JP2014032072A - ケーブル診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】有線のケーブルを用いたT型終端等価回路において、ネットワークの複数箇所の故障診断を行うことができるケーブル診断装置を提供する。
【解決手段】3つのインピーダンス素子のT型終端等価回路で終端されるケーブルのケーブル診断装置11であって、ケーブルに対しての差動モードインピーダンスとコモンモードインピーダンスと複数のシングルエンドインピーダンスとの収束値と3つのインピーダンス素子が取りうる値とを対応させたインピーダンス一覧表を格納するインピーダンステーブル格納部14と、TDR計測器1の計測部10が測定した上記各々のインピーダンスとの収束値と、インピーダンステーブル格納部14に格納されている前記一覧表とを照合するインピーダンス判断部13と、それらの照合結果から3つのインピーダンス素子の状態を決定する状態決定部15と、決定された状態から複数箇所の故障診断するケーブル状態診断部16とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】3つのインピーダンス素子のT型終端等価回路で終端されるケーブルのケーブル診断装置11であって、ケーブルに対しての差動モードインピーダンスとコモンモードインピーダンスと複数のシングルエンドインピーダンスとの収束値と3つのインピーダンス素子が取りうる値とを対応させたインピーダンス一覧表を格納するインピーダンステーブル格納部14と、TDR計測器1の計測部10が測定した上記各々のインピーダンスとの収束値と、インピーダンステーブル格納部14に格納されている前記一覧表とを照合するインピーダンス判断部13と、それらの照合結果から3つのインピーダンス素子の状態を決定する状態決定部15と、決定された状態から複数箇所の故障診断するケーブル状態診断部16とを備える。
【選択図】図3
Description
この発明は、有線のケーブルを用いたネットワークの故障を診断するケーブル診断装置に関するものである。
有線ネットワークにおいては、ケーブルの状態が伝送品質に影響する。例えばケーブルの簡単な異常例としてはショート(短絡)や断線(開放)がある。そこで、ケーブル診断方法の一つとして、TDR(Time Domain Reflectometry)法と呼ばれる方法がある。
例えば、特許文献1には、測定対象物に所定のパルスを送出して反射パルスを用いることが試みられており、正常時とのパルス反射時間の差を見て断線状態を判断する手法が開示されている最も基本的なTDR法を用いたアイデアが開示されている。また、特許文献2には、反射信号が予め用意された正常範囲を示す上限値や下限値を超えたら信号線が異常であることを知らせる手法が開示されている。さらに、特許文献3には、TDR法を用いて、故障モードと仮想の故障位置を自動的に変更しながら、演算された反射波形と実測された反射波形とを自動的に比較し、一定条件での一致がとれたときにその故障モードおよび仮想の故障位置を表示することにより、人手を介入することなく、かつ人為的な誤差を招くことなく、故障位置を推定する手法が開示されている。
上述の特許文献1では、断線箇所しか特定できない問題があり、人手による介在が必要であり、人為的な測定誤差を生じる可能性が起きるという問題があった。これに対し、上述の特許文献2,3では、故障判定は自動化されている。しかしながら、測定対象が初めから故障を抱えている場合を想定していないという問題があり、正常時の測定データが必要であった。また、特許文献1〜3では、複数箇所で起きている故障を検知できず、単一故障しか検知できないという問題があった。
これに対し、非特許文献1には、差動信号線路と終端抵抗から構成されるネットワークをπ型終端等価回路で表すことにより断線と短絡の複合故障を見つける手法が開示されている。
これに対し、非特許文献1には、差動信号線路と終端抵抗から構成されるネットワークをπ型終端等価回路で表すことにより断線と短絡の複合故障を見つける手法が開示されている。
電子情報通信学会総合大会2011年予稿集A−9−3
しかしながら、例えば非特許文献1のような従来例では、複数箇所で起きている故障を検知できたとしても、想定されうるインピーダンス素子の組み合わせパターンに冗長性が多いため、インピーダンス素子の組み合わせパターンを保存するデータ格納部(メモリ等の記憶領域)を多く必要とするという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、有線のケーブルを用いたT型終端等価回路において、インピーダンス素子の取りうる組み合わせパターンを記憶する領域を小さくしてネットワークの複数箇所の故障診断を行うことができるケーブル診断装置を提供することを目的とする。
この発明に係るケーブル診断装置は、3つのインピーダンス素子とケーブルを介して接続されるT型終端等価回路のTDR計測器のケーブル診断装置であって、前記ケーブルに対しての差動モードインピーダンスとコモンモードインピーダンスと複数のシングルエンドインピーダンスとの収束値と前記3つのインピーダンス素子が取りうる値とを対応させたインピーダンス一覧表を格納するインピーダンステーブル格納部と、前記TDR計測器の計測部が測定した前記ケーブルに対しての差動モードインピーダンスとコモンモードインピーダンスと複数のシングルエンドインピーダンスとの収束値と、前記インピーダンステーブル格納部に格納されているインピーダンス一覧表とを照合するインピーダンス判断部と、前記インピーダンス判断部で照合された前記収束値の照合結果から前記3つのインピーダンス素子の状態を決定する状態決定部と、前記状態決定部で決定された前記3つのインピーダンス素子の状態から複数の故障箇所と故障状態を診断するケーブル状態診断部とを備えたことを特徴とするものである。
この発明によれば、従来のようなπ型終端等価回路の場合よりも、想定されうるインピーダンス素子の組み合わせパターンが少なくなることにより、想定されうるインピーダンス素子の組み合わせテーブルを格納するメモリ等の記憶領域を少なくでき、ケーブル診断装置を縮小化することができる。
以下、この発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るケーブル診断装置を備えたTDR計測器と3つのインピーダンス素子がケーブルによって接続されたT型終端等価回路の構成図である。
図2は、TDR計測器をネットワークに接続した一般的な構成図である。
図2に示すように、TDR計測器1は通常ネットワークの端に設置される。
TDR計測器1内には差動信号線21に対してTDR計測をするための波源91と、差動信号線22に対してTDR計測をするための波源92が内蔵されている。図2では、1本のケーブル2に通信端末4が端子台41を通じて多点接続され、ケーブル2は2本1組の差動信号線21,22と1本のシールド線23から構成されており、ケーブル2の終端には終端抵抗24が接続されている。TDR計測を行わない通常の信号をやりとりしている場合は、TDR計測器1の位置に差動信号線21と差動信号線22を接続する形で終端抵抗24が接続されている。差動信号線21,22の特性インピーダンスは、例えば通常単線ではR[Ω]とする。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るケーブル診断装置を備えたTDR計測器と3つのインピーダンス素子がケーブルによって接続されたT型終端等価回路の構成図である。
図2は、TDR計測器をネットワークに接続した一般的な構成図である。
図2に示すように、TDR計測器1は通常ネットワークの端に設置される。
TDR計測器1内には差動信号線21に対してTDR計測をするための波源91と、差動信号線22に対してTDR計測をするための波源92が内蔵されている。図2では、1本のケーブル2に通信端末4が端子台41を通じて多点接続され、ケーブル2は2本1組の差動信号線21,22と1本のシールド線23から構成されており、ケーブル2の終端には終端抵抗24が接続されている。TDR計測を行わない通常の信号をやりとりしている場合は、TDR計測器1の位置に差動信号線21と差動信号線22を接続する形で終端抵抗24が接続されている。差動信号線21,22の特性インピーダンスは、例えば通常単線ではR[Ω]とする。
図2に示すような一般的なネットワークを、この発明の実施の形態1に係るケーブル診断装置を備えたTDR計測器と3つのインピーダンス素子がケーブルによって接続されたT型終端等価回路で表すと図1のような3つのインピーダンス素子104〜106と、それらを接続する差動信号線21,22に接続される電源911,921の2電源を持つ差動伝送路と考えることができる。
図12は、非特許文献1のπ型終端回路を持つモデルである。比較対象として図12を示す。図12のπ型終端回路では、5つのインピーダンス素子111〜115が接続されている点が図1とは異なる。図1において、プラスのステップ波を出力する電源911及び内部抵抗931と、マイナスのステップ波を出力する電源921及び内部抵抗931から、それぞれインピーダンス素子104とインピーダンス素子105が接続されており、インピーダンス素子104とインピーダンス素子105の間にはインピーダンス素子(シールド線23と繋がるグラウンド接続パーツ)106が接続されている。
正常状態では、インピーダンス素子104とインピーダンス素子105は差動信号線21,22と同じ特性インピーダンスを持つ抵抗値(例えばR[Ω])であり、インピーダンス素子106は開放状態(∞[Ω])である。すなわち、インピーダンス素子104とインピーダンス素子105の二つがそれぞれR[Ω]でかつ、インピーダンス素子106が開放(∞[Ω])のとき、正常状態と言える。
図3は、この発明の実施の形態1に係るケーブル診断装置を備えたTDR計測器の構成図である。
図3において、TDR計測器1は、計測部10とケーブル診断装置11を備える。また、ケーブル診断装置11は、インピーダンス判断部13、インピーダンステーブル格納部14、状態決定部15及びケーブル状態診断部16を備えている。
TDR計測器1の計測部10は、差動信号線21,22に対しての4つの特性インピーダンス(差動モードインピーダンスZdiff、コモンモードインピーダンスZcomm、2本の差動信号線21,22に対する複数のシングルエンドインピーダンスZp,Zn)を測定し、収束値にしてインピーダンス判断部13に送る。
図3において、TDR計測器1は、計測部10とケーブル診断装置11を備える。また、ケーブル診断装置11は、インピーダンス判断部13、インピーダンステーブル格納部14、状態決定部15及びケーブル状態診断部16を備えている。
TDR計測器1の計測部10は、差動信号線21,22に対しての4つの特性インピーダンス(差動モードインピーダンスZdiff、コモンモードインピーダンスZcomm、2本の差動信号線21,22に対する複数のシングルエンドインピーダンスZp,Zn)を測定し、収束値にしてインピーダンス判断部13に送る。
ケーブル診断装置11のインピーダンステーブル格納部14は、ケーブル2に対しての差動モードインピーダンスとコモンモードインピーダンスと複数のシングルエンドインピーダンスとの収束値と3つのインピーダンス素子104〜106が取りうる値とを対応させたインピーダンス一覧表を格納する。
ケーブル診断装置11のインピーダンス判断部13は、TDR計測器1の計測部10が測定したケーブル2に対しての差動モードインピーダンスとコモンモードインピーダンスと複数のシングルエンドインピーダンスとの収束値と、インピーダンステーブル格納部14に格納されているインピーダンス一覧表とを照合する。
ケーブル診断装置11の状態決定部15は、インピーダンス判断部13で照合された収束値の照合結果から3つのインピーダンス素子104〜106の状態を決定する。
ケーブル診断装置11のケーブル状態診断部16は、状態決定部15で決定された3つのインピーダンス素子104〜106の状態から複数の故障箇所と故障状態、すなわちどこでどのような故障(短絡、断線)が起きているかを診断する。
ケーブル診断装置11のインピーダンス判断部13は、TDR計測器1の計測部10が測定したケーブル2に対しての差動モードインピーダンスとコモンモードインピーダンスと複数のシングルエンドインピーダンスとの収束値と、インピーダンステーブル格納部14に格納されているインピーダンス一覧表とを照合する。
ケーブル診断装置11の状態決定部15は、インピーダンス判断部13で照合された収束値の照合結果から3つのインピーダンス素子104〜106の状態を決定する。
ケーブル診断装置11のケーブル状態診断部16は、状態決定部15で決定された3つのインピーダンス素子104〜106の状態から複数の故障箇所と故障状態、すなわちどこでどのような故障(短絡、断線)が起きているかを診断する。
図4は、この発明の実施の形態1に係るケーブル診断装置が参照する4つのTDR測定結果と3つのインピーダンス素子値とインピーダンス素子故障数の対応表である。すなわち、この図4に示す対応表が、インピーダンステーブル格納部14に格納されているインピーダンス一覧表であり、インピーダンス判断部13が、差動モードインピーダンスとコモンモードインピーダンスと複数のシングルエンドインピーダンスとの収束値との照合を行うインピーダンス一覧表である。
図4の左側(素子104から素子106の列)には、故障ではない短絡状態を“0”、故障ではない開放状態を“∞”、伝送線路の特性インピーダンス値をRと示しており、故障状態の場合を“開放”や“短絡”と示している。なお、同相(同符号)のステップ状電圧を印加するコモンモードでコモンモードインピーダンスを測定するときのみ、マイナスのステップ波を出力する電源921の代わりにプラスのステップ波を出力する電源911が設置されるため、プラスのステップ波を出力する電源911が2個設置されることになる。
図4に示すインピーダンス表と測定値との照合にあたっては、例えば4つのTDR測定結果の値のプラスマイナス10%の間に図4に示すインピーダンス表の値が収まっていれば、インピーダンス表の値と測定値が対応しているとみなす。ただし、10%とは例えばの値であり、20%でもそれ以外でも良い。また、インピーダンス素子の数により、4つのTDRの測定結果の組み合わせは何通りも考えられるが、実際には図4の一番右の列に示す20パターンしか取りえない。例えば、図4に示すように、インピーダンス素子104〜106に着目すると、3素子が3通りの値を取るので、3の3乗で27通りのインピーダンス値の組み合わせがあるのだが、図4の一番右の列に示す通り27パターン中20パターンの識別が可能となり、冗長性が低く多種な故障判別が可能となる。
図12は、非特許文献1のアイデアで使われる5つのインピーダンス素子が取り得る48通りのネットワーク状況対応表である。
非特許文献1のような従来のπ型終端等価回路では、図12に示すように、想定されるインピーダンス素子値のパターン数が48パターンもあったが、この実施の形態1に係るケーブル診断装置11と接続されたT型終端等価回路では、図4に示すように、インピーダンス素子104〜106が取り得るパターンは27パターンに減ったため、パターン数が削減されたことにより、ケーブル診断装置11で組み合わせパターンを記憶するインピーダンステーブル格納部14の縮小化が見込める。
非特許文献1のような従来のπ型終端等価回路では、図12に示すように、想定されるインピーダンス素子値のパターン数が48パターンもあったが、この実施の形態1に係るケーブル診断装置11と接続されたT型終端等価回路では、図4に示すように、インピーダンス素子104〜106が取り得るパターンは27パターンに減ったため、パターン数が削減されたことにより、ケーブル診断装置11で組み合わせパターンを記憶するインピーダンステーブル格納部14の縮小化が見込める。
以上のように、この発明の実施の形態1に係るケーブル診断装置11は、π型終端等価回路の場合よりも想定され得るインピーダンス素子104〜106の組み合わせパターンが少なくなることにより、参照テーブルを格納するメモリ等の記憶領域を少なくでき、装置の縮小化をはかれる。
また、ケーブル診断をTDR計測器1が行うことにより、故障診断が簡単になる。すなわち、計測器が上記のように故障内容を判断するため、機械が故障を判断でき、計測初心者でもケーブル診断できる。また、予め正常時のデータを必要としない。この実施の形態1に係るケーブル診断装置11によれば、複数箇所にて起きている故障の判別ができるだけでなく、インピーダンス値を正確に読み取る必要が無いため測定の個人差や誤差が生じることも無い。
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2に係るケーブル診断装置を備えたTDR計測器の構成図である。
実施の形態1で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
以下に示す実施の形態2では、実施の形態1と比べて4つのTDR測定結果を3値に変換する3値変換部12が追加されている。
図5において、3値変換部12は、TDR計測器1の計測部10が測定したケーブル2に対しての差動モードインピーダンスとコモンモードインピーダンスと複数のシングルエンドインピーダンスとの収束値を3値に変換する。すなわち、3値変換部12は、収束値を、その入力値に応じて0または∞またはN(0と∞以外の任意の正の値)の有限の値に変換する。
図5は、この発明の実施の形態2に係るケーブル診断装置を備えたTDR計測器の構成図である。
実施の形態1で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
以下に示す実施の形態2では、実施の形態1と比べて4つのTDR測定結果を3値に変換する3値変換部12が追加されている。
図5において、3値変換部12は、TDR計測器1の計測部10が測定したケーブル2に対しての差動モードインピーダンスとコモンモードインピーダンスと複数のシングルエンドインピーダンスとの収束値を3値に変換する。すなわち、3値変換部12は、収束値を、その入力値に応じて0または∞またはN(0と∞以外の任意の正の値)の有限の値に変換する。
また、実施の形態2では、インピーダンス判断部13は、インピーダンス3値テーブル格納部141に格納されているインピーダンス一覧表を参照して、3値変換部12によって有限の値に変換された収束値との比較を行う。ここで、インピーダンス3値テーブル格納部141は、実施の形態1におけるインピーダンステーブル格納部14同様、インピーダンス一覧表を格納するが、実施の形態2においては、収束値が3値に変換されたインピーダンス一覧表を格納するという点でインピーダンステーブル格納部14と区別するため、インピーダンス3値テーブル格納部141としている。
図6は、3値変換部12において、TDR観測結果が0、∞、Nの3値に絞られた場合のケーブル状況パターンの対応表である。すなわち、この図6に示す対応表が、インピーダンス3値テーブル格納部141に格納されているインピーダンス一覧表であり、インピーダンス判断部13が、3値変換部12によって有限の値に変換された差動モードインピーダンスとコモンモードインピーダンスと複数のシングルエンドインピーダンスとの収束値との照合を行うインピーダンス一覧表である。
4つのTDR測定結果が3パターン(0、∞、N:0と∞以外の任意の正の値)を取り得るために、3の4乗の81パターンの測定結果が考えられるが、実施の形態1における図4の場合と同様、Zcomm,Zdiff,Zp,Znのパターンには重複するものが多数存在するため、実際のTDR観測結果は図6に示した12通りしかない。
4つのTDR測定結果が3パターン(0、∞、N:0と∞以外の任意の正の値)を取り得るために、3の4乗の81パターンの測定結果が考えられるが、実施の形態1における図4の場合と同様、Zcomm,Zdiff,Zp,Znのパターンには重複するものが多数存在するため、実際のTDR観測結果は図6に示した12通りしかない。
ここで、図13は、非特許文献1のアイデアで使われる4つの特定インピーダンスZcomm、Zdiff、Zp、Znが取り得る値の組み合わせ表である。非特許文献1において、4つのインピーダンスが実際に取りうる主なパターンは、図13に示す11パターンとなる。
図6を図13と比較すると、インピーダンス素子の数を非特許文献1に示す5つから3つに減らしたにも関わらず、4つの特定インピーダンスの測定結果の取り得るTDR測定パターン数は11パターンから12パターンへと増えている。(TDR測定No.32とNo.41が増えて、測定No.55の∞、0、0、0のTDR測定パターンが無くなっている。)
しかしながら、検出パターンが1パターン増えることにより区別できるパターンも1パターン増えることになるので検出の幅が広がる。
図6を図13と比較すると、インピーダンス素子の数を非特許文献1に示す5つから3つに減らしたにも関わらず、4つの特定インピーダンスの測定結果の取り得るTDR測定パターン数は11パターンから12パターンへと増えている。(TDR測定No.32とNo.41が増えて、測定No.55の∞、0、0、0のTDR測定パターンが無くなっている。)
しかしながら、検出パターンが1パターン増えることにより区別できるパターンも1パターン増えることになるので検出の幅が広がる。
ただし、ここで注意したいのは、例えば3素子のインピーダンスが全部∞の場合、図6では104のみが故障(開放)と表しているが、これに特定できるわけではなく、このとき例えばインピーダンス素子106も故障(開放)である可能性があり、差動信号線21の断線かどうかが特定できない場合もあり得る。
図6において、NO.1のTDR測定パターンであるとき、考えられるネットワーク状況は1通りのみである。また、NO.38のTDR測定パターンであるときも、考えられるネットワーク状況は1通りのみである。途中を省略して、図6の最終行であるNo.81のTDR測定パターンのときは、考えられるネットワーク状況は7通りとなる。
以上のように、この実施の形態2によれば、インピーダンス素子104〜106が3つの場合で、かつ4つのTDR測定結果を3値に限定させても、短絡と開放が混在した故障を見つけられることができ、参照テーブルを格納するメモリ等の記憶領域を少なくでき、装置の縮小化をはかれる。
実施の形態3.
図7は、この発明の実施の形態3に係るケーブル診断装置を備えたTDR計測器の構成図である。
実施の形態1,2で説明したものと同様の構成には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
以下に示す実施の形態3では、実施の形態1と比べて、記憶部17が付加されている。
記憶部17は、ケーブル状態診断部16が出力する故障箇所情報と故障状態情報を蓄積する。
以上のように、この実施の形態3によれば、上述の効果に加え、故障箇所情報と故障状態情報を蓄積することにより、故障が複数回起きた場合に、どの故障が何回起きたかという発生頻度を知ることができる。
なお、記憶部17を、実施の形態2における図5に示すケーブル診断装置11に付加するようにしてもよいことは言うまでもない。
図7は、この発明の実施の形態3に係るケーブル診断装置を備えたTDR計測器の構成図である。
実施の形態1,2で説明したものと同様の構成には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
以下に示す実施の形態3では、実施の形態1と比べて、記憶部17が付加されている。
記憶部17は、ケーブル状態診断部16が出力する故障箇所情報と故障状態情報を蓄積する。
以上のように、この実施の形態3によれば、上述の効果に加え、故障箇所情報と故障状態情報を蓄積することにより、故障が複数回起きた場合に、どの故障が何回起きたかという発生頻度を知ることができる。
なお、記憶部17を、実施の形態2における図5に示すケーブル診断装置11に付加するようにしてもよいことは言うまでもない。
実施の形態4.
図8は、この発明の実施の形態4に係るケーブル診断装置を備えたTDR計測器の構成図である。
実施の形態1〜3で説明したものと同様の構成には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
以下に示す実施の形態4では、実施の形態3と比べて、異常表示部18が付加されている。
異常表示部18は、ケーブル状態診断部16の出力する故障箇所情報と故障状態情報を受けて、診断結果が異常であることを知らせる。例えばアラームが鳴ったり照明が光ったりする。また、異常表示部18は、画面に異常である旨のメッセージを表示することもできる。
図8は、この発明の実施の形態4に係るケーブル診断装置を備えたTDR計測器の構成図である。
実施の形態1〜3で説明したものと同様の構成には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
以下に示す実施の形態4では、実施の形態3と比べて、異常表示部18が付加されている。
異常表示部18は、ケーブル状態診断部16の出力する故障箇所情報と故障状態情報を受けて、診断結果が異常であることを知らせる。例えばアラームが鳴ったり照明が光ったりする。また、異常表示部18は、画面に異常である旨のメッセージを表示することもできる。
異常表示部18が入力する情報は、記憶部17からの出力信号としても良い。すなわち、異常表示部18は、記憶部17に蓄積してある故障箇所情報と故障状態情報を受信し、過去の差動信号線21,22の故障箇所や故障状態等の故障情報を知らせるようにすることもできる。
以上のように、この実施の形態4によれば、上述の効果に加え、観測者は診断結果が異常であることを知ることができる。
なお、異常表示部18を、実施の形態1における図3に示すケーブル診断装置11に付加しても、実施の形態2における図5に示すケーブル診断装置11に付加してもよいことは言うまでもない。
なお、異常表示部18を、実施の形態1における図3に示すケーブル診断装置11に付加しても、実施の形態2における図5に示すケーブル診断装置11に付加してもよいことは言うまでもない。
実施の形態5.
図9は、この発明の実施の形態5に係るケーブル診断装置を備えたTDR計測器が接続されたネットワークの構成図である。
図10は、この発明の実施の形態5に係るケーブル診断装置を備えたTDR計測器の構成図である。
以下に示す実施の形態5では、実施の形態1〜4と比べてTDR計測器1の設置位置が異なり、TDR計測器1が、ケーブル診断機能を備えた通信端末3内に搭載されている。また、以下に示す実施の形態5では、実施の形態1と比べて、通信制御部19が付加されている。
図9は、この発明の実施の形態5に係るケーブル診断装置を備えたTDR計測器が接続されたネットワークの構成図である。
図10は、この発明の実施の形態5に係るケーブル診断装置を備えたTDR計測器の構成図である。
以下に示す実施の形態5では、実施の形態1〜4と比べてTDR計測器1の設置位置が異なり、TDR計測器1が、ケーブル診断機能を備えた通信端末3内に搭載されている。また、以下に示す実施の形態5では、実施の形態1と比べて、通信制御部19が付加されている。
通信制御部19は、ケーブル状態診断部16の結果を受信して図10に示す通信端末3の中にある通信用コンピュータ31の制御を行う。
以上のように、この実施の形態5によれば、異常時における通信の制御を行うことができる。
なお、通信制御部19を、実施の形態2における図5に示すケーブル診断装置11に付加しても、実施の形態3における図7に示すケーブル診断装置11に付加しても、実施の形態4における図8に示すケーブル診断装置11に付加してもよいことは言うまでもない。
以上のように、この実施の形態5によれば、異常時における通信の制御を行うことができる。
なお、通信制御部19を、実施の形態2における図5に示すケーブル診断装置11に付加しても、実施の形態3における図7に示すケーブル診断装置11に付加しても、実施の形態4における図8に示すケーブル診断装置11に付加してもよいことは言うまでもない。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 TDR計測器、10 計測部、11 ケーブル診断装置、12 3値変換部、13 インピーダンス判断部、14 インピーダンステーブル格納部、15 状態決定部、16 ケーブル状態診断部、17 記憶部、18 異常表示部、19 通信制御部、104,105,106 インピーダンス素子、111,112,113,114,115 π型モデルのインピーダンス素子、141 インピーダンス3値テーブル格納部、2 ケーブル、21,22 差動信号線、23 シールド線、24 終端抵抗、3,4 通信端末、31 通信用コンピュータ、41 端子台、91,92 波源、911 プラスのステップ波を出力する電源、921 マイナスのステップ波を出力する電源、931 内部抵抗。
Claims (5)
- 3つのインピーダンス素子とケーブルを介して接続されるT型終端等価回路のTDR計測器のケーブル診断装置であって、
前記ケーブルに対しての差動モードインピーダンスとコモンモードインピーダンスと複数のシングルエンドインピーダンスとの収束値と前記3つのインピーダンス素子が取りうる値とを対応させたインピーダンス一覧表を格納するインピーダンステーブル格納部と、
前記TDR計測器の計測部が測定した前記ケーブルに対しての差動モードインピーダンスとコモンモードインピーダンスと複数のシングルエンドインピーダンスとの収束値と、前記インピーダンステーブル格納部に格納されているインピーダンス一覧表とを照合するインピーダンス判断部と、
前記インピーダンス判断部で照合された前記収束値の照合結果から前記3つのインピーダンス素子の状態を決定する状態決定部と、
前記状態決定部で決定された前記3つのインピーダンス素子の状態から複数の故障箇所と故障状態を診断するケーブル状態診断部と
を備えたことを特徴とするケーブル診断装置。 - 前記TDR計測器の計測部が測定した前記ケーブルに対しての差動モードインピーダンスとコモンモードインピーダンスと複数のシングルエンドインピーダンスとの収束値を3値に変換する3値変換部をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のケーブル診断装置。
- 前記ケーブル状態診断部が出力する故障箇所情報と故障状態情報を蓄積する記憶部をさらに備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のケーブル診断装置。
- 前記ケーブル状態診断部もしくは前記記憶部が出力する故障箇所情報と故障状態情報を受けて、診断結果が異常であることを知らせる異常表示部をさらに備えたことを特徴とする請求項3記載のケーブル診断装置。
- 通信端末の通信用コンピュータの制御を行う通信制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のケーブル診断装置。
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