JP2014031221A - 低温保存用食品容器 - Google Patents

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史彰 荒井
Koshi Ota
幸志 大田
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Abstract

【課題】耐寒性と耐熱性に優れた低温保存用食品容器を提供することを主な課題とする。
【解決手段】前記課題は、少なくとも、プロピレン系樹脂を含むA層、及びエチレン系樹脂を含むB層を有する積層体により形成される低温保存用食品容器により解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた耐寒性及び耐熱性を備えた低温保存用食品容器に関する。
近年の冷凍保存技術の進歩に伴い、冷凍食品産業において様々な食材や調理済み食品の商品化が進んでいる。また、保存温度が−60℃程度の所謂ディープフリーザー(超低温フリーザー)による冷凍が可能となり、−60℃程度まで急冷することにより冷凍食品の製造が行われている。
一方、低温で保存される食品の容器としては、安価で成型性が良く、軽量であることからプラスチック製容器が汎用されている。プラスチック製容器の素材としては、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、又はこれらの混合物が多く使用されている(例えば、特許文献1参照)。しかしこのような材質の容器は、−60℃程度の低温条件下に晒されると割れ及び欠けを生じることがあり、耐寒性に劣ることが問題となっていた。更に、冷凍食品等は容器のまま電子レンジ等による加熱調理に供されることが多く、前述の材質の容器では高温調理による変形や穴あき等の問題が生じていた。このような背景から、耐熱性と耐寒性の両方を備え持つ低温保存用の食品容器が求められていた。
また、プラスチック製品は、一般に石油資源を原材料として製造されているが、石油資源の枯渇や、石油資源由来のプラスチックの製造及び廃棄に伴う環境への悪影響が問題視されている。そこで、石油資源由来のプラスチックに代えて、バイオマス由来のプラスチックを使用することが検討されている。バイオマス由来のプラスチックは、植物等の再生可能な有機性資源を元に製造されるため、前述のような問題を回避することができる。そのため、耐寒性と耐熱性を兼ね備える低温保存用食品容器において、構成樹脂として、バイオマス由来のプラスチックを比較的多く使用することができれば、環境への負荷の低減、資源の有効利用に資することにもなる。
特開2004−314976号公報
本発明は、優れた耐寒性と耐熱性を兼ね備える低温保存用食品容器を提供することを主な課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、少なくとも、プロピレン系樹脂を含むA層、及びエチレン系樹脂を含むB層を有する積層体によって形成される容器は、優れた耐寒性と耐熱性を備え得ることを見出した。とりわけ、前記プロピレン系樹脂を含むA層及びエチレン系樹脂を含むB層に加え更に、プロピレン系樹脂を含むC層を、A層/B層/C層の順に積層させた3層構造の積層体を使用して形成された低温保存用食品容器によれば、耐寒性と耐熱性が格段顕著になることを見出した。本発明はこのような知見に基づいて更に研究を重ねた結果完成されたものである。
即ち、本発明は下記に掲げる態様の低温食品保存用容器を提供する。
項1. 少なくとも、プロピレン系樹脂を含むA層、及びエチレン系樹脂を含むB層を有する積層体により形成される低温保存用食品容器。
項2. 前記A層がプロピレン系樹脂及びエチレン系樹脂を含む層であり、且つB層がエチレン系樹脂からなる層である、項1に記載の低温保存用食品容器。
項3. 前記B層に含まれるエチレン系樹脂が、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンからなる群より選択される少なくとも1種である、項1又は2に記載の低温保存用食品容器
項4. 前記B層がエチレン系樹脂及びプロピレン系樹脂を含む層である、項1〜3のいずれかに記載の低温保存用食品容器。
項5. 前記積層体が、プロピレン系樹脂を含むC層を更に有し、且つA層、B層及びC層の順で積層されてなる、項1〜4のいずれかに記載の低温保存用食品容器。
項6. 前記エチレン系樹脂及び/又はプロピレン系樹脂が、バイオマス由来である、項1〜5のいずれかに記載の低温保存用食品容器。
項7. バイオマス由来の樹脂を3重量%以上含む、項1〜6のいずれかに記載の低温保存用食品容器。
項8. 5℃以下の温度条件下で保存される食品用の容器である、項1〜7のいずれかに記載の低温保存用食品容器。
本発明の低温保存用食品容器は、低温保存条件下において、割れ及び欠けを生じにくく優れた耐寒性を有しており、更に食品容器として要求される柔軟性も保持できる。とりわけ、−60〜−30℃程度の極冷条件でも、本発明の低温保存用食品容器は、優れた耐寒性を備え得るので、−60℃程度まで急速冷凍されて調製される冷凍食品用の容器として好適に使用される。また、本発明の低温保存用食品容器は、加温条件下でも、穴あきや変形が生じるのを抑制でき、優れた耐熱性も備えているので、電子レンジでの調理に供しても、食品容器としての機能を維持することができる。このように、本発明の低温保存用食品容器は、食品の低温保存時に要求される耐寒性と、食品の調理時に要求される耐熱性を兼ね備えており、保存と調理の双方に使用可能になっている。
更に、本発明の低温保存用食品容器は、構成樹脂として、バイオマス由来の樹脂を比較的高含量にすることもできるので、環境への負荷が低減された「バイオマスプラスチック容器」として実用化することもできる。
また、本発明の低温保存用食品容器の製造において、積層体を調製する際に生じる切断端材等を各層の材料として再利用することもでき、資源の有効利用や製造コストの削減を図ることができる。更に、前述のように本発明の容器の構成樹脂としてバイオマス由来樹脂を比較的高い割合で使用できることから、得られる切断端材等の中にもバイオマス由来樹脂が多く含まれている。本発明においては、このような切断端材等を原料樹脂の一部として再利用しても積層体中のバイオマス由来樹脂の含有量を低下させることなく、バイオマス由来樹脂の含有量を高く維持しながら、冷温保存用食品容器に求められる耐寒性及び耐熱性を備えた積層体を調製することができる。
本発明の容器の好適な態様の1つを構成する積層体の断面を表す図である。
本発明の低温保存用食品容器は、少なくとも、プロピレン系樹脂を含むA層、及びエチレン系樹脂を含むB層を有する積層体により形成されることを特徴とする。
積層体の層構造
本発明の低温保存用食品容器を形成する積層体は、少なくとも、前記A層及びB層を有する。本発明の低温保存用食品容器を形成する積層体において、前記A層及びB層は、それぞれ1つ設けられていてもよく、またこれらの一方又は双方が2つ以上設けられていてもよい。また、本発明の低温保存食品容器を形成する積層体は、上記A層及びB層に加え、更に、プロピレン系樹脂を含むC層を有していてもよい。とりわけ、前記A層、前記B層、及び前記C層をそれぞれ1つ有し、A層/B層/C層の順に積層されてなる積層体により形成された低温保存用食品容器は、一層優れた耐寒性及び耐熱性を備え得るので、本発明において好適に使用される。
また、本発明の低温保存用食品容器を形成する積層体は、前記A層及びB層以外に、プロピレン系樹脂及びエチレン系樹脂以外の樹脂で形成された1又は複数の層(任意併設層)を有していてもよい。このような任意併設層は、A層とB層の間に介在させてもよく、またA層とB層のいずれか一方のみに接面するように設けてもよい。C層を更に含む積層体の場合、任意併設層をC層の表裏の少なくともいずれか1面に接面するように設けることができる。更には、任意併設層を2以上設ける場合には、1つの任意併設層が前記A層〜C層のいずれにも接面していない状態で設けられていてもよい。
本発明の低温保存用食品容器を形成する積層体の層構造の好適な例として、A層/B層/C層が順に積層された積層体、B層/A層/B層が順に積層された積層体等が挙げられる。特に、A層/B層/C層が順に積層された積層構造を含む積層体は、低温保存用食品容器に一層優れた耐寒性及び耐熱性を備え得るので、本発明において好適に使用される。なお、本発明の低温保存用食品容器を形成する積層体において、A層及びC層は、いずれもプロピレン系樹脂を含む層であり、これらは同一組成であってもよく、また異なる組成であってもよい。或いは、複数のA層、又は複数のC層を有する場合も、各層の組成が同一であっても異なっていてもよい。また、B層を複数含む場合についても、複数のB層は同一組成であっても、異なる組成であってもよい。
積層体の各層の組成
以下、本発明の低温保存用食品容器を形成する積層体を構成する各層について詳述する。
[A層]
A層は、プロピレン系樹脂を含むことを特徴とする。A層はプロピレン系樹脂を含むことにより低温保存用食品容器に耐熱性を付与することができ、耐熱性付与層として機能し得る。また、A層は、本発明の低温保存用食品容器がA〜C層の3層構造の積層体によって形成される場合、好適には食品と接触する内層を構成する。
プロピレン系樹脂とは、プロピレンを構成モノマーとして含むポリマーであり、A層に使用されるプロピレン系樹脂は、従来公知のものから選択することができる。プロピレン系樹脂として、具体的には、ポリプロピレンのホモポリマー;ランダムコポリマー;ブロックコポリマー等が例示される。前記ランダムコポリマーやブロックコポリマーを構成し得るコポリマーとして、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン等のα−オレフィン;1,4−エンドメチレンシクロヘキセン等のビシクロ型モノマー;(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル;酢酸ビニル等が例示される。より具体的には、例えばプロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体等が挙げられる。本発明のA層において使用されるプロピレン系樹脂として、好ましくはポリプロピレンのホモポリマー(h−PP)が例示される。
A層に使用されるプロピレン系樹脂の密度としては、特に制限されないが、例えば0.855〜0.946g/cm3、好ましくは0.89〜0.93g/cm3、更に好ましくは0.90〜0.92g/cm3が挙げられる。
A層に使用されるプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)については、特に制限されないが、例えば、0.25〜60g/10min、好ましくは0.25〜10g/10min、更に好ましくは0.5〜5g/10minが挙げられる。
また、A層においてプロピレン系樹脂としてバイオマス由来プロピレン系樹脂を用いてもよい。バイオマス由来のプロピレン系樹脂は、例えば、材木、サトウキビ、トウモロコシ等の植物を発酵して製造されたバイオマスアルコールを原料としてプロピレンを得て、これをモノマーとして重合することにより得ることができる。バイオマス由来のプロピレン系樹脂を使用することにより、有限な石油資源の消費を抑えることが可能であり環境負荷を低減することができる。バイオマス由来ポリプロピレン樹脂として、例えばバイオマス由来のh−PP等を挙げることができる。
また、A層は更にエチレン系樹脂を含んでいてもよい。エチレン系樹脂の配合量としては本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されないが、例えば、プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂の合計100重量部に対して、エチレン系樹脂が0.1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部、更に好ましくは10〜20重量部が挙げられる。配合されるエチレン系樹脂の種類は、後述するB層において使用されるものから適宜選択して用いることができるが、好ましくはLDPE(低密度ポリエチレン)、高密度ポリエチレン(HDPE);更に好ましくはバイオマス由来のLDPE(低密度ポリエチレン)、バイオマス由来の高密度ポリエチレン(HDPE);特に好ましくはバイオマス由来のLDPE(低密度ポリエチレン)が挙げられる。
本発明において積層体のA層に使用されるプロピレン系樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、A層には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、滑剤、可塑剤、造核剤、透明化核剤、強化剤、改質剤等の添加剤を含んでいてもよい。
A層の厚みは、容器の形状等に応じて適宜設定され得るが、低温保存用食品容器を形成する積層体の厚みを100%とした場合、A層が占める厚みが5〜95%、好ましくは5〜60%、更に好ましくは10〜60%が挙げられる。ここで、「A層が占める厚み」とは、前記積層体においてA層が2つ以上設けられている場合には、2つのA層の厚さの合計を示す。
また、例えば、前記積層体が、A層/B層/C層が順に積層された積層体である場合、当該積層体を構成するA層の厚みは、例えば、5〜400μm、好ましくは5〜300μm、更に好ましくは10〜300μmが挙げられる。
[B層]
B層はエチレン系樹脂を含むことを特徴とする。B層にエチレン系樹脂を含むことにより容器に低温条件下での耐寒性を付与することができ、耐寒性付与層として機能し得る。
エチレン系樹脂としては、エチレンを構成モノマーとして含むポリマーであり、B層に使用されるエチレン系樹脂は、従来公知のものから選択することができる。B層に使用されるエチレン系樹脂として、具体的には直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状中密度ポリエチレン(LMDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン;ポリエチレンのランダムコポリマー;ポリエチレンのブロックコポリマー等が例示される。前記ランダムコポリマーやブロックコポリマーを構成し得るコポリマーとして、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン等のα−オレフィン;1,4−エンドメチレンシクロヘキセン等のビシクロ型モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル;酢酸ビニル等が例示される。より具体的には、例えばエチレン―ブテン共重合体等が挙げられる。
また、ここで、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の密度としては0.910〜0.945g/cm3が挙げられる。低密度ポリエチレン(LDPE)の密度としては0.910〜0.938g/cm3挙げられる。直鎖状中密度ポリエチレン(LMDPE)の密度としては0.909〜0.945g/cm3挙げられる。中密度ポリエチレン(MDPE)の密度としては0.925〜0.945g/cm3挙げられる。高密度ポリエチレン(HDPE)の密度としては0.938〜0.970g/cm3が挙げられる。
B層に使用されるエチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)については、特に制限されないが、例えば、0.1〜7.5g/10min、好ましくは0.3〜3.5g/10min、更に好ましくは0.5〜2.0g/10minが挙げられる。
また、B層においても、エチレン系樹脂としてバイオマス由来エチレン系樹脂を用いてもよい。バイオマス由来のエチレン系樹脂は、例えば、バイオマスエタノールより、エチレンモノマー(CH2=CH2)を調製し、これを重合させて得ることができる。バイオマス由来エチレン系樹脂として、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を挙げることができる。
本発明のB層において使用されるエチレン系樹脂として、好ましくは低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が挙げられ、より好ましくはバイオマス由来低密度ポリエチレン(LDPE)、バイオマス由来高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられ、更に好ましくはバイオマス由来高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられる。
本発明において積層体のB層に使用されるエチレン系樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
また、B層には、必要に応じてプロピレン系樹脂を配合することもできる。このようにB層に更にプロピレン系樹脂を配合することにより、本発明の低温保存用食品容器により一層優れた耐熱性を付与することができる。B層に配合されるプロピレン系樹脂としては、前記A層に使用されるものから、適用される保存条件等に応じて適宜選択することができるが、好ましくは、ポリプロピレンのブロックコポリマーが挙げられる。B層に含まれるプロピレン系樹脂の量は、適用される保存条件に応じて適宜設定することができる。
例えば、−60℃以上且つ−40℃未満の低温保存条件に晒される場合、B層はエチレン系樹脂のみ(100重量%)で構成されてもよいが、エチレン系樹脂とプロピレン系樹脂を組み合わせて含んでいてもよい。当該低温保存条件に晒される低温保存用食品容器において、B層にエチレン系樹脂とプロピレン系樹脂を組み合わせて配合する場合、これらの配合比としては、例えば、プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂の合計100重量部に対して、プロピレン系樹脂が0.1〜99.9重量部、好ましくは0.1〜60重量部、更に好ましくは0.1〜50重量部が挙げられる。B層においてエチレン系樹脂の含有量が高い程、耐寒性が高くなり、低温条件下でも欠けや割れを生じることを効果的に抑制できる。
また、例えば、−40℃以上〜−19℃以下の低温保存条件に晒される場合、B層は、エチレン系樹脂のみ(100重量%)で構成されていてもよいが、エチレン系樹脂とプロピレン系樹脂を組み合わせて含んでいてもよい。当該低温保存条件に晒される低温保存用食品容器において、B層にエチレン系樹脂とプロピレン系樹脂を組み合わせて配合する場合、これらの配合比としては、例えば、プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂の合計100重量部に対して、プロピレン系樹脂が0.1〜99.9重量部、好ましくは0.1〜70重量部、更に好ましくは0.1〜50重量部が挙げられる。
更に、−18〜5℃の低温保存条件(所謂チルド食品の保存条件)に晒される場合、B層は、エチレン系樹脂のみ(100重量%)で構成されていてもよいが、エチレン系樹脂とプロピレン系樹脂を組み合わせて含んでいてもよい。当該低温保存条件に晒される低温保存用食品容器において、B層にエチレン系樹脂とプロピレン系樹脂を組み合わせて配合する場合、これらの配合比としては、例えば、プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂の合計100重量部に対して、プロピレン系樹脂が0.1〜99.9重量部、好ましくは0.1〜90重量部、更に好ましくは0.1〜86重量部が挙げられる。
また、B層には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、滑剤、可塑剤、造核剤、透明化核剤、強化剤、改質剤等の添加剤を含んでいてもよい。
B層の厚みは、容器の形状等に応じて適宜設定され得るが、低温保存用食品容器を形成する積層体の厚みを100%とした場合、B層が占める厚みが5〜95%、好ましくは10〜80%、更に好ましくは30〜80%が挙げられる。ここで、「B層が占める厚み」とは、前記積層体においてB層が2つ以上設けられている場合には、2つのB層の厚さの合計を示す。
また、例えば、前記積層体が、A層/B層/C層が順に積層された積層体である場合、当該積層体を構成するB層の厚みとして、例えば、20〜900μm、好ましくは40〜900μm、更に好ましくは40〜800μmが挙げられる。
[C層]
本発明の低温保存容器を形成する積層体は、上記A及びB層に加え、更にC層を含んでいてもよい。C層は、プロピレン系樹脂を含むことを特徴とする。C層はプロピレン系樹脂を含むことにより低温保存用食品容器に耐熱性を付与することができ、耐熱性付与層として機能し得る。また、C層は、本発明の低温保存用食品容器がA〜C層の3層構造の積層体によって形成される場合、好ましくはB層上に形成されて外層を構成する。C層の組成、厚み等については、上記A層の欄に記載される通りである。
[任意併設層]
任意併設層は、本発明の低温保存用食品容器を形成する積層体において、任意に設けられる層である。任意併設層を構成する樹脂としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されず、従来公知のものから適宜選択して用いることができる。具体的には、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)等のポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等が例示される。また、任意併設層は、発泡樹脂で構成される発泡樹脂層、絵柄模様を表出させた印刷層等であってもよい。
任意併設層には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、滑剤、可塑剤、造核剤、透明化核剤、強化剤、改質剤等の添加剤を含んでいてもよい。
積層体の組成・具体的態様
前述するように、本発明の低温保存用食品容器は、環境への負荷を低減させた製品を提供するという観点から、その積層体に含まれる樹脂(特にエチレン系樹脂)として、バイオマス由来のものを使用することができる。本発明において好ましくは、シートを構成する全ての層にバイオマス由来樹脂を配合する方法が挙げられる。このような態様を採用することにより、後述するリサイクル材料を原料樹脂の一部として再利用してもバイオマス由来樹脂の含有量の低下を抑制することができる。
本発明の低温保存用食品容器の形成に用いられる積層体において、バイオマス由来の樹脂を使用する場合、容器の総重量に対するバイオマス由来樹脂の配合割合については、特に制限されないが、例えば3重量%以上、好ましくは25重量%以上、更に好ましくは50重量%以上が挙げられる。本発明の低温保存用食品容器の形成に用いられる積層体において、プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂の両方をバイオマス由来の樹脂とする場合には、使用される全ての樹脂(即ち100重量%)にバイオマス由来の樹脂を使用することもできる。また、本発明の低温保存容器におけるバイオマス由来樹脂のより具体的な配合割合としては、例えば3重量%以上且つ50重量%未満、好ましくは20〜40重量%、より好ましくは25〜35重量%が挙げられる。バイオマス由来の樹脂を25重量%以上含む場合、本発明の容器をバイオプラスチック製であると表示することができる。
発明の低温保存用食品容器の形成に用いられる積層体の厚みは、容器の用途や形状に応じて適宜設定することができるが、通常100〜1000μm、好ましくは200〜600μm、更に好ましくは250〜500μmが挙げられる。
本発明の低温保存用食品容器が、−60℃以上且つ−40℃未満の低温保存条件に晒される場合であれば、その好適な態様として、A層/B層/C層が順に積層された積層体から形成され、当該A層及びC層において、プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂の合計100重量部に対して、プロピレン系樹脂の総量は、0.1〜100重量部、好ましくは10〜90重量部、更に好ましくは18〜90重量部が挙げられる。
また、本発明の低温保存用食品容器が、−40℃以下〜−18℃未満の低温保存条件に晒される場合であれば、その好適な態様として、A層/B層/C層が順に積層された積層体から形成され、当該A層及びC層において、プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂の合計100重量部に対して、プロピレン系樹脂の総量は、0.1〜100重量部、好ましくは20〜90重量部、更に好ましくは60〜90重量部が挙げられる。
更に、本発明の低温保存用食品容器が、−18〜5℃の低温保存条件(所謂チルド食品の保存条件)に晒される場合であれば、その好適な態様として、A層/B層/C層が順に積層された積層体から形成され、当該A層及びC層において、プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂の合計100重量部に対して、プロピレン系樹脂の総量は、0.1〜100重量部、好ましくは50〜90重量部、更に好ましくは60〜90重量部が挙げられる。
また、本発明においては、積層体や容器の製造の際に生じる規格外品、切断端材等を、各層の原料樹脂の一部として再利用することができる。ここで、規格外品とは、積層体の製造をスタートしてから規格内の製品が得られる定常状態に達するまでの間に製造される品質や厚みが設定された範囲から外れるものを指す。また、切断端材としては、積層体から容器を成形した後に生じる積層体端部の残部(耳部)や、積層体のサイズを調整する際にスリッターで切断されて生じる所謂耳トリム部分が例示される。
これらの規格外品、切断端材等は、2種以上の樹脂を用いて積層体を調製する場合には異なる樹脂の混合物であるので、各種の樹脂を個別に回収してバージン原料のように使用することは実質的に不可能である。また、耳トリムや規格外フィルム等をスクラップとして廃棄すると、原料歩止まりが低下して、製品コストが上昇するという問題がある。本発明においては、積層体の調製や容器の成形の際に生じる切断端材や規格外フィルムをそのままリサイクル材料として各層の構成樹脂の一部に利用することによりこのような問題を解消することができる。このようなリサイクル材料を添加する層としては、本発明の容器を構成する各層に添加することができ、A層、B層、又はC層のいずれでもよいが、好ましくはB層が挙げられる。
規格外フィルム、耳トリム等のリサイクル材料は、樹脂の分子量が本来設定されているものより低下していたり、組成や厚みが均一でないことから、再利用する場合は調製される積層体の品質を損なわない程度に添加することが望ましい。このような観点から、リサイクル材料の添加量としては、積層体全体に対して通常は1〜60重量%以下、好ましくは1〜50重量%、更に好ましくは3〜30重量%の量が例示される。
更に、リサイクル材料が投入される層(好ましくはB層)のバイオマス由来樹脂の含有量と、シート全体におけるバイオマス由来樹脂の含有量の値が近しいほど、切断端材を投入することによるシート全体におけるバイオマス由来樹脂の含有量の変動を抑えられる。例えば、リサイクル材料が投入される層におけるバイオマス由来樹脂の含有量と、シート全体におけるバイオマス由来樹脂の含有量が同じであれば、シート全体のバイオマス樹脂含有比率は、切断端材を投入してもほとんど変動を受けることがなく、リサイクル材料を利用する際のより好ましい方法として挙げられる。
より一層好ましい態様としては、三層構造のシートである場合に、内層であるA層、中心層であるB層、外層であるC層の全ての層におけるバイオマス由来樹脂の含有量を同じにする方法が挙げられる。このような態様を採用することによって、リサイクル材料を中心層(B層)の材料の一部として使用しても、シート全体のバイオマス樹脂の含有量は変動することがないか、或いは変動したとしても実用上、シートの物性に影響を与えることのない程度にごく僅かである。
更に、A層又はC層中にB層の原料樹脂であるポリエチレン系樹脂を含む積層体においてB層にリサイクル材料を添加する場合、リサイクル材料を使用することによる組成の変動を抑制することができる。このような積層体においてB層に対するリサイクル材料を添加する場合、その添加量としては例えば1〜60重量%、好ましくは1〜50重量%、更に好ましくは3〜30重量%が挙げられる。このような範囲でリサイクル材料の添加量を調整し、ポリエチレン系樹脂及びプロピレン系樹脂の配合量を設定することにより、リサイクル材料を原料樹脂の一部として利用してもB層の組成を安定な定常状態に維持することができる。
また、積層体を構成する樹脂として前述のような割合でバイオマス由来樹脂を使用する場合には、リサイクル材料中にも高い割合でバイオマス由来樹脂が含まれている。従って、原料樹脂の一部としてリサイクル材料を利用しても最終調製物の積層体におけるバイオマス由来樹脂の割合を高く(好ましくは25重量%以上に)保つことが可能であるため、環境負荷をより低減することができ、更に資源の有効利用及び製造コストの削減を図ることもできる。
リサイクル材料を利用して得られる積層体においてバイオマス由来樹脂が占める割合は、リサイクル材料中のバイオマス由来樹脂の量、積層体の総厚みに対する添加される層の厚み等に基づいて算出することができる。より具体的に、A層/B層/C層で構成される積層体において、A層とC層の組成が同一である場合を例として以下に説明する。
バイオマス由来樹脂の含有量がそれぞれa重量%であり、層厚みがそれぞれpμmのA層及びC層と、バイオマス由来樹脂の含有量がb重量%であり、総厚みがqμmのB層が、A層/B層/C層の順に積層されてなる三層構造の積層体(総厚み:Qμm)より得られたリサイクル材料を利用し、更に、バイオマス由来樹脂のそれぞれ含有量がa’重量%であり、層厚みがそれぞれxμmのA層及びC層と、バイオマス由来樹脂の含有量がb’重量%であり、層厚みがyμmのB層が、A層/B層/C層の順に積層されてなる三層構造の積層体(総厚み:Xμm)の調製において、前述のリサイクル材料をB層にc重量%添加する場合、以下の式により積層体全体に占めるバイオマス由来樹脂の割合を算出することができる。
{2a’x+(b’+Ac/100)y}/X(重量%)
ここで、Aはリサイクル材料中に占めるバイオマス由来樹脂の割合を示し、A=(2ap+bq)/Q で表わされる。
上記式をふまえ、バイオマス由来樹脂の配合量を調整し、更に各層における組成を適宜設定して積層体を調製し、バイオマス由来樹脂を比較的高い割合で含み、且つ耐熱性及び耐寒性を併せ持つ容器とすることができる。
また、A〜C層を含む積層体により形成される容器においてリサイクル材料を使用する場合、衛生上の観点から、食品に接触するA層にはバージン原料を使用し、B層又はC層にリサイクル材料を添加することがより好ましい態様として例示される。また、例えば、グラタン容器のように収容される食品の温度が高温になる場合には、食品と接触するA層において融点の低いエチレン系樹脂の配合量を少なくし、且つ使用するプロピレン系樹脂としてより融点の高いホモポリプロピレンを使用して耐熱性を更に高める方法が挙げられる。そして、食品と接触しないC層においては、エチレン系樹脂の配合量をA層よりも多くしたり、プロピレン系樹脂としてポリプロピレンのブロックコポリマーを使用し、更に耐寒性を向上させることができる。このような層構成の積層体により形成されてなる容器は、冷温保存と調理の両方により一層適した冷温保存用食品容器とすることができる。
低温保存用食品容器の形状・用途
また、本発明の低温保存用食品容器の形状は、保存される食品の状態や形状により適宜選択され得るが、例えばトレー、カップ等が挙げられる。
本発明の低温保存用食品容器は、冷凍保存用の食品容器、チルド保存用の食品容器等として使用することができる。また、本発明の低温保存用食品容器は、耐熱性と耐寒性の双方を備えているので、電子レンジによる加熱調理に供される冷凍保存食品又はチルド食品用の容器として好適に使用される。
また、本発明の低温保存用食品容器は、5℃以下、好ましくは−60〜−18℃の低温条件下で保存される食品用の容器として使用できる。また、本発明の低温保存用食品容器は、−60〜−40℃という極寒条件でも、優れた耐寒性を備え得るので、−60〜−40℃程度まで急速冷凍されて製造される冷凍食品用の容器としても、好適に使用される。
低温保存用食品容器の製造
本発明の低温保存用食品容器は、少なくとも前記A層及びB層を含む積層体を製造する工程と、得られた積層体を所望の形状に成形する工程を経て製造される。
前記積層体の製造は、共押出法、ラミネート法等の公知の積層体製造技術を用いて、A層、B層、ならびに必要に応じて設けられるC層及び任意併設層を積層させることにより行うことができる。例えば、積層体がA層/B層/C層が順に積層された積層体である場合、三口Tダイ法、三層インフレーション法等により製造することができる。
また、前記積層体の所望の形状への成形は、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、マッチモールド成形射出成型、押し出し成型、中空成形、インフレーション成形、カレンダー加工、圧縮成形、真空プレス成型等の方法により、行うことができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[冷温保存用食品容器の耐寒性及び耐熱性の評価]
1.容器(トレー)の製造
下表1に記載される組成で積層体を作製し、これを成形してトレーを得て試験を行った。積層体及びトレーの製造については次の通りである。なお、PPとしてはポリプロピレンのホモポリマー(密度0.90g/cm3;MFR3.0g/10min)を使用し、PEとしてはLDPE(密度0.92g/cm3;MFR1.0g/10min)を使用した。なお、実施例2及び3の積層体においてB層に含まれるPEとしては前記LDPEを使用し、実施例4及び5の積層体においてB層に含まれるPEとしてはLLDPE(密度0.92g/cm3;MFR2.3g/10min)を使用した。
下表1に示される各層を構成する材料を用いて三口Tダイ押出機(日立造船製)によりシート成形を行い、積層体を得た。成形条件は、実施例1〜3については、シリンダー温度240℃、スクリュー回転数40rpm、引き取り速度16m/分であった。また、実施例4及び5については、シリンダー温度270℃、スクリュー回転数40rpm、引き取り速度12m/分であった。得られた積層体の厚みはそれぞれ300μmであった。その後、積層体に対して真空成型機を用いて真空成型を行い、トレーを得た。トレーの大きさは縦12cm×横20cm×高さ2cmであった。
2.試験方法
下記方法に従って、冷温条件下で保存した後に落下試験を行って容器の割れ及び欠けを評価した。また、冷温条件下で保存した後に加熱試験を行って、容器の穴あきを評価した。
<冷温条件下での保存>
市販製品の食材(プリッと大きなえびチリ((株)マルハニチロ食品製))を試験トレーにのせて試験物とし、その後ピロー包装行って発泡スチロール製の箱に入れた。試験物周辺をドライアイスブロック(約10cm×約20cm×約5cm:約2kg)10個で埋めて、発泡スチロール製の蓋をし、これを更に発泡スチロール箱に入れた。発泡スチロール箱内で8時間保管した後の発泡スチロール内部温度は−62.8℃、発泡スチロール箱中の試験物表面温度は−48.3℃であった。
(1)落下試験
前記<冷温条件下での保存>の欄に記載の方法に従って食品を包装し、冷温条件下においた後、食材をのせて包装した容器を高さ約1mの地点からコンクリート製の床に落下させ、落下後トレーの割れ及び欠けを目視により確認した。下記の判定基準に従って、トレーの割れ及び欠けの状態を評価した。
トレーの割れ及び欠けの判定基準
5:割れ及び欠けは一切認められず、キズも視認できない。
4:割れ及び欠けは認められないが、多少のキズが視認される。
3:キズにより、割れが僅かに生じている。
2:欠けは認められないが、割れが多少目立つ。
1:割れ及び欠けが明らかに生じている。
ここで、「割れ」とは、容器の形状は保たれているものの容器に亀裂が入っていること指す。また、「欠け」とは、容器の少なくとも一か所が部分的に欠損した状態(破片となってトレーから分離している状態)になっており、容器が本来の形状を有していない状態を指す。
(2)加熱試験
各実施例及び比較例の容器に前記<冷温条件下での保存>の欄に記載される方法に従って食品を包装し、冷温条件下に置いた。その後、食品を容器ごと電子レンジで加熱(500W、80秒)した。このとき、加熱後の食材の温度は約130℃であった。加熱後、容器の穴あき及び変形を目視により確認した。下記の判定基準に従って、穴あきと変形の程度を評価した。
穴あきと変形の判定基準
5:穴あき及び変形が一切認められない。
4:穴あきはないが、僅かに変形している。
3:穴あき及び変形が多少認められる。
2:穴あきが多く、変形も認められる。
1:穴あき及び変形が著しく認められる。
上記試験の結果を下表1に示す。以下、表中の%は重量%を示す。
表1の落下試験の結果より、B層にポリエチレン樹脂を20重量%以上含む容器の場合、欠けや割れの発生は防止されており、優れた耐寒性を有していることが示された。また、加熱試験の結果をみると、実施例1〜5の容器は、穴あきや変形が抑制されており、優れた耐熱性を有していた。
これに対し、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂の混合物により形成されるB層のみで構成されている容器(比較例1)は、幾分かの耐熱性を備えるものの、落下試験の結果が劣るものになっていた。また、三層全てがポリプロピレン樹脂である場合(比較例2)には、落下試験において著しい割れ及び欠けが生じており、耐寒性を備えていなかった。
以上の結果より、実施例1〜5の容器は、冷温条件下においても割れや欠けを生じることがなく、優れた耐寒性備えていることが示された。また、実施例1〜3の容器は、いずれも電子レンジ調理にも堪え得る優れた耐熱性を有することが示された。
[耳トリムを再利用した冷温保存用食品容器]
シート状積層体の両側をトリミングする際に生じる耳トリムを再利用して冷温保存用食品容器を作製した。
下表2に示される各層を構成する材料を使用し、三口Tダイ押出機(三菱重工製)によりシート成形を行い、積層体を得た。成形条件は、シリンダー温度270℃、スクリュー回転数43rpm、引き取り速度は16m/分、積層体の押出し幅は1160mmであった。得られた積層体の両側をトリミングして幅885mmのシート状の積層体とした。
上記表2に示される積層体の調製時にトリミングされて生じた耳トリムを、B層の材料として再利用した。具体的には、下表3に示す割合でB層の材料として添加して、表2に示される積層体の場合と同じ条件でシート状積層体を調製した。この時も、得られた積層体の両側をトリミングして耳トリムを得て、更に下表3に示す割合で積層体のB層に添加して積層体を調製する操作を繰り返した。
耳トリムを積層体のB層に添加して更に積層体を調製する操作を繰り返し、耳トリムと積層体の組成が平衡状態に達した時点で上記1.に記載の方法に従って積層体から容器(トレー)を成形した。その後、上記2.に記載の落下試験及び加熱試験を行って耐寒性及び耐熱性について評価した。結果を下表3に併せて示す。
また、製造例3及び4の積層体全体において各樹脂が占める割合を下表4に示す。
製造例3及び4より、バイオマス由来の樹脂を含む積層体の耳トリムをB層の材料として再利用して得られた積層体全体において、バイオマス由来樹脂の占める割合を25重量%以上にできることが示された。また、このような積層体により構成される容器も、優れた耐寒性及び耐熱性を併せ持つことが示された。

Claims (8)

  1. 少なくとも、プロピレン系樹脂を含むA層、及びエチレン系樹脂を含むB層を有する積層体により形成される低温保存用食品容器。
  2. 前記A層がプロピレン系樹脂及びエチレン系樹脂を含む層であり、且つB層がエチレン系樹脂からなる層である、請求項1に記載の低温保存用食品容器。
  3. 前記B層に含まれるエチレン系樹脂が、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の低温保存用食品容器。
  4. 前記B層がエチレン系樹脂及びプロピレン系樹脂を含む層である、請求項1〜3のいずれかに記載の低温保存用食品容器。
  5. 前記積層体が、プロピレン系樹脂を含むC層を更に有し、且つA層、B層及びC層の順で積層されてなる、請求項1〜4のいずれかに記載の低温保存用食品容器。
  6. 前記エチレン系樹脂及び/又はプロピレン系樹脂が、バイオマス由来である、請求項1〜5のいずれかに記載の低温保存用食品容器。
  7. バイオマス由来の樹脂を3重量%以上含む、請求項1〜6のいずれかに記載の低温保存用食品容器。
  8. 5℃以下の温度条件下で保存される食品用の容器である、請求項1〜7のいずれかに記載の低温保存用食品容器。
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