JP2014029076A - アンカー部材及びアンカー部材の切断方法 - Google Patents

アンカー部材及びアンカー部材の切断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】地盤中に埋設されたアンカー中の鋼線を所定の位置で切断し、該切断された鋼線を除去することができるアンカーを提供する。
【解決手段】アンカー部材10において、前記第2の径部20は前記鋼線74を外周面に配置する拡径スペーサー34,80を備え、前記拡径スペーサー34は前記複数の鋼線74の前記第2の径部20を規定するアンカー部材10は、ケーソン立坑の構築において沈設される躯体106に反力を与えるアンカー部材10であって、前記躯体の沈設方向に延びる複数の鋼線を束ねて構成され、前記鋼線平成24年7月31日の長さ方向において、前記鋼線の束は、第1の径部と、該第1の径部より径が大きい第2の径部とを備える。アンカー部材において、前記第2の径部は前記鋼線を外周面に配置する拡径スペーサーを備え、前記拡径スペーサーは前記複数の鋼線の前記第2の径部を規定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、地盤中に埋設されたアンカーにおいて鋼線を所定の深度で切断し、切断された鋼線を引き抜いて回収することができるアンカー部材に関するものである。
従来、圧入ケーソン工法は、図14に示すように地中に打設した圧入反力用のアンカー100に反力を取り、グリッパーロッド102を介して油圧ジャッキ104に伝達し、ケーソン106を構成する躯体108の刃先抵抗と周面摩擦力に打ち勝って、躯体108を沈設している。また、躯体108を精度良く沈設するために、沈設管理システムにより躯体108を油圧ジャッキ104等でコントロールして沈設することが行われている。
この圧入ケーソン工法において、圧入反力用のアンカー100は、図15に示すように地盤Gに所定の深さまで削孔し、複数の鋼線110を拘束用のバンド112等で束ねた状態で孔114内に挿入し、モルタルやセメントペーストなどのグラウト材116を孔114内に充填し、グラウト材116が固化することにより圧入反力としてのアンカー耐力を得ている。さらに、この圧入ケーソン工法において、上記のようにアンカーの定着部の全長にわたり、グラウト材116を充填した摩擦引張方式の反力用アンカーが多く適用されている。
ところで、河川などに橋梁を架設する際、河川内に圧入ケーソン工法で躯体を沈設し、橋梁の基礎とすることがある。この躯体を橋梁の基礎とする場合において、河道計画上、必要な河床の高さや河床の勾配が予め決められている。また、河床高を高くすると計画高水位が高くなり、堤防が高くなる。
そのため、適切な計画高水位とバランスのとれた土工量から計画河床高は定められることとなる。このため、河川上流からの土砂の堆積などにより河床が浅くなると、河床を掘削して河床の高さが計画高水位に戻るように河床に堆積した土砂を取り除く作業が必要となる。
また、河川内に圧入ケーソンを設置する場合、水面上まで盛土してその施工ヤードを確保することが行われている。ケーソン設置後、この施工ヤードは浚渫船等により盛土を撤去し、元の状態へと復旧させるが、ケーソン圧入に使用したアンカーを浚渫船のクラブバスケット等で掴んで撤去することは困難であり、アンカーが撤去されず、河床から水中に突き出したままとなることがある。
特開2008−88772号公報 特開2006−28878号公報
前記アンカーが水中に突出した状態であると、前記土砂を取り除く作業をする浚渫船やプレジャーボート等の船の運航において、これらの船のスクリューにアンカーが絡みつくことや船底と接触して該船底に孔をあけることなどの支障をきたす虞がある。このため、計画河床高より深い深度でケーソン設置後の不要となったアンカーを切断撤去することが必要となる。
また、公共の道路の地下に圧入ケーソンにより立坑を設置する場合においてケーソン用の躯体の沈設に使用されたアンカーは、地上まで突出していることが多い。このため、地上まで突出したアンカーは、地表近くの浅い地中に埋設される上下水道、通信・電力ケーブルなどのライフラインを構築する際、開削工事や推進管工事等の支障となることがある。このため、道路維持管理上、ケーソン設置後の不要となったアンカーを上記工事等の支障とならない深度以上の深さで切断撤去することが必要となる。
一般に、これらの圧入ケーソンにおいて使用されるアンカーは、ケーソンの設置深さや地質等にもよるが、地表面より50mから60mの深さに打設されている。一方、計画河床高やライフライン構築により途中除去を要求される深さは、地表面から5mから10m程度の深さであり、アンカーの全長の1/5から1/10程度となる。
さらに、最近では都市部において、施工基地の確保の難しさや浅い深度の地下に張り巡らされた前記ライフライン等を避けるために深度30mから40m程度の大深度地下の開発も進められている。この大深度地下の開発においても、地中に埋設されたアンカーが開発の支障となる虞がある。
このため、前記アンカーを該アンカーの全長にわたって除去することは工期や工費が増大することから、必要に応じて埋設された前記アンカーを所定の深さで途中切断し、除去することが望まれていた。
この要望に基づいて、ケーソン設置完了後に不要になったアンカーを地上より所定の深さで、途中切断するアンカー除去装置がある(例えば、特許文献1)。
このアンカー除去装置は、鋼線に絶縁被覆導線のコイルを巻き、該コイルに高周波電流を流して鋼線に誘導磁界による高密度の渦電流を発生させる。このため、鋼線に流れる渦電流によりジュール熱が発生し、鋼線が発熱する。この鋼線の発熱により、該鋼線の耐力が低下し、鋼線が切断されることとなる。
しかし、このアンカー除去装置では、切断する深度の鋼線に絶縁被覆導線のコイルを巻き、このコイルに高周波電流を流すことから、地表からこのコイルまで絶縁被覆された導線をつなぐ必要がある。このため、アンカーを打設する際やケーソン用の躯体を設置させるためにアンカーを引っ張る際に絶縁被覆の破れや劣化による地下水の浸入により絶縁不良が生じ、電流を導通しなくなる虞がある。また、高周波電流を生じさせるための高電流・高電圧施設が大規模となること、費用がかさむことや漏電等の安全上の問題がある。
また、不要になった既設杭を地表から所定の深さで切断撤去する既設杭撤去装置がある(例えば、特許文献2)。この撤去装置では、コンクリート切断刃と鉄筋切断刃と備えていることから、図15に示すアンカーにおいて、鋼線と該鋼線の周囲に充填固化されたグラウト材とを同時に途中除去することができる。
しかし、この撤去装置は、構造物を支える基礎杭の切断を目的としていることから、設備が大規模となること、工費がかさむことや基礎杭の断面に比して小さい断面を有するアンカーの途中除去には適していない。
また、図16に示すようにアンカー100を削孔機械のロッド先端に取り付けたリングビット118で除去しようとする場合、該リングビット118でアンカー100を被せ堀するが、リングビット118の内径はアンカー100の外径より大きく構成されている。このため、リングビット118のビットすなわち刃が鋼線に接触できず、該鋼線を切断することができずに、切断予定深度を通過してしまう。また、リングビット118の内径がアンカー100の外径よりも小さく構成されていると、リングビット118のビットが被せ堀の最初から鋼線に接触することとなり、切断予定深度より浅い深度で鋼線を切断してしまうこととなる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、地盤中に埋設されたアンカー中の鋼線を所定の位置で切断し、該切断された鋼線を除去することができるアンカーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様のアンカー部材は、ケーソン立坑の構築において沈設される躯体に反力を与えるアンカー部材であって、前記躯体の沈設方向に延びる複数の鋼線を束ねて構成され、前記鋼線の長さ方向において、前記鋼線の束は、第1の径部と、該第1の径部より径が大きい第2の径部とを備えることを特徴とする。
本態様によれば、アンカー部材は該アンカー部材の長さ方向において、第1の径部と、該第1の径部より径が大きい第2の径部とを備えて構成されている。そのため、リングビットでアンカー部材を被せ堀する際、リングビットに第1の径部を通過させ、該リングビットと第2の径部と接触させることができる。これにより、アンカー部材を第2の径部で切断することができる。
したがって、本態様のアンカー部材は、第2の径部でアンカー部材を切断することができる、すなわち地盤中に埋設されたアンカー部材において第2の径部が設置された深さでアンカー部材を切断することができる。このため、第2の径部を所定の深さとなるように設置すれば、アンカー部材を所定の深さで切断することができる。
本発明の第2の態様のアンカー部材は、第1の態様において、前記第2の径部は前記鋼線を外周面に配置する拡径スペーサーを備え、前記拡径スペーサーは前記複数の鋼線の前記第2の径部を規定することを特徴とする。
本態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、前記リングビットが第2の径部において前記鋼線と接触した際、該鋼線の第1の径部すなわち径方向内方への変位を前記拡径スペーサーが規制することから、前記リングビットが前記鋼線を確実に切断することができる。
本発明の第3の態様のアンカー部材は、第2の態様において、前記拡径スペーサーは、円筒状に形成され、外周面に各鋼線の前記拡径スペーサーの周方向への変位を規制する外周溝が設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、第2の態様と同様の作用効果に加え、前記拡径スペーサーが円筒状に形成されることから、削孔された孔内にグラウト材を充填して、前記アンカー部材を設置する際、前記拡径スペーサーの中空部分から前記孔内のグラウト材が排出され、前記アンカー部材の設置を容易にすることができる。
また、前記拡径スペーサーの外周面には外周溝が設けられ、前記鋼線が周方向への変位を規制している。このため、前記鋼線同士が前記外周面に沿って寄ることがなく、第2の径部の寸法や形状を一定のものとすることができ、前記リングビットとの接触条件を安定したものとすることができる。
本発明の第4の態様のアンカー部材は、第2または第3の態様において、前記拡径スペーサーは単一部材として構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、第2または第3の態様と同様の作用効果に加え、複数の鋼線が束ねられた従来のアンカー部材に単一部材の前記拡径スペーサーを適用すれば第2の径部が得られることから、大規模な設備を必要とせず、アンカー部材を切断するための工費を低減することができる。
本発明の第5の態様のアンカー部材は、第2または第3の態様において、前記拡径スペーサー部材は、前記長さ方向に沿って前記第2の径部を規定する規定部と、前記第2の径部から前記第1の径部へと前記鋼線の束を変位させる漸減部とを備えることを特徴とする。
本態様によれば、第2または第3の態様と同様の作用効果に加え、前記拡径スペーサー部材は前記第2の径部から前記第1の径部へと前記鋼線の束を変位させる漸減部とを備えていることから、リングビットが第2の径部に接触したとき、漸減部が鋼線との摩擦力を増大させて前記拡径スペーサー部材が束ねられた鋼線内において下方に変位することを規制することができる。その結果、前記拡径スペーサーは所定の深さを維持することができることから、前記アンカー部材を所定の深さでより容易に切断することができる。
本発明の第6の態様のアンカー部材は、第5の態様において、前記拡径スペーサー部材は、前記規定部と前記漸減部とが一体の部材として形成されていることを特徴とする。
本態様によれば、第5の態様と同様の作用効果に加え、第4の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第7の態様のアンカー部材は、第5の態様において、前記拡径スペーサー部材は、前記規定部と前記漸減部とが別個の部材として形成されていることを特徴とする。
本態様によれば、第5の態様と同様の作用効果に加え、前記規定部と前記漸減部とを別個の部材として構成することから、一体として形成するよりも製造コストを低減することができる。これにより、工費の低減を図ることができる。
本発明の第8の態様に係るリングビットは、円筒状に形成されたリング部材と、前記リング部材の下面に配置されたビットと、を備え、前記リング部材が該リング部材の軸線周りに回動した際、前記ビットの刃先が作る刃先円の直径は、前記第1の径部における前記鋼線が外接する円の直径より大きく、前記第2の径部における前記複数の鋼線が内接する円の直径より小さいことを特徴とする。
本態様によれば、リングビットに設けられたビットの刃先円の直径が、前記第1の径部における前記鋼線が外接する円の直径より大きく、前記第2の径部における前記複数の鋼線が内接する円の直径より小さいことから、アンカー部材を切断する際、リングビットのビットが第1の径部と接触することがなく、第1の径部を切断することがない。一方、前記リングビットのビットは、第2の径部とは接触することとなることから、第2の径部でアンカー部材を切断することができる。すなわち、本態様のリングビットは、アンカー部材を所定の深さで切断することができる。
本発明の第9の態様のリングビットは、第8の態様において、前記リング部材の内周は楕円に形成されていることを特徴とする。
本態様によれば、第8の態様と同様の作用効果に加え、前記鋼線が削孔された孔内において前記鋼線を束ねていたベルト等が除去されると前記孔内において前記鋼線がばらけた状態すなわち第1径部より周方向外方に広がった状態となる。このとき、前記リングビットを前記鋼線の長さ方向に押し付けまたは打撃することにより、前記周方向外方に広がった鋼線を前記楕円内で再配置することができ、前記鋼線が所定の深さより浅い深さで切断されることを抑制することができる。
本発明の第10の態様に係るアンカー部材の打設方法は、第1から第7のいずれか一の態様に記載のアンカー部材を地盤に打設する方法であって、前記地盤を掘削してケーシングを設置する工程と、前記ケーシング内にグラウト材を注入する工程と、前記ケーシング内に前記アンカー部材の第2の径部が所定の深さとなるように前記アンカー部材を設置する工程と、前記アンカー部材を設置後に前記ケーシングを前記地盤から引き抜く工程とを備えることを特徴とする。
本態様によれば、アンカー部材の第2の径部を切断予定の深さに設置することができるとともにアンカー部材の周囲にグラウト材を充填して固化させることから前記アンカー部材の耐力を向上させることができる。
尚、ここで「グラウト材」とは、モルタル、コンクリート、セメントペースト等を含む。さらに、固化したグラウト材には上記のものだけでなく、周囲の土壌も混ざって固化していることから、土砂や石、礫等も含むものとする。
本発明の第11の態様のアンカー部材の打設方法は、第10の態様において、前記ケーシングはストレート管であることを特徴とする。
本態様によれば、第10の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第12の態様に係るアンカー部材の切断方法は、第1から第7のいずれか一の態様に記載のアンカー部材を切断する方法であって、地盤に打設されたアンカー部材において地表から前記第2の径部の手前まで前記アンカー部材の周囲の固化したグラウト材を除去する工程と、前記アンカー部材の前記第2の径部において該アンカー部材を切断する工程とを備えることを特徴とする。
本態様によれば、第1の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第13の態様のアンカー部材の切断方法は、第12の態様において、第8または第9の態様に記載のリングビットを用いて、前記アンカー部材を切断することを特徴とする。
本態様によれば、第12の態様と同様の作用効果に加え、第8または第9の態様と同様の作用効果を得ることができる。
第1の実施例に係るアンカー部材の要部概略斜視図。 (A)は第1の径部における標準径スペーサーの斜視図であり、(B)は第2の径部における拡径スペーサーの斜視図。 (A)はアンカー部材における第1の径部とケーシングとの関係を示す水平断面図であり、(B)はアンカー部材における第2の径部とケーシングとの関係を示す水平断面図。 第1の実施例に係るアンカー部材と該アンカー部材を切断するリングビットとの関係を示す概略縦断面図。 第1の実施例に係るアンカー部材の第2の径部を切断するリングビットの下方斜視図。 (A)はアンカー部材における第1の径部とリングビットとの関係を示す水平断面図であり、(B)はアンカー部材における第2の径部とリングビットとの関係を示す水平断面図。 (A)は第1の実施例に係るアンカー部材の第1の打設工程を示す説明図であり、(B)は第1の実施例に係るアンカー部材の第2の打設工程を示す説明図であり、(C)は第1の実施例に係るアンカー部材の第3の打設工程を示す説明図である。 (A)は第1の実施例に係るアンカー部材の第1の切断工程を示す説明図であり、(B)は第1の実施例に係るアンカー部材の第2の切断工程を示す説明図であり、(C)は第1の実施例に係るアンカー部材の第3の切断工程を示す説明図である。 第1の実施例に係るアンカー部材を第2の径部の手前まで切断するフレキシブルリングビットの概略縦断面図。 (A)は第1の実施例に係るアンカー部材の第4の切断工程を示す説明図であり、(B)は第1の実施例に係るアンカー部材の第5の切断工程を示す説明図であり、(C)は第1の実施例に係るアンカー部材の第6の切断工程を示す説明図である。 (A)は、鋼線がばらけた状態におけるリングビットとの関係を示す水平断面図であり、(B)はリングビットの楕円内で再配置させられた鋼線の状態を示す水平断面図。 (A)は第1の実施例に係るアンカー部材の第7の切断工程を示す説明図であり、(B)は第1の実施例に係るアンカー部材の第8の切断工程を示す説明図であり、(C)は第1の実施例に係るアンカー部材の第9の切断工程を示す説明図である。 (A)は第2の実施例に係る拡径スペーサーの斜視図であり、(B)は第2の実施例の変更例の拡径スペーサーの斜視図。 従来技術におけるケーソン設置工法の説明図。 (A)は従来技術におけるアンカー部材の水平断面図であり、(B)は従来技術におけるアンカー部材の概略縦断面図。 従来技術におけるアンカー部材の切断方法についての概略説明図。
<<<第1の実施例>>>
図1を参照するに、第1の実施例に係るアンカー部材10が示されている。アンカー部材10は、地盤Gに削孔された孔11に配置されたストレート管のケーシング12内に孔11の深さ方向に沿って配置されている。アンカー部材10は、複数の鋼線14を束ねて構成されている。
アンカー部材10は、鋼線14の長さ方向すなわち孔11の深さ方向(図1において紙面上下方向)に鋼線14が集められて束ねられた状態である第1の径部16と、該第1の径部16から徐々に径が増大する漸増径部18と、前記第1の径部16より径が大きい第2の径部20と、該第2の径部から第1の径部16の径に向けて徐々に径が減少する漸減径部22とを備えて構成されている。
第1の径部16には、図2(A)に示す標準径スペーサー24がその中心に配置されている。標準径スペーサー24の外周面には、鋼線14の周方向への変位を規制する外周溝26が周方向に間隔をおいて複数設けられている。また、標準径スペーサー24の中心には、中空部28が設けられている。中空部28は、ケーシング12内にグラウト材68が充填された状態において、アンカー部材10が孔66内に挿入された際、空気抜き及びグラウト材68の流入口・流出口として機能する。
図3(A)を参照するように、第1の径部16において複数の鋼線14は、標準径スペーサー24の外周溝26に保持されている。また、仮想円(二点鎖線)30は、外周溝26に保持された各鋼線14において、標準径スペーサー24の中心軸線から周方向において最も距離が離れた点を結んだ円、すなわち各鋼線14が外接する円である。鋼線14が外接する円である仮想円30の直径は、ケーシング12の内面の直径に対して十分に小さく、第1の径部16がケーシング12の内面に接触する虞が少ない。
また、標準径スペーサー24は、後述するフレキシブルリングビット及びリングビット等で切削されやすい材質例えば、プラスチックまたは木材等で構成されている。さらに、第1の径部16の外周には、標準径スペーサー24の外周溝26に保持された各鋼線14が外周溝26から脱落しないようにスペーサーバンド32が設けられている。
スペーサーバンド32も標準径スペーサー24と同様にフレキシブルリングビット及びリングビット等で切削されやすい材質例えば、プラスチック等で構成されている。また、スペーサーバンド32は、アンカー部材10において鋼線14の長さ方向すなわち孔11の深さ方向に適度な間隔をおいて複数配置されている。
第2の径部20には、図2(B)に示す拡径スペーサー34がその中心に配置されている。拡径スペーサー34の外周面には、鋼線14の周方向への変位を規制する外周溝36が周方向に間隔をおいて複数設けられている。また、拡径スペーサー34の中心には、中空部38が設けられている。中空部38は、ケーシング12内にグラウト材68が充填された状態において、アンカー部材10が孔66内に挿入された際、空気抜き及びグラウト材68の流入口・流出口として機能する。
図3(B)を参照するように、第2の径部20において複数の鋼線14は、拡径スペーサー34の外周溝36に保持されている。また、仮想円(二点鎖線)40は、外周溝36に保持された各鋼線14において、拡径スペーサー34の中心軸線から周方向において最も距離が離れた点を結んだ円、すなわち各鋼線14が外接する円である。鋼線14が外接する円である仮想円40の直径は、ケーシング12の内面の直径に対してわずかに小さく、第2の径部20がケーシング12の内面に接触する虞が大きい。
また、拡径スペーサー34は、外周溝36に鋼線14を保持することから鋼線14が周方向に変位すること、すなわち周方向によじれることを規制している。これにより、拡径スペーサー34は仮想円40の直径を安定させ、第2の径部20が径方向に変動することを規制している。
さらに、第2の径部20は、ケーシング12の孔内においてアンカー部材10を切断したい深度に配置されている。また、拡径スペーサー34は、後述するリングビットを用いて第2の径部にて鋼線14を切断するときに、切断するときのリングビットの周方向への回転力、軸方向への押し付け力によっても、拡径スペーサー34は縮径することなく鋼線14をしっかりと定位置にキープしてずれることなくグリップできるように、鉄材や鋳物などの鋼製材で構成されている。
さらに第2の径部20の外周には、拡径スペーサー34の外周溝36に保持された各鋼線14が外周溝36から脱落しないようにスペーサーバンド42が設けられている。スペーサーバンド42も拡径スペーサー34にしっかりと固定するため、鋼製のバンド等で構成されている。
漸増径部18は、アンカー部材10において、第1の径部16と第2の径部20とを結ぶ領域であり、複数の鋼線14が第1の径部16の状態から第2の径部20の状態に徐々に周方向に拡がっていくように構成されている。
また、漸減径部22は、アンカー部材10において、第2の径部20と第1の径部16とを結ぶ領域であり、複数の鋼線14が第2の径部20の状態から第1の径部16の状態に徐々に周方向に束ねられるように構成されている。
次いで、図4ないし図6を参照して、第1の実施例に係るアンカー部材10を切断するためのリングビットについて詳説する。
図4を参照するに、削孔機械64(図10参照)のロッド44の先端にリングビット46が取り付けられている。リングビット46は、ロッド44とともに該ロッドの軸線の周方向に回転可能、軸線方向に押し引き可能に構成されている。リングビット46は、図5に示すように円筒状に形成されたリング部材48と、該リング部材の下面50に設けられた「ビット」としての切断ビット52とを備えている。ロッド44及びリングビット46は孔11内に配置され、その内部にアンカー部材10が通されている。
さらに、リングビット46は、リング部材48の下面50に設けられ、グラウト材68等を掘削する掘削ビット54と、削孔機械64からロッド44の内部を通して供給される水とともに切断ビット52及び掘削ビット54により切削された屑をロッド44と削孔された孔11との間に排出する排出溝56と、中空部58とを備えて構成されている。
図6(A)及び図6(B)に示すように中空部58は、楕円状に形成されている。前記楕円の短径方向には、切断ビット52が少なくとも1つ配置されている。また、切断ビット52は、リングビット46が該リングビットの中心軸線に対して周方向に回転した際、切断ビット52の刃先が作る刃先円(二点鎖線)60の直径が、第1の径部16における鋼線14が外接する仮想円30の直径よりも大きくなるように下面50に配置されている。
さらに、切断ビット52は、切断ビット52の刃先が作る刃先円60の直径が、第2の径部20における複数の鋼線14が内接する内接円すなわち仮想円62の直径よりも小さくなるように配置されている。
このため、リングビット46は、第1の径部16において切断ビット52の刃先と鋼線14とが接触することはないから、アンカー部材10を第1の径部16で切断することがない。一方で、リングビット46は、第2の径部20において切断ビット52の刃先と鋼線14とが接触し、刃先円60の直径が仮想円62の直径よりも小さいことから、アンカー部材10を第2の径部20で完全に切断することができる。
[アンカー部材の打設方法]
次に、図7(A)、図7(B)及び図7(C)を参照して、第1の実施例に係るアンカー部材10の打設方法について説明する。第1の工程として、削孔機械64で地盤Gを削孔し、孔66を開孔させる。第2の工程として、孔66の地山が崩落することを防止するためケーシング12を孔66に残置した状態で、ケーシング12内にグラウト材68を充填させる。
第3の工程として、グラウト材68が充填された孔66内にアンカー部材10を挿入し、第2の径部20が所定の深さとなるようにケーシング12内に配置する。このとき、標準径スペーサー24の中空部28と拡径スペーサー34の中空部38とは、アンカー部材10の孔66内への挿入に伴い、充填されたグラウト材68を流動させてアンカー部材10の挿入をスムーズなものとする。
アンカー部材10の配置後、グラウト材68が固化するとケーシング12は引き抜けなくなるので、グラウト材68が固まらない内に、速やかにケーシング12を孔66から引き抜いて取り除く。その後アンカー部材10及びグラウト材68と周囲の地山との間にグラウト材68を補充・養生して固化させる。そして、アンカー部材10に反力を取り、ケーソン用の躯体を設置するケーソン設置工法でアンカー部材10を使用する。
[アンカー部材の切断方法]
図8ないし図12を参照して、本実施例に係るアンカー部材の切断方法について説明する。図8(A)を参照するに、アンカー部材の切断方法の第1の工程として、削孔機械64を使用して、アンカー部材10の周囲の固化したグラウト材68を切削除去する。
このとき、削孔機械64のロッド44の先端には、フレキシブルリングビット70が取り付けられている。フレキシブルリングビット70は、公知の技術であり、その構造は、例えば特開2005−232883号公報または特開2005−232884号公報に開示されている。
具体的には、フレキシブルリングビット70は、図9に示すように、ロッド44の先端において、ロッド44の中心軸線に対して揺動可能に構成されている。また、フレキシブルリングビット70の内側には、該フレキシブルリングビットの軸線に対して周方向に回転可能に構成されたセンターリング72が設けられている。
また、アンカー部材10は、打設する際、注意深く施工しても若干の曲りが生じることがある。このため、ロッド44に対して固定されたすなわち揺動しないリングロッドでは、アンカー部材10の曲り部分74(図9参照)でリングロッドと接触することになり、前記曲り部分でアンカー部材10を切断してしまうことになる。すなわち望まない深さでアンカー部材10を切断することになる。
フレキシブルリングビット70は、地表から孔66に挿入され、アンカー部材10の曲り部分74(図9参照)に達したとき、センターリング72が曲り部分74と接し、該センターリングによりフレキシブルリングビット70を曲り部分74に沿うように揺動させる。これにより、フレキシブルリングビット70の刃76がアンカー部材10と接触することがなく、アンカー部材10を不用意に切断してしまうことがない。
次いで図8(B)を参照するに、アンカー部材の切断方法の第2の工程として、削孔機械64のロッド44に取り付けられたフレキシブルリングビット70を使用して、アンカー部材10の周囲の固化したグラウト材68を切削除去しながら、アンカー部材10の第2の径部20の手前すなわち漸増径部18まで掘り進める。尚、このときロッド44内には水が供給され、切削したグラウト材68や土砂等の加工屑を孔66とロッド44との隙間から孔66の外へ排出する。
図8(C)を参照するに、アンカー部材の切断方法の第3の工程として、フレキシブルリングビット70により漸増径部18まで掘り進めた後、ロッド44及びフレキシブルリングビット70を孔66から引き上げる。
図10(A)を参照するに、アンカー部材の切断方法の第4の工程として、削孔機械64のロッド44に本実施例のリングビット46を取付けて、ロッド44及びリングビット46を孔66に挿入する。
図10(B)を参照するに、アンカー部材の切断方法の第5の工程として、孔66内に挿入されたロッド44及びリングビット46を漸増径部18の深さまで降ろしていく。尚、この際、ロッド44及びリングビット46は周方向における回転をしていない状態である。
このとき、第2の工程におけるフレキシブルリングビット70のグラウト材68の除去に伴って、アンカー部材10の第1の径部16のスペーサーバンド32が切削除去されることがある。このため、スペーサーバンド32が除去された第1の径部16の複数の鋼線14が標準径スペーサー24の外周溝26から脱落し、図11(A)に示すように第1の径部16の径方向に鋼線14が散らばって拡がった状態となることがある。
この状態でリングビット46を回転させると、該リングビットが鋼線14と接触し、鋼線14を所定の深さ以外の深さで切断させる虞がある。このため、ロッド44及びリングビット46を孔66の深さ方向(図10(B)において上下方向)に往復させて鋼線14に打撃を与えること、またはロッド44及びリングビット46を鋼線14に対して押しつけることにより、図11(B)に示すようにリングビット46の楕円状の中空部58内に径方向に散らばった鋼線14の再配置を促す。
その結果、径方向に散らばった鋼線14はリングビット46の中空部58内に再配置され、鋼線14をリングビット46の切断ビット52に接触させずにロッド44及びリングビット46を深さ方向において漸増径部18までスムーズに進めることができる。
図10(C)を参照するに、アンカー部材の切断方法の第6の工程として、漸増径部18の深さまで到達したリングビット46を周方向に回転させながら、該リングビット46を軸線方向に漸増径部18へ押し付ける。そして、アンカー部材10の周囲の固化したグラウト材68を切削除去しながら、リングビット46を漸増径部18から第2の径部20へ進めていく。尚、このときロッド44内には水が供給され、切削したグラウト材68や土砂等の加工屑を孔66とロッド44との隙間から孔66の外へ排出する。
リングビット46が漸増径部18から第2の径部20へ移動するとともに、リングビット46は、アンカー部材10の周囲の固化したグラウト材68だけでなく、鋼線14を切削し始める。その後、リングビット46が第2の径部20に到達すると、鋼線14が切断され、アンカー部材10は第2の径部20で切断される。
図12(A)を参照するに、アンカー部材の切断方法の第7の工程として、リングビット46がアンカー部材10を切断した後、ロッド44及びリングビット46を孔66から引き抜き、削孔機械64を撤去する。
図12(B)を参照するに、アンカー部材の切断方法の第8の工程として、クレーン78により、切断したアンカー部材10すなわち地表から第2の径部20までのアンカー部材10をつり上げて、孔66から引き抜き撤去する。
図12(C)を参照するに、アンカー部材の切断方法の第9の工程として、切断されたアンカー部材10を孔66から撤去した後、孔66に砂79等を再度充填し、孔66を養生する。これにより、孔66が埋め戻されるとともにアンカー部材10が所定深さで除去された状態となる。
<<<第1の実施例の変形例>>>
(1)本実施例において、ケーシング12はストレート管で構成したが、ケーシング12をアプセット管により構成しても良い。
(2)スペーサーバンド32は、第1の径部16において、標準径スペーサー24に対応する位置だけでなく、適宜間隔をおいて設ける構成としても良い。
(3)標準径スペーサー24に中空部28を設ける構成としたが、第1の径部16とケーシング12との間にはグラウト材68が流入・流出する空間が確保されていることから中空部28を設けない構成としても良い。
(4)中空部58は、本実施例において楕円状に形成されているが、楕円状に限定するものでなく、その他の形状例えば矩形、菱形等の形状に形成しても良い。
<<<第2の実施例>>>
図13(A)を参照して、第2の実施例について説明する。図13(A)には第2の実施例に係る拡径スペーサー80が示されている。第1の実施例とは、漸減部が設けられている点で相違する。
拡径スペーサー80は、規定部82と、漸減部84とを備えて一体に構成されている。規定部82は、円筒状に形成され、中心部に中空部86が設けられている。規定部82の外周面には、鋼線14を保持する外周溝88が設けられている。外周溝88は、鋼線14の周方向への変位を規制する。すなわち規定部82は、鋼線14の周方向の変位を規制する。
また、規定部82は、外周溝88に鋼線14を保持することから、規定部82の径の寸法に対応して、アンカー部材10の第1の径部16より径方向に複数の鋼線14を拡がった状態で保持することができる。すなわち、規定部82はアンカー部材10の第2の径部20を規定する。
漸減部84は、規定部82の下側に連続して形成されている。漸減部84においても外周面に外周溝90が形成されている。外周溝90は、規定部82の外周溝88と周方向における位置が一致するように形成され、外周溝88と連通している。また、漸減部84の中心には中空部92が設けられ、規定部82の中空部86と連通している。
また漸減部84は、拡径スペーサー80がアンカー部材10内に配置され、規定部82が第2の径部20を規定する際、孔66の深さ方向に沿ってアンカー部材10の漸減径部22と対応する位置に配置される。漸減部84は、拡径スペーサー80に対して鋼線14との孔66の深さ方向における接触長さを増やすことから鋼線14との摩擦力を増大させ、拡径スペーサー80の深さ方向における位置を安定させる。
また、漸減部84は、拡径スペーサー80がリングビット46と接触し、リングビット46が拡径スペーサー80を下方に変位させようと作用する際、漸減部84の下方の第1の径部16の複数の鋼線14を径方向に押し広げようとするが、該下方の第1の径部16を束ねるスペーサーバンド32がこの動きを阻むことから、漸減径部22に維持される。
その結果、拡径スペーサー80は第2の径部20に維持されるとともにリングビット46に押しつけられた状態となり、鋼線14の切削を促進させ、アンカー部材10の切断性を向上させる。
また、この実施例においても、中空部86、92は、ケーシング12内にグラウト材68が充填された状態において、アンカー部材10が孔66内に挿入された際、空気抜き及びグラウト材68の流入口・流出口として機能する。
<<<第2の実施例の変形例>>>
拡径スペーサー80は、規定部82と漸減部84とを一体に構成する構成に代えて、図13(B)に示すように別個の部材として構成してもよい。このように構成することにより、各部材が単純化され、一体の部材として加工するよりも加工が容易となり、加工コストを低減することができる。
上記説明をまとめると本実施形態のアンカー部材10は、ケーソン104の構築において沈設される躯体106に反力を与えるアンカー部材10であって、躯体106の沈設方向に延びる複数の鋼線14を束ねて構成され、鋼線14の長さ方向において、鋼線14の束は、第1の径部16と、該第1の径部より径が大きい第2の径部20とを備える。
第2の径部20は鋼線14を外周面に配置する拡径スペーサー34を備えている。拡径スペーサー34は、単一部材として構成され、円筒状に形成され、外周面に各鋼線14の拡径スペーサー34の周方向への変位を規制する外周溝36が設けられ、複数の鋼線14の第2の径部20を規定する。
拡径スペーサー34は、前記長さ方向に沿って第2の径部20を規定する規定部82と、前記第2の径部20から第1の径部16へと前記鋼線の束を変位させる漸減部84と、を備える。拡径スペーサー34は、規定部82と漸減部84とが一体の部材または別個の部材として形成されている。
本実施形態のリングビット46は、円筒状に形成されたリング部材48と、該リング部材48の下面50に配置された切断ビット52とを備える。リング部材48が該リング部材の軸線周りに回動した際、切断ビット52の刃先が作る刃先円60の直径は、第1の径部16における鋼線14が外接する仮想円30の直径より大きく、第2の径部20における複数の鋼線14が内接する仮想円62の直径より小さい。リング部材48の内周は楕円に形成されている。
本実施形態のアンカー部材10を地盤Gに打設する方法は、地盤Gを掘削してケーシング12を設置する第1の工程と、ケーシング内12にグラウト材68を注入して、ケーシング12内にアンカー部材10の第2の径部20が所定の深さとなるようにアンカー部材10を設置する第2の工程と、アンカー部材10を設置後にケーシング12を地盤Gから引き抜く第3の工程とを備える。尚ケーシング12はストレート管により構成されている。
本実施形態のアンカー部材10を切断する方法は、地盤Gに打設されたアンカー部材10において地表から第2の径部20の手前までアンカー部材10の周囲の固化したグラウト材68を除去する工程と、アンカー部材10の第2の径部20において該アンカー部材10を切断する工程とを備える。尚、アンカー部材10は、本実施形態のリングビット46を用いて切断する。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
10 アンカー部材、11,66 孔、12 ケーシング、14 鋼線、
16 第1の径部、18 漸増径部、20 第2の径部、22 漸減径部、
24 標準径スペーサー、26,36,88,90 外周溝、
28,38,58,86,92 中空部、30,40,62 仮想円、
32,42 スペーサーバンド、34,80 拡径スペーサー、44 ロッド、
46 リングビット、48 リング部材、50 下面、52 切断ビット、
54 掘削ビット、56 排出溝、60 刃先円、64 削孔機械、68 グラウト材、
70 フレキシブルリングビット、72 センターリング、74 曲り部分、76 刃、
78 クレーン、79 砂、82 規定部、84 漸減部、104 ケーソン、106 躯体、
G 地盤

Claims (13)

  1. ケーソン立坑の構築において沈設される躯体に反力を与えるアンカー部材であって、
    前記躯体の沈設方向に延びる複数の鋼線を束ねて構成され、
    前記鋼線の長さ方向において、前記鋼線の束は、第1の径部と、該第1の径部より径が大きい第2の径部と、
    を備える、
    ことを特徴とするアンカー部材。
  2. 請求項1に記載のアンカー部材において、前記第2の径部は前記鋼線を外周面に配置する拡径スペーサーを備え、
    前記拡径スペーサーは前記複数の鋼線の前記第2の径部を規定する、
    ことを特徴とするアンカー部材。
  3. 請求項2に記載のアンカー部材において、前記拡径スペーサーは、円筒状に形成され、外周面に各鋼線の前記拡径スペーサーの周方向への変位を規制する外周溝が設けられている、
    ことを特徴とするアンカー部材。
  4. 請求項2または3に記載のアンカー部材において、前記拡径スペーサーは単一部材として構成されている、
    ことを特徴とするアンカー部材。
  5. 請求項2または3に記載のアンカー部材において、前記拡径スペーサーは、前記長さ方向に沿って前記第2の径部を規定する規定部と、前記第2の径部から前記第1の径部へと前記鋼線の束を変位させる漸減部と、
    を備える、
    ことを特徴とするアンカー部材。
  6. 請求項5に記載のアンカー部材において、前記拡径スペーサーは、前記規定部と前記漸減部とが一体の部材として形成されている、
    ことを特徴とするアンカー部材。
  7. 請求項5に記載のアンカー部材において、前記拡径スペーサーは、前記規定部と前記漸減部とが別個の部材として形成されている、
    ことを特徴とするアンカー部材。
  8. 円筒状に形成されたリング部材と、
    前記リング部材の下面に配置されたビットと、
    を備え、
    前記リング部材が該リング部材の軸線周りに回動した際、前記ビットの刃先が作る刃先円の直径は、前記第1の径部における前記鋼線が外接する円の直径より大きく、前記第2の径部における前記複数の鋼線が内接する円の直径より小さい、
    ことを特徴とするリングビット。
  9. 請求項8に記載のリングビットにおいて、前記リング部材の内周は楕円に形成されている、
    ことを特徴とするリングビット。
  10. 請求項1から7のいずれか1項に記載のアンカー部材を地盤に打設する方法であって、
    前記地盤を掘削してケーシングを設置する工程と、
    前記ケーシング内にグラウト材を注入する工程と、
    前記ケーシング内に前記アンカー部材の第2の径部が所定の深さとなるように前記アンカー部材を設置する工程と、
    前記アンカー部材を設置後に前記ケーシングを前記地盤から引き抜く工程と、
    を備える、
    ことを特徴とするアンカー部材の打設方法。
  11. 請求項10に記載のアンカー部材の打設方法において、前記ケーシングはストレート管である、
    ことを特徴とするアンカー部材の打設方法。
  12. 請求項1から7のいずれか1項に記載のアンカー部材を切断する方法であって、
    地盤に打設されたアンカー部材において地表から前記第2の径部の手前まで前記アンカー部材の周囲の固化したグラウト材を除去する工程と、
    前記アンカー部材の前記第2の径部において該アンカー部材を切断する工程と、
    を備えるアンカー部材の切断方法。
  13. 請求項12に記載の前記アンカー部材を切断する方法において、
    請求項8または9に記載のリングビットを用いて、前記アンカー部材を切断する、
    ことを特徴とするアンカー部材の切断方法。
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