JP2014027185A - 不揮発性記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メモリ特性の均一性が高く高記憶密度の不揮発性記憶装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、第1導電部と、第2導電部と、記憶層と、を備えた不揮発性記憶装置が提供される。記憶層は、第1導電部と第2導電部との間に設けられ、第1導電部と第2導電部とを介して印加される電圧及び供給される電流の少なくともいずれかにより、抵抗が低い第1状態と第1状態よりも抵抗が高い第2状態との間で可逆的に遷移する。記憶層は、ポリイミド膜と、ポリイミド膜に分散された複数の微小粒子と、を含む。ポリイミド膜は、第1芳香族ジアミン分子と第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子とを少なくとも含む第1原料で作製される第1ポリイミドを含む。複数の微小粒子は、金属原子、金属イオン、第2ポリイミド、第3ポリイミド、第1有機分子、第2有機分子及び無機化合物の少なくともいずれかを含む。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、不揮発性記憶装置に関する。
小型で大容量の不揮発性記憶装置の需要が急速に拡大している。既存のシリコン不揮発性記憶装置の限界を超えた不揮発性記憶装置の開発が行われている。この中で、例えば、低抵抗状態と高抵抗状態とを有する抵抗変化材料を用いた不揮発性記憶装置が提案されている。抵抗変化型の不揮発性記憶装置において、メモリ特性の均一性を向上させ記憶密度を高めることが望まれる。
米国特許8105697号明細書
本発明の実施形態は、メモリ特性の均一性が高く高記憶密度の不揮発性記憶装置を提供する。
本発明の実施形態によれば、第1導電部と、第2導電部と、記憶層と、を備えた不揮発性記憶装置が提供される。前記記憶層は、前記第1導電部と前記第2導電部との間に設けられ、前記第1導電部と前記第2導電部とを介して印加される電圧及び供給される電流の少なくともいずれかにより、第1状態と前記第1状態よりも抵抗が高い第2状態との間で可逆的に遷移する。前記記憶層は、ポリイミド膜と、前記ポリイミド膜に分散された複数の微小粒子と、を含む。前記ポリイミド膜は、第1芳香族ジアミン分子と第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子とを少なくとも含む第1原料で作製される第1ポリイミドを含む。前記複数の微小粒子は、金属原子、金属イオン、第2ポリイミド、第3ポリイミド、第1有機分子、第2有機分子及び無機化合物の少なくともいずれかを含む。前記第2ポリイミドは、前記第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子とは異なる第2芳香族テトラカルボン酸二無水物分子と第2芳香族ジアミン分子とを少なくとも含む第2原料で作製される。前記第2ポリイミドの電子親和力は、前記第1ポリイミドの電子親和力よりも大きい。前記第3ポリイミドは、前記第1芳香族ジアミン分子とは異なる第3芳香族ジアミン分子と第3テトラカルボン酸二無水物分子とを少なくとも含む第3原料で作製される。前記第3ポリイミドのイオン化ポテンシャルは、前記第1ポリイミドのイオン化ポテンシャルよりも小さい。前記第1有機分子は、アクセプター性である。前記第1有機分子の分子サイズは、1nm未満である。前記第1有機分子の電子親和力は、前記第1ポリイミドの電子親和力より大きい。前記第2有機分子は、ドナー性である。前記第2有機分子の分子サイズは、1nm未満である。前記第2有機分子のイオン化ポテンシャルは、前記第1ポリイミドのイオン化ポテンシャルよりも小さい。前記無機化合物は、アクセプター性である。前記無機化合物の化合物サイズは、1nm未満である。
第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置を示す模式的断面図である。 第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置の一部を示す部分拡大図である。 図3(a)〜図3(d)は、第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置の特性を示すバンド図である。 図4(a)及び図4(b)は、第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置の特性を示す模式図である。 図5(a)及び図5(b)は、第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置の特性を示すバンド図である。 図6は、第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置の一部の材料を示す化学式である。 図7は、第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置の一部の材料を示す化学式である。 図8(a)及び図8(b)は、第1の実施形態に係る別の不揮発性記憶装置を示す模式的断面図である。 図9(a)及び図9(b)は、第1の実施形態に係る別の不揮発性記憶装置を示す模式的断面図である。 第2の実施形態に係る不揮発性記憶装置を示す模式的斜視図である。 第2の実施形態に係る別の不揮発性記憶装置を示す模式的斜視図である。 第2の実施形態に係る別の不揮発性記憶装置を示す模式図である。 第2の実施形態に係る別の不揮発性記憶装置の一部を示す模式的断面図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
図2は、第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置の一部の構成を例示する部分拡大図である。
図1に表したように、本実施形態に係る不揮発性記憶装置110は、第1導電部10と、第2導電部20と、記憶層15と、を含む。記憶層15は、第1導電部10と第2導電部20との間に設けられる。
記憶層15には、例えば、第1導電部10と第2導電部20とを介して印加される電圧が印加される。記憶層15には、例えば、第1導電部10と第2導電部20とを介して電流が供給される。記憶層15は、その電圧及びその電流の少なくともいずれかにより、抵抗が低い第1状態(低抵抗状態)と、第1状態よりも抵抗が高い第2状態(高抵抗状態)との間を可逆的に遷移可能である。
不揮発性記憶装置110は、記憶層15の状態の遷移により、情報の記憶を行う。例えば、高抵抗状態をデジタル信号の「0」とし、低抵抗状態をデジタル信号の「1」とする。これにより、デジタル信号の1ビットの情報を記憶することができる。
ここで、第1導電部10から第2導電部20に向かう積層方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向とする。この例において、Z軸方向に対して直交する平面(X−Y平面)に投影したときに、第1導電部10及び第2導電部20と重なる記憶層15の面積は、例えば、10nm以上10nm以下である。この記憶層15の面積は、すなわち不揮発性記憶装置110のメモリセルの面積である。
図2に表したように、記憶層15は、ポリイミド膜16と、複数の微小粒子17と、を含む。複数の微小粒子17は、例えば、ポリイミド膜16中に分散されている。
ポリイミド膜16には、例えば、第1芳香族ジアミン分子と、第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子と、を少なくとも含む第1原料で作製される第1ポリイミドが用いられる。
微小粒子17には、例えば、以下の(a)〜(f)の少なくともいずれかの材料が用いられる。
(a)クラスター化していない金属原子またはクラスター化していない金属イオン。
(b)第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子とは異なる第2芳香族テトラカルボン酸二無水物分子と、第2芳香族ジアミン分子と、を少なくとも含む第2原料で作製される第2ポリイミド。
(c)第1芳香族ジアミン分子とは異なる第3芳香族ジアミン分子と、第3芳香族テトラカルボン酸二無水物分子と、を少なくとも含む第3原料で作製される第3ポリイミド。 (d)分子サイズが1nm未満であるアクセプター性の第1有機分子。
(e)分子サイズが1nm未満であるドナー性の第2有機分子。
(f)化合物サイズが1nm未満であるアクセプター性の無機化合物。
上記の材料において、第2ポリイミドの電子親和力は、第1ポリイミドの電子親和力よりも大きい。第3ポリイミドのイオン化ポテンシャル(イオン化エネルギー)は、第1ポリイミドのイオン化ポテンシャルよりも小さい。第1有機分子の電子親和力は、第1ポリイミドの電子親和力よりも大きい。第2有機分子のイオン化ポテンシャルは、第1ポリイミドのイオン化ポテンシャルよりも小さい。無機化合物の電子親和力は、第1ポリイミドの電子親和力よりも大きい。
微小粒子17の大きさは、例えば、1nm未満である。微小粒子17は、例えば、第1ポリイミドのモノマーよりも小さい。ここで、微小粒子17の大きさとは、例えば、微小粒子17の幅である。微小粒子17が球状である場合、微小粒子17の大きさは、微小粒子17の直径である。微小粒子17の大きさが1nm未満とは、例えば、微小粒子17の最大の幅(最大の直径)が、1nm未満である。
第2ポリイミドにおいて、第2芳香族ジアミン分子は、第1芳香族ジアミン分子と実質的に同じでもよい。第3ポリイミドにおいて、第3芳香族テトラカルボン酸二無水物分子は、第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子と実質的に同じでもよい。
微小粒子17に金属原子を用いる場合、ポリイミド膜16中に含まれる金属原子の個数は、例えば、第1ポリイミドの単位モノマー当り10−4個以上1個以下であり、より好ましくは10−3個以上1個以下である。
微小粒子17に金属イオンを用いる場合、ポリイミド膜16中に含まれる金属イオンの個数は、例えば、第1ポリイミドの単位モノマー当り10−4個以上1個以下であり、より好ましくは10−3個以上1個以下である。
微小粒子17に第2ポリイミドを用いる場合、ポリイミド膜16中に含まれる第2ポリイミドのモノマーの個数は、例えば、第1ポリイミドの単位モノマー当り10−4個以上1個以下であり、より好ましくは10−3個以上1個以下である。
微小粒子17に第3ポリイミドを用いる場合、ポリイミド膜16中に含まれる第3ポリイミドのモノマーの個数は、例えば、第1ポリイミドの単位モノマー当り10−4個以上1個以下であり、より好ましくは10−3個以上1個以下である。
微小粒子17に第1有機分子を用いる場合、ポリイミド膜16中に含まれる第1有機分子の個数は、例えば、第1ポリイミドの単位モノマー当り10−4個以上1個以下であり、より好ましくは10−3個以上1個以下である。
微小粒子17に第2有機分子を用いる場合、ポリイミド膜16中に含まれる第2有機分子の個数は、例えば、第1ポリイミドの単位モノマー当り10−4個以上1個以下であり、より好ましくは10−3個以上1個以下である。
微小粒子17に無機化合物を用いる場合、ポリイミド膜16中に含まれる無機化合物の個数は、例えば、第1ポリイミドの単位モノマー当り10−4個以上1個以下であり、より好ましくは10−3個以上1個以下である。
金属原子、金属イオン、第2ポリイミド、第1有機分子及び無機化合物は、アクセプター性の微小粒子17である。第3ポリイミド及び第2有機分子は、ドナー性の微小粒子17である。アクセプター性の微小粒子17は、例えば、記憶層15において、ポリイミド膜16のバンドギャップ内(HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital:最高被占軌道)とLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital:最低空軌道)との間のエネルギー領域)の電子トラップとして機能する。ドナー性の微小粒子17は、例えば、記憶層15において、ポリイミド膜16のバンドギャップ内の正孔トラップとして機能する。不揮発性記憶装置110においては、微小粒子17による電荷の捕捉及び脱捕捉が、メモリ性の発現に寄与する。
なお、これに以降では、微小粒子17に電子または正孔がトラップされた記憶層15の状態を「トラップ状態」と称し、微小粒子17に電子または正孔がトラップされていない記憶層15の状態を「非トラップ状態」と称す。より具体的には、トラップ状態とは、記憶層15に含まれる複数の微小粒子17が、所定数以上の電子をトラップした状態である。非トラップ状態とは、複数の微小粒子17にトラップされた電子が、所定数未満の状態である。
図3(a)〜図3(d)は、第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置の特性を例示するバンド図である。
図3(a)〜図3(d)は、アクセプター性の微小粒子17を用いた不揮発性記憶装置110における、第1導電部10から第2導電部20に向かう厚み方向の位置と、エネルギー準位と、の関係性を表している。
第2導電部20または第1導電部10から記憶層15内への注入キャリアが電子で、微小粒子17によるトラップが、電子である場合について説明する。この場合、以下に説明するように、記憶層15は、トラップ状態で負に帯電した場合に高抵抗状態(メモリーとしてのオフ状態)となり、非トラップ状態で中性となった場合に低抵抗状態(メモリーとしてのオン状態)となる。
図3(a)は、記憶層15が非トラップ状態で、第1導電部10と第2導電部20との間に電圧が印加されていない状態を表す。
図3(b)は、第1導電部10の電位が第2導電部20の電位よりも高くなるように電圧を印加した状態、例えば、第1導電部10を接地した場合に第2導電部20に負電圧を印加した状態を表す。
図3(c)は、記憶層15がトラップ状態で、第2導電部20と第1導電部10との間に電圧が印加されていない状態を表す。
図3(d)は、第1導電部10の電位が第2導電部20の電位よりも低くなるように電圧を印加した状態、例えば、第1導電部10を接地した場合に第2導電部20に正電圧を印加した状態を表す。
非トラップ状態の記憶層15(図3(a))に電圧を印加することにより、第2導電部20から記憶層15に電子を注入する(図3(b))と、注入された電子の一部が、微小粒子17にトラップされる。すなわち、記憶層15が、トラップ状態に遷移する。これにより、記憶層15において、微小粒子17が負に帯電する(負に帯電したトラップ準位が形成される)。ここで、第2導電部20の仕事関数と記憶層15のLUMO準位との差が大きい場合には、トンネル過程によって第2導電部20から記憶層15に電子が注入される。第2導電部20の仕事関数と記憶層15のLUMO準位との差が小さい場合には、熱励起によって第2導電部20から記憶層15に電子が注入される。
微小粒子17は、電圧を除いた後も、電子をトラップし続ける。このため、トラップ状態においては、負に帯電した微小粒子17のクーロン力により、記憶層15のLUMO準位と第2導電部20の準位との差が、非トラップ状態に比べて大きくなる(図3(c))。すなわち、第2導電部20の準位から見たバリア高さが高くなる。この結果、第2導電部20から記憶層15への電子注入及び記憶層15内での電子伝導が、抑制される。上記電子注入及び電子伝導は、トンネル過程の場合も熱励起過程の場合も同様に抑制される。すなわち、記憶層15内を電流が流れにくくなる。
このように、不揮発性記憶装置110においては、非トラップ状態のときが低抵抗状態であり、トラップ状態のときが高抵抗状態である。不揮発性記憶装置110においては、例えば、記憶層15に電子を注入する場合よりも低い正バイアスの電圧を印加し、記憶層15の抵抗の状態を測定することで、1ビットの情報を判別することができる。
記憶層15に図3(b)とは逆向きの電圧を印加することで、微小粒子17に捕捉された電子を、排出(脱捕捉)することができる(図3(d))。これにより、記憶層15が、高抵抗状態(トラップ状態)から低抵抗状態(非トラップ状態)に戻る。
なお、上記では説明の簡単化のため、記憶層15内の電子伝導が、記憶層15内の膜面内で一様である場合を説明している。例えば、記憶層15内に、軽度の絶縁破壊によって導電性のフィラメント形状が形成されて、フィラメントの一部分が絶縁性のポリイミド膜16として残っている場合には、フィラメント状の電子伝導が起こる。この場合にも、ポリイミド膜16及びその周囲の微小粒子17が、電子を捕捉及び脱捕捉することにより、記憶層15のLUMO準位が変化し、メモリー性を発現させることができる。このような導電性フィラメントは、例えば、記憶層15の堆積初期の膜に比較的大きな電圧を印加することによって形成することができる(フォーミング)。
なお、記憶層15内の負に帯電した微小粒子17の数密度は、1018cm−3より大きいことが好ましい。これにより、例えば記憶層15内の電子伝導が記憶層15内の膜面内で一様である場合、さらに、例えば記憶層15内の微小粒子17の分布が一様で記憶層15の厚さが例えば20nm程度の場合に、負に帯電した微小粒子17のクーロン力により、記憶層15のLUMO準位と第2導電部20の準位との差が、非トラップ状態に比べて有意に大きくすることができる。記憶層15を構成する第1ポリイミドの単位モノマーの数密度は、1021cm−3以上3×1021cm−3以下程度であるから、微小粒子17の個数は第1ポリイミドの単位モノマー当たり10−4個以上であることが好ましく、10−3個以上であることがより好ましい。
図4(a)及び図4(b)は、第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置の別の特性を例示する模式図である。
図4(a)に表したように、不揮発性記憶装置110においては、ポリイミド膜16内の微小粒子17に由来するトラップ準位を介してフィラメント状の電子伝導を行うこともできる。ここで、複数の微小粒子17のうちの、フィラメント状の電子伝導を行う一群を第1グループ17aとし、第1グループ17aの周囲においてフィラメント状の電子伝導を行わない別の一群を第2グループ17bとする。
図4(a)に表したように、記憶層15が非トラップ状態にある場合には、第1グループ17aに含まれる微小粒子17によってフィラメント状の電子伝導が起きる。第1グループ17aにおいて、トラップ準位間では、トンネル過程によって電子が移動する。
図4(b)に表したように、記憶層15がトラップ状態にある場合には、第2グループ17bに含まれる微小粒子17のクーロン相互作用により、第1グループ17aでのトラップ準位間のトンネル過程が抑制される。このように、フィラメント状の電子伝導の場合でも、記憶層15は、非トラップ状態のときに低抵抗状態となり、トラップ状態のときに高抵抗状態となる。
フィラメント状の電子伝導の場合には、メモリー性を荷うトラップ準位と膜内の電子伝導を荷う準位が、いずれも微小粒子17に由来する準位である。ただし両者は膜内で空間的に異なる位置に存在することになる。いずれの微小粒子17がフィラメント伝導を担うかは、堆積初期の記憶層15における微小粒子17の配置または電圧印加による微小粒子17の再配置などによって決定される。堆積初期の記憶層15における微小粒子17の再配置のためには、メモリ動作電圧より大きな初期電圧を印加する必要がある場合がある(フォーミング)。
以上、第2導電部20からポリイミド膜16内への注入キャリアが電子で、微小粒子17によるトラップが電子トラップの場合について説明した。
第2導電部20からポリイミド膜16内への注入キャリアが正孔で、微小粒子17によるトラップが正孔トラップの場合については、非トラップ状態が低抵抗状態となり、トラップ状態(正に帯電した状態)が高抵抗状態となる。トラップ準位が正に帯電することによるクーロン力によって記憶層15のHOMO準位が変化し、正孔注入および伝導が抑制される。この場合にも記憶層15の膜面内で一様なホール伝導の他、フィラメント状の伝導も可能である。
また、記憶層15内のキャリアとして電子とホールの両方が関与する場合など、キャリアの正負の符号と帯電トラップの符号が異なる場合も材料選択によっては可能である。この場合、多数キャリアの符号と帯電したトラップの符号が同じ場合には、トラップが中性の場合に比較して電流が減少するため、トラップが帯電した状態が高抵抗状態となる。これとは反対に、多数キャリアの符号と帯電したトラップの符号が逆符号の場合には、トラップが中性の場合に比較して電流が増加するため、トラップが帯電した状態が低抵抗状態となる。これらいずれの場合にも記憶層15の膜面内で一様なキャリア伝導の他、フィラメント状の伝導も可能である。
微小粒子17に由来するトラップ準位へのキャリアの捕獲及び脱捕獲によるメモリー特性が繰り返し安定して発現するためには、メモリー動作電圧で微小粒子17がポリイミド膜16内で移動しないことが必要である。また微小粒子17に由来するエネルギー準位の分布が小さいことが望ましい。
ところで、母材であるポリイミド膜16は概ねアモルファス性材料であるため、一般には、ポリイミド膜16中で微小粒子17は、拡散またはドリフトしやすい傾向にある。さらにまた、微小粒子17はポリイミド分子に対して種々の配置をとるため、微小粒子17のエネルギー準位は、大きな分布をもつ傾向がある。
本願発明者らは、鋭意努力の結果、大きさが概ね1nm以下のアクセプター性またはドナー性をもつ種々の無機または有機材料を微小粒子17として選択することにより、第1ポリイミドの特定部位と微小粒子17との相互作用を積極的に利用することができ、その結果、微小粒子17のポリイミド膜16内での移動を抑制することができ、かつ微小粒子17の配置に均質性を持たせることができることを見出した。より詳しくは、第1ポリイミドにおいて、第1芳香族ジアミン分子から生成されるドナー性部位、または第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子から生成されるアクセプター性部位と、微小粒子17との電荷移動相互作用を容易にし、これを積極的に利用することにより、微小粒子17のポリイミド膜16内での移動を抑制するとともにその配置に均質性を持たせることができることを見出した。この結果、本実施形態に係る不揮発性記憶装置110においては、トラップ準位へのキャリアの捕獲及び脱捕獲が繰り返し安定し、メモリー材料として良好なスイッチング特性を持たせることができる。
図5(a)及び図5(b)は、第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置の特性を例示するバンド図である。
図5(a)及び図5(b)は、不揮発性記憶装置110における、第1導電部10から第2導電部20に向かう厚み方向の位置と、真空準位VLを基準とするエネルギー準位と、の関係性を表している。図5(a)は、アクセプター性の微小粒子17を用いた例であり、図5(b)は、ドナー性の微小粒子17を用いた例である。
図5(a)及び図5(b)は、第1導電部10と第2導電部20との間に電圧を印加していない状態(第1導電部10と第2導電部20との間の電位差が小さい状態)を表している。図5(a)及び図5(b)において、記憶層15は、非トラップ状態である。図5(a)及び図5(b)では、第1導電部10と第2導電部20との間に、3個の微小粒子17が存在している状態を例示している。実際には、多数の微小粒子17が、第1導電部10と第2導電部20との間に存在している。
図5(a)に表したように、微小粒子17がアクセプター性である場合、第1導電部10と第2導電部20との間に電圧を印加していない状態において、微小粒子17の第1電子親和力Ea1は、ポリイミド膜16の第2電子親和力Ea2よりも大きい。第1電子親和力Ea1と第2電子親和力Ea2との差dE1の絶対値は、例えば、0.5eV以上3.0eV以下である。例えば、第1ポリイミドの電子親和力と第2ポリイミドの電子親和力との差の絶対値は、0.5eV以上3.0eV以下であり、第1ポリイミドの電子親和力と第1有機分子の電子親和力との差の絶対値は、0.5eV以上3.0eV以下である。
第1導電部10の第1仕事関数WF1は、例えば、4.0eV以上5.5eV以下である。第2導電部20の第2仕事関数WF2は、例えば、4.0eV以上5.5eV以下である。第1電子親和力Ea1は、例えば、3.0eV以上4.5eV以下である。第2電子親和力Ea2は、例えば、2.0eV以上4.0eV以下である。第1仕事関数WF1と第1電子親和力Ea1との差dE2の絶対値は、例えば、1eV以下である。
図5(b)に表したように、微小粒子17がドナー性である場合、第1導電部10と第2導電部20との間に電圧を印加していない状態において、微小粒子17の第1イオン化ポテンシャルIp1は、ポリイミド膜16の第2イオン化ポテンシャルIp2よりも小さい。第1イオン化ポテンシャルIp1と第2イオン化ポテンシャルIp2との差dP1の絶対値は、例えば、0.5eV以上3.0eV以下である。例えば、第1ポリイミドのイオン化ポテンシャルと第3ポリイミドのイオン化ポテンシャルとの差の絶対値は、0.5eV以上3.0eV以下であり、第1ポリイミドのイオン化ポテンシャルと第2有機分子のイオン化ポテンシャルとの差の絶対値は、0.5eV以上3.0eV以下である。
第1イオン化ポテンシャルIp1は、例えば、4.5eV以上6.5eV以下である。第2イオン化ポテンシャルIp2は、例えば、6.0eV以上8.0eV以下である。第1仕事関数WF1と第1イオン化ポテンシャルIp1との差dP2の絶対値は、例えば、1eV以下である。
不揮発性記憶装置において、メモリー物質としては、様々なものが提案されているが、その中で有機物質を挟んだ有機メモリーは加工が簡単で、電流値が小さくて、高密度化した時の消費電力を小さくできる可能性がある。とくに有機物質として耐熱性の高いポリイミド薄膜にフラーレン誘導体であるPCBMを分散させたものが提案されている。しかしながら、PCBMを分散させたポリイミド薄膜を用いたReRAMは動作電流が大きいという欠点がある。また、種々のポリマーに金属ナノ粒子を分散させたメモリーも提案されており、比較的低電流での動作も報告されている。しかしながら金属ナノ粒子は大きさが数nm程度と大きいため、メモリ特性を均一化するためにナノ粒子を均一に分散するためにはメモリセル面積を大きくする必要があり、微細なメモリセルに適用することが困難であった。
本願発明者らは、耐熱性の高いポリイミド原料に種々の物質を添加分散した場合の電子的性質と、メモリー特性の関係を見出し、本実施形態に係る不揮発性記憶装置110に到達した。本実施形態に係る不揮発性記憶装置110では、1nm未満の大きさの微小粒子17に電子または正孔をトラップさせる。これにより、不揮発性記憶装置110では、メモリセルの面積を10nm以下とする場合でも、微小粒子17をポリイミド膜16に均一に分散させることができる。不揮発性記憶装置110では、記憶密度を高めた場合でも、メモリ特性のばらつきを抑えることができる。このように、不揮発性記憶装置110では、メモリ特性の均一性を向上させ、記憶密度を高めることができる。また、本実施形態に係る不揮発性記憶装置110によれば、耐熱性が高く、低電圧で、低消費電力、繰り返し耐性のよい、高密度の抵抗変化型の不揮発性記憶装置を提供することができる。
不揮発性記憶装置110において、第1電子親和力Ea1と第2電子親和力Ea2との差dE1の絶対値を、0.5eV以上3.0eV以下とする。差dE1を0.5eV以上とすることにより、熱励起などの影響を抑え、微小粒子17に十分な電子のトラップ性能を持たせることができる。差dE1を3.0eV以下とすることにより、逆電圧を印加した際に、微小粒子17から電子を適切に排出させることができる。
不揮発性記憶装置110において、第1仕事関数WF1と第1電子親和力Ea1との差dE2の絶対値を、1eV以下とする。これにより、不揮発性記憶装置110の消費電力を低減させることができる。差dE2を1eVより大きくすると、第1導電部10から微小粒子17への電子の移動が難しくなる。これにより、不揮発性記憶装置110の駆動電圧が増大してしまう。
不揮発性記憶装置110において、ポリイミド膜16のバンドギャップを3eV以上とする。これにより、不揮発性記憶装置110において、リーク電流の発生を抑え、消費電力を低減させることができる。さらには、スイッチングの発生を抑えることもできる。
不揮発性記憶装置110において、第2導電部20の第1仕事関数WF1を、4.0eV以上5.5eV以下とする。第1仕事関数WF1を4.0eV以上とすることにより、第2導電部20の酸化を抑え、電子注入の安定性を高めることができる。第1仕事関数WF1を5.5eV以下とすることにより、微小粒子17とのエネルギーギャップを抑えることができる。
図6は、第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置の一部の材料を例示する化学式である。
図6には、ポリイミド膜16に用いられる第1芳香族ジアミン分子の化学式と、その略称とが示される。
図6に表したように、ポリイミド膜16の第1芳香族ジアミン分子には、例えば、DAFL(6.5eV)、MDAS(6.6eV)、TMPDA(6.6eV)、3,3’−DMDB(6.6eV)、FRBZ(6.6eV)、m−O2DA(6.6eV)、3SDA(6.6eV)、p−O2DA(6.7eV)、ODAS(6.7eV)、2SDA(6.7eV)、BZ(6.7eV)、APTT(6.7eV)、4,4’−ODA(6.8eV)、ppAPB(6.8eV)、4,4’−SDA(6.8eV)、DAT(6.8eV)、m−S2DA(6.9eV)、APF(6.9eV)、APST(6.9eV)、DAT(6.9eV)、pS2DA(6.9eV)、4,4’−CH2(6.9eV)、4MeBZ(7.0eV)、2,2’−DFBZ(7.0eV)、3,3’−DClBZ(7.0eV)、PDA(7.0eV)、3,3’−DFBZ(7.0eV)、m−2SDA(7.1eV)、3’−SDA(7.1eV)、2,2’−DMDB(7.1eV)、BADPS(7.1eV)、3,3’−CH2(7.1eV)、3,3’−ODA(7.1eV)、pDTDA(7.1eV)、pDPSDA(7.2eV)、mDPSDA(7.2eV)、mmAPB(7.2eV)、2,2’−DClBZ(7.2eV)、BADTS(7.3eV)、FPDA(7.3eV)、PANS(7.3eV)、3,3’−TFDB(7.3eV)、2,3−4FBZ(7.4eV)、3,3’−6F(7.4eV)、4FBZ(7.4eV)、mDTDA(7.4eV)、MDA(7.4eV)、4,4’−6F(7.4eV)、4,4’−CO(7.4eV)、TFMPDA(7.4eV)、3,3’−CO(7.4eV)、p−2F(7.5eV)、4,4’−SO2(7.5eV)、2,3−4ClBZ(7.5eV)、TFDB(7.6eV)、p−4Cl(7.6eV)、4ClBZ(7.7eV)、MANS(7.7eV)、3,3’−SO2(7.7eV)、8ClBZ(7.8eV)、2TFMPDA(7.8eV)、m−4Cl(7.8eV)、p−4F(7.9eV)、8FSDA(7.9eV)、8FBZ(8.0eV)、MFCl2F(8.0eV)、MCl3F(8.0eV)、8FODA(8.0eV)、XYD(8.1eV)、m−4F(8.1eV)、及び、4FXYD(8.9eV)の少なくともいずれかが用いられる。
なお、上記の第1芳香族ジアミン分子において、括弧内の数値は、イオン化ポテンシャルである。
図7は、第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置の一部の材料を例示する化学式である。
図7には、ポリイミド膜16に用いられる第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子の化学式と、その略称とが示される。
図7に表したように、ポリイミド膜16の第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子には、例えば、P6FDA(4.7eV)、PeryDA(3.0eV)、P2FDA(3.0eV)、P3FDA(2.9eV)、NaphDA(2.9eV)、PMDA(2.6eV)、DSDA(2.6eV)、10FEDA(2.6eV)、BTDA(2.6eV)、s−6FODPA(2.5eV)、6FCDA(2.4eV)、i−PMDA(2.3eV)、2SDPA(2.3eV)、s−BPDA(2.2eV)、pDPSDA(2.2eV)、6FDA(2.2eV)、s−SDPA(2.2eV)、TerPDA(2.2eV)、a−SDPA(2.1eV)、s−ODPA(2.1eV)、a−BPDA(2.0eV)、mDPSDA(2.0eV)、2SDEA(2.0eV)、6HCDA(2.0eV)、a−ODPA(2.0eV)、SIDA(2.0eV)、APTDA(2.0eV)、BAFLDA(2.0eV)、i−SDPA(1.9eV)、6HDA(1.9eV)、3SDEA(1.9eV)、O2SDEA(1.9eV)、i−ODPA(1.9eV)、i−BPDA(1.9eV)、HQDEA(1.9eV)、及び、BISPDA(1.8eV)の少なくともいずれかが用いられる。
なお、上記の第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子において、括弧内の数値は、電子親和力である。
微小粒子17としての金属原子には、例えば、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Bi、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、及び、ランタノイドの少なくともいずれかが用いられる。金属イオンには、上記少なくともいずれかの金属原子のイオンが用いられる。金属原子または金属イオンは、Au、Ag、Cu、Ni及びPtの少なくともいずれかを用いることが、より好ましい。さらに、金属原子または金属イオンには、Auを用いることが最適である。
金属原子または金属イオンは、クラスター化していない。すなわち、金属原子または金属イオンは、金属ナノ粒子ではない。金属原子または金属イオンは、例えば、孤立している。金属原子または金属イオンがクラスター化していないことは、例えば、以下の方法で確認することができる。まず、第1ポリイミドの薄膜中の金属元素含有量をEDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy:エネルギー分散型X線分光法)で確認する。次に、第1ポリイミドの薄膜に対する光吸収測定を行い、金属ナノ粒子に特有な近紫外−近赤外領域の表面プラズモン共鳴吸収の有無により、第1ポリイミドの薄膜中の金属ナノ粒子の有無を確認する。EDXによって金属元素の含有が確認され、かつ光吸収測定によって金属ナノ粒子に特有の表面プラズモン共鳴吸収が確認されなかった場合に、クラスター化していない金属原子またはクラスター化していない金属イオンが、第1ポリイミドの薄膜中に含まれていると確認することができる。
母材となる第1ポリイミドの第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子に由来する部位がアクセプター性を持つ。このため、金属原子は、第1ポリイミドの第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子に由来する部位と、弱い電荷移動塩を形成しようとする。この結果、ポリイミド膜16中での金属原子の占有位置が概ね固定されることになり、金属原子の移動を抑制することができる。また、トラップ準位としての均質性が向上する。
なお、第1ポリイミドの第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子に由来する部位のアクセプター性はそれほど強くないため、金属原子との電荷移動は、1電子が完全に移動するものではなく、中性(電子が移動しない)に近い部分的なものとなる。これは両者の電荷移動相互作用のエネルギースケールよりも小さいエネルギースケールに対応する長い時間スケールで観測した場合の平均的な移動電荷量を表す。短い時間スケールでは概ね金属原子は中性であるため、ポリイミドとの部分電荷移動が生じても、トラップ準位へのホールの捕捉には支障を生じない。
なお、電荷を捕捉した後の金属イオンは、ポリイミド分子内の分子内電荷移動によりアクセプター性部位に生じた対向負電荷によってある程度安定化する。金属原子は、その大きさが0.1nm程度と極めて小さいため、母体のポリイミド構造を乱すことなく、ポリイミド膜16内に高密度で存在させることができる。この結果、正帯電のトラップによるクーロン力は大きなものとなり、高抵抗状態での電流を大きく低減することができる。すなわちメモリーとしての電流オンオフ比が増大する。
金属原子と、第1ポリイミドの第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子に由来する部位が弱い電荷移動塩を形成していることは、次のように確認できる。光吸収測定により、近紫外−近赤外領域に電荷移動塩に由来する電荷移動吸収帯(CTバンド)が現れることにより確認できる。また、赤外吸収またはラマン散乱測定により、第1ポリイミドの第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子に由来する部位に帰属される振動モードを観測することにより、電荷移動塩形成による部分電荷移動に伴う振動数のシフトを観測することで確認することも可能である。
微小粒子17としての第2ポリイミドの第2芳香族テトラカルボン酸二無水物分子には、第1ポリイミドの第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子よりも電子親和力の大きい芳香族テトラカルボン酸二無水物分子が用いられる。第2ポリイミドのLUMOは、おもに第2芳香族テトラカルボン酸二無水物分子のLUMOに由来する。このため、電子親和力の大きい芳香族テトラカルボン酸二無水物分子を第2芳香族テトラカルボン酸二無水物分子として用いることにより、第2ポリイミドの電子親和力が、第1ポリイミドの電子親和力よりも大きくなる。これにより、第1ポリイミドのバンドギャップ内に、第2ポリイミドのLUMOが位置し、第2ポリイミドのLUMOが、トラップ準位として機能する。
微小粒子17としての第3ポリイミドの第3芳香族ジアミン分子には、第1ポリイミドの第1芳香族ジアミン分子よりもイオン化ポテンシャルの小さい芳香族ジアミン分子が用いられる。第3ポリイミドのHOMOは、おもに第3芳香族ジアミン分子のHOMOに由来する。このため、イオン化ポテンシャルの小さい芳香族ジアミン分子を第3芳香族ジアミン分子として用いることにより、第3ポリイミドのイオン化ポテンシャルが、第1ポリイミドのイオン化ポテンシャルよりも小さくなる。これにより、第1ポリイミドのバンドギャップ内に、第3ポリイミドのHOMOが位置し、第3ポリイミドのHOMOが、トラップ準位として機能する。
微小粒子17としての第1有機分子には、例えば、テトラシアノキノジメタン(TCNQ、2.8eV)、TCNQ誘導体、ジシアノキノジイミン(DCNQI、2.7eV)、DCNQI誘導体、ベンゾキノン(BQ)、BQ誘導体(p−BQ、1.9eV)、2,3−ナフトキノン(2.2eV)、テトラシアノナフトキノジメタン(2.9eV)、テトラシアノエチレン(2.4eV)、テトラシアノベンゼン(1.8eV)、ヘキサシアノベンゼン(2.2eV)、フルオレン誘導体、テトラカルボン酸二無水物、及び、ヘキサデカフルオロ銅フタロシアニン(3.0eV)の少なくともいずれかが用いられる。TCNQ誘導体には、例えば、2−メチル−TCNQ(2.7eV)、2−アルキル−TCNQ(2.7eV)、2,5−ジメチル−TCNQ(2.7eV)、2,5−ジクロロ−TCNQ(3.0eV)、及び、2,3,5,6−テトラフルオロ−TCNQ(3.4eV)などが用いられる。DCNQI誘導体には、例えば、2,5−ジメチル−DCNQI(2.7eV)、及び、2,5−ジクロロ−DCNQI(2.9eV)などが用いられる。BQ誘導体には、例えば、2,5−ジクロロ−p−BQ(2.4eV)、p−クロラニル(2.8eV)、p−フロラニル(2.6eV)、p−ブロマニル(2.4eV)、及び、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−BQ(DDQ、3.2eV)などが用いられる。フルオレン誘導体には、例えば、2,4,7−トリニトロフルオレノン(2.0eV)、及び、ジシアノメチレン−2,4,7−トリニトロフルオレン(2.6eV)などが用いられる。テトラカルボン酸二無水物には、例えば、PerDA(3.0eV)、及び、PMDA(2.6eV)などが用いられる。
これらのアクセプター性有機分子の大きさは、いずれも概ね1nm未満と小さい。このため、微細なセル体積のポリイミド膜16中に均一に第1有機分子を分散させることができ、メモリセル特性の均一性を実現できる。なお、上記の第1有機分子において、括弧内の数値は、電子親和力である。ここに掲げた電子親和力の値は気相または溶液中での孤立分子についての値であり、ポリイミド膜中では分極エネルギーの効果によって電子親和力の値はさらに大きくなる。
また、とくに微小粒子17としてアクセプター性の第1有機分子を用いる場合、有機分子は分子設計の自由度が大きいため、分散性を向上するための種々の分子設計が行えるだけでなく、トラップ準位を形成するLUMOレベル(電子親和力)を詳細に調整し、さらにはその分子軌道形状までをも微細に制御することが可能である。
また、母材となる第1ポリイミドの第1芳香族ジアミン分子に由来する部位がドナー性をもつことから、第1有機分子は第1ポリイミドの第1芳香族ジアミン分子に由来する部位と、分子面を向かい合わせるようにして、両者の間に部分電荷移動を生じ、ドナー−アクセプター型の弱い電荷移動錯体を形成しようとする。この結果、ポリイミド膜16中での第1有機分子の占有位置が概ね固定されることになり、第1有機分子の移動が抑制され、またトラップ準位としての均質性が大幅に向上する。
なお、第1ポリイミドの第1芳香族ジアミン分子に由来する部位のドナー性はそれほど強くないため、第1有機分子との電荷移動は、1電子が完全に移動するものではなく、中性(電子が移動しない)に近い部分的なものとなる。これは両者の電荷移動相互作用のエネルギースケールよりも小さいエネルギースケールに対応する時間スケールで観測した場合の平均的な移動電荷量をあらわす。短い時間スケールでは概ね第1有機分子は中性であるため、ポリイミドとの部分電荷移動が生じても、トラップ準位への電子の捕捉には支障を生じない。なお、電荷を捕捉した後の第1有機分子イオンは、ポリイミド分子内の分子内電荷移動によりドナー性部位に生じた対向正電荷によってある程度安定化する。
また、第1有機分子として、多価のイオン状態をとりうる分子を選択することも可能である。この場合、多価に負帯電したトラップによるクーロン力は大きなものとなり、高抵抗状態での電流を大きく低減することができる。すなわちメモリーとしての電流オンオフ比が増大する。
第1有機分子と、第1ポリイミドの第1芳香族ジアミン分子に由来する部位とに部分電荷移動が生じていることは、次のように確認できる。光吸収測定により、可視−近赤外領域に電荷移動錯体に由来する電荷移動吸収帯(CTバンド)が現れることにより確認できる。また、赤外吸収またはラマン散乱測定により、アクセプター性有機分子、または第1ポリイミドの第1芳香族ジアミン分子に由来する部位に帰属される振動モードを観測することにより、部分電荷移動に伴う振動数のシフトを観測することで確認することも可能である。
微小粒子17としての第2有機分子には、例えば、テトラチアフルバレン(TTF、6.4eV)、TTF誘導体、テトラチアナフタセン(6.1eV)、フェニレンジアミン、フェニレンジアミン誘導体、ナフタレンジアミン(6.7eV)、フェノチアジン(6.7eV)、5,10−ジメチル5,10−ジヒドロフェナジン(6.0eV)、多環式芳香族炭化水素、メタロセン類、フタロシアニン類、ポルフィリン類、及び、テトラキス−ジメチルアミノ−エチレン(TDAE、5.4eV)の少なくともいずれかが用いられる。TTF誘導体には、例えば、DMTTF(6.0eV)、TMTTF(6.0eV)、HMTTF(6.1eV)、TTMTTF(6.3eV)、BEDT−TTF(6.2eV)、DBTTF(6.7eV)、TSF(6.7eV)、TMTSF(6.3eV)、HMTSF(6.1eV)、HMTTeF(6.8eV)、及び、テトラキス−アルキルチア−TTF(アルキル=エチルからオクタデシルまでのアルキル基、6.0eV〜6.8eV)の少なくともいずれかが用いられる。フェニレンジアミン誘導体には、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチル−p−フェニレンジアミン(TMPD、6.2eV)、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン(TMPDA、6.6eV)、及び、p−フェニレンジアミン(PDA、7.0eV)の少なくともいずれかが用いられる。多環式芳香族炭化水素には、例えば、ナフタセン(6.9eV)、ペンタセン(6.6eV)、ヘキサセン(6.4eV)、ピレン(7.4eV)、ペリレン(6.9eV)、コロネン(7.3eV)、ビオラントレン(6.4eV)、テトラベンゾペリレン(6.6eV)、テトラベンゾペンタセン(6.1eV)、オバレン(6.9eV)、クアテリレン(6.1eV)、及び、ルブレン(6.4eV)の少なくともいずれかが用いられる。メタロセン類には、例えば、フェロセン(6.7eV)、デカメチルフェロセン(5.7eV)、ニッケロセン(6.2eV)、デカメチルニッケロセン(4.4eV)、ルテノセン(6.2eV)、及び、コバルトセン(6.4eV)の少なくともいずれかが用いられる。フタロシアニン類には、例えば、フタロシアニン(6.1eV)、金属フタロシアニン(6.1eV〜6.2eV)の少なくともいずれかが用いられる。金属フタロシアニンの金属には、例えば、Cu、Fe、Pb、Mg、Ni、Zn及びCoの少なくともいずれかが用いられる。ポルフィリン類には、例えば、テトラフェニルポルフィリン(TPP、6.4eV)、Zn−TPP(6.2eV)、及び、Mg−TPP(6.3eV)の少なくともいずれかが用いられる。
これらのドナー性有機分子の大きさは、いずれも概ね1nm未満と小さい。このため、微細なセル体積のポリイミド膜16中に均一に第2有機分子を分散させることができ、メモリセル特性の均一性を実現できる。なお、上記の第2有機分子において、括弧内の数値は、イオン化ポテンシャルである。ここで掲げたイオン化ポテンシャルの値は気相または溶液中での孤立分子についての値であり、ポリイミド膜中では分極エネルギーの効果によってイオン化ポテンシャルの値はさらに小さくなる。
また、とくに微小粒子17として第2有機分子を用いる場合、有機分子は分子設計の自由度が大きいため、分散性を向上するための種々の分子設計が行えるだけでなく、トラップ準位を形成するHOMOレベル(イオン化ポテンシャル)を詳細に調整し、さらにはその分子軌道形状までをも微細に制御することが可能である。
また、母材となる第1ポリイミドの第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子に由来する部位がアクセプター性をもつことから、第2有機分子は第1ポリイミドの第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子に由来する部位と、分子面を向かい合わせるようにして、両者の間に部分電荷移動を生じ、ドナー−アクセプター型の弱い電荷移動錯体を形成しようとする。この結果、ポリイミド膜16中での第2有機分子の占有位置が概ね固定されることになり、第2有機分子の移動が抑制され、またトラップ準位としての均質性を向上させることができる。
なお、第1ポリイミドの第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子に由来する部位のアクセプター性はそれほど強くないため、第2有機分子との電荷移動は、1電子が完全に移動するものではなく、中性(電子が移動しない)に近い部分的なものとなる。これは両者の電荷移動相互作用のエネルギースケールよりも小さいエネルギースケールに対応する時間スケールで観測した場合の平均的な移動電荷量をあらわす。短い時間スケールでは概ね第2有機分子は中性であるため、ポリイミドとの部分電荷移動が生じても、トラップ準位へのホールの捕捉には支障を生じない。なお、電荷を捕捉した後の第2有機分子イオンは、ポリイミド分子内の分子内電荷移動によりアクセプター性部位に生じた対向負電荷によってある程度安定化する。
また、第2有機分子として、多価のイオン状態をとりうる分子を選択することも可能である。この場合、多価に正帯電したトラップによるクーロン力は大きなものとなり、高抵抗状態での電流を大きく低減することができる。すなわちメモリーとしての電流オンオフ比が増大する。このような多価イオン状態をとりうる分子としては、例えば、フタロシアニン類やポルフィリン類などが挙げられる。
第2有機分子と、第1ポリイミドの第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子に由来する部位とに部分電荷移動が生じていることは、次のように確認できる。光吸収測定により、可視−近赤外領域に電荷移動錯体に由来する電荷移動吸収帯(CTバンド)が現れることにより確認できる。また、赤外吸収またはラマン散乱測定により、第2有機分子、または第1ポリイミドの第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子に由来する部位に帰属される振動モードを観測することにより、部分電荷移動に伴う振動数のシフトを観測することで確認することも可能である。
微小粒子17としての無機化合物には、例えば、ハロゲン、ルイス酸、プロトン酸、遷移金属化合物、電解質アニオン、XeOF、FSO2OOSO2F、AgClO、HIrCl、及び、La(NO・6HOの少なくともいずれかが用いられる。ハロゲンには、例えば、Cl、Br、I、ICl、ICl、IBr、及び、IFなどが用いられる。ルイス酸には、例えば、PF、AsF、SbF、BF、BCl、BBr、及び、SOなどが用いられる。プロトン酸には、例えば、HF、HCl、HNO、HSO、HClO、FSOH、ClSOH、及び、CFSOHなどが用いられる。遷移金属化合物には、例えば、FeCl、FeOCl、TiCl、ZrCl、HfCl、NbF、NbCl、TaCl、MoF、MoCl、WF、WCl、UF、及び、LnCl(Ln=La、Ce、Pr、Nd及びSmなどのランタノイド)などが用いられる。電解質アニオンには、例えば、Cl、Br、I、ClO 、PF 、AsF 、SbF 、及び、BF などが用いられる。
これらのアクセプター性の無機化合物の大きさは、いずれも概ね1nm未満と小さい。このため、微細なセル体積のポリイミド膜16中に均一に無機化合物を分散させることができ、メモリセル特性の均一性を実現できる。
また、母材となる第1ポリイミドの第1芳香族ジアミン分子に由来する部位がドナー性をもつことから、無機化合物は第1ポリイミドの第1芳香族ジアミン分子に由来する部位と、弱い電荷移動塩を形成しようとする。この結果、ポリイミド膜16中での無機化合物の占有位置が概ね固定されることになり、無機化合物の移動が抑制され、またトラップ準位としての均質性を大幅に向上させることができる。
無機化合物として、その大きさが0.3nm程度と小さいものを選択することが可能である。このため、母体のポリイミド構造を乱すことなく、ポリイミド膜内に高密度で存在させることができる。この結果、負帯電のトラップによるクーロン力は大きなものとなり、高抵抗状態での電流を大きく低減することができる。すなわちメモリーとしての電流オンオフ比が増大する。
無機化合物と、第1ポリイミドの第1芳香族ジアミン分子に由来する部位が電荷移動塩を形成していることは、次のように確認できる。光吸収測定により、近紫外−近赤外領域に電荷移動塩に由来する電荷移動吸収帯(CTバンド)が現れることにより確認できる。また、赤外吸収またはラマン散乱測定により、第1ポリイミドの第1芳香族ジアミン分子に由来する部位に帰属される振動モードを観測することにより、電荷移動塩形成による部分電荷移動に伴う振動数のシフトを観測することで確認することも可能である。
以上のポリイミド膜16内への微小粒子17としては、単独種類を用いることもできるが、複数種類を組み合わせて用いることもできる。またポリイミド膜16内に均一に分散して使用することも可能であり、ポリイミド膜16内の一部分に選択的に分散して使用することも可能である。またポリイミド膜内での分散材料の分散密度に傾斜をもたせる等、分散密度に変化をもたせて使用することも可能である。選択的に分散する場合あるいは分散密度に変化をもたせて使用する場合、例えば、ポリイミド膜の形成を複数層に分けて行い、各々の層の分散密度を変えればよい。
第1導電部10及び第2導電部20には、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、窒化チタン(TiN)、イリジウム(Ir)、酸化イリジウム(IrOx)、ルテニウム(Ru)、酸化ルテニウム(RuOx)、白金(Pt)、銀(Ag)、金(Au)、ポリシリコン(Si)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン(MoN)、ニッケル(Ni)、ニッケルシリサイド(NiSi)、チタンシリサイド(TiSi)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、アンチモン(Sb)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)、パラジウム(Pd)、錫(Sn)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、インジウム錫酸化物(ITO)、及び、カーボン(C)の少なくともいずれかが用いられる。なお、ポリシリコンやカーボンなどは、不純物をドーピングしてもよい。カーボンには、例えば、カーボンナノチューブやグラフェンなどを用いることが好ましい。不揮発性記憶装置110を作製する場合は、例えば、第1導電部10及び第2導電部20の一方を基板上に作製した後、記憶層15を成膜し、記憶層15の上に、第1導電部10及び第2導電部20の他方を作製する。第1導電部10を先に(基板上に)作製してもよいし、第2導電部20を先に作製してもよい。
ポリイミド膜16の作製においては、例えば、前駆体であるポリアミック酸の溶液が作製される。ポリアミック酸の溶液は、第1芳香族ジアミン分子と第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子とを少なくとも含む第1原料で作製される。ポリアミック酸の溶液は、第1導電部10または第2導電部20を作製した基板の上に塗布される。そして、基板上に塗布されたポリアミック酸の溶液を高温で脱水してイミド化させることにより、ポリイミド膜16が作製される。
ポリイミド膜16の厚さは、例えば、5nm以上80nm以下である。ポリイミド膜16の厚さを5nmよりも薄くすると、リークが起こりやすくなる。ポリイミド膜16の厚さを80nmよりも厚くすると、駆動電圧が高くなる。ポリイミド膜16の厚さは、例えば、5nm以上30nm以下であることがより好ましい。これにより、リークの発生と駆動電圧の上昇とをより適切に抑えることができる。
溶液の塗布方法には、例えば、スピンコーティング法、ディップコーティング法、ランブミュアーブロジェット法、噴霧コーティング法、フローコーティング法、スクリーン印刷法、静電気コーティング法、ブレードコーティング法、ロールコーティング法、及び、インクジェットプリント法などを用いることができる。
溶液の塗布の際に使用可能な溶媒としては、例えば、クロロホルム、N−メチルピロリドン、アセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、エチルセロソルブアセテート、ブチルアセテート、エチレングリコール、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロベンゼン、及び、アセトニトリルよりなる群から選択された少なくともいずれかが用いられる。溶媒に用いる材料は、1種類でもよいし、2種類以上を任意の割合で混合させてもよい。
金属原子または金属イオンをポリイミド膜16に分散させる方法には、例えば、金属化合物溶液に浸漬させる方法が用いられる。金属化合物溶液に浸漬させる方法では、例えば、ポリアミック酸溶液を基板上に塗布し、ポリアミック酸溶液から溶媒を除去することにより、ポリアミック酸膜を基板上に形成する。ポリアミック酸膜を形成した基板を、金属化合物溶液に浸漬させることにより、ポリアミック酸膜に金属イオンを含ませる。金属イオンを含むポリアミック酸膜を高温で脱水してイミド化させる。これにより、金属イオンを含むポリイミド膜16が得られる。金属化合物溶液には、例えば、金属塩からなる金属化合物を溶媒に溶解させた溶液や、金属塩と配位子との組み合わせからなる金属化合物を溶媒に溶解させた溶液などが用いられる。金属塩には、例えば、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、及び、水酸化物などが用いられる。金属塩と組み合わせる配位子には、例えば、単座配位子や二座配位子などが用いられる。単座配位子には、例えば、アンモニアやピリジンなどが用いられる。二座配位子には、例えば、エチレンジアミン、2,2’−ビピリジル、及び、1,10−フェナントレンなどが用いられる。
金属原子または金属イオンをポリイミド膜16に分散させる方法は、例えば、イオンインプランテーションによってポリイミド膜16に金属イオンを注入する方法でもよい。さらには、第1導電部10または第2導電部20に分散させたい金属元素を含ませ、電界印加によって初期状態のポリイミド膜16に金属イオンを導入する方法でもよい。
第2ポリイミドをポリイミド膜16に分散させる方法には、例えば、第1ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液と第2ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液とを混合させた混合溶液を作製し、その混合溶液を基板上に塗布する方法が用いられる。第2ポリイミドをポリイミド膜16に分散させる方法は、例えば、第1ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液の塗布及び焼成と、第2ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液の塗布及び焼成と、を交互に繰り返し行う方法でもよい。
第3ポリイミドをポリイミド膜16に分散させる方法には、例えば、第2ポリイミドと同じ方法を用いることができる。第2ポリイミドの溶液及び第3ポリイミドの溶液の塗布方法には、例えば、第1ポリイミドの溶液の塗布方法と同じ方法を用いることができる。第2ポリイミドの溶媒及び第3ポリイミドの溶媒には、例えば、第1ポリイミドの溶媒と同じ材料を用いることができる。
第1有機分子をポリイミド膜16に分散させる方法には、例えば、第1ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液中に、第1有機分子を溶解させる方法が用いられる。この場合も、塗布方法及び溶媒には、第1ポリイミドの場合と同じ塗布方法及び溶媒を用いることができる。第2有機分子をポリイミド膜16に分散させる方法には、例えば、第1有機分子と同じ方法を用いることができる。
アクセプター性の無機化合物をポリイミド膜16に分散させる方法には、例えば、気相または液相を利用した化学ドーピングの方法を用いることができる。無機化合物をポリイミド膜16に分散させる方法は、例えば、第1ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液中に、無機化合物を溶解させる方法でもよい。この場合も、塗布方法及び溶媒には、第1ポリイミドの場合と同じ塗布方法及び溶媒を用いることができる。
図8(a)及び図8(b)は、第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置の別の構成を例示する模式的断面図である。
図8(a)に表したように、不揮発性記憶装置112は、第1有機カップリング層51と第2有機カップリング層52とをさらに備える。
第1有機カップリング層51は、第1導電部10と記憶層15との間に設けられる。第2有機カップリング層52は、第2導電部20と記憶層15との間に設けられる。第1有機カップリング層51は、ポリイミド膜16を含む記憶層15からの第1導電部10の剥離や、第1導電部10と記憶層15との間の電荷の授受の不安定性を抑制する。第2有機カップリング層52は、記憶層15からの第2導電部20の剥離や、第2導電部20と記憶層15との間の電荷の授受の不安定性を抑制する。なお、不揮発性記憶装置112には、第1有機カップリング層51及び第2有機カップリング層52の一方のみを設けてもよい。
第1有機カップリング層51の材料は、例えば、第1導電部10の材料に応じて選定される。例えば、金や銀などの貴金属が第1導電部10に用いられている場合、第1有機カップリング層51には、チオール系のイオウ化合物などが用いられる。例えば、ニッケル、クロム、鉄、ITOなどの表面酸化膜を形成する材料が第1導電部10に用いられている場合、第1有機カップリング層51には、ホスホン酸化合物などが用いられる。例えば、シリコンなどの酸性度の高い酸化物が第1導電部10の表面に設けられている場合、第1有機カップリング層51には、シランカップリング剤などが用いられる。第2有機カップリング層52の材料は、第2導電部20の材料に応じて設定される。第2有機カップリング層52の材料は、第1有機カップリング層51の材料と実質的に同じである。
図8(b)に表したように、不揮発性記憶装置114は、第1酸化膜53と第2酸化膜54とをさらに備える。
第1酸化膜53は、第1導電部10と記憶層15との間に設けられる。第2酸化膜54は、第2導電部20と記憶層15との間に設けられる。第1酸化膜53及び第2酸化膜54には、例えば、SiOx、AlOx、NiOx、NbOx、TiOx、CrOx、VOx、FeOx、TaOx、CuOx、MgOx、WOx、AlNOx、TiNOx、SiNOx及びTaNOxよりなる群から選択された少なくともいずれかを含む。第1酸化膜53の材料及び第2酸化膜54の材料は、例えば、SiOx、Al、CuO、NiO、TiO、およびVの少なくともいずれかであることが好ましい。
第1酸化膜53は、例えば、記憶層15を作製する際のポリアミック酸溶液の塗布及び焼成などによる、第1導電部10の表面の不均一な酸化や第1導電部10の表面のエッチングなどを抑制する。さらには、ポリイミド膜16と第1導電部10との密着性を高めることもできる。これにより、第1酸化膜53は、記憶層15からの第1導電部10の剥離や、第1導電部10と記憶層15との間の電荷の授受の不安定性を抑制することもできる。第2酸化膜54は、例えば、第2導電部20の表面の不均一な酸化や第2導電部20の表面のエッチングなどを抑制し、ポリイミド膜16と第2導電部20との密着性を高める。
第1酸化膜53の厚さ及び第2酸化膜54の厚さは、例えば、記憶層15に十分な電荷を注入できる厚さに設定される。第1酸化膜53の厚さ及び第2酸化膜54の厚さは、例えば、使用する材料の導電性によって変化する。
なお、不揮発性記憶装置114には、第1酸化膜53及び第2酸化膜54の一方のみを設けてもよい。第1酸化膜53及び第2酸化膜54は、例えば、第1導電部10及び第2導電部20のうちの基板上に先に形成される一方の上に、少なくとも設けられていればよい。不揮発性記憶装置114においては、例えば、例えば、第1酸化膜53と記憶層15との間に第1有機カップリング層51を設け、第2酸化膜54と記憶層15との間に第2有機カップリング層52を設けてもよい。
次に、本実施形態に係る不揮発性記憶装置110の実施例について説明する。
(第1実施例)
シリコン酸化膜を形成したシリコン基板上に、ニッケルをスパッタリングすることにより、厚さ80nmのニッケル膜が、第1導電部10としてシリコン基板上に形成される。第1芳香族ジアミン分子であるp−フェニレンジアミン(PDA、Ip=7.0eV)と第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子であるs−BPDA(Ea=2.2eV)とを含む第1原料から、ポリアミック酸のDMF溶液が作製される。DMF溶液をスピンコート法でシリコン基板上に塗布し、100℃でベーキングすることにより、ポリアミック酸膜が形成される。ポリアミック酸膜は、硝酸銀、水及びアンモニア水を含む銀含有水溶液に漬けられ、水洗及び乾燥の後、350℃で加熱される。これにより、記憶層15が、第1導電部10の上に形成される。この記憶層15は、厚さ10nm〜15nmのポリイミド膜16と、銀原子または銀イオンを含む微小粒子17と、を含む。記憶層15の上に金を蒸着させて第2導電部20を形成することにより、第1実施例の不揮発性記憶装置110が作製される。
第1実施例の不揮発性記憶装置110において、第1導電部10を接地し、第2導電部20に電圧を印加する。第2導電部20に正電圧を印加すると、約3.5Vで低抵抗状態(SET)となる(フォーミング)。次に第2導電部20に負電圧を印加すると、約−2Vで高抵抗状態となる。第2導電部20に再び正電圧を印加すると、約2.5Vで低抵抗状態となり、以下SET−RESETを繰り返す。高抵抗状態にした後、電圧を印加していない状態で約1週間放置しても、低抵抗状態には変化しない。低抵抗状態にした後、電圧を印加していない状態で約1週間放置しても、高抵抗状態には変化しない。このように、第1実施例の不揮発性記憶装置110では、安定なメモリ特性が得られる。
(第2実施例)
シリコン酸化膜を形成したシリコン基板上に、ニッケルをスパッタリングすることにより、厚さ80nmのニッケル膜が、第1導電部10としてシリコン基板上に形成される。第1芳香族ジアミン分子であるp−フェニレンジアミン(PDA、Ip=7.0eV)と第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子であるs−BPDA(Ea=2.2eV)とを含む第1原料、及び、第2芳香族テトラカルボン酸二無水物分子であるPerDA(Ea=3.0eV)を含む第2原料から、共重合ポリアミック酸のDMF溶液が作製される。この例において、第2芳香族ジアミン分子は、第1芳香族ジアミン分子と同じPDAである。s−BPDAとPerDAとのモル比は、10:1である。DMF溶液をスピンコート法でシリコン基板上に塗布し、100℃でベーキングすることにより、共重合ポリアミック酸膜が形成される。共重合ポリアミック酸膜は、350℃で加熱する。これにより、記憶層15が、第1導電部10の上に形成される。この記憶層15は、厚さ10nm〜15nmのポリイミド膜16と、第2ポリイミドを含む微小粒子17と、を含む。記憶層15の上に金を蒸着させて第2導電部20を形成することにより、第2実施例の不揮発性記憶装置110が作製される。
第2実施例の不揮発性記憶装置110において、第1導電部10を接地し、第2導電部20に電圧を印加する。第2導電部20に正電圧を印加すると、約4Vで低抵抗状態(SET)となる(フォーミング)。次に第2導電部20に負電圧を印加すると、約−2Vで高抵抗状態となる。第2導電部20に再び正電圧を印加すると、約3Vで低抵抗状態となり、以下SET−RESETを繰り返す。高抵抗状態にした後、電圧を印加していない状態で約1週間放置しても、低抵抗状態には変化しない。低抵抗状態にした後、電圧を印加していない状態で約1週間放置しても、高抵抗状態には変化しない。このように、第2実施例の不揮発性記憶装置110では、安定なメモリ特性が得られる。
(第3実施例)
シリコン酸化膜を形成したシリコン基板上に、ニッケルをスパッタリングすることにより、厚さ80nmのニッケル膜が、第1導電部10としてシリコン基板上に形成される。第1芳香族ジアミン分子であるp−フェニレンジアミン(PDA、Ip=7.0eV)と第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子であるs−BPDA(Ea=2.2eV)とを少なくとも含む第1原料から、ポリアミック酸のアセトニトリル溶液が作製される。アクセプター性の第1有機分子である2,5−ジメチル−TCNQ(Ea=2.7eV)を、アセトニトリル溶液に溶解させる。s−BPDAと2,5−ジメチル−TCNQとのモル比は、20:1である。第1有機分子を溶解させたアセトニトリル溶液をスピンコート法でシリコン基板上に塗布し、100℃でベーキングすることにより、ポリアミック酸膜が形成される。ポリアミック酸膜は、350℃で加熱する。これにより、記憶層15が、第1導電部10の上に形成される。この記憶層15は、厚さ10nm〜15nmのポリイミド膜16と、第1有機分子を含む微小粒子17と、を含む。記憶層15の上に金を蒸着させて第2導電部20を形成することにより、第3実施例の不揮発性記憶装置110が作製される。
第3実施例の不揮発性記憶装置110において、第1導電部10を接地し、第2導電部20に電圧を印加する。第2導電部20に正電圧を印加すると、約4Vで低抵抗状態(SET)となる(フォーミング)。次に第2導電部20に負電圧を印加すると、約−2Vで高抵抗状態となる。第2導電部20に再び正電圧を印加すると、約3Vで低抵抗状態となり、以下SET−RESETを繰り返す。高抵抗状態にした後、電圧を印加していない状態で約1週間放置しても、低抵抗状態には変化しない。低抵抗状態にした後、電圧を印加していない状態で約1週間放置しても、高抵抗状態には変化しない。このように、第3実施例の不揮発性記憶装置110では、安定なメモリ特性が得られる。
(第4実施例)
シリコン酸化膜を形成したシリコン基板上に、ニッケルをスパッタリングすることにより、厚さ80nmのニッケル膜が、第1導電部10としてシリコン基板上に形成される。第1芳香族ジアミン分子であるp−フェニレンジアミン(PDA、Ip=7.0eV)と第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子であるs−BPDA(Ea=2.2eV)とを少なくとも含む第1原料から、ポリアミック酸のアセトニトリル溶液が作製される。アクセプター性の無機化合物である三塩化鉄を、アセトニトリル溶液に溶解させる。s−BPDAと三塩化鉄とのモル比は、20:1である。無機化合物を溶解させたアセトニトリル溶液をスピンコート法でシリコン基板上に塗布し、100℃でベーキングすることにより、ポリアミック酸膜が形成される。ポリアミック酸膜は、350℃で加熱する。これにより、記憶層15が、第1導電部10の上に形成される。この記憶層15は、厚さ10nm〜15nmのポリイミド膜16と、無機化合物を含む微小粒子17と、を含む。記憶層15の上に金を蒸着させて第2導電部20を形成することにより、第4実施例の不揮発性記憶装置110が作製される。
第4実施例の不揮発性記憶装置110において、第1導電部10を接地し、第2導電部20に電圧を印加する。第2導電部20に正電圧を印加すると、約4Vで低抵抗状態(SET)となる(フォーミング)。次に第2導電部20に負電圧を印加すると約−2Vで高抵抗状態となる。第2導電部20に再び正電圧を印加すると、約3Vで低抵抗状態となり、以下SET−RESETを繰り返す。高抵抗状態にした後、電圧を印加していない状態で約1週間放置しても、低抵抗状態には変化しない。低抵抗状態にした後、電圧を印加していない状態で約1週間放置しても、高抵抗状態には変化しない。このように、第4実施例の不揮発性記憶装置110では、安定なメモリ特性が得られる。
(第5実施例)
シリコン酸化膜を形成したシリコン基板上に、チタンと白金とを順にスパッタリングすることにより、厚さ10nmのチタン膜と厚さ80nmの白金膜とを含む第1導電部10が、シリコン基板上に形成される。第1芳香族ジアミン分子であるp−フェニレンジアミン(PDA、Ip=7.0eV)と第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子であるs−BPDA(Ea=2.2eV)とを含む第1原料、及び、第3芳香族ジアミン分子である2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン(TMPDA、Ip=6.6eV)を含む第3原料から、共重合ポリアミック酸のDMF溶液が作製される。この例において、第3芳香族テトラカルボン酸二無水物分子は、第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子と同じs−BPDAである。PDAとTMPDAとのモル比は、10:1である。DMF溶液をスピンコート法でシリコン基板上に塗布し、100℃でベーキングすることにより、共重合ポリアミック酸膜が形成される。共重合ポリアミック酸膜は、350℃で加熱する。これにより、記憶層15が、第1導電部10の上に形成される。この記憶層15は、厚さ10nm〜15nmのポリイミド膜16と、第3ポリイミドを含む微小粒子17と、を含む。記憶層15の上に銅を蒸着させて第2導電部20を形成することにより、第5実施例の不揮発性記憶装置110が作製される。
第5実施例の不揮発性記憶装置110において、第1導電部10を接地し、第2導電部20に電圧を印加する。第2導電部20に負電圧を印加すると、約−5Vで低抵抗状態(SET)となる(フォーミング)。次に第2導電部20に正電圧を印加すると、約2Vで高抵抗状態となる。第2導電部20に再び負電圧を印加すると、約−3Vで低抵抗状態となり、以下SET−RESETを繰り返す。高抵抗状態にした後、電圧を印加していない状態で約1週間放置しても、低抵抗状態には変化しない。低抵抗状態にした後、電圧を印加していない状態で約1週間放置しても、高抵抗状態には変化しない。このように、第5実施例の不揮発性記憶装置110では、安定なメモリ特性が得られる。
(第6実施例)
シリコン酸化膜を形成したシリコン基板上に、チタンと白金とを順にスパッタリングすることにより、厚さ10nmのチタン膜と厚さ80nmの白金膜とを含む第1導電部10が、シリコン基板上に形成される。第1芳香族ジアミン分子であるp−フェニレンジアミン(PDA、Ip=7.0eV)と第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子であるs−BPDA(Ea=2.2eV)とを少なくとも含む第1原料から、ポリアミック酸のDMF溶液が作製される。ドナー性の第2有機分子であるN,N,N’,N’−テトラメチル−p−フェニレンジアミン(Ip=6.2eV)を、DMF溶液に溶解させる。PDAとN,N,N’,N’−テトラメチル−p−フェニレンジアミンとのモル比は、10:1である。第2有機分子を溶解させたDMF溶液をスピンコート法でシリコン基板上に塗布し、100℃でベーキングすることにより、ポリアミック酸膜が形成される。ポリアミック酸膜は、350℃で加熱する。これにより、記憶層15が、第1導電部10の上に形成される。この記憶層15は、厚さ10nm〜15nmのポリイミド膜16と、第2有機分子を含む微小粒子17と、を含む。記憶層15の上に銅を蒸着させて第2導電部20を形成することにより、第6実施例の不揮発性記憶装置110が作製される。
第6実施例の不揮発性記憶装置110において、第1導電部10を接地し、第2導電部20に電圧を印加する。第2導電部20に負電圧を印加すると、約−4.5Vで低抵抗状態(SET)となる(フォーミング)。次に第2導電部20に正電圧を印加すると、約2.5Vで高抵抗状態となる。第2導電部20に再び負電圧を印加すると、約−3Vで低抵抗状態となり、以下SET−RESETを繰り返す。高抵抗状態にした後、電圧を印加していない状態で約1週間放置しても、低抵抗状態には変化しない。低抵抗状態にした後、電圧を印加していない状態で約1週間放置しても、高抵抗状態には変化しない。このように、第6実施例の不揮発性記憶装置110では、安定なメモリ特性が得られる。
(第1比較例)
第1比較例の不揮発性記憶装置の作製においては、第1実施例の不揮発性記憶装置110の作製手順のうち、ポリアミック酸膜を銀含有水溶液に浸漬させる工程を省略する。すなわち、第1比較例の不揮発性記憶装置においては、記憶層15が、微小粒子17を含まない。第1比較例の不揮発性記憶装置において、第1導電部10を接地し、第2導電部20に電圧を印加すると、大きな電圧でスイッチング(低抵抗状態と高抵抗状態との間の遷移)が起こる。しかしながら、第1比較例の不揮発性記憶装置では、数回の繰り返しでスイッチングが観測されなくなる。
(第2比較例)
第2比較例の不揮発性記憶装置の作製手順は、DMF溶液を作製する工程を除いて、第5実施例の不揮発性記憶装置110の作製手順と同じである。第2比較例の不揮発性記憶装置では、DMF溶液の作製において、第3原料を用いず、第1原料のみでDMF溶液を作製する。すなわち、第2比較例の不揮発性記憶装置においては、記憶層15が、微小粒子17を含まない。第2比較例の不揮発性記憶装置では、第1導電部10を接地し、第2導電部20に電圧を印加しても、スイッチングが観測されない。
図9(a)及び図9(b)は、第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置の別の構成を例示する模式的断面図である。
図9(a)に表したように、不揮発性記憶装置116の記憶層15においては、ポリイミド膜16が、第1ジアミン部分a1と第1酸無水物部分c1とを含む第1部分と、第1ジアミン部分a1と第2酸無水物部分c2とを含む第2部分と、を含む。第1部分においては、第1ジアミン部分a1が第1酸無水物部分c1と重合する。第2部分においては、第1ジアミン部分a1が第2酸無水物部分c2と重合する。第1部分は、第2部分と共重合する。すなわち、不揮発性記憶装置116は、不揮発性記憶装置110において、第1ポリイミドと第2ポリイミドとを共重合させた構成である。この例において、ポリイミド膜16は、共重合体である。ポリイミド膜16に含まれる第2酸無水物部分c2の個数は、1つの第1酸無水物部分c1に対して10−4個以上1個以下であり、より好ましくは10−3個以上0.5個以下である。ポリイミド膜16は、例えば、ランダム共重合体である。ポリイミド膜16は、例えば、第2部分のブロックサイズを第1部分のブロックサイズよりも小さくしたブロック共重合体でもよい。
ポリイミド膜16は、例えば、第1芳香族ジアミン分子と、第1芳香族テトラカルボン酸無水物分子と、第2芳香族テトラカルボン酸無水物分子と、を少なくとも含む原料で作製される。第2芳香族テトラカルボン酸無水物分子は、第1芳香族テトラカルボン酸無水物分子と異なる。第1芳香族ジアミン分子と第1芳香族テトラカルボン酸無水物分子とを重合させることにより、第1ジアミン部分a1と第1酸無水物部分c1とを含む第1部分が作製される。第1芳香族ジアミン分子と第2芳香族テトラカルボン酸無水物分子とを重合させることにより、第1ジアミン部分a1と第2酸無水物部分c2とを含む第2部分が作製される。
不揮発性記憶装置116の作製では、例えば、前駆体であるポリアミック酸の溶液を調整する際に、第2芳香族テトラカルボン酸二無水物分子を適当なモル比で混入させて、共重合ポリアミック酸溶液を調整し、これを基板上に塗布する。塗布方法及び溶媒には、第1ポリイミドの場合と同じ塗布方法及び溶媒を用いることができる。
共重合体のポリイミド膜16では、複数の第1部分の中に、複数の第2部分を、より均一に分散させることができる。従って、共重合体のポリイミド膜16を用いた不揮発性記憶装置116でも、メモリ特性の均一性を向上させ、記憶密度を高めることができる。
また、ポリイミド膜16に共重合体を用いることにより、ポリイミド膜16中への第2部分の分散を特に安定、均質にすることが可能となる。すなわち共重合体を形成する場合、第2部分のポリマーが膜内で不用意に移動することはなく、またそのトラップ準位の均質性も保障される。
図9(b)に表したように、不揮発性記憶装置118の記憶層15は、ポリイミド膜16が、第1ジアミン部分a1と第1酸無水物部分c1とを含む第1部分と、第2ジアミン部分a2と第1酸無水物部分c1とを含む第3部分と、を含む。第3部分においては、第2ジアミン部分a2が第1酸無水物部分c1と重合する。第1部分は、第3部分と共重合する。すなわち、不揮発性記憶装置118は、不揮発性記憶装置110において、第1ポリイミドと第3ポリイミドとを共重合させた構成である。ポリイミド膜16に含まれる第2ジアミン部分a2の個数は、1つの第1ジアミン部分a1に対して10−4個以上1個以下である。ポリイミド膜16は、例えば、ランダム共重合体である。
ポリイミド膜16は、例えば、第1芳香族ジアミン分子と、第1芳香族テトラカルボン酸無水物分子と、第2芳香族ジアミン分子と、を少なくとも含む原料で作製される。第2芳香族ジアミン分子は、第1芳香族ジアミン分子と異なる。第2芳香族ジアミン分子には、第1芳香族ジアミン分子と同種の分子が用いられる。
不揮発性記憶装置118の作製では、例えば、前駆体であるポリアミック酸の溶液を調整する際に、第2芳香族ジアミン分子を適当なモル比で混入させて、共重合ポリアミック酸溶液を調整し、これを基板上に塗布する。塗布方法及び溶媒には、第1ポリイミドの場合と同じ塗布方法及び溶媒を用いることができる。
不揮発性記憶装置118でも、不揮発性記憶装置116と同様に、メモリ特性の均一性を向上させ、記憶密度を高めることができる。また、ポリイミド膜16に共重合体を用いることにより、ポリイミド膜16中への第3部分の分散を特に均質にすることが可能となる。すなわち共重合体を形成する場合、第3部分のポリマーが膜内で不用意に移動することはなく、またそのトラップ準位の均質性も保障される。
なお、ポリイミド膜16は、第1部分と第2部分と第3部分とを含んでもよい。この場合には、第1芳香族ジアミン分子と、第1芳香族テトラカルボン酸無水物分子と、第2芳香族テトラカルボン酸二無水物分子と、第2芳香族ジアミン分子と、を少なくとも含む原料でポリイミド膜16を作製すればよい。
(第2の実施形態)
本実施形態に係る不揮発性記憶装置は、クロスポイント型の構成を有する。
図10は、第2の実施形態に係る不揮発性記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。
図10に表したように、本実施形態に係る不揮発性記憶装置120は、基板30を備える。基板30には、例えば、シリコン基板、半導体基板、無機物を含む基板、または、ポリマーを含む基板などが用いられる。半導体基板には、例えば、シリコン−オン−インシュレータ(SOI)基板などが用いられる。無機物を含む基板には、例えば、ガラスなどが用いられる。
不揮発性記憶装置120には、複数の第1導電部10と複数の第2導電部20とが設けられる。複数の第1導電部10は、それぞれY軸方向に延びる。複数の第1導電部10は、X軸方向に所定の間隔を空けて並べられている。複数の第2導電部20は、それぞれX軸方向に延びる。複数の第2導電部20は、Y軸方向に所定の間隔を空けて並べられている。この例では、第1導電部10の延在方向が、第2導電部20の延在方向に対して直交する。第1導電部10の延在方向は、第2導電部20の延在方向と交差(非平行)すれば良い。
記憶層15は、複数の第1導電部10と複数の第2導電部20とのそれぞれの間に設けられる。この例において、記憶層15は、複数の第2導電部20と基板30との間にも設けられる。記憶層15は、例えば、基板30の上及び複数の第1導電部10の上の全体に設けられる。記憶層15は、基板30の主面30aに対して平行な上面15aを有する。複数の第2導電部20は、上面15aの上に設けられる。第2導電部20と第1導電部10との間の記憶層15の厚さ(Z軸方向に沿う長さ)は、第2導電部20と基板30との間の記憶層15の厚さよりも薄い。
記憶層15のうちの、第1導電部10と第2導電部20との間の部分が、1つのメモリセル33として作用する。また、記憶層15のうちの、第2導電部20と基板30との間の部分は、例えば、層間絶縁膜として作用する。メモリセル33の厚さは、例えば、5nm以上80nm以下である。記憶層15に含まれるポリイミド膜16の誘電定数は、層間絶縁膜として主に使用されるシリコン酸化物の誘電定数よりも低い。このため、不揮発性記憶装置120では、隣り合う2つの第1導電部10の間に生じる寄生キャパシタンスを減少させることができる。
この例において、複数の第1導電部10は、例えば、ワード線であり、複数の第2導電部20は、例えば、ビット線である。第1導電部10をビット線とし、第2導電部20をワード線としてもよい。複数のワード線と複数のビット線とを別途設けてもよい。この場合、例えば、ワード線とビット線との交差する部分(メモリセル33に対応する部分)のみに、第1導電部10と第2導電部20とを設ければよい。記憶層15は、第1導電部10と第2導電部20との間の部分のみに設けてもよい。すなわち、複数の記憶層15のそれぞれが、複数の第1導電部10と複数の第2導電部20とのそれぞれの間に設けられていてもよい。
不揮発性記憶装置120は、整流素子34をさらに備える。整流素子34は、例えば、ダイオードである。整流素子34は、複数設けられる。複数の整流素子34のそれぞれは、複数の第1導電部10と記憶層15とのそれぞれの間に設けられる。整流素子34は、例えば、異なる仕事関数を有する導電体を接触させることによって形成することができる。第1導電部10が、整流素子34の機能を含んでもよい。整流素子34は、第1導電部10と記憶層15との間に流れる電流の向きを順方向にする。これにより、整流素子34は、書き込み/読み出し時における回り込み電流(sneak current)を抑制する。整流素子34は、第2導電部20と記憶層15との間に設けてもよい。
不揮発性記憶装置120では、通常の半導体プロセスである蒸着工程、フォトリソグラフィ工程、及びドライエッチングなどを行っても、メモリセル33の特性を劣化させることなく、十分なスイッチング特性を得ることができる。
図11は、第2の実施形態に係る別の不揮発性記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。
図12は、第2の実施形態に係る別の不揮発性記憶装置の構成を例示する模式図である。
図11に表したように、本実施形態に係る不揮発性記憶装置122においては、基板30の主面の上に、X軸方向に延在するライン状の第1の配線(ワード線WLi−1、WL、WLi+1)が設けられる。さらに、Y軸方向に延在するライン状の第2の配線(ビット線BLj−1、BL、BLj+1)が、設けられる。第2の配線(ビット線BLj−1、BL、BLj+1)は、第1の配線(ワード線WLi−1、WL、WLi+1)に対向する。
なお、上記では、第1の配線の延在方向が第2の配線の延在方向に対して直交するが、第1の配線の延在方向が第2の配線の延在方向と交差(非平行)すれば良い。
なお、上記において添え字i及び添え字jは任意である。すなわち、第1の配線の数及び第2の配線の数は、任意である。
本具体例では、第1の配線がワード線となり、第2の配線がビット線となる。ただし、第1の配線がビット線で、第2の配線がワード線でも良い。以下では、第1の配線がワード線であり、第2の配線がビット線であるとして説明する。
図11及び図12に表したように、第1の配線と第2の配線との間にメモリセル33が設けられる。
図12に表したように、例えば、ワード線WLi−1、WL、WLi+1の一端は、選択スイッチであるMOSトランジスタRSWを介して、デコーダ機能を有するワード線ドライバ41に接続される。ビット線BLj−1、BL、BLj+1の一端は、選択スイッチであるMOSトランジスタCSWを介して、デコーダ及び読み出し機能を有するビット線ドライバ42に接続される。
MOSトランジスタRSWのゲートには、ワード線(ロウ)を選択するための選択信号Ri−1、R、Ri+1が入力され、MOSトランジスタCSWのゲートには、ビット線(カラム)を選択するための選択信号Ci−1、C、Ci+1が入力される。
メモリセル33は、ワード線WLi−1、WL、WLi+1と、ビット線BLj−1、BL、BLj+1と、が互いに対向する交差部に配置される。メモリセル33には、書き込み/読み出し時における回り込み電流(sneak current)を抑制するための整流素子34を付加することができる。
図13は、第2の実施形態に係る別の不揮発性記憶装置の一部の構成を例示する模式的断面図である。
図13に表したように、ワード線WLとビット線BLとの間には、メモリセル33及び整流素子34が設けられる。なお、ワード線WLとビット線BLとの上下の配置の関係は任意である。ワード線WLとビット線BLとの間における、メモリセル33と整流素子34との配置の順番は、任意である。
図13に表したように、メモリセル33は、第1導電部10と、第2導電部20と、第1導電部10と第2導電部20との間に設けられた記憶層15と、を含む。第1導電部10、第2導電部20及び記憶層15には、第1の実施形態に関して説明した構成が適用できる。
なお、第1導電部10及び第2導電部20の少なくともいずれかとして、メモリセル33に隣接する、例えば、ワード線WL、整流素子34及びビット線BLの少なくともいずれかを用いても良い。
不揮発性記憶装置122の構成においても、微小粒子17を含むポリイミド膜16または共重合体のポリイミド膜16を記憶層15として用いることにより、メモリ特性の均一性を向上させ、記憶密度を高めることができる。
実施形態によれば、メモリ特性の均一性が高く高記憶密度の不揮発性記憶装置が提供される。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。本願明細書において、「上に設けられる」状態は、直接接して設けられる状態の他に、間に他の要素が挿入されて設けられる状態も含む。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、不揮発性記憶装置に含まれる第1導電部、第2導電部、記憶層、ポリイミド膜、微小粒子及び酸化膜などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した不揮発性記憶装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての不揮発性記憶装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…第1導電部、 15…記憶層、 15a…上面、 16…ポリイミド膜、 17…微小粒子、 20…第2導電部、 30…基板、 30a…主面、 33…メモリセル、 34…整流素子、 41…ワード線ドライバ、 42…ビット線ドライバ、 51、52…有機カップリング層、 53、54…酸化膜、 110、112、114、116、118、120…不揮発性記憶装置、 CWS…トランジスタ、 dE1、dE2、dP1、dP2…差、 Ea1、Ea2…電子親和力、 Ip1、Ip2…イオン化ポテンシャル、 PI1〜PI3…モノマー、 RSW…トランジスタ、 VL…真空準位、 WF1、WF2…仕事関数

Claims (16)

  1. 第1導電部と、
    第2導電部と、
    前記第1導電部と前記第2導電部との間に設けられ、前記第1導電部と前記第2導電部とを介して印加される電圧及び供給される電流の少なくともいずれかにより、第1状態と前記第1状態よりも抵抗が高い第2状態との間で可逆的に遷移可能な記憶層と、
    を備え、
    前記記憶層は、ポリイミド膜と、前記ポリイミド膜に分散された複数の微小粒子と、を含み、
    前記ポリイミド膜は、第1芳香族ジアミン分子と第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子とを少なくとも含む第1原料で作製される第1ポリイミドを含み、
    前記複数の微小粒子は、金属原子、金属イオン、第2ポリイミド、第3ポリイミド、第1有機分子、第2有機分子及び無機化合物の少なくともいずれかを含み、
    前記第2ポリイミドは、前記第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子とは異なる第2芳香族テトラカルボン酸二無水物分子と第2芳香族ジアミン分子とを少なくとも含む第2原料で作製され、前記第2ポリイミドの電子親和力は、前記第1ポリイミドの電子親和力よりも大きく、
    前記第3ポリイミドは、前記第1芳香族ジアミン分子とは異なる第3芳香族ジアミン分子と第3テトラカルボン酸二無水物分子とを少なくとも含む第3原料で作製され、前記第3ポリイミドのイオン化ポテンシャルは、前記第1ポリイミドのイオン化ポテンシャルよりも小さく、
    前記第1有機分子は、アクセプター性であり、前記第1有機分子の分子サイズは、1nm未満であり、前記第1有機分子の電子親和力は、前記第1ポリイミドの電子親和力より大きく、
    前記第2有機分子は、ドナー性であり、前記第2有機分子の分子サイズは、1nm未満であり、前記第2有機分子のイオン化ポテンシャルは、前記第1ポリイミドのイオン化ポテンシャルよりも小さく、
    前記無機化合物は、アクセプター性であり、前記無機化合物の化合物サイズは、1nm未満である
    不揮発性記憶装置。
  2. 前記金属原子の個数は、前記第1ポリイミドの単位モノマー当り10−4個以上1個以下であり、
    前記金属イオンの個数は、前記第1ポリイミドの単位モノマー当り10−4個以上1個以下である請求項1記載の不揮発性記憶装置。
  3. 前記金属原子は、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Bi、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba及びランタノイドよりなる群から選択された少なくともいずれかを含み、
    前記金属イオンは、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Bi、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba及びランタノイドよりなる群から選択された少なくともいずれかのイオンを含む請求項1または2に記載の不揮発性記憶装置。
  4. 前記金属原子は、前記第1ポリイミドのうちの前記第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子に由来する部位と部分電荷移動を生じている請求項1〜3のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
  5. 前記第1ポリイミドの電子親和力と前記第2ポリイミドの電子親和力との差の絶対値は、0.5eV以上3.0eV以下であり、
    前記第1ポリイミドの電子親和力と前記第1有機分子の電子親和力との差の絶対値は、0.5eV以上3.0eV以下であり、
    前記第1ポリイミドのイオン化ポテンシャルと前記第3ポリイミドのイオン化ポテンシャルとの差の絶対値は、0.5eV以上3.0eV以下であり、
    前記第1ポリイミドのイオン化ポテンシャルと前記第2有機分子のイオン化ポテンシャルとの差の絶対値は、0.5eV以上3.0eV以下である請求項1〜4のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
  6. 前記第2ポリイミドのモノマーの個数は、前記第1ポリイミドの単位モノマー当たり10−4個以上1個以下であり、
    前記第3ポリイミドのモノマーの個数は、前記第1ポリイミドの単位モノマー当たり10−4個以上1個以下であり、
    前記第1有機分子の個数は、前記第1ポリイミドの単位モノマー当たり10−4個以上1個以下であり、
    前記第2有機分子の個数は、前記第1ポリイミドの単位モノマー当たり10−4個以上1個以下であり、
    前記無機化合物の個数は、前記第1ポリイミドの単位モノマー当たり10−4個以上1個以下である請求項1〜5のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
  7. 前記第1有機分子は、キノン、キノン誘導体、TCNQ、TCNQ誘導体、DCNQI、DCNQI誘導体、フルオレン及びフルオレン誘導体よりなる群から選択された少なくともいずれかを含む請求項1〜6のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
  8. 前記第1有機分子は、前記第1ポリイミドのうちの前記第1芳香族ジアミン分子に由来する部位と部分電荷移動を生じている請求項1〜7のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
  9. 前記第2有機分子は、TTF、TTF誘導体、ジアミン、多環式芳香族炭化水素、メタロセン、フタロシアニン及びポルフィンよりなる群から選択された少なくともいずれかを含む請求項1〜8のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
  10. 前記第2有機分子は、前記第1ポリイミドのうちの前記第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子に由来する部位と部分電荷移動を生じている請求項1〜9のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
  11. 前記無機化合物は、
    Cl、Br、I、ICl、ICl、IBr及びIFの少なくともいずれかを含むハロゲン、
    PF、AsF、SbF、BF、BCl、BBr及びSOの少なくともいずれかを含むルイス酸、
    FeCl、FeOCl、TiCl、ZrCl、HfCl、NbF、NbCl、TaCl、MoF、MoCl、WF、WCl、UF、ReF、MoF、OsF及びLnCl(Lnはランタノイド)を含む遷移金属ハライド、
    HF、HCl、HNO、HSO、HClO、FSOH、ClSOH及びCFSOHの少なくともいずれかを含むプロトン酸、及び、
    Cl、Br、I、ClO 、PF 、AsF 、SbF 及びBF の少なくともいずれかを含む電解質アニオン、
    よりなる群から選択された少なくともいずれかを含む請求項1〜10のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
  12. 前記無機化合物は、前記第1ポリイミドのうちの前記第1芳香族ジアミン分子に由来する部位と電荷移動塩を形成する請求項1〜11のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
  13. 前記第1導電部は、Au、Ag、Cu、Ni、Al、Pt、Ti、W、TiN、TaN、WN、及び、polySiよりなる群から選択された少なくともいずれかを含み、
    前記第2導電部は、Au、Ag、Cu、Ni、Al、Pt、Ti、W、TiN、TaN、WN、及び、polySiよりなる群から選択された少なくともいずれかを含む請求項1〜12のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
  14. 前記第1導電部と前記記憶層との間及び前記第2導電部と前記記憶層との間の少なくともいずれかに設けられた酸化膜をさらに備えた請求項1〜13のいずれか1つに記載の不揮発性記憶装置。
  15. 第1導電部と、
    第2導電部と、
    前記第1導電部と前記第2導電部との間に設けられ、前記第1導電部と前記第2導電部とを介して印加される電圧及び供給される電流の少なくともいずれかにより、第1状態と前記第1状態よりも抵抗が高い第2状態との間で可逆的に遷移可能な記憶層と、
    を備え、
    前記記憶層は、第1芳香族ジアミン分子と第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子とを含み、さらに、前記第1芳香族テトラカルボン酸二無水物分子とは異なる第2芳香族テトラカルボン酸二無水物分子と、前記第1芳香族ジアミン分子とは異なる第2芳香族ジアミン分子と、の少なくともいずれかを含む原料で作製されるポリイミド膜を含む、
    不揮発性記憶装置。
  16. 前記ポリイミド膜は、ランダム共重合体である請求項15記載の不揮発性記憶装置。
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