JP2014026910A - スイッチ装置 - Google Patents

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彰人 石原
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Abstract

【課題】可動接片に潤滑剤が過剰に塗布された場合の、潤滑剤の固定接点への到達を生じないようにし得て、スイッチ機能を永く良好に確保し得るスイッチ装置を提供する。
【解決手段】操作部材14を、摺動子16を伴い揺動操作することにより、可動接片8上を摺動子16の先端部に摺動させて該可動接片8を揺動させ、その揺動により固定接点5,7に対する可動接片8の接触状態を切換え、摺動子16の先端部と可動接片8との間には可動接片8に対する摺動子16の滑りを良くする潤滑剤11を設けるスイッチ装置において、可動接片8の、摺動子16の先端部と常態で対する部分に、潤滑剤11の余剰分を排出する孔(排出孔)9を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、摺動子の摺動によって可動接片の接触状態を切換える構成のスイッチ装置に関する。
従来より、摺動子の摺動によって可動接片の接触状態を切換える構成のスイッチ装置として、例えば自動車のウインドレギュレータ(パワーウインド)用スイッチ装置が存在する。この種のスイッチ装置においては、固定接点に対向して可動接片が揺動可能に設けられ、操作部材が、その可動接片との間に摺動子を配置して該摺動子を伴い揺動操作されることにより、摺動子の先端部を可動接片上を摺動させて該可動接片を揺動させ、もって、可動接片と固定接点との接触状態を切換えるように構成されている。
そして又、このものにおいては、摺動子の先端部と可動接片との間に潤滑剤(特にはグリス)が塗布して設けられ、それによって可動接片に対する摺動子の滑りを良くするようにしている(例えば特許文献1参照)。
特開2010−97774号公報
上記従来のものの場合、潤滑剤が過剰に塗布された場合、摺動子が可動接片上を全ストローク摺動したときに、余剰分の潤滑剤が可動接片上から摺動子により掻き出されて固定接点に達することがある。このようになると、特にその潤滑剤が達した固定接点が電源に接続されている状況では、その固定接点と可動接片との間の接離時に発生するアークにより潤滑剤中の油分が炭化されて異物となり、その異物が電気抵抗となるため、通電されると発熱するという問題点を有していた。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、可動接片に潤滑剤が過剰に塗布された場合の、潤滑剤の固定接点への到達を生じないようにし得て、スイッチ機能を永く良好に確保し得るスイッチ装置を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明のスイッチ装置は、固定接点と、この固定接点と対向して揺動可能に設けられ、その揺動により固定接点との接触状態が切換えられる可動接片と、この可動接片との間に摺動子を配置して、その摺動子を伴い揺動操作されるように設けられ、その揺動により摺動子の先端部を前記可動接片上を摺動させて該可動接片を揺動させる操作部材とを具備し、前記摺動子の先端部と前記可動接片との間に潤滑剤を設けるものにおいて、前記可動接片の、前記摺動子の先端部と常態で対する部分に、前記潤滑剤の余剰分を排出する排出孔を設けたことを特徴とする(請求項1の発明)。
上記手段によれば、組立て時、摺動子の先端部が常態で可動接片と接することにより、潤滑剤の余剰分を排出孔を通じて排出できる。これにより、可動接片に潤滑剤が過剰に塗布された場合の、潤滑剤の固定接点への到達を生じないようにし得て、スイッチ機能を永く良好に確保し得る
本発明の一実施例を示すスイッチ装置の全体的縦断側面図 可動接片単体の斜視図 可動接片単体の平面図 主要部分の拡大縦断側面図
以下、本発明の一実施例(一実施形態)につき、図面を参照して説明する。
まず、図1には、車両用、特には自動車のウインドレギュレータ用スイッチ装置の全体構成を示しており、基台1に、導体2,3,4をそれぞれ上側で一部を露出させて埋設している。この場合、詳しくは図示しないが、導体2は電源用導体であり、自動車のバッテリに接続される。導体3は負荷用導体であり、ウインドレギュレータのモータに接続される。導体4はグランド用導体であり、自動車の車体に接続される。
導体2には、露出部分に接点ピースを取付けて、特には上方に隆起する接点5を形成しており、導体3には、露出部分を起こして接点6を形成している。導体4には、導体2と同様に、露出部分に接点ピースを取付けて、特には上方に隆起する接点7を形成している。これらの接点5〜7は何れも固定接点であり、導体2〜4との各接続の関係で、固定接点5は電源用固定接点、固定接点6は負荷用固定接点、固定接点7はグランド用固定接点となっている。
固定接点5〜7の上方には、それらに対向する可動接片8を配置している。この可動接片8は、銀板など高い導電性を有する板材により作製したもので、図2及び図3に示すように、前後方向(図では左右方向)に長く、その中央付近をV字状に屈曲することにより、谷部8aを形成すると共にその前後両側に斜状部8b,8cを形成している。又、谷部8aの両側から斜状部8b側には負荷用接点部8dを逆U字状に屈曲して形成し、前方の端部に電源用接点部8eをレ字状に折曲して形成し、後方の端部にグランド用接点部8fを電源用接点部8eと対称的なレ字状に折曲して形成している。
そして、可動接片8の谷部8aの中央部には孔9を形成している。この孔9は、この場合、詳細には図4にも示すように、可動接片8の谷部8aの中央部の上面側に例えば平面矩形の凹部10を形成し、この凹部10、特にはそれの底部から下方へ例えば円筒状に形成したもので、可動接片8の谷部8aを凹部10とで上下に貫通している。
この構成で、可動接片8の谷部8aから前側の斜状部8bの根元部にかけては、図3及び図1にも示すように、潤滑剤11を塗布して設けている。この潤滑剤11は、この場合、グリスであるが、他の粘性のある潤滑油等であっても良い。その上で、可動接片8は、図1に示すように、負荷用接点部8dを前記負荷用固定接点6に載せ掛けて、該負荷用固定接点6を支点に上下に揺動するように設けている。
固定接点5〜7と可動接片8及び基台1の上方から周囲外方にかけては、ボディ12を設けている。このボディ12は基台1に結合され、この結合状態で可動接片8上に位置した中央付近に筒部12aを有している。この筒部12aには、上部の左右両側に軸受穴13を形成している。又、筒部12aには、操作部材14の突出部14aを挿入して位置させている。
操作部材14は、前部に指掛け用の歯状部14b及び窪み部14cを有し、それらより後方の中央付近の裏側に上記突出部14aを有するもので、突出部14aの下半部を中空として下方に開放する洞部14dを形成している。この洞部14dには、スプリング15と摺動子16を収納している。この場合、スプリング15は圧縮コイルスプリングであり、摺動子16は円柱状で且つ先端部を球面状に形成した一般にプラスチックなど熱溶融材料から成るピースであって、スプリング15が洞部14dの奥側、摺動子16が洞部14dの入口側に位置して、スプリング15のばね力により摺動子16の先端部側を洞部14dより下方に突出させている。
又、突出部14aの中央付近の左右両側には軸部14eを形成しており、この軸部14eを、ボディ12の前記軸受穴13に嵌合して、操作部材14が軸部14eを中心に上下に揺動するように設けている。併せて、このときに上記摺動子16の先端部を前記可動接片8の谷部8aの中央部に摺動可能に圧接させている。従って、可動接片8の谷部8aの中央部は、摺動子16の先端部と常態で対する部分であり、その部分に前記孔9及び凹部10を設けているのである。
又、潤滑剤11は摺動子16の先端部と可動接片8との間に介在されており、それが過剰に塗布されていると、上述の組立て時に摺動子16の先端部が可動接片8の谷部8aの中央部に圧接したところで、潤滑剤11の余剰分が孔9を通じて排出される。従って、孔9は潤滑剤11の余剰分を排出する排出孔として機能するものである。
次に、上述のように組立てたスイッチ装置の動作を述べる。
図1には、摺動子16の先端部が可動接片8の谷部8aの中央部に圧接した上述の常態を示している。このとき、可動接片8の負荷用接点部8dが負荷用固定接点6に接触すると共に、グランド用接点部8fがグランド用固定接点7に接触して、負荷用固定接点6とグランド用接点部8fとを接続しており、電源用接点部8eは電源用固定接点5から上方に離間している。
この常態から、今、操作部材14の歯状部14bに指を掛けて操作部材14を同図に矢印Aで示すように引き上げると、操作部材14が軸部14eを中心に時計回りに揺動されて、突出部14aがスプリング15と摺動子16を伴い同方向に傾動する。これにより、摺動子16は、スプリング15を収縮させつつ、先端部が可動接片8の谷部8aから前側の斜状部8bにかけて可動接片8上を摺動し、それによって、可動接片8を負荷用固定接点6の頂部を支点として同図に矢印Bで示すように揺動させる。この結果、可動接片8のグランド用接点部8fがグランド用固定接点7から上方に離間し、代わって電源用接点部8eが電源用固定接点5に接触して、負荷用固定接点6を電源用固定接点5に接続する状態となる。
そして、その状態から、操作部材14の歯状部14bに掛けた指を離せば、摺動子16がスプリング15の復帰ばね力によって可動接片8の前側の斜状部8bから谷部8aにかけて可動接片8上を摺動して戻る。これにより、可動接片8が戻され、電源用接点部8eを電源用固定接点5から離間させ、グランド用接点部8fをグランド用固定接点7に接触させる。併せて、操作部材14を復帰させる。
しかして、このように操作されるとき、潤滑剤11は摺動子16の先端部と可動接片8との間にあって、可動接片8に対する摺動子16の滑りを良くする働きをする。
このように可動接片8に対する摺動子16の滑りを良くする潤滑剤11について、本実施例においては、前述のように、可動接片8の、摺動子16の先端部と常態で対する部分に、潤滑剤11の余剰分を排出する孔(排出孔)9を設けており、それによって、潤滑剤11が過剰に塗布されていた場合、組立て時に摺動子16の先端部が可動接片8の谷部8aの中央部に圧接したところで、潤滑剤11の余剰分が上記孔9を通じて排出される。
これにより、潤滑剤11の余剰分が摺動子16により可動接片8上から掻き出されて固定接点5,7(特には電源用固定接点5)に達するということがなくなり、それを因とした既述の、異物の生成、発熱の事象も生じなくなるので、スイッチ機能を永く良好に確保することができる。
加えて、本実施例においては、可動接片8の、摺動子16の先端部と常態で対する部分に凹部10を形成し、この凹部10から孔9を設けている。これにより、孔9をあけたときにバリが可動接片8の上面側(摺動子16側)に生じても、それが凹部10内にとどまり、可動接片8の摺動子16摺動軌跡に突出することを回避できるので、摺動子16の摺動、ひいては操作部材14の操作のフィーリングを損ねることのないようにできる。
なお、本発明は上記し且つ図面に示した実施例にのみ限定されるものではなく、特にスイッチ装置全体としては、自動車のウインドレギュレータ用に限られず、スイッチ装置一般として広く適用できる。
図面中、5,7は固定接点、8は可動接片、9は孔(排出孔)、10は凹部、11は潤滑剤、14は操作部材、16は摺動子を示す。

Claims (2)

  1. 固定接点と、
    この固定接点と対向して揺動可能に設けられ、その揺動により固定接点との接触状態が切換えられる可動接片と、
    この可動接片との間に摺動子を配置して、その摺動子を伴い揺動操作されるように設けられ、その揺動により摺動子の先端部を前記可動接片上を摺動させて該可動接片を揺動させる操作部材とを具備し、
    前記摺動子の先端部と前記可動接片との間に潤滑剤を設けるものにおいて、
    前記可動接片の、前記摺動子の先端部と常態で対する部分に、前記潤滑剤の余剰分を排出する排出孔を設けたことを特徴とするスイッチ装置。
  2. 可動接片の、摺動子の先端部と常態で対する部分に凹部を形成し、この凹部から排出孔を設けたことを特徴とする請求項1記載のスイッチ装置。
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