JP2014029852A - 電極の製造方法、電極及び蓄電装置 - Google Patents

電極の製造方法、電極及び蓄電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】隆起部分の発生を好適に抑制することができる電極の製造方法、その電極の製造方法によって製造された電極、及びその電極を有する蓄電装置を提供すること。
【解決手段】正極電極の製造方法には、正極ベース51に対して正極スラリー60を塗布するスラリー塗布工程と、正極スラリー60を乾燥させる乾燥工程とが含まれている。ここで、スラリー塗布工程の前に、スラリー領域A1と、正極ベース51が露出した非スラリー領域A2との境界線B1,B2に沿って下地処理剤64を塗布する下地処理剤塗布工程を実行する。
【選択図】図7

Description

本発明は、電極の製造方法、電極及び蓄電装置に関する。
EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両には、走行用モータへの供給電力を蓄える蓄電装置としての二次電池が搭載されている。二次電池は、例えば活物質層が形成された正極電極及び負極電極がセパレータを間に挟んだ状態で層状に重なった電極組立体を備えている。また、例えば特許文献1には、電極の製造方法として、金属箔にスラリーを塗布する工程と、スラリーが塗布された金属箔をプレスするプレス工程とが記載されている。
特開2010−205429号公報
ここで、図12に示すように、金属箔101に対してスラリー102を塗布した場合、表面張力によって、スラリー102の端部、詳細にはスラリー102が塗布されるスラリー領域A21とスラリーが塗布されてない非スラリー領域A22との境界線B21周辺に、他の箇所よりも隆起した隆起部分103が形成される。かかる構成において、仮にプレス工程を行うと、隆起部分103に過剰な圧力が付与されることとなり、金属箔101が破断したり、金属箔101が伸びてシワが発生したりするおそれがある。
これに対して、例えば特許文献1には、厚さが境界線B21に向けて徐々に薄くなるようにスラリー102を塗布する構成が記載されているが、この構成では、スラリー102を塗布する場合に高度な制御を要し、スラリー102を塗布する工程の複雑化が懸念される。また、スラリー102(活物質層)の膜厚にばらつきが生じると、電気伝導に係るイオンの局所的な濃度にばらつきが生じ得る。すると、正極容量/負極容量の比率にばらつきが生じ、イオンの析出物が生じる場合がある。このため、隆起部分103の発生を抑制するための構成には未だ改善の余地がある。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、隆起部分の発生を好適に抑制することができる電極の製造方法、その電極の製造方法によって製造された電極、及びその電極を有する蓄電装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、金属箔に活物質が塗布されることによって形成された活物質層を有する電極の製造方法において、前記金属箔における予め定められたスラリー領域に対して、活物質、溶剤及びバインダーを含むスラリーを塗布するスラリー塗布工程と、前記スラリー塗布工程よりも前に実行され、前記スラリー領域と前記金属箔が露出した非スラリー領域との境界線の少なくとも一部に対して、前記スラリーの表面張力を下げる下地処理剤を塗布する下地処理剤塗布工程、及び前記金属箔の表面張力を上げる表面処理工程の少なくとも一つを備えていることを特徴とする。
これによれば、スラリー領域及び非スラリー領域の境界線の少なくとも一部にスラリーが塗布されると、下地処理剤により、塗布されたスラリーの表面張力を下げることができる。金属箔の表面張力は一定であるため、下地処理剤塗布工程を行わない場合と比べると、スラリーのぬれ性を高めることができる。
また、表面処理工程により、金属箔において、スラリー領域及び非スラリー領域の境界線の少なくとも一部における表面張力を上げることができる。塗布されたスラリーの表面張力は一定であるため、表面処理工程を行わない場合と比べると、スラリーのぬれ性を高めることができる。したがって、下地処理剤塗布工程、及び表面処理工程の少なくとも一つを行うことで、スラリーの端部に形成される隆起部分の高さを低減することができる。
また、電極の製造方法について、前記下地処理剤は、前記スラリーの溶剤に対し相溶性を有する下地用溶剤、及び前記スラリーに含有可能な表面調整剤の少なくとも一つであってもよい。
これによれば、下地用溶剤を塗布すると、スラリーは、下地用溶剤によって薄まり、スラリーの表面張力を下げることができ、スラリーのぬれ性を高めることができる。さらに、スラリーの固形分率が下がり、スラリーの粘度が下がるのでレベリング性が向上し、隆起部分が均されやすくなる。また、表面調整剤を塗布すると、表面調整剤により、スラリーの表面張力を下げることができ、スラリーのぬれ性を高めることができる。
また、電極の製造方法について、前記下地用溶剤は、前記溶剤及び前記バインダーの少なくとも一つを含んでいてもよい。
これによれば、下地用溶剤として、スラリーに含まれる溶剤及びバインダーを流用することにより、別途新たな材料を用意する構成と比較して、工程及び材料の簡素化を図ることができる。
また、電極の製造方法について、前記下地用溶剤は、前記溶剤よりも沸点の低い溶剤であってもよい。
これによれば、スラリーに含まれる溶剤と下地用溶剤とが混ざり合い、溶剤全体の沸点がスラリーに含まれる溶剤の沸点よりも下がるので、スラリーに含まれる溶剤を下地用溶剤として用いる場合に比べて乾燥工程の時間を短くできる。
また、電極の製造方法について、前記下地処理剤が塗布された領域、及び前記表面処理工程が行われた領域の少なくとも一方が形成された後、前記領域の少なくとも一部が含まれる態様で、前記電極を成形する電極成形工程を備えている。
これによれば、隆起部分に起因するシワの発生が抑制された状態で電極成形工程を行うことを通じて、電極成形時の寸法ずれを抑制することができる。これにより、所望の寸法の電極を製造することができる。
また、下地処理剤が塗布された領域、及び表面処理工程が行われた領域の少なくとも一方において、少なくとも一部が含まれる態様で電極が成形されているため、成形された電極には隆起部分が形成されにくく、仮に隆起部分が形成されたとしても、隆起部分の高さは低減されている。これにより、この電極を用いて、正極活物質層と負極活物質層とがセパレータを介して対向する電極組立体を形成した場合に、隆起部分に起因して各活物質層の間隔が広がり、二次電池の性能が低下することを抑制することができる。よって、電極組立体を有する蓄電装置において、隆起部分に起因する蓄電装置の性能低下を抑制することができる。
さらに、隆起部分に起因する活物質量の偏りを抑制することができ、それを通じて電極を用いて蓄電装置を構成した場合の析出物の発生を抑制することができる。
また、電極の製造方法について、前記下地処理剤が塗布された領域、及び前記表面処理工程が行われた領域の少なくとも一方は、前記境界線に沿うとともに所定の幅を有する帯状に形成されていてもよい。
これによれば、隆起部分が形成され得る境界線に対応させて、下地処理剤が塗布された領域、及び表面処理工程が行われた領域の少なくとも一つは、境界線に沿って所定の幅を有して形成されている。これにより、スラリーが塗布されるスラリー領域が多少ずれた場合であっても、形成された領域に境界線が位置する。よって、スラリー領域の寸法ずれが生じた場合であっても、隆起部分の高さを低減することができる。
また、下地処理剤の塗布や表面処理工程を全体に行う場合と比較して、下地処理剤の削減や表面処理工程の実行面積の削減を図ることができる。
また、電極の製造方法について、前記スラリー塗布工程の後に、前記スラリーが塗布された前記金属箔を押圧するプレス工程を備えている。
これによれば、隆起部分の高さが低減されているため、プレス工程において金属箔の破断やシワの発生等の不都合を抑制することができる。
また、電極は、請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の電極の製造方法によって製造された電極である。
これによれば、隆起部分の高さが低減された電極を得ることができる。
また、電極について、前記電極は正極電極であり、前記金属箔はアルミニウムであってもよい。
これによれば、正極電極の金属箔としてアルミニウムが採用されている。この場合、アルミニウムの表面には、表面エネルギが低い比較的安定した酸化皮膜が形成される。このため、正極電極の金属箔に対するスラリーのぬれ性は、負極電極の金属箔に対するスラリーのぬれ性よりも悪い。よって、正極電極の金属箔に対してスラリーを塗布した場合の接触角は、負極電極の金属箔に対してスラリーを塗布した場合の接触角よりも大きくなり、隆起部分の高さが高くなり易い。
これに対して、本発明によれば、比較的隆起部分の高さが高くなり易く、当該隆起部分が特に問題となり易いアルミニウムに対して下地処理剤を塗布する構成、及び表面処理を行う構成の少なくとも一方とした。これにより、隆起部分に起因する各種不都合を好適に回避することができる。
また、蓄電装置は、電極及びセパレータを有する電極組立体を備えた蓄電装置において、前記電極として請求項8又は請求項9に記載の電極を備えていることを特徴とする。
これによれば、隆起部分の高さが低減された電極を用いた蓄電装置を得ることができる。また、隆起部分に起因する性能低下や、析出物の発生を抑制することができる。
前記蓄電装置は二次電池であることを特徴とする。
この発明によれば、隆起部分の発生を好適に抑制することができる。
二次電池の斜視図。 電極組立体の分解斜視図。 電極製造装置を模式的に示す模式図。 プレス装置を模式的に示す模式図。 成形装置を模式的に示す模式図。 成形工程を説明するための平面図。 スラリーを塗布している状態を示す平面図。 下地処理剤を塗布している状態を示す平面図。 図7の9−9線断面図。 第2実施形態の下地処理剤を塗布している状態を示す平面図。 第2実施形態のスラリーを塗布している状態を示す平面図。 従来の金属箔及びスラリーを示す断面図。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る蓄電装置について図1及び図2を用いて説明する。本蓄電装置は、車両(自動車及び産業車両)に搭載されており、車両に搭載された走行用モータ(電動機)を駆動するのに用いられる。
図1に示すように、蓄電装置としての二次電池10は、金属製のケース11を備えている。ケース11は、四角箱状の容器12と、容器12の開口部分を塞ぐ矩形平板状の蓋13とからなる。蓋13には正極端子15と負極端子16とが外部に向けて突設されている。
ケース11には、電極組立体14が収容されている。図2に示すように、電極組立体14は、複数の正極電極21と複数の負極電極22とがセパレータ23を間に挟んだ状態で積層されて構成されている。各電極21,22及びセパレータ23はそれぞれ矩形(詳細には長方形)のシート状である。
正極電極21は、正極金属箔(詳細にはアルミニウム箔)21aと、当該正極金属箔21aの両面に形成された正極活物質層21bと、正極金属箔21aの一方の長辺部21cに沿って形成され、正極金属箔21aが露出した正極未塗工部21dと、を備えている。正極活物質層21bは、正極未塗工部21dとの第1境界線B1から他方の長辺部21eまでに亘って形成されている。また、正極電極21は、一方の長辺部21cから突出した正極タブ31を備えている。
負極電極22は、負極金属箔(詳細には銅箔)22aと、当該負極金属箔22aの両面に形成された負極活物質層22bと、負極金属箔22aの一方の長辺部22cに沿って形成され、負極金属箔22aが露出した負極未塗工部22dとを備えている。また、負極電極22は、一方の長辺部22cから突出した負極タブ32を備えている。各電極21,22が積層されている状態において、正極活物質層21bと負極活物質層22bとは、セパレータ23を介して対向している。
次に、各電極21,22の製造工程を、各電極21,22の製造に用いられる電極製造装置50と合わせて、図3〜図5を用いて説明する。なお、説明の便宜上、先ず全体の製造工程(電極製造装置50の全体構成)について簡単に説明した後、各工程との関係を詳細に説明する。また、正極電極21の製造工程及び負極電極22の製造工程は基本的には同一であるため、正極電極21の製造工程について説明し、負極電極22については、その詳細な説明を省略する。
図3に示すように、電極製造装置50はロールトゥロール式のものであり、正極金属箔21aのベースとなる帯状の金属箔(アルミニウム箔)で構成された正極ベース51が捲回された供給ローラ52と、正極ベース51を巻き取る巻取ローラ53とを備えている。各ローラ52,53が回転することにより、正極ベース51が所定の搬送方向Tに移動する。
正極ベース51が供給ローラ52から巻取ローラ53まで移動する間に、正極ベース51に対して正極活物質が含まれた正極スラリー60を塗布するスラリー塗布工程と、正極スラリー60を乾燥させる乾燥工程とを実行する。詳細には、電極製造装置50は、正極スラリー60を正極ベース51の箔面に塗布する転写機器61と、転写機器61にて塗布された正極スラリー60を乾燥させる乾燥炉62とを備えている。転写機器61及び乾燥炉62は、各ローラ52,53の間であって、搬送方向Tの上流側から下流側に向けて順に配置されている。
転写機器61は、表面に正極スラリー60が塗布される第1ローラ61aと、正極ベース51が搬送される第2ローラ61bとを備えている。転写機器61は、各ローラ61a,61bが所定の隙間を介して近接している状態で同一方向に回転することにより、正極ベース51に正極スラリー60を転写する。
ここで、正極スラリー60には、正極活物質、バインダー60a、及び正極活物質とバインダー60aを溶解させるための溶剤(溶媒)が含まれている。例えば、正極スラリー60には、正極活物質としてマンガン酸リチウム、溶剤としてNMP(ノルマルメチルピロリドン)、バインダー60aとしてPVdF(ポリフッ化ビニデン)が含まれている。また、正極活物質及びバインダー60aは溶剤に分散されるとともに、正極スラリー60は、所定の粘度を有している。
なお、正極スラリー60に含まれているものについては、これに限られず、任意である。例えば、正極活物質として他のリチウム−遷移金属複合酸化物を用いてもよいし、それ以外のものを用いてもよい。また、溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノンといった有機溶剤や、水などが挙げられる。さらに、導電性を向上させるべく、正極スラリー60に導電助剤(例えばアセチレンブラック、グラファイト等)を添加してもよい。
また、乾燥炉62は、例えば温風を正極ベース51に吹きかけるものであるが、これに限られず、例えば誘導コイルにて発生する磁場を利用して加熱するものであってもよい。
ここで、本実施形態においては、スラリー塗布工程を行う前に、事前に下地処理剤64を塗布する下地処理剤塗布工程を行う。本実施形態では、下地処理剤64として、正極スラリー60の溶剤に対し相溶性を有する下地用溶剤が用いられ、具体的にはバインダー60a(PVdF)が分散された溶剤(NMP)が用いられる。また、下地用溶剤が、正極スラリー60の溶剤に対し相溶性を有するとは、下地用溶剤が正極スラリー60の溶剤に対し親和性を有することである。
そして、図3に示すように、電極製造装置50は、転写機器61よりも搬送方向Tの上流側に下地処理剤64を塗布する下地処理剤塗布装置81を備えている。下地処理剤塗布装置81は、下地処理剤64を正極ベース51に対して選択的に塗布可能となっている。
なお、下地処理剤64を選択的に塗布することができれば下地処理剤塗布装置81の具体的な構成は任意であり、例えばフェルトペン、吹付け等のインクジェック方式が考えられる。
ちなみに、下地処理剤塗布工程、スラリー塗布工程及び乾燥工程は、正極ベース51の両面に対して実行する。詳細には、正極ベース51の一方の面に対して各種工程による処理が施され、巻取ローラ53によって巻き取られた正極ベース51を、再度供給ローラ52に取り付ける。そして、上記各種処理が施されていない側の面に対して上述した各種工程を行う。
その後、正極ベース51の箔面をその直交する方向からプレスするプレス工程を実行する。詳細には、図4に示すように、電極製造装置50は、正極ベース51の箔面をその直交する方向からプレスするプレス装置63を備えている。プレス装置63は、正極ベース51を搬送する供給ローラ63a及び巻取ローラ63bと、2つのプレスローラ63c,63dとを備えている。プレス装置63は、2つのプレスローラ63c,63dが回転することにより、乾燥した正極スラリー60が設けられた正極ベース51を挟み込んで加圧する。なお、これに限られず、2つの平板で挟む構成としてもよい。
プレス工程が行われた後、正極ベース51を正極電極21の形状に成形する電極成形工程としての打ち抜き工程を行う。詳細には、図5に示すように、電極製造装置50は、正極ベース51を正極電極21の形状に成形する成形装置70を備えている。成形装置70は、正極ベース51を搬送するための供給ローラ71及び巻取ローラ72を備えているとともに、正極電極21の形状に対応させて形成された金型73を備えている。成形装置70は、金型73を用いて正極ベース51を打ち抜くことにより、正極タブ31を含む正極電極21を形成する。
以上の通り、正極電極21の製造工程は、下地処理剤塗布工程→スラリー塗布工程→乾燥工程→プレス工程→打ち抜き工程の順に行われる。ここで、下地処理剤塗布工程(下地処理領域A3)と、スラリー塗布工程(スラリー領域A1)及び打ち抜き工程(正極電極21の形状)との関係等について、図6〜図9を用いて説明する。
図6に示すように、正極ベース51の幅(短手方向の長さ)L1は、正極タブ31の突出方向に沿う方向における、正極タブ31部分を除く正極電極21(正極活物質層21b及び正極未塗工部21d)の長さL2と正極タブ31の長さL3とを合わせたものよりも長く設定されている。
かかる構成において、スラリー塗布工程では、正極ベース51に対して正極スラリー60を連続的に塗布する(連続塗工)。詳細には、図7に示すように、転写機器61は、正極スラリー60を、正極活物質層21bにおける正極タブ31の突出方向に沿う方向の長さL4と同一幅で連続的に塗布する。これにより、搬送方向Tに延びた帯状のスラリー領域A1が形成される。
ここで、図6及び図7に示すように、正極ベース51の幅L1は、スラリー領域A1の幅(正極活物質層21bにおける正極タブ31の突出方向に沿う方向の長さ)L4よりも長いため、正極ベース51には正極スラリー60が塗布されない非スラリー領域A2が形成される。すなわち、正極ベース51には、正極スラリー60が塗布されるスラリー領域A1と、正極ベース51が露出した非スラリー領域A2とが形成されている。
スラリー塗布工程の前に行われる下地処理剤塗布工程では、図8に示すように、スラリー領域A1と非スラリー領域A2との境界線B1,B2に沿って、バインダー60aを溶剤に分散させた下地処理剤64を塗布する。詳細には、下地処理剤塗布装置81は、下地処理剤64を、搬送方向Tと直交する方向に所定の幅を有し、且つその塗布範囲内に各境界線B1,B2が含まれるように連続的に塗布する。これにより、搬送方向Tに延び、且つ各境界線B1,B2が含まれた2つの帯状の下地処理剤領域A3が形成される。
すなわち、図7に示すように、正極スラリー60の搬送方向Tと直交する方向の端部(各境界線B1,B2)が下地処理剤領域A3に対して重なるように、正極スラリー60が塗布される。この場合、スラリー領域A1に対して搬送方向Tと直交する方向の両側には、帯状の下地処理剤領域A3の一部が残存している。この残存している領域を痕跡領域A4という。痕跡領域A4には、乾燥工程が行われた場合であっても、下地処理剤64の構成物の一部が蒸発することなく残存している。なお、痕跡領域A4の厚さ(正極ベース51のシート面に対して直交する方向の長さ)は例えば1〜3μmである。
次に、打ち抜き工程について説明すると、図6の二点鎖線に示すように、打ち抜き工程では、金型73を用いて、正極電極21及び正極タブ31の形状に沿って正極ベース51を打ち抜く。詳細には、搬送方向Tと直交する方向において正極電極21の一方の長辺部21cとは反対側の他方の長辺部21eが第2境界線B2と重なる又はそれよりも若干第1境界線B1側に位置した状態で、打ち抜く。これにより、第1境界線B1を含み、正極活物質層21bが形成された正極電極21が形成される。
ちなみに、痕跡領域A4の幅(搬送方向Tと直交する方向の長さ)L5は、正極未塗工部21dの幅(正極未塗工部21dにおける正極タブ31の突出方向に沿う方向の長さ)L6よりも長く設定されている。このため、図2に示すように、正極電極21に形成されている正極未塗工部21d全体及び正極タブ31の基端側の一部には、痕跡領域A4が形成されている。
なお、上記のように打ち抜く場合、搬送方向Tは、正極タブ31の突出方向に沿う方向と直交する方向であると言え、搬送方向Tに直交する方向は、正極タブ31の突出方向に沿う方向であると言える。
次に、本実施形態の作用について説明する。
スラリー塗布工程の実行前に、各境界線B1,B2に沿って下地処理剤64として、バインダー60aを含む溶剤を塗布する工程が行われる。これにより、正極ベース51の表面エネルギが高い状態となる。かかる状況において、正極スラリー60が塗布されることにより、正極ベース51に対する正極スラリー60の表面張力が下がり、正極スラリー60のぬれ性が向上する。よって、図9に示すように、正極スラリー60の搬送方向Tと直交する方向の端部、詳細には各境界線B1,B2付近に形成され、他の箇所よりも隆起した隆起部分90の高さが低減される。なお、事前に下地処理剤64が塗布された場合の隆起部分90と、事前に下地処理剤64が塗布されていない場合の隆起部分103(図12参照)とを比較した場合、その差は、事前に塗布された下地処理剤64の厚さよりも大きくなっており、例えば30〜50μmとなっている。
ここで、図9に示すように、正極ベース51はアルミニウムであり、その表面には表面エネルギが小さく安定した酸化皮膜51aが形成されている。このため、正極ベース51に対してそのまま正極スラリー60を塗布した場合、ぬれ性が悪い(接触角が大きい)。この場合、正極スラリー60の表面張力が大きく、隆起部分90の高さが高くなり易い。
これに対して、本実施形態によれば、正極スラリー60を塗布する前に下地処理剤64が塗布されているため、正極スラリー60の表面張力が下がり、隆起部分90の高さが低減される。
また、下地処理剤64は、正極スラリー60に含まれるバインダー60a及び溶剤を含む。このため、下地処理剤領域A3に重なるように正極スラリー60を塗布した場合に、両者が混ざり合う。よって、事前に下地処理剤64を塗布することに起因して、下地処理剤領域A3にバインダー60aが凝固(偏析)するといった不都合が発生しにくい。
さらに、下地処理剤領域A3は、各境界線B1,B2を含む所定の幅を有した帯状に形成されている。これにより、仮にスラリー塗布工程において寸法ずれが発生した場合であっても、各境界線B1,B2が下地処理剤領域A3に含まれることが想定される。よって、上記寸法ずれが発生した場合であっても、隆起部分90の高さが低減された状態が維持され易い。
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
(1)正極スラリー60を塗布するスラリー塗布工程前に、スラリー領域A1と非スラリー領域A2との各境界線B1,B2に沿って下地処理剤64を塗布する構成とした。これにより、正極ベース51に対する正極スラリー60の表面張力を下げ、正極スラリー60のぬれ性を高めることができ、隆起部分90の高さを低減することができる。よって、プレス工程において荷重が付与された場合に隆起部分90に対して優先的に荷重が付与されるという事態を回避することができる。したがって、正極ベース51の破断、シワの発生等といった不都合を回避することができる。
また、シワの発生を抑制することを通じて、打ち抜き工程にて、シワに起因した寸法ずれを抑制することができる。これにより、正極電極21を所望の寸法通り、詳細には金型73の寸法通りに成形することができる。
(2)特に、アルミニウムの表面には、表面エネルギが小さく安定した酸化皮膜51aが形成されている。このため、正極スラリー60のぬれ性が悪く、隆起部分90が大きく(高く)なり易い。この点、本実施形態によれば、その酸化皮膜51aに対して下地処理剤64を塗布することにより、アルミニウムを用いる場合に特に問題となり易いぬれ性の悪さを低減することができ、隆起部分90の高さを低減することができる。
(3)下地処理剤64として、正極スラリー60に含まれる溶剤にバインダー60aを分散させたものを使用した。これにより、正極スラリー60と、事前に塗布する下地処理剤64(バインダー60aと溶剤)とが混ざり合う。よって、正極活物質層21bにおいてバインダー60aの凝固(偏析)が発生するという事態を回避することができる。
(4)また、下地処理剤64として、正極スラリー60の一部を流用することにより、下地処理剤を別途用意する構成と比較して、工程及び構成の簡素化を図ることができる。また、正極スラリー60の一部を流用することにより、正極活物質層21bに異なる種類の物質が混入し変質してしまう事態を避けることができる。
(5)電極組立体14においては、隆起部分90の高さが低減された正極電極21と負極電極22とがセパレータ23を間に挟んだ状態で重なり合っている。これにより、隆起部分90の高さ分だけ各電極21,22間の距離が広がることに起因する二次電池10の性能低下を抑制することができる。
また、隆起部分90には正極活物質が含まれている。このため、隆起部分90の単位面積当たりの正極活物質量が大きくなると、隆起部分90の周辺における正極容量と負極容量との容量比が異なり、リチウムが析出しやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態によれば、隆起部分90の高さを低減することを通じて、局所的にリチウムイオンの濃度が高くなることを抑制することができ、それを通じてリチウムの析出を抑制することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、スラリー領域が第1実施形態と異なっており、それに対応させて下地処理剤領域が第1実施形態と異なっている。その異なる点について図10及び図11を用いて説明する。
図10の二点鎖線及び図11に示すように、本実施形態のスラリー塗布工程では、スラリー領域A11が正極電極21の正極活物質層21bと同一形状となるように、正極スラリー60を断続的に塗布する(間欠塗工)。これにより、スラリー領域A11は、正極活物質層21bの形状に対応した長方形状となっている。このため、スラリー領域A11と非スラリー領域A12との境界である境界線B3は、四角形(長方形)状となっている。
かかる構成において、下地処理剤塗布工程では、上記スラリー領域A11に対応させて、下地処理剤64を、所定の幅を有する枠状に塗布する。これにより、図11に示すように、下地処理剤領域A13は、境界線B3を含む枠状となっている。
本実施形態の作用について説明する。
既に説明したとおり、スラリー領域A11が長方形状となっていることに対応させて、下地処理剤領域A13が枠状に形成されている。これにより、境界線B3周辺において発生し得る隆起部分の高さが低減されている。
本実施形態によれば、第1実施形態にて示した(1)〜(5)の効果に加えて、以下の優れた効果を奏することができる。
(6)正極電極21の正極活物質層21bの形状に対応させて、スラリー領域A11を長方形状にすることにより、正極電極21に用いられない無駄な正極スラリー60を削減することができる。これにより、製造にかかるコスト削減を図ることができる。一方、搬送方向Tと直交する方向にも境界線B3が形成されることになるため、隆起部分の形成範囲が広くなり、隆起部分に起因する各種不都合が発生し易くなる。
これに対して、本実施形態によれば、境界線B3が全て下地処理剤領域A13に含まれるように、バインダー60aを枠状に塗布した。これにより、製造に係るコストを削減しつつ、隆起部分の高さを低減することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、下地処理剤が第1及び第2の実施形態と異なっている。その異なる点について説明する。
下地処理剤は、正極スラリー60の溶剤に対し相溶性を有し、かつ正極スラリー60の溶剤よりも沸点の低い溶剤(以下、下地用溶剤と記載する)が使用される。下地処理剤としての下地用溶剤は、正極スラリー60の溶剤に応じて変更される。正極スラリー60の溶剤が水であり、正極スラリー60が水系スラリーである場合、下地用溶剤としては、水の沸点より低いメタノール(沸点65℃)、エタノール(沸点79℃)、2−プロパノール(沸点82℃)等が使用される。
正極スラリー60の溶剤がNMPであり、正極スラリー60がNMP系スラリーである場合、下地用溶剤としては、NMPの沸点より低いテトラヒドロフラン(沸点66℃)、アセトン(沸点55℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(沸点153℃)等が使用される。
したがって、第3の実施形態によれば、第1実施形態にて示した(1)、(2)及び(5)の効果に加えて、以下の優れた効果を奏することができる。
(7)下地処理剤として、正極スラリー60の溶剤より沸点の低い溶剤(下地用溶剤)を使用した。このため、正極スラリー60の溶剤と下地用溶剤とが混ざり合い、溶剤全体の沸点が、正極スラリー60の溶剤の沸点よりも下がるので、正極スラリー60のぬれ性を向上させながらも、乾燥工程の時間が長くならずに済む。
なお、第3の実施形態において、下地処理剤は負極スラリーの塗布の際に用いてもよい。
(第4の実施形態)
本実施形態では、下地処理剤が第1〜第3の実施形態と異なっている。その異なる点について説明する。
下地処理剤は、正極スラリー60に含有可能な表面調整剤である。表面調整剤としては、正極スラリー60の表面張力を下げることができるものである。表面調整剤(レベリング剤)としては、シリコン系のものとし、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンや、高沸点芳香族、ケトン、エステルを主成分とするものが使用できる。
したがって、第4の実施形態によれば、第1実施形態にて示した(1)、(2)及び(5)の効果に加えて、以下の優れた効果を奏することができる。
(8)下地処理剤として、表面調整剤を使用した。表面調整剤により、正極スラリー60の表面張力を下げることができ、正極スラリー60のぬれ性を高めることができる。
なお、第4の実施形態において、下地処理剤(表面調整剤)は負極スラリーの塗布の際に用いてもよい。
(第5の実施形態)
本実施形態では、下地処理剤を用いない点が第1及び第2の実施形態と異なっている。その異なる点について説明する。
第5の実施形態では、スラリー塗布工程を行う前に、事前に正極ベース51の表面張力を上げる表面処理工程が行われる。
表面処理工程は、スラリー領域A1と非スラリー領域A2との境界線B1,B2に沿って、正極ベース51の表面に物理的処理を行い、正極ベース51の表面を直接改質して、正極ベース51に表面処理領域を形成する工程である。表面処理工程としては、低圧水銀ランプによる紫外線照射、エキシマ照射、プラズマ表面改質、コロナ処理、脱脂処理等がある。そして、正極ベース51の表面に表面処理工程を施すことで、正極ベース51の表面張力を上げ、そこに塗布された正極スラリー60のぬれ性を向上させる。
したがって、第5の実施形態によれば、第1実施形態にて示した(1)、(2)及び(5)の効果に加えて、以下の優れた効果を奏することができる。
(9)スラリー塗布工程の前に表面処理工程を行った。このため、正極ベース51の表面を改質して、正極ベース51表面での表面張力を上げることができ、そこに塗布される正極スラリー60のぬれ性を高めることがきる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ スラリー塗布工程の前に、下地処理剤塗布工程、及び表面処理工程の両方を行ってもよい。
○ 下地処理剤として、バインダーを、スラリーの溶剤よりも沸点の低い溶剤に分散させたものを使用してもよい。
○ 下地処理剤として、表面調整剤にバインダーを分散させたものを使用してもよい。
○ 下地処理剤として、スラリーの溶剤よりも沸点の低い溶剤に、表面調整剤を分散させたものを使用してもよい。
○ 表面調整剤として界面活性剤を使用してもよい。
○ 各実施形態では、下地処理剤64としてバインダー60aを溶剤に分散させたものを採用したが、これに限られず、下地処理剤64として正極スラリー60に含まれる溶剤(例えばNMP)のみを用いてもよい。この場合、乾燥した後であっても、溶剤の一部の成分が残存し、痕跡領域A4は形成される。
○ さらに、下地処理剤として、正極スラリー60に含まれない材料を用いてもよい。
○ 各実施形態では、正極電極21について説明したが、負極電極22に対しても本発明を適用してもよく、正極電極21及び負極電極22の双方に対して本発明を適用してもよい。詳細には、負極活物質、溶剤及びバインダーが含まれた負極スラリーを塗布する工程の前に、負極スラリーが塗布される領域と塗布されない領域との境界線を含むように、負極スラリーに含まれるバインダー及び溶剤の少なくとも一方を含む下地処理剤を塗布する。
ちなみに、負極スラリーとしては、負極活物質、溶剤及びバインダーが含まれている。負極活物質としては、例えばカーボンやリチウム−遷移金属複合酸化物等がある。カーボンとしては、例えば天然黒鉛、人工黒鉛等の黒鉛系炭素材料、カーボンブラック、カーボンファイバー、コークス等がある。
また、負極活物質、溶剤及びバインダーが含まれた負極スラリーを塗布する工程の前に、負極スラリーが塗布される領域と塗布されない領域との境界線を含むように、負極金属箔の表面に表面処理工程を行ってもよい。
○ 第1及び第2の実施形態では、下地処理剤領域A3,A13に各境界線B1〜B3の全部が含まれる態様で下地処理剤64を塗布する構成であったが、これに限られず、例えば各境界線B1〜B3の一部であってもよい。この場合、各境界線B1,B2にあっては、各境界線B1,B2のうち打ち抜き工程において打ち抜かれる領域と重なる箇所にのみ塗布する構成としてもよいし、上記重なる箇所の一部に塗布する構成としてもよい。また、境界線B3にあっては、境界線B3の各辺のうち一辺(例えば正極活物質層21bと正極未塗工部21dとの境界)にのみ塗布する構成としてもよく、その一辺の一部に塗布する構成としてもよい。また、境界線において、特に隆起部分が高くなり易い箇所が存在する場合には、その箇所にのみ下地処理剤64を塗布する構成としてもよい。この場合であっても、下地処理剤64が塗布された箇所の隆起部分の高さを抑制することができ、プレス工程においてその箇所から破断することを抑制することができる。要は、境界線の少なくとも一部に下地処理剤64を塗布すればよく、好ましくは、正極活物質層21bの周辺(周縁)となり得る部位の一部又は全部に下地処理剤64を塗布するとよい。なお、上記各形態において、下地処理剤64を塗布する部位に、下地処理剤64を塗布する代わりに表面処理を行ってもよいし、下地処理塗布工程を行ってもよい。
○ 各実施形態では、各境界線B1〜B3に沿って帯状又は枠状に下地処理剤64を塗布したが、これに限られず、例えば正極ベース51の全体に下地処理剤を塗布する構成としてもよい。また、正極ベース51の全体に表面処理を行ってもよい。
○ 各実施形態では、搬送方向Tと直交する方向と、正極タブ31の突出方向に沿う方向とが一致する状態で、打ち抜きを行う構成であったが、これに限られず、搬送方向Tと正極タブ31の突出方向に沿う方向とが一致する態様で打ち抜いてもよい。
○ 第1実施形態では、スラリー領域A1の幅と正極活物質層21bの幅とは同一(L4)であったが、これに限られず、例えばスラリー領域A1の幅を、正極活物質層21bの幅よりも長くしてもよい。この場合、他方の長辺部21eが第2境界線B2と離間するように、打ち抜く領域を幅方向にずらすとよい。これにより、打ち抜かれた正極電極21においては、第1境界線B1周辺にのみ隆起部分90が形成され得ることになり、隆起部分90の形成領域の削減を図ることができる。第2実施形態についても同様である。
○ 各実施形態では、電極21,22にはそれぞれ未塗工部21d,22dが形成されていたが、これに限られず、これらを省略してもよい。また、各タブ31,32の基端側の一部に活物質層が形成されている構成であってもよい。
○ 各実施形態では、転写機器61を用いて正極スラリー60を塗布する構成であったが、正極スラリー60を塗布する構成は任意である。例えば、スロットダイを用いて塗布する構成としてもよい。
○ 各実施形態では、痕跡領域A4の幅L5が正極未塗工部21dの幅L6よりも長く設定されていたが、これに限られず、両者が同一であってもよく、痕跡領域A4の幅L5が正極未塗工部21dの幅L6よりも短くてもよい。要は、痕跡領域A4が形成されれば、その具体的な幅は任意である。
○ 各実施形態では、複数の正極電極21と複数の負極電極22とを有し、これらがセパレータ23を介して交互に積層された所謂積層型の電極組立体であったが、これに限られず、帯状の正極電極と負極電極とがセパレータを間に挟んだ状態で捲回された所謂捲回型の電極組立体であってもよい。この場合であっても、活物質層と金属箔が露出した部分との境界が存在する場合には、その周辺にて隆起部分が形成され得る。これに対して、本発明を適用することにより、隆起部分の高さを低減することができる。
○ 本発明を、電気二重層コンデンサ等の他の蓄電装置に適用してもよい。
○ 各実施形態では、二次電池10は車両に搭載されている構成としたが、これに限られず、他の装置に搭載される構成としてもよい。
○ 各実施形態では、乾燥工程及びプレス工程を実行したが、これに限られず、これらの工程の一方又は双方を省略してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)前記境界線は全体として矩形状であり、前記下地処理剤が塗布された領域、及び前記表面処理工程が行われた領域は、所定の幅を有するとともに前記境界線が含まれた枠状である電極の製造方法。
(ロ)活物質、溶剤及びバインダーを含むスラリーが金属箔に対して塗布されることによって形成された活物質層を有する電極を備えた蓄電装置において、前記電極には、前記金属箔が露出した未塗工部が形成されており、前記未塗工部の少なくとも一部には、前記下地処理剤が塗布されていることを特徴とする蓄電装置。
10…二次電池(蓄電装置)、14…電極組立体、21…正極電極、21b…正極活物質層、22…負極電極、22b…負極活物質層、51…正極ベース(金属箔)、60…正極スラリー、60a…バインダー、64…下地処理剤、90…隆起部分、B1〜B3…境界線、A1,A11…スラリー領域、A2,A12…非スラリー領域、A3,A13…領域。

Claims (11)

  1. 金属箔に活物質が塗布されることによって形成された活物質層を有する電極の製造方法において、
    前記金属箔における予め定められたスラリー領域に対して、活物質、溶剤及びバインダーを含むスラリーを塗布するスラリー塗布工程と、
    前記スラリー塗布工程よりも前に実行され、前記スラリー領域と前記金属箔が露出した非スラリー領域との境界線の少なくとも一部に対して、前記スラリーの表面張力を下げる下地処理剤を塗布する下地処理剤塗布工程、及び前記金属箔の表面張力を上げる表面処理工程の少なくとも一方を備えていることを特徴とする電極の製造方法。
  2. 前記下地処理剤は、前記スラリーの溶剤に対し相溶性を有する下地用溶剤、及び前記スラリーに含有可能な表面調整剤の少なくとも一つである請求項1に記載の電極の製造方法。
  3. 前記下地用溶剤は、前記溶剤及び前記バインダーの少なくとも一つを含む請求項2に記載の電極の製造方法。
  4. 前記下地用溶剤は、前記溶剤よりも沸点の低い溶剤である請求項2に記載の電極の製造方法。
  5. 前記下地処理剤が塗布された領域、及び前記表面処理工程が行われた領域の少なくとも一方が形成された後、前記領域の少なくとも一部が含まれる態様で、前記電極を成形する電極成形工程を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の電極の製造方法。
  6. 前記下地処理剤が塗布された領域、及び前記表面処理工程が行われた領域の少なくとも一方は、前記境界線に沿うとともに所定の幅を有する帯状に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の電極の製造方法。
  7. 前記スラリー塗布工程の後に、前記スラリーが塗布された前記金属箔を押圧するプレス工程を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の電極の製造方法。
  8. 請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の電極の製造方法によって製造されたことを特徴とする電極。
  9. 前記電極は正極電極であり、前記金属箔はアルミニウムであることを特徴とする請求項8に記載の電極。
  10. 電極及びセパレータを有する電極組立体を備えた蓄電装置において、
    前記電極として請求項8又は請求項9に記載の電極を備えていることを特徴とする蓄電装置。
  11. 前記蓄電装置は二次電池であることを特徴とする請求項10記載の蓄電装置。
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