JP2014032757A - 面発光パネル、面発光パネル群および面発光パネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一に発光する面発光パネルおよび当該面発光パネルが組み合わされた面発光パネル群と、当該面発光パネルを高い生産効率で製造する面発光パネルの製造方法を提供する。
【解決手段】面発光パネル1は、透明電極5を有する有機EL発光素子を備える。発光面に、発光領域2が環状に形成されているとともに、発光領域2の内周縁部に沿う内周非発光領域3a、および外周縁部に沿う外周非発光領域3bが形成されている。内周非発光領域3aおよび外周非発光領域3bのうち少なくとも一方には、有機EL発光素子の透明電極5に電気的に接続され、有機EL発光素子に電力の供給が可能な環状の主配線4が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】面発光パネル1は、透明電極5を有する有機EL発光素子を備える。発光面に、発光領域2が環状に形成されているとともに、発光領域2の内周縁部に沿う内周非発光領域3a、および外周縁部に沿う外周非発光領域3bが形成されている。内周非発光領域3aおよび外周非発光領域3bのうち少なくとも一方には、有機EL発光素子の透明電極5に電気的に接続され、有機EL発光素子に電力の供給が可能な環状の主配線4が設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、照明に用いる面発光パネル、面発光パネル群および面発光パネルの製造方法に関する。
従来から、照明用機器として白熱電球や蛍光灯が広く用いられている。これに対し、近年、発光領域が面状に形成された面発光照明機器(以下、面発光パネルともいう)がそのソフトな印象の光を発することや省エネルギ性能などの理由から次世代照明として注目を浴びており、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL(Electro Luminescence)、OEL:Organic Electro Luminescence)パネル、無機エレクトロルミネッセンスパネル、発光ダイオードと導光板とを組合せたもの等が開発されている。中でも有機ELは、機器の小型軽量化が可能であり、発熱量も少ないといった点で注目されている。
有機ELは有機物質からなる発光材料に電圧を印可してエネルギを付与し、励起された当該発光材料が元の状態に戻る際に、光としてエネルギを放出する現象のことをいう。有機EL技術を用いた発光素子である有機EL発光素子には、有機物質からなる発光材料を含む有機層と、当該有機層を挟むように対向した2つの電極(陰極および陽極)と、を基板上に順次積層した構造が一般的に用いられている。
有機ELは発光材料の種類を変えることにより発光波長を変更することができるので、例えば赤色、緑色、青色の3種類の発光材料を混合することで白色光を得ることができる。また、例えば異なる発光材料を含んだ2種類以上の発光素子をストライプ状に交互に形成して各々の色に独立して電流を流す可変色の発光パネルを得ることができる。
こういった面発光パネルは照明用途に用いることができる他、建屋や乗物等のインテリア、またはエクステリアなどに用いることも可能である。特許文献1には、有機ELを用いた発光パネルを一般的な照明として用いた例が示されている。
有機ELを用いた照明では、一般に面積辺りの輝度が従来の電球ないし蛍光灯に比べて小さく、光量を増やすために大面積化することが求められる。このため、特許文献2には、面発光パネルを複数配列して大面積の発光体とする例が示されている。
また、有機ELパネルの製造方法としては有機材料を真空蒸着する方法や、溶媒に材料を溶かした溶液をインクジェット法でストライプ状に塗布する方法等が知られている。中でもインクジェット法は、真空プロセスを用いないため製造コストの低減が可能である。有機ELパネルをインクジェット法で作成した例として特許文献3が挙げられる。
有機ELパネルによる面発光照明では、上記したように、多数の面発光パネルを並べることで、大面積の発光体を形成することができる。しかし、小面積のパネルを多数製造すると、大面積のパネルを少数製造する場合に比べて単位面積あたりの生産コストが高くなる。さらに各有機ELパネルに供給する電力線や信号線の配線が複雑になるとともに、取り付けの手間も多くなる。従って大面積の発光体の形成には、小面積の複数のパネルによってパネル群を形成するよりも大面積のパネルを使用することが望まれる。
しかしながら、従来の技術ではパネルサイズを大きくすると電極の電圧が降下し、発光にむらが生じてしまうという問題があった。有機ELパネルでは通常、透明な基板上に透明電極である陽極、有機EL層、陰極が順に積層され、透明電極および基板を透過して光が取り出される。透明電極はAl(アルミニウム)やCu(銅)などの低抵抗金属に比べると電気抵抗値が大きいため、有機ELパネル内部などにおいて透明電極への電力供給端子から距離が離れた位置で電圧が低下し、発光にむらが生じてしまう。
この電圧降下を抑制するために、Alなどの細線からなる補助電極が透明電極に接して設けられる場合が多い。しかし、金属製の補助電極は不透明なので、取り出し光量の低下を避けるためにあまり太い補助電極を使用することができず、電気抵抗値を十分に下げることができなかった。このため、パネルサイズが大き過ぎるとやはり電力供給端子から離れた位置で電圧降下が生じ、発光にむらが生じてしまう。
また、特許文献3に記載されているようなストライプ状に塗布するインクジェット法を用いた場合、大型化された有機ELパネルを製造するためには、インクジェットヘッドと有機ELパネルの基板とが何度もX軸方向とY軸方向とに相対移動する必要がある。図9は、インクジェット法によりストライプ状に塗布して有機ELパネルを製造する方法を示す説明図である。この技術では、インクジェットヘッド20と基板200とが何度もX軸方向とY軸方向とに相対移動する。特にY軸方向への移動時間中は溶液の塗布ができない上に、位置合わせにも時間がかかる。この結果、塗布プロセスに長時間を要するようになり生産効率が悪い。インクジェットヘッド20に多くのノズルを備えれば移動回数を減らせるが、この場合各ノズルの管理が煩雑になる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、面発光パネルの均一な発光を容易に実現し、かつ高い生産効率を実現するものである。
上記目的を達成するため、本発明の面発光パネルは、透明電極を有する有機EL発光素子を備える面発光パネルであって、発光面に、発光領域が環状に形成されているとともに、該発光領域の内周縁部に沿う内周非発光領域、および外周縁部に沿う外周非発光領域が形成され、該内周非発光領域および該外周非発光領域のうち少なくとも一方には、該有機EL発光素子の該透明電極に電気的に接続され、該有機EL発光素子に電力の供給が可能な環状の主配線が設けられていることを特徴とする。
該発光領域に、該透明電極と電気的に接続された渦巻状ないし同心円状の補助電極を有していてもよい。
該発光領域において、渦巻状ないし同心円状の該補助電極に対し、径方向で交差する径方向電極が配されていてもよい。
該内周非発光領域に環囲されて他の機器を収容可能な収容部が設けられていてもよい。
該収容部に、該面発光パネルより光度の大きい照明器具が収容されていてもよい。
該収容部に、保安上使用可能な機器が収容されていてもよい。
本発明による面発光パネル群は、収容部を有する面発光パネルと、該面発光パネルの該収容部に収容された環状または円盤状の他の面発光パネルとを含むことを特徴とする。
本発明による面発光パネルの製造方法は、前述した何れかの面発光パネルの製造方法であって、基板の面に沿うように該基板を回転させながら、該基板上に該有機EL発光素子の少なくとも一部を湿式成膜法により形成することを特徴とする。
湿式成膜法としてインクジェット法が用いられてもよい。
湿式成膜法としてスピンコート法が用いられてもよい。
本発明によれば、発光が均一で大型化が容易な発光パネルを、高い生産性で得ることができる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について、実施例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。また、各実施の形態の説明に用いる図面は、いずれも本発明による面発光システムを模式的に示すものであって、理解を深めるべく部分的な強調、拡大、縮小、または省略などを行っており、各構成部材の縮尺や形状等を正確に表すものとはなっていない場合がある。更に、各実施の形態で用いる様々な数値は、いずれも一例を示すものであり、必要に応じて様々に変更することが可能である。
実施の形態1.
図1は、本発明の第1の実施の形態による面発光パネル1の概略を示す上面図である。なお、面発光パネル1は有機ELパネルである。図1に示すように、有機EL素子を備える面発光パネル1には、有機EL素子が形成されたドーナツ状(環状ともいう)の発光領域2と、発光領域2の内周側(例えば、内周縁部)および外周側(例えば、外周縁部)にそれぞれ沿う非発光領域3とが存在する。非発光領域3には、有機EL素子に電力を供給する円環状の主配線4が設けられる。なお、発光領域2の内周縁部に沿う非発光領域3を内周非発光領域3aといい、発光領域2の外周縁部に沿う非発光領域3を外周非発光領域3bという。主配線4は、内周非発光領域3aおよび外周非発光領域3bのうち少なくとも一方に設けられる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による面発光パネル1の概略を示す上面図である。なお、面発光パネル1は有機ELパネルである。図1に示すように、有機EL素子を備える面発光パネル1には、有機EL素子が形成されたドーナツ状(環状ともいう)の発光領域2と、発光領域2の内周側(例えば、内周縁部)および外周側(例えば、外周縁部)にそれぞれ沿う非発光領域3とが存在する。非発光領域3には、有機EL素子に電力を供給する円環状の主配線4が設けられる。なお、発光領域2の内周縁部に沿う非発光領域3を内周非発光領域3aといい、発光領域2の外周縁部に沿う非発光領域3を外周非発光領域3bという。主配線4は、内周非発光領域3aおよび外周非発光領域3bのうち少なくとも一方に設けられる。
本実施の形態においては、前述したように、発光領域2の形状はドーナツ状である。なお、ここでいう「ドーナツ状」とは、円盤の中心部が円形に欠落して空間を有する形状を指す。ただし、内周または外周の形状が必ずしも真円である必要はなく、楕円のような多少歪んだ形状であってもよい。また、当該空間は、円盤の中心部でなくてもよい。面発光パネル1自体の形状も発光領域2の形状と同様に、当該発光領域2の内側に空間を有するドーナツ状であることが好ましい。
図2は、図1におけるII−II線に沿う断面図である。図2に示すように、透明基板8上には、陽極である透明電極5と、発光層6と陰極である対向電極7とが層状に形成されている。より具体的には、透明基板8上に透明電極5が形成され、透明電極5上に、有機EL素子の発光層6および対向電極7が設けられている。そして、発光層6から発せられた光は、透明電極5側に、当該透明電極5および透明基板8を透過して放射される。
有機EL素子は、少なくとも2つの電極間に発光材料を含有する発光材料層が設けられていればよいが、通常、電極から発光材料層への正孔及び電子の移動効率を高めるために、発光材料層と両電極の間に、正孔注入輸送層や電子注入輸送層等、複数の機能層を有する。本発明においても当然、これらの機能層を設けてもよい。以下、本発明における発光層6は、発光材料層だけでなく、上述の種々の機能層全てを含む概念として取り扱う。
図2に示すように、主配線4と透明電極5とは電気的に接続されている。また、図2に示す例では、主配線4は、透明基板8において透明電極5が形成されている面に形成されているが、主配線4は、透明基板8の側面等の他の箇所に形成されていてもよい。
図3は、主配線4が透明基板8の側面に形成された例を示す説明図である。図3に示す例では、主配線4は、透明基板8の側面に形成されている。従って、主配線4が面発光パネル1の側面に形成されていることになる。主配線4を面発光パネル1の側面に配置すれば、使用者が視認する発光領域2を透明基板8のサイズまで拡大できるために好ましい。
また、図示しないが、透明基板8に溝を設け、主配線4を溝に埋め込む構造としてもよい。側面に主配線4を形成する場合と同様、発光領域2をより広くすることが可能である。
主配線4はドーナツ状の発光領域2の全体に均一な電圧を供給するためのもので、図1に示すように発光領域2を取り囲むように形成されている(なお、主配線が内周側のみにある場合も含めてここでは「取り囲む」と表現する)。面発光パネル1および発光領域2はドーナツ状であるため、主配線4の電気抵抗値が十分に小さければ、透明電極5には周方向に均一に電圧が供給される。
また、ドーナツ状の発光領域2の外周端および内周端の中心Oから外周端までの距離である発光領域2の外径をR1とし、中心Oから内周端までの距離である発光領域2の内径をR2としたとき、R1−R2で表されるドーナツ状の発光領域2の幅が、電圧降下を起こさない程度の長さであれば、径方向においても、発光領域2(より具体的には、透明電極5)全体にほぼ均一な電圧を供給することが可能である。
ここで、主配線4の材質や断面積、および透明電極5の材質や膜厚といった主配線4や透明電極5の電気伝導特性にもよるが、ドーナツ状の発光領域2の幅(R1−R2の値)は、200mm以下であることが好ましく、更に好ましくは150mm以下、特に好ましくは100mm以下である。R1−R2の値を、電圧低下を起こさない程度の長さとし、R1およびR2を大径化することにより、電圧降下がほとんど無く発光むらの無い大面積の面発光パネルを得ることが可能であり、本発明は面発光パネルの大型化にも適しているといえる。
図4は、主配線4の他の例を示す説明図である。図1に示す例では、主配線4は円環状であるが、発光領域2の形状に合わせて楕円のような歪んだ形状であってもよいし、図4に示すように主配線4の円環の一部が切れていて不連続となっていてもよい。ただし、主配線4全体に電力を供給できるように、不連続となっている各主配線4が別途電源と接続されていることが必要である。
主配線4は、可視光を透過する特性を有する基板である透明基板8に、Ag(銀)、Al、Cuなどの金属箔を貼り付けてエッチングする方法、薄膜を真空蒸着やスパッタリングなどで形成する方法、あるいは金属微粒子を分散させた溶液をインクジェットなどの印刷法で塗布して乾燥させる方法などの周知の技術を用いて形成可能である。なお、透明基板8は、可視光を透過する特性を有する基板であればよく、ガラスもしくは石英の板が好適に用いられるが、例えばセラミックスの板、更にはポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート又はポリエーテルスルフォン等の透明な樹脂フィルムから構成されてもよい。
発光パネル1に適用される有機EL素子には、従来から公知の構造のものを適宜用いればよい。製造方法についても、従来から公知の製造方法を適宜用いることもできる。
本実施の形態によれば、面発光パネル1をドーナツ状にすることで、周囲をバランス良く均等に照明することが可能であるという長所がある。また照明が円形の組み合わせで形成されるので室内美観的にも優れ、特に環状の蛍光灯の代替となる。
実施の形態2.
本実施の形態(第2の実施の形態)では、第1の実施の形態における面発光パネル1と同様に形成された発光領域2の内側に設けられた空間である収容空間15を有するドーナツ状の面発光パネルと、当該収容空間15に収容されたドーナツ状または円盤状の別個の面発光パネルとが入れ子構造のように組み合わされている面発光パネル群によって、より大面積の発光体を形成する。図5は、このような発光体の一例として、本発明の第2の実施の形態による面発光パネル群100の概略を示す上面図である。なお、収容空間15は発光領域2の内側に設けられていれば位置は限定されないが、本例では面発光パネル1の中心部に設けられているとする。
本実施の形態(第2の実施の形態)では、第1の実施の形態における面発光パネル1と同様に形成された発光領域2の内側に設けられた空間である収容空間15を有するドーナツ状の面発光パネルと、当該収容空間15に収容されたドーナツ状または円盤状の別個の面発光パネルとが入れ子構造のように組み合わされている面発光パネル群によって、より大面積の発光体を形成する。図5は、このような発光体の一例として、本発明の第2の実施の形態による面発光パネル群100の概略を示す上面図である。なお、収容空間15は発光領域2の内側に設けられていれば位置は限定されないが、本例では面発光パネル1の中心部に設けられているとする。
図5に示す例では、大径のドーナツ状の面発光パネル9の内側の収容空間15に、小径のドーナツ状の面発光パネル10が収容されて組み合わされている。なお、面発光パネル9,10の個々の構成は、第1の実施の形態における面発光パネル1の構成とそれぞれ同様なため、説明を省略する。図5に示す例では2つの面発光パネルが組み合わされているが、面発光パネル10の内側の収容空間にさらに小径の面発光パネルが収容されたりして、3つ以上のパネルが組み合わされてもよい。
また、ドーナツ状の面発光パネルの組み合わせにおける最も内側に、円盤状の面発光パネルを配置することで、全体として大面積の円盤状面発光パネルを形成することもできる。
各面発光パネルの主配線4に独立に電圧を印加することで、各面発光パネルを独立に発光させることが可能である。全ての面発光パネルがドーナツ状ないし円盤状であるため、どのパネルを選択して発光させても周囲をバランス良く均等に照明することが可能である。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態における効果を有する面発光パネルを複数組み合わせて、さらに大面積の発光体を形成することができる。
そして、組み合わされた各面発光パネルの主配線4に独立に電圧を印加することで、各面発光パネルを独立に発光させることが可能である。すると、面発光パネル群100のデザイン性を高めたり、○(丸)や◎(二重丸)等の情報を表示したりすることができる。
実施の形態3.
本実施の形態(第3の実施の形態)では、1つのドーナツ状の面発光パネル1、あるいは複数のドーナツ状の面発光パネルが組み合わされた面発光パネル群100における、最も内側に配置されたドーナツ状の面発光パネル1の発光領域2の内側の収容空間15を利用する。
本実施の形態(第3の実施の形態)では、1つのドーナツ状の面発光パネル1、あるいは複数のドーナツ状の面発光パネルが組み合わされた面発光パネル群100における、最も内側に配置されたドーナツ状の面発光パネル1の発光領域2の内側の収容空間15を利用する。
例えば、面発光パネル1を部屋の天井に取り付ける場合には、面発光パネル1の中心部が部屋の中央付近に位置することが想定され、このドーナツ状の面発光パネル1の特徴である収容空間15を、様々な用途に用いることができる。例えば、有機ELによる面発光パネル1は比較的光度の低い柔らかい印象の光を発する照明であるので、本実施の形態では、より明るい光が欲しい場合に使用される光度の高い照明が補助照明11として収容空間15に設置される。
図6は、本発明の第3の実施の形態による面発光パネル1と補助照明11との概略を示す上面図である。図6には、面発光パネル群100を構成する面発光パネルのうち、最も内側に配置されたドーナツ状の面発光パネル1のみが示されている。従って、本例の補助照明11は、複数の面発光パネル(例えば、第1の実施の形態における面発光パネル1と同様な構成の、第2の実施の形態における面発光パネル9,10)によって囲まれているが、1つの面発光パネル1によって囲まれていてもよい。面発光パネル1の収容空間15に収容され、より明るい光が欲しい場合に使用される光度の高い照明としての補助照明11は、例えば、白熱電球や、蛍光灯、LED照明などがある。本実施の形態では、面発光パネル1の収容空間15に補助照明11が設置されるとして説明したが、面発光パネル1の収容空間15には、照明用途以外の機器、例えば、火災検知器や火災報知器、スプリンクラ、監視カメラ、赤外線センサ等の保安上使用可能な機器、外光を取り入れるガラス、スピーカ、空調の吹き出し口といったものが1つまたは複数設置されてもよい。また、上記のような様々な用途の複数の機器を共通の取り付け方法によって収容空間15に取り付け可能にし、ユーザがどの機器を取り付けるのかを選択可能とすることも好ましい。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態における効果を有する面発光パネル1の収容空間15に他の特性の光を発する補助照明11を収容して、より明るい光を発することができる面発光パネルを構成することができる。
また、本実施の形態によれば、第1の実施の形態における効果を有する面発光パネル1の収容空間15に照明用途以外の用途の機器を収容して、面発光パネル1に他の機能を備えさせることができる。
従って、本実施の形態によれば、収容空間15を利用して、照明用途に限定されずに、面発光パネル1に様々な機能を付加することができる。
実施の形態4.
以上に述べた各実施の形態の面発光パネル1では、発光層6が透明電極5に接して電力を供給される。透明電極5を直接主配線4に接続させてもよいが、一般に透明電極5の電気抵抗値は低抵抗金属が主として用いられる主配線4に比べて大きい。従って、特にドーナツ状の発光領域の幅が比較的大きい場合(例えば、100mmを越える場合)は、発光領域2内での電圧降下を避けるために補助電極を設けるのが好ましい。補助電極は、主配線4および透明電極5と電気的に接続され、発光領域2内に延設される。
以上に述べた各実施の形態の面発光パネル1では、発光層6が透明電極5に接して電力を供給される。透明電極5を直接主配線4に接続させてもよいが、一般に透明電極5の電気抵抗値は低抵抗金属が主として用いられる主配線4に比べて大きい。従って、特にドーナツ状の発光領域の幅が比較的大きい場合(例えば、100mmを越える場合)は、発光領域2内での電圧降下を避けるために補助電極を設けるのが好ましい。補助電極は、主配線4および透明電極5と電気的に接続され、発光領域2内に延設される。
図7は、本発明の第4の実施の形態による面発光パネル101の概略を示す上面図である。図7に示すように、本実施の形態の面発光パネル101は、前述した第1の実施の形態の面発光パネル1の構成に加えて、発光領域2において、内周側から外周側に向かって渦巻状に延設された渦巻状補助電極12と、当該渦巻状補助電極12と交差し、内周側から外周側に向かって径方向に延設された径方向補助電極13とが形成されている。なお、渦巻状補助電極12と径方向補助電極13とは電気的に接続されて、組み合わされている。以下、渦巻状補助電極12と径方向補助電極13とを補助電極14と総称することがある。また、補助電極14は、内周非発光領域3aに設けられた主配線4と外周非発光領域3bに設けられた主配線4との両方に直接接続されていなくてもよいが、少なくとも一方とは直接接続されていることが好ましい。
補助電極14の材料としては、Au(金)、Ag(銀)、Pt(白金)、Cu、Alなどの低抵抗金属が主体であることが好ましい。耐腐食性や機械強度を向上させるといった目的でさらにTi(チタン)、Si(ケイ素)、In(インジウム)、B(ホウ素)、C(炭素)、P(リン)などが添加されていてもよい。PDOT:PSS(ポリ(エチレンジオキシ−チオフェン)−ポリスチレンスルホン酸)などの有機導電性材料を用いることもできる。中でもコスト、抵抗率、耐腐食性の総合的観点からAlを用いることが好ましい。
補助電極14の製造方法としては、蒸着やスパッタリングなどの真空プロセスで作成した膜をフォトリソグラフィでパターニングする方法、真空プロセス時にマスクを用いてパターニングする方法、インクジェットやスクリーン印刷等の印刷法によって塗布する方法など公知の方法がある。
補助電極14は、1つの発光領域2内に複数設けて(例えば、本実施の形態のように渦巻状補助電極12および径方向補助電極13を設けて)、発光領域2内の電圧を均一化することが好ましいが、補助電極14が1つであってもよい(例えば、渦巻状補助電極12および径方向補助電極13のうちいずれか一方のみであってもよい)。発光面積の低下を抑えるためには、補助電極の幅は主配線4の幅より小さいことが好ましい。また、補助電極が発光層6と直接接して有機EL層内部の電荷の流れを乱すことが無いように、補助電極は絶縁膜で覆われていることが好ましい。
なお、図示しないが、渦巻き状補助電極12を同心円状の補助電極とすることも可能である。
本実施の形態によれば、補助電極14が発光領域2内での電圧降下を良好に抑制し、発光むらを良好に抑制することができる。よって、美観的に優れるとともに、周囲をバランス良く均等に照明することができる。
<製造方法>
以上に述べた各実施の形態の面発光パネル1の製造方法について説明する。なお、面発光パネル9,10の製造方法は面発光パネル1の製造方法と同様であるが、面発光パネル101は、面発光パネル1の製造方法における工程と異なる工程も採用されている。
以上に述べた各実施の形態の面発光パネル1の製造方法について説明する。なお、面発光パネル9,10の製造方法は面発光パネル1の製造方法と同様であるが、面発光パネル101は、面発光パネル1の製造方法における工程と異なる工程も採用されている。
有機材料からなる発光層6の製造方法としては、透明基板8上の透明電極5に有機材料を真空蒸着する方法と、有機材料を溶媒に溶かした原料インクを塗布、乾燥する方法とに分けられるが、発光層6の少なくとも一部を、インクジェットやスピンコートなどの塗布法で製造するのが製造コストの低減上好ましい。図7に示す第4の実施の形態の面発光パネル101のように、発光領域2内に補助電極14を有する場合、補助電極14およびそれを囲む絶縁膜で隔壁を形成し、発光層6を隔壁間に形成することも可能である。この場合、より制御のしやすいインクジェット法により隔壁間に発光層の原料インクを滴下することが可能となり好ましい。
従来の四角形の面発光パネルをインクジェット法で製造する場合は、図9に示すように、通常、インクジェットヘッド20が直線的に往復する方法が取られる。しかし、この方法では基板200の端部でのインクジェットヘッド20の方向転換、および位置合わせに時間を要し、生産性が悪い。
図8は、本発明の第4の実施の形態のようにドーナツ状の発光領域2に螺旋状の補助電極14およびそれを囲む絶縁層で形成された隔壁を有する面発光パネル101を製造する方法を示す説明図である。図8に示す例では、面発光パネル101となるドーナツ状の透明基板201をターンテーブル等によって自身の面に沿うように回転させながら、インクジェットヘッド20を径方向に相対的にシフトして移動させ、隔壁により形成された溝状の領域に発光層6の原料インクを滴下していく。図8に示す製造方法によれば、発光層6の原料インクを連続的に滴下していくことが可能となり、インクジェットヘッド20のY軸方向への移動中や位置合わせ中に溶液の塗布ができない図9に示す従来の製造方法に比べて、高い生産性を得ることができる。また、発光層6等を均一に形成することが可能になり、発光のむらを良好に抑制することができる。
また、補助電極14が設けられていない場合であっても(第1〜3の実施の形態の面発光パネル1,9,10の場合であっても)、ドーナツ状の発光領域2の幅がある程度小さい場合は(例えば、100mm以下である場合)、インクジェットヘッド20に、発光領域2の幅全体にインク滴下が可能となるようノズルを複数並べることにより、面発光パネルとなるドーナツ状の透明基板8を1回転させるだけで発光層6等の形成が可能となり、高い生産効率を得ることができる。また、発光層6等を均一に形成することが可能になり、発光のむらを良好に抑制することができる。
また、従来の四角形の面発光パネルにおいては、スピンコート法では端部まで均一に膜形成することが困難であったが、本発明において発光層6を隔壁間ではなく全面に形成する場合(第1〜3の実施の形態の面発光パネル1,9,10の場合)、ドーナツ状の発光領域2を有する面発光パネルでは、スピンコート法でも、面発光パネル全体を均一な膜厚で形成することが可能である。従って、発光のむらを良好に抑制することができる。
本発明に係る面発光パネル、および面発光パネル群は、照明、あるいは建物や乗り物のインテリア、エクステリアの用途に適用することができる。
1、9、10、101 面発光パネル
2 発光領域
3 非発光領域
4 主配線
5 透明電極
6 発光層
7 対向電極
8 透明基板
11 補助照明
12 渦巻状補助電極
13 径方向補助電極
14 補助電極
15 収容空間
2 発光領域
3 非発光領域
4 主配線
5 透明電極
6 発光層
7 対向電極
8 透明基板
11 補助照明
12 渦巻状補助電極
13 径方向補助電極
14 補助電極
15 収容空間
Claims (10)
- 透明電極を有する有機EL発光素子を備える面発光パネルであって、
発光面に、発光領域が環状に形成されているとともに、該発光領域の内周縁部に沿う内周非発光領域、および外周縁部に沿う外周非発光領域が形成され、
該内周非発光領域および該外周非発光領域のうち少なくとも一方には、該有機EL発光素子の該透明電極に電気的に接続され、該有機EL発光素子に電力の供給が可能な環状の主配線が設けられている
ことを特徴とする面発光パネル。 - 該発光領域に、該透明電極と電気的に接続された渦巻状ないし同心円状の補助電極を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の面発光パネル。 - 該発光領域において、渦巻状ないし同心円状の該補助電極に対し、径方向で交差する径方向電極が配されている
ことを特徴とする請求項2に記載の面発光パネル。 - 該内周非発光領域に環囲されて他の機器を収容可能な収容部が設けられた
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれかに記載の面発光パネル。 - 請求項4に記載の面発光パネルの該収容部に、該面発光パネルより光度の大きい照明器具を収容した
ことを特徴とする面発光パネル。 - 請求項4に記載の面発光パネルの該収容部に、保安上使用可能な機器を収容した
ことを特徴とする面発光パネル。 - 請求項4に記載の面発光パネルと、該面発光パネルの該収容部に収容された環状または円盤状の他の面発光パネルとを含む
ことを特徴とする面発光パネル群。 - 請求項1から請求項6のうちいずれかに記載の面発光パネルの製造方法であって、
基板の面に沿うように該基板を回転させながら、該基板上に該有機EL発光素子の少なくとも一部を湿式成膜法により形成する
ことを特徴とする面発光パネルの製造方法。 - 請求項8に記載の面発光パネルの製造方法であって、湿式成膜法としてインクジェット法を用いる
ことを特徴とする面発光パネルの製造方法。 - 請求項8に記載の面発光パネルの製造方法であって、湿式成膜法としてスピンコート法を用いる
ことを特徴とする面発光パネルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012171064A JP2014032757A (ja) | 2012-08-01 | 2012-08-01 | 面発光パネル、面発光パネル群および面発光パネルの製造方法 |
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ID=50282444
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JP (1) | JP2014032757A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017025283A1 (de) * | 2015-08-07 | 2017-02-16 | Osram Oled Gmbh | Beleuchtungsanordnung |
US9837630B2 (en) | 2014-07-30 | 2017-12-05 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Organic EL element and organic EL element manufacturing method having an auxiliary electrode includes a linear portion and a curved portion |
WO2018211934A1 (ja) * | 2017-05-15 | 2018-11-22 | パイオニア株式会社 | 発光装置 |
-
2012
- 2012-08-01 JP JP2012171064A patent/JP2014032757A/ja active Pending
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WO2017025283A1 (de) * | 2015-08-07 | 2017-02-16 | Osram Oled Gmbh | Beleuchtungsanordnung |
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