JP6445110B1 - ガラス繊維製造用のブッシングプレート - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス繊維製造用ブッシングプレートについて、均一なガラス流れを長期的に安定して吐出することができるものを提供する。
【解決手段】本発明は、ベースプレートと複数のノズルを備えるガラス繊維製造用ブッシングプレートに関する。複数のノズルは縦横に整列配置してノズル群を形成し、ノズル群の外側から1列目のノズル列のうち、少なくとも1つのノズル列に2重管ノズルが配置されている。2重管ノズルは、溶融ガラスを吐出するインナーチューブと、インナーチューブを包囲するアウターチューブとで構成される。アウターチューブは、ノズル外部の気流からインナーチューブを保護し、溶融ガラスを安定して吐出して紡糸できるようになっている。
【選択図】図6

Description

本発明は、溶融ガラスからガラス繊維を製造するためのブッシングプレートに関する。詳しくは、長期間の装置運用に際してガラス流を吐出し、安定的なガラス繊維の紡糸が可能なガラス繊維製造用ブッシングプレートに関する。
ガラス繊維は、ガラス原料(カレット)を高温加熱して得られる溶融ガラスを清澄・均質化し、これをブッシングに供給して製造される。このガラス繊維製造用のブッシングは、底面にブッシングプレートを備えた箱型容器である。ブッシングプレートは、溶融ガラスを通過させる孔部を多数有するベースプレートの底面に、多数のノズルを整列配置して取り付けたものである。そして、ノズルから溶融ガラスが繊維状となって吐出され、このガラス繊維は冷却されつつ巻き取られる。ブッシングプレートを使用したガラス繊維の製造工程の例としては、例えば、特許文献1記載の方法がある。
溶融ガラスは1500℃以上の高温であり、溶融ガラスがノズルから吐出される際の速度は毎分数千mに達することもある。そのため、ブッシングプレートの使用環境は相当に苛酷なものである。更に、製品としてのガラス繊維には、わずかな不純物の混入も許されない。かかる使用環境から、ブッシングプレートは溶融ガラスを汚染することがないように、高い安定性及び強度を有する材料の適用が求められる。
以上の点を考慮して、ブッシングプレートの構成材料としては、白金、白金合金等の貴金属材料が用いられることが多い。貴金属及びその合金は、化学的安定性、高温強度に優れ、特に高温クリープ特性が良好であり、ガラス製造装置のような高温下で応力負荷を受ける構造体の構成材料として適格である。
ここで、ブッシングプレートを使用したガラス繊維の製造現場においては、従来から、装置運用の長期化の際に製造されるガラス繊維の品質低下が報告されている。そして、その原因としてブッシングプレートに配置されたノズルの一部が破損によるものが挙げられている。
ノズル破損の要因として考えられるのが、ブッシングプレート周囲で生じる気流の影響である。ノズルから吐出される繊維状ガラスは高温・高速であり、ブッシングプレートの周囲にはガラス吐出方向に沿った高速の気流が発生している。この気流の影響を最も受けるのは、ノズル群の最外層のノズル列のノズル先端部である。また、ノズル等を構成する白金材料には、もともと高温下での白金の揮発損失の問題がある。そのため、ブッシングプレートの最外層のノズルの先端部では、気流の影響を受けて白金の揮発損失が加速され、優先的に磨耗・損傷することとなる。そして、磨耗・損傷したノズルからは、溶融ガラスを均一且つ安定的に吐出することが困難となるので、ガラス繊維の品質低下を招くことになる。
ガラス繊維の品質の不安定化が、ノズル群の最外層のノズルの磨耗にあるとしたとき、その対策としては、周囲の気流からノズルを保護することが考えられる。本出願人は、この発想に基づき、ブッシングプレートに整列配置されたノズル群の最外層のノズル列に沿って防風壁を設置し、気流がノズルに当たるのを防いで磨耗を抑制している(特許文献1)。
また、本願出願人は、磨耗・損傷が生じ易いノズルが予測されているのならば、当該ノズルを予め目封止しておくことで、ブッシングプレート全体における吐出状態には変化が生じないと考え、そのようなブッシングプレートも開発している(特許文献2)。この先行技術は、ノズルとは中空の筒体であり内部に流体を流通させることを目的とする部材であるという発想を覆し、敢えて一部のノズルの機能を消失させることで全体としての機能を保全している。
特許第5813145号明細書 特許第5795104号明細書
上記した防風壁を供えるブッシングプレート(特許文献1)は、ノズルの磨耗防止という観点においては優れた効果を有し、装置保全の観点では長期間の運用を可能としている。しかしながら、本発明者等の調査によれば、このような防風壁を備えるブッシングプレートにおいては、防風壁による防風効果が大きすぎて、ノズル近傍が陰圧になり、ノズルから吐出されたガラス繊維の形状が不安定になる可能性がある。このことは、ブッシングプレート周囲の気流は、弊害ばかりではないことを示している。本発明者等は、ノズルからガラス繊維を断続的に安定して吐出させるには、ある程度の気流(随伴気流)の発生が必要であると考えた。
また、ノズル群の一部(一列)のノズルを目封止する場合においては(特許文献2)、上記のような問題はなく、ブッシングプレート周囲の気流は、当該目封止したノズルを磨耗させつつも、他のノズルに有効に作用することができる。しかし、この技術は、上記のとおりノズル本来の機能を消失させた部材を使用するものである。この目封止したノズルがある領域は、ガラス繊維の紡糸に寄与しない領域である。効率的かつコスト良好なガラス繊維の製造工程を追及する場合、そのような無駄な領域はない方が好ましい。
本発明は、以上のような背景のもとなされたものであり、ガラス繊維製造用のブッシングプレートについて、これまでとは相違する手法を適用し、均一なガラス流を長期的に安定して吐出することができるものを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、ベースプレートと、前記ベースプレート上に接続され、溶融ガラスを吐出するための複数のノズルとを備え、前記複数のノズルを縦横に整列配置してなるノズル群を1又は2以上形成してなるガラス繊維製造用のブッシングプレートにおいて、前記ノズルとして、溶融ガラスを吐出するインナーチューブと、前記インナーチューブを包囲するアウターチューブとからなる2重管ノズルを備え、前記ノズル群の外側から1列目のノズル列のうち、少なくとも1つのノズル列に前記2重管ノズルが配置されていることを特徴とするガラス繊維製造用のブッシングプレートである。
本発明では、ベースプレートのノズルについて、その一部又は全部の構造を2重管構造とするものである。この2重構造を有する2重管ノズルは、ベースプレート上のノズルの少なくとも一部に適用される必須の構成である。そして、本発明に係るブッシングプレートは、ベースプレートとノズルとが基本の構成を形成する。以下、これら各構成部材の詳細について説明する。
(A)ベースプレート
ベースプレートは、溶融ガラスを停留させる部材であり、板状又は曲げ加工により箱形状を有するものである。その構成・構造は、従来のガラス繊維製造用ブッシングプレートで起用されるベースプレートと同様である。ベースプレートは、溶融ガラスが通過する貫通孔を複数備える。ベースプレートの材質は、白金又は白金合金からなり、好ましくは、白金、白金−ロジウム合金(ロジウム濃度:5〜20wt%)の他、強度向上の目的で分散型強化白金合金、分散型強化白金−ロジウム合金が適用される。
ベースプレートの形状には特段の制限はない。ノズル群が配置される面の形状も、一般的には矩形となるが、自由に設定できる。また、ノズル群が配置される面は、全体的に平坦であっていて良いが、曲げ加工により適宜に凹凸を付しても良い。ブッシングに流入する溶融ガラスの整流のためである。
(B)ノズル
本発明は、2重構造の2重管ノズルを適用することを特徴とする。この2重管ノズルは、インナーチューブと、インナーチューブを包囲するアウターチューブとで構成される。かかる構造の2重管ノズルにおいて、インナーチューブは通常の単管のノズル(以下、単管ノズルと称するときがある)と同様、ブッシング内の溶融ガラスを吐出してガラス繊維の紡糸を行う。一方、アウターチューブは、外界の高速気流からインナーチューブを保護するための犠牲材として作用し、インナーチューブによる紡糸の継続性を確保する。
本発明においては、ベースプレートに設置するノズルの一部又は全部に2重管ノズルを適用する。好ましくは、ノズル群の適所に対して部分的に2重管ノズルが配置される。従って、本発明では、通常の単管ノズルと2重管ノズルとを組み合わせてノズル群が形成するのが好ましい。
これらのノズルは、ベースプレートに対して縦横に整列配置してノズル群を形成する。ノズル群において、ここのノズルが規則性を維持して配置されていれば、ノズル間の間隔に制限はない。ノズル群の外形は、一般に、四角形(長方形)となることが多い。また、ベースプレート上に全てのノズルを等間隔配置して1つのノズル群を形成しても良いが、ベースプレート上に2以上のノズル郡を設定し、それらを島状に配置しても良い。尚、ガラス繊維製造用のブッシングプレートにおける全てのノズルの設置本数は特に制限されるものではないが、通常、200〜8000個のノズルを備えるものが多い。
(B−1)2重管ノズルの配置
2重管ノズルは、ノズル群の中で磨耗が生じ易いノズル列に優先的に配置するのが好ましい。具体的には、ノズル群の外側から1列目のノズル列のうち、短辺側のノズル列の少なくともいずれかに2重管ノズルが配置するのが好ましい(図1(a))。ノズル群の外側から1列目とは、ノズル群の最外層となるノズル列であり、ノズル群の外枠を形成するノズル列である。そして、その外側から1列目のノズル列に対して、優先的に短辺側のノズル列に2重管ノズルを配置するのが好ましい。
次に優先されるノズル列は、ノズル群の外側から1列目のノズル列のうち、長辺側のノズル列である。特に、上記短辺側の1列目のノズル列と共に、長辺側の1列目のノズル列に2重管ノズルを配置するのが好ましい。(図1(b))。
また、本発明者等の検討によれば、ノズル群の外側から1列目のノズル列だけではなく、外側から2列目のノズル列にも磨耗が生じるおそれがある。これは、ガラス繊維の製造条件に応じて懸念されることである。そこで、ノズル群の外側から1列目の短辺側及び/又は長辺側のノズル列に加えて、2列目のノズル列の短辺側及び/又は長辺側のノズル列にも2重管ノズルが配置することも好ましい態様である(図1(c))。
以上のように、磨耗が懸念されるノズル列に2重管ノズルを配置することで、そのノズル列のノズルの保護がなされる。これはノズル群の全てのノズルの保護にも寄与することとなる。この一連の2重管ノズルは、防風壁と見ることができるが、その隙間の面積は、従来技術で使用される防風壁(特許文献1)の隙間の面積より大きくなる傾向がある。そのため、本発明の2重管ノズルにより形成される防風壁は、ノズル群外部からの気流に対する「防風」という観点では劣る。しかし、それが却って内側のノズル周囲が陰圧になるのを抑制し、必要な随伴気流を維持させて安定した紡糸に寄与することができる。
また、2重管ノズルは、アウターチューブという犠牲材を備えるものの、通常の単管ノズルと同等の紡糸機能を有する部材である。この点、最外層となるノズル列を目封止する従来技術のブッシングプレート(特許文献2)では、目封止したノズルからガラス繊維は製造されず、ブッシングプレートの単位面積当たりの製造効率は低下する。これに対し、本発明では、最外層となるノズル列のノズルにも紡糸機能を保持させているので、そのような効率低下の要因もなくなる。
尚、2重管ノズルは、上記した1列目、2列目のノズル列以外の箇所に設置してもよい。但し、2重管ノズルは、単管ノズルよりもボリュームがあるので、材料コスト及び重量が大きい。従って、適所に配置することが好ましい。
(B−2)2重管ノズルの構成
ここで、2重管ノズルの形状、寸法等の構成について説明する。2重管ノズルの形状については、特に制限はなく、これまで使用されてきた単管ノズルと同様の形状が適用できる。特に、インナーチューブは、従来の単管ノズルに適用された形状となる。そして、アウターチューブは、インナーチューブと相似形であり、インナーチューブの外表面に対して等間隔でインナーチューブを包囲する。2重管ノズルの具体的形状としては、断面円形状又は断面楕円形状のノズルが適用できる(図2(a)、(b))。また、断面形状が異形のものも適用可能である(図2(c))。
2重管ノズルの寸法について説明すると、図3のように、2重管ノズルの端部において、インナーチューブとアウターチューブとのギャップは、0mm以上2.5mm以下であるものが好ましい。ギャップを0mm以上、即ち、インナーチューブ先端がアウターチューブ先端と同一面又は突出するようにしたのは、インナーチューブに対する随伴気流が妨げられないようにするためである。一方、ギャップを2.5mm以下とするのは、インナーチューブがアウターチューブから過度に突出すると、アウターチューブの保護作用が及ばず、インナーチューブに磨耗が生じるおそれがある。
また、2重管ノズルのインナーチューブとアウターチューブとの間隔が過度に大きくなると、インナーチューブが気流の影響を受けて磨耗する傾向がある。図4の2重管ノズルの上面を示す図により説明すると、2重管ノズルの端面において、インナーチューブの外側壁面とアウターチューブの内側壁面との間隔は、インナーチューブの径に応じて小さくすることが好ましい。具体的には、断面が円形となるインナーチューブの場合、インナーチューブ外側壁面とアウターチューブの内側壁面との間隔(S)は、インナーチューブ端部の外径Dに対して1.0D以下(S≦1.0D)であることが好ましい。また、断面が楕円形又は異形となるインナーチューブについては、インナーチューブ端部の短辺側の幅Wに対して1.0W以下(S≦1.0W)とすることが好ましい。この短辺側の幅Wは、短辺側の幅のうち最大となる値を適用するのが好ましい。間隔(S)は、より好ましくは、0.8D以下又は0.8W以下であり、0.5D以下又は0.5W以下が特に好ましい。尚、この間隔(S)は、小さければ小さいほど好ましいが、加工精度等の観点から、0.05D以上(S≧0.05D)又は0.05W以上(S≧0.05W)に設定するのが好ましい。
2重管ノズルのインナーチューブ及びアウターチューブの肉厚は、特に制限されることなく設計できる。アウターチューブは、インナーチューブの磨耗防止のための犠牲材であり、その厚さは適用するブッシングプレートの設定寿命や材質(揮発速度)等を考慮して設定される。具体的な範囲としては、アウターチューブの端面における肉厚は、0.1mm以上3.0mm以下とするのが好ましい。尚、インナーチューブは、アウターチューブのように保護性能を考慮して肉厚が設定されない。インナーチューブの肉厚は、その端面で0.1mm以上2.0mm以下となることが多い。
(B−3)単管ノズル
本発明では、ノズル群のノズル列のうち、一部のノズル列に2重管ノズルを適用することが好ましいとする。よって、他の部分のノズルは2重構造ではない単管ノズルが使用される。この単管ノズルに関しては、基本的に従来のガラス繊維製造用のブッシングプレートで使用されるものが適用される。
以上説明した、2重管ノズル及び単管ノズルは、ベースプレートと同様、白金又は白金合金で製造されるものが好ましい。
また、これらのノズルの製造方法としては、単管ノズルは、鋳造法、切削加工、引き抜き加工等により製造される。一方、2重管ノズルに関しては、鋳造法、切削加工等により、直接2重管構造のノズルを製造することができるが、大小2種のパイプ材を用意し、それらを組み合わせることで2重管ノズルとしても良い。この場合、2種のパイプ材を有孔のベース材に接合して、ユニット化した2重管ノズルを製造することができる。大小2種のパイプ材は、鋳造法、切削加工、引き抜き加工等で製造できる。
そして、これらのノズルをベースプレートに接合することで、本発明に係るガラス繊維製造用のブッシングを製造できる。ノズルの接合は、その接合位置に予めノズルの外径を考慮した貫通孔を形成した後、ノズルを圧入し、適宜に溶接することでノズルを接合する。尚、2重管ノズルについては、上記したユニット化した2重管ノズルをベースプレートに溶接しても良いが、大小2種のパイプ材を直接ベースプレートに溶接して2重管ノズルにしても良い。
(C)その他の構成
本発明に係るガラス繊維製造用のブッシングプレートは、これまで説明したベースプレートとノズル(2重管ノズル及び単管ノズル)とを基本構成とするが、他の部材を備えることは当然許容される。例えば、ノズル群を構成するノズル列とノズル列との間に板状のフィンクーラーを備えていても良い。フィンクーラーとは、ノズルから吐出された溶融ガラスを冷却するため板状の部材である(図5)。本発明は、ブッシングプレートにフィンクーラーを適用する場合においても有用である。ブッシングプレートに対して、フィンクーラーに従来技術(特許文献1)の防風壁を共着しようとすると、フィンクーラーを避けて防風壁を設置しなければならず、設計の自由度に乏しい。そして、防風壁に対して十分な保護・犠牲効果を付与することが難しくなる。本発明では、個々の2重管ノズルがノズル保護効果を有する上に、フィンクーラーに干渉することもないので、双方の機能を十分発揮できる。よって、本発明は、フィンクーラーの使用が前提となるブッシングプレートにおいて特に有効である。
以上説明したように、本発明に係るガラス繊維製造用のブッシングプレートは、従来のブッシングプレートに対して、一部又は全部のノズルとして2重管構造の2重管ノズルを適用するものである。この2重管ノズルは、周辺の過剰な気流から他のノズルを保護する共に、ガラス繊維の防止機能も備える。本発明の適用により、効率的且つ安定的なガラス繊維の製造が可能となる。
ノズル群に対する2重管ノズルの配置の例を説明する図。 2重管ノズルの形状の具体例を示す図。 2重管ノズルの端部におけるインナーチューブとアウターチューブとのギャップを説明する図。 2重管ノズルの上面図であり、インナーチューブの外側壁面とアウターチューブの内側壁面との間隔(S)を説明する図 フィンクーラーを備えるブッシングを説明する図。 本実施形態で製造したブッシングプレートの外観を示す図。 本実施形態で製造したブッシングプレートの単管ノズル20と2重管ノズルの断面図。 本実施形態で製造したブッシングプレートを組み込んだ ガラス繊維製造用ブッシングの図。
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、ノズルの一部に二重管ノズルを適用したガラス繊維製造用のブッシングプレートを製造し、その効果を確認した。本実施形態で製造したブッシングプレートの外観を図6に示す。
図6のガラス繊維製造用ブッシングプレートにおいて、ベースプレート10は、白金製の板材(厚さ1.5mm)を曲げ加工して成形されたものである。
ベースプレート10には、溶融ガラスを吐出するノズルとして、通常の単管のノズル20と、2重管ノズル21が整列配置してノズル群を形成する。本実施形態では、4つのノズル群が島状に形成されている。ノズル群の短辺側のノズル列に11個のノズルを、長辺側のノズル列に18個のノズルが配置されている。そして、短辺側の1列目及び2列目と長辺側の1列目及び2列目に2重管ノズル21を配置している。それ以外のノズルは単管のノズル20である。
図7は、単管ノズル20と2重管ノズルの断面図である。単管のノズル20は、2.94mm(下端部外径)×2.35mm(上端部外径)×3.8mm(高さ)で、直径1.50mmφの貫通孔を有するテーパー状の円筒体である。このノズル20は、上記した外形及び寸法で白金の中実筒体を成形加工した後、穿孔加工して製造した。
一方、2重管ノズル21は、インナーチューブ21aが2.46mm(下端部外径)×2.00mm(上端部外径)のテーパー状の円筒体であり、直径1.50mmφの貫通孔を有する。また、アウターチューブ21bは、3.46mm(下端部外径)×3.46mm(上端部外径)×3.8mm(高さ)の円筒体であり、肉厚0.5mmである。そして、インナーチューブとアウターチューブとのギャップは、0.2mmとなっており、インナーチューブの外側壁面とアウターチューブの内側壁面との間隔は0.48mmとなっている。
2重管ノズル21は、外径3.46mm×厚さ0.5mmで中央に直径1.5mmの孔を有するドーナツ型のベース材に、インナーチューブ21aとなるテーパー型のチューブを溶接し、更に、アウターチューブ21bとなる円筒形のチューブを溶接して製造した。2重管ノズル21も白金製である。
ガラス繊維製造用ブッシングプレートの製造は、ベースプレート10のノズル接合箇所を穿孔し、ここに単管ノズル20及び2重管ノズル21を順次圧入した後、電気炉中で加熱して予備接合し、更にベースプレート上面(溶融ガラス流入面)から接合部の根元をYAGレーザーで溶接した。
本実施形態に係るガラス繊維製造用ブッシングプレートを用いたガラス繊維の製造例としては、まず、上記のブッシングプレートに通電加熱のためのターミナル、及び、箱型のサイドフランジを接合して箱型容器であるガラス繊維製造用ブッシングを構成する。そして、このブッシングをガラス製造装置に組み込む。ガラス製造装置は、目的組成に調合されたガラス原料の溶解槽、溶融ガラスの清澄槽、清澄された溶融ガラスを攪拌して均質化する攪拌槽を備え、これらの下流側にブッシングが設置される。ブッシングプレートから吐出されるガラス繊維は適宜に巻き取られる。
ここで、図6で示した本実施形態に係るガラス繊維製造用ブッシングプレートを備えるガラス製造装置により、ガラス繊維製造を1年間行った。この間、ブッシングプレートに目視による顕著な異常は認められず、また、ガラス繊維の紡糸も安定していた。そして、1年間の装置稼動後に装置をシャットダウンしてブッシングプレートのノズルを検査した。
この検査の結果、1列目(最外層)の2重管ノズルのアウターチューブ21に磨耗が見られ、アウターチューブの側面の半分が削られていた。一方、ノズル群の内側の単管のノズル20については、磨耗は全く見られなかった。2重管ノズルのアウターチューブが犠牲材になって、そのインナーチューブとノズル群の内側のノズルを保護した結果といえる。
本発明に係るガラス繊維製造用のブッシングプレートは、少なくとも一部のノズルに2重管構造のノズル採用することで、他のノズルの磨耗損傷を抑制するものである。本発明によれば、ガラス製造装置について長期の稼動期間における安定的運用を可能とすることができ、良質なガラス繊維を効率的に製造することができる。

Claims (9)

  1. ベースプレートと、前記ベースプレート上に接続され、溶融ガラスを吐出するための複数のノズルとを備え、前記複数のノズルを縦横に整列配置してなるノズル群を1又は2以上形成してなるガラス繊維製造用のブッシングプレートにおいて、
    前記ノズルとして、溶融ガラスを吐出するインナーチューブと、前記インナーチューブを包囲するアウターチューブとからなる2重管ノズルを備え、
    前記ノズル群の外側から1列目のノズル列のうち、少なくとも1つのノズル列に前記2重管ノズルが配置されていることを特徴とするガラス繊維製造用のブッシングプレート。
  2. ノズル群の外側から1列目のノズル列のうち、短辺側のノズル列の少なくともいずれかに2重管ノズルが配置されている請求項1記載のガラス繊維製造用のブッシングプレート。
  3. ノズル群の外側から1列目のノズル列のうち、長辺側のノズル列の少なくともいずれかに2重管ノズルが配置されている請求項1又は請求項2記載のガラス繊維製造用のブッシングプレート。
  4. 更に、ノズル群の外側から2列目のノズル列のうち、短辺側のノズル列の少なくともいずれかに2重管ノズルが配置されている請求項2又は請求項3記載のガラス繊維製造用のブッシングプレート。
  5. 更に、ノズル群の外側から2列目のノズル列のうち、長辺側のノズル列の少なくともいずれかに2重管ノズルが配置されている請求項2〜請求項4のいずれかに記載のガラス繊維製造用のブッシングプレート。
  6. 2重管ノズルの端部において、インナーチューブとアウターチューブとのギャップが、0mm以上2.5mm以下である請求項1〜請求項5のいずれかに記載のガラス繊維製造用のブッシングプレート。
  7. 2重管ノズルの端面において、インナーチューブの外側壁面とアウターチューブの内側壁面との間隔が、前記インナーチューブ端部の外径D又は短辺側の幅Wに対して、1.0D以下又は1.0W以下の範囲内にある請求項1〜請求項6のいずれかに記載のガラス繊維製造用のブッシングプレート。
  8. 2重管ノズルのアウターチューブの端面における肉厚が、0.1mm以上3.0mm以下である請求項1〜請求項7のいずれかに記載のガラス繊維製造用のブッシングプレート。
  9. ノズル群を構成するノズル列とノズル列との間に、板状のフィンクーラーを備える請求項1〜請求項8のいずれかに記載のガラス繊維製造用のブッシングプレート。
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