JP2014027582A - 携帯端末用アンテナ及び携帯端末 - Google Patents

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利明 岩瀬
Keigo Shigematsu
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Abstract

【課題】生産性の向上と製造コストの低減を図ることができる携帯端末用アンテナを提供する。
【解決手段】第1の筒状アンテナエレメント21と、第1の筒状アンテナエレメント21に出没可能に内装される第2の筒状アンテナエレメント22を有し、第2の筒状アンテナエレメント22の上端近傍に上側抜止部222、第1の筒状アンテナエレメント21の下端に下側抜止部213が設けられ、上側抜止部222の下側の第2の筒状アンテナエレメント22の周囲に、第1の筒状アンテナエレメント21の内周面と第2の筒状アンテナエレメント22の外周面に接触する接触バネ224が設けられ、接触バネ224が上側抜止部222と下側抜止部213との間の第2の筒状アンテナエレメント22に沿って移動自在とされる携帯端末用アンテナ1。
【選択図】図5

Description

本発明は、多機能携帯電話等の携帯端末に用いられる携帯端末用アンテナ及びこの携帯端末用アンテナを備える携帯端末に関する。
従来、携帯端末用アンテナとして、多段の筒状アンテナエレメントと棒状アンテナエレメントが出没可能に設けられる直線状のアンテナエレメント部と、アンテナエレメント部を保持する保持部と、保持部の下側に設けられる接触導通部を有するものが知られている。
この携帯端末用アンテナでは、上段の筒状アンテナエレメント内に収納される下段の筒状アンテナエレメントの上端近傍の周囲に、接触バネが係合突起と係合孔の係合で定置して設けられ、筒状アンテナエレメント内に収納される棒状アンテナエレメントの上端近傍の周囲に、接触バネが拡径部とスリーブの上端との間でスリーブへの嵌込で定置して設けられている。そして、アンテナの伸長動作時や収納動作時に、下段の筒状アンテナエレメントの上端近傍の接触バネが上段の筒状アンテナエレメントの内周面に接触しながら摺動し、棒状アンテナエレメントの上端近傍の接触バネが筒状アンテナエレメントの内周面に接触しながら摺動するようになっている(特許文献1参照)。
特開2010−35067号公報
ところで、上記のようにアンテナエレメントの上端近傍の周囲に接触バネを定置して設ける場合、上記係合突起と係合孔の係合、スリーブの嵌込の他、アンテナエレメントの上端近傍の周囲に外側に突出する周状の上側突起と周状の下側突起をそれぞれ設け、上側突起と下側突起の間に接触バネを配置し、上側突起と下側突起で接触バネの上下方向の移動を規制して定置することも考えられる。
このような上側突起と下側突起の間に接触バネを配置する例を図6に示す。図6の例では、下端に内方に屈曲して突出する縮径部811を有する第1の筒状アンテナエレメント81と、第1の筒状アンテナエレメント81に出没可能に内装される第2の筒状アンテナエレメント82と、第2の筒状アンテナエレメント82に出没可能に内装される第3の筒状アンテナエレメント83を備える。
第2の筒状アンテナエレメント82の上端近傍の周囲には、外側に突出する周状の上側突起821と周状の下側突起822がそれぞれ設けられ、上側突起821と下側突起822の間に外側に湾曲する接触バネ823が配置されている。接触バネ823は、上側突起821と下側突起822で上下方向の移動を規制され、第2の筒状アンテナエレメント82の上端近傍に定置した状態のまま、第1の筒状アンテナエレメント81の内周面に接触しながら摺動するようになっている。
第3の筒状アンテナエレメント83の上端近傍の周囲には、外側に突出する周状の上側突起831と周状の下側突起832がそれぞれ設けられ、上側突起831と下側突起832の間に外側に湾曲する接触バネ833が配置されている。接触バネ833は、上側突起831と下側突起832で上下方向の移動を規制され、第3の筒状アンテナエレメント83の上端近傍に定置した状態のまま、第2の筒状アンテナエレメント82の内周面に接触しながら摺動するようになっている。
しかしながら、上記のような下段のアンテナエレメントの上端近傍に定置した接触バネを上段の筒状アンテナエレメントの内周面に接触させて摺動する構成では、上段の筒状アンテナエレメントの内周面が非常に滑らかなものである必要がある。そのため、上段の筒状アンテナエレメントに非常に高度な加工が必要になり、生産性に劣り、製造コストが高くなるという問題がある。また、下段のアンテナエレメントにおいては、周状の下側突起822、832を内側から外側に突出する加工や、接触バネの係合突起と筒状アンテナエレメントに係合孔を形成する加工や、拡径部とスリーブの上端との間に接触バネを嵌め込む加工も、それぞれ非常に高度な加工が必要になるため、かかる点からも、生産性に劣り、製造コストが高くなるという問題がある。
本発明は上記課題に鑑み提案するものであり、上段の筒状アンテナエレメントに下段のアンテナエレメントが出没可能に内装される携帯端末用アンテナにおいて、生産性の向上と製造コストの低減を図ることができる携帯端末用アンテナ、及びその携帯端末用アンテナを備える携帯端末を提供することを目的とする。
本発明の携帯端末用アンテナは、上段の筒状アンテナエレメントと、前記上段の筒状アンテナエレメントに出没可能に内装される下段のアンテナエレメントを有するアンテナエレメント部と、前記アンテナエレメント部を保持する保持部と、前記保持部の下側に設けられ、筐体に取り付けられるホルダーの接触部と接触する接触導通部とを備え、前記下段のアンテナエレメントの上端近傍に上側抜止部、前記上段の筒状アンテナエレメントの下端に下側抜止部が設けられ、前記上側抜止部の下側の前記下段のアンテナエレメントの周囲に、前記上段の筒状アンテナエレメントの内周面と前記下段のアンテナエレメントの外周面に接触する接触バネが設けられ、前記接触バネが前記上側抜止部と前記下側抜止部との間の前記下段のアンテナエレメントに沿って移動自在とされることを特徴とする。
この構成によれば、下段のアンテナエレメントの接触バネが上段の筒状アンテナエレメントの内周面と前記下段のアンテナエレメントの外周面のいずれか滑らかな方の面或いは双方の面を摺動することになり、非常に高度な加工を施して滑らかな内周面を有する上段の筒状アンテナエレメントを得ることが不要となる。従って、生産性の向上と製造コストの低減を図ることができる。また、下段のアンテナエレメントについても、周状の下側突起を内側から外側に突出する加工、接触バネの係合突起と筒状アンテナエレメントに係合孔を形成する加工、或いは拡径部と別部材のスリーブの上端との間に接触バネを嵌め込む加工等の非常に高度な加工が不要となるため、かかる点からも、生産性の向上と製造コストの低減を図ることができる。
本発明の携帯端末用アンテナは、上側の筒状アンテナエレメントに下側の筒状アンテナエレメントが出没可能に内装される複数の筒状アンテナエレメントと、最下部の筒状アンテナエレメントに出没可能に内装される棒状アンテナエレメントとからアンテナエレメント部が構成され、前記上側の筒状アンテナエレメントと前記下側の筒状アンテナエレメントが、前記上段の筒状アンテナエレメントと前記下段のアンテナエレメントの構成であることを特徴とする。
この構成によれば、複数の筒状アンテナエレメントと棒状アンテナエレメントから構成されるアンテナエレメント部を有する携帯端末用アンテナにおいて、例えば2個、3個、4個、5個、6個など複数の筒状アンテナエレメントの各々について、生産性の向上と製造コストの低減を図ることができる。更に、3段以上のアンテナエレメントが設けられる構成では、上段の筒状アンテナエレメントの周状の下側突起の内側に周状の凹溝が形成される場合に、下段のアンテナエレメントの接触バネが凹溝を摺動して通過する際の摺動感覚の違和感を無くすことができる。
本発明の携帯端末用アンテナは、前記下段のアンテナエレメントに設けられる前記接触バネが一体的に形成された略円筒状の筒体であり、前記筒体の軸方向における略中間部に、軸方向に延びるスリットが周方向に所定間隔を開けて複数形成され、前記スリット間に外側へ凸のバネ部と内側に凸のバネ部が交互に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、上段の筒状アンテナエレメントの内周面と下段のアンテナエレメントの外周面にバランス良く接触する接触バネとすることができ、上段の筒状アンテナエレメントと下段のアンテナエレメントの良好で安定した導通性を確保することができると共に、上段の筒状アンテナエレメントと下段のアンテナエレメントの双方に対して、高い安定性でスムーズに接触バネを摺動させることができる。
本発明の携帯端末用アンテナは、上側の筒状アンテナエレメントに下側の筒状アンテナエレメントが出没可能に内装される複数の筒状アンテナエレメントと、最下部の筒状アンテナエレメントに出没可能に内装される棒状アンテナエレメントとからアンテナエレメント部が構成され、前記上側の筒状アンテナエレメントと前記下側の筒状アンテナエレメントが、前記上段の筒状アンテナエレメントと前記下段のアンテナエレメントの構成であると共に、前記最下部の筒状アンテナエレメントと前記棒状アンテナエレメントが、前記上段の筒状アンテナエレメントと前記下段のアンテナエレメントの構成であることを特徴とする。
この構成によれば、複数の筒状アンテナエレメントと棒状アンテナエレメントから構成されるアンテナエレメント部を有する携帯端末用アンテナにおいて、複数の筒状アンテナエレメントと棒状アンテナエレメントの全てについて、生産性の向上と製造コストの低減を図ることができる。更に、3段以上のアンテナエレメントが設けられる構成では、上段の筒状アンテナエレメントの周状の下側突起の内側に周状の凹溝が形成される場合に、下段のアンテナエレメントの接触バネが凹溝を摺動して通過する際の摺動感覚の違和感を無くすことができる。
本発明の携帯端末は、本発明の携帯端末用アンテナを備えることを特徴とする。
この構成によれば、本発明の携帯端末用アンテナの効果を有する携帯端末を得ることができる。
本発明によれば、上段の筒状アンテナエレメントに下段のアンテナエレメントが出没可能に内装される携帯端末用アンテナにおいて、生産性の向上と製造コストの低減を図ることができる。
(a)は本発明による実施形態の携帯端末用アンテナの伸長状態を示す斜視図、(b)はその収納状態を示す斜視図。 (a)〜(d)は実施形態の携帯端末用アンテナの伸長状態の各部を示す縦断面図。 実施形態の携帯端末用アンテナの収納状態を示す縦断面図。 (a)は筒状アンテナエレメントの上端近傍の接触バネを示す斜視図、(b)はその正面図、(c)はそのA−A線断面図。 第1の筒状アンテナエレメント内での第2の筒状アンテナエレメントの接触バネの浮動状態を説明する断面説明図。 上側突起と下側突起の間に接触バネを定置する携帯端末用アンテナの例を示す部分断面図。
〔実施形態の携帯端末用アンテナ〕
本実施形態の携帯端末用アンテナ1は、例えばスマートフォン(登録商標)など多機能携帯電話等の携帯端末に地上デジタルテレビ放送を受信する等のために設置されるアンテナであり、図1〜図3に示すように、伸縮可能なアンテナエレメント部2と、アンテナエレメント部2を保持する保持部3と、保持部3の下側に設けられ、筐体に取り付けられるホルダー10の接触部であるバネ部11と接触する接触導通部4とを備える。
アンテナエレメント部2は、先端側に設けられる最上部の導通性の第1の筒状アンテナエレメント21と、第1の筒状アンテナエレメント21内に収納されるようにして出没可能に設けられる導通性の第2の筒状アンテナエレメント22と、第2の筒状アンテナエレメント22内に収納されるようにして出没可能に設けられる導通性の第3の筒状アンテナエレメント23と、第3の筒状アンテナエレメント23内に収納されるようにして出没可能に設けられる導通性の第4の筒状アンテナエレメント24と、第4の筒状アンテナエレメント24内に収納されるようにして出没可能に設けられる導通性の第5の筒状アンテナエレメント25と、第5の筒状アンテナエレメント25内に収納されるようにして出没可能に設けられる導通性の棒状アンテナエレメント26とから構成される。即ち、第2〜第5の筒状アンテナエレメント22、23、24、25と棒状アンテナエレメント26は、それぞれ上段の筒状アンテナエレメント内に収納されるようにして出没可能に設けられる。
第1の筒状アンテナエレメント21は、円筒状の基部211と、基部211の上側に設けられ、基部211よりも大径に形成されている円筒状の拡径部212と、基部211の下端で略直角に内側に屈曲して形成されている下側抜止部213を有する。第1の筒状アンテナエレメント21の上端近傍に設けられている拡径部212は、アンテナ収納状態において、後述するホルダー10のスリット12・12間で内側に凸となるように湾曲しているバネ部11と接触する。
第1の筒状アンテナエレメント21の先端には、樹脂キャップ5が嵌め込まれており、樹脂キャップ5は、拡径部212の径と肉厚に対応して形成されている環状溝51に拡径部212が嵌合され、中央の内装部52を拡径部212に入り込ませるようにして、第1の筒状アンテナエレメント21に嵌め込まれている。
第2の筒状アンテナエレメント22は、第1の筒状アンテナエレメント21の基部211よりも小径の円筒状の基部221と、その上端近傍の上側抜止部として、基部221の上端を拡径して形成されている上側抜止部222と、基部221の下端で略直角に内側に屈曲して形成されている下側抜止部223を有し、第2の筒状アンテナエレメント22の周囲に設けられる接触バネとして、上側抜止部222の下側において基部221の周囲に接触バネ224が設けられている。
接触バネ224は、図4に示すように、導通性の素材で一体的に形成された略円筒状の筒体61であり、筒体61の軸方向における略中間部に、軸方向に延びるスリット62が周方向に所定間隔を開けて複数形成され、スリット62・62間に外側へ凸のバネ部63と内側に凸のバネ部64が交互に形成されている。尚、後述する接触バネ234、244、254、263も、筒体61にスリット62が形成され、スリット62・62間に外側へ凸のバネ部63と内側に凸のバネ部64が交互に形成された同一構成である。
接触バネ224は、第2の筒状アンテナエレメント22の上側抜止部222と第1の筒状アンテナエレメント21の下側抜止部213との間において、第2の筒状アンテナエレメント22に沿って移動自在に設けられており、接触バネ224は、定置されずに浮動して、外側へ凸で湾曲するバネ部63で第1の筒状アンテナエレメント21の内周面に接触、摺動し、内側へ凸で湾曲するバネ部64で第2の筒状アンテナエレメント22の外周面に接触、摺動する。
第3の筒状アンテナエレメント23は、第2の筒状アンテナエレメント22の基部221よりも小径の円筒状の基部231と、その上端近傍の上側抜止部として、基部231の上端を拡径して形成されている上側抜止部232と、基部231の下端で略直角に内側に屈曲して形成されている下側抜止部233を有し、第3の筒状アンテナエレメント23の周囲に設けられる接触バネとして、上側抜止部232の下側において基部231の周囲に接触バネ234が設けられている。
接触バネ234は、第3の筒状アンテナエレメント23の上側抜止部232と第2の筒状アンテナエレメント22の下側抜止部223との間において、第3の筒状アンテナエレメント23に沿って移動自在に設けられており、定置されずに浮動して、外側へ凸で湾曲するバネ部63で第2の筒状アンテナエレメント22の内周面に接触、摺動し、内側へ凸で湾曲するバネ部64で第3の筒状アンテナエレメント23の外周面に接触、摺動する。
第4の筒状アンテナエレメント24は、第3の筒状アンテナエレメント23の基部231よりも小径の円筒状の基部241と、その上端近傍の上側抜止部として、基部241の上端を拡径して形成されている上側抜止部242と、基部241の下端で略直角に内側に屈曲して形成されている下側抜止部243を有し、第4の筒状アンテナエレメント24の周囲に設けられる接触バネとして、上側抜止部242の下側において基部241の周囲に接触バネ244が設けられている。
接触バネ244は、第4の筒状アンテナエレメント24の上側抜止部242と第3の筒状アンテナエレメント23の下側抜止部233との間において、第4の筒状アンテナエレメント24に沿って移動自在に設けられており、定置されずに浮動して、外側へ凸で湾曲するバネ部63で第3の筒状アンテナエレメント23の内周面に接触、摺動し、内側へ凸で湾曲するバネ部64で第4の筒状アンテナエレメント24の外周面に接触、摺動する。
第5の筒状アンテナエレメント25は、第4の筒状アンテナエレメント24の基部241よりも小径の円筒状の基部251と、その上端近傍の上側抜止部として、基部251の上端を拡径して形成されている上側抜止部252と、基部251の下端で略直角に内側に屈曲して形成されている下側抜止部253を有し、第5の筒状アンテナエレメント25の周囲に設けられる接触バネとして、上側抜止部252の下側において基部251の周囲に接触バネ254が設けられている。
接触バネ254は、第5の筒状アンテナエレメント25の上側抜止部252と第4の筒状アンテナエレメント24の下側抜止部243との間において、第5の筒状アンテナエレメント25に沿って移動自在に設けられており、定置されずに浮動して、外側へ凸で湾曲するバネ部63で第4の筒状アンテナエレメント24の内周面に接触、摺動し、内側へ凸で湾曲するバネ部64で第5の筒状アンテナエレメント25の外周面に接触、摺動する。
棒状アンテナエレメント26は、第5の筒状アンテナエレメント25の基部251よりも小径の基部261と、その上端近傍の上側抜止部として、基部261の上端に基部261よりも大径で形成されている略球形の上側抜止部262を有し、棒状アンテナエレメント26の周囲に設けられる接触バネとして、上側抜止部262の下側において基部261の周囲に接触バネ263が設けられている。
接触バネ263は、棒状アンテナエレメント26の上側抜止部262と第5の筒状アンテナエレメント25の下側抜止部253との間において、棒状アンテナエレメント26に沿って移動自在に設けられており、定置されずに浮動して、外側へ凸で湾曲するバネ部63で第5の筒状アンテナエレメント25の内周面に接触、摺動し、内側へ凸で湾曲するバネ部64で棒状アンテナエレメント26の外周面に接触、摺動する。
保持部3は、図2に示すように、棒状アンテナエレメント26の下端部が嵌め込まれる基体31と、基体31の下端部に形成されている略弧状の板状部32とを有し、板状部32の下端面外周には凹部と凸部で構成される係合溝33が複数形成されている。また、接触導通部4は、略筒形の本体41を有し、本体31の上端部は二股に分かれた板状部42・42になっており、板状部42・42は保持部3の板状部32の両側にそれぞれ配置される。
本体41の板状部42・42及び保持部3の板状部32の略中央には孔が形成され、前記孔にピン等を挿入することにより軸支部43とされており、軸支部43で保持部3が接触導通部4に軸支されている。保持部3は、軸支部43を中心に可動して接触導通部4に屈曲可能に支持されると共に、軸支部43で接触導通部4と保持部3及びこれに棒状アンテナエレメント22が嵌め込まれているアンテナエレメント部2とが導通される。
また、接触導通部4の内部には、本体41内の上端近傍に配置される球体等である係止体44と、本体41内に配置されて係止体44を上方に付勢するコイルバネである弾性材45とが設けられている。係止体44は弾性材45で接触導通部4の上方に付勢され、球体の球面など係止体44の係合面が板状部32の係合溝33に係脱可能に係合される。この係合により、アンテナエレメント部2を所定の方向で定置することが可能になっていると共に、アンテナエレメント部2を軸支部43を中心に回転し、係止体44を弾性材45の弾性力に抗して押し下げ係合溝33の係合から外してアンテナエレメント部2を所定の方向に調整し、調整後の方向に対応する係合溝33に係止体44を係合して定置することが可能になっている。
接触導通部4の下端には、本体41よりも大径のストッパー46が形成されており、ストッパー46がホルダー10の円筒部13の下端で係止することにより、円筒部13に内装されて摺動する接触導通部4がアンテナ先端側に離脱することが防止されている。
ホルダー10は、円筒部13と、円筒部13の上端から外周方向に鍔状に突出形成されている取付板14とを有する。円筒部13の軸方向の略中間部には、軸方向に延びるスリット12が周方向に所定間隔を開けて複数形成され、スリット12・12間に内側に凸となるように湾曲しているバネ部11が形成されており、円筒部13内を摺動する接触導通部4の本体41とバネ部11が接触してホルダー10と接触導通部4が導通するようになっている。ホルダー10には携帯端末の筐体内の給電部(図示省略)から給電され、接触導通部4、保持部3、アンテナエレメント部2に給電されるようになっている。
上記実施形態の携帯端末用アンテナ1では、各接触バネ224、234、244、254、263が定置されずに浮動し、アンテナ伸長状態以外のアンテナ伸長動作時、アンテナ収納動作時或いはアンテナ収納状態においては、任意の位置で外側の筒状アンテナエレメントの内周面と内側のアンテナエレメントの外周面に接触し、例えば図5に示す実線或いは二点鎖線の位置において、接触バネ224は第1の筒状アンテナエレメント21の内周面と第2の筒状アンテナエレメント22の外周面に接触する。更に、アンテナ伸長動作時或いはアンテナ収納動作時において、外側の筒状アンテナエレメントの内周面と内側のアンテナエレメントの外周面の滑らかさに応じて、各接触バネ224、234、244、254、263は、外側の筒状アンテナエレメントの内周面、内側のアンテナエレメントの外周面或いはその双方の面を摺動する。
上記実施形態の携帯端末用アンテナ1によれば、非常に高度な加工を施して滑らかな内周面を有する上段の筒状アンテナエレメント21等を得ることが不要となり、生産性の向上と製造コストの低減を図ることができる。また、下段のアンテナエレメント22、26等についても、周状の下側突起を内側から外側に突出する加工、接触バネの係合突起と筒状アンテナエレメントに係合孔を形成する加工、或いは拡径部と別部材のスリーブの上端との間に接触バネを嵌め込む加工等の非常に高度な加工が不要となり、かかる点からも、生産性の向上と製造コストの低減を図ることができる。特に本実施形態では、筒状アンテナエレメント21〜25と棒状アンテナエレメント26の全てについて、前述の生産性の向上と製造コストの低減を図ることができる。
更に、上段の筒状アンテナエレメントの周状の下側突起の内側に周状の凹溝が形成される場合に、下段のアンテナエレメントの接触バネが凹溝を摺動して通過する際の摺動感覚の違和感が生ずるが、本実施形態の携帯端末用アンテナ1ではこの違和感を無くすことができる。
また、接触バネ224、234、244、254、263の外側へ凸のバネ部63と内側に凸のバネ部64が交互に形成されている構成により、上段の筒状アンテナエレメントの内周面と下段のアンテナエレメントの外周面にバランス良く接触する接触バネ224等とすることができ、上段の筒状アンテナエレメントと下段のアンテナエレメントの良好で安定した導通性を確保することができると共に、上段の筒状アンテナエレメントと下段のアンテナエレメントの双方に対して、高い安定性でスムーズに接触バネ224等を摺動させることができる。
〔実施形態の変形例等〕
本明細書開示の発明には、各発明や実施形態の構成の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものも含まれ、下記変形例も包含する。
例えば上記実施形態では、筒状アンテナエレメント22〜25、棒状アンテナエレメント26に設けられる接触バネ224、234、244、254、263の全てを浮動式としたが、任意の一部の接触バネを浮動式とし、残りを筒状アンテナエレメント或いは棒状アンテナエレメントの上端近傍の周囲に定置して設けられる固定式とすることも可能である。
また、筒状アンテナエレメントと、この筒状アンテナエレメント内に収納されるようにして出没可能に設けられる下段のアンテナエレメントを有するアンテナエレメント部で構成されるものであれば本発明に包含され、例えばアンテナエレメント部が、筒状アンテナエレメントと、この筒状アンテナエレメント内に収納されるようにして出没可能に設けられる下段の棒状アンテナエレメントで構成される場合も含まれる。また、筒状アンテナエレメントを上記実施形態の5段以外の3段、4段、6段など適宜の複数段で設ける場合も本発明に含まれる。
また、保持部3と接触導通部4の構成は、接触導通部4が保持部3の下側に設けられ、筐体に取り付けられるホルダーの接触部と接触するものであれば適宜であり、例えば保持部3と接触導通部4が軸支部43のような連結部を介さずに一体的に形成される構成や、保持部3が接触導通部4に回転機構を介さずに連結される構成等も本発明に含まれる。
本発明は、例えば多機能携帯電話などの携帯端末用アンテナとして利用することができる。
1…携帯端末用アンテナ 2…アンテナエレメント部 21…第1の筒状アンテナエレメント 211…基部 212…拡径部 213…下側抜止部 22…第2の筒状アンテナエレメント 23…第3の筒状アンテナエレメント 24…第4の筒状アンテナエレメント 25…第5の筒状アンテナエレメント 26…棒状アンテナエレメント 221、231、241、251、261…基部 222、232、242、252、262…上側抜止部 223、233、243、253…下側抜止部 224、234、244、254、263…接触バネ 61…筒体 62…スリット 63…バネ部 64…バネ部 3…保持部 31…基体 32…板状部 33…係合溝 4…接触導通部 41…本体 42…板状部 43…軸支部 44…係止体 45…弾性材 46…ストッパー 5…樹脂キャップ 51…環状溝 52…内装部 10…ホルダー 11…バネ部 12…スリット 13…円筒部 14…取付板 81…第1の筒状アンテナエレメント 811…縮径部 82…第2の筒状アンテナエレメント 83…第3の筒状アンテナエレメント 821、831…上側突起 822、832…下側突起 823、833…接触バネ

Claims (5)

  1. 上段の筒状アンテナエレメントと、前記上段の筒状アンテナエレメントに出没可能に内装される下段のアンテナエレメントを有するアンテナエレメント部と、
    前記アンテナエレメント部を保持する保持部と、
    前記保持部の下側に設けられ、筐体に取り付けられるホルダーの接触部と接触する接触導通部とを備え、
    前記下段のアンテナエレメントの上端近傍に上側抜止部、前記上段の筒状アンテナエレメントの下端に下側抜止部が設けられ、
    前記上側抜止部の下側の前記下段のアンテナエレメントの周囲に、前記上段の筒状アンテナエレメントの内周面と前記下段のアンテナエレメントの外周面に接触する接触バネが設けられ、
    前記接触バネが前記上側抜止部と前記下側抜止部との間の前記下段のアンテナエレメントに沿って移動自在とされる
    ことを特徴とする携帯端末用アンテナ。
  2. 上側の筒状アンテナエレメントに下側の筒状アンテナエレメントが出没可能に内装される複数の筒状アンテナエレメントと、最下部の筒状アンテナエレメントに出没可能に内装される棒状アンテナエレメントとからアンテナエレメント部が構成され、
    前記上側の筒状アンテナエレメントと前記下側の筒状アンテナエレメントが、前記上段の筒状アンテナエレメントと前記下段のアンテナエレメントの構成である
    ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末用アンテナ。
  3. 前記下段のアンテナエレメントに設けられる前記接触バネが一体的に形成された略円筒状の筒体であり、
    前記筒体の軸方向における略中間部に、軸方向に延びるスリットが周方向に所定間隔を開けて複数形成され、
    前記スリット間に外側へ凸のバネ部と内側に凸のバネ部が交互に形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の携帯端末用アンテナ。
  4. 上側の筒状アンテナエレメントに下側の筒状アンテナエレメントが出没可能に内装される複数の筒状アンテナエレメントと、最下部の筒状アンテナエレメントに出没可能に内装される棒状アンテナエレメントとからアンテナエレメント部が構成され、
    前記上側の筒状アンテナエレメントと前記下側の筒状アンテナエレメントが、前記上段の筒状アンテナエレメントと前記下段のアンテナエレメントの構成であると共に、
    前記最下部の筒状アンテナエレメントと前記棒状アンテナエレメントが、前記上段の筒状アンテナエレメントと前記下段のアンテナエレメントの構成である
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の携帯端末用アンテナ。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の携帯端末用アンテナを備えることを特徴とする携帯端末。

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