JP2014032984A - 半導体モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温で稼動する半導体素子を備える半導体モジュールを、低コストで作製する。
【解決手段】半導体モジュールの製造方法は、(a)配線パターンが形成された配線基板を準備する工程と;(b)配線基板上において、導電接合部と絶縁接合部とを配する工程と;(c)半導体素子を導電接合部および絶縁接合部上に配し、半導体素子を配線基板に、雰囲気温度T1で接着する工程と;(d)半導体素子が接着された配線基板を酸素分圧制御雰囲気、かつ、前記雰囲気温度T1より高い雰囲気温度T2下に配して、半導体素子を配線基板に接合する工程と;を備える。
【選択図】図2
【解決手段】半導体モジュールの製造方法は、(a)配線パターンが形成された配線基板を準備する工程と;(b)配線基板上において、導電接合部と絶縁接合部とを配する工程と;(c)半導体素子を導電接合部および絶縁接合部上に配し、半導体素子を配線基板に、雰囲気温度T1で接着する工程と;(d)半導体素子が接着された配線基板を酸素分圧制御雰囲気、かつ、前記雰囲気温度T1より高い雰囲気温度T2下に配して、半導体素子を配線基板に接合する工程と;を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、半導体モジュールに関する。
従来より、通常使用されるSi(シリコン)の半導体素子の配線基板への実装工程においては、半導体素子を配線基板へ載置した後、その場で加熱することにより接合する方法が用いられている。また、半導体装置の製造においては、特許文献1に記載されるように、チップと基板とを本接着する前に仮接着する技術も、従来から用いられている。
ところで、近年、半導体素子の材料としてSiに代わりSiC(シリコンカーバイト)が採用される例がある。SiCの半導体素子は、Siの半導体素子に比べて高温での駆動が期待される。しかし、SiCの半導体素子を配線基板に実装するに際して、半導体素子の使用時の高温に耐えうる金属接合材を使用しつつSiの半導体素子の実装工程を採用すると、金属接合材が酸化してしまう。このため、Siの半導体素子の実装工程は、SiCの半導体素子の実装には適さない。金属接合材の酸化物が電気抵抗を増化させると共に、接着効果を減少させるからである。
一方、半導体素子の配線基板への載置と加熱をすべて非酸化雰囲気下で行うと、金属接合材の酸化は抑制される。しかし、そのような工程を実現するためには、炉中において半導体素子の基板への載置が可能な大きな炉の内部を、非酸化雰囲気にする必要がある。このため、半導体モジュールの製造費が嵩み、新たな機器の導入も必要である。
そのため、低コストでSiCの半導体素子を実装する技術が望まれていた。なお、このような問題はSiCの半導体素子に限らず、Siの半導体素子に比べて高温で駆動する半導体素子を備える半導体モジュールの製造について、共通して望まれていた。そのほか、従来の半導体モジュールの製造方法においては、その小型化や、省資源化、製造の容易化、製造の精確さ、作業性の向上等が望まれていた。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することができる。
(1)本発明の一形態によれば、半導体モジュールの製造方法が提供される。この半導体モジュールの製造方法は、(a)配線パターンが形成された配線基板を準備する工程と;(b)配線基板上において、配線パターンと半導体素子とを接続するための導電接合部と、半導体素子と配線基板とを接合するための絶縁接合部と、を配する工程と;(c)半導体素子を導電接合部および絶縁接合部上に配し、半導体素子を配線基板に、雰囲気温度T1で接着する工程と;(d)半導体素子が接着された配線基板を酸素分圧制御雰囲気、かつ、前記雰囲気温度T1より高い雰囲気温度T2下に配して、半導体素子を配線基板に接合する工程と;を備える。
この製造方法によれば、高温度域でも使用可能な半導体モジュールを、低コストで精確に作製することができる。なお、「配線基板を準備する」とは、配線基板をその場で作製してもよく、すでに作製された配線基板を用意することを含む。また、「酸素分圧制御雰囲気」とは、気体中の酸素分圧を制御している雰囲気をいい、真空雰囲気や還元雰囲気も含む。
(2)上記形態の半導体モジュールの製造方法において、工程(d)は、半導体素子を酸素分圧制御雰囲気の処理室に移動させた後に、雰囲気温度T2で、半導体素子を配線基板に接合する工程としてもよい。
この形態の半導体モジュールの製造方法によれば、半導体素子を配線基板へ載置する工程と、半導体素子を配線基板に接合する工程とを別室で行うことが可能となる。これにより、雰囲気制御を行う炉のスペースを縮小化でき、より低コストで半導体モジュールを製造できる。
(3)上記形態の半導体モジュールの製造方法において、雰囲気温度T1は、配線パターンもしくは導電接合部が酸化しない温度としてもよい。
この形態の半導体モジュールの製造方法によれば、工程(c)において半導体モジュールの材料の酸化をより抑制することができる。これにより、半導体モジュールの品質をさらに向上させることができる。
(4)上記形態の半導体モジュールの製造方法において、雰囲気温度T1は、40℃から100℃としてもよい。
この形態の半導体モジュールの製造方法によれば、雰囲気温度T1が40℃以上なので室温における半導体素子30と配線基板10を接着する材料の溶出を防止でき、かつ、雰囲気温度T1が100℃以下なので半導体モジュールの材料の酸化を抑制することができる。これにより、半導体モジュールの製造における操作性をさらに向上させることができる。
(5)上記形態の半導体モジュールの製造方法において、雰囲気温度T2は、300℃以上としてもよい。
この形態の半導体モジュールの製造方法によれば、高温度域でも稼動する半導体素子を、300℃未満であれば高温稼動時においても安定して配線基板に接合しておくことが可能となる。
(6)上記形態の半導体モジュールの製造方法において、絶縁接合部は、工程(d)において雰囲気温度T2で焼結される無機材料と;工程(c)において雰囲気温度T1で半導体素子を配線基板に接着させ、工程(d)において雰囲気温度T2で絶縁接合部から消失する有機材料と、を含んでもよい。
この形態の半導体モジュールの製造方法によれば、工程(b)により、無機材料と有機材料とを含む絶縁接合部を作製可能となる。なお、「有機材料」とは、炭素を含む化合物からなる材料をいう。また、「無機材料」とは、有機化合物以外の化合物からなる材料をいう。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
例えば、本発明の一形態は、工程(a)と、工程(b)と、工程(c)と、工程(d)と、の4つも工程の内の一つ以上の工程を備えた製造方法として実現可能である。すなわち、この製造方法は、工程(a)を経てもよく、経なくてもよい。また、工程(b)を経てもよく、経なくてもよい。こうした製造方法は、例えば半導体モジュールとして実現できるが、半導体モジュール以外の他の装置としても実現可能である。このような態様とすれば、装置の小型化や、低コスト化、省資源化、製造の容易化、作業性の向上等の種々の課題の少なくとも1つを解決することができる。前述した半導体モジュールの製造方法の各工程の技術的特徴の一部又は全部は、いずれもこの装置に適用することが可能である。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、半導体モジュールを搭載した電力変換装置等の形態で実現することができる。
A.実施例:
A1.半導体モジュールの構成:
図1は、本発明の一実施例としての半導体モジュールの構成を示す断面図である。この半導体モジュール100は、いわゆるパワーモジュールであり、自動車における電力制御等に用いられる。半導体モジュール100は、配線基板10と、接合部20と、複数の半導体素子30と、電極配線層35と、絶縁層40と、放熱器50と、を備えている。半導体モジュール100は、各構成要素が積層された多層構造を有している。
A1.半導体モジュールの構成:
図1は、本発明の一実施例としての半導体モジュールの構成を示す断面図である。この半導体モジュール100は、いわゆるパワーモジュールであり、自動車における電力制御等に用いられる。半導体モジュール100は、配線基板10と、接合部20と、複数の半導体素子30と、電極配線層35と、絶縁層40と、放熱器50と、を備えている。半導体モジュール100は、各構成要素が積層された多層構造を有している。
具体的には、放熱器50の上には絶縁層40が配置され、絶縁層40の上には電極配線層35が配置されている。また、電極配線層35の上には半導体素子30と接合部20が配置され、接合部20の上には配線基板10が配置されている。なお、配線基板10の上には、低発熱部品200が積層され得る。低発熱部品200は、半導体素子30に比べて発熱量が低い電子部品であり、例えば、制御用半導体素子やコンデンサ等が該当する。
配線基板10は、外部からの電気的信号を半導体素子30に伝える。そして、配線基板10は、半導体素子30の信号を他の半導体素子30に伝え、半導体素子30からの信号を外部に伝える。配線基板10は、セラミックス層11と、制御回路用配線12と、主電力ストレートビア13と、上部表面配線14と、下部表面配線15と、絶縁接合部16と、放熱層18とを備えている。
セラミックス層11は、セラミックス材料により形成されている。セラミックス材料としては、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを採用し得る。制御回路用配線12は、セラミックス層11内部に形成された配線であり、制御用信号(半導体素子30駆動用の信号)の伝送等に用いられる。
主電力ストレートビア13は、セラミックス層11を厚み方向(積層方向)に貫通する導電性部材であり、上部表面配線14と下部表面配線15とを電気的に接続する。下部表面配線15は、セラミックス層11の表面のうち、接合部20と接する表面(以下、「第1表面」と呼ぶ)に配置されている。
上部表面配線14は、セラミックス層11の表面のうち、低発熱部品200が接合され得る面(以下、「第2表面」と呼ぶ)に配置されている。絶縁接合部16は、絶縁性の無機材料を主成分としたガラス組成物で形成されており、第2表面において上部表面配線14の周囲に配置されている。
なお、図1では、配線基板10と接合部20との接合界面において、下部表面配線15の層厚に対応する段差が形成されるように記載されているが、実際は、下部表面配線15は薄膜状に形成されており、配線基板10と接合部20との接合界面に、図示するような段差はほとんど生じない。または、配線基板10と接合部20との接合界面に、段差に対応した形状を有する段差を解消するための段差補正層を接合部20と同種の材料により形成してもよい。よって、以降、図面では下部表面配線15の記載を省略することがある。また、本明細書においても、下部表面配線15の説明を省略することがある。
放熱層18は、セラミックス層11内部において、セラミックス層11と平行に配置されている。放熱層18は、熱伝導性に優れる任意の材料で形成することができ、例えば、上述の制御回路用配線12や主電力ストレートビア13の基材と同様に、銀や銅、タングステン、モリブデンなどのセラミックス層との同時焼成が可能な任意の導電性材料を採用することができる。
半導体素子30は、電力用半導体素子(パワーデバイス)であり、パワーMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)や、ダイオード(ショットキーバリアダイオード等)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などを採用することができる。半導体素子30は、下部表面配線15および後述の電極配線36と電気的に接続される。なお、実際には、半導体素子30は、バンプ(突起状金属端子)を介して下部表面配線15および後述の電極配線36に接合され、それらと電気的に接続されるが、図1では、バンプを省略している。また、本実施例では、半導体素子は、一般的に使用されるSiではなく、SiCで構成される。SiCで構成された半導体素子は、高温度域(180℃から250℃)でも稼動が可能である。なお、高温度域でも稼動を可能とする半導体素子の材料としては、SiCのほかに、窒化ガリウムやダイヤモンドなどが挙げられる。
接合部20は、半導体素子30を下部表面配線15に電気的に接続し、かつ、半導体素子30を配線基板10に固定する。接合部20は、配線部21と絶縁接合部22とを備えている。配線部21の基材としては、上述したバンプと熱処理により相互拡散し一体化する導電性基材を採用することができる。かかる導電性基材としては、例えば、導電性を有する金属(例えば、アルミニウム金属や銅、錫、金、ゲルマニウム、亜鉛など)を主成分として、実装時の接合工程により溶融する基材が挙げられる。なお、高温度域において半導体の稼動を可能とするため、実施例では、導電性基材として融点が300度以上の金属を使用する。
配線基板10と絶縁接合部22、および、半導体素子30と絶縁接合部22とは、後述のリフローによる拡散接合により接合される。接合面で発生する原子の拡散により拡散層が形成されると、配線基板10と絶縁接合部22、および、半導体素子30と絶縁接合部22との接合強度を向上できる。
絶縁接合部22は、絶縁性材料で形成されており、半導体素子30と配線基板10との間の絶縁性を確保する。絶縁接合部22は、配線基板10と半導体素子30との間における配線部21を除く他の部分と、半導体素子30の周囲とに配置されている。本実施例では、絶縁接合部22は、絶縁性の無機材料を主成分とし、半導体素子の実装時の接合工程により軟化する粉末ガラスにより形成されている。粉末ガラスは、例えば、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化鉛、酸化ビスマスなどから形成される。なお、高温度域でも半導体素子の使用を可能にするため、実施例では、融点が300度以上の粉末ガラスを使用する。
電極配線層35は、電極配線36と、絶縁接合部37とを備えている。電極配線36は、半導体素子30および主電力ストレートビア13と接続されている。本実施例では、電極配線36は、制御回路用配線12や主電力ストレートビア13と同じ基材により形成されている。絶縁接合部37は、電極配線36の周囲に配置されている。絶縁接合部37は、絶縁性材料で形成されており、電極配線36と配線基板10との間の絶縁性を確保する。なお、本実施例では、絶縁接合部37は、絶縁接合部22と同じ基材により形成されている。また、絶縁接合部37が、絶縁接合部22と異なる基材の場合、絶縁接合部37と接合部20との接合界面に、接合部分の段差に対応した接合部20と同種の材料による段差補正層を設けてもよい。段差補正部は、絶縁接合部22の一部として構成されてもよい。
放熱器50は、半導体素子30と熱的に接続され、半導体素子30の熱を吸収して放出する。放熱器50は、筐体52内部にフィン51が形成された構成を有している。本実施例では、筐体52およびフィン51の基材として、熱伝導性に優れる金属(例えば、銅やアルミニウムやモリブデン等)を採用する。
絶縁層40は、絶縁性基材により形成されており、半導体素子30と放熱器50との間の絶縁性および電極配線36と放熱器50との間の絶縁性を確保する。絶縁層40は、電極配線層35と放熱器50との間に配置されている。本実施例では、絶縁層40の基材として上述したセラミックス層11と同じセラミックス材料を採用する。なお、絶縁層40と50とは互いに接着されることなく密着されている。例えば、絶縁層40と放熱器50とは、ねじで固定することにより密着させることができる。
A2.半導体モジュール100の製造方法:
図2は、本実施例における半導体モジュールの製造方法の手順を示すフローチャートである。まず、配線基板10の作製処理(ステップS100)が実行される。この処理では、セラミックス層11や、セラミックス層11内部の配線(制御回路用配線12や主電力ストレートビア13、放熱層18)が形成される。
図2は、本実施例における半導体モジュールの製造方法の手順を示すフローチャートである。まず、配線基板10の作製処理(ステップS100)が実行される。この処理では、セラミックス層11や、セラミックス層11内部の配線(制御回路用配線12や主電力ストレートビア13、放熱層18)が形成される。
ステップS100の後、外装配線パターン作製処理が実行される(ステップS200)。この処理では、ステップS100で作製された配線基板10の表面に上部表面配線14および下部表面配線15が形成される。以上の処理により、制御回路用配線12、主電力ストレートビア13、下部表面配線15、放熱層18を含む配線パターンが形成された配線基板が準備される。
ステップS200の後、接合部作製処理が実行される(ステップS300)。この処理では、絶縁接合部16および接合部20が形成される。
図3は、図2に示す接合部作製処理(ステップS300)の手順を示すフローチャートである。図3では、各工程の右に、各工程の処理結果を模式的に示している。まず、有機溶媒や水などの溶媒と粉末ガラスと有機接着剤を用いてスラリーを形成する。そして、そのスラリーが、ドクターブレード法によるシートキャスティング、もしくは、押し出し成型等の方法によりシート状に成形され、乾燥されることにより、ガラス層が作製される(ステップS305)。なお、この有機接着剤は半導体素子30の接合時(ステップS400)に分解、除去される。有機接着剤は、例えばアクリル系バインダやブチラール系バインダや直鎖炭素系バインダを採用することが好ましい。本実施例では、有機接着剤としてガラス転移温度が40℃の直鎖炭素系バインダを用いる。直鎖炭素系バインダは、上記有機接着剤のうち接合時に分解、除去される効率がよいため好ましい。ガラスシート層には、上述した粉末ガラスと有機接着剤のほかに、フィラーとしてアルミナ等のセラミックス粉末材料が配合されても良い。
次に、各ガラス層において、上部表面配線14や下部表面配線15などを収容するためのビアと、半導体素子30や低発熱部品200を収容するためのパターン(ビア)を形成する(ステップS310)。これらのビアの形成は、定型の金型による打ち抜き、もしくは、レーザ照射等の掘削加工により実現できる。
前述のステップS310でビアの形成されたガラス層を、ガラス層に含まれる有機接着剤の軟化点(ガラス転移温度)以上(例えば、60℃程度の温度)の温度で加熱プレスすることで配線基板10に貼り付ける(ステップS315)。この処理では、まず、配線基板10の積層方向の一方の表面(上述の第1表面)に、下部表面配線15を収容するためのビアが形成されたガラス層22aを貼り付ける。次に、同じ表面に、配線部21を収容するためのビアが形成されたガラス層22bを貼り付ける。さらに、その上に、半導体素子30を収容するためのビアが形成されたガラス層22cを貼り付ける。同様の方法で、他方の表面(上術の第2表面)にもガラス層16a、16b、16cを貼り付ける。ステップS315により、ガラス層16a、16b、16cからなる絶縁接合部16と、ガラス層22a、22b、22cからなる絶縁接合部22が配線基板10に貼り付けられる。
ステップS315の後、配線部21の基材のペーストを第1表面および第2表面にスクリーン印刷することにより配線パターン21aを作製する(ステップS320)。この工程では、ガラス層22bおよびガラス層16bに設けられた孔のうち、配線基板10よりの一部を埋める。その後、乾燥させることで(ステップS325)、第1表面および第2表面に接合部が形成される。配線部21の基材のペーストは、金属を主成分としており、例えば、アルミニウム金属や酸化銀、銅、ナノ金属、ハンダ合金のような、接合により溶融する金属種と、有機接着剤とを、有機溶媒や水などの溶媒を用いて混練することにより形成される。なお、配線パターンの作製方法は、スクリーン印刷に限られず、例えば、ディスペンサーによる吐出等の他の方法を採用してもよい。
図2に示すように、ステップS300の後、組み立て処理(ステップS400)が実行される。この処理により、配線基板10と他の構成要素(電極配線層35や絶縁層40や放熱器50)とが組み付けられる。
図4は、図2に示す組み立て処理(ステップS400)の詳細手順を示すフローチャートである。まず、表裏両面に電極を持つ半導体素子30を配線基板10に仮固定する(ステップS405)。
図5は、ステップS405における半導体素子の仮固定の工程を模式的に示す説明図である。図5において、半導体素子30が載置される際の配線基板10と半導体素子30とを表す。図6は、半導体素子30の載置箇所の拡大図である。
図5に示すように、半導体素子30の電極表面には、バンプ31が形成されている。なお、半導体素子30において、バンプ31が形成された面とは反対の面にも電極ならびに接続用のバンプが形成されているが、図示を省略している。接合部20(絶縁接合部22)は、半導体素子30が載置される位置に、半導体素子30を収容するための凹部23を備えている。
また、図6に示すように、凹部23の底には、バンプ31を収容する窪み22dが形成されている。窪み22dは、ガラス層22bの孔のうち、配線部21の基材のペーストで埋められていない部分をいう。配線部21の一端は、窪み22dに露出している。
ステップS405においては、図5に示すように、半導体素子30が凹部23に収容され、バンプ31と配線部21とが接触するように半導体素子30の配線基板10への載置を行う。次に、半導体素子30を載置した配線基板10を加熱プレスし、接合部20に含まれる有機接着剤により、絶縁接合部22と半導体素子30を接着させる。半導体素子30の仮固定(ステップS405)における加熱温度は、ガラス層に含まれるガラスの融点よりも低温(例えば、60度程度の温度)である。この接着により、半導体素子30は配線基板10の所望する位置に仮固定される。このため、その後に配線基板10を移動させても、移動中の振動などにより半導体素子30の位置がズレることはない。
その後、半導体素子30が仮固定された配線基板10を、リフロー(ステップS410)により加熱プレスするため、酸素分圧制御雰囲気にされた炉内に移動させる。本実施例では、酸素分圧制御雰囲気は、湿式酸素分圧制御装置により制御する。この装置では、試験雰囲気ガス(Arなど)に任意濃度の水素と水蒸気を加え、平衡反応により酸素分圧を調整する。
ステップS410では、半導体素子30が仮固定された配線基板10を、リフローにより加熱プレスする。リフローにより、絶縁接合部22と半導体素子30が接合し、配線部21と絶縁接合部22からなる接合部20を介して、半導体素子30と配線基板10が接合される。これにより、リフローの雰囲気温度下においてバンプ31を介して半導体素子30と配線部21とが電気的に接合される。
リフロー(ステップS410)における加熱温度は、ガラス層に含まれるガラスの融点よりも高い温度(例えば、300度程度の温度)である。酸素制御がされていない(酸素が20%程度)雰囲気下では、この温度において、配線部21の基材は酸化する。そのような場合には、配線部21の基材中の酸化物が電気抵抗を増加させると共に、接合効果も減少させる。しかし、この製造方法においては、酸素分圧制御雰囲気にて接合を行うため、配線部21の基材の酸化は抑制される。
また、本実施例においては、半導体素子の仮固定(ステップS405)において、半導体素子30を配線基板10に仮固定していることにより、半導体素子30の精確な位置への載置を可能とすると共に、リフローを行う炉への半導体素子30を載置した配線基板10の移動も可能となる。これにより、リフローを行う炉のみを雰囲気制御すればよく、雰囲気制御が必要な空間をより小さくすることができる。このため、低コストで半導体モジュールの製造が可能となる。また、従来から半導体モジュールの作製に使用する機器を多く本製造方法に転用できる。
図4に示す半導体素子30の仮固定(ステップS405)およびリフロー(ステップS410)が終了すると、半導体素子30の接合状態を検査し(ステップS415)、接合が正常であるか否かの判定が行われる(ステップS420)。半導体素子30の接合が異常であった場合には(ステップS420:NO)、半導体素子30の取外し等のリペアが実行され(ステップS430)、ステップS405に戻る。
前述のステップS420において、半導体素子30の接合が正常であったと判定されると(ステップS420:YES)、半導体素子30上に放熱基板を作製する(ステップS425)。放熱基板とは、電極配線層35と絶縁層40とからなり、放熱器50と接する積層体を意味する。換言すると、放熱基板とは、放熱器50と接する配線形成された絶縁基板を意味する。
放熱基板が作製されると、放熱基板および放熱器50を、配線基板10(および接合部20,半導体素子30)に取り付ける(ステップS435)。具体的には、まず、配線基板10(および接合部20,半導体素子30)を放熱基板に載置し、さらに、配線基板10が載置された放熱基板を、放熱器50に載置する。
以上の工程が実行されると、半導体モジュール100が完成する。その後、低発熱部品200(図1)を半導体モジュール100に接合することができる。具体的には、例えば、低発熱部品200がバンプを有する半導体素子である場合には、かかるバンプと上部表面配線14とが接するように、半導体素子30を載置してリフローを行うことにより、バンプと上部表面配線14とを接合させることができる。
なお、課題を解決するための手段に記載の「工程(a)」は、実施例における「配線基板作製処理(ステップS100)および外層配線パターン作製処理(ステップS200)」に相当する。「工程(b)」は、「接合部作製処理(ステップS300)」に相当する。「工程(c)」は、「半導体素子の仮固定(ステップS405)」に相当し、「工程(d)」は、「リフロー(ステップS410)」に相当する。「雰囲気温度T1」は、「半導体素子30の仮固定(ステップS405)における加熱温度」に相当し、「雰囲気温度T2」は、「リフロー(ステップS410)における加熱温度」に相当する。
そして、課題を解決するための手段に記載の「導電接合部」は、実施例における「配線部21」に相当し、「絶縁接合部」は、「絶縁接合部22」に相当する。「配線パターン」は、「下部表面配線15」に相当し、「処理室」は、「炉」に相当する。
B.変形例:
なお、上記実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
なお、上記実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上述の実施例においては、半導体素子30を仮固定した配線基板10を、リフローするために移動させたが、移動をさせずにリフローを行うことも可能である。例えば、仮固定の場でリフローを行ってもよい。即ち、リフローを行う炉内において配線基板10に半導体素子30を仮固定してもよい。
(2)また、上述の実施例において、半導体素子30を配線基板10に仮固定するときの温度は、60度に限られない。例えば、加熱時間を短くして配線パターンもしくは導電接合部の酸化が接合時に影響を与えない範囲で、酸化が一部開始される温度でも良い。60度より高い80度以上とすることもでき、100度以上とすることもできる。
(3)半導体素子30を配線基板10に仮固定をするときの温度は、40度以下としてもよい。本発明の製造方法を行う場所や季節などの環境により、製造に適した温度に変えてもよい。使用する有機接着剤のガラス転移温度の調整により40度より低い30度以下とすることもでき、20度以下とすることもできる。
(4)半導体素子30を配線基板10に接合するときの温度は、300度以下としてもよい。例えば、半導体素子30の稼動温度域により変更しても差し支えない。
(5)また、上述の実施例において、絶縁接合部22は、シート状に形成したガラス材を配線基板10に貼り付けることで形成しているが、他の手法を用いてもよい。例えば、ゾル状の無機物を配線基板10上に塗布し、これを乾燥させることでゲル状の絶縁接合部22を形成する手法を用いても良い。
(6)半導体素子30の仮固定(ステップS405)で、配線基板10と半導体素子30を接着する材料を、有機材料としているが、ゲル状の無機材料による粘着力を用いてもよい。また、リフロー(ステップS410)で配線基板10と半導体素子30を接合する材料を無機材料としたが、有機材料を用いてもよい。
(7)上述の実施例において、配線基板10と半導体素子30を接着させた材料は、リフロー(ステップS410)で消失するが、消失しない材料を用いても差し支えない。例えば、半導体素子30に電流を流すときに、その電流の流れを阻害しない材料を使うことも可能である。
(8)また、上述の実施例において、配線基板10と半導体素子30を接着する材料はリフロー(ステップS410)時の温度で消失するが、リフロー(ステップS410)時の温度より低い温度においてこの材料が消失するように絶縁接合部22の材料を選択してもよい。
10…配線基板
11…セラミックス層
12…制御回路用配線
13…主電力ストレートビア
14…上部表面配線
15…下部表面配線
16…絶縁接合部
16a…ガラス層
16b…ガラス層
16c…ガラス層
18…放熱層
20…接合部
21…配線部
21a…配線パターン
22…絶縁接合部
22a…ガラス層
22b…ガラス層
22c…ガラス層
22d…窪み
23…凹部
30…半導体素子
31…バンプ
35…電極配線層
36…電極配線
37…絶縁接合部
40…絶縁層
50…放熱器
51…フィン
52…筐体
100…半導体モジュール
200…低発熱部品
S100…ステップ
S200…ステップ
S300…ステップ
S305…ステップ
S310…ステップ
S315…ステップ
S320…ステップ
S325…ステップ
S400…ステップ
S405…ステップ
S410…ステップ
S415…ステップ
S420…ステップ
S425…ステップ
S430…ステップ
S435…ステップ
11…セラミックス層
12…制御回路用配線
13…主電力ストレートビア
14…上部表面配線
15…下部表面配線
16…絶縁接合部
16a…ガラス層
16b…ガラス層
16c…ガラス層
18…放熱層
20…接合部
21…配線部
21a…配線パターン
22…絶縁接合部
22a…ガラス層
22b…ガラス層
22c…ガラス層
22d…窪み
23…凹部
30…半導体素子
31…バンプ
35…電極配線層
36…電極配線
37…絶縁接合部
40…絶縁層
50…放熱器
51…フィン
52…筐体
100…半導体モジュール
200…低発熱部品
S100…ステップ
S200…ステップ
S300…ステップ
S305…ステップ
S310…ステップ
S315…ステップ
S320…ステップ
S325…ステップ
S400…ステップ
S405…ステップ
S410…ステップ
S415…ステップ
S420…ステップ
S425…ステップ
S430…ステップ
S435…ステップ
Claims (6)
- 多層構造を有する半導体モジュールの製造方法において、
(a)配線パターンが形成された配線基板を準備する工程と、
(b)前記配線基板上において、
前記配線パターンと半導体素子とを接続するための導電接合部と、
前記半導体素子と前記配線基板とを接合するための絶縁接合部と、を配する工程と、
(c)前記半導体素子を前記導電接合部および前記絶縁接合部上に配し、前記半導体素子を前記配線基板に、雰囲気温度T1で接着する工程と、
(d)前記半導体素子が接着された前記配線基板を酸素分圧制御雰囲気、かつ、前記雰囲気温度T1より高い雰囲気温度T2下に配して、前記半導体素子を前記配線基板に接合する工程と、
を備える、半導体モジュールの製造方法。 - 請求項1に記載の半導体モジュールの製造方法において、
前記工程(d)は、前記半導体素子を酸素分圧制御雰囲気の処理室に移動させた後に、前記雰囲気温度T2で、前記半導体素子を前記配線基板に接合する工程であることを特徴とする、半導体モジュールの製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載の半導体モジュールの製造方法において、
前記雰囲気温度T1は、前記配線パターンもしくは前記導電接合部が酸化しない温度であることを特徴とする、半導体モジュールの製造方法。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の半導体モジュールの製造方法において、
前記雰囲気温度T1は、40℃から100℃であることを特徴とする、半導体モジュールの製造方法。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の半導体モジュールの製造方法において、
前記雰囲気温度T2は、300℃以上であることを特徴とする、半導体モジュールの製造方法。 - 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の半導体モジュールの製造方法において、
前記絶縁接合部は、
前記工程(d)において前記雰囲気温度T2で焼結される無機材料と、
前記工程(c)において前記雰囲気温度T1で前記半導体素子を前記配線基板に接着させ、前記工程(d)において前記雰囲気温度T2で前記絶縁接合部から消失する有機材料と、を含むことを特徴とする、半導体モジュールの製造方法。
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JP2012170797A JP2014032984A (ja) | 2012-08-01 | 2012-08-01 | 半導体モジュールの製造方法 |
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-
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