JP2014028770A - ヒトb型ナトリウム利尿ペプチド特異抗体およびそれを用いた測定法 - Google Patents

ヒトb型ナトリウム利尿ペプチド特異抗体およびそれを用いた測定法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒトB型ナトリウム利尿ペプチドに特異的な抗体を提供し、かつそれを用いてヒトB型ナトリウム利尿ペプチドを特異的に測定する方法を提供する。
【解決手段】ヒトB型ナトリウム利尿ペプチドと反応し、ヒトプロB型ナトリウム利尿ペプチドとは反応しないことを特徴とする、ヒトB型ナトリウム利尿ペプチドに特異的な抗体(A)と、hBNPの認識部位が抗体(A)とは異なる抗体(B)とを用いて、ヒトB型ナトリウム利尿ペプチドをサンドイッチ法により測定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(以下、hBNPとする)と反応し、ヒトプロB型ナトリウム利尿ペプチド(以下、hproBNPとする)とは反応しないhBNP特異抗体、及びそれを用いたhBNPの測定法に関するものである。
BNPはブタの脳から最初に単離された(非特許文献1)ことから、脳性ナトリウム利尿ペプチド(Brain Natriuretic Peptide:BNP)と命名された。しかし、ヒトにおいて、BNPは心臓で合成・分泌されることが示唆され、(非特許文献2)、心臓より単離・同定された(非特許文献3)。従って、脳(brain)という単語はB型に変更され、現在ではBNPはB型ナトリウム利尿ペプチドを意味する。
BNPは血中を循環し、強力な心血管性および腎性作用を発揮する。hBNPは32アミノ酸残基からなり、hBNPの前駆体であるhproBNPのアミノ酸配列77−108位に相当する。hBNPは、2つのシステイン残基の間のジスルフィド結合によって閉じている17アミノ酸からなる環状部、9アミノ酸からなるN末端尾部および6アミノ酸からなるC末端尾部からなる。また、血中でhBNPをインキュベートすると、N末端の2アミノ酸残基が脱離することが知られている(非特許文献4)。
血中のhBNPの濃度は、鬱血性心不全、虚血性心疾患、心房細動および腎機能障害心臓疾患を反映することが認められている。例えば、急性心筋梗塞および無症状または無症候の心室機能障害において、ヒト血漿中のhBNPレベルの上昇が報告されている(非特許文献5、6)。そのため血中のhBNPの測定は心機能・腎機能の診断などhBNPの増減を指標とする疾病の診断に役立つものである。これまでに、hBNPのイムノアッセイなどのリガンド結合アッセイは当業界で公知であり、そのアッセイ用試薬が市販されている。
また、心室負荷症例と心房負荷症例において、血中のhBNPとhproBNPの総量に対するhBNPの割合を比較したときに、心房負荷症例のほうが心室負荷症例よりも高値であることが見いだされた(非特許文献7)。このように、hBNPとhproBNPのそれぞれを別個に測定することにより、より詳細な病態情報が得られる可能性が示唆されている。従来、液体クロマトグラフ質量分析の手法を用いて、血中のhBNPとhproBNPのそれぞれを定量測定することは可能であったが、該手法は操作が煩雑でかつ多検体処理に不向きであった。
このような状況下、特にhBNPの血中濃度の臨床的重要性が理解されるようになるにつれて、hBNPのみを定量するリガンド結合アッセイが必要とされるようになってきた。しかしながら、現在、リガンド結合アッセイで用いられている抗hBNP抗体の認識部位は、hBNPの環状部またはC末端尾部である。そのため、このようなリガンド結合アッセイを用いて血中のhBNPを測定しようとすると、hBNPと同じ環状部およびC末端尾部を有するhproBNPも測定されてしまい、血中のhBNPのみを測定することは不可能であった。
一方、hBNPのN末端を認識する抗体として、hBNPのアミノ酸配列1−10位を最小のエピトープとするモノクローナル抗体が単離されている(特許文献1)。該モノクローナル抗体はhBNPと反応することが記載されているが、hproBNPとの反応性について全く言及されておらず、ましてhproBNPと反応しないhBNPに特異的な抗体についての開示も示唆もない。
特表2000−507094号公報
Nature 332,78−81(1988) Biochem.Biophys.Res.Commun.159,1427−1434(1989) FEBS Lett.259,341−345(1990) Clin Chim Acta 316:129−135(2002) J.Clin.Invest,87:1402−1412(1991) Lancet,341:1109−1113(1993) Curr Heart Fail Rep.Jun;8(2):140−146(2011)
本発明は、hBNPに特異的な抗体を提供し、かつそれを用いてhBNPを特異的に測定する方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記の課題に関し鋭意研究を行なった結果、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、以下のとおりである。
(1)hBNPと反応し、hproBNPとは反応しないことを特徴とする、hBNPに特異的な抗体。
(2)上述の(1)に記載の抗体において、認識部位に少なくともhBNPの1−4位のアミノ酸残基を含む抗体。
(3)上述の(1)または(2)に記載の抗体において、認識部位に少なくともhBNPの1−5位のアミノ酸残基を含む抗体。
(4)上述の(1)〜(3)いずれかに記載の抗体において、認識部位がhBNPの1−5位のアミノ酸残基である抗体。
(5)上述の(1)〜(4)いずれかに記載の抗体(A)と、hBNPの認識部位が抗体(A)とは異なる抗体(B)とを用いて、hBNPをサンドイッチ法により測定することを特徴とする、hBNPの測定法。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明のhBNPに特異的な抗体は、抗血清、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体のいずれでもよく、またキメラ抗体や免疫学的特性を保持する抗体断片であってもよい。中でも、モノクローナル抗体が好ましい。モノクローナル抗体は、例えばハイブリドーマから得ることができ、そのハイブリドーマは例えば次のようにして作製される。まずhBNPのN末端、好ましくはhBNPの1−10位のアミノ酸残基に相当するペプチド(以下、hBNP(1−10)とする)を合成し、免疫原性を高めるために牛血清アルブミン(以下、BSAとする)、オブアルブミン(以下、OVAとする)、またはキーホールリンペットヘモシアニン(以下、KLHとする)などと結合させる。得られたコンジュゲートをフロイントの完全アジュバント等の適当なアジュバントに乳濁し、マウスの免疫に用いる。免疫は上記乳濁液を数週間おきにマウスの腹腔等に数回繰り返し接種することにより行なう。最終免疫の3日ないし5日後に脾臓を取り出し、抗体産生細胞として使用する。一方、抗体産生細胞と融合させてハイブリドーマを得るための親細胞としてミエローマ細胞株を用意し、これと抗体産生細胞を融合させてハイブリドーマを作製する。ハイブリドーマ作製における培地として、E−RDF培地、GIT培地などの通常良く使用されているものを用いることができる。融合にあたってはまず、親細胞であるミエローマと脾臓細胞を適当な割合で、例えば個数比で1:5の割合で用意し融合に用いる。白金電極による電気的細胞融合を用いる方法が、融合効率が高いとされている。融合株はHAT選択法により選択することが好ましい。生じたハイブリドーマのスクリーニングは、培養上清を用い、ELISA法などの既知の方法により行ない、目的の免疫グロブリンを分泌しているハイブリドーマのクローンを選択する。ハイブリドーマの単一性を確保するため、細胞培養プレートにハイブリドーマを1ウェルに1個より多くならないように蒔き、生育してくるクローンについて再びスクリーニングを行なう。このサブクローニングを繰り返すことにより、単一のハイブリドーマを得ることができる。
このようにして得られたハイブリド−マを培地中で培養し、培地からモノクロ−ナル抗体を採取することにより、モノクロ−ナル抗体を製造することができる。例えば、まず、上記で得られたハイブリド−マを培養容器中で培養する。培地は先に述べた通常の培地に牛胎児血清(FCS)を添加したものでよく、この培地で3日から5日培養の後、培養上清からモノクロ−ナル抗体を得る。
このようにして本発明では、モノクロ−ナル抗体9−13P−3P−2Dを得た。この抗体は、後述の実施例に示される通り、hBNPと反応するが、hproBNPとは反応しないことから、hBNPに特異的な抗体である。また一般に、抗ペプチド抗体のエピトープは、連続する4つのアミノ酸残基が最小のエピトープとなる場合がある(特開2011−140483号公報)が、9−13P−3P−2D抗体の最小のエピトープは、hBNPの1−5位のアミノ酸残基に相当するペプチドhBNP(1−5)であった。
本発明はさらに、このようなhBNPに特異的な抗体(A)と、hBNPの認識部位が抗体(A)とは異なる抗体(B)を用いて、hBNPをサンドイッチすることを特徴とするhBNPに特異的な免疫測定法を提供する。抗体(B)としては、抗血清、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体のいずれでもよく、またキメラ抗体や免疫学的特性を保持する抗体断片でもよい。中でもモノクロ−ナル抗体が好ましく、例えばhBNPの環状部を認識するモノクロ−ナル抗体またはhBNPのC末端尾部を認識するモノクローナル抗体[BC23−11(特開2011−122957号公報)等]が挙げられる。
以下に、本発明のサンドイッチ測定法について説明する。
(1)標識抗体の調製
サンドイッチ法を行う場合、一方の抗体を標識化することが好ましい。標識としては特に限定されないが、例えば放射性同位元素、酵素、蛍光物質等があげられる。例えば酵素としては、アルカリ性ホスファタ−ゼ(以下、ALPとする)、β−D−ガラクトシダ−ゼ、ペルオキシダ−ゼ、グルコ−スオキシダ−ゼなどが利用可能である。これらの標識酵素と抗体との結合は、既知の方法に従って行なえばよい。標識する抗体は、Anti−mouse−IgG−Agaroseカラムなどにより精製されたものを用いる。本発明においては、特にALPが好ましく用いられる。なお、標識する抗体は、前述の抗体(A)または(B)のどちらであってもよい。
(2)固相化抗体の作製
サンドイッチ法を行う場合、他方の抗体を固相化することが好ましい。この抗体は、標識した抗体((A)または(B))ではないもう一方の抗体((B)または(A))である。固相化する抗体は、Anti−mouse−IgG−Agaroseカラムなどにより精製されたものを用いる。該抗体を抗原抗体反応用担体、例えば、ガラスまたは合成樹脂製の粒状物(ビ−ズ)あるいは球状物(ボ−ル)、チュ−ブ、プレ−トなどに吸着又は結合させればよい。
(3)hBNPの測定
試料、上記(1)で調製した標識抗体、上記(2)で作製した固相化抗体を接触させ、試料中のhBNPを標識抗体及び固相化抗体と反応させる。このとき、接触の順序には特に限定はなく、順次接触させてもよく、また同時に接触させてもよい。反応後、上清を除去して洗浄し、サンドイッチ構造を形成した反応生成物中の標識を検出すればよい。例えば、標識がALPの場合は、ALPの基質として例えば4−メチルウンベリフェリルリン酸(4−MUP)などを加えて反応させ、ALP活性を測定する。
本発明の抗体は、hBNPと反応するが、hproBNPとは反応しないという特徴を有する、hBNPに特異的な抗体である。このような抗体を用いた本発明のhBNPの測定法は、hproBNPの共存下であっても、hBNPを特異的に測定することができる。従って本方法は高血圧や心機能・腎機能の診断など、hBNPの増減を指標とする疾病の診断に有用である。
9−13P−3P−2D抗体のエピトープ分析の結果を示したグラフである。 9−13P−3P−2D抗体のhBNPおよびhproBNPに対する反応性を示したグラフである。
[実施例1]
I.抗hBNPモノクロ−ナル抗体産生ハイブリド−マの作製と抗体の産生
(1)免疫用コンジュゲ−ト液の作製
hBNP(1−10)は、業者にペプチド合成を依頼して得た。該ペプチドフラグメント溶液(10mg/ml、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で溶解したもの)と、マレイミド活性化KLH溶液(10mg/ml、PBSで溶解したもの)を、体積比で1:1で混和し、室温で2時間撹拌して反応させた。その後、反応液をPBSに対して2日間4℃で透析することにより、免疫用コンジュゲート液を得た。
(2)免疫
上述の免疫用コンジュゲート液(1mg/ml)とフロイントの完全アジュバントを等量ずつ混合して乳濁液とし、これをマウス(雌、6週令)の腹腔内に0.1mlずつ1週間間隔で計4回注射した。マウス1匹1回当たりのコンジュゲ−ト投与量は50μgであった。更に最終免疫の1週間後に、ブ−スタ−として免疫用コンジュゲート液をPBSで0.5mg/mlに希釈したもの(0.1ml)を腹腔内に投与した。
(3)細胞融合
ブ−スタ−免疫から3日後にマウスの脾臓を摘出し、その細胞を赤血球溶解バッファーにて赤血球を破壊した。残った細胞をE−RDF培地に懸濁して細胞融合に用いる脾リンパ球とした。次に同じくE−RDF培地に懸濁したミエローマ細胞0.4×10個を脾リンパ球 1.6×10個と混合し、遠心(1000rpm、5分)後、上清を除去した。細胞沈殿物をマンニトール緩衝液(250mM マンニトール、100mM 塩化カルシウム、100mM 塩化マグネシウム)に懸濁し、電気的細胞融合を行なった。電気的細胞融合を行なった細胞懸濁液をHAT培地(100μM ヒポキサンチン、0.4μM アミノプテリン、16μM チミジンを含むGIT培地)200mlに懸濁し、384ウエル細胞培養プレ−ト10枚の各ウエルに0.05mlずつ分注した。約7日後にはハイブリド−マの増殖が認められた。
(4)ハイブリド−マの選択
ハイブリド−マが増殖してきたウエルについて、培養上清を用いて抗hBNP抗体産生の有無をELISA法で検定した。まず、hBNP(1−10)溶液(10mg/ml、PBSで希釈したもの)とマレイミド活性化OVA溶液(10mg/ml、PBSで希釈したもの)を混和し、室温で2時間撹拌して反応させることにより得たhBNP(1−10)−OVAコンジュゲート液を、該コンジュゲートが1μg/mlとなるように固相化用緩衝液(12mM NaCO、38mM NaHCO、pH9.6)で希釈し、ELISAプレートに添加した。これを1時間室温でインキュベートし、該コンジュゲートをELISAプレートに固相化した。該ELISAプレートを洗浄用緩衝液(20mM トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、150mM 塩化ナトリウム、0.1% Tween20)で3回洗浄した後、1%スキムミルクを含むPBSを添加し、1時間室温でインキュベートすることで該ELISAプレートをブロッキングした。
該ELISAプレートを洗浄用緩衝液で1回洗浄した後、市販の抗マウスIgG抗体−ALPコンジュゲートを含むアッセイ緩衝液(15% FCS、5% BSA、100mM 2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロパンスルホン酸、100mM スクロース、50mM 塩化マグネシウム)を添加した。さらに特開2008−79517号公報に記載の多穴プレート用レプリケータを用いてハイブリドーマの培養上清を添加し、1時間室温でインキュベートした。該ELISAプレートを洗浄用緩衝液で3回洗浄した後、4−MUP溶液(1M ジエタノールアミン、0.5mM 塩化マグネシウム、1mM 4−MUP)を添加し、30分間室温でインキュベートした。該ELISAプレートの蛍光強度をプレートリーダーで測定した(励起波長360nm、発光波長465nm)。陰性対照としてハイブリドーマの培養上清の代わりに培地を添加したものを用い、陰性対照の5倍以上の蛍光強度を示したものを抗体陽性とした。全部で44個のハイブリドーマが抗体陽性と判定された。
(5)モノクロ−ン化
上記(4)によって抗体陽性と判定されたハイブリド−マのうち、蛍光強度が高いほうから10個を選択し、限界希釈法でクロ−ニングした。即ち、384ウエル細胞培養プレ−トにハイブリド−マを1個/50μl/ウエルの濃度で培養し、ハイブリド−マが増殖してきたウエルの培養上清について、(4)のELISAを行なった。抗体陽性と判定され、かつ顕微鏡観察でモノクローンに見えるハイブリド−マを選択した。この操作を2〜3回繰り返し、最終的に、hproBNPとの反応性が最も低い抗体を産生する抗体産生細胞株9−13P−3P−2D株を確立した。またこの株が産生するモノクローナル抗体を9−13P−3P−2D抗体とした。
II.モノクロ−ナル抗体のクラス・サブクラスの決定
9−13P−3P−2D抗体のクラス・サブクラスの決定は、マウスイムノグロブリン各クラス・サブクラスに特異的な抗体(Roche社、IsoStrip Mouse Monoclonal AntiBody Isotyping Kit)を用いて行なった。その結果、9−13P−3P−2D抗体は、抗IgG1抗体との間のみ沈降線が認められ、IgG1に属することがわかった。
III.モノクローナル抗体のエピトープ分析
9−13P−3P−2D抗体と反応するhBNPのエピトープを、下記のELISAにより決定した。該抗体が1μg/mlとなるように固相化用緩衝液で希釈し、ELISAプレートに添加した。これを1時間室温でインキュベートし、9−13P−3P−2D抗体をELISAプレートに固相化した。該ELISAプレートを洗浄用緩衝液で3回洗浄した後、1%スキムミルクを含むPBSを添加し、1時間室温でインキュベートすることで該ELISAプレートをブロッキングした。該ELISAプレートを洗浄用緩衝液で1回洗浄した後、hBNP(Sigma−Aldrich社、Brain Natriuretic Peptide−32 human)、hBNPペプチドフラグメント、及びALP標識したBC23−11を含むアッセイ緩衝液を添加し、1時間室温でインキュベートした。このとき、hBNPは500pMとなるように添加した。またhBNPペプチドフラグメントは、hBNPの1−4位,1−5位,1−6位,1−10位又は3−10位のアミノ酸残基に相当するペプチド(以下、それぞれhBNP(1−4)、hBNP(1−5)、hBNP(1−6)、hBNP(1−10)またはhBNP(3−10)とする)の5種類を用い、50または500nMとなるように添加した。該ELISAプレートを洗浄用緩衝液で3回洗浄した後、4−MUP溶液を添加し、30分間室温でインキュベートした。該ELISAプレートの蛍光強度をプレートリーダーで測定した。
結果を図1に示す。図1のとおり、hBNP(1−4)またはhBNP(3−10)を添加したときは、蛍光強度の減少は観察されなかった。一方、hBNP(1−5)、hBNP(1−6)、hBNP(1−10)を添加したときは、濃度依存的に蛍光強度が減少した。この測定系では、蛍光強度は、固相化した9−13P−3P−2D抗体に結合したhBNPの量に依存する。つまり、hBNPペプチドフラグメントの添加により蛍光強度が減少するということは、該hBNPペプチドフラグメントが、9−13P−3P−2D抗体とhBNPの結合を阻害することを示している。阻害を生じる最小のhBNPペプチドフラグメントはhBNP(1−5)であったため、9−13P−3P−2D抗体が認識する最小のエピトープはhBNP(1−5)であることが明らかとなった。
IV.モノクロ−ナル抗体を用いたhBNPおよびhproBNPのサンドイッチELISA
IIIに記載の方法で9−13P−3P−2D抗体を固相化し、スキムミルクでブロッキングしたELISAプレートに、hBNPとALP標識したBC23−11を含むアッセイ緩衝液を添加し、1時間室温でインキュベートした。このとき、hBNPは500pMとなるように添加した。該ELISAプレートを洗浄用緩衝液で3回洗浄した後、4−MUP溶液を添加し、30分間室温でインキュベートした。該ELISAプレートの蛍光強度をプレートリーダーで測定した。hproBNPのサンドイッチELISAは、上記のhBNPの代わりにhproBNP(HyTest社、Human recombinant proBNP glycosylated)を用いて測定した。陰性対照として、ALP標識したBC23−11を含むアッセイ緩衝液のみを添加し、同様に測定した。結果を図2に示す。図2のとおり、hBNPを添加した場合は陰性対照の20倍程度の蛍光強度を示したが、hproBNPを添加した場合は陰性対照と同等の蛍光強度を示した。これは、固相化した9−13P−3P−2D抗体はhBNPと結合するが、hproBNPと結合しないことを示している。すなわち、9−13P−3P−2D抗体は、hBNPに特異的な抗体であることが明らかとなった。

Claims (5)

  1. ヒトB型ナトリウム利尿ペプチドと反応し、ヒトプロB型ナトリウム利尿ペプチドとは反応しないことを特徴とする、ヒトB型ナトリウム利尿ペプチドに特異的な抗体。
  2. 請求項1に記載の抗体において、認識部位に少なくともヒトB型ナトリウム利尿ペプチドの1−4位のアミノ酸残基を含む抗体。
  3. 請求項1または2に記載の抗体において、認識部位に少なくともヒトB型ナトリウム利尿ペプチドの1−5位のアミノ酸残基を含む抗体。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の抗体において、認識部位がヒトB型ナトリウム利尿ペプチドの1−5位のアミノ酸残基である抗体。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の抗体(A)と、ヒトB型ナトリウム利尿ペプチドの認識部位が抗体(A)とは異なる抗体(B)とを用いて、ヒトB型ナトリウム利尿ペプチドをサンドイッチ法により測定することを特徴とする、ヒトB型ナトリウム利尿ペプチドの測定法。
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