JP2014026203A - 露光装置及び方法、パターンフィルム製造方法 - Google Patents

露光装置及び方法、パターンフィルム製造方法 Download PDF

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英章 香川
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Abstract

【課題】ボケ領域を減少させながら照明光を有効活用する。
【解決手段】光源アレイ30は、紫外光を発光する複数の光源34を有し、これらがフィルム20の幅方向に並べて配置されている。各光源34の間には、遮光板40が配置されている。遮光板40は、紫外光がフィルム20の幅方向へ拡散することを防止する。遮光板40の後端部は、リフレクタ36の先端部よりも後方に配置されており、遮光板40の後端部により紫外光を遮らないようにされている。
【選択図】図4

Description

本発明は、長手方向に沿って搬送されるフィルムを、マスクを用いて露光することによりフィルムの搬送方向に延びるストライプ状のパターンを形成する露光装置及び方法、並びに、ストライプ状のパターンが形成されたパターンフィルム製造方法に関するものである。
感光性膜を形成したフィルムを連続搬送しながら、マスクを介して露光することによりフィルムの搬送方向に延びるストライプパターンを形成する露光方法が知られている。例えば、特許文献1、2では、マスクとして、フィルムの幅方向に複数のスリット状の開口を並べたものを用い、このマスクをフィルムの近傍にフィルムとは非接触に配置している(プロキシミティ方式で露光を行っている)。
上述のようにプロキシミティ方式の露光によりストライプパターンを形成する場合、光源からの照明光がフィルムの幅方向に拡散して照射されると、マスクの開口を斜めに通過した照明光が遮光すべき部分に入り込んでしまい、未露光でもなく十分な露光もなされないボケ領域が生じてしまう。このようなボケ領域は、隣り合うストライプパターン同士の間に形成され、光学的な性能低下などの原因となってしまう。このため、下記特許文献3では、フィルムの幅方向と垂直な板状のルーバー(遮光板)をフィルムの幅方向に所定ピッチで配置した光制御フィルムにより、フィルムの幅方向への照明光の拡散を防止している。
特開平9−274323号公報 国際公開第2010/090429号A2 特開2000−082400
しかしながら、上記特許文献3では、遮光板によりボケ領域を減少させる効果は得られるものの、露光に必要な照明光まで遮光板により遮られてしまう。つまり、遮光板は、板面と平行な照明光(有効な照明光)は透過させ、板面に対して斜めに入射する照明光(ボケ領域の原因となる照明光)を遮るものであるが、遮光板にも厚みがあるので、この遮光板の厚み部分(光源側の端面)により、有効な照明光までもが遮られてしまう。このため、照明光を有効活用出来ないといった問題があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、ボケ領域を減少させながら照明光を有効活用できる露光装置及び方法、パターンフィルムの製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の露光装置は、特定波長の光に反応する反応膜が表面に形成されたフィルムを連続搬送する搬送手段と、反応膜を反応させる照明光を照射する複数の光源が、フィルムの幅方向に並べられた光源装置と、フィルムと光源の間に配置され、フィルムの搬送方向に長いスリット状の開口がフィルムの幅方向に並べられたマスク板と、各光源からの照明光がフィルム幅方向へ拡散することを制限するように各光源間に配置される複数の遮光板と、を備え、光源からの照明光をマスク板を介してフィルムに照射して反応膜を露光することを特徴としている。
遮光板により、フィルムへの照明光の入射角度を10°以下に制限することが好ましい。
フィルムの搬送方向において、照明光を集光し、フィルムに照射させる集光手段を備えることが好ましい。
集光手段は、幅方向に長い反射面を有し、この反射面で照明光を反射させることによって集光を行うことが好ましい。
マスク板は、照明光の照射方向に並べられた第1、第2マスク板からなることが好ましい。
フィルムが巻き掛けられて、これを周面で支持するバックアップロールを備え、照射光は、バックアップロールで支持されているフィルム上に照射されることが好ましい。
また、本発明の露光方法は、特定波長の光に反応する反応膜が表面に形成されたフィルムを連続搬送する搬送ステップと、反応膜を反応させる照明光を照射する光源がフィルムの幅方向に並べられた光源装置からの照明光を、各光源からの照明光が幅方向へ拡散することを制限するように各光源間に配置される複数の遮光板、及び、フィルムの近傍に配置されフィルムの搬送方向に長いスリット状の開口がフィルムの幅方向に並べられたマスク板を介してフィルムに照射する照射ステップとを備えたことを特徴としている。
さらに、本発明のパターンフィルム製造方法は、フィルムの表面に光に反応する反応膜を形成する光反応性膜形成工程と、上述の露光方法により反応膜を露光する露光工程とを備えたことを特徴としている。
露光工程の前後どちらか一方において、フィルムの表面にラビング処理を施すラビング工程を備えることが好ましい。
露光工程とラビング工程との後に、液晶を含む塗布液を塗布して液晶層を形成する液晶層形成工程を備えることが好ましい。
本発明によれば、フィルムの幅方向に並べた遮光板によりフィルムの幅方向への照明光の拡散を制限したので、ボケ領域を減少させることができる。また、光源をフィルムの幅方向に並べ、この光源間に遮光板を配置したので、遮光板の厚みにより露光に必要な照明光が遮られることを防止し、照明光を有効活用できる。
パターンフィルム製造装置の構成を示す平面図である。 パターン化位相差フィルムを示す平面図である。 光源装置の構成を示す平面図である。 光源装置の構成を示す斜視図である。 フィルムが露光される様子を示す平面図である。 遮光板の有無による露光範囲の変化を示す説明図である。 光源装置の構成を示す平面図である。 光源装置の構成を示す平面図である。 2枚のマスク板を用いた例を示す説明図である。
図1に示すように、パターンフィルム製造装置10は、感光膜形成部12、露光装置14、ラビング処理部16、液晶層形成部18を備えており、供給されるフィルム20に各種処理を行ってパターン化位相差フィルム(Film Patterned Retarder、以下、FPRという)22を製造する。
感光膜形成部12は、フィルム20の表面に、感光膜20a(図5参照)を形成する。フィルム20は、光透過性、可撓性を有し、例えばフィルムロール(図示省略)から引き出されてパターンフィルム製造装置10に供給される。感光膜20aは、特定波長の光に反応する反応膜であり、本実施形態では、紫外線の照射により硬化する硬化剤、及び、分解して酸を発生する光酸発生剤から感光膜20aを形成する例で説明を行う。感光膜形成部12は、前述の硬化剤及び光酸発生剤を含む塗布液をフィルム20の表面に塗布した後、この塗布液を乾燥させることによって感光膜20aを形成する。
露光装置14は、バックアップローラ24、光源装置26、マスク板28を備え、プロキシミティ方式の露光によりフィルム20をストライプパターンに露光する。バックアップローラ24は、フィルム20を背面側から支持し、フィルム20の搬送に従動して回転する。光源装置26は、フィルム20へ向けて紫外光を照射する。
マスク板28は、露光装置14からの紫外光の光路上、かつ、フィルム20の表面近傍に配置される。マスク板28には、フィルム20の搬送方向に長く、幅方向に並べられた複数のスリット状の開口28aが形成されており、感光膜20aのうち、この開口28aに対応する部分(露光部分)に紫外光が照射される。これにより、フィルム20がストライプパターンで露光される。そして、この露光部分は、感光膜20aの光酸発生剤が反応して酸が発生する。
ラビング処理部16は、ラビングローラ(図示せず)を有し、このラビングローラによって、フィルム20の搬送方向に対して45°の傾斜角度(ラビング方向)で感光膜20aにラビング処理を行う。これにより、感光膜20aに配向性が付与される。
液晶層形成部18は、感光膜20a上にディスコティック液晶(液晶)や垂直配向剤などを含む塗布液を塗布した後、加熱熟成、冷却する。垂直配向剤は、感光膜20aの表面に液晶を垂直に起立させる作用と、液晶をラビング方向に対して直交する方向に配向する作用とがあるが、前述した露光によって酸が発生した部分では後者の機能が弱められる。すなわち、フィルム20の露光部分については、ラビング方向に液晶が配向され、フィルム20の未露光部分については、ラビング方向と直交する方向に液晶が配向される。この後、液晶層形成部18では、フィルム20に紫外線を照射して感光膜20aの硬化及び液晶の配向状態の固定を行う。これによりFPR22が形成される。
図2に示すように、パターンフィルム製造装置10により製造されたFPR22は、それぞれ搬送方向に長いストライプ状の第1、第2位相差領域22a、22bを有している。これら第1、第2位相差領域22a、22bは、液晶の配向方向が互いに直交しており、ボケ領域22cを挟んでフィルム20の幅方向に交互に配列されている。
ボケ領域22cは、光源装置26からの紫外光がフィルム20の幅方向に拡散しマスク板28の開口28aを斜めに通過することで形成され、未露光ではないが十分な露光もなされず、液晶の配光方向が不規則となっている領域である。ボケ領域22cは、開口28aを通過する紫外光の角度が大きくなるほど拡大し、ボケ領域22cが大きくなるほどFPR22の光学性能が低下してしまう。
このため、パターンフィルム製造装置10では、紫外光のフィルム幅方向への拡散を防止し、開口28aを通過する紫外光の角度が小さくなるように光源装置26を構成している。以下、このような光源装置26の具体的な構成について図3〜図6を用いてより詳しく説明を行う。
図3、図4に示すように、光源装置26は、光源アレイ30と一対の反射板32a、32bとを備えている。光源アレイ30は、紫外光を発光する複数の光源34がフィルム20の幅方向に並べて配置されたものである。光源34には、リフレクタ36が設けられ、各光源34からの紫外光は、直接またはリフレクタ36で反射され、光源34の前方に配置されたマスク板28へ向けて照射される。
反射板32a、32bは、フィルム20の幅方向に長い板状に形成され、各光源34からマスク板28へ向かう紫外光の光軸を挟んで対面するように、光源アレイ30の上方及び下方に配置されている。そして、反射板32a、32bは、各光源34から上下に拡散した紫外光を反射することによって収束させる(フィルム20の搬送方向について各光源34からの紫外光を集光する)。
このように、フィルム20の搬送方向について紫外光を集光することで、ボケ領域22cを減少させることができる。つまり、本実施形態のように、バックアップローラ24に支持されて搬送方向に湾曲したフィルム20に対して紫外光を照射する場合、紫外光がフィルム20の搬送方向に拡散し、フィルム20に垂直に入射した場合の入射位置から離れるほど、開口28aを通過してからフィルム20に入射するまでの距離が長くなる。
そして、フィルム20に入射するまでの距離が長いと、フィルム20の幅方向に拡散して開口28aを斜めに通過した紫外光により露光されてしまう範囲が大きくなってしまう(すなわち、ボケ領域が大きくなってしまう)。露光装置14では、フィルム20の搬送方向に紫外光を集光することで、フィルム20に入射するまでの距離を短くできるのでボケ領域を減少させることができる。
また、図4、図5に示すように、光源装置26では、より確実にボケ領域を減少させるために、各光源34の間に遮光板40を設けている。遮光板40は、板面がフィルム20の幅方向と略平行になるように配置され、紫外光がフィルム20の幅方向へ拡散することを防止する。また、遮光板40の後端部は、リフレクタ36の先端部よりも後方に配置されている。こうすることで、遮光板40の後端部により紫外光が遮られてしまうといったことを防止し、光源34からの紫外光を効率良く露光に利用できる。なお、図5では、遮光板40が無い場合に入射する紫外光を2点鎖線、遮光板40を設けた場合に入射する紫外光を破線で示している。
図5に円形の指標Aで示す領域を拡大した図6(A)〜図6(C)において、同図(A)に示すように遮光板40を設けた場合の露光範囲42Aは、同図(B)に示すように遮光板を設けない場合の露光範囲42Bと比較して狭く、かつ、同図(C)に示すように理想的な露光範囲(開口28aと同じ幅の露光範囲)42Cとほぼ一致する。このように、本発明によれば、ボケ領域を減少させ、理想的な露光範囲42Cと略同一の範囲を露光できる。
次に上記構成の作用について説明する。パターンフィルム製造装置10に供給されるフィルム20は一定の速度で連続的に搬送される。この搬送中のフィルム20の表面に感光膜形成部12によって順次に感光膜20aが塗布・乾燥されて形成される。
感光膜20aが形成されたフィルム20は、露光装置14に送られる。露光装置14では、マスク板28を介してフィルム20に紫外光が照射され、フィルム20が露光される。マスク板28は、フィルム20の幅方向に複数のスリット状の開口28aが並べられており、フィルム20は、露光分と未露光部分とが幅方向に交互に並ぶストライプ状に露光される。そして、フィルム20の露光部分は、紫外光により光酸発生剤が分解して酸が発生する。
露光装置14では、反射板32a、32bによってフィルム20の搬送方向において紫外光が集光されるので、ボケ領域を小さくすることができる。また、露光装置14では、複数の光源34をフィルム20の幅方向に並べて配置するとともに、各光源34間に配置された遮光板40によってフィルム20の幅方向への紫外光の拡散角度が制限される。これにより、より確実にボケ領域を小さくすることができる。また、遮光板40の後端部により紫外光が遮られることもないので、光源34からの紫外光を有効活用できる。
露光装置14で露光処理が行われたフィルム20は、ラビング処理部16によって所定のラビング方向にラビングされてから液晶層形成部18に送られる。そして、液晶層形成部18において、液晶層が形成され、加熱熟成、冷却される。これにより、露光部分では、ディスコティック液晶がラビング方向に配向され、第1位相差領域22aが形成される。一方、未露光部分では、ディスコティック液晶がラビング方向とは垂直な方向に配向され、第2位相差領域22bが形成される。この後に、紫外線が照射されて、感光膜20aが硬化、液晶層の配向状態の固定が行われ、FPR22が製造される。
なお、本発明は、光源をフィルムの幅方向に並べ、各光源間に遮光板を配置することにより光源からの光を有効活用しながらボケ領域を減少させればよいので、細部の構成については上記実施形態に限定されず適宜変更できる。例えば、遮光板の仕様(厚さや長さなど)は、製造するFPRの光学的性能に応じて適宜設定すればよい。ただし、ボケ領域を減少させる観点からは、フィルムの幅方向の傾きが10°、より好ましくは5°、さらに好ましくは2°よりも大きい角度で光源からの光がフィルムに入射しないように遮光板を形成することが好ましい。また、ボケ領域が15μm以下となるように遮光板を形成することが好ましい。
さらに、マスクを、フィルムから100〜300μm程度の位置に配置することが好ましい。また、マスクの開口の長さ(フィルム搬送方向の長さ)は、10〜50mm程度であることが好ましい。さらに、フィルムの幅方向におけるマスクの開口の幅及び開口の配列ピッチは、100〜1000μmであることが好ましい。開口の配列ピッチは画素幅で決まるので、解像度の観点からは1μm以上で制作可能である。また、フィルムの幅方向に拡散し、マスクの開口から斜めに入り込む紫外線による露光部分の拡大を考慮して、マスクの開口幅をマスクの遮光部(開口の無い部分)の幅よりも予め狭く形成してもよい。
また、光源は、幅方向の照度の均一性から、間隔をできるだけ小さくするように設置することが好ましい。さらに、光源としては、水銀ランプ(低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯など)を用いることが好ましいが、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いてもよい。また、フィルム上の照度が200mW/cm以上、より好ましくは500mW/cm以上となるように光源や光量を設定することが好ましい。
さらに、反射板によりフィルムの搬送方向について集光する例で説明をしたが、図7に示すように、レンズ70により集光してもよい。なお、図7以降の図面を用いた説明では上述した実施形態と同様の部材については同様の符号を付して説明を省略している。
また、図8に示すように、リフレクタ80により集光してもよい。なお、図8の例では、光源34からの紫外光のうち、リフレクタ80で反射されず直接前方へ向かう紫外光(すなわち、リフレクタ80による集光作用を得られずに上下に拡散照射されてしまう紫外光)を遮るように反射部材82を設け、反射部材82に入射した紫外光をリフレクタ80へ向けて反射している。こうすることで、光源34からの紫外光の全てがリフレクタ80による集光作用を受けてから(リフレクタ80により集光されて)マスク板28に照射される。
なお、紫外線を照射して露光することでFPRを形成する装置及び方法に本発明を適用する例で説明をしたが、紫外線以外の光を照射して露光することでFPRを形成する装置及び方法に本発明を適用してもよい。また、感光膜を形成する際に塗布を行う例で説明をしたが、例えば、吹き付けなどの手法で感光膜を形成してもよい。
さらに、上記実施形態では、露光の後にラビング処理を行うことによってFPRを形成する装置及び方法に本発明を適用する例で説明をしたが、露光よりも前にラビング処理を行うことによってFPRを形成する装置及び方法に本発明を適用してもよい。また、上記実施形態では、バックアップローラで支持したフィルムを露光する装置及び方法に本発明を適用する例で説明をしたが、2本のローラ間に掛け渡されたバンドで支持したフィルムを露光する装置及び方法に本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、遮光板によってボケ領域を減少させる例で説明をしたが、図9に示すように、遮光板40に加えマスク板28を2枚用いることによってボケ領域を減少させてもよい。
図9の例では、上記実施形態で用いたマスク板28を、光軸方向に間隔を空けて2枚配置している。こうすることで、1枚目のマスクを斜めに通過した光を、2枚目のマスクにより遮ることができるので、ボケ領域を減少させることができる。なお、1枚目のマスクと2枚目のマスクとのマスク間隔が小さいと、斜めに入り込む光の角度を小さくする効果が弱いが、マスク間隔が大きくなると、2枚目のマスクの1つの開口に、1枚目のマスクの複数の開口から光が入射してしまう恐れがある。このため、2枚のマスクを用いる場合、マスク間隔をD、マスクの開口間隔をW、光源装置からの照射光の照射光のフィルム幅方向に対する傾きをθ(°)としたときに、「0°<tan−1(W/D)≦θ」を満たすことが好ましい。
なお、マスクを透明板上に形成してもよい。透明板は、露光に用いる光に対する分光透過率が高いこと、耐熱性が高いこと、熱膨張率が低いことの各条件を満たす材料で作製されることが好ましい。これら条件を満たすものとしては、石英ガラスが挙げられ、石英ガラスのうちでも、紫外線の透過率に優れ、紫外線光源からの熱に安定なオゾンレス石英ガラス、合成石英ガラス、天然石英ガラスが好ましい。
また、マスクは、耐熱性に優れる無機材料で形成することが好ましく、例えば、クロムを透明板上に蒸着することで形成することが好ましい。さらに、マスクは、無機材料の薄膜を複数重ねた構成とすることが好ましく、無機材料としては、AlF、BaF、CaF、NaAlF、DyF、GdF、LaF、MgF、NdF、TdF、YbF、YFなどのフッ化物;SiO、SiO、Al、HfO、ZrO、Ta、Nb、TiO、In、WOなどの酸化物;SiON、Siなどの窒化物;SiC、BCなどの炭化物;ならびにSiO/Al、Al/Pr11、Al/La、ZrO/Ta、ZrO/MgO、ZrO/Al、TiO/Pr11、TiO/Al、TiO/Laなどの酸化物の混合物;を用いることができる。蒸着法としては、真空蒸着、電子ビーム蒸着、イオンビーム蒸着、プラズマ蒸着などを用いることができ、またスパッタリングなどを用いてもよい。
パターンフィルム製造装置10により、FPR22を製造した。露光装置14では、マスク板28とフィルム20との間隔を300μmとし、さらに、マスク板28と光源装置26との間隔を169mmとした。また、マスク板28の開口28aの幅、及び開口28aの間隔はいずれも530μmとした。マスク板28は、厚み3000μmmのオゾンレス石英ガラスに、クロムをスパッタリングすることによって形成した。
光源装置26では、光源34を50mmピッチで配置し、各光源34間に配置した遮光板40により、紫外光のフィルム20の幅方向への拡散角度を10°以下とした。また、反射板32a、32bにより、各光源34からの紫外光をフィルム20の搬送方向に集光した。反射板32a、32bとしては、光源装置26を出射した時に照射範囲が100mmである紫外光が、169mm離れたマスク板28を透過する際には照射範囲が20mmとなるものを用いた。
鹸化処理した長尺のフィルム20をパターンフィルム製造装置10へ連続的に案内し、以下のようにしてFPR22を連続的に製造した。この製造にあたり、まずセルロースアセテート製のフィルム20を作製した。
<フィルムの作製>
フィルム20を作製するために、セルロースアセテート溶液Aと添加剤溶液Bとをそれぞれ調製した。下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液Aを調製した。
セルロースアセテート溶液Aの組成
置換度2.86のセルロースアセテート 100 質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(溶媒の第1成分) 300 質量部
メタノール(溶媒の第2成分) 54 質量部
1−ブタノール 11 質量部
別のミキシングタンクを用いて添加剤溶液Bを調製した。添加剤溶液Bの組成は以下に示す。添加剤溶液Bの下記の各成分をそれぞれミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液Bをつくった。
添加剤溶液Bの組成
下記化合物B1(Re低下剤) 40 質量部
下記化合物B2(波長分散制御剤) 4 質量部
メチレンクロライド(溶媒の第1成分) 80 質量部
メタノール(溶媒の第2成分) 20 質量部
Figure 2014026203

<<セルロースアセテート製のフィルムの作製>>
477質量部のセルロースアセテート溶液Aに、40質量部の添加剤溶液Bを添加し、充分に攪拌して、ドープを調製した。ドープを流延ダイ(図示無し)に供給し、この流延ダイの流延口から、0℃に冷却した回転中のドラムの周面にドープを流出した。この流出によりドラムの周面で流延されて形成された流延膜を溶媒含有率70質量%の状態でドラムから剥ぎ取った。剥ぎ取られた流延膜、すなわち湿潤フィルムをピンテンター(特開平4−1009号の図3に記載のピンテンター)に案内した。湿潤フィルムの幅方向の両端をピンテンターの複数のピンで固定し、溶媒含有率が3乃至5質量%の状態で、幅方向(機械方向に垂直な方向)の延伸率が3%となるように湿潤フィルムの幅を変化させながら乾燥した。その後、複数のローラが湿潤フィルムの搬送路に沿って並べて配されている熱処理装置に、湿潤フィルムを案内した。この熱処理装置の内部をローラで搬送して通過させることにより、湿潤フィルムをさらに乾燥し、厚み60μmのフィルム20を得た。このフィルム20は紫外線吸収剤を含有しておらず、Re(測定波長は550nm)は0nmであり、Rth(測定波長は550nm)は12.3nmであった。
<<アルカリ鹸化処理>>
得られたフィルム20を、温度60℃の誘電式加熱ローラに接触しながら通過させ、フィルム20の表面温度を40℃に昇温した。この後、フィルム20の片面に、下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/mで塗布した。アルカリ溶液が塗布されたフィルム20を、110℃に加熱し、(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下で10秒間搬送した。続いて、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/mの塗布量で塗布した。次いで、洗浄工程を3回繰り返した。洗浄工程は、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りとからなる。この洗浄工程の後、70℃の乾燥ゾーンを10秒間かけて搬送することによりフィルム20を乾燥し、アルカリ鹸化処理したフィルム20を得た。
アルカリ溶液の組成
水酸化カリウム 4.7質量部
水 15.8質量部
イソプロパノール 63.7質量部
界面活性剤(SF−1:C1429O(CHCHO)20H) 1.0質量部
プロピレングリコール 14.8質量部
<FPRの製造>
上記のように鹸化処理を経たフィルム20を感光膜形成部12へ送り、フィルム20の鹸化処理を施した面に、感光膜20aを形成する塗布液を連続的に塗布した。塗布液は下記の組成である。また、塗布は#8のワイヤーバーで行った。フィルム20上に塗布された塗布液を、60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥することにより、感光膜20aを形成した。
感光膜20aを形成する塗布液の組成
感光膜20aを形成するポリマー材料 3.9質量部
(PVA103、クラレ(株)製ポリビニルアルコール)
光酸発生剤(S−2) 0.1質量部
メタノール 36 質量部
水 60 質量部
Figure 2014026203
次に、マスク板28を介して、光源装置26からフィルム20に紫外線を照射した。光源装置26からは、室温空気下にて、UV−A領域におけるフィルム上の照度200mW/cmの光源34を50mmピッチで配置して紫外線を50mJ/cmとなるように照射した。光源34としては、空冷水銀ランプ(HOYA(株)製:UL750)を用いた。紫外線照射により感光膜形成部12の光酸発生剤を分解し酸性化合物を発生させることにより第1位相差領域用配向層を形成した。
その後に、このフィルム20に対して、ラビング処理部16でラビング処理を行った。ラビング処理では、搬送方向に45°の角度を保持して500rpmで一方向にラビングを行った。こうして感光膜20aに配向性が付与されたフィルム20を得た。なお、感光膜20aの膜厚は、0.5μmであった。
ラビング処理後、液晶層形成部18により、下記の液晶層用塗布液を、バーコーターを用いて塗布量4ml/mで塗布した。次いで、膜面温度110℃で2分間加熱熟成した後、80℃まで冷却し空気下にて200mW/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を50mJ/cm照射して、その配向状態を固定化した。これにより、遅相軸が互いに直交している第1、第2位相差領域22a、22bが幅方向に並んだFPR22とした。各位相差領域22a、22bは、いずれもディスコティック液晶が垂直配向しているが、紫外線が照射された第1位相差領域22aの遅相軸がラビング方向に対し平行に、また未照射の第2位相差領域22b遅相軸がラビング方向に直交していた。なお、液晶層の膜厚は、0.9μmであった。
光学異方性層用塗布液の組成
ディスコティック液晶E−1 100 質量部
感光膜界面配向剤(II−1) 3.0質量部
空気界面配向剤(P−1) 0.4質量部
光重合開始剤 3.0質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.0質量部
メチルエチルケトン 400 質量部
Figure 2014026203
上記のように作成されたFPR22のボケ領域22cの幅Waは、最大でも8μmと十分細いものであり、本発明によりボケ領域22cの細い光学性能の優れたFPR22を製造できることを確認できた。
10 パターンフィルム製造装置
12 感光膜形成部
14 露光装置
16 ラビング処理部
18 液晶層形成部
20 フィルム
20a 感光膜
22 FPR
22c ボケ領域
26 光源装置
28 マスク板
28a 開口
32a、32b 反射板
34 光源
40 遮光板

Claims (10)

  1. 特定波長の光に反応する反応膜が表面に形成されたフィルムを連続搬送する搬送手段と、
    前記反応膜を反応させる照明光を照射する複数の光源が、前記フィルムの幅方向に並べられた光源装置と、
    前記フィルムと前記光源の間に配置され、前記フィルムの搬送方向に長いスリット状の開口が前記フィルムの幅方向に並べられたマスク板と、
    各光源からの照明光がフィルム幅方向へ拡散することを制限するように各光源間に配置される複数の遮光板と、を備え、
    前記光源からの照明光を前記マスク板を介して前記フィルムに照射して前記反応膜を露光することを特徴とする露光装置。
  2. 前記遮光板により、前記フィルムへの前記照明光の入射角度を10°以下に制限することを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. 前記フィルムの搬送方向において、前記照明光を集光し、前記フィルムに照射させる集光手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の露光装置。
  4. 前記集光手段は、前記幅方向に長い反射面を有し、この反射面で前記照明光を反射させることによって前記集光を行うことを特徴とする請求項3記載の露光装置。
  5. 前記マスク板は、前記照明光の照射方向に並べられた第1、第2マスク板からなることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の露光装置。
  6. 前記フィルムが巻き掛けられて、これを周面で支持するバックアップロールを備え、
    前記照射光は、前記バックアップロールで支持されている前記フィルム上に照射されることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の露光装置。
  7. 特定波長の光に反応する反応膜が表面に形成されたフィルムを連続搬送する搬送ステップと、
    前記反応膜を反応させる照明光を照射する光源が前記フィルムの幅方向に並べられた光源装置からの照明光を、各光源からの照明光が前記幅方向へ拡散することを制限するように各光源間に配置される複数の遮光板、及び、前記フィルムと前記光源の間に配置され前記フィルムの搬送方向に長いスリット状の開口が前記フィルムの幅方向に並べられたマスク板を介して前記フィルムに照射する照射ステップとを備えたことを特徴とする露光方法。
  8. フィルムの表面に光に反応する反応膜を形成する光反応性膜形成工程と、
    請求項7記載の露光方法により前記反応膜を露光する露光工程とを備えたことを特徴とするパターンフィルム製造方法。
  9. 前記露光工程の前後どちらか一方において、前記フィルムの表面にラビング処理を施すラビング工程を備えたことを特徴とする請求項8記載のパターンフィルム製造方法。
  10. 前記露光工程と前記ラビング工程との後に、液晶を含む塗布液を塗布して液晶層を形成する液晶層形成工程を備えたことを特徴とする請求項9記載のパターンフィルム製造方法。
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