JP2014028367A - 反応方法及び反応器 - Google Patents
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Abstract
【課題】比重差の異なる固体の被反応物と溶融金属を大量に高効率で反応させる。
【解決手段】円筒状部5aと、円筒状部5aの両側に設けられた側部3と、円筒状部5aの内面に設けられた突起板7aと、を有する反応器1aを用いる。その反応方法は、内部に溶融金属23を有する反応器1aに、固体で、溶融金属23の比重以下の比重を持つ被反応物21を投入する工程と、反応器1aを、筒状部5aの略長手方向に沿い、水平方向に対して傾きが30度以下の回転軸で回転させて、被反応物21を溶融金属23と反応させる工程とを具備することを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】円筒状部5aと、円筒状部5aの両側に設けられた側部3と、円筒状部5aの内面に設けられた突起板7aと、を有する反応器1aを用いる。その反応方法は、内部に溶融金属23を有する反応器1aに、固体で、溶融金属23の比重以下の比重を持つ被反応物21を投入する工程と、反応器1aを、筒状部5aの略長手方向に沿い、水平方向に対して傾きが30度以下の回転軸で回転させて、被反応物21を溶融金属23と反応させる工程とを具備することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、金属や金属間化合物などの固体の被反応物に対して、溶融金属を拡散させることで改質若しくは化合物の形成を高効率(短時間化、低温化等)で施す反応方法に関する。特に、溶融金属浴を構成する元素の被反応物への拡散促進、被反応物の構成元素の溶融金属浴への溶出促進、若しくは上記2つの現象を同時発生させることで微細な粒子や多孔体や膜を自己組織化させる方法に関するものである。
近年、ナノ粒子の形成において種々の製法が提案されている。特に、特許文献1に示される溶融金属と固体金属との反応で、ナノサイズの多孔質体が形成される。特に、特許文献1では、籠を用いて溶融金属浴に固体金属を強制浸漬する方法が提案されている。この手法により微細な多孔質シリコンを製造することが出来る。しかし、この製法では、固体金属に比べて溶融金属が重いことから反応を効率良く進める上では種々の制約が生じている。
特許文献1に係る発明の代表的な事例として、マグネシウムを30原子%含むシリコン中間合金を溶融ビスマス浴へ強制的に浸漬させて微細な多孔質シリコン粒子を作成する場合を検討する。
まず、MgとSiは共に酸素との親和性が高く、中間合金表面に極めて薄い酸化膜を形成する。この酸化膜が溶融金属との反応を阻害することから、長時間の浸漬時間が必要となる。
まず、MgとSiは共に酸素との親和性が高く、中間合金表面に極めて薄い酸化膜を形成する。この酸化膜が溶融金属との反応を阻害することから、長時間の浸漬時間が必要となる。
また、Mg、Siは共に軽元素であり、中間合金の比重も約2g/cm3と小さい。
この中間合金から多孔質シリコンを形成させるためには、500℃のBiの金属浴へ約30分程度の強制浸漬を行う必要がなる。しかし、この金属浴であるBiの比重は、約10g/cm3とたいへん大きいため、外力を加え続けなければ中間合金の粒が浮上し、Mgを30原子%含むSi中間合金へのBiの拡散が進まなくなる。
そのために、特許文献1に見られるよう金属製の籠(図22(a)、(b)での浸漬用籠123)の中にMgを30原子%含むSi中間合金を入れて強制的に金属浴へ浸漬させている。
この中間合金から多孔質シリコンを形成させるためには、500℃のBiの金属浴へ約30分程度の強制浸漬を行う必要がなる。しかし、この金属浴であるBiの比重は、約10g/cm3とたいへん大きいため、外力を加え続けなければ中間合金の粒が浮上し、Mgを30原子%含むSi中間合金へのBiの拡散が進まなくなる。
そのために、特許文献1に見られるよう金属製の籠(図22(a)、(b)での浸漬用籠123)の中にMgを30原子%含むSi中間合金を入れて強制的に金属浴へ浸漬させている。
この浸漬状態で溶融Biは、Mgを30原子%含むSi中間合金の固相内を拡散する。また、Si中間合金のMgは、溶融金属内へ拡散する。しかし、これらの元素が拡散する過程の一部でMg3Bi2金属間化合物(融点821℃)が形成すると反応が停止する。特に、中間合金の粒が重なり合う状況では、より顕著となる。
また、Biの固相拡散時間を短縮する上で、中間合金の粒の小径化が挙げられる。しかし、微細粒を使用すると前述の粒同士の接触が助長されて、反応が停止する。
その為に、金属浴へ大量の粗粒な中間合金の粒を投入することが出来ないという工業的なデメリットが発生した。この結果、特許文献1に記載の製法は、量産性に乏しく、高コストであった。
また、Biの固相拡散時間を短縮する上で、中間合金の粒の小径化が挙げられる。しかし、微細粒を使用すると前述の粒同士の接触が助長されて、反応が停止する。
その為に、金属浴へ大量の粗粒な中間合金の粒を投入することが出来ないという工業的なデメリットが発生した。この結果、特許文献1に記載の製法は、量産性に乏しく、高コストであった。
すなわち、大量の固体金属粒を溶融金属上に投入すると、比重差が大きい為に溶融金属上の折重なった状態で浮遊し、固体金属と溶融金属が直接接触している一部でのみしか拡散反応が進まない。また、浸漬用籠で固体金属粒を強制的に溶融金属中に浸漬させても、固体粒子で囲まれた狭い空間に存在する溶融金属中の組成変化が顕著となり拡散反応が進まない。
また、金属加工時に発生するダライ粉を溶解する際に、見掛け比重が小さいダライ粉を、インペラーを用いた機械式、電磁力を用いた液体金属流動式で積極的に金属と接触させる方法がある。これはダライ粉の真比重が溶融金属とほぼ同じ(厳密にはダライ粉の方が大きい)ことから、エネルギー効率を改善することが目的である。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、
比重差の異なる固体の被反応物と溶融金属を大量に高効率で反応させることである。
比重差の異なる固体の被反応物と溶融金属を大量に高効率で反応させることである。
本発明の課題を解決するために、本発明は以下の機能を有する。
・比重差の大きい固体金属粒を連続的に強制浸漬する。
・比重差から生じる固体金属粒が浮上速度と溶融金属の流れとの相対速度差から、固体金属粒と溶融金属との界面に生じる境界層を最小化する。
・溶融金属を乱流状態とし、固体金属と溶融金属との界面に生じる境界層を最小化する。
・溶融金属を乱流状態とし、固体金属から溶出した元素の濃度を均一化する。
これらの手段を付与することで、固体金属と溶融金属との拡散が加速することで、高効率な反応が生じる。具体的には、溶融金属に回転運動を付加することでこれらの機能を付与する。
・比重差の大きい固体金属粒を連続的に強制浸漬する。
・比重差から生じる固体金属粒が浮上速度と溶融金属の流れとの相対速度差から、固体金属粒と溶融金属との界面に生じる境界層を最小化する。
・溶融金属を乱流状態とし、固体金属と溶融金属との界面に生じる境界層を最小化する。
・溶融金属を乱流状態とし、固体金属から溶出した元素の濃度を均一化する。
これらの手段を付与することで、固体金属と溶融金属との拡散が加速することで、高効率な反応が生じる。具体的には、溶融金属に回転運動を付加することでこれらの機能を付与する。
より具体的には、本発明は以下の特徴を有する。
(1)筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内面に設けられた一つ以上の突起と、を有する反応器を用い、内部に溶融金属を有する前記反応器に、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物を投入する工程と、前記反応器を、前記筒状部の略長手方向に沿い、水平方向に対して傾きが30度以下の回転軸で回転させて、前記被反応物を前記溶融金属と反応させる工程とを具備することを特徴とする反応方法。
(2)筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内部に設けられ、羽根を有して回転可能な羽根車と、を有する反応器を用い、内部に溶融金属を有する前記反応器に、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物を投入する工程と、前記羽根車を、前記羽根車の略長手方向に沿い、水平方向に対して傾きが30度以下の回転軸で回転させて、前記被反応物を前記溶融金属と反応させる工程とを具備することを特徴とする反応方法。
(3)筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内面に設けられた一つ以上の突起と、前記筒状部の内部に設けられ、羽根を有して回転可能な羽根車と、を有する反応器を用い、内部に溶融金属を有する前記反応器に、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物を投入する工程と、前記羽根車と前記筒状部の少なくとも一方を、前記筒状部又は前記筒状部の略長手方向に沿い、水平方向に対して傾きが30度以下の回転軸で、互いの角速度が等速でないように回転させて、前記被反応物を前記溶融金属と反応させる工程とを具備することを特徴とする反応方法。
(4)前記反応器内の前記溶融金属のレイノルズ数が500以上の乱流状態であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の反応方法。
(5)前記反応器内の前記溶融金属の上部空間の雰囲気の酸素分圧が0.01MPa以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の反応方法。
(6)さらに、前記反応器内に、塩化物の溶融塩を体積比(溶融塩体積÷溶融金属体積)が0.1以上で有し、前記溶融金属の上面が、前記溶融塩で被覆されることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の反応方法。
(7)前記溶融金属の比重(ρ1)、粘度(η)、前記被反応物の粒径(d)、比重(ρ2)、反応器の半径(r)、半径方向の突起高さ(h)、突起個数(n)で回転数(ω:rpm)が所定の式を満足することを特徴とする(1)に記載の反応方法。
(8)溶融金属と、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物とを反応させるための反応器であって、筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内面に設けられた一つ以上の突起と、を有し、前記筒状部は、前記筒状部の略長手方向に沿った回転軸を有し、前記回転軸が水平方向に対して傾きが30°以下であることを特徴とする反応器。
(9)前記筒状部の回転軸は、前記筒状部の両側の前記側部を通ることを特徴とする(8)に記載の反応器。
(10)溶融金属と、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物とを反応させるための反応器であって、筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内部に設けられ、羽根を有して回転可能な羽根車と、を有し、前記羽根車は、前記羽根車の略長手方向に沿った回転軸を有し、前記回転軸が水平方向に対して傾きが30°以下であることを特徴とする反応器。
(11)前記羽根に、前記被反応物が通過するための中空部が設けられていることを特徴とする(10)に記載の反応器。
(12)溶融金属と、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物とを反応させるための反応器であって、筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内面に設けられた一つ以上の突起と、前記筒状部の内部に設けられ、羽根を有して回転可能な羽根車と、を有する反応器を用いる反応方法であって、前記羽根車は、前記羽根車の略長手方向に沿った回転軸を有し、前記筒状部は、前記筒状部の略長手方向に沿った回転軸を有し、前記羽根車と前記筒状部の回転軸が水平方向に対して傾きが30°以下であり、前記羽根車と前記筒状部が、互いの角速度が等速でないように回転可能であることを特徴とする反応器。
(13)前記筒状部の内部に、前記筒状部の長手方向への前記溶融金属の流れを抑制する板が取り付けられたことを特徴とする(8)から(12)のいずれかに記載の反応器。
(14)前記板に、開口部が設けられることを特徴とする(13)に記載の反応器。
(1)筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内面に設けられた一つ以上の突起と、を有する反応器を用い、内部に溶融金属を有する前記反応器に、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物を投入する工程と、前記反応器を、前記筒状部の略長手方向に沿い、水平方向に対して傾きが30度以下の回転軸で回転させて、前記被反応物を前記溶融金属と反応させる工程とを具備することを特徴とする反応方法。
(2)筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内部に設けられ、羽根を有して回転可能な羽根車と、を有する反応器を用い、内部に溶融金属を有する前記反応器に、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物を投入する工程と、前記羽根車を、前記羽根車の略長手方向に沿い、水平方向に対して傾きが30度以下の回転軸で回転させて、前記被反応物を前記溶融金属と反応させる工程とを具備することを特徴とする反応方法。
(3)筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内面に設けられた一つ以上の突起と、前記筒状部の内部に設けられ、羽根を有して回転可能な羽根車と、を有する反応器を用い、内部に溶融金属を有する前記反応器に、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物を投入する工程と、前記羽根車と前記筒状部の少なくとも一方を、前記筒状部又は前記筒状部の略長手方向に沿い、水平方向に対して傾きが30度以下の回転軸で、互いの角速度が等速でないように回転させて、前記被反応物を前記溶融金属と反応させる工程とを具備することを特徴とする反応方法。
(4)前記反応器内の前記溶融金属のレイノルズ数が500以上の乱流状態であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の反応方法。
(5)前記反応器内の前記溶融金属の上部空間の雰囲気の酸素分圧が0.01MPa以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の反応方法。
(6)さらに、前記反応器内に、塩化物の溶融塩を体積比(溶融塩体積÷溶融金属体積)が0.1以上で有し、前記溶融金属の上面が、前記溶融塩で被覆されることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の反応方法。
(7)前記溶融金属の比重(ρ1)、粘度(η)、前記被反応物の粒径(d)、比重(ρ2)、反応器の半径(r)、半径方向の突起高さ(h)、突起個数(n)で回転数(ω:rpm)が所定の式を満足することを特徴とする(1)に記載の反応方法。
(8)溶融金属と、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物とを反応させるための反応器であって、筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内面に設けられた一つ以上の突起と、を有し、前記筒状部は、前記筒状部の略長手方向に沿った回転軸を有し、前記回転軸が水平方向に対して傾きが30°以下であることを特徴とする反応器。
(9)前記筒状部の回転軸は、前記筒状部の両側の前記側部を通ることを特徴とする(8)に記載の反応器。
(10)溶融金属と、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物とを反応させるための反応器であって、筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内部に設けられ、羽根を有して回転可能な羽根車と、を有し、前記羽根車は、前記羽根車の略長手方向に沿った回転軸を有し、前記回転軸が水平方向に対して傾きが30°以下であることを特徴とする反応器。
(11)前記羽根に、前記被反応物が通過するための中空部が設けられていることを特徴とする(10)に記載の反応器。
(12)溶融金属と、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物とを反応させるための反応器であって、筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内面に設けられた一つ以上の突起と、前記筒状部の内部に設けられ、羽根を有して回転可能な羽根車と、を有する反応器を用いる反応方法であって、前記羽根車は、前記羽根車の略長手方向に沿った回転軸を有し、前記筒状部は、前記筒状部の略長手方向に沿った回転軸を有し、前記羽根車と前記筒状部の回転軸が水平方向に対して傾きが30°以下であり、前記羽根車と前記筒状部が、互いの角速度が等速でないように回転可能であることを特徴とする反応器。
(13)前記筒状部の内部に、前記筒状部の長手方向への前記溶融金属の流れを抑制する板が取り付けられたことを特徴とする(8)から(12)のいずれかに記載の反応器。
(14)前記板に、開口部が設けられることを特徴とする(13)に記載の反応器。
本発明により、比重差の異なる固体の被反応物と溶融金属を大量に高効率で反応させることができる。また、本発明を多孔質シリコンの製造に適用すれば、多孔質構造を有する複合体を大量に得ることができる。さらに、本発明により多孔質アルミやその他の金属や合金の多孔質構造を有する複合体を大量に得ることもできる。
(第1の実施形態)
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、第1の実施形態に係る反応器1aについて説明する。
図1は、反応器1aを半分取り除いた断面斜視図であり、図2は、反応器1aの図1でのA−A断面図である。反応器1aは、円筒状部5aと、円筒状部5aの両端にある2つの側部3と、円筒状部5aの内面に設けられた突起板7aと、を有する。
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、第1の実施形態に係る反応器1aについて説明する。
図1は、反応器1aを半分取り除いた断面斜視図であり、図2は、反応器1aの図1でのA−A断面図である。反応器1aは、円筒状部5aと、円筒状部5aの両端にある2つの側部3と、円筒状部5aの内面に設けられた突起板7aと、を有する。
円筒状部5aは、断面が円状の筒状部材である。
側部3は、円筒状部5aの両側に対向するように設けられ、円筒状部5aと側部3とで、前後が閉じた筒状の容器が得られる。円筒状部5aの代表直径D(後述するように断面が円でない筒状部を用いる場合は、Dは断面積が等しい円での直径)と高さ(H)の比(D÷H)は、0.01〜10であることが望ましく、より好ましくは0.5〜2である。
側部3は、円筒状部5aの両側に対向するように設けられ、円筒状部5aと側部3とで、前後が閉じた筒状の容器が得られる。円筒状部5aの代表直径D(後述するように断面が円でない筒状部を用いる場合は、Dは断面積が等しい円での直径)と高さ(H)の比(D÷H)は、0.01〜10であることが望ましく、より好ましくは0.5〜2である。
突起板7aは、円筒状部5aの内面に垂直に設けられた板部材であり、円筒状部5aの内面に略等間隔に4つ設けられている。なお、図1では突起板7aは、両端の側部3と接しているが、必ずしも接する必要はなく、突起板7aと側部3との間にすき間があっても良い。
次に、反応器1aを用いた反応方法について説明する。
まず、反応器1aに溶融金属23の元となる金属を投入する。その後、金属を溶融し、溶融金属23を形成する。
まず、反応器1aに溶融金属23の元となる金属を投入する。その後、金属を溶融し、溶融金属23を形成する。
その後、溶融金属23を有する反応器1aに、固体で、溶融金属23の比重以下の比重を持つ被反応物21を投入する。
その後、図3に示すように、反応器1aを、円筒状部5aの略長手方向に沿い、水平方向に対して傾きが30度以下の回転軸で、B方向に回転させて、被反応物21を溶融金属23と反応させる。なお、円筒状部5aの長手方向とは、円筒状部5aの内面と平行な方向であり、側部3と垂直な方向である。なお、反応器1aの回転軸は、後述のように円筒状部5aの中心軸からずれていても良いが、少なくとも反応器1aの両側の側部3を貫通し、反応器1aの内部を通る位置にある。
反応器1aを回転させると、突起板7aが溶融金属23を攪拌し、溶融金属23が乱流状態となる。また、突起板7aが被反応物21を溶融金属23中に押し込むように動くため、被反応物21は溶融金属23とよく接触する。
反応器1aを回転させると、突起板7aが溶融金属23を攪拌し、溶融金属23が乱流状態となる。また、突起板7aが被反応物21を溶融金属23中に押し込むように動くため、被反応物21は溶融金属23とよく接触する。
なお、反応器1a中の溶融金属23の量は特に決まりはなく、図3に示すように溶融金属23の充填率を50%未満としても良いし、図4に示すように、溶融金属23の充填率を50%以上としても良い。図4においても、反応器1aをC方向に回転させることで、溶融金属23の攪拌と、被反応物21の溶融金属23への強制浸漬が可能となる。
反応器1a内の溶融金属23のレイノルズ数が500以上の乱流状態であることが好ましい。レイノルズ数500以上の乱流状態であると、固体の被反応物21と溶融金属23との界面に生じる境界層の厚さを薄くし、被反応物21と溶融金属23との反応を促進することができるためである。
反応器1a内の溶融金属23の上部空間の雰囲気の酸素分圧が0.01MPa以下であることが好ましい。酸素分圧が高いと、被反応物21の表面に酸化皮膜を生じ、溶融金属23の酸化が進み、被反応物21と溶融金属23との反応が阻害されるためである。特に、回転運動に伴い溶融金属23の表面積が著しく増大する為に、反応器1aの内部の雰囲気を、非酸化雰囲気または還元雰囲気に制御することが重要となる。
さらに、前記反応器内に、塩化物の溶融塩を体積比(溶融塩体積÷溶融金属体積)が0.1以上で有することが好ましい。塩化物としては、KCl−LiCl−MgCl2やNaF−KCl、NaF−NaCl、NaF−KCl−NaCl等の中から、溶融金属23よりも比重が軽い塩化物を使用することができる。
塩化物の溶融塩は、溶融金属23よりも軽いため、溶融金属23の上面が、溶融塩で被覆される。生成した微小な酸化物が拡散を阻害する為に、反応器1a内の溶融金属23上の溶融塩により、被反応物21の表面の酸化物や溶融金属23中の酸化物等を除去することにより、被反応物21と溶融金属23との反応を促進することができる。
塩化物の溶融塩は、溶融金属23よりも軽いため、溶融金属23の上面が、溶融塩で被覆される。生成した微小な酸化物が拡散を阻害する為に、反応器1a内の溶融金属23上の溶融塩により、被反応物21の表面の酸化物や溶融金属23中の酸化物等を除去することにより、被反応物21と溶融金属23との反応を促進することができる。
また、溶融金属23の比重(ρ1)、粘度(η)、被反応物21の粒径(d)、比重(ρ2)、反応器1aの半径(r)、突起板7aの半径方向の高さ(h)、突起個数(n)で回転数(ω:rpm)が以下の式を満足することが好ましい。以下の式を満たすことで残渣の発生を防止することができる。
なお、後述する羽根車41を用いる第2の実施形態においては、hとして羽根43の高さを用い、nとして羽根43の数を用いる。なお、羽根43に中空部45が設けられる場合には、図13に示すように羽根43から中空部45を除いた部分の長さをhとして用いる。
また、後述する突起板55と羽根車51を用いる第3の実施形態においては、hとして羽根53の高さと突起板55の高さの和を用い、nとして羽根53と突起板55の数の平均を用いる。
また、後述する突起板55と羽根車51を用いる第3の実施形態においては、hとして羽根53の高さと突起板55の高さの和を用い、nとして羽根53と突起板55の数の平均を用いる。
この式は、以下の研究から算出されたものである。更に高効率な反応を促進する上で、本反応器の回転数は以下の式から算出される。
まず、回転の上限角速度ωUPを算出する。
今回の回転式容器内の溶融金属は乱流状態であり、その乱流場での粒子の終端浮上速度は、以下のニュートンの式で近似される。
まず、回転の上限角速度ωUPを算出する。
今回の回転式容器内の溶融金属は乱流状態であり、その乱流場での粒子の終端浮上速度は、以下のニュートンの式で近似される。
ここでυ:浮上速度(m/s)、g:重力加速度(m/s2)、d:粒径(m)、ρ1:溶融金属比重(kg/m3)、ρ2:被反応物比重(kg/m3)である。
この粒子は、回転羽根と供に移動することから、回転式容器内の突起高さ(h)に沿って移動(浮上)するに必要な時間(t1)は、以下の式で表せる。ここでの係数の値は経験値である。
この粒子は、回転羽根と供に移動することから、回転式容器内の突起高さ(h)に沿って移動(浮上)するに必要な時間(t1)は、以下の式で表せる。ここでの係数の値は経験値である。
この時間内に回転羽根が移動する必要があることから、突起個数n、反応器の角速度ωUP(rad/sec)を用いて以下の式で表せる。
この式を展開すると、以下の関係が得られる。
次に、回転の下限角速度ωDOWNは極めて複雑な流れに支配されており、経験的に以下の式で算出される。
これらの式から最適回転速度ω(rpm)は、以下の式で表せる。
図3では、図5(a)に示すように、円筒状部5aの中心軸33と回転軸31とが一致するように反応器1aを回転させるが、図5(b)に示すように、円筒状部5aの中心軸33が水平ではなく、回転軸31が水平であって、中心軸33と回転軸31とがずれても問題はない。軸がずれた場合には容器が偏心しながら回転するための水平方向での溶融金属23の移動もより活発となることから、反応効率はより有効となる。
また、図6(a)に示すように、円筒状部5aの中心軸33が水平で、回転軸31が水平面から角度があってもよい。さらに、図6(b)に示すように、円筒状部5aの中心軸33が水平ではなく、回転軸31も水平でなくてもよい。
図7に、円筒部5a内で突起板7aが回転し、その突起板7aが溶融金属23に着液する際の接液角度37を示す。接液角度とは、突起板や突起物が、溶融金属23と接触する際に、突起板や突起物の中心線と、溶融金属23の液面とがなす角度である。接液角度は、−10〜50°、より好ましくは0〜45°である。なお、後述する図17に示す障害板81を有する場合には、円筒状部5a内部の突起板7aの接液角度は、障害板81の前後で非連続でも問題は無い。
また、反応器1aの中心部に被反応物21の浮上を抑制する障害物を設置しても問題はなく、この障害物をラジアントチューブ・ヒーターに置き換えても良い。
次に、反応器1aの回転の角速度は一定であることが望ましいが、回転中に変速(周期的変動を含む)してもよく、回転中に回転方向が正逆で変化しても良い。
更に、図14に示すように、1つ以上のガス吹き込み口47を設け、反応器の側面からガス吹き込みを行い、被反応物21と溶融金属23の撹拌を加速しても良い。
第1の実施形態によれば、溶融金属23よりも比重の小さい固体の被反応物21を、回転する突起板7aにより、連続的に溶融金属23に強制浸漬することができる。
また、第1の実施形態によれば、比重差から生じる固体の被反応物の浮上速度と溶融金属の流れとの相対速度差から、被反応物21と溶融金属23との界面に生じる境界層を最小化することができる。
また、第1の実施形態によれば、突起板7aにより溶融金属23が乱流状態となるため、固体の被反応物21と溶融金属23との界面に生じる境界層を最小化することができる。
また、第1の実施形態によれば、溶融金属23を乱流状態とし、固体の被反応物21から溶出した元素の濃度を均一化することで、被反応物21から溶融金属23への元素の拡散を加速することができる。
また、第1の実施形態によれば、反応器のスケールアップが容易であり、大量の被反応物21と溶融金属23を反応させることができる。
以上の特徴から、第1の実施形態において被反応物21と溶融金属23の反応を、大量に高効率で進めることができる。
(第1の実施形態の他の例)
なお、反応器1aの内面形状は、図2に示す、断面が円状の円筒状部5aのみならず、断面が非円形(楕円等)や多角形(三角形、四角形、等)であってもよい。また、反応器1a内面の突起は、直線であっても非直線であっても、平面であっても曲面であってもよい。また、突起の高さ、数は適宜変更可能である。
なお、反応器1aの内面形状は、図2に示す、断面が円状の円筒状部5aのみならず、断面が非円形(楕円等)や多角形(三角形、四角形、等)であってもよい。また、反応器1a内面の突起は、直線であっても非直線であっても、平面であっても曲面であってもよい。また、突起の高さ、数は適宜変更可能である。
図8(a)は、円筒状部5a内に、高さが半径未満で、高さの異なる4枚の突起板7b、7cが円筒状部5aの内面に直角に存在する反応器の断面図である。突起板7bは、突起板7cよりも長い。
図8(b)は、円筒状部5a内に、高さが半径未満で、同一の高さの4枚の曲率を有する突起物9が、円筒状部5aの内面に直角に存在する反応器の断面図である。突起物9は、表面が曲面で構成された畝状又は俵状の突起である。
図8(c)は、円筒状部5a内に、高さが半径未満で同一高さの4枚の突起板7dが、円筒状部5aの内面に非直角に存在する反応器の断面図である。
図9(d)は、円筒状部5a内に、高さが半径以上の1枚の突起板7eが円筒状部5aの内面に直角に存在する反応器の断面図である。
図9(e)は、円筒状部5a内に、高さが半径未満で、同一高さの3枚の突起板が円筒状部5aの内面に直角に存在する反応器の断面図である。
図10(a)は、楕円筒状部5b内に、長径・短径に対して同じ比率の高さの4枚の突起板7aが、楕円筒状部5bの内面に直角に存在する反応器の断面図である。
図10(b)は、楕円筒状部5b内に、高さの異なる4枚の突起板7b、7cが、楕円筒状部5bの内面に直角に存在する反応器の断面図である。突起板7bは、突起板7cに比べて長い。
図10(c)は、五角筒状部5c内に、同一高さの5枚の突起板7aが、五角筒状部5cの各側面に直角に存在する反応器の断面図である。
図11(d)は、四角筒状部5d内に、同一高さの4枚の突起板7aが、四角筒状部5dの各辺(稜とも呼ぶ)で存在する反応器の断面図である。
図11(e)は、三角筒状部5e内に、同一高さの3枚の突起板7aが、四角筒状部5dの各側面に直角に存在する反応器の断面図である。
図11(f)は、円筒状部5a内に、円筒状部5aとの間にクリアランス11を有する突起板7hが、円筒状部5aの内面に直角に存在する反応器の断面図である。クリアランス11とは、突起板7hに設けられた中空部分であり、断面図ではすき間として表現される。図11(f)では、クリアランス11が見えているが、図示されていない箇所で突起板7hは円筒状部5aと接触し、固定されている。
図12は、円筒状部5aに、円筒状部5aの中心軸と平行でない突起板7iが、円筒状部5aの内面に直角に存在する反応器1bの断面図である。すなわち、突起板7iは、図1における反応器1aを、対向する側部3を逆方向に回転させて突起板7aをねじったようなねじれを有する。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図13は、第2の実施形態にかかる反応器1cを示す斜視断面図である。図13では、反応器1cの円筒状部5aの半分を取り除いた状態を図示している。以下の実施形態で第1の実施形態と同一の様態を果たす要素には同一の番号を付し、重複した説明は避ける。
次に、第2の実施形態について説明する。図13は、第2の実施形態にかかる反応器1cを示す斜視断面図である。図13では、反応器1cの円筒状部5aの半分を取り除いた状態を図示している。以下の実施形態で第1の実施形態と同一の様態を果たす要素には同一の番号を付し、重複した説明は避ける。
反応器1cは、第1の実施形態における突起板などに代えて、羽根43を有して回転可能な羽根車41を有する。羽根車41は、中空部45を有する羽根43を、等間隔で4つ有する。羽根43は、中空部45を有し、羽根車41が回転する際は中空部45を被反応物21が通過するため、羽根車41を回転させるための力が過大とならない。
図14は、第2の実施形態における反応方法を示す図13でのD−D断面図である。第2の実施形態において、内部に溶融金属23を有する反応器1c内に被反応物21を投入する。被反応物21は固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ。
続いて、図14に示すように、羽根車41を、羽根車41の略長手方向に沿い、水平方向に対して傾きが30度以下の回転軸で、E方向に回転させて、被反応物21を溶融金属23と反応させる。なお、羽根車41の長手方向とは、羽根車41の軸(ハブ)の方向を意味しており、通常は円筒状部5aの長手方向と一致している。
第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、羽根車41の羽根43で被反応物21と溶融金属23とを攪拌しているため、第1の実施形態と同様の効果が得られ、被反応物21と溶融金属23の反応を高効率で進めることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図15は、第3の実施形態にかかる反応器1dを示す斜視断面図である。図15では、反応器1dの円筒状部5aの半分を取り除いた状態を図示している。
次に、第3の実施形態について説明する。図15は、第3の実施形態にかかる反応器1dを示す斜視断面図である。図15では、反応器1dの円筒状部5aの半分を取り除いた状態を図示している。
反応器1dは、突起板55に加えて、羽根53を有して回転可能な羽根車51も有する。羽根車51は、羽根53を、等間隔で4つ有し、突起板55は円筒状部5aの内面に4つ設けられる。通常は、円筒状部5aの長手方向と、羽根車51の中心軸は一致している。
図16は、第2の実施形態における反応方法を示す図15でのF−F断面図である。第2の実施形態において、内部に溶融金属23を有する反応器1c内に被反応物21を投入する。被反応物21は固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ。
続いて、図16に示すように、円筒状部5aまたは羽根車51の略長手方向に沿い、水平方向に対して傾きが30度以下の回転軸で、羽根車41をG方向に回転させるか、円筒状部5aをH方向に回転させるか、その両方を行うなどして、溶融金属23の攪拌を行い、被反応物21を溶融金属23と反応させる。
第3の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、羽根車51の羽根53と、円筒状部5aの突起板55で、被反応物21と溶融金属23とを攪拌しているため、第1の実施形態と同様の効果が得られ、被反応物21と溶融金属23の反応を高効率で進めることができる。
第1〜3の実施形態で、後述する図18に示す反応器1fのように、反応器の前端と後端に、材料装入口83または反応物排出口85を有する構造でバッチ処理を行う場合には、溶融金属23が流出しないように、これらの材料挿入口83または反応物排出口85に簡易弁を取り付けても問題は無い。なお、材料装入時には反応器1fを30°以上傾斜してもよい。
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係る反応器1eでは、図17に示すように、連続処理を可能とすべく円筒状部5aの内部に、半径方向に障害板81を1枚以上有する構造を有する。障害板81は、内容物が移動するための開口部82を中央に有し、突起板7aや円筒状部5a側面に垂直に設けられている。なお、第2の実施形態や第3の実施形態においては、障害板81を、羽根車41の羽根43や、羽根車51の羽根53に、羽根と垂直な方向に設けても良い。障害板81を用いることで、円筒状部5a内部での略長手方向の短絡流を抑制できる。また、障害板81は、必ずしも羽根や突起板に垂直に設けられる必要はなく、短絡流を抑制できるかぎり、斜めに設けられていてもよい。また、障害板81の開口部82も、中央部以外に設けられてもよく、一つでも複数でもよい。
第4の実施形態に係る反応器1eでは、図17に示すように、連続処理を可能とすべく円筒状部5aの内部に、半径方向に障害板81を1枚以上有する構造を有する。障害板81は、内容物が移動するための開口部82を中央に有し、突起板7aや円筒状部5a側面に垂直に設けられている。なお、第2の実施形態や第3の実施形態においては、障害板81を、羽根車41の羽根43や、羽根車51の羽根53に、羽根と垂直な方向に設けても良い。障害板81を用いることで、円筒状部5a内部での略長手方向の短絡流を抑制できる。また、障害板81は、必ずしも羽根や突起板に垂直に設けられる必要はなく、短絡流を抑制できるかぎり、斜めに設けられていてもよい。また、障害板81の開口部82も、中央部以外に設けられてもよく、一つでも複数でもよい。
このことから図18に示す反応器1fのように、側部3の両面に材料装入口83と反応物排出口85を設け、材料装入口83から、円筒状部5aへ被反応物21を連続的に投入しても、円筒状部5aでの円筒状部5aの長手方向への被反応物21の移動が抑制され、未反応の被反応物21が排出されることはなく、反応が終了した被反応物21が反応物排出口85より連続的に排出される。
また、反応器1fに示すように、連続処理を実行する場合でも、第1〜4の実施形態で円筒状部5a内部の酸素分圧を0.01MPa以下にすべく不活性ガス(アルゴンガス)等を円筒状部5a内部へ注入することが好ましい。より好ましくは、不活性ガスなどを反応物排出口85側から注入し、材料装入口83側へ排気する。その際に、装入する材料間の空気等を排出するように不活性ガスを流す。
第1〜3の実施形態で、反応物排出口85を設けずにバッチ処理を行う場合は、反応終了後の被反応物21を排出するには、円筒状部5aを傾動することで内容物である被反応物21と溶融金属23を同時に排出する。
第4の実施形態で、反応物排出口85を設ける場合は、連続的に材料が装入されるに従い、反応終了後の被反応物21が反応物排出口85を通じて円筒状部5aから排出される。
なお、これらの被反応物21と溶融金属23とが同時に排出されたものから、被反応物21を分離するには、溶融金属23の凝固点以上に保持して比重差により浮上してきた被反応物21を分離する浮上分離や、回転容器にて遠心分離を実施する。そして、酸等を用いて被反応物21のみを分離・回収する。
第4の実施形態で、反応物排出口85を設ける場合は、連続的に材料が装入されるに従い、反応終了後の被反応物21が反応物排出口85を通じて円筒状部5aから排出される。
なお、これらの被反応物21と溶融金属23とが同時に排出されたものから、被反応物21を分離するには、溶融金属23の凝固点以上に保持して比重差により浮上してきた被反応物21を分離する浮上分離や、回転容器にて遠心分離を実施する。そして、酸等を用いて被反応物21のみを分離・回収する。
(シリコン微粒子が接合してなる多孔質シリコンの製造方法)
第1〜第4の実施形態にかかる反応器、反応方法は、多孔質シリコンの製造方法にも利用できる。
第1〜第4の実施形態にかかる反応器、反応方法は、多孔質シリコンの製造方法にも利用できる。
まず、図19(a)に示すように、シリコン中間合金71を製造する。シリコンと、表1に記載のAs、Ba、Ca、Ce、Co、Cr、Cu、Er、Fe、Gd、Hf、Lu、Mg、Mn、Mo、Nb、Nd、Ni、P、Pd、Pr、Pt、Pu、Re、Rh、Ru、Sc、Sm、Sr、Ta、Te、Th、Ti、Tm、U、V、W、Y、Yb、Zrからなる群より選ばれた一つ以上の中間合金元素を、シリコンの割合が全体の10原子%以上であり、含有する中間合金元素に対応する下記表1中のSi最大含有量の中で最も高い値以下、好ましくは15〜50原子%になるように配合した混合物を真空炉や非酸化性雰囲気炉などで加熱し、溶解する。その後、鋳型や双ロール法により、導電部材の周囲に、シリコン中間合金71を設ける。シリコン中間合金の凝固時の冷却速度は0.1K/s以上、好ましくは100K/s以上、より好ましくは400K/s以上である。これは凝固初期に生成する初晶の粒径を小さくすることで次工程での熱処理時間を短縮することに寄与するものである。
次に、図19(b)に示すように、シリコン中間合金71を、使用した中間合金元素に対応する表1に記載のAg、Al、Au、Be、Bi、Cd、Ga、In、Pb、Sb、Sn、Tl、Znから選択された溶湯元素の溶融金属に浸漬させ、シリコンのスピノーダル分解(シリコン微粒子73の析出)と、中間合金元素の溶湯中への溶出と、溶湯元素を含む第2相75の形成を行う。第2相75は、中間合金元素と溶湯元素の合金か、中間合金元素と置換した溶湯元素で構成される。この浸漬工程で初めてシリコン微粒子73が形成される。溶融金属は、溶湯元素の液相線温度より10K以上高い温度に加熱してある。溶融金属への浸漬は、温度にもよるが、5秒以上10000秒以下であることが好ましい。10000秒以上浸漬を施すと粗大なSi粒が生成するためである。そして、これを非酸化性雰囲気下で冷却する。
シリコン中間合金71を、溶湯元素の溶融金属に浸漬させる工程において、第1〜第4の実施形態に係る反応器及び反応方法を用いることができる。
第1〜第4の実施形態に係る反応器及び反応方法を用いることにより、短時間で、未反応のシリコン中間合金71を残すことなく、シリコン中間合金71と溶融金属とを反応させることができる。
その後、第2相75を、酸、アルカリ、有機溶剤の少なくとも1つで溶解して除去する工程もしくは昇温減圧して第2相75のみを蒸発除去する工程により除去する。第2相75が除去されることで、多孔質シリコン79が得られる。なお、酸としては、中間合金元素と溶湯元素を溶解させ、シリコンを溶解しない酸であればよく、硝酸、塩酸、硫酸などが挙げられる。
酸、アルカリ、有機溶剤などで溶解する、もしくは昇温減圧蒸留することで第2相75を除去した後は、シリコン微粒子73で構成される多孔質シリコン79が得られる。酸、アルカリ、有機溶剤などで溶解した場合には、洗浄・乾燥を行う。シリコン中間合金71のシリコン濃度や、シリコン中間合金製造時の冷却速度により、多孔質シリコン79は0.1μm〜1000μmの粒径となる。なお、シリコン濃度を低くする、もしくは冷却速度を早くすることで粒径は小さくなる。負極用活物質として使用する上では、その平均粒径が0.1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは1〜30μm、更に5〜20μmであることが好ましい。その為に、多孔質シリコン79が小さい場合には、導電性を有する粘結剤を用いて凝集体または造粒体を作製し、スラリー状にして集電体に塗布して使用される。また、多孔質シリコン79が大きい場合には、この多孔質シリコン79を乳鉢等で粗に粉砕して使用しても何ら問題は無い。微粒子同士は局所的に接合しているので、容易に破砕することが出来る。
各工程での現象を説明する。シリコンと中間合金元素を溶融、凝固すると、シリコンと中間合金元素の合金であるシリコン中間合金が形成される。
その後、このシリコン中間合金を表1に規定される溶湯元素浴に浸漬させると、溶湯元素がシリコン中間合金中に拡散しながら浸透し、シリコン中間合金中の中間合金元素は溶湯元素と合金層を第2相として形成する。もしくは、合金中の中間合金元素が溶湯元素の溶湯中に溶出し、溶湯元素が新たな第2相を形成する。この反応の中で、シリコン中間合金中に含まれていたシリコン原子が取り残される。その結果、このシリコン原子が、拡散した状態からナノサイズで凝集する際に、シリコン原子のネットワークができ、三次元網目構造が形成される。
なお、中間合金中の合金でないシリコン初晶は、浸漬工程ではシリコン微粒子の析出に関係せず、また脱成分腐食などの第2相の除去にも関係せず、シリコンの初晶のまま残る。そのため、一度結晶になったシリコンは、粗大であり三次元網目構造を形成しない。そのため、シリコン中間合金を形成する工程において、シリコン合金中にシリコンの結晶が生じないことが好ましい。
以上の工程より、中間合金元素と溶湯元素には、以下の条件が必要となる。
・条件1:シリコンの融点より、溶湯元素の融点が50K以上低いこと。
仮に溶湯元素の融点とシリコンの融点が近いと、シリコン合金を溶湯元素の溶湯に浸漬する際、シリコンが溶湯中に溶解してしまうため、条件1が必要である。
・条件2:シリコンと中間合金元素を凝固させた際にSi初晶が発生しないこと。
シリコンと中間合金元素の合金を形成する際に、シリコン濃度が増加する場合に過共晶領域になると粗大なシリコン初晶が形成される。このシリコン結晶は浸漬工程中での、シリコン原子の拡散・再凝集が生じず、三次元網目構造を形成しない。
・条件3:溶湯元素へのシリコンの溶解度が5原子%よりも低いこと。
中間合金元素と溶湯元素が第2相を形成する際、シリコンを第2相に含まないようにする必要があるためである。
・条件4:中間合金元素と溶湯元素とが2相に分離しないこと。
中間合金元素と溶湯元素が2相に分離してしまう場合、シリコン合金より中間合金元素が分離されず、シリコン原子の拡散・再凝集が生じない。さらには、酸による処理を行っても、シリコン粒子中に中間合金元素が残ってしまう。
・条件1:シリコンの融点より、溶湯元素の融点が50K以上低いこと。
仮に溶湯元素の融点とシリコンの融点が近いと、シリコン合金を溶湯元素の溶湯に浸漬する際、シリコンが溶湯中に溶解してしまうため、条件1が必要である。
・条件2:シリコンと中間合金元素を凝固させた際にSi初晶が発生しないこと。
シリコンと中間合金元素の合金を形成する際に、シリコン濃度が増加する場合に過共晶領域になると粗大なシリコン初晶が形成される。このシリコン結晶は浸漬工程中での、シリコン原子の拡散・再凝集が生じず、三次元網目構造を形成しない。
・条件3:溶湯元素へのシリコンの溶解度が5原子%よりも低いこと。
中間合金元素と溶湯元素が第2相を形成する際、シリコンを第2相に含まないようにする必要があるためである。
・条件4:中間合金元素と溶湯元素とが2相に分離しないこと。
中間合金元素と溶湯元素が2相に分離してしまう場合、シリコン合金より中間合金元素が分離されず、シリコン原子の拡散・再凝集が生じない。さらには、酸による処理を行っても、シリコン粒子中に中間合金元素が残ってしまう。
以上の条件1〜4を考慮すると、多孔質シリコンを製造するために使用可能な中間合金元素と溶湯元素の組み合わせは、以下のようになる。また、シリコンの割合が全体の10原子%以上であり、中間合金元素に対応する下記表1中のSi最大含有量の中で最も高い値以下である。
多孔質シリコン79を構成するシリコン微粒子73は、結晶性を有する単結晶であり、酸素を除く元素の比率でシリコンを80原子%以上含む中実な粒子であることを特徴とする。なお、ほぼ球形の微粒子が独立して存在していれば、粒径を測定することができるが、複数の微粒子が接合して、略柱状となっている場合には、長軸と垂直な断面での柱の直径に対応する平均支柱径を評価に用いる。
シリコン微粒子73の平均粒径または平均支柱径は、2nm〜2μmであり、好ましくは10〜500nm、より好ましくは、15〜100nmである。また、多孔質シリコン79の平均空隙率は、15〜93%であり、好ましくは30〜80%であり、より好ましくは40〜70%である。
多孔質シリコン79を構成するシリコン微粒子73は、互いに接合しているため、主に表面走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡を用いて平均粒径を求める。
また、平均支柱径とは、アスペクト比が5以上の棒状(柱状)のシリコン粒子において、その柱の直径を支柱径と定義する。この支柱径の平均値を平均支柱径とする。この支柱径は、おもに粒子のSEM観察を行って求める。
また、平均支柱径とは、アスペクト比が5以上の棒状(柱状)のシリコン粒子において、その柱の直径を支柱径と定義する。この支柱径の平均値を平均支柱径とする。この支柱径は、おもに粒子のSEM観察を行って求める。
平均空隙率は、粒子中の空隙の割合をいう。サブミクロン以下の細孔は窒素ガス吸着法によっても測定が可能であるが、細孔サイズが広範囲に渡る場合には、電子顕微鏡観察や、水銀圧入法(JIS R 1655「ファインセラミックスの水銀圧入法による成形体気孔径分布測定方法」、空隙内へ水銀を侵入させた際の圧力と水銀体積の関係から導出)、気体吸着法(JIS Z 8830:2001 気体吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法)等により測定が可能である。
本発明での三次元網目構造は、スピノーダル分解過程で生じる共連続構造やスポンジ構造のような、空孔が互いに連接している構造を意味する。多孔質シリコンが有する空孔は、空孔径が0.1〜300nm程度である。
また、シリコン微粒子73どうしは、局所的に接合しており、シリコン微粒子73の接合部の面積が、シリコン微粒子73の表面積の30%以下である。つまり、シリコン微粒子73が独立して存在すると仮定して求められた表面積に比べて、多孔質シリコン79の表面積は70%以上である。
(シリコン微粒子とシリコン化合物粒子が接合してなる多孔質シリコンの製造方法)
まず、図20(a)に示すように、シリコン中間合金107を製造する。シリコンと、表2に記載のCo、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、P、Ti、Zrからなる群より選ばれた1以上の中間合金元素と、中間合金元素に対応する表2に記載の一つ以上の複合体元素を用い、シリコン、中間合金元素、複合体元素を配合した混合物を真空炉などで加熱し、溶解する。この際、シリコンと中間合金元素の合金と、シリコンと複合体元素の化合物が形成される。
その後、鋳型や双ロール法により、導電部材の周囲に、シリコン中間合金107を設ける。この際、シリコンと複合体元素と中間合金元素のシリコン中間合金107と、シリコンと複合体元素からなるシリコン化合物粒子が形成される。
まず、図20(a)に示すように、シリコン中間合金107を製造する。シリコンと、表2に記載のCo、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、P、Ti、Zrからなる群より選ばれた1以上の中間合金元素と、中間合金元素に対応する表2に記載の一つ以上の複合体元素を用い、シリコン、中間合金元素、複合体元素を配合した混合物を真空炉などで加熱し、溶解する。この際、シリコンと中間合金元素の合金と、シリコンと複合体元素の化合物が形成される。
その後、鋳型や双ロール法により、導電部材の周囲に、シリコン中間合金107を設ける。この際、シリコンと複合体元素と中間合金元素のシリコン中間合金107と、シリコンと複合体元素からなるシリコン化合物粒子が形成される。
次に、図20(b)に示すように、シリコン中間合金107を、表2に記載の中間合金元素に対応するAg、Al、Au、Be、Bi、Cd、Ga、In、Pb、Sb、Sn、Tl、Znの少なくとも1つ以上から選択された溶湯元素の溶湯に浸漬させる。シリコンのスピノーダル分解(シリコン微粒子73の析出)と、中間合金元素の溶湯中への溶出と、溶湯元素を含む第2相109の形成を行う。第2相109は、中間合金元素と溶湯元素の合金か、中間合金元素と置換した前記溶湯元素で構成される。溶湯は、溶湯元素の液相線温度より10K以上高い温度に加熱してある。溶湯への浸漬は、溶湯温度にもよるが、5秒以上10000秒以下であることが好ましい。10000秒以上浸漬を施すと粗大Si粒が生成するためである。浸漬後のシリコン中間合金107を非酸化性雰囲気下で冷却し、シリコン微粒子103、シリコン化合物粒子105、第2相109を含む複合体111を得る。
溶湯浸漬工程での現象を説明する。シリコン中間合金107を溶融金属浴中に浸漬させると、溶湯元素がシリコン中間合金107中に浸透する。この際、中間合金元素は溶湯元素と合金固相を形成しながら、更に溶湯元素が浸透してくることで液相を形成する。この液相領域内にシリコン原子と複合体元素が残される。このシリコン原子や複合体元素が、拡散した状態から凝集する際に、シリコン微粒子103が析出し、シリコン原子と複合体元素の合金のネットワークができ、三次元網目構造が形成される。つまり、図20(b)に示すように、シリコン中間合金107の中間合金元素が、溶湯中に溶出するなどして、第2相109を形成し、シリコンがシリコン微粒子103として析出する。また、シリコン化合物粒子105は、溶湯元素の溶湯には影響されずにそのまま残る。これらのシリコン微粒子103、シリコン化合物粒子105は、互いに接合し、三次元網目構造を形成する。
なお、溶融金属浴への浸漬工程では、シリコン単独のシリコン初晶や、シリコンと複合体元素との化合物は、溶湯元素が浸透してきても、シリコン原子や複合体元素の再凝集を起こさず、シリコン初晶や複合体元素の化合物がそのまま残る。その為に、シリコン中間合金107の作製時の冷却速度を高めて、これらの粒径制御をすることが好ましい。
シリコン中間合金107を、溶湯元素の溶融金属に浸漬させる工程において、第1〜第4の実施形態に係る反応器及び反応方法を用いることができる。
第1〜第4の実施形態に係る反応器及び反応方法を用いることにより、短時間で、未反応のシリコン中間合金107を残すことなく、シリコン中間合金107と溶融金属とを反応させることができる。
その後、図20(c)に示すように、酸やアルカリなどを用いた脱成分腐食などの方法により、第2相109を除去すると、シリコン微粒子103とシリコン化合物粒子105が接合した多孔質シリコン複合体粒子1が得られる。
なお、シリコン化合物粒子105は、必ずしもシリコン中間合金製造段階に析出している必要はなく、溶湯浸漬工程段階に析出させても良い。まず、図21(a)に示すように、シリコンと中間合金元素からなるシリコン中間合金113を形成する。その後、溶湯元素に複合体元素を加えた溶湯に浸漬させることで、図21(b)に示すように、シリコン微粒子103とシリコン化合物粒子105と第2相109を形成する。その後、図21(c)に示すように、第2相109を除去して多孔質シリコン101を得る。
以上の工程より、中間合金元素と複合体元素と溶湯元素には、以下の条件が必要となる。
・条件1:シリコンの融点より、溶湯元素の融点が50K以上低いこと。
仮に溶湯元素の融点とシリコンの融点が近いと、シリコン中間合金を溶湯元素の溶湯に浸漬する際、シリコンが溶湯中に溶解してしまうため、条件1が必要である。
・条件2:シリコンと中間合金元素を凝固させた際にSi初晶が発生しないこと。
シリコンと中間合金元素の合金を形成する際に、シリコン濃度が増加する場合に過共晶領域になると粗大なシリコン初晶が形成される。このシリコン初晶は浸漬工程中での、シリコン原子の拡散・再凝集が生じず、三次元網目構造を形成しない。
・条件3:溶湯元素へのシリコンの溶解度が5原子%よりも低いこと。
中間合金元素と溶湯元素が第2相を形成する際、シリコンを第2相に含まないようにする必要があるためである。
・条件4:中間合金元素と溶湯元素とが2相に分離しないこと。
中間合金元素と溶湯元素が2相に分離してしまう場合、シリコン中間合金より中間合金元素が分離されず、シリコン原子の拡散・再凝集が生じない。さらには、酸による処理を行っても、シリコン粒子中に中間合金元素が残ってしまう。
・条件1:シリコンの融点より、溶湯元素の融点が50K以上低いこと。
仮に溶湯元素の融点とシリコンの融点が近いと、シリコン中間合金を溶湯元素の溶湯に浸漬する際、シリコンが溶湯中に溶解してしまうため、条件1が必要である。
・条件2:シリコンと中間合金元素を凝固させた際にSi初晶が発生しないこと。
シリコンと中間合金元素の合金を形成する際に、シリコン濃度が増加する場合に過共晶領域になると粗大なシリコン初晶が形成される。このシリコン初晶は浸漬工程中での、シリコン原子の拡散・再凝集が生じず、三次元網目構造を形成しない。
・条件3:溶湯元素へのシリコンの溶解度が5原子%よりも低いこと。
中間合金元素と溶湯元素が第2相を形成する際、シリコンを第2相に含まないようにする必要があるためである。
・条件4:中間合金元素と溶湯元素とが2相に分離しないこと。
中間合金元素と溶湯元素が2相に分離してしまう場合、シリコン中間合金より中間合金元素が分離されず、シリコン原子の拡散・再凝集が生じない。さらには、酸による処理を行っても、シリコン粒子中に中間合金元素が残ってしまう。
・条件5:シリコンと複合体元素とが、2相に分離しないこと。
シリコンと複合体元素が2相に分離しやすい場合、最終的にシリコンと複合体元素の合金からなるシリコン化合物粒子が得られない。
・条件6:溶湯元素に対応する中間合金元素は、選択可能な元素に複合体元素を含まないこと。
複合体元素が、中間合金元素として選択可能な元素であり、前述のような中間合金元素の特徴を備える場合、溶湯元素と複合体元素が第2相を形成し、酸による処理を行う際に複合体元素が除去されてしまう。
シリコンと複合体元素が2相に分離しやすい場合、最終的にシリコンと複合体元素の合金からなるシリコン化合物粒子が得られない。
・条件6:溶湯元素に対応する中間合金元素は、選択可能な元素に複合体元素を含まないこと。
複合体元素が、中間合金元素として選択可能な元素であり、前述のような中間合金元素の特徴を備える場合、溶湯元素と複合体元素が第2相を形成し、酸による処理を行う際に複合体元素が除去されてしまう。
以上の条件1〜6を考慮すると、多孔質シリコン複合体を製造するために使用可能な中間合金元素と、複合体元素と、溶湯元素の組み合わせは、以下のようになる。また、複合体元素の割合がシリコンの1〜33原子%である。さらに、シリコンの割合は、シリコンと中間合金元素と複合体元素の和に対して10原子%以上であり、中間合金元素に対応する下記表2中のSi最大含有量の値(複数の中間合金元素を含む場合は、それぞれの中間合金元素に対応する表2中のSi最大含有量を、中間合金元素の割合に応じて案分した値)以下である。また、中間合金元素が複数含まれる場合には、それぞれの中間合金元素に共通して使用可能な複合体元素と溶湯元素を用いる。
図20(c)に示すように、多孔質シリコン101は、シリコン微粒子103とシリコン化合物粒子105が接合してなり、多孔質シリコン101の平均空隙率が15〜93%であり、連続した空隙からなる三次元網目構造を有する。
シリコン微粒子103は、平均粒径または平均支柱径が2nm〜2μmであり、好ましくは10〜500nm、より好ましくは、20〜300nmである。また、平均空隙率は、15〜93%であり、好ましくは50〜80%であり、より好ましくは60〜70%である。そして、一つ一つのシリコン微粒子103の結晶構造は、結晶性を有する単結晶である。また、シリコン微粒子103は、酸素を除く元素の比率でシリコンを80原子%以上含み、残りは後述する中間合金元素、溶湯元素、その他の不可避な不純物が含まれる中実な微粒子である。
シリコン化合物粒子105は、平均粒径が50nm〜50μmであり、好ましくは100nm〜20μm、より好ましくは、200nm〜10μmである。また、組成的には、As、Ba、Ca、Ce、Co、Cr、Cu、Er、Fe、Gd、Hf、Lu、Mg、Mn、Mo、Nb、Nd、Ni、Os、Pr、Pt、Pu、Re、Rh、Ru、Sc、Sm、Sr、Ta、Te、Th、Ti、Tm、U、V、W、Y、Yb、Zrからなる群より選ばれた一つ以上の複合体元素と、50〜75原子%のシリコンと後述する中間合金元素、溶湯元素、その他の不可避な不純物から構成されている中実な結晶性を有する粒子である。また、通常は、シリコン化合物粒子105は、シリコン微粒子103よりも大きい。
また多孔質シリコン79、101の表面、すなわちシリコン微粒子73、103またはシリコン化合物粒子105には、厚さ20nm以下、またはそれぞれの粒径比で10%以下の酸化物層が形成されていても特性上問題はない。
多孔質シリコン79、101の表面の酸化物層は、第2相75、109を除去した後に0.0001〜0.1Nの硝酸または硫酸に浸漬することで形成することが出来る。もしくは、第2相75、109を除去した後に、0.00000001〜0.02MPaの酸素分圧下で保持することでも形成することができる。このシリコンなどの酸化物層が形成されると、多孔質シリコン79、101は、大気中でも極めて安定になり、グローブボックス等の中で取り扱われる必要がなくなる。
多孔質シリコン79、101の表面の酸化物層は、第2相75、109を除去した後に0.0001〜0.1Nの硝酸または硫酸に浸漬することで形成することが出来る。もしくは、第2相75、109を除去した後に、0.00000001〜0.02MPaの酸素分圧下で保持することでも形成することができる。このシリコンなどの酸化物層が形成されると、多孔質シリコン79、101は、大気中でも極めて安定になり、グローブボックス等の中で取り扱われる必要がなくなる。
また、多孔質シリコン101を構成するシリコン微粒子103とシリコン化合物粒子105は、互いに接合しているため、主に表面走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡を用いて平均粒径を求める。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
Mg:Si=88:12(原子%)の割合でシリコン(塊状、純度:95.0%以上)とMgを配合し、これを真空炉中にて1050℃で溶解した。その後、銅金型へ鋳込みインチバーを作成後に、これを機械的に粉砕し平均粒径1cmの粒を得た。これを図1、図2に示すような4枚の突起板が円筒状部の内面に垂直に設けられた反応器を用い、図3に示すような溶融金属の充填率を50%以下とし、図5(a)に示すような反応器の中心軸と回転軸と水平面とを一致させて回転させながら、470℃の鉛溶湯に6分浸漬させた後に、直ちにアルゴンガスにて急冷した。この処理によりSiとMg−Pb(第2相)の2相複合体が得られた。この2相複合体を硝酸20%水溶液中に5分浸漬させ、多孔質シリコン粒子を得た。この時に多孔質シリコン以外の残渣(MgSi合金)をフッ酸にて溶解し、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)にてMgの定量分析を行い、未反応物比率を測定した。
[実施例1]
Mg:Si=88:12(原子%)の割合でシリコン(塊状、純度:95.0%以上)とMgを配合し、これを真空炉中にて1050℃で溶解した。その後、銅金型へ鋳込みインチバーを作成後に、これを機械的に粉砕し平均粒径1cmの粒を得た。これを図1、図2に示すような4枚の突起板が円筒状部の内面に垂直に設けられた反応器を用い、図3に示すような溶融金属の充填率を50%以下とし、図5(a)に示すような反応器の中心軸と回転軸と水平面とを一致させて回転させながら、470℃の鉛溶湯に6分浸漬させた後に、直ちにアルゴンガスにて急冷した。この処理によりSiとMg−Pb(第2相)の2相複合体が得られた。この2相複合体を硝酸20%水溶液中に5分浸漬させ、多孔質シリコン粒子を得た。この時に多孔質シリコン以外の残渣(MgSi合金)をフッ酸にて溶解し、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)にてMgの定量分析を行い、未反応物比率を測定した。
[実施例2〜15、比較例1〜14]
各実施例、比較例の製造条件を、表3にまとめた。なお、Fluxとは、溶融塩を意味する。なお、実施例14は、固定容器内に羽根車があり、この羽根の形状が、羽根の回転軸に対して直角であり、回転容器の中心軸と平行である。
各実施例、比較例の製造条件を、表3にまとめた。なお、Fluxとは、溶融塩を意味する。なお、実施例14は、固定容器内に羽根車があり、この羽根の形状が、羽根の回転軸に対して直角であり、回転容器の中心軸と平行である。
[評価]
総合評価は、残渣にて未反応物が存在する場合には×、無しの場合は○とした。更に、○の場合は、10分以内に処理が完了したものは○○○、10〜20分以内に完了したものは○○、20分以上かかったものは○とした。×の場合は、未反応量によって×、××、×××、とした。
総合評価は、残渣にて未反応物が存在する場合には×、無しの場合は○とした。更に、○の場合は、10分以内に処理が完了したものは○○○、10〜20分以内に完了したものは○○、20分以上かかったものは○とした。×の場合は、未反応量によって×、××、×××、とした。
実施例1〜15においては、残渣にて未反応物が存在せず、被反応物にてシリコンと合金を形成していた元素が全て溶融金属に拡散していることが確認できた。
実施例6では、回転数が低めで、溶融金属のレイノルズ数が小さいため、反応完了までに時間がかかった。
実施例10では酸素分圧が0.01MPaを超えるため、被反応物の表面に酸化皮膜が形成され、反応完了までに時間がかかった。
実施例13、14では、回転数が好適な範囲を超えているため、反応完了までに時間がかかった。
比較例1、2では、図22(a)に示すように、被反応物21を浸漬用籠123に入れて、特に攪拌をせずに溶融金属23に浸漬させたところ、未反応物が存在した。
比較例3、4では、図22(b)に示すように、被反応物21を浸漬用籠123に入れて、機械式攪拌機133とガス吹き込み口135による攪拌を施した溶融金属23に浸漬させたところ、比較例1、2よりも減ったが、未反応物が残った。
比較例5、6では、図23に示すように、内部に突起がない円筒状の回転容器141を90°に立てた状態で、被反応物21を溶融金属23に投入し、I方向に回転させたところ、被反応物21は溶融金属23に浸漬せず浮上したままとなり、ほとんど反応が進まなかった。
比較例7〜14では、第1の実施形態に係る反応器を用いたが、回転軸を水平方向に対して傾きが30°を超えているため、被反応物が溶融金属上に浮上し、固液拡散反応が促進されず、未反応物が残った。
特に、比較例8においては、回転数が好適な回転条件の上限を超えているため、未反応物が残った。
また、比較例11、12においては、回転数が少なく、レイノルズ数が小さいため、未反応物が多かった。
また、比較例13、14においては、窒素パージを行わないため、酸素分圧が0.01MPaをはるかに超えているため、未反応物が多かった。
また、第4の実施形態での連続処理を行った結果を表4に示す。実施例16から19は、円筒状の回転容器内に図18に示すような障害板を設けて連続処理を行った。比較例15〜17は、障害板を設置せずに連続処理を行った。なお、ここでの投入量は、1分間あたりの円筒状容器内の溶融金属23の体積を100%とした場合の被反応物21の体積である。障害板を設けない比較例15〜17においては、未反応の被反応物21が排出されてしまい、未反応物比率が高くなった。
以上、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しえることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1a〜1f………反応器
3………側部
5a………円筒状部
5b………楕円筒状部
5c………五角筒状部
5d………四角筒状部
5e………三角筒状部
7a〜7i………突起板
9………突起部
11………クリアランス
21………被反応物
23………溶融金属
31………回転軸
33………中心軸
35………水平面
37………接液角度
41………羽根車
43………羽根
45………中空部
47………ガス吹き込み口
51………羽根車
53………羽根
55………突起板
71………シリコン中間合金
73………シリコン微粒子
75………第2相
77………複合体
79………多孔質シリコン
81………障害板
82………開口部
83………材料装入口
85………反応物排出口
101………多孔質シリコン
103………シリコン微粒子
105………シリコン化合物粒子
107………シリコン中間合金
109………第2相
111………複合体
113………シリコン中間合金
121………溶湯浸漬装置
123………浸漬用籠
131………溶湯浸漬装置
133………機械式撹拌機
135………ガス吹き込み口
141………回転容器
3………側部
5a………円筒状部
5b………楕円筒状部
5c………五角筒状部
5d………四角筒状部
5e………三角筒状部
7a〜7i………突起板
9………突起部
11………クリアランス
21………被反応物
23………溶融金属
31………回転軸
33………中心軸
35………水平面
37………接液角度
41………羽根車
43………羽根
45………中空部
47………ガス吹き込み口
51………羽根車
53………羽根
55………突起板
71………シリコン中間合金
73………シリコン微粒子
75………第2相
77………複合体
79………多孔質シリコン
81………障害板
82………開口部
83………材料装入口
85………反応物排出口
101………多孔質シリコン
103………シリコン微粒子
105………シリコン化合物粒子
107………シリコン中間合金
109………第2相
111………複合体
113………シリコン中間合金
121………溶湯浸漬装置
123………浸漬用籠
131………溶湯浸漬装置
133………機械式撹拌機
135………ガス吹き込み口
141………回転容器
Claims (14)
- 筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内面に設けられた一つ以上の突起と、を有する反応器を用い、
内部に溶融金属を有する前記反応器に、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物を投入する工程と、
前記反応器を、前記筒状部の略長手方向に沿い、水平方向に対して傾きが30度以下の回転軸で回転させて、前記被反応物を前記溶融金属と反応させる工程と
を具備することを特徴とする反応方法。 - 筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内部に設けられ、羽根を有して回転可能な羽根車と、を有する反応器を用い、
内部に溶融金属を有する前記反応器に、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物を投入する工程と、
前記羽根車を、前記羽根車の略長手方向に沿い、水平方向に対して傾きが30度以下の回転軸で回転させて、前記被反応物を前記溶融金属と反応させる工程と
を具備することを特徴とする反応方法。 - 筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内面に設けられた一つ以上の突起と、前記筒状部の内部に設けられ、羽根を有して回転可能な羽根車と、を有する反応器を用い、
内部に溶融金属を有する前記反応器に、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物を投入する工程と、
前記羽根車と前記筒状部の少なくとも一方を、前記筒状部又は前記筒状部の略長手方向に沿い、水平方向に対して傾きが30度以下の回転軸で、互いの角速度が等速でないように回転させて、前記被反応物を前記溶融金属と反応させる工程と
を具備することを特徴とする反応方法。 - 前記反応器内の前記溶融金属のレイノルズ数が500以上の乱流状態であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の反応方法。
- 前記反応器内の前記溶融金属の上部空間の雰囲気の酸素分圧が0.01MPa以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の反応方法。
- さらに、前記反応器内に、塩化物の溶融塩を体積比(溶融塩体積÷溶融金属体積)が0.1以上で有し、
前記溶融金属の上面が、前記溶融塩で被覆されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の反応方法。 - 溶融金属と、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物とを反応させるための反応器であって、
筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内面に設けられた一つ以上の突起と、を有し、
前記筒状部は、前記筒状部の略長手方向に沿った回転軸を有し、
前記回転軸が水平方向に対して傾きが30°以下であることを特徴とする反応器。 - 前記筒状部の回転軸は、前記筒状部の両側の前記側部を通ることを特徴とする請求項8に記載の反応器。
- 溶融金属と、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物とを反応させるための反応器であって、
筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内部に設けられ、羽根を有して回転可能な羽根車と、を有し、
前記羽根車は、前記羽根車の略長手方向に沿った回転軸を有し、
前記回転軸が水平方向に対して傾きが30°以下であることを特徴とする反応器。 - 前記羽根に、前記被反応物が通過するための中空部が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の反応器。
- 溶融金属と、固体で、前記溶融金属の比重以下の比重を持つ被反応物とを反応させるための反応器であって、
筒状部と、前記筒状部の両側に設けられた側部と、前記筒状部の内面に設けられた一つ以上の突起と、前記筒状部の内部に設けられ、羽根を有して回転可能な羽根車と、を有する反応器を用いる反応方法であって、
前記羽根車は、前記羽根車の略長手方向に沿った回転軸を有し、
前記筒状部は、前記筒状部の略長手方向に沿った回転軸を有し、
前記羽根車と前記筒状部の回転軸が水平方向に対して傾きが30°以下であり、
前記羽根車と前記筒状部が、互いの角速度が等速でないように回転可能であることを特徴とする反応器。 - 前記筒状部の内部に、前記筒状部の長手方向への前記溶融金属の流れを抑制する板が取り付けられたことを特徴とする請求項8から12のいずれか1項に記載の反応器。
- 前記板に、開口部が設けられることを特徴とする請求項13に記載の反応器。
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