JP2002051773A - 酒石酸耐性酸性ホスファターゼに対するモノクローナル抗体 - Google Patents
酒石酸耐性酸性ホスファターゼに対するモノクローナル抗体Info
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Abstract
なモノクローナル抗体を提供することを目的とする。 【解決手段】 酒石酸耐性酸性ホスファターゼの143
〜160番目に相当するアミノ酸配列領域からなるペプ
チドを抗原として用いて、モノクローナル抗体を作製す
ることにより、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5aに特
異的なモノクローナル抗体であって、酒石酸耐性酸性ホ
スファターゼ5b、前立腺由来、赤血球由来、血小板由
来及びポテト由来の酸性ホスファターゼのいずれとも交
差反応性を持たないかあるいは交差反応性が10%以下
のモノクローナル抗体が得られ、このモノクローナル抗
体は血中の酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5aを高精度
に測定することができる。
Description
性ホスファターゼ5aを特異的に認識するモノクローナ
ル抗体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マ、該モノクローナル抗体を用いた検体中の酒石酸耐性
酸性ホスファターゼ5aの測定方法、更には該ハイブリ
ドーマを作製するための免疫原としてのペプチドに関す
るものである。
AGEによって少なくともバンド0〜5の6個のバンド
に分けられることが知られている。この中でバンド5に
相当するタイプ5のアイソザイムは、酒石酸による抑制
に対して耐性を示すことからヒト酒石酸耐性酸性ホスフ
ァターゼと呼ばれている。従って、本明細書において
は、酒石酸耐性酸性ホスファターゼとは、酸性ホスファ
ターゼのバンド5に相当する酵素をいうものとする。ヒ
ト酒石酸耐性酸性ホスファターゼは、 骨代謝異常やHai
ry cell leukemia、Paget病、Gaucher病などの患者にお
いて、その血中濃度が優位に上昇すると考えられてい
る。従って、ヒト酒石酸耐性酸性ホスファターゼの血中
濃度の測定は、これらの疾患の診断に適用できることか
ら、これまで幾つかの測定法が提案されているが、いず
れの測定法も、他の酸性ホスファターゼのアイソザイム
をともに測定してしまうため特異的かつ精密な測定法が
なかった。また、このヒト酒石酸耐性酸性ホスファター
ゼは血中存在量が少ないこと、不安定であること、抗原
性が低いことなどが原因で、ヒト酒石酸耐性酸性ホスフ
ァターゼに対する抗体を作成するための免疫用抗原とし
て大量に精製し、利用することが難しかった。従って、
ペプチド抗原を利用してヒト酒石酸耐性酸性ホスファタ
ーゼに対するモノクローナル抗体を作成する方法(Hybr
idoma.14,91-94.1995)が試みられたこともあるがこれ
まで成功していない。
は、高精度の電気泳動により、更に二つのバンドに分け
られ、それらはヒト酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5a
及びヒト酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5bと呼ばれて
いる。ヒト酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5aと5bは、
それらの蛋白のアミノ酸配列は同一であるが、糖鎖が異
なり、ヒト酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5bは、その
糖鎖においてシアリル酸残基が欠失しており、パラニト
ロフェニルリン酸(pNPP)を基質とした場合の至適
pH値が約5.7と約6.0の間にあり、他方、ヒト酒
石酸耐性酸性ホスファターゼ5aは、その糖鎖において
シアリル酸残基が欠失しておらず、pNPPを基質とし
た場合の至適pH値が約4.9であることが知られている
(Clin. Chem. 24(7): 1105-1108, 1978; Clin. Bioche
m. 14, 177-181, 1981)。
スファターゼ5aと5bは、それぞれに臨床的意義がある
といわれているが、これまで精密測定系がないため測定
が難しかった。即ち、例えば、ヒト酒石酸耐性酸性ホス
ファターゼ5aに特異的に結合するモノクローナル抗体
として、組換えヒト酒石酸耐性酸性ホスファターゼを抗
原として作成したモノクローナル抗体4E6が報告され
ている(Clin. Chem. 41(10): 1495-149、 1995)が、そ
の後の研究により、このモノクローナル抗体4E6は、
ポテト酸性ホスファターゼとも高い結合性を有すること
が明らかにされており(Immuno. Lett.70(1999), 143-14
9)、 選択性が十分とは言えないものである。従って、
本発明の目的は、ヒト酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5
aと特異的に反応し、他の酸性ホスファターゼのアイソ
ザイムとは交差反応性を示さない、あるいは示しても極
めて低い交差反応性しか示さないモノクローナル抗体、
それを産生するハイブリドーマ、それを利用したヒト酒
石酸耐性酸性ホスファターゼ5aの測定法、更には該ハ
イブリドーマを作製するための免疫原としてのペプチド
を提供することを目的とする。
酒石酸耐性酸性ホスファターゼなどの複雑な蛋白作製を
伴わないペプチドによる、ヒト酒石酸耐性酸性ホスファ
ターゼ5aに特異的なモノクローナル抗体の作製を目的
として鋭意研究した結果、抗原ペプチドとして特定のペ
プチドを選択することにより、ヒト酒石酸耐性酸性ホス
ファターゼ5aに特異的なモノクローナル抗体が得られ
ることを見出して、本発明を完成させた。
ァターゼ5aに対するモノクローナル抗体であって、酒
石酸耐性酸性ホスファターゼ5b、前立腺由来、赤血球
由来、血小板由来及びポテト由来の酸性ホスファターゼ
のいずれとも交差反応性を持たないかあるいは交差反応
性が10%以下のモノクローナル抗体に関する。更に本
発明は、上記のモノクローナル抗体を産生するハイブリ
ドーマに関する。更に本発明は、上記モノクローナル抗
体を用いることを特徴とする検体中の酒石酸耐性酸性ホ
スファターゼ5aの測定方法に関する。更に本発明は、
配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列からなるペプチ
ド、又は該ペプチドと実質的に同様の免疫原性を有する
ペプチドに関する。
ホスファターゼ、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5a及
び酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5bを、それぞれACP、
TrACP5a及びTrACP5bと略記する。上記モノクローナ
ル抗体は、配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列から
なるペプチド、又は該ペプチドと実質的に同様の免疫原
性を有するペプチドを免疫原として利用することにより
得ることができる。配列表の配列番号1に示すアミノ酸
配列は、ヒトTrACPのアミノ酸番号143〜160
の領域に相当する(Gene, 13(1993), 201-207)。配列番
号1のアミノ酸配列からなるぺプチドは、天然型のヒト
TrACPに近い抗原性を有しているものと考えられるの
で、このペプチドを免疫原として用いることにより、ヒ
トTrACP5aに特異性を持つモノクローナル抗体を得るこ
とができる。免疫原として用いるペプチドは、配列表の
配列番号1に示すアミノ酸配列からなるペプチドと実質
的に同様の免疫原性を有するペプチドであってもよい。
このようなペプチドとしては、配列表の配列番号1に示
すアミノ酸配列において1個または数個のアミノ酸が欠
失、置換、または付加されたアミノ酸配列からなるペプ
チドであって実質的に同様の免疫原性を有するペプチド
が挙げられる。また、配列表の配列番号1に示すアミノ
酸配列において、連続した3個以上、好ましくは6個以
上、より好ましくは12個以上のアミノ酸残基からなる
実質的に同様の免疫原性を有するペプチドであってもよ
い。また、更には、このようなペプチドを含むペプチド
であって実質的に同様の免疫原性を有するペプチドであ
ってもよい。このようなペプチドとしては、アミノ酸残
基50個までからなるペプチドが挙げられる。免疫原と
して用いる上記したペプチドは化学合成によって得る事
ができる。あるいは、ヒトTrACP遺伝子のクローニング
により明らかにされた塩基配列(Gene.130,201-207.199
3)を参考にして、ペプチドをコードする遺伝子をPCR法
によって増幅し、発現ベクターに導入して適当な宿主細
胞に形質転換し、形質転換細胞を培養してペプチドをコ
ードする遺伝子を発現させることによって作製すること
もできる。また、ペプチドを融合蛋白として発現させて
もよい。免疫原として用いるペプチドは、 必ずしも高
純度に精製したものでなくともよく、粗精製品であって
もよい。また、 ペプチドは、通常ハプテンとなるキャ
リアープロテインに化学結合して、抗原として用いられ
る。
チドを免疫原として動物を免疫し、その抗ペプチド抗体
産生細胞と骨髄腫瘍細胞とを融合させることによって得
られるハイブリドーマによって産生される。このハイブ
リドーマは以下の方法によって得ることができる。即
ち、上記したようにして得たペプチドを、必要に応じて
ハプテンに結合し、これをフロイントの完全、不完全ア
ジュバント、またはPBSなどの緩衝液とともに数回に分
けてマウス等の動物に2〜3週間おきに腹腔内または尾
静脈投与することによって免疫する。次いで脾臓等に由
来する抗体産生細胞と骨髄腫瘍細胞(ミエローマ細胞)
等の試験管内で増殖能力を有する細胞とを融合する。融
合法としては、ケーラーとミルスタインの方法(Natur
e.256,495.1975)によってポリエチレングリコール(PE
G)を用いることにより融合できる。またセンダイウィ
ルスによっても融合を行うことができる。上記融合した
細胞からヒトTrACP5aを認識する抗体を産生する
ハイブリドーマの選択は、以下のようにして行うことが
できる。即ち、上記融合した細胞から限界希釈法によっ
てHAT培地及びHT培地で生存している細胞により作ら
れるコロニーからハイブリドーマを選択する。このコロ
ニー培養上清中にヒトTrACP5aに対する抗体が含
まれている場合には、免疫原として用いたペプチドをそ
のプレート上に固定化したアッセイプレート上に上清を
のせ、反応後に抗マウスイムノグロブリン−HRP標識
抗体等、2次標識抗体を反応させるEIA法により、ヒ
トTrACP5aに対するモノクローナル抗体産生クローンを
選択できる。目的とするモノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマを、通常細胞培養に用いられる培地にお
いて培養し、その培養上清より目的とするモノクローナ
ル抗体を回収することができる。またハイブリドーマが
由来する動物をあらかじめプリスタン処理しておき、そ
の動物に細胞を腹腔内注射することによって腹水を貯留
させ、その腹水からモノクローナル抗体を回収すること
もできる。上清、腹水よりモノクローナル抗体を回収す
る方法としては、通常の方法を用いることができる。即
ち、例えばクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグ
ラフィー、プロテインAなどによるアフィニティクロマ
トグラフィーなどが挙げられる。
ファターゼ5aに対するモノクローナル抗体であって、
酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5b、前立腺由来、赤血
球由来、血小板由来及びポテト由来の酸性ホスファター
ゼのいずれとも交差反応性を持たないかあるいは交差反
応性が10%以下のモノクローナル抗体が得られた。こ
のモノクローナル抗体は、タイプIgM、軽鎖κ、分子
量 約95万ダルトンの特性を有していた。また、この
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマとしてTr
K73が確立された。このハイブリドーマは、 工業技術
院生命工学工業技術研究所に平成12年6月28日に寄
託され、受託番号としてFERM P−17927が付
与されている。
法によって検体中のヒトTrACP5a濃度を知ること
ができる。このような測定法としては、酵素免疫測定法
(EIA)、酵素固定化免疫測定法(ELISA)、放射免疫
測定法(RIA)などが挙げられる。このような測定法に
は、通常用いられる固相、例えば、ポリスチレン等のポ
リマー、ガラスビーズ、磁性粒子、マイクロプレート、
グラスフィルターなどが用いられる。標識としては、例
えば、ホースラデシュパーオキシダーゼ、ワサビペルオ
キシダーゼなどが挙げられる。これらの試薬を用いた免
疫測定法それ自体は当業者に既に周知であり、周知の方
法により本発明のモノクローナル抗体を用いた免疫測定
法を容易に実施できる。
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1ハイブリドーマ及びモノクローナル抗体の作製 (1)抗原の作製と免疫 既に発表されているヒトTrACPの遺伝子の塩基配列(Gen
e.130,201-207.1993)を基にしてアミノ酸配列143〜
160番目に相当する領域を選び、配列表の配列番号1
に示すアミノ酸配列からなるペプチドを化学的に全合成
した後、これをキーホール・リンペット・ヘモシアニン
(KLH)と結合させて抗原とした。これをフロイント完
全アジュバントで乳化させて感作抗原とし、Balb/c 6
週齢雌性マウスに50μgを腹腔内投与した。2回目以
降はフロイント不完全アジュバントを用い2週間おきに
3回免疫を行い、最終回はPBS溶液にて尾静脈投与し
た。
合に用いた。融合はケーラーとミルスタインの方法(Na
ture.256,495.1975)に従い、ポリエチレングリコール
を用いて脾細胞とP3-X63-Ag8-U1(P3U1)を融合した。
融合細胞はHAT培地に分散し96穴マイクロタイター
カルチャープレートに分注して37℃、5%CO2条件に
て培養した。約2週間後にコロニーの生育を確認してス
クリーニングを実施した。スクリーニングの方法を以下
に述べる。スクリーニング用プレートを作製するために
上記(1)にて作製した合成ペプチドをPBS中に溶解
し、0.5μg/100μl/wellとなるように96穴ウエ
ルに分注した。プレートを4℃で2晩静置した後に0.
005% Tween 20を含むPBSで3回洗浄し、非特異
的反応を抑えるために1.5%BSA溶液を200μl分注
して、更に4℃で1晩静置した。完成したプレートを
0.005% Tween 20を含むPBSで3回洗浄した後
に培養上清100μlを反応させ、更に洗浄を行った後
に2次抗体であるホースラデシュパーオキシダーゼ(H
RP)標識抗マウスイムノグロブリン抗体を加えて反応
させた。洗浄後にHRPの発色基質であるOPDを加え
て吸光度を測定した。上記のようにして陽性になったク
ローンは限界希釈法によって再クローニングされ上清を
再度チエックした。 (3)抗体の確認 得られた抗体をモノクローナル抗体タイピングキットに
て検定した結果、以下のような結果であった。 クラス IgM 軽鎖 κ また、分子量は、約95万ダルトンであった。 (4)腹水採取と抗体精製 上記(2)で得られたハイブリドーマ、Trk73の1
×107細胞個をプリスタン0.5ml投与後2週間のBal
b/c10週齢雌性マウスに腹腔内投与し、約2週間後に
マウス腹腔内に貯留した腹水を外科的に採取した。スク
リーニングで行ったEIA法によって腹水をサンプルと
して確認すると高濃度の本発明のモノクローナル抗体
(以下、このモノクローナル抗体をモノクローナル抗体
Trk73と記載することもある)が含まれていた。こ
の腹水を硫安50%で処理し、PBSに透析した後、S
−300カラムによりIgMフラクションを精製した。
の方法(Clin.Chem.24:7,1105-1108.1978)によりヒトCor
d plasmaよりTrACPを精製した。このヒトTrACPを
更に分離精製しヒトTrACP5a及びヒトTrACP
5bの2種類の酵素を得た。精製したヒトTrACP5
a及びヒトTrACP5bは、ディスク電気泳動法(Cli
n.Chem.24:2,309-312.1978)及びフッ素阻害による活性
測定法(Clin.Chem.46:4,469-473.2000)により、いずれ
も単一であることを確認した。これらのヒトTrACP
5aとヒトTrACP5bの2種の酵素をそれぞれ2μ
g取り、非還元条件下にてSDS−PAGEを行い、ウ
エスタン・ブロッティング法により反応性を確認した。
その結果、ヒトTrACP5aでは約33Kダルトン
(非分解物)及び約23Kダルトン付近にバンドが認め
られた。ヒトTrACP5bでは、約33Kダルトン及
び約23Kダルトンのいずれにもバンドが認められなか
った。この結果は、モノクローナル抗体Trk73がヒト
TrACP5aと反応性を持つこと、また公知の報告(A
rch.Biochem.Biophys.345,230-236.1997)で現れると考
えられる23Kダルトンの分解ラージフラグメントと反
応することを示している。他方、モノクローナル抗体T
rk73は、ヒトTrACP5bと反応性を持たないこ
とを示している。 (6)特異性検定 モノクローナル抗体Trk73の特異性を調べるため、
上記のヒトTrACP5a及びヒトTrACP5bの他
に、赤血球由来ACP、血小板由来ACP、前立腺由来
ACP及びポテト由来ACPを96穴マイクロタイター
プレートに0.5μg/100μl PBS/wellと
なるように分注した。その後上記(2)と同様にブロッ
キングを行いプレートの作成をした。別にBSA、カゼ
インのみ(ブロッキング剤のみ)のプレートをコントロー
ルとして同時に作成した。結果のブランク吸光度の2倍
値までをマイナス(-)、3倍値までをプラス・マイナス
(±)、3倍以上5倍以下をプラス(+)、5倍以上をスト
ロング・ポジティブ(++)と判断した。得られた結果を表
1に示した。
ング・ポジティブであり、他はすべてマイナスであっ
た。また、モノクローナル抗体Trk73は、TrAC
P5b、赤血球由来ACP、血小板由来ACP、前立腺
由来ACP及びポテト由来ACPのいずれとも10%以
下の交差反応性しか持たないことが判った。
の測定 実施例1の(6)と同様の方法で精製したTrACP5aをマ
イクロタイタープレートに結合させ、プレートを作製し
た。TrACP5aは、それぞれ3000ngからの1
0倍希釈であり、3000ng、300ng、30n
g、3ng、0.3ng、0.003ngの6段階の濃
度を調整した。1次抗体としてモノクローナル抗体Tr
k73を100μl/wellで分注し、実施例1の
(2)と同様に抗マウスイムノグロブリン‐HRP標識
2次抗体を反応させる方法で検定した。得られた感度検
定結果を図1に示した。図1から明らかなように0.3
ngまでの濃度のTrACP5aが検出可能であることが
判った。
P5aの測定 まず、一次抗体を調製するために組換えヒトTrACP
(rTrACP)をハイマンらの方法(J.Biol.Chem.26
9,1294-1300.1994)により作製した。このrTrACP
を、実施例1の(1)でマウスに行ったのと同様の方法
にてWister系6週齢雌性ラットに感作した。最終
感作3日後に頸静脈より全採血し、血清を得た。さらに
血清をプロテインAカラム処理してIgG分画を作成し
た。このポリクローナルなIgG分画を5μg/100μ
l PBS/wellとなるようにマイクロタイタープ
レートに分注し、実施例1の(6)と同様の方法にてブ
ロッキングを行って固相プレートを作成した。別に精製
したモノクローナル抗体Trk73を4mgと西洋ワサ
ビペルオキシダーゼ1mgを過ヨウ素酸法にて結合さ
せ、二次標識抗体を作成した。このプレートと標識抗体
を用いて、精製したヒトTrACP5aを検体としてE
IA測定系を作ったところ、図2のような検量線を得
た。上記方法において、精製したTrACP5aの代わ
りに、実際の検体として6例のヒト血清を使用して、血
清中のTrACP5aを測定したところ表2に示した結
果を得た。これらの結果から、ヒト血清中のTrACP
5aの濃度の平均値は2.58 ng/mlであった。
ターゼの143〜160番目に相当するアミノ酸配列領
域からなるペプチドあるいはそれと同様の免疫原性を有
するペプチドを抗原として用いて、モノクローナル抗体
を作製することにより、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ
5aに特異的なモノクローナル抗体であって、酒石酸耐
性酸性ホスファターゼ5b、前立腺由来、赤血球由来、
血小板由来及びポテト由来の酸性ホスファターゼのいず
れとも交差反応性を持たないかあるいは交差反応性が1
0%以下のモノクローナル抗体が得られ、このモノクロ
ーナル抗体は血中の酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5a
を高精度に測定することができる。
酸配列は、ヒト酒石酸耐性酸性フォスファターゼの14
3〜160番目のアミノ酸配列に相当するものである。
たEIAによるヒトTrACP5aの感度検定結果を示
す。
たEIAによるヒトTrACP5aの測定の検量線を示
す。
Claims (10)
- 【請求項1】 酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5aに対
するモノクローナル抗体であって、酒石酸耐性酸性ホス
ファターゼ5b、前立腺由来、赤血球由来、血小板由来
及びポテト由来の酸性ホスファターゼのいずれとも交差
反応性を持たないかあるいは交差反応性が10%以下の
モノクローナル抗体。 - 【請求項2】 タイプIgM、軽鎖κ、分子量約95万
ダルトンである請求項1記載のモノクローナル抗体。 - 【請求項3】 工業技術院生命工学工業技術研究所に受
託番号FERM P-17927として寄託されている
ハイブリドーマTrk73により産生される請求項1又
は2記載のモノクローナル抗体。 - 【請求項4】 請求項1又は2記載のモノクローナル抗
体を産生するハイブリドーマ。 - 【請求項5】 酒石酸耐性酸性ホスファターゼの断片ペ
プチドを哺乳動物に免疫することにより得られるリンパ
球と、ミエローマ細胞とを融合してなる請求項4記載の
ハイブリドーマ。 - 【請求項6】 断片ペプチドが、配列表の配列番号1に
示すアミノ酸配列からなるペプチド、又は該ペプチドと
実質的に同様の免疫原性を有するペプチドである請求項
5記載のハイブリドーマ。 - 【請求項7】 工業技術院生命工学工業技術研究所に受
託番号FERM P-17927として寄託されている
ハイブリドーマTrk73である請求項4から6のいず
れかに記載のハイブリドーマ。 - 【請求項8】 請求項1から3のいずれかに記載のモノ
クローナル抗体を用いることを特徴とする検体中の酒石
酸耐性酸性ホスファターゼ5aの測定方法。 - 【請求項9】 配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列
からなるペプチド、又は該ペプチドと実質的に同様の免
疫原性を有するペプチド。 - 【請求項10】 請求項4から7のいずれかに記載のハ
イブリドーマを作製するための請求項9記載のペプチ
ド。
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