JP2014032839A - 直流冷陰極型プラズマトーチ - Google Patents
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Abstract
【課題】コリメータからの内面からの水漏れを防止し、従来よりも使用寿命を延長した直流冷陰極型プラズマトーチを提供する。
【解決手段】タンディッシュ内の溶鋼を加熱するために溶鋼液面の上方に配置される直流冷陰極型プラズマトーチであり、コリメータ7の内周面を上端部にフランジ部8を備えた円筒状のセラミックライナー9で被覆するとともに、電極5とコリメータ7との間に挿入されるフランジ部8に、着火用の貫通孔10を形成した。
【選択図】図5
【解決手段】タンディッシュ内の溶鋼を加熱するために溶鋼液面の上方に配置される直流冷陰極型プラズマトーチであり、コリメータ7の内周面を上端部にフランジ部8を備えた円筒状のセラミックライナー9で被覆するとともに、電極5とコリメータ7との間に挿入されるフランジ部8に、着火用の貫通孔10を形成した。
【選択図】図5
Description
本発明は、タンディッシュ内の溶鋼を加熱するために用いられる直流冷陰極型プラズマトーチに関するものである。
溶鋼の連続鋳造は図1に示されるように、転炉等から溶鋼鍋1によって搬送されてきた高温の溶鋼をタンディッシュ2に注湯したうえ、タンディッシュ2の底部に設けられた浸漬ノズル3を通じてモールド4の内部に連続的に注入しながら鋳造する方法で行われている。
このためタンディッシュ2内の溶鋼温度は鋳造されたスラブ等の鋳造品質に直接影響することとなり、特に溶鋼温度が設定温度範囲よりも低めに外れた場合には、浸漬ノズル3の詰まり等の重大なトラブルを引き起こしたり、品質欠陥を招いたりすることとなる。従ってタンディッシュ2内の溶鋼温度を一定に保つための温度補償設備が必須となり、このために製鉄所ではプラズマトーチが採用されている。
プラズマトーチには幾つかの種類があるが、タンディッシュ内の溶鋼を加熱するためのプラズマトーチは熱負荷および煤塵負荷が高い溶鋼液面の上方に配置されるため、水冷式の直流冷陰極型プラズマトーチが多く使用されている。
この直流冷陰極型プラズマトーチは、図2に示すように、電極5の下部のボルテックス6から、Arガス等のプラズマ作動ガスを旋回流として吹き込み、その周囲に形成されたコリメータ7と呼ばれるノズル部によって指向性を持たせて溶鋼液面に吹き付ける構造である。コリメータ7の内部には冷却水の流路が形成されており、プラズマトーチを熱負荷から保護している。ところが、使用開始後、約半月程度でコリメータ7からの水漏れが発生し易くなるため、溶鋼液面の上方に配置された直流冷陰極型プラズマトーチを短期間で交換しなければならないという問題があった。
この問題を解決するために、本発明者等は特許文献1に記載のように、コリメータの水冷構造を工夫した。これにより溶鋼の液滴がコリメータの下面に付着することによるトラブルは大幅に解消することができた。しかしコリメータ7からの水漏れ原因を更に調査したところ、溶鋼の表面を覆う粉状のフラックスがプラズマ印加終了後にプラズマトーチの内部に飛散して付着し、このフラックスが次回のプラズマ印加の際に旋回流に乗って旋回することによって、コリメータの内面を摩耗させていることを究明した。
従って本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、コリメータからの内面からの水漏れを防止し、従来よりも使用寿命を延長することができる直流冷陰極型プラズマトーチを提供することである。
上記の課題を解決するためになされた本発明は、タンディッシュ内の溶鋼を加熱するために溶鋼液面の上方に配置される直流冷陰極型プラズマトーチであって、コリメータの内周面を上端部にフランジ部を備えた円筒状のセラミックライナーで被覆するとともに、電極とコリメータとの間に挿入される上記のフランジ部に、着火用の貫通孔を形成したことを特徴とするものである。
なお請求項2のように、上記セラミックライナーは周方向に複数に分割されたものであることが好ましい。また請求項3のように、上記の着火用の貫通孔を、フランジ部の周方向に複数個分散配置した構造とすることが好ましい。さらに請求項4のように、セラミックライナーは窒化珪素質セラミックからなるものとすることが好ましい。
本発明の直流冷陰極型プラズマトーチは、コリメータの内周面を上端部にフランジ部を備えた円筒状のセラミックライナーで被覆したものであるから、溶鋼の表面を覆うフラックスが内部に侵入した場合にも、コリメータが摩耗することはなく、使用寿命を大幅に延ばすことができる。
また、セラミックライナーの上端のフランジ部が電極の下部に挿入されるため、そのままでは着火時にパイロットアークを発生させることができなくなるが、本発明ではこのフランジ部に、着火用の貫通孔を形成したので、確実にパイロットアークを発生させることができる。
なお請求項2のように、セラミックライナーを周方向に複数に分割した構造としておけば、セラミックライナーの成形が容易となるうえに、熱応力を吸収することができる。
また請求項3のように、着火用の貫通孔をフランジ部の周方向に複数個分散配置した構造としておけば、いずれかの着火点が損耗したときには別の着火点でパイロットアークを発生させることが可能となり、着火不良を生ずることがない。
さらに請求項4のようにセラミックライナーを窒化珪素質セラミックからなるものとしておけば、高温のプラズマアークによって劣化することがなく、長期耐久性を得ることができる。
以下に本発明実施の形態を説明する。
図3は本発明の直流冷陰極型プラズマトーチの断面図であり、図2に示した従来のものと同様に、5は電極、6は電極5の下部のボルテックス、7はノズル部であるコリメータである。ボルテックス6はArガス等のプラズマ作動ガスを旋回流として吹き込み、その周囲に形成されたコリメータ7によって指向性を持たせて溶鋼液面に吹き付ける。コリメータ7の内部には冷却水の流路が形成されている。
図3は本発明の直流冷陰極型プラズマトーチの断面図であり、図2に示した従来のものと同様に、5は電極、6は電極5の下部のボルテックス、7はノズル部であるコリメータである。ボルテックス6はArガス等のプラズマ作動ガスを旋回流として吹き込み、その周囲に形成されたコリメータ7によって指向性を持たせて溶鋼液面に吹き付ける。コリメータ7の内部には冷却水の流路が形成されている。
上記した構成は従来と同様であるが、本発明ではコリメータ7の内周面を上端部にフランジ部8を備えた円筒状のセラミックライナー9で被覆した。セラミックライナー9は図6に示されるように、円周方向に複数に分割されており、これによってプラズマ印加時の熱応力を緩和している。なおその肉厚は1〜5mm程度とすればよい。
図4に示されるように、フランジ部8は電極5とコリメータ7との間のボルテックス6の部分に挿入されてセラミックライナー9を支持するが、電極5とコリメータ7との間を図4の右側の図のように絶縁性のセラミックで完全に遮断してしまうと、電圧を印加するとともにプラズマ作動ガスを吹き込んで着火しようとしても、パイロットアークを発生させることができなくなる。
そこで本発明ではこのフランジ部8に着火用の貫通孔10を形成し、この貫通孔10を通じて電極5とコリメータ7との間に放電を生じさせる。貫通孔10の孔径は特に限定されるものではないが、10〜50mm程度とすればよい。またその個数も特に限定されるものではないが、着火時に放電ポイントの周辺が徐々に溶損して着火しにくくなるため、貫通孔10が単一であると着火性の低下が懸念される。そこで図6に示したように複数の貫通孔10をフランジ部8の周方向に分散配置しておけば、図5に示すようにいずれかの貫通孔10で着火させることができる。なお最初に放電が生じたポイントで着火されるが、溶損によりそのポイントの着火性が低下すると、他のポイントで放電が行なわれることとなり、着火性が低下するおそれはない。
このように本発明ではコリメータ7の内周面を円筒状のセラミックライナー9で被覆したことにより、フラックスが内部に侵入した場合のコリメータ7の摩耗を防止して使用寿命を大幅に延ばすことができる。しかもセラミックライナー9のフランジ部8に着火用の貫通孔を形成したので、確実にパイロットアークを発生させることができ、着火性が低下することもない。
上記したようにセラミックライナー9は高温のプラズマアークからコリメータ7を保護する部材であるから、耐熱性、耐熱衝撃性、耐摩耗性などの特性が要求される。これらの特性を満たすセラミック材料としては、例えば窒化珪素質セラミックを用いることができる。ただし窒化珪素の結晶粒界に低融点ガラス相が形成されると耐熱性や耐熱衝撃性が低下するので、焼結助剤として酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウム等を使用し、Y2SiO7、Er2SiO7、Yb2SiO7等を結晶間のマトリックス部分に形成した窒化珪素質セラミックを用いることが特に望ましい。しかし本発明においては、セラミックライナー9の材質は特に窒化珪素質セラミック限定されるものではなく、その他のセラミック材料を使用しても差支えない。
以上に説明した本発明の直流冷陰極型プラズマトーチを実際にタンディッシュに設置して運用したところ、従来はその使用寿命は40時間程度であったのに対し、本発明品の使用寿命は120時間を超え、その優位性を確認することができた。なお貫通孔10としては直径3mmのものを6個形成したのであるが、着火性に全く問題は生じなかった。
1 溶鋼鍋
2 タンディッシュ
3 浸漬ノズル
4 モールド
5 電極
6 ボルテックス
7 コリメータ
8 フランジ部
9 セラミックライナー
10 着火用の貫通孔
2 タンディッシュ
3 浸漬ノズル
4 モールド
5 電極
6 ボルテックス
7 コリメータ
8 フランジ部
9 セラミックライナー
10 着火用の貫通孔
Claims (4)
- タンディッシュ内の溶鋼を加熱するために溶鋼液面の上方に配置される直流冷陰極型プラズマトーチであって、
コリメータの内周面を上端部にフランジ部を備えた円筒状のセラミックライナーで被覆するとともに、電極とコリメータとの間に挿入される上記のフランジ部に、着火用の貫通孔を形成したことを特徴とする直流冷陰極型プラズマトーチ。 - 上記セラミックライナーは周方向に複数に分割されたものであることを特徴とする請求項1記載の直流冷陰極型プラズマトーチ。
- 上記の着火用の貫通孔を、フランジ部の周方向に複数個分散配置したことを特徴とする請求項1記載の直流冷陰極型プラズマトーチ。
- 上記セラミックライナーは、窒化珪素質セラミックからなるものであることを特徴とする請求項1記載の直流冷陰極型プラズマトーチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012172548A JP2014032839A (ja) | 2012-08-03 | 2012-08-03 | 直流冷陰極型プラズマトーチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012172548A JP2014032839A (ja) | 2012-08-03 | 2012-08-03 | 直流冷陰極型プラズマトーチ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014032839A true JP2014032839A (ja) | 2014-02-20 |
Family
ID=50282507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012172548A Pending JP2014032839A (ja) | 2012-08-03 | 2012-08-03 | 直流冷陰極型プラズマトーチ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014032839A (ja) |
-
2012
- 2012-08-03 JP JP2012172548A patent/JP2014032839A/ja active Pending
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