸モータ駆動部76、及びアーム駆動部77を含む。
CPU70は、RAM71あるいは記憶装置72に記憶された制御プログラムやゲームプログラムを実行することにより、クレーンゲーム装置10全体を制御する。CPU70は、入出力処理ユニット73を介して入力されるコイン投入の検知信号に応じて、プレイ可能回数を示すクレジットデータをRAM71に記録する。また、CPU70は、入出力処理ユニット73を介して入力されるユーザ操作により指示されたクレーンアーム18L,18Rを移動させる指示に応じて、X軸モータ駆動部74、Y軸モータ駆動部75、Z軸モータ駆動部76、及びアーム駆動部77を制御して機構部69の各部を適宜動作させる。また、CPU70は、入出力処理ユニット73を介して、スピーカ28からの音声出力、表示装置27L,27Rにおける表示を制御する。
RAM71は、制御プログラムやゲームプログラム等の各種プログラムの他、CPU70により実行される処理に伴うゲームを制御するための各種データを一時的に記憶する。RAM71に記録されるデータには、例えばプレイ可能回数を示すクレジットデータ、クレーンアーム18L,18Rの位置(X位置、Y位置)を示す位置データ等が含まれる。
記憶装置72は、ROMやハードディスク等の不揮発性の記憶媒体にプログラムやデータを記憶する。
入出力処理ユニット73は、制御PCB68の外部に設けられた各種入出力デバイスとのインタフェースである。
X軸モータ駆動部74は、機構部69に設けられたX軸モータ80の駆動を制御する。Y軸モータ駆動部75は、機構部69に設けられたY軸モータ81の駆動を制御する。Z軸モータ駆動部76は、機構部69に設けられたZ軸モータ82の駆動を制御する。
アーム駆動部77は、クレーンアーム18L,18Rに設けられたアーム18La,18Raを開閉させるためのアームモータ83の駆動を制御する。
機構部69は、例えば左側ユニット10Lと右側ユニット10Rのそれぞれに設けられる。図21に示す機構部69は、例えば右側ユニット10Rに設けられるもので、X軸モータ80、Y軸モータ81、Z軸モータ82、アームモータ83、及び景品検知センサ84が含まれる。なお、左側ユニット10Lにも同様の構成の機構部が設けられるものとして説明を省略する。
X軸モータ80は、X軸モータ駆動部74により駆動されるもので、クレーンアーム18RをX軸方向(横方向)に移動させる。Y軸モータ81は、Y軸モータ駆動部75により駆動されるもので、クレーンアーム18RをY軸方向(縦方向)に移動させる。Z軸モータ82は、Z軸モータ駆動部76により駆動されるもので、クレーンアーム18L,18RをZ軸方向(上下方向)に移動させる。
アームモータ83は、アーム駆動部77により駆動されるもので、クレーンアーム18Rのアーム1818Raを開閉させる。
景品検知センサ84は、クレーンアーム18Rの操作によりプレーヤに景品が払い出されたことを検知する。
コンパネ部23Rには、図21に示すように、コイン投入口26R、コイン投入センサ86、横移動ボタン24Ra、縦移動ボタン24Rb、及び表示装置27Rが含まれる。なお、コンパネ部23Lは、コンパネ部23Rと同様に構成されるものとして説明を省略する。
コイン投入センサ86は、コイン投入口26Rから投入されたコインを検知して、入出力処理ユニット73に、コイン投入を示す検知信号を出力する。CPU70は、入出力処理ユニット73に入力された検知信号に応じて、プレイ可能回数を示すクレジットデータを記録する。
横移動ボタン24Raは、プレーヤによるクレーンアーム18Rを横方向(X軸方向)に移動させる指示を入力するためのものである。横移動ボタン24Raは、プレーヤにより押下されている場合、押下された状態にあることを示す信号を入出力処理ユニット73に出力する。CPU70は、入出力処理ユニット73を通じて横移動ボタン24Raが押下されていることを検知すると、X軸モータ駆動部74を介してX軸モータ80を駆動してクレーンアーム18Rを横方向(X軸方向)に移動させる。CPU70は、横移動ボタン24Raが押されていない場合には、X軸モータ80の駆動を停止させる。
縦移動ボタン24Rbは、プレーヤによるクレーンアーム18Rを縦方向(Y軸方向)に移動させる指示を入力するためのものである。縦移動ボタン24Rbは、プレーヤにより押下されている場合、押下された状態にあることを示す信号を入出力処理ユニット73に出力する。CPU70は、入出力処理ユニット73を通じて縦移動ボタン24Rbが押下されていることを検知すると、Y軸モータ駆動部75を介してY軸モータ81を駆動してクレーンアーム18Rを縦方向(Y軸方向)に移動させる。CPU70は、縦移動ボタン24Rbが押されていない場合には、Y軸モータ81の駆動を停止させる。また、縦移動ボタン24Rbは、後述する設定機器29を用いた設定により、クレーンアーム18Rを下方向(Z軸方向)に移動させる指示を入力するために使用することも可能である。
通常、クレーンアーム18Rのアーム18Raが下向きに構成されている場合には(図15に示す形態)、横移動ボタン24Raと縦移動ボタン24Rbの操作に応じてクレーンアーム18Rの横/縦移動をさせた後、一定時間が経過した後に、CPU70は、景品取得シーケンスを開始する。この場合の景品取得シーケンスとして、CPU70は、Z軸モータ駆動部76を介してクレーンアーム18Rの先端部が景品に到達する位置まで下降させ、アーム駆動部77を通じてアーム18Raに景品を掴む動作をさせた後、クレーンアーム18Rを上昇させる。CPU70は、景品取得シーケンスの後、X軸モータ80とY軸モータ81を駆動させて、クレーンアーム18Rを景品落とし口の上方まで移動させ、アーム18Raに景品を離す動作をさせる。
また、クレーンアーム18Rのアーム18Raが横向きに設定されている場合には(図17に示す形態)、CPU70は、前述とは異なる制御手順によりクレーンアーム18Rを制御することができる。例えば、CPU70は、横移動ボタン24Raの操作に応じてクレーンアーム18Rの横移動をさせた後、縦移動ボタン24Rbの操作に応じてクレーンアーム18Rを下降させる。CPU70は、縦移動ボタン24Rbの押下が停止されて、クレーンアーム18Rを停止させて、一定時間が経過した後に、景品取得シーケンスを開始する。この場合の景品取得シーケンスとして、CPU70は、Y軸モータ駆動部75を介してY軸モータ81を駆動してクレーンアーム18Rを縦方向(Y軸方向)、すなわち景品載置エリアに載置されている景品方向に移動させる(例えば、図18の矢印方向)。CPU70は、クレーンアーム18Rの先端部が景品に到達する位置まで移動させ、アーム駆動部77を通じてアーム18Raに景品を掴む動作をさせた後、クレーンアーム18Rを上昇させる。CPU70は、景品取得シーケンスの後、X軸モータ80とY軸モータ81を駆動させて、クレーンアーム18Rを景品落とし口の上方まで移動させ、アーム18Raに景品を離す動作をさせる。
表示装置27Rは、CPU70の制御のもとで各種の情報を表示する。表示装置27Rには、例えばクレジット数(プレイ可能回数)や動作モードの表示などが表示される。
なお、設定機器29は、管理者がクレーンゲーム装置10に対して各種設定をするために使用されるもので、例えば各種の設定操作を入力するための複数のボタン(選択ボタン、決定ボタン、上下左右ボタン等)、各種設定画面等を表示するためのディスプレイ等が実装されている。なお、コンパネ部23L,23Rに設けられたボタン24L,24Rと表示装置27L,27Rを用いて設定操作するようにしても良い。
次に、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10の動作について説明する。
本実施形態では、前述したように、景品フィールドユニット16La,16Lb,16Ra,16Rbの形態を変更することで、景品落とし口の位置や景品を載置する景品載置エリアの形態を変更することができる。クレーンゲーム装置10は、景品落とし口の位置の変更や景品載置エリアの形態の変更に応じて、例えば管理者による操作によって、景品取得シーケンスの後にクレーンアーム18L,18Rを景品落とし口の上方まで移動させるための経路や、景品取得シーケンスを含むクレーンアーム18L,18Rの制御手順、縦移動ボタン24Rbに対応する制御内容などを変更することができる。
例えば、管理者は、設定機器29への操作によってクレーンアーム経路設定処理の実行を指示する。CPU70は、設定機器29から入力される指示に応じて、移動経路設定メニューを表示する。移動経路設定メニューでは、景品取得シーケンス(下降、アームによる把持動作、上昇)を実行させた後に、クレーンアーム18L,18Rを移動させる目標位置、すなわち景品落とし口が設けられた位置を指定できる複数の選択肢が用意されているものとする。ここで、景品落とし口が設けられた位置が設定機器29の操作により指定されると、CPU70は、入力された景品落とし口の位置を示すデータを記憶装置72に記憶させておく。同様にして、クレーンアーム18Rのアーム18Raが横向きに設定されている場合に応じた制御手順を設定メニューから選択して、その設定内容を示すデータを記憶装置72に記憶させておく。記憶装置72に記憶された設定データは、ゲーム実行時のクレーンアーム制御処理時に参照される。
次に、プレーヤの操作に応じてクレーンアーム18L,18Rの移動を制御するクレーンアーム制御処理について説明する。ここでは、右側ユニット10Rにおいてクレーンアーム18Rを操作する場合を例にして説明する。
まず、クレーンゲーム装置10をプレイするために、プレーヤによりコイン投入口26Rからコインが投入される。コイン投入センサ86は、コインが投入されたことを検知すると入出力処理ユニット73に検知信号を出力する。CPU70は、コイン投入センサ86からの検知信号によりコイン投入を検知すると、クレーンアーム制御処理を開始する。
CPU70は、クレーンアーム制御処理を開始すると、記憶装置72に記憶された景品落とし口の位置やクレーンアーム18Rに対する制御手順を示す設定データをRAM71にロードする。
アーム18Raが横向きに設定された場合、次のようにクレーンアーム18Rを制御する。
CPU70は、横移動ボタン24Raの操作により、クレーンアーム18Rを横移動させる指示があると、X軸モータ駆動部74を通じてX軸モータ80を駆動して、クレーンアーム18Rを横方向(X軸方向)に移動させる。次に、CPU70は、縦移動ボタン24Rbが操作された場合には、Z軸モータ駆動部76(通常は、Y軸モータ駆動部75を駆動)を通じてZ軸モータ82を駆動して、クレーンアーム18Rを下方向(Z軸方向)に移動させる。
クレーンアーム18Rの横/下移動がされた後、CPU70は、クレーンアーム18Rによって景品を把持させるための景品取得シーケンスを実行する。景品取得シーケンスでは、CPU70は、Y軸モータ駆動部75を介してクレーンアーム18Rの先端部が景品に到達する位置まで横方向に移動させ、アーム駆動部77を通じてアーム18Raに景品を掴む動作をさせた後、クレーンアーム18Rを上昇させる。
CPU70は、クレーンアーム18Rを上昇させると、景品落とし口の位置を示すデータをもとに、X軸モータ80とY軸モータ81とを駆動して、クレーンアーム18Rを現在位置から景品落とし口の上方まで移動させる。CPU70は、クレーンアーム18Rを景品落とし口の上方まで移動させてからアーム18Raに景品を離す動作をさせた後、初期位置に移動させる。
なお、前述したクレーンアーム18Rに対する設定手順は一例であって、管理者の操作によって設定機器29を通じて、前述とは異なる制御手順を設定することも可能である。
このようにして、クレーンゲーム装置10では、景品フィールドユニット16La,16Lb,16Ra,16Rbの形態に応じて変更される景品落とし口の位置に応じて、クレーンアーム18L,18Rの移動経路を変更することができる。また、景品載置エリアの形態に合わせて、クレーンアーム18L,18Rのアーム18Ra,18Laの向きが横向きに変更された場合には、アーム18Ra,18Laの向きに合わせたクレーンアーム18L,18Rの制御手順に変更することができる。これにより、アーム18Ra,18Laが下向きの場合とは異なる操作が必要となるため、ユーザに対して新たなゲームの楽しみ方を提供することができる。
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。