JP2014028543A - 車両用走行制御装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】停止後の再発進を適切に行うことが可能な車両用走行制御装置及び方法を提供する。
【解決手段】車両用走行制御装置1は、自車両の前方を撮像するカメラ11と、カメラ11による撮像によって得られた画像内から、信号機と当該信号機の表示色とを検出する信号機検出部24と、自車両が走行する道路の車線幅を検出する車線幅検出部25と、自車両の位置、向き、及び速度を検出する自車状態検出部26と、信号機検出部24により赤信号が検出された場合、自車両を停止させる制御を実行すると共に、自車状態検出部26による検出結果に基づいて、停止時に車線幅検出部25により検出された車線幅から自車両がはみ出さず、且つカメラ11の視野角から信号機が外れない車体の横位置及び向きとなるように、停止前における自車両の速度と向きとを制御する停止制御部27と、を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両用走行制御装置及び方法に関する。
従来、例えばカメラにより撮像された画像から、赤信号となっている信号機や一時停止標識など、停止すべきことを示す複数の対象を検出した場合に、車両を停止させる車両用走行制御装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−170154号公報
このように、特許文献1に記載の装置では赤信号を停止要素の1つとし車両を停止させているが、車両停止時においてカメラの視野角から信号機が外れてしまった場合には、信号機の表示色が青に変化するタイミングを知ることができず、停止後の再発進のタイミングが不明となってしまう。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、停止後の再発進を適切に行うことが可能な車両用走行制御装置及び方法を提供することにある。
本発明の車両用走行制御装置は、撮像手段により得られた画像から赤信号が検出された場合、自車両を停止させる制御を実行すると共に、停止時に車線幅から自車両がはみ出さず、且つ撮像手段の視野角から信号機が外れない車体の横位置及び向きとなるように、停止前における自車両の速度と向きとを制御する。
本発明によれば、停止時に車線幅から自車両がはみ出さず、且つ撮像手段の視野角から信号機が外れない車体の横位置及び向きとなるように、停止前における自車両の速度と向きとを制御するため、車線からはみ出さない範囲内で自車両を停止させたうえで、視野角から信号機が外れないようにすることができることとなり、信号機の表示色が青に変わったことを検出することができる。従って、停止後の再発進を適切に行うことができる。
本実施形態に係る車両用走行制御装置を示す概略構成図であって、車両を上面視した状態を示している。 図1に示したマイクロプロセッサの詳細を示すブロック図である。 図2に示したマイクロプロセッサの機能ブロック図である。 本実施形態に係る車両走行制御方法を示すフローチャートである。 図4に示したステップS4において算出された操舵角操作量を示す説明図である。 自車両の走行の様子の一例を示す上面図である。 自車両が再発進するときの様子を示す上面図であり、(a)は自車両が区分線に近づき過ぎた状態を示し、(b)は自車両が区分線に対してやや距離がある状態を示している。 図4に示したステップS5の詳細を示す説明図であり、(a)は自車両Vの上面図を示し、(b)は自車両の向きと横距離との相関を示す図である。 (自車両Vから区分線SLまでの距離y2)−(再発進に必要となる横距離y1)と速度上限との相関を示す図である。 車両制御の様子を示す車両上面図である。 第2実施形態に係る本実施形態に係る車両走行制御方法を示すフローチャートである。 図11に示したステップS14にて算出される車体角最大値を示す概念図である。 図11に示したステップS15における目標走行軌跡の終点位置の設定方法を示す図である。 前方注視ドライバモデルの一例を示す車両上面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る車両用走行制御装置を示す概略構成図であって、車両を上面視した状態を示している。図1に示すように、本実施形態に係る車両用走行制御装置1は、カメラ(撮像手段)11と、操舵角センサ12と、カーナビゲーションユニット13と、車速センサ14と、マイクロプロセッサ20と、パワートレーンコントローラ31と、ブレーキコントローラ32と、操舵モータコントローラ33と、エンジン・駆動系41と、ブレーキユニット42と、操舵アシストモータ43とを備えている。
カメラ11は、自車両の前方を撮像するものであって、例えば車室内のフロントウィンドウ上部に取り付けられ、信号機を含む周囲の障害物や、車線などの道路環境を撮影して、画像情報をマイクロプロセッサ20に送信するものである。操舵角センサ12は、車両の操舵軸に取り付けられて操舵軸の操舵角度に応じた信号を出力するものである。
カーナビゲーションユニット13は、GPS受信部、道路情報データベース及び情報処理装置等から構成され、主に自動車の経路誘導のための各種情報を作成する処理が行われるものである。また、本実施形態においてカーナビゲーションユニット13は、自車両の位置情報及び向き情報をマイクロプロセッサ20に送信する。
車速センサ14は、例えばホイールに取り付けられたロータリーエンコーダであって、ホイールの回転に比例して発生するパルス信号を検出することで車速を計測し、マイクロプロセッサ20に送信するものである。
マイクロプロセッサ20は、A/D変換回路、D/A変換回路、中央演算処理装置、及びメモリ等から構成される集積回路であり、メモリに格納されたプログラムに従って赤信号に対応して自車両が停止するときの車体の速度と向きを算出するものである。また、マイクロプロセッサ20は、算出した車体の速度と向きを実現するために、駆動力操作量をパワートレーンコントローラ31に送信し、制動力操作量をブレーキコントローラ32に送信し、操舵角操作量を操舵モータコントローラ33に送信する。
パワートレーンコントローラ31は、駆動力操作量を実現するようにエンジン・駆動系41を制御するものである。ブレーキコントローラ32は、制動力操作量を実現するようにブレーキユニット42を制御し、操舵モータコントローラ33は操舵角操作量を実現するように操舵アシストモータ43を制御するものである。
図2は、図1に示したマイクロプロセッサ20の詳細を示すブロック図である。図2に
示すように、マイクロプロセッサ20は、画像処理部21と、車速算出処理部22と、制御部23とを備えている。
画像処理部21は、カメラ11で撮影した画像を画像処理し、車線、信号機を検出するものである。車速算出処理部22は、車速センサ14からのパルス信号を処理して、車速情報を出力するものである。制御部23は、画像処理部21、操舵角センサ12、カーナビゲーションユニット13、及び車速算出処理部22からの信号を入力し、赤信号が検出された場合にパワートレーンコントローラ31とブレーキコントローラ32と操舵モータコントローラ33とを制御して自車両を停止させるものである。
図3は、図2に示したマイクロプロセッサ20の機能ブロック図である。図3に示すように、マイクロプロセッサ20は、信号機検出部(信号機検出手段)24と、車線幅検出部(車線幅検出手段)25と、自車状態検出部(自車状態検出手段)26と、停止制御部(停止制御手段)27とを備えている。
信号機検出部24は、カメラ11による撮像によって得られた画像内から、信号機と当該信号機の表示色とを検出するものである。車線幅検出部25は、自車両が走行する道路の車線幅を検出するものである。なお、車線幅検出部25は、カメラ11による撮像によって得られた画像内の車線から車線幅を検出してもよいし、カーナビゲーションユニット13からの地図情報に基づいて車線幅を検出してもよい。
自車状態検出部26は、自車両の位置、向き、及び速度を検出するものである。自車状態検出部26は、カーナビゲーションユニット13からのGPS情報等に基づいて自車両の位置及び向きを検出すると共に、車速センサ14からの信号に基づいて自車両の速度を検出する。
停止制御部27は、信号機検出部24により赤信号が検出された場合に、自車両を停止させる制御を実行するものである。特に本実施形態において停止制御部27は、カメラ11の視野角から信号機が外れない車体の横位置及び向きとなるように、停止前における自車両の速度と向きとを制御する。これにより、停車中において信号機の表示色が青に変わったとしても、そのタイミングを見逃すことなく、再発進時に支障がないようにする。
なお、停止制御部27は、停止時において隣接車線の車両の邪魔とならないように、車線幅検出部25により検出された車線幅から自車両がはみ出さないようにすることはいうまでもない。
次に、本実施形態に係る車両用走行制御方法を、フローチャートを参照して説明する。図4は、本実施形態に係る車両走行制御方法を示すフローチャートである。まず、図4に示しように、停止制御部27は、信号機検出部24により検出された信号機の表示色から自車両を停止させるか否かを判断する(S1)。
例えば信号機の表示色が赤である場合、停止制御部27は自車両を停止させると判断し(S1:YES)、処理はステップS2に移行する。一方、信号機の表示色が青である場合、停止制御部27は自車両を停止させないと判断し(S1:NO)、図4に示す処理は終了する。
ステップS2において停止制御部27は、自車状態検出部26により検出された自車両の位置、向き及び速度の情報を取得する(S2)。そして、停止制御部27は、信号停止線に向かって停止するための目標速度を生成する(S3)。例えば、停止制御部27は、自車両の位置と停止線の位置とから停止線までの距離を算出し、商品性に基づいて設定し
た許容減速度より小さい減速度で停止線に向かって減速するように目標速度を生成する。
次に、停止制御部27は、操舵角操作量を算出する(S4)。より詳細に説明すると、停止制御部27は、カメラ11の視野角から信号機が外れそうになるのを、外れないように車体の向きを変えて追いかけるような操舵角操作量を算出する。
図5は、図4に示したステップS4において算出された操舵角操作量を示す説明図である。図5に示すように、操舵角操作量は、画像上における信号機の横位置に基づいて算出される。すなわち、画像中心をゼロとした場合において、信号機が右側にR1以下となる範囲、及び左側にL1以下となる範囲に位置するとき、操舵角操作量はゼロとなる。これに対して、信号機位置が右側にR1を超えると、超えた量に比例して右側への操舵角操作量が増加するようになっている。同様に、信号横位置が左側にL1を超えると、超えた量に比例して左側への操舵角操作量が増加するようになっている。よって、本実施形態に係る停止制御部27は、信号機が画像の左右の縁に近づくと車両の向きを左右に変えて中央に寄せるように、操舵角操作量を算出することとなる。
図6は、自車両の走行の様子の一例を示す上面図である。図6に示すように、時刻t1において自車両Vは車線に沿って走行をしているとする。この状態において信号機は視野角A1の縁部に存在せず横位置はL1を超えていないとすると、操舵角操作量はゼロと算出される。この結果、自車両Vは直進を続けることとなる。
次に、時刻t2に到達したとする。このとき、信号機は視野角A2の縁部に存在しL1を超えているとすると、図5に示したように所定量の操舵角操作量が算出される。この結果、時刻t3に示すように、自車両Vはやや左旋回することとなる。
再度図4を参照する。ステップS4において操舵角操作量を算出した後、停止制御部27は、自車両が斜めに向いて停止できる限界を算出し(S5)、目標速度の修正処理を実行する(S6)。そして、図4に示す処理は終了することとなる。まず、ステップS5の自車両が斜めに向いて停止できる限界の算出について説明する。
図6を参照すると、例えば時刻t3において信号機は視野角A3の縁部に位置する。このため、さらに左旋回を続けることとなるが、左旋回を続けると車体が車線を区分する区分線に近づき過ぎてしまう。
図7は、自車両Vが再発進するときの様子を示す上面図であり、(a)は自車両Vが区分線に近づき過ぎた状態を示し、(b)は自車両Vが区分線に対してやや距離がある状態を示している。自車両Vが車線からはみ出してしまうことは問題であることはもちろん、再発進を考慮すると自車両Vが区分線に近づき過ぎることも問題といえる。具体的には、図7(a)に示すように、自車両Vが区分線SLに近づき過ぎてしまうと、再発進時に自車両Vがとる走行軌跡DLは区分線SLを超えることとなり、隣接車線を走行する車両を妨害してしまう。よって、図7(b)に示すように、再発進時における走行軌跡DLが区分線SLを超えない範囲に留めておく必要がある。特に、図7(b)に示す例では、自車両Vが停止位置から距離x1だけ離れて停止している。これは、自車両Vが停止位置まで進行して停止した場合に、カメラ11の視野角内に信号機を収めつつ走行軌跡DLが区分線SLを超えないようにすることができないからである。
本実施形態では図7(b)に示した停止状態を実現するために、ステップS5,S6の処理を実行する。図8は、図4に示したステップS5の詳細を示す説明図であり、(a)は自車両Vの上面図を示し、(b)は自車両Vの向きと横距離との相関を示す図である。まず、ステップS5の処理において停止制御部27は、現在の自車両Vの車線に対する向
きから、再発進に必要となる横距離y1を算出する(図8(a)参照)。この横距離y1が区分線SLをはみ出すことなく再発進できる限界となる。なお、この限界横距離y1は、図8(b)に示すように、自車両Vの車線に対する向きθが大きくなるほど、増加する傾向にある。
そして、図8(b)に示すように、再発進に必要となる横距離y1≦自車両Vから区分線SLまでの距離y2であれば再発進時に自車両Vは区分線SLをはみ出すことなく、y1>y2であれば再発進時に自車両Vは区分線SLをはみ出すこととなる。
次に、算出した限界に応じた目標速度の修正処理、すなわちステップS6の処理について説明する。図9は、(自車両Vから区分線SLまでの距離y2)−(再発進に必要となる横距離y1)と速度上限との相関を示す図である。図8からも明らかなように、y1=y2となった場合、自車両Vの速度がゼロでないと自車両Vがさらに進行してしまい、y1>y2となって再発進時に自車両Vが区分線SLを超えることとなってしまう。このため、図9に示すように、y2−y1=0のとき、速度上限はゼロとなる。すなわち、ステップS3にて算出された目標速度はゼロに修正される。この結果、例えば図7(b)に示すような停止位置よりも手前で自車両Vの停止が実現されることとなる。
また、y2−y1>0の領域においては、速度上限は比例的に増加する傾向にある。この増加量は、例えばy2−y1=0となったときに無理なく自車両Vが停止できる程度の増加量に設定されている。
以上、本実施形態に係る車両用走行制御方法では、上記処理を繰り返すことにより、赤信号が検出された場合において、カメラ11の視野角から信号が外れることなく、自車両Vを停止できることとなる。
なお、上記ステップS2では、信号機の表示色が赤と青の場合について説明したが、信号機の表示色が黄である場合には、赤と同様に自車両Vを停止させると判断してもよいし、以下のようにしてもよい。すなわち、表示色が黄である場合、商品性に基づいて設定した許容減速度より小さい減速度で停止線において停止できるならば停止と判断し、そうでなければ停止しないと判断してもよい。なお、表示色が黄である場合、自車両Vの速度と自車両Vの位置の情報が判断に必要となることから、ステップS2の処理を先に実行し、その後ステップS1の処理を実行するようにすることとなる。
次に、上記処理を実行した場合の自車両Vの挙動等を説明する。まず、信号機検出部24により信号機の表示色が検出され、ステップS1において停止制御部27により自車両Vを停止させると判断されたとする。この場合、ステップS2において停止制御部27は、自車状態検出部25から自車両Vの位置、向き及び速度の情報を取得し、ステップS3において目標速度を求める。
次いで、停止制御部27は、ステップS4においてカメラ11の視野角から信号機が外れそうな場合には左右の旋回する操舵角操作量を算出し、視野角から信号機が外れそうにない場合には旋回しない操舵角操作量(すなわち操舵角操作量ゼロ)を算出する。
その後、停止制御部27は、ステップS5において再発進を考慮して距離y1,y2を求める。上記において操舵角操作量ゼロが連続しており、自車両Vが車線に沿って走行している場合には、y1=0となることからステップS6において目標速度が修正されることなく、ステップS6の終了後にステップS3にて算出した目標速度に沿った指示がブレーキコントローラ32に対して送信され、自車両Vは直進状態のまま、減速させられることとなる。そして、処理はステップS1に移行する。
一方、自車両Vが車線に対して斜めに走行している場合、y1>0となる。このため、停止制御部27は、(自車両Vから区分線SLまでの距離y2)−(再発進に必要となる横距離y1)を演算し、図9に示すような速度修正マップに基づいて、ステップS3にて算出した目標速度を修正(制限)する。そして、処理はステップS1に移行することとなる。
以上、本実施形態では上記処理を自車両Vが停止するまで繰り返すこととなる。これにより、自車両Vはカメラ11の視野角から信号機が外れそうになるたびに信号機が視野角の中央に寄るように自車両Vを旋回させ、しかも再発進時において隣接車線を走行する車両を妨害しないように停止することとなる。
このようにして、本実施形態に係る車両用走行制御装置1及び方法によれば、停止時に車線幅から自車両がはみ出さず、且つカメラ11の視野角から信号機が外れない車体の横位置及び向きとなるように、停止前における自車両の速度と向きとを制御するため、車線からはみ出さない範囲内で自車両Vを停止させたうえで、視野角から信号機が外れないようにすることができることとなり、信号機の表示色が青に変わったことを検出することができる。従って、停止後の再発進を適切に行うことができる。
また、自車両Vが停止線まで走行して停止した場合に視野角から信号機が外れる場合、視野角から信号機が外れないように停止線よりも手前で自車両Vを停止させるため、自車両Vを停止線に近接させて信号機が視野角から外れてしまうことを防止でき、停止後の再発進を適切に行うことができる。
また、自車両Vを車線に対して斜めに停止させるあたり、自車両Vの再発進時において車体が自車線からはみ出さない自車両の向きθと車線に対する横位置y1を演算し、この向きθと横位置y1で自車両を停止させるため、再発進時に車体が車線からはみ出して隣接車線の車両走行の妨害をすることなく、一層適切な再発進を実現することができる。
次に、本発明に係る第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る車両用走行制御装置及び方法は、第1実施形態のものと同様であるが、処理内容が一部異なっている。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
第1実施形態に係る車両用走行制御装置1及び方法では、カメラ11の撮像画像における信号機の横位置が画像の縁に近い場合に自車両Vを操舵して信号機を画像中央に寄せ、その動作を繰り返すこととしていた。一例を挙げると第1実施形態では信号機が画像の縁に近いと、信号機が画像中央に寄るようにやや車両の向きを変更して進行し、再度、信号機が画像の縁に近づくと、再度車両の向きを変更して信号機が画像の中央に寄るようにする。このように、第1実施形態では信号機の画像上における横位置に応じて都度対応することとしていた。
これに対して第2実施形態では、3次元上における信号機の位置を把握し、停車時に信号機がカメラ11の視野角に収まるように、自車両Vの速度、向き、及び横位置を設定し、設定された状態となるように自車両Vの走行を制御する。
特に、第2実施形態においては、信号機の3次元上の位置を把握するため、信号機がカメラ11の視野角に入るような停止位置と向きを予め決定しておくことができ、予め決定した停止位置に到達するまで自車両Vは車線のどこを走行してもよく、車線幅をいっぱいに使用することができる。従って、第2実施形態では、第1実施形態のように信号機をカメラ11の視野角内に保持しつつ走行する必要はない。
図10は、車両制御の様子を示す車両上面図である。第1実施形態ではカメラ11の視野角から一度でも信号機が外れてしまうと、その後どのように車両Vの向きを変えてよいのか不明となってしまう。このため、図10の走行軌跡DL1に示すように、自車両Vは常に視野角から信号機が外れないように走行する必要があり、最終的に符号V1で示すように停車することとなる。
一方、第2実施形態では、自車両Vが停止するまでは必ずしも信号機をカメラ11の視野角内に保持する必要はない。このため、例えば、車線内の信号機から離れた側を走行し停止箇所近くで向きを斜めにするような走行軌跡DL2であってもよい。よって、第2実施形態では最終的に符号V2で示すように停車する。
なお、第2実施形態においても第1実施形態と同様に、停車後の再発進時に隣接車線を走行する車両等を妨害しないように、停車を実現することはいうまでもない。
図11は、第2実施形態に係る本実施形態に係る車両走行制御方法を示すフローチャートである。なお、図11に示すステップS11,S12の処理は図4に示したステップS1,S2の処理と同じであるため、説明を省略する。
図11に示すステップS13において、信号機検出部24は信号機の位置を検出する(S13)。この際、信号機検出部24は画像上における信号機の位置、又は、カーナビユニット13からの信号機の位置情報に基づいて、3次元上における信号機の位置を検出する。
次に、停止制御部27は、現在の車線幅で取り得る停止時の車体角最大値を算出する(S14)。図12は、図11に示したステップS14にて算出される車体角最大値を示す概念図である。第2実施形態では常にカメラ11の視野角内に信号機を保持する必要が無いことから、例えば図10を参照して説明したように走行軌跡DL2のように走行することにより、走行軌跡DL1のような制約を受けることがない。すなわち、図12に示すように、走行軌跡DL2を走行することが可能となるため、第1実施形態よりも一層車体の向きθを高角度とすることが可能となる。また、その角度は、車線幅と自車両Vの回転半径のみから求めることができる。よって、車線幅をdとし、自車両Vの回転半径をRとすると、
Figure 2014028543
なる式が成立し、
Figure 2014028543
とすることができる。そして、φから車体角最大値θmaxを求めることができる。
再度図11を参照する。ステップS15において停止制御部27は、目標走行軌跡を算出する(S15)。この際、停止制御部27は、図12に示すように、停止位置までの前半部分(区間A)をエミルート曲線などのスプライン曲線により設定し、後半部分(区間B)を円弧の連続で設定する。
なお、図10に示す例では符号V2の位置においてカメラ11の視野角に信号機が収まっているが、実際には符号V2の位置まで自車両Vが進行すると、視野角内に信号機が収まらない場合がある。そこで、第2実施形態に係る車両用走行制御方法において、停止制御部27は、目標走行軌跡の終点位置を以下のようにして判断して設定する。
図13は、図11に示したステップS15における目標走行軌跡の終点位置の設定方法を示す図である。まず、図13に示すように、車線に対する自車両の向きθ=0であるときにカメラの視野角に信号機が入るか否かを示す直線を1とし、自車両の向きθ=θ(>0)であるときにカメラの視野角に信号機が入るか否かを示す直線を1とし、自車両の向きθ=θ(>θ)であるときにカメラの視野角に信号機が入るか否かを示す直線を1と規定する。なお、図13においては直線1〜1の下側の領域に入る信号機については、視野角に収まることとなる。
この図が示すように、画像中心を横位置ゼロとした場合、信号機の横位置が大きくなるほどカメラ11の視野角に入り難くなるといえる。また、信号機の縦位置(すなわち信号機までの距離)が大きくなるほどカメラ11の視野角に信号機が入り易くなるといえる。また、信号機は、自車両Vが車線に対して斜めに停車するほど(すなわちθが大きくなるほど)、視野角に入り易くなるといえる。
ここで、仮に自車両Vが停止線手前まで進行して停止したときの信号機の縦位置をXaとし、横位置をYabとすると(すなわち信号機の位置を点Aとすると)、車体の向きθ=0はもとより、θ=θであっても、θ=θであっても視野角内に信号機が収まらないこととなる。このような場合、停止制御部27は、停止位置を距離x1だけ手前に設定し(すなわち信号機の位置を点Bとすると)、車体の向きθをθとする。すなわち、目標走行軌跡の終点位置を距離x1だけ手前に設定することで自車両Vと信号機との距離を大きくし(距離Xbとし)、信号機がカメラ11の視野角内に収まるような目標走行軌跡を設定することとなる。
なお、目標走行軌跡の終点位置においては、第1実施形態と同様に、再発進時に隣接車線の車両を妨害しないような車体の向き、及び、横位置とされることがいうまでもない。
再度、図11を参照する。目標走行軌跡を設定した後、停止制御部27は、ステップS15で設定した目標走行軌跡を停止位置まで辿るように操舵角操作量を算出する(S16)。例えば、停止制御部27は、走行軌跡の曲率に応じた角度の時系列で設定したり、前方注視ドライバモデルを用いてフィードバック制御で求めたりしても良い。
図14は、前方注視ドライバモデルの一例を示す車両上面図である。図14に示すように自車両Vから前方に伸ばした線上で距離Lだけ離れた点での目標軌跡との横位置偏差eを求める。そして、例えばPID(Proportional Integral Derivative)制御などで横位置偏差eを補償するように操舵角操作量を算出すればよい。
再度、図11を参照する。上記のようにして操舵角操作量を算出した後、停止制御部27は、ステップS15で設定した目標走行軌跡を停止位置まで辿るための目標速度を算出する(S17)。その後、図11に示す処理は終了する。なお、ステップS17において停止制御部27は、例えば、自車両Vの位置と停止位置とから、停止位置までの距離を算出し、商品性に基づいて設定した許容減速度より小さい減速度で停止線に向かって減速するように目標速度を設定すればよい。
このようにして、第2実施形態に係る車両用走行制御装置1及び方法によれば、第1実施形態と同様に、停止後の再発進を適切に行うことができると共に、一層適切な再発進を
実現することができる。
また、視野角から信号機が外れないように自車両Vを斜めに停止させる場合に、車線内の信号機から離れた側を走行し停止箇所近くで向きを斜めにする目標走行軌跡を生成し、この目標走行軌跡に沿って車両を走行させて停止させる。このため、常に視野角内に信号を保持する必要が無く、停止時において信号機を視野角内に収めることとなり、目標走行軌跡の算出に自由度を持たせることができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものでは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。例えば本実施形態においては、再発進時における走行軌跡DLが区分線SLを超えないように制御しているが、再発進時を考慮せず停車時に自車両Vが車線内に収まるように制御してもよい。
1…車両用走行制御装置
11…カメラ(撮像手段)
12…操舵角センサ
13…カーナビゲーションユニット
14…車速センサ
20…マイクロプロセッサ
21…画像処理部
22…車速算出処理部
23…制御部
24…信号機検出部
25…車線幅検出部
26…自車状態検出部
27…停止制御部
31…パワートレーンコントローラ
32…ブレーキコントローラ
33…操舵モータコントローラ
41…エンジン・駆動系
42…ブレーキユニット
43…操舵アシストモータ
A1〜A3…視野角
DL…走行軌跡
SL…区分線
V…自車両

Claims (5)

  1. 自車両の前方を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段による撮像によって得られた画像内から、信号機と当該信号機の表示色とを検出する信号機検出手段と、
    自車両が走行する道路の車線幅を検出する車線幅検出手段と、
    自車両の位置、向き、及び速度を検出する自車状態検出手段と、
    前記信号機検出手段により赤信号が検出された場合、自車両を停止させる制御を実行すると共に、自車状態検出手段による検出結果に基づいて、停止時に前記車線幅検出手段により検出された車線幅から自車両がはみ出さず、且つ前記撮像手段の視野角から前記信号機が外れない車体の横位置及び向きとなるように、停止前における自車両の速度と向きとを制御する停止制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両用走行制御装置。
  2. 前記停止制御手段は、自車両が停止線まで走行して停止した場合に前記撮像手段の視野角から前記信号機が外れる場合、前記撮像手段の視野角から前記信号機が外れないように停止線よりも手前で自車両を停止させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用走行制御装置。
  3. 前記停止制御手段は、前記撮像手段の視野角から前記信号機が外れないように自車両を斜めに停止させるにあたり、車線内の信号機から離れた側を走行し停止箇所近くで向きを斜めにする目標走行軌跡を生成し、この目標走行軌跡に沿って車両を走行させて停止させる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の車両用走行制御装置。
  4. 前記停止制御手段は、前記撮像手段の視野角から前記信号機が外れないように自車両を斜めに停止させるにあたり、自車両の再発進時において車体が自車線からはみ出さない自車両の向きと車線に対する横位置を演算し、この向きと横位置で自車両を停止させる
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用走行制御装置。
  5. 自車両の前方を撮像する撮像手段によって得られた画像内から、信号機と当該信号機の表示色とを検出する信号機検出工程と、
    自車両が走行する道路の車線幅を検出する車線幅検出工程と、
    自車両の位置、向き、及び速度を検出する自車状態検出工程と、
    前記信号機検出工程において赤信号が検出された場合、自車両を停止させる制御を実行すると共に、前記自車状態検出工程における検出結果に基づいて、停止時において前記車線幅検出工程において検出された車線幅から自車両がはみ出さず且つ前記撮像手段の視野角から前記信号機が外れない車体の横位置と向きとなるように、停止前における自車両の速度と向きとを制御する停止制御工程と、
    を備えることを特徴とする車両用走行制御方法。
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