以下、本発明の実施形態による計量装置の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は対応する部材については同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
また、以下の具体的な説明は、計量装置の特徴を例示しているに過ぎない。例えば、計量装置を特定した用語と同じ用語或いは相当する用語に適宜の参照符号を付して以下の具体例を説明する場合、当該具体的な構成要素は、これに対応する上記計量装置の構成要素の一例である。よって、計量装置の特徴は、以下の具体的な説明によって限定されるものではない。
なお、図3では、図1のパッカースケール100をIIA−IIA視した図が示されている。図4では、図2のパッカース100をIIB−IIB視した図が示されている。
図1から図4に示すように、本実施形態のパッカースケール100は、包装機(図示せず)に供給する被計量物(例えば、樹脂ペレット)の大投入(多量投入)が行われる大投入計量部10と、被計量物の中投入(中量投入)が行われる中投入計量部50(50A〜50D)と、被計量物の小投入(少量投入)が行われる小投入計量部30と、を備える。
なお、以下の説明の便宜上、図1から図4において、被計量物が、大投入計量部10の途中(鉛直高さH)から中投入計量部50および小投入計量部30それぞれに被計量物が振り分けられる方向を「左右方向」としている。そして、中投入計量部50の主要部が配置されている側を「左」、小投入計量部30が配置されている側を「右」としている。
また、パッカースケール100では、「上方」(図示せず)から「下方」(図示せず)、すなわち鉛直方向、下向きに重力が作用しているものとする。また、上述した左右方向と垂直をなし、かつ鉛直方向と垂直をなす方向を前後方向(図1の紙面の手前側を「前」、奥側を「後」)として示している。
また、図1では、パッカースケール100の小投入計量部30の構成を理解し易くする趣旨で、パッカースケール100の右側に配置されている第4中投入計量部50Dの図示を省略している。
また、図2では、パッカースケール100の大投入計量部10の構成を理解し易くする趣旨で、パッカースケールの100の大投入計量部10の構成のみを図示している。
なお、パッカースケール100の左側に配置される中投入計量部50の主要部(後述の第1、第2および第3中投入計量部50A、50B、50C)の構成は、図5において図示されている。また、パッカースケール100の右側に配置される第4中投入計量部50Dおよび小投入計量部30の構成は、図6において図示されている。また、パッカースケール100の制御系の一例は、図7において図示されている。
(大投入計量部の構成)
まず、本実施形態のパッカースケール100が備える大投入計量部10の構成について上述した図1から図4を参照しながら説明する。
大投入計量部10は、鉛直方向に立設するサービスホッパ20と、サービスホッパ20の下方に配された大投入計量ホッパ21と、を備える。
サービスホッパ20は、パッカースケール100の中央部に配され、供給部20Aと排出部20Bとを備える。
サービスホッパ20の上端部11には、図4に示すように、被計量物供給用の円形の供給口12が形成されており、この供給口12を介して被計量物が、サービスホッパ20内に投入される。
サービスホッパ20の排出部20Bの下端部には被計量物排出用の排出口(図示せず)が形成されている。これにより、被計量物が、この排出口からサービスホッパ20外(すなわち、大投入計量ホッパ21内)に排出される。
但し、サービスホッパ20の排出口から被計量物を排出しない場合(サービスホッパ20内に被計量物を一時保持する場合)、この排出口を、大投入カットゲート15A、15Bを用いて塞ぐことができる。
大投入カットゲート15A、15Bはそれぞれ、回転軸14A、14Bを中心に前後方向に揺動可能に構成され、前後方向それぞれに2分されるように動く。大投入カットゲート15A、15Bの開度は、図7に示すようにロータリエンコーダ70を用いて、大投入計量部制御用の指示制御器71により制御されている。
このようにして、サービスホッパ20の排出口が、大投入カットゲート15A、15Bを用いて開放され、これにより、サービスホッパ20内の所定量の被計量物(目標重量未満の被計量物)が、大投入計量ホッパ21内に供給される。
つまり、指示制御器71は、大投入カットゲート15A、15Bを用いて、大投入計量ホッパ21に、目標重量MT未満の適量(ボリューム投入重量MB)の被計量物をタイマー充填により供給する。より具体的には、大投入カットゲート15A、15Bは、大投入計量ホッパ21に被計量物を投入する際、目標重量MTおよび単位時間当たりに落下する被計量物重量に応じて設定されるゲート開放時間だけゲートを開放するように構成される。この場合、大投入計量部10は、大投入計量ホッパ21に被計量物を投入する際、まず、大投入カットゲート15A、15Bに設定されたゲート開放時間の間、当該カットゲート15A、15Bを開き、大投入計量ホッパ21に被計量物を投入する。ゲート開放時間経過後、大投入カットゲート15A、15Bはゲートを閉鎖する。そして、大投入計量部10では、被計量物の投入後、所定の計量安定待ち時間経過後に後述する大投入計量ホッパ21内の被計量物の重量を計量して、組み合わせ演算を行うように構成されている。
大投入計量ホッパ21は、目標重量未満の被計量物がサービスホッパ20から供給されるとともに、供給された被計量物の重量を計量し、計量後の被計量物を排出するホッパである。大投入計量ホッパ21は、大投入計量ホッパ本体21Aと大投入計量ホッパゲート18A、18Bとを備え、サービスホッパ20から供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート22へ被計量物を排出する。
また、大投入計量ホッパ21は、4個のロードセルLC1、LC2、LC3、LC4により支持されている。ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれから出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器71に入力されるように構成されている。
なお、大投入計量ホッパ21の下方には、各計量ホッパにおいて計量された、計量後の被計量物を包装機に排出するための排出シュートが設けられている。この排出シュートは、図1に示すように、集合シュート22と、この集合シュート22の排出口である集合シュート排出口23の下方に配置され、二股に分岐した分散シュート80とから構成されている。なお、分散シュート80の構成についての詳細は後述する。また、図1では集合シュート排出口23を明確とするために、その位置を破線で図示している。
大投入計量ホッパゲート18A、18Bはそれぞれ、公知のトグル機構を備えるリンク部を用いて左右にスイング移動可能に構成され、リンク部が、ロータリアクチュエータ17の駆動力を用いて左右に2分されるように移動する。
また、大投入計量ホッパ本体21A内の被計量物の重量をロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれからの出力信号に基づいて指示制御器71が計量することができるように構成されている。さらに、指示制御器71が、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取ることもできる。そして、指示制御器71がこの排出許可信号を受け取った場合、大投入計量ホッパ21の排出口が開放されるように大投入計量ホッパゲート18A、18Bを制御し、計量後の被計量物を、集合シュート22に送る。
(中投入計量部の構成)
次に、本実施形態のパッカースケール100が備える中投入計量部50の構成について説明する。本実施形態のパッカースケール100は、中投入計量部50として、第1中投入計量部50A、第2中投入計量部50B、第3中投入計量部50C、および第4中投入計量部50Dを備えてなる構成である。図3に示すように、パッカースケール100の左側において前側から後側に向かって、順に第1中投入計量部50A、第2中投入計量部50B、および第3中投入計量部50Cが直列に配されている。また、パッカースケール100の右側において、前側に第4中投入計量部50Dが配されている。
また、第1中投入計量部50A、第2中投入計量部50B、第3中投入計量部50C、および第4中投入計量部50Dそれぞれは、中投入計量ホッパとして、第1中投入計量ホッパ64、第2中投入計量ホッパ65、第3中投入計量ホッパ66、および第4中投入計量ホッパ44を備えている。これら中投入計量ホッパでは、異なる比率(容積比率)となるように重量が調整された被計量物がそれぞれ供給される。そして、複数の中投入計量ホッパのうち、大投入計量ホッパ21により計量された被計量物の重量と目標重量との差に応じて実施された組合せ演算の演算結果に基づき決定された、被計量物を排出する組合せ対象となる中投入計量ホッパから、被計量物が排出される。
例えば、中投入計量ホッパにおける組合せ演算は、大投入計量ホッパ21により計量された被計量物の重量と目標重量との差に、さらに、小投入計量部30において被計量物の計量を可能とするために最低限度、小投入計量部30に供給する必要のある被計量物の重量を差し引いたその残余の重量に対して行なわれる。
なお、第1中投入計量部50A、第2中投入計量部50B、第3中投入計量部50C、および第4中投入計量部50Dそれぞれは同様な構成を有する。このため、以下において、第1中投入計量部50Aの構成のみを代表して説明し、第2中投入計量部50B、第3中投入計量部50C、および第4中投入計量部50Dの説明については省略するものとする。
(第1中投入計量部50Aの構成)
まず、上述した図3、および図7に加え、図5を参照して第1中投入計量部50Aの構成について説明する。
第1中投入計量部50Aは、第1中投入シュート61を備え、この第1中投入シュート61の下方には第1中投入計量ホッパ64が配されている。
第1中投入シュート61は、その下端部61Bに設けられた排出口から被計量物が第1中投入計量ホッパ64に排出されるように構成されている。また、サービスホッパ20の左側面に接続される中継部60と、この中継部60の下端部において前側に分岐した第1中投入分岐部60Aとを介して、サービスホッパ20と第1中投入シュート61とが連通するようになっている。
なお、第1中投入シュート61の下端部61Bから被計量物を排出しない場合(例えば、第1中投入シュート61内に被計量物を一時保持する場合)、下端部61Bに設けられた排出口を、第1中投入カットゲート54を用いて塞ぐことができる。
第1中投入カットゲート54は、第1中投入シュート61における排出口の開閉を行なうものであり、回転軸51Aを中心に前後方向に揺動可能となっており、回転軸51Aが、ロータリアクチュエータ51の駆動力を用いて回転することにより、後方に後退するように動く。このように第1中投入カットゲート54が後方に移動することにより、第1中投入シュート61の排出口が開放された状態となり、第1中投入シュート61内の所定量の被計量物が、第1中投入計量ホッパ64内に供給される。ロータリアクチュエータ51の駆動は、図7に示すように、中投入計量部制御用の指示制御器73により制御されている。
より具体的には、第1中投入カットゲート54は、対応する第1中投入計量ホッパ64に被計量物を投入する際、上記目標重量および単位時間当たりに落下する被計量物重量に応じて設定されるゲート開放時間だけゲートを開放するように構成される。この場合、第1中投入計量ホッパ64に被計量物を投入する際、まず、対応する第1中投入カットゲート54に設定されたゲート開放時間の間、当該第1中投入カットゲート54を開き、第1中投入計量ホッパ64に被計量物を投入する。ゲート開放時間経過後、第1中投入カットゲート54はゲートを閉鎖する。被計量物の投入後、所定の計量安定待ち時間経過後に、後述するように被計量物が投入された中投入計量ホッパ64内の被計量物の重量を計量して、組み合わせ演算を行う。
第1中投入計量ホッパ64は、第1中投入シュート61から供給された被計量物の重量を計量するとともに、この供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート22へ排出するためのものである。第1中投入計量ホッパ64は、第1中投入計量ホッパ本体64Aおよび第1中投入計量ホッパゲート67から構成される。
第1中投入計量ホッパ64は、パッカースケール100の架台(不図示)に固定されたロードセルLC5に連結されており、このロードセルLC5により支持されている。そして、ロードセルLC5から出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等)を経て指示制御器73に入力されるようになっている。
第1中投入計量ホッパ64の下方には、集合シュート22が配設されている。そして、第1中投入計量ホッパ64から排出される被計量物は、集合シュート22上を滑り落ちてその下部の分散シュート80を介して、包装機が備える容器29に送られる。
第1中投入計量ホッパ64が備える第1中投入計量ホッパゲート67は、公知のトグル機構およびロータリアクチュエータ57の駆動力を用いて開閉可能となるように構成されている。ロータリアクチュエータ57の駆動は、指示制御器73により制御されている。なお、駆動装置はロータリアクチュエータ57に限定されるものではない。例えば、ステッピングモータを用いる構成であってもよい。
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器73は、第1中投入計量ホッパ本体64A内の被計量物の重量をロードセルLC5からの出力信号に基づいて計量できる。その後、指示制御器73が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、第1中投入計量ホッパ64の排出口が、第1中投入計量ホッパゲート67によって開放されると、計量後の被計量物が、集合シュート22に送られる。
(小投入計量部の構成)
次に、本実施形態のパッカースケール100の小投入計量部30について、上記した図1、図3、および図7に加えて図6を参照しながら詳しく説明する。図6では、右方からみた第4中投入計量部50Dおよび小投入計量部30の配置関係が明確となるように、これら各部以外の部材については破線で示している。
以下において、小投入計量部30の構成について説明する。
小投入計量部30は、ロスイン投入シュート41、およびロスイン投入シュート41の下方に配されたロスインホッパ42を備える。この小投入計量部30は、パッカースケール100の右側において、第4中投入計量部50Dよりも後側に配されている。
ロスイン投入シュート41は、小投入分岐部40Aの下端に配置され、その下端部41Bが、ロスインホッパ42の真上に至るように配置されている。サービスホッパ20の右側面に接続される中継部40と、この中継部40の下端部において後側に分岐した小投入分岐部40Aとを介して、サービスホッパ20とロスイン投入シュート41とが連通するようになっている。
ここでロスイン投入シュート41の下端部41Bから被計量物を排出しない場合(例えば、ロスイン投入シュート41内に被計量物を一時保持する場合)、下端部41Bに設けられた排出口を、ロスイン投入ゲート31を用いて塞ぐことができる。
ロスイン投入ゲート31は、ロスイン投入シュート41における排出口の開閉を行なうものであり、回転軸34Aを中心に左右方向に揺動可能となっており、回転軸34Aが、ロータリアクチュエータ34の駆動力を用いて回転することにより、右側に後退する。このようにロスイン投入ゲート31が移動することにより、ロスイン投入シュート41の排出口が開放された状態となり、ロスイン投入シュート41内の所定量の被計量物が、ロスインホッパ42内に供給される。ロータリアクチュエータ34の駆動は、小投入計量部制御用の指示制御器72により制御されている。
ロスインホッパ42は、目標重量と、大投入計量ホッパ21および中投入計量ホッパから排出される被計量物の重量との差を補うために、ロスイン計量を行いながら被計量物を排出するホッパである。このロスインホッパにより目標重量との差を微調整して補うことができる。
ロスイン投入シュート41から排出された被計量物は、ロスインホッパ42の上端部42Aに供給され、ロスインホッパ42の下端部42Bに設けられた排出口から被計量物が、集合シュート22に排出される。
ここで、ロスインホッパ42の下端部42Bから被計量物を排出しない場合(例えば、ロスインホッパ42内に被計量物を一時保持する場合)、下端部42Bにおける排出口を、ロスイン排出ゲート32を用いて塞ぐことができる。
より具体的には、ロスイン排出ゲート32は、回転軸35Aを中心に左右方向に揺動可能となるように構成され、回転軸35Aが、ロータリアクチュエータ35の駆動力を用いて回転することにより、右側に後退するように動く。
このようにロスイン排出ゲート32が右側に移動することで、ロスインホッパ42の下端部42Bに設けられた排出口が開状態となり、ロスインホッパ42内の被計量物が、集合シュート22に供給される。ロータリアクチュエータ35の駆動は、図7に示すように、指示制御器72により制御されている。
ロスインホッパ42は、ロードセルLC8により支持されている、ロードセルLC8から出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器72に入力されるように構成されている。
本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器72が、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取ると、ロスインホッパ42の下端部42Bに設けられた排出口を開状態とするようにロスイン排出ゲート32に対して指示する。この指示に応じてロスイン排出ゲート32が移動して、ロスインホッパ42の下端部42Bに設けられた排出口が開状態となると、ロスインホッパ42内の被計量物が、ロードセルLC8からの出力信号に基づいてロスイン排出される。なお、このロスイン排出において被計量物の単位時間の排出量が一定となるよう、被計量物の嵩密度に基づいて、ロスインホッパ42の直径が適宜の値に設定されている。これにより、所定時間内に適量の被計量物を集合シュート22に送ることができる。
(排出シュート)
次に、本実施の形態に係るパッカースケール100が備える排出シュートの構成について説明する。図1に示すように排出シュートは、集合シュート22と分散シュート80(第1流路81および第2流路82)とを備えてなる構成である。第1流路81は、当該第1流路81を経由して包装機が保持する容器29へと排出される被計量物の排出タイミングを制御するための第1ゲート(排出ゲート)83を備えている。第2流路82は、当該第2流路82を経由して包装機が備える容器29へと排出される被計量物の排出タイミングを2段階で制御するための第2ゲート(排出ゲート)84および第3ゲート(排出ゲート)85を備えている。これら、第1ゲート83、第2ゲート84、および第3ゲート85の開閉制御は、指示制御器75からの制御指示に基づき、後述する第1ゲート開閉制御部75、第2ゲート開閉制御部76、および第3ゲート開閉制御部77によって実行される。分散シュート80、第1ゲート83、第2ゲート84、第3ゲート85、第1ゲート開閉制御部75、第2ゲート開閉制御部76、および第3ゲート開閉制御部77によって本発明の排出制御手段を実現する。
上述した大投入計量ホッパ21、中投入計量部50、および小投入計量部30から排出される被計量物は、集合シュート22上を滑り落ちて一緒になる。そして、一緒になった被計量物のうちの約1/2が第1流路81に、残りの約1/2が第2流路82に送出され、第1流路81および第2流路82それぞれの排出口(第1排出口(充填口)81Aおよび第2排出口(充填口)82A)から包装機が備える容器29へと送られる。なお、本実施の形態に係るパッカースケール100では、分散シュート80が備える第1排出口81Aおよび第2排出口82Aが、容器29への被計量物の充填口に相当するがこれに限定されるものではない。例えば、これら第1、第2排出口81A、82Aと容器29との間において、分散シュート80で導かれた被計量物を該容器29内に導入するようにさらに充填用流路が設けられた構成の場合は、この充填用流路の排出口が本発明の充填口に相当することとなる。
第1流路81および第2流路82を介して実施される被計量物の排出処理の詳細については後述する。
(計量制御に係る構成)
次に、本実施の形態に係るパッカースケール100における被計量物の計量制御に係る構成について説明する。まず、被計量物の計量制御を実施する指示制御器の構成について説明する。
本実施の形態に係るパッカースケール100では、計量制御を指示制御器71、72、73によって実施する。
指示制御器71、72、73は、例えば、マイクロコントローラ、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等からなる演算部(図示せず)と、ROMやRAM等からなるメモリ部(図示せず)と、重量表示部やメッセージ表示部等からなる表示部(図示せず)と、作業者が様々なデータを入力できるキー入力部(図示せず)と、により構成することができる。
本実施形態では、図7に示すように、指示制御器71、72、73が互いに協働して計量制御を実施しているがこれに限定されるものではない。例えば、指示制御器71、72、73の複数の制御器により計量制御を実施するのではなく、単独の制御器によって計量制御を実施する構成であってもよい。
指示制御器71は、大投入カットゲート15A、15Bならびに大投入計量ホッパゲート18A、18Bを開閉するためのアクチュエータ(上記ACサーボモータ14およびロータリアクチュエータ17)の動作を制御する制御器である。また、大投入計量ホッパ21を支持するロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれからの出力信号を受け取り、この出力信号に基づいて大投入計量ホッパ21に保持されている被計量物の重量を算出するものでもある。
指示制御器72は、ロスイン投入ゲート31およびロスイン排出ゲート32を開閉するためのアクチュエータ(ロータリアクチュエータ34、35)の動作を制御する制御器である。また、ロスインホッパ42を支持するロードセルLC8からの出力信号を受け取り、この出力信号に基づいてロスインホッパ42内の被計量物の重量を算出するものでもある。指示制御器72は、ロードセルLC8を用いてロスインホッパ42内の被計量物の重量を常時監視しており、被計量物の排出前の初期重量から丁度設定された重量分だけ、ロスインホッパ42内の被計量物の重量が減少したときに、ロスインホッパ42の排出口を、ロスイン排出ゲート32を用いて閉めることができる。かかる小投入計量部30によるロスイン計量を用いることにより、被計量物の排出量を高精度に調整できる。
指示制御器73は、第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、および37、ならびに第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパゲート67、68、69、および38を開閉するためのアクチュエータ(ロータリアクチュエータ51、52、53、および36、ならびにロータリアクチュエータ57、58、59、および39)の動作を制御する制御器である。また、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44のそれぞれを支持するロードセルLC5、LC6、LC7、LC9のそれぞれからの出力信号を受け取り、これらの出力信号に基づいて第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44内のそれぞれの被計量物の重量を算出するものでもある。
更に、指示制御器73は、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44による組合せ演算も行う。つまり、本実施形態に係るパッカースケール100では、大投入計量部10への被計量物の大投入と、容積比率を異ならせた複数の中投入計量部50への被計量物の中投入と、小投入計量部30への被計量物の小投入とによって、被計量物の重量が目標重量に近似するようにしている。指示制御器73は、このうち容積比率を異ならせた複数の中投入計量部50へ投入された被計量物の組合せのうち、所望の重量に最も近い組合せを求める処理、すなわち組合せ演算を行う。
(パッカースケールにおける計量制御)
上述した指示制御器71、72、73の制御指示の下、実施される計量制御について、図8および図9を参照して以下に説明する。図8および図9により、本発明の実施形態のパッカースケール100における被計量物の計量制御に係る投入動作、計量動作および排出動作の一例を示す。
まず、作業者が、被計量物を供給口12からサービスホッパ20内に投入する。なお、このとき、パッカースケール100に用いられるゲートは全て閉じられている。
すると、供給口12からの被計量物は、その自重によりサービスホッパ20の下方に向かって落下し、サービスホッパ20内に堆積する。サービスホッパ20内の被計量物が、所定の鉛直高さH(図1参照)にまで堆積したとき、被計量物が、左右の中継部40、60のそれぞれにもこれらの開口部40D、60Dを介して自重落下し始める。すると、図5に示すように、開口部60Dからの被計量物は、中継部60の下端部において中継部60から第1、第2および第3中投入分岐部60A、60B、および60Cに振り分けられて自重落下し、その結果、被計量物が、第1、第2および第3中投入シュート61、62、および63のそれぞれに堆積する。
また、図6に示すように、開口部40Dからの被計量物は、中継部40の下端部において中継部40から第4中投入分岐部40Bおよび小投入分岐部40Aに振り分けられて自重落下し、その結果、被計量物が、第4中投入シュート43およびロスイン投入シュート41のそれぞれに堆積する。最終的には、サービスホッパ20および中継部40、60のそれぞれの内部に被計量物が満たされるよう、供給口12から被計量物を投入する。
以上の被計量物の投入動作、計量動作および排出動作の準備作業が完了すると、パッカースケール100の動作開始ボタン(図示せず)が押されることにより、指示制御器71、72、73が、パッカースケール100の各部の動作を実行するための制御プログラムに基づいて、以下の動作をパッカースケール100の各部を制御しながら実行する。
まず、大投入計量部10では、大投入カットゲート15A、15Bが、サービスホッパ20の排出口を開放させるように動く。すると、図9(a)および図9(b)に示すように、サービスホッパ20内の被計量物が、大投入計量ホッパ21内にボリューム投入(供給)される。
このとき、指示制御器71は、大投入カットゲート15A、15Bの開度およびサービスホッパ20の排出口の開放時間を制御することにより、大投入計量ホッパ21への被計量物のボリューム投入重量MBを被計量物の嵩密度に基づいて被計量物の目標重量MTを僅かに下回る重量(例えば、目標重量MTの98%程度)に調整することができる。
つまり、指示制御器71は、大投入カットゲート15A、15Bを用いて、大投入計量ホッパ21に、目標重量MT未満の適量(ボリューム投入重量MB)の被計量物をタイマー充填により供給する。そして、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4での計量安定待ち時間T1が経過すると、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれからの出力信号に基づいてボリューム投入重量MBを演算する。これにより、目標重量MTの不足重量(目標重量MT−ボリューム投入重量MB)を演算し、その結果、ロスインホッパ42からの被計量物のロスイン排出重量MR(図7(b)参照)を決定でき、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44での最適な組合せを選択できる。
その後、図8に示すように、指示制御器71は、適時に大投入計量ホッパゲート18A、18Bを用いて大投入計量ホッパ21の排出口を開放させ、この排出口から被計量物をボリューム排出する。
また、第1中投入計量部50Aでは、大投入計量ホッパ21に対して被計量物のボリューム投入が行われている間、第1中投入カットゲート54が移動して第1中投入シュート61の排出口を開放させる。これにより、第1中投入シュート61内の被計量物が、第1中投入計量ホッパ64内に中投入(供給)される。
このとき、指示制御器73は、第1中投入シュート61の排出口の開放時間を制御することにより、第1中投入計量ホッパ64への被計量物の投入重量S1を調整する。つまり、ここでの投入重量S1は、被計量物の嵩密度に基づき所定の比率で調整された重さとなる。そして、ロードセルLC5での計量安定待ち時間T2が経過すると、ロードセルLC5からの出力信号に基づいて実際の被計量物の投入重量S1を求める。
投入重量S1を求めた後に、指示制御器73が組合せ演算に基づいて第1中投入計量ホッパ64を組合せ対象として選択した場合、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)第1中投入計量ホッパゲート67を移動させて第1中投入計量ホッパ64の排出口を開放させる。このようにして、第1中投入計量ホッパ64の排出口から被計量物を組合せ選択排出させる。
また、第3中投入計量部50Cでは、大投入計量ホッパ21に対して被計量物のボリューム投入が行われている間、第3中投入カットゲート56が移動して第3中投入シュート63の排出口を開放させる。これにより、第3中投入シュート63内の被計量物が、第3中投入計量ホッパ66内に中投入(供給)される。
このとき、指示制御器73は、第3中投入シュート63の排出口の開放時間を制御することにより、第3中投入計量ホッパ66への被計量物の投入重量S2を、被計量物の嵩密度に基づいて所定の比率の重さ(例えば、上記投入重量S1の2倍)に調整することができる。なお、この場合、第3中投入シュート63の排出口の開放時間は、投入重量S2が投入重量S1の2倍なので、第1中投入シュート61の排出口の開放時間よりも長くなる。そして、ロードセルLC7での計量安定待ち時間T3が経過すると、指示制御器73は、ロードセルLC7からの出力信号に基づいて、実際の被計量物の投入重量S2を求める。
投入重量S2を求めた後、指示制御器73が組合せ演算に基づいて第3中投入計量ホッパ66を組合せ対象として選択した場合、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)第3中投入計量ホッパゲート69を移動させて第3中投入計量ホッパ66の排出口を開放させる。このようにして、第3中投入計量ホッパ66の排出口から被計量物を組合せ選択排出させる。
また、第2中投入計量部50Bでは、大投入計量ホッパ21に対して、被計量物のボリューム投入が行われている間に、第2中投入カットゲート55が移動して第2中投入シュート62の排出口を開放させる。これにより、第2中投入シュート62内の被計量物が、第2中投入計量ホッパ65内に中投入(供給)される。
このとき、指示制御器73は、第2中投入シュート62の排出口の開放時間を制御することにより、第2中投入計量ホッパ65への被計量物の投入重量S3を、被計量物の嵩密度に基づいて所定の比率の重さ(例えば、上記投入重量S1の4倍)に調整する。なお、この場合、第2中投入シュート62の排出口の開放時間は、投入重量S3が投入重量S1の4倍なので、第1中投入シュート61の排出口の開放時間および第3中投入シュート63の排出口の開放時間よりも長くなる。
そして、ロードセルLC6での計量安定待ち時間T4が経過すると、指示制御器73は、ロードセルLC6からの出力信号に基づいて、実際の被計量物の投入重量S3を求める。
投入重量S3を求めた後、指示制御器73が組合せ演算に基づいて第2中投入計量ホッパ65を組合せ対象として選択した場合、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)第2中投入計量ホッパゲート68を移動させて第2中投入計量ホッパ65の排出口を開放させる。このようにして、第2中投入計量ホッパ65の排出口から被計量物を組合せ選択排出させる。
また、第4中投入計量部50Dでは、大投入計量ホッパ21に対して被計量物のボリューム投入が行われている間に、第4中投入カットゲート37が移動して第4中投入シュート43の排出口を開放させる。これにより、第4中投入シュート43内の被計量物が、第4中投入計量ホッパ44内に中投入(供給)される。
このとき、指示制御器73は、第4中投入シュート43の排出口の開放時間を制御することにより、第4中投入計量ホッパ44への被計量物の投入重量S4を、被計量物の嵩密度に基づいて所定の比率の重さ(例えば、上記投入重量S1の8倍)に調整する。なお、この場合、第4中投入シュート43の排出口の開放時間は、投入重量S4が投入重量S1の8倍なので、第1中投入シュート61の排出口の開放時間および第3中投入シュート63の排出口の開放時間よりも長くなる。
そして、ロードセルLC7での計量安定待ち時間T5が経過すると、指示制御器73は、ロードセルLC7からの出力信号に基づいて、実際の被計量物の投入重量S4を求める。
投入重量S4を求めた後、指示制御器73が組合せ演算に基づいて第4中投入計量ホッパ44を組合せ対象として選択した場合、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)第4中投入計量ホッパゲート38を移動させて第4中投入計量ホッパ44の排出口を開放させる。このようにして、第4中投入計量ホッパ44の排出口から被計量物を組合せ選択排出させる。
また、小投入計量部30では、ロスイン投入ゲート31を用いてロスイン投入シュート41の排出口を開放する。これにより、ロスイン投入シュート41内の被計量物が、ロスインホッパ42内にロスイン投入(供給)される。
このとき、指示制御器72は、ロスインホッパ42を支持するロードセルLC8からの出力信号を監視し、ロスインホッパ42への被計量物の投入重量が、被計量物の不足重量分(例えば、前回のサイクルで使用した重量分)に達したときに、ロスイン投入ゲート31を用いてロスイン投入シュート41の排出口を閉める。そして、ロスイン投入におけるロードセルLC8での計量安定待ち時間T7が経過すると、指示制御器72は、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)ロスイン排出ゲート32を用いてロスインホッパ42の排出口を開放させ、ロードセルLC8からの出力信号に基づいて被計量物のロスイン計量の演算を行いながら、この排出口から少量(例えば、上記投入重量S1未満)の被計量物をロスイン排出する。
なお、ロスイン排出後、ロードセルLC8での計量安定待ち時間(例えば、計量安定待ち時間T6)経過後に、再び、ロスイン投入シュート41内の被計量物が、ロスインホッパ42内にロスイン投入(供給)される。
(パッカースケールにおける排出制御)
ところで、集合シュート22で集合させられた被計量物を、包装機が備える容器29内に充填させる場合、集合シュート22の排出口である集合シュート排出口23や、容器29内に充填するための充填口は容器等の形状に起因して、集合シュート22の上端部の口径よりもかなり小さくなる。このため、集合シュート22で集合させられた被計量物は、集合シュート排出口23および充填口近傍で詰まってしまう場合がある。このように、被計量物が詰まってしまうと容器29への被計量物の充填に大きく時間がかかってしまう。つまり、パッカースケール100から包装機への被計量物の受け渡しに大きく時間がかかってしまう。
そこで、本実施の形態に係るパッカースケール100は、その特徴的な構成として、以下に示すように、集合シュート排出口23の下方に、被計量物を容器29に充填するタイミングを調整するためのゲート(第1ゲート83、第2ゲート84、および第3ゲート85)を有する分散シュート80をさらに設けた構成となっている。
以下に、分散シュート80を介して容器29に被計量物を充填する充填処理について、図10および図11を参照してより具体的に説明する。
本実施の形態に係るパッカースケール100では、上述したように集合シュート排出口23の下方に、第1流路81および第2流路82からなる分散シュート80が配置されている。
すなわち、分散シュート80は、図1または図10に示すように、集合シュート排出口23からパッカースケール100の左下方向に延設した筒状の流路である第1流路81と、右下向に延設した筒状の流路である第2流路81とを備えた、二股に分かれた形状をしている。
そして、第1流路81の端部、すなわち第1排出口81Aの真下には、該第1排出口81Aの開閉を行なう第1ゲート83が備えられている。また、第2流路82の中間位置には第2流路82の筒内を開閉する第2ゲート84と、第2流路82の端部、すなわち第2排出口82Aの真下には、該第2排出口82Aの開閉を行なう第3ゲート85とが備えられている。
第1ゲート83、第2ゲート84、および第3ゲート85それぞれは、第1流路81および第2流路82それぞれの断面を塞ぐように形成された板であり、水平方向に移動することで第1流路81および第2流路82における開閉動作を行う。
より具体的には、これら第1ゲート83、第2ゲート84、および第3ゲート85それぞれによる第1流路81および第2流路82の開閉動作は以下のようにして実施される。
すなわち、包装機が備える容器29が第1流路81の真下に配置されたとき、その旨を伝える通知を、包装機から指示制御器78が受信する。指示制御器78は、包装機からの通知に応じて、第1ゲート開閉制御部75に第1ゲート83を開くように指示するとともに、第2ゲート開閉制御部76に第2ゲートを開くように指示する。
指示制御器78からの指示に応じて、第1ゲート開閉制御部75は、第1ゲート83を水平方向に移動させて第1流路81の第1排出口81Aを開く。同様に、第2ゲート開閉制御部76も、第2ゲート84を水平方向に移動させて第2流路82の塞いでいた中間位置を開放させる。
これにより、第1流路81内に導かれていた被計量物は容器29に充填され、同時に第2流路82に導かれ、該第2流路82の中間位置でせき止められていた被計量物は第2流路82の第2排出口82Aまで移動することができる。
以上のように、第1流路81を介して容器29に被計量物が充填されるとともに、第2流路82の中間位置でせき止められていた被計量物が第2排出口82Aまで移動すると、指示制御器78は、第1ゲート開閉制御部75に第1ゲート83を閉じるように指示するとともに、第2ゲート開閉制御部76に第2ゲート84を閉じるように指示する。この指示制御器78からの指示に応じて、第1開閉制御部75は、第1排出口81Aを塞ぐように第1ゲート83を水平方向に移動させるとともに、第2開閉制御部76は、第2流路82の略中間位置を塞ぐように第2ゲート84を水平方向に移動させる。
なお、第1流路81および第2流路82それぞれにはパッカースケール100から排出された被計量物のうちの約半分ずつが導かれるようになっている。そして、第1流路81の第1排出口81Aから容器29へ被計量物を排出するまでに必要な時間(t2)、もしくは第2流路82の中間位置から第2排出口82Aまで被計量物が移動に必要な時間(t2)は予め分かっている。そこで、指示制御器78は、容器29への被計量物の排出開始時点からの経過時間を計測し、該時間(t2)に到達したら、上述した第1ゲート83および第2ゲート84をそれぞれ閉じるように第1ゲート開閉制御部75および第2ゲート開閉制御部76それぞれに指示を出す。
なお、図11に示すように、本実施形態では、第1流路81の第1排出口81Aから容器29へ被計量物を充填(排出)するまでに必要な時間と、容器29が停止している時間とは同じ時間(t2)となるものとして説明する。
さらに、第1流路81の第1排出口81Aから容器29へ被計量物を充填(排出)するまでに必要な時間と、第2流路82の中間位置から第2排出口82Aまで被計量物が移動に必要な時間とも同じ時間(t2)となるものとして説明している。しかしながら、両者の時間が異なっていてもよい。もし、両者の時間が異なっている場合、指示制御器78は、遅い方の時間を基準にして、第1ゲート83および第2ゲート84を閉じるように指示する構成であってもよい。あるいは、第1流路81の第1排出口81Aから容器29へ被計量物を充填(排出)するまでに必要な時間の経過後に第1ゲート83を閉じ、第2流路82の略中間位置から第2排出口82Aまで被計量物が移動するのに必要な時間の経過後に第2ゲート84を閉じるように構成されていてもよい。
次に、第1流路81を介して被計量物が充填された容器29が第2流路82の真下位置まで移動すると、指示制御器78は、第3ゲート開閉制御部77に第3ゲート85を開くように指示する。なお、第1流路81の第1排出口81Aの真下位置から第2流路82の第2排出口82Aの真下位置まで容器29が移動するのに要する時間(t4)は予め分かっている。そこで、指示制御器78は、容器29への被計量物の充填(排出)が完了した時点からの経過時間を計測し、該時間(t4)に到達したら、上述した第3ゲート85を開くように第3ゲート開閉制御部77に指示を出す。
指示制御器78からの指示に応じて、第3ゲート開閉制御部77は、第3ゲート85を水平方向に移動させて第2流路82の第2排出口82Aを開く。これにより、第2流路82に導かれた被計量物が容器29に充填され、結果的に、パッカースケール100で計量され、集合シュート22にて集合させられた被計量物の全てが容器29に充填されることとなる。
次に図11を参照して、上述した分散シュート80と容器29との間における、被計量物の排出処理について、パッカースケール100の計量動作と、第1ゲート83、第2ゲート84および第3ゲート85の開閉動作と、容器29の移動動作とを対応づけてより詳細に説明する。
まず、パッカースケール100は上述したように複数の計量パッカーを備え、それぞれで投入から排出までの時間が異なっていた。そこで図11では、説明を簡便化するため、大投入計量部10、中投入計量部50、および小投入計量部30のうち、もっとも被計量物の投入、計量および排出に時間がかかる計量部を代表させて、パッカースケール100の動作を示すものとする。また、排出として示す期間(t0)は、計量ホッパ内に保持されている被計量物が該計量ホッパ内から出始めるタイミングから全て出てしまうタイミングまでの間であって、容器29にすべての被計量物が排出され、収容される期間を含むものではない。
図11に示すように、パッカースケール100における計量部への被計量物の投入・計量(t1)と被計量物の排出(t0)とを合わせた期間がパッカースケール100の動作サイクルとなる。また、容器29が第1流路81の真下で停止している時間(t2)、第1流路81から第2流路82の真下位置まで移動する時間(t4)、第2流路82の真下で停止している時間(t2)と、をあわせた期間が包装機における容器充填サイクルとなる。
まず、パッカースケール100が被計量物を排出している期間(t0)では、第1ゲート83および第2ゲート84は、閉じられた状態にあるため、パッカースケール100から排出された被計量物のうちの、約半分が第1排出口81Aに、残りの約半分が第2流路82の略中間位置で保持される。
また、容器(容器A)29が第1排出口81Aの真下に配置されたタイミングで第1ゲート83および第2ゲート84を開くように第1ゲート開閉制御部75および第2ゲート開閉制御部76は動作する。そして、指示制御部78からの指示に応じて、第1ゲート開閉制御部75は、t2経過後に第1ゲートを閉じるように動作し、第2ゲート開閉制御部76は、t2経過後に第2ゲートを閉じるように動作する。
これにより、パッカースケール100において排出された被計量物のうちの、約半分が第1排出口81Aから容器29に充填される。また、残りの約半分が第2流路82の中間位置から第2流路の第2排出口82Aで保持される。
また、t2の間、第1流路81の真下位置で停止していた容器29は、包装機によって第2流路82の真下位置に移動させられる(t4)。
また、第1流路81から導かれた被計量物の容器29への充填(排出)が完了してからt4の時間、すなわち容器29の移動に要する時間が経過すると、第3ゲート開閉制御部77は、指示制御部78からの指示に応じて、第3ゲート85を水平移動させて第2流路82の第2排出口82Aを開放させた状態とする。
これにより、パッカースケール100において排出された被計量物のうちの、残りの約半分が第2排出口82Aから容器29に充填される。
以上のように、本実施の形態に係るパッカースケール100は、第1ゲート83、第2ゲート84、第3ゲート85、第1ゲート開閉制御部75、第2ゲート開閉制御部76、および第3ゲート開閉制御部77を備えるため、パッカースケール100から排出された被計量物を所望のタイミングで適切に容器29に充填させることができる。
また、集合シュート22の下に分散シュート80を設け、容器29に充填させる被計量物を分散させることができる。このため、集合シュート22で集合させられた被計量物が、集合シュート22の集合シュート排出口23および容器29への充填口近傍で詰まってしまうことを防ぐことができる。このため、パッカースケール100から包装機への被計量物の受け渡しにかかる時間を短縮することができる。
なお、本実施の形態に係るパッカースケール100では、分散シュート80の第1流路81に第1ゲート83を、第2流路82に第2ゲート84および第3ゲート85を備える構成であったがゲートの配置はこれに限定されるものではない。
例えば、上述したようにパッカースケール100では、包装機からの指示に応じて、各計量部から被計量物の排出を行うように構成されていた。このため、パッカースケール100の被計量物の排出開始時点には容器29を第1流路81の真下に配置できるように構成されている場合、第1流路81に備えた第1ゲートを省略することができる。
また、本実施の形態に係る分散シュート80は、第1流路81と第2流路82との2又に分岐する構成であったが、この構成に限定されるものではない。例えば、さらに第3分岐部を備え、パッカースケール100から排出された被計量物を第1流路81、第2流路82、および第3分岐部それぞれに分散させて導き、それぞれの分岐部の排出口(充填口)から異なるタイミングで容器29に被計量物を排出するように構成してもよい。
(変形例)
上記したパッカースケール100では、集合シュート22の下方に分散シュート80を設け、分散シュート80に第1ゲート83、第2ゲート84、および第3ゲート85を備えた構成であった。さらには、上記した第1ゲート83、第2ゲート84、および第3ゲート85による開閉動作を制御する第1ゲート開閉制御部75、第2ゲート開閉制御部76、および第3ゲート開閉制御部77を備えた構成であった。
このパッカースケール100の構成において、分散シュート80、第1ゲート83、第2ゲート84、第3ゲート85、第1ゲート開閉制御部75、第2ゲート開閉制御部76、および第3ゲート開閉制御部77の代わりに、集合シュート22(集合シュート排出口23)の下方に排出ホッパ86を備えた構成としてもよい(図12参照)。換言すると、本発明の排出制御手段として排出ホッパ86を備えた構成としてもよい。
以下において、本実施の形態に係るパッカースケール100の変形例として、排出ホッパ86を備えたパッカースケール100について説明する。
なお、分散シュート80、第1ゲート83、第2ゲート84、第3ゲート85、第1ゲート開閉制御部75、第2ゲート開閉制御部76、および第3ゲート開閉制御部77の代わりに排出ホッパ86を備える点を除き、それ以外の構成は上記した本実施の形態に係るパッカースケール100と同様である。このため、排出ホッパ86以外の部材についての説明は省略する。
排出ホッパ86は、集合シュート排出口23の下方に設けられ、集合シュート22で集合された被計量物の容器29への排出タイミングを調整するものである。より具体的には、図12に示すように排出ホッパ86は、上述した大投入計量ホッパ21と同様な構成をしているホッパとして実現することができる。
すなわち、排出ホッパ86は、排出ホッパ本体86Aと一対の排出ホッパゲート88A、88B(排出ゲート)とを備え、集合シュート22で集合させられた被計量物を一時保持し、その下方に配置された充填口89を介して容器29へ被計量物を排出する。
排出ホッパゲート88A、88Bはそれぞれ公知のトグル機構を備えるリンク部を用いて左右にスイング移動可能に構成されている。つまり、排出ホッパゲート88A、88Bが、左右に2分されるように、リンク部が、ロータリアクチュエータ87の駆動力を用いて移動する。
ロータリアクチュエータ87の駆動は、指示制御器78により制御されている。すなわち、指示制御器78が、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取ると、排出ホッパ86の排出口が開放されるように排出ホッパゲート88A、88Bを制御し、計量後の被計量物を、充填口89を介して容器29に充填(排出)する。
以上のように、排出ホッパ86を備えることにより、パッカースケール100の各計量部で計量され排出された被計量物を集合シュート22からまとめて、適切なタイミングで容器29に向かって排出することができる。
また、上記実施形態においては、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44に投入する被計量物の量を、対応する、第1、第2、第3、および第4カットゲート54、55、56、および37のゲート開放時間で制御する態様について説明したが、これに限られない。例えば、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44への被計量物の投入制御態様として、被計量物を投入しながらこれら第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44それぞれでの、該被計量物の重量を計量することにより制御する態様を採用してもよい。例えば、第1、第2、第3、および第4カットゲート54、55、56、および37の開放中に、所定時間間隔ごとに第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44内の被計量物の重量を計量し、これによって得られた複数の計量値から目標重量に到達する時間を予測する。例えば、複数の計量値に移動平均等の平滑化処理を行うことにより、計量重量の経時変化の割合が求められ、当該割合から目標重量に到達する時間が演算により求められる。このようにして予測された目標重量に到達する時間に基づいて第1、第2、第3、および第4カットゲート54、55、56、および37の閉鎖制御が行われる。なお、このような場合でも、最終的には第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44それぞれに投入された被計量物の重量を計量安定待ち時間経過後に再度、正確に計量する。
また上記実施形態のように、第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44への被計量物の投入制御をゲート開放時間のみで制御する場合、被計量物の粘性の変化や外部の衝撃等の影響により投入される被計量物の重量には比較的大きなばらつきが生じることがある。これに対し、投入中の被計量物の重量に基づいて被計量物の投入制御を行う構成の場合、被計量物の投入重量のばらつきを抑え、計量装置全体の処理速度を落とすことなく高精度な計量を行うことができる。
また、大投入計量ホッパ21への被計量物の投入制御についても、上記実施形態のようゲート開放時間のみで制御する構成に限定されるものではない。上記した第1、第2、第3、および第4中投入計量ホッパ64、65、66、および44への被計量物の投入制御と同様に計量物を投入しながら大投入計量ホッパ21での、該被計量物の重量を計量することにより制御する態様を採用してもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。