JP2014029989A - 太陽電池バックシート用フィルム、太陽電池バックシート、及び太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽電池モジュールを製造する工程において、バックシートを充填材と加熱圧着する際に、充填材より外側へはみ出にくい太陽電池バックシート用フィルムを提供する。
【解決手段】150℃で測定したゼロせん断粘度が4×10Pa・sec以上であるポリエチレン系樹脂(A)を含有する太陽電池バックシート用フィルム、該フィルムを表面層として有する太陽電池バックシート、及び該太陽電池バックシートを有する太陽電池モジュール。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池バックシート用フィルムに関するものである。
一般的な太陽電池モジュールは太陽光を受光する側から、透明ガラス基盤、充填材、太陽電池セル、バックシートの順に構成されている。バックシートは、太陽電池の変換効率の低下の原因となる水蒸気や紫外線から太陽電池セルを保護する目的で使用される。バックシートは太陽電池セルを封止しした充填材と接着し、複合化されるため、充填材と接着されるバックシートの表面層には、充填材と接着性の良いフィルムが用いられる。例えば、特許文献1には、充填材と接着される表面層としてポリオレフィンを主成分とするフィルムを有する太陽電池バックシートが記載されている。また、特許文献2には、充填材と接着される表面層として紫外線吸収剤を含有するポリエチレンフィルムを有する太陽電池バックシートが記載されている。
特開2008−85294号公報 特開2010−10189号公報
しかしながら、太陽電池モジュールを製造する工程において、従来のポリエチレンフィルムを用いたバックシートを充填材と加熱圧着する際、溶融したポリエチレンが流れ出て、充填材より外側へはみ出てしまうことがあった。かかる状況のもと本発明が解決しようとする課題は、太陽電池モジュールを製造する工程において、充填材より外側へはみ出る量が少ない太陽電池バックシート用フィルムを提供することにある。
すなわち本発明は、150℃で測定したゼロせん断粘度が4×10Pa・sec以上であるポリエチレン系樹脂(A)を含有する太陽電池バックシート用フィルムに関するものである。
本発明によれば、太陽電池モジュールを製造する工程において、バックシートを充填材と加熱圧着する際、充填材より外側へはみ出る量が少ない太陽電池バックシート用ポリエチレン系フィルムを提供することができる。
〔ポリエチレン系樹脂(A)〕
本発明のポリエチレン系樹脂(A)は、150℃で測定したゼロせん断粘度が4×10Pa・sec以上であるポリエチレン系樹脂である。ポリエチレン系樹脂とは、エチレンに基づく単量体単位を主単位として有する重合体であり、エチレンに基づく単量体単位の含有量がポリエチレン系樹脂の全質量(100質量%)に対して、50質量%以上の重合体である。ポリエチレン系樹脂(A)は、エチレンに基づく単量体単位のみから構成される樹脂であるか、または、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位のみから構成される樹脂である。ポリエチレン系樹脂(A)としては、高圧ラジカル重合法で製造される高圧法低密度ポリエチレン、配位重合法等で製造されるエチレン−α−オレフィン共重合体があげられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有する重合体である。炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等があげられ、好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。また、上記の炭素原子数3〜20のα−オレフィンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エチレン−α−オレフィン共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全質量(100質量%)に対して、通常50〜99質量%であり、炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位の含有量は、通常1〜50質量%である。
エチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体等があげられ、好ましくはエチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体である。
ポリエチレン系樹脂(A)は、2種以上のポリエチレン系樹脂を含んでいてもよい。
ポリエチレン系樹脂(A)の150℃で測定したゼロせん断粘度(η)は、4×10Pa・sec以上であり、好ましくは6×10Pa・sec以上であり、より好ましくは8×10Pa・sec以上である。また、加工性の観点から、該ηは、好ましくは100×10Pa・sec以下である。前記ηは、例えば、重合時の水素濃度またはエチレン圧により調整することができ、水素濃度またはエチレン圧が低い条件で重合を行うと、ηが大きいポリエチレン系樹脂(A)が得られる。
150℃でのゼロせん断粘度(η )は、次の方法で求められる。まず、130℃ 、150℃ 、170℃および190 ℃ 夫々の温度(T、単位:℃ )で、ポリエチレン系樹脂(A)の溶融複素粘度−角周波数曲線(溶融複素粘度の単位はPa・sec、角周波数の単位はrad/secである。)を測定する。得られた曲線を、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、150 ℃ における溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせてマスターカーブを作成し、得られたマスターカーブを下記式(III) で近似することにより、η を算出できる。
η=η/[1+(τ×ω)n] (III)
η : 溶融複素粘度(単位:Pa・sec)
ω: 角周波数(単位:rad/sec)
η: ゼロせん断粘度(単位:Pa・sec)
τ : 特性緩和時間(単位:sec)
n : 定数
前記計算には、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
溶融複素粘度−角周波数曲線の測定には、粘弾性測定装置(例えば、Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800など。)を用いる。ジオメトリー:パラレルプレート、プレート直径:25mm、プレート間隔:1.5〜2mm、ストレイン:5%、角周波数:0.1〜100rad/秒の条件で測定を行う。なお、測定は窒素雰囲気下で行われ、また、測定試料には予め酸化防止剤を適量(例えば1000ppm。)を配合することが好ましい。
ポリエチレン系樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)は、0.1〜5g/10分であることが好ましい。フィルムの引張強度を高める観点から、より好ましくは3g/10分以下であり、さらに好ましくは2g/10分以下である。なお、該MFRは、JIS K7210−1995に従い、温度190℃および荷重21.18Nの条件でA法により測定される。
ポリエチレン系樹脂(A)は、引張強度を高める観点から、13C−NMRにより測定される炭素原子数5の分岐数(以下、「NC5」と記載する。)が、該樹脂(A)を構成する炭素原子1000個あたり0.1未満である。NC5は、好ましくは炭素原子1000個あたり0.05未満であり、より好ましくは0.01未満であり、ゼロであることが最も好ましい。
ポリエチレン系樹脂(A)のNC5は、気相重合、スラリー重合などの製造方法の選択や、重合触媒の選択、重合温度、重合圧、コモノマーの種類や添加量などの重合条件によって調整することができる。
C5は、次の方法で求めることができる。窓関数にエクスポネンシャルを適用した13C−NMRスペクトルにおいて、5〜50ppmに観測されるすべてのピークの総和を1000として、32.5〜32.7ppmに付近にピークトップを有するピークのピーク面積を求める。該ピーク面積は、樹脂(A)に含まれる炭素原子数5の分岐に含まれる炭素であって、下記式中のC**で表される炭素の数に相当する値である。
・・・・CH2-CH-CH2-・・・・
└CH2-CH2-C**H2−CH2-CH3
なお、前記炭素原子数5の分岐メチレン炭素に由来するピークの位置は、測定装置および測定条件によりずれることがあるため、通常、測定装置および測定条件毎に、標品の測定を行って決定する。また、スペクトル解析には、窓関数として、負の指数関数を用いることが好ましい。
ペレットをフィルムへ加工する際の加工性を高める観点から、ポリエチレン系樹脂(A)の分子量分布(Mw/Mn)は5以上であることが好ましく、より好ましくは6以上であり、さらに好ましくは7以上である。また引張強度の観点から、ポリエチレン系樹脂(A)の分子量分布は25以下であることが好ましく、より好ましくは20以下である。なお、該分子量分布(Mw/Mn)とは、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ測定によって、ポリエチレン系樹脂(A)のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とを求め、MwをMnで除した値(Mw/Mn)である。前記Mw/Mnは、例えば、重合時の水素濃度または重合温度により調整することができ、水素濃度または重合温度を高くすると、Mw/Mnが大きいポリエチレン系樹脂(A)が得られる。
ポリエチレン系樹脂(A)の密度は、フィルムの耐熱性、寸法安定性を高める観点から、900kg/m3以上であり、好ましくは905kg/m3以上であり、より好ましくは910kg/m3以上である。また、充填材との接着性やフィルムの柔軟性を高める観点から、該密度は940kg/m3以下であり、好ましくは935kg/m3以下であり、より好ましくは930kg/m3以下である。なお、該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った試料を用いて、JIS K7112−1995に規定されたA法(水中置換法)に従って測定される。
ポリエチレン系樹脂(A)の融点は、フィルムの耐熱性を高める観点から、好ましくは100℃以上であり、より好ましくは105℃以上である。また、充填材との接着性やフィルムの柔軟性を高める観点から、該融点は好ましくは130℃以下であり、より好ましくは125℃以下である。なお、該融点は、示差走査熱量計を用いて測定によって得られるポリエチレン系樹脂(A)の融解曲線が融解ピークを示す温度とする。
ポリエチレン系樹脂(A)は、下記式(II)で定義されるg*が0.70〜0.95であることが好ましい。
g*=[η]/([η]GPC×gSCB*) (II)
[式中、[η]は、ポリエチレン系樹脂の極限粘度(単位:dl/g)を表し、下記式(II−I)によって定義される。[η]GPCは、下記式(II−II)によって定義される。gSCB*は、下記式(II−III)によって定義される。
[η]=23.3×log(ηrel) (II−I)
(式中、ηrelは、ポリエチレン系樹脂の相対粘度を表す。)
[η]GPC=0.00046×Mv0.725 (II−II)
(式中、Mvは、ポリエチレン系樹脂の粘度平均分子量を表す。)
SCB*=(1−A)1.725 (II−III)
(式中、Aは、ポリエチレン系樹脂中の短鎖分岐の含量を測定し、下記式(II−V)によって定義される。
A=((12×n+2n+1)×y)/((1000−2y−2)×14+(y+2)
×15+y×13) (II−V)
式中、nは短鎖分岐を形成している炭素原子数を表し(例えばα−オレフィンとしてブテンを用いた場合はn=2、ヘキセンを用いた場合はn=4)、yはNMRないしは赤外分光より求められる炭素原子1000個あたりの短鎖分岐数を表す。)]
なお、g*については、以下の文献を参考にした:Developments in Polymer Characterisation-4,. J. V.. Dawkins,. Ed.,. Applied Science, London,. 1983, Chapter. I,.
「Characterization. of. Long Chain Branching in Polymers,」Th. G. Scholte著
[η]GPCは、ポリエチレン系樹脂(A)と同一の分子量分布を有する重合体であって、かつ分子鎖が直鎖状であると仮定した重合体の極限粘度(単位:dl/g)を表す。gSCB*は、ポリエチレン系樹脂に短鎖分岐を導入することによって生じるg*への寄与を表す。式(II−II)は、L. H. Tung著 Journal of Polymer Science, 36, 130 (1959) 287-294頁に記載の式を用いた。
ポリエチレン系樹脂の相対粘度(ηrel)は、次の方法で測定することができる。熱劣化防止剤としてブチルヒドロキシトルエン(BHT)を0.5質量%含むテトラリン100mlに、ポリエチレン系樹脂100mgを135℃で溶解してサンプル溶液を調製する。ウベローデ型粘度計を用いて、前記サンプル溶液と、熱劣化防止剤としてBHTを0.5質量%のみを含むテトラリンからなるブランク溶液のそれぞれの降下時間を測定する。これら降下時間から、ポリエチレン系樹脂の相対粘度を算出する。
ポリエチレン系樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、下式(II−IV)
Figure 2014029989
で定義される。ただし、a=0.725とした。
g*は、長鎖分岐に起因する、溶液中での分子の収縮度を表す指標である。分子鎖あたりの長鎖分岐量が多ければ分子鎖はより収縮しやすく、g*は小さくなる。ポリエチレン系樹脂(A)のg*は、該ポリエチレン系樹脂(A)を含むフィルムを充填材と加熱圧着する時に、該フィルムが充填材より外側へ、よりはみ出しにくくするため、また、引張強度、寸法安定性の観点から、好ましくは0.70〜0.95であり、より好ましくは0.75〜0.90であり、さらに好ましくは0.75〜0.85である。g*が0.95以下であると、該ポリエチレン系樹脂(A)を含むフィルムを充填材と加熱圧着する時に、該フィルムが充填材より外側へ、よりはみ出しにくくなるため、好ましい。また、g*が0.70以上であると、高温下での寸法安定性に優れ、好ましい。
ポリエチレン系樹脂(A)は、例えば特開2008−106264号に記載された方法で製造することができる。
〔着色顔料〕
本発明の太陽電池バックシート用フィルムには、着色顔料が含まれていてもよい。
本発明において用いられる着色顔料としては、無機顔料、有機顔料が挙げられる。無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、炭酸鉛、硫酸バリウム、酸化セリウム、カオリンクレー、亜鉛華、ベンガラ、モリブデンオレンジ、コバルトブルー、群青、マンガンバイオレット等が挙げられる。
酸化チタンに代表される白色顔料を用いると、太陽電池セルを透過した光線を反射させる機能がフィルムに付加され、より発電効率を高めることができるため好ましい。太陽電池バックシート用フィルムの劣化を抑制するために、表面被覆処理を施された酸化チタンが好ましい。
また、太陽電池バックシート用フィルムの耐候性をより向上させ、太陽電池の寿命を延ばすことができるため、着色顔料として酸化セリウムを用いることが好ましい。
前記有機顔料としては、例えば、マダーレーキ、ピンクマダー、龍の血、コチニール、セピア、パーマネントレッド、ファーストイエロー、ナフトールレッド、フタロシアニンブルーなどが挙げられる。
これらの顔料は、それぞれ単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において用いられる着色顔料の平均粒径は、0.1〜30μmが好ましい。平均粒径が0.1μm以上であると、顔料がフィルム中に均一に分散しやすく好ましい。平均粒径が30μm以下であると、フィルム加工中に、いわゆるメヤニ等の加工機の汚れが発生しにくく、また、充填材とフィルムとの接着性が向上するため好ましい。
予めポリエチレン系樹脂(C)に該着色顔料を高濃度で混合して形成したマスターバッチ(D)をポリエチレン系樹脂(A)と混合すると、着色顔料の分散性が良い。
ポリエチレン系樹脂(C)としては、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられ、中でもポリエチレン系樹脂(C)に、前記ポリエチレン系樹脂(A)と同じポリエチレン系樹脂を用いることが好ましい。
〔太陽電池バックシート用フィルム〕
本発明の太陽電池バックシート用フィルムが着色顔料を含む場合、本発明の太陽電池バックシート用フィルムに含まれるポリエチレン系樹脂(A)の含有量は、ポリエチレン系樹脂(A)と着色顔料の合計量を100質量%として、ポリエチレン系樹脂(A)が好ましくは70〜99質量%であり、より好ましくは75〜97質量%であり、さらに好ましく80〜95質量%である。着色顔料の含有量は、ポリエチレン系樹脂(A)と着色顔料の合計量を100質量%として、好ましくは1〜30質量%であり、より好ましくは3〜25質量%であり、さらに好ましくは5〜20質量%である。着色顔料の含有量を1質量%以上とすることで、太陽電池バックシート用フィルムの耐候性が向上し、太陽電池の寿命が延びる。着色顔料の含有量を30質量%以下とすることで、フィルム中の着色顔料の分散性やフィルムの柔軟性が向上する。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムの厚みは、引張強度、耐候性を高める観点から、0.02mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.05mm以上であり、更に好ましくは0.1mm以上である。また、太陽電池バックシートの厚みを薄くし、太陽電池バックシートを取り扱いやすくするために、太陽電池バックシート用フィルムの厚みは、0.4mm以下が好ましく、より好ましくは0.3mm以下である。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、ポリエチレン系樹脂(A)とは異なる樹脂や、着色顔料以外の添加剤などを含んでもよい。前記ポリエチレン系樹脂(A)の含有量を100質量部とするとき、本発明の太陽電池バックシート用フィルムに含まれるポリエチレン系樹脂(A)とは異なる樹脂や、着色顔料以外の添加剤の含有量は、40質量部以下である。添加剤としては、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂(A)とは異なる樹脂や、着色顔料以外の添加剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記の酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジアルキルフェノール誘導体や2−アルキルフェノール誘導体などのいわゆるヒンダードフェノール系化合物、フォスファイト系化合物、フォスフォナイト系化合物などの3価のリン原子を含むリン系エステル化合物が挙げられる。これら酸化防止剤は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。特に色相安定化の観点から、ヒンダードフェノール系化合物とリン系エステル化合物を併用することが好ましい。また酸化防止剤は、前記前記ポリエチレン系樹脂(A)の含有量を100質量部とするとき、0.01〜1質量部含有されることが好ましく、0.03〜0.5質量部含有されることがより好ましい。
上記の光安定剤としては、例えば、特開平8−73667号公報に記載の構造を有するヒンダードアミン系化合物が挙げられ、具体的には、商品名チヌビン622−LD、キマソーブ944−LD(以上チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ホスタビンN30、VP Sanduvor PR−31(以上クラリアント社製)、サイヤソーブUV3529、サイヤソーブUV3346(以上サイテック社製)などが挙げられる。さらには、特開平11−315067号公報に記載の構造を有する立体障害性アミンエーテル化合物が挙げられ、具体的には、商品名チヌビンNOR371(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)が挙げられる。また光安定剤は、前記ポリエチレン系樹脂(A)の含有量を100質量部とするとき、0.01〜3質量部含有されることが好ましく、0.05〜2質量部含有されることがより好ましく、0.1〜1質量部含有されることがさらに好ましい。
上記の紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられ、これらは、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。また紫外線吸収剤は、前記前記ポリエチレン系樹脂(A)の含有量を100質量部とするとき、0.01〜3質量部含有されることが好ましく、0.03〜2質量部含有されることがより好ましい。
上記の滑剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸等の脂肪酸;オレイルアミド、エルシルアミド、リシノールアミド、ベヘンアミド等の脂肪酸アミド;高級脂肪酸のグリセリンエステル;ソルビタンエステル、n−ブチルステアレート等の脂肪酸エステル等を使用することができる。また滑剤は、前記ポリエチレン系樹脂(A)の含有量を100質量部とするとき、0.01〜1質量部含有されることが好ましく、0.02〜0.5質量部含有されることがより好ましい。
上記のアンチブロッキング剤としては、乾式シリカ、湿式シリカ等の合成シリカ;珪藻土等の天然シリカ;シリコン樹脂;ポリメチルメタアクリレート等を使用することができる。またアンチブロッキング剤は、前記前記ポリエチレン系樹脂(A)の含有量を100質量部とするとき、0.05〜5質量部含有されることが好ましい。
複数の成分から構成されるフィルムを製造する場合、まず、それらの成分を混合および/または溶融混練してフィルム原料を得る。次いで、後述の製造方法で該フィルム原料からフィルムを製造する。混合方法としては、例えば、タンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサーなどで成分を混合する方法があげられる。また、溶融混練方法としては、例えば、単軸押出機や多軸押出機などで成分を溶融混練する方法、ニーダーやバンバリーミキサーなどで成分を溶融混練する方法などがあげられる。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムの製造方法としては、例えば、プレス成型、インフレーションフィルム成形法、Tダイキャストフィルム成形法等が挙げられる。
フィルムの製造方法としてプレス成形を行う場合、成形温度は、通常、110〜250℃である。フィルム表面の肌荒れを抑制し、フィルムの光沢を高める観点から、好ましくは130℃以上であり、より好ましくは140℃以上、更に好ましくは150℃である。また、フィルムの熱劣化を抑える観点から、好ましくは240℃以下であり、より好ましくは220℃以下であり、さらに好ましくは200℃以下である。
フィルムの製造方法としてインフレーション成形法やTダイキャスト成形法などの押出成形を行う場合、押出成形温度は、通常、110〜250℃である。フィルム表面の肌荒れを抑制し、フィルムの光沢を高める観点から、好ましくは130℃以上であり、より好ましくは140℃以上である。また、フィルムの熱劣化を抑える観点から、好ましくは240℃以下であり、より好ましくは220℃以下であり、さらに好ましくは200℃以下である。
〔太陽電池バックシート〕
本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、太陽電池バックシートの表面に配され、太陽電池セルを封止した充填材と接着する層として使用される。すなわち、本発明の太陽電池バックシートは、前記太陽電池バックシート用フィルムを表面層として有するものである。バックシートを構成する他の層としては、水蒸気や酸素ガスの透過を防ぐバリア性や、耐電圧性を有する層が用いられる。
バックシートを構成する他の層としては、例えば、酸化珪素あるいは酸化アルミウニム等の無機酸化物の蒸着層、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層、ポリアクリロニトリル樹脂層、ポリアミド系樹脂層、ポリカーボネート層、ポリエチレンナフタレート層、ポリエチレンテレフタレート層、ポリフッ化ビニル層、エチレン−テロラフルオロエチレン共重合樹脂層、ポリフッ化ビニリデン層等が挙げられる。
〔太陽電池モジュール〕
本発明の太陽電池モジュールは、前記太陽電池バックシートを有するものである。本発明の太陽電池モジュールは、受光面側から、ガラス/充填材/太陽電池セル/充填材/本発明の太陽電池バックシートの順に積層し、真空ラミネート法を用いて加熱圧着することにより得られる。充填材としては、例えば、エチレン系樹脂シートが挙げられ、特にEVAシートが好適に用いられる。
以下、実施例および比較例により本発明を説明する。
実施例および比較例の物性は、次の方法に従って測定した。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K 7210−1995に規定された方法に従い、荷重21.18N、温度190℃の条件でA法により測定した。
(2)密度(単位:kg/m3
JIS K7112−1995のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、測定試料片は、JIS K6760−1995に記載の低密度ポリエチレンの方法に従いアニーリングを行い測定に用いた。
(3)分子量分布(Mw/Mn、単位:−)
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(9)により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
測定条件
(1)装置:Waters社製 150CV ALC/GPC
(2)分離カラム:昭和電工社製Shodex GPC AT−806MS
(3)温度 :140℃
(4)溶媒 :o−ジクロロベンゼン
(5)溶出溶媒流速:1.0ml/分
(6)試料濃度:1mg/ml
(7)測定注入量:400μl
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン(東ソー社製;分子量=6000000〜500)
(9)検出器:示差屈折
(4)ゼロせん断粘度(η、単位:Pa・sec)
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、130℃、150℃、170℃および190℃のそれぞれの温度で、下記測定条件でポリエチレン系樹脂の溶融複素粘度−角周波数曲線を測定した。次に、得られた溶融複素粘度−角周波数曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、ゼロせん断粘度(η)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.5〜2mm
ストレイン:5%
角周波数:0.1〜100rad/秒
測定雰囲気:窒素下
(5)g*
g*=[η]/([η]GPC×gSCB*) (II)
前記式(II)によってg*を求めた。
[η]は以下の方法で求めた。まず、ポリエチレン系樹脂の相対粘度(ηrel)を次の方法で求めた。熱劣化防止剤としてブチルヒドロキシトルエン(BHT)を0.5質量%含むテトラリン100mlに、エチレン系樹脂100mgを135℃で溶解してサンプル溶液を調製した。ウベローデ型粘度計を用いて、前記サンプル溶液と、熱劣化防止剤としてBHTを0.5質量%のみを含むテトラリンからなるブランク溶液のそれぞれの降下時間を測定した。これら降下時間から、ポリエチレン系樹脂の相対粘度を算出した。算出した相対粘度(ηrel)を、式(II−I)に代入し、[η]を求めた。
[η]=23.3×log(ηrel) (II−I)
(式中、ηrelは、ポリエチレン系樹脂の相対粘度を表す。)
[η]GPCは、以下の方法で求めた。前記の(3)分子量分布の測定結果より、粘度平均分子量(Mv)を算出した。算出したMvを式(II−II)に代入し、[η]GPCを求めた。
[η]GPC=0.00046×Mv0.725 (II−II)
(式中、Mvは、ポリエチレン系樹脂の粘度平均分子量を表す。)
SCB*は、式(II−V)により求めたAを式(II−III)に代入して求めた。なお、ポリエチレン系樹脂中の短鎖分岐を形成している炭素原子数nと、ポリエチレン系樹脂を構成している炭素原子1000個あたりの短鎖分岐数yの測定ならびに計算は、文献(Die Makromoleculare Chemie, 177, 449 (1976) McRae, M. A., Madams, W. F. )記載の方法に従い、α−オレフィン由来の特性吸収を利用して実施した。赤外吸収スペクトルは、赤外分光光度計(日本分光工業社製 FT−IR7300)を用いて測定した。
SCB*=(1−A)1.725 (II−III)
(式中、Aは、ポリエチレン系樹脂中の短鎖分岐の含量を測定し、下記式(II−V)によって定義される。
A=((12×n+2n+1)×y)/((1000−2y−2)×14+(y+2)
×15+y×13) (II−V)
(6)NC5の算出方法
炭素核磁気共鳴法によって、次の測定条件により、ポリエチレン系樹脂の炭素核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)を測定し、下記算出法よりNC5を求めた。
<測定条件>
装置:Bruker社製 AVANCE600
測定プローブ:10mmクライオプローブ
測定溶媒:1,2−ジクロロベンゼン/1,2−ジクロロベンゼン−d4
=75/25(容積比)の混合液
測定温度:130℃
測定方法:プロトンデカップリング法
パルス幅:45度
パルス繰り返し時間:4秒
測定基準:テトラメチルシラン
窓関数 :エクスポネンシャルまたはガウシャン
積算回数:2500回
<分岐度の算出方法>
炭素原子数5の分岐数の算出方法 (N C5 、単位:1/1000C)
窓関数にエクスポネンシャルを適用した13C−NMRスペクトルにおいて、5〜50ppmに観測されるすべてのピークの総和を1000として、32.5〜32.7ppmに付近にピークトップを有するピークのピーク面積を求めた。
(7)融点(Tm、単位:℃)
熱プレスにより作製した厚さ約0.5mmのシートから、約10mgの試片を切り出したものを測定用サンプルとした。示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DSC−7)を用いて、測定用サンプルの融点を測定した。測定では、測定用サンプルを、150℃で5分間保持した後、1℃/分で40℃まで降温し、次に40℃で5分間保持した後、10℃/分の速度で150℃まで昇温した。40℃から150℃まで10℃/分の速度で昇温した際に得られる融解曲線が融解ピークを示す温度を融点とした。
(10)加熱圧着試験
成型したフィルム(1)から、厚み300μm、縦100mm、横100mmの試験片を作製した。2mm厚のアルミ板(4)/二軸延伸ポリエステルフィルム(3)(東レ株式会社製、『ルミラー』0.1mm厚×100mm×100mm)/試験片/二軸延伸ポリエステルフィルム(3)/アルミ板(4)の順で積層し、圧縮成形機(株式会社神藤金属工業所製、F37)に積層体を設置後、温度150℃、圧力0.5MPa、プレス時間2分で積層体を加熱圧着した。圧着後、室温冷却した。圧着された積層体において、二軸延伸ポリエステルフィルム(3)の端からはみ出た樹脂量が、試験片の重量の10%未満であればOK、10%以上であればNGとした。
(10)接着強度
フィルムとEVAシートとの接着強度を下記により測定した。フィルムとEVAシートを重ねて、130℃で、圧力1.6kg/cmで3秒保持した。接着用バーは10mm×300mmのものを使用した。接着部と直角方向に幅15mmの試験片を切り出し、フィルムとEVAが接着されたサンプルを23℃、50%RH条件下で24時間放置した。ショッパー型引張試験機を用いて、200mm/分の条件でサンプルの接着部分を剥離させ、そのときの強度を測定した。
EVAシートは、温度150℃、時間5分間、圧力120kg/cmの条件でEVAを加熱および加圧して得られた厚み1mmのシートを使用した。
[実施例1]
(1)助触媒担体の調製
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;50%体積平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)2.8kgとトルエン24kgとを入れて、撹拌した。その後、反応器を5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.9kgとトルエン1.4kgとの混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間内容物を撹拌し、次に反応器を95℃に昇温し、95℃で3時間内容物を撹拌した後、ろ過した。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで6回、洗浄を行った。その後、洗浄した固体生成物にトルエン7.1kgを加えスラリーとし、一晩静置した。
上記で得られたスラリーに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(ジエチル亜鉛濃度:50質量%)3.46kgとヘキサン2.05kgとを投入し、撹拌した。その後、反応器を5℃に冷却した後、3,4,5−トリフルオロフェノール1.55kgとトルエン2.88kgとの混合溶液を、反応器の温度を5℃に保ちながら60分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間内容物を撹拌し、次に反応器を40℃に昇温し、40℃で1時間内容物を撹拌した。その後、反応器を5℃に冷却し、水 0.221kgを反応器の温度を5℃に保ちながら1.5時間で滴下した。滴下終了後、5℃で1.5時間内容物を撹拌し、次に反応器を40℃に昇温し、40℃で2時間内容物を撹拌し、更に反応器を80℃に昇温し、80℃で2時間内容物を撹拌した。撹拌後、室温にて、残量が16Lとなるまで上澄み液を抜き出し、次いでトルエン11.6kgを投入した。次に、反応器を95℃に昇温し、4時間内容物を撹拌した。撹拌後、室温にて、上澄み液を抜き出し、固体生成物を得た。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで4回、ヘキサン24リットルで3回、洗浄した。その後、洗浄した固体生成物を乾燥することにより、固体成分(以下、助触媒担体(a)と称する。)を得た。
(2)予備重合触媒成分(1)の調製
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、ブタン80リットルを投入した後、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド144mmolを投入し、オートクレーブを50℃まで昇温して撹拌を2時間行った。次に上記助触媒担体(a)0.5kgを投入し、オートクレーブを31℃まで降温して系内が安定した後、エチレンを0.1kg、水素を0.1リットル(常温常圧体積)仕込み、続いてトリイソブチルアルミニウム207mmolを投入して重合を開始した。エチレンと水素をそれぞれ0.6kg/Hrと0.5リットル(常温常圧体積)で連続供給しながら30分経過した後、オートクレーブを50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素をそれぞれ3.6kg/時間と10.9リットル(常温常圧体積)/時間で連続供給することによって合計6時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素などをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、助触媒担体(a)1g当り37gのポリエチレンを含有する予備重合触媒成分(1)を得た。
(3)エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体(PE−1)の製造
上記で得た予備重合触媒成分(1)を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ブテンと1−ヘキセンの共重合を実施し、重合体パウダーを得た。重合条件としては、重合温度を87℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素モル比を1.10%、エチレンと1−ヘキセンと1−ブテンとの合計に対する1−ヘキセンモル比を0.90%、エチレンと1−ヘキセンと1−ブテンとの合計に対する1−ブテンモル比を1.75%とした。重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、1−ブテン、水素を連続的に供給した。また、上記予備重合触媒成分(1)とトリイソブチルアルミニウム、およびトリエチルアミン(トリイソブチルアルミニウムに対するモル比3%)とを連続的に供給し、流動床の総パウダー質量80kgを一定に維持した。平均重合時間4時間であった。得られた重合体パウダーを押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/時間、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体(PE−1)を得た。PE−1のペレットの評価結果を表1に示す。
(4)フィルム成形
前記で得たPE−1のペレット 290gと、白色顔料マスターバッチ(住化カラー社製、品名:ホワイト SPEM−7A3223、酸化チタン60wt%含有)10gとをロール混練機を用いて、ロール温度125℃、混練時間5分間の条件で混練を行い、樹脂組成物を得た。前記樹脂組成物を温度150℃、時間5分間、圧力120kg/cmの条件で加熱および加圧して、厚み300μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性評価結果を表2に示す。
[実施例2]
(1)エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体(PE−2)の製造
上記で得た予備重合触媒成分(1)を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ブテンと1−ヘキセンの共重合を実施し、重合体パウダーを得た。重合条件としては、重合温度を85℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素モル比を1.82%、エチレンと1−ヘキセンと1−ブテンとの合計に対する1−ヘキセンモル比を0.72%、エチレンと1−ヘキセンと1−ブテンとの合計に対する1−ブテンモル比を3.48%とした。重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、1−ブテン、水素を連続的に供給した。また、上記予備重合触媒成分(1)とトリイソブチルアルミニウム、およびトリエチルアミン(トリイソブチルアルミニウムに対するモル比3%)とを連続的に供給し、流動床の総パウダー質量80kgを一定に維持した。平均重合時間4時間であった。得られた重合体パウダーを押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/時間、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体(PE−2)を得た。PE−2のペレットの評価結果を表1に示す。
(2)フィルム成形
前記で得たPE−2のペレットと白色顔料マスターバッチ(住化カラー社製、品名:ホワイト SPEM−7A3223、酸化チタン60wt%含有)とをロール混練機を用いて、ロール温度125℃、混練時間5分間の条件で混練を行い樹脂組成物を得た。前記樹脂組成物を温度150℃、時間5分間、圧力120kg/cmの条件で加熱および加圧して、厚み300μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性評価結果を表2に示す。
[実施例3]
(1)PE−3の製造
PE−2のパウダー及び市販の高密度ポリエチレン(MFR=17g/10分、密度=956kg/m)を、PE−2が85重量%、高密度ポリエチレンが15重量%となるように混合した。該混合物を、押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/時間、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりPE−3を得た。PE−3のペレットの評価結果を表1に示す。
(2)フィルム成形
前記で得たPE−3のペレットを温度150℃、時間5分間、圧力120kg/cmの条件で加熱および加圧して、厚み300μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性評価結果を表2に示す。
[実施例4]
市販の高圧法低密度ポリエチレン(住友化学株式会社製 スミカセン F200:以下、LD−1とする。LD−1の基本物性を表1に示した。)のペレットと白色顔料マスターバッチ(住化カラー社製、品名:ホワイト SPEM−7A3223、酸化チタン60wt%含有)とをロール混練機を用いて、ロール温度125℃、混練時間5分間の条件で混練を行い樹脂組成物を得た。前記樹脂組成物を温度150℃、時間5分間、圧力120kg/cmの条件で加熱および加圧して、厚み300μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性評価結果を表2に示す。
[比較例1]
市販の直鎖状低密度ポリエチレン(住友化学株式会社製 スミカセンL FS150:以下、LL−1とする。LL−1の基本物性を表1に示した。)のペレットと白色顔料マスターバッチ(住化カラー社製、品名:ホワイト SPEM−7A3223、酸化チタン60wt%含有)とをロール混練機を用いて、ロール温度125℃、混練時間5分間の条件で混練を行い樹脂組成物を得た。前記樹脂組成物を温度150℃、時間5分間、圧力120kg/cmの条件で加熱および加圧して、厚み300μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性評価結果を表2に示す。
Figure 2014029989
Figure 2014029989

Claims (7)

  1. 150℃で測定したゼロせん断粘度が4×10Pa・sec以上であるポリエチレン系樹脂(A)を含有する太陽電池バックシート用フィルム。
  2. 請求項1に記載のフィルムであって、前記ポリエチレン系樹脂(A)のメルトフローレートであって、JIS K7210−1995に従い、温度190℃および荷重21.18Nの条件でA法により測定されるメルトフローレートが0.1〜5g/10分であるフィルム。
  3. 請求項1または2に記載のフィルムであって、ポリエチレン系樹脂(A)が、該樹脂(A)を構成する炭素原子1000個あたり、炭素原子数5の分岐を0.1未満有する樹脂であるフィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルムであって、さらに着色顔料を含むフィルム。
  5. 請求項4に記載のフィルムであって、ポリエチレン系樹脂(A)と着色顔料の合計量を100質量%とするとき、ポリエチレン系樹脂(A)を70〜99質量%と、着色顔料を1〜30質量%含むフィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルムを表面層として有する太陽電池バックシート。
  7. 請求項6に記載の太陽電池バックシートを有する太陽電池モジュール。
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