JP2014026165A - 画像形成装置 - Google Patents

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剛士 田丸
Atsuhiko Shimoyama
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Masayoshi Ohashi
優賢 大橋
Ryoji Kono
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Abstract

【課題】 本発明は、分離ローラーにおける用紙の分離性能を維持しつつ、定着ローラーの寿命を向上させる。
【解決手段】
定着ローラー31を加圧ローラー32で押圧して形成された定着ニップNfに、記録シートSを通紙して熱定着する定着部30を備えるプリンター1であって、定着ニップNfよりも記録シートS搬送方向の下流側において、定着ローラー31を押圧して分離ニップNsを形成する分離ローラー133と、これを回転駆動させる分離ローラー駆動源150と、分離ローラー133を、定着ローラー31の回転方向に対してトレーリング方向に回転させ、記録シートS先端の位置が分離ニップNsから所定の範囲内になると(S22)、分離ローラー133を、定着ローラー31の回転方向に対してカウンター方向に回転させる反転動作を開始する(S23)ように分離ローラー駆動源150を制御する制御部6とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、分離ローラーを用いて定着ローラーなどの加熱回転体から用紙を分離する機構を有する定着器を備える画像形成装置に関し、特に、加熱回転体の長寿命化に関する。
電子写真式の画像形成装置の定着装置として、ハロゲンヒーター等の熱源を内蔵した定着ローラーなどの加熱回転体を加圧ローラーで押圧し、これらの間に形成された定着ニップに、未定着画像の形成された用紙を通紙して熱定着する構成が一般的である。
このような定着装置では、加熱回転体への用紙の巻付きを防止するため、定着ニップよりも用紙搬送方向下流側に分離ローラーを設け、当該分離ローラーで加熱回転体を押圧すると共に、加熱回転体の回転方向に対してカウンター方向に回転させることにより、加熱回転体の外周面から用紙を分離するものがある(例えば、特許文献1)。
特開平3−168674号公報
しかしながら、特許文献1の定着装置では、分離ローラーが、加熱回転体を押圧しつつ、加熱回転体の回転方向に対してカウンター方向に回転するため、加熱回転体と分離ローラーとの間に摩擦が生じ、加熱回転体の表面が摩耗し、寿命が短くなるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、分離ローラーによる用紙の分離性能を維持しつつ、加熱回転体の長寿命化が可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、加熱回転体を加圧部材で相対的に押圧して、これらの間に形成された定着ニップに、未定着画像の形成されたシートを通紙して熱定着する定着装置を備える画像形成装置であって、前記定着ニップよりもシート搬送方向の下流側において、前記加熱回転体を押圧して分離ニップを形成する分離ローラーと、前記分離ローラーを回転駆動させる駆動手段と、前記加熱回転体の回転方向に対してトレーリング方向に回転している前記分離ローラーを、シート先端の位置が前記分離ニップから所定の範囲内になると、前記分離ローラーを、前記加熱回転体の回転方向に対してカウンター方向に回転させる反転動作を開始するように前記駆動手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
また、前記制御手段は、前記分離ローラーの前記カウンター方向における周速が、前記加熱回転体の周速よりも大きくなるように前記駆動手段を制御することが望ましい。
ここで、前記制御手段は、前記反転動作を実行するにあたり、シート先端が前記定着ニップを通過してから前記分離ニップに到達する前までに、前記分離ローラーを停止させ、その後所定時間経過後に、前記分離ローラーを前記カウンター方向に回転させることが望ましい。
また、前記定着ニップよりもシート搬送方向の下流側であって、かつ、前記分離ニップよりも上流側に配設され、シートの先端が通過したことを検出するシート先端検出部を備え、前記反転動作において、前記分離ローラーを停止させるタイミングは、前記シート先端検出部の検出タイミングに基づいて決定されることが望ましい。
そして、前記駆動手段は、前記分離ローラーを駆動する駆動源と、前記分離ローラーと前記駆動源との間に介在するクラッチとを有し、前記制御手段は、前記クラッチにおける動力伝達を遮断して、前記分離ローラーを前記加熱回転体に従動させることにより、前記トレーリング方向に回転させることが望ましい。
さらに、前記分離ローラーと前記加熱回転体との押圧状態を解除する解除手段を備え、前記制御部は、前記分離ローラーを前記カウンター方向に回転させてから所定時間経過後に、前記分離ローラーと前記加熱回転体との押圧状態を解除するとしてもよい。
また、定着ニップにおけるシートの通紙速度を指標する速度指標値を取得する速度指標値取得手段を備え、前記駆動源は、回転速度が変更可能となっており、前記制御手段は、取得された速度指標値に応じて、前記加熱回転体の周速に対する前記分離ローラーの前記カウンター方向における周速の比が一定に保たれるように、前記分離ローラーの前記カウンター方向の回転速度を変更することが望ましい。
ここで、前記速度指標値は、前記加熱回転体の温度、前記加熱回転体の外径、シートの厚み、シートのサイズおよび通紙枚数のうちの少なくとも一つであることが望ましい。
もしくは、前記加熱回転体の外径を指標する外径指標値を取得する外径指標値取得手段と、前記加熱回転体に前記分離ローラーを弾性力により相対的に付勢する付勢部材とを備え、前記制御手段は、取得された外径指標値に応じて、前記付勢部材の付勢力を調整することが望ましい。
ここで、前記外径指標値は、前記加熱回転体の温度、前記加熱回転体の外径、シートの厚み、シートのサイズおよび通紙枚数のうちの少なくとも一つであることが望ましい。
また、前記定着ニップに通紙されるシートの幅を取得するシート幅取得手段と、前記分離ローラーは、それぞれ回転軸が同一直線上に存し、通紙領域に設けられた第1の分離ローラーと非通紙領域に設けられた第2の分離ローラーとからなり、前記クラッチは、第1の分離ローラーへの動力伝達を入り切りする第1のクラッチと、第2の分離ローラーへの動力伝達経を入り切りする第2のクラッチとからなり、前記制御手段は、定着ニップに通紙されるシートが、通紙領域内で通紙可能な幅の場合には、前記反転動作の対象から第2の分離ローラーを除外することが望ましい。
そして、前記定着ニップよりもシート搬送方向の下流側であって、かつ、前記分離ニップよりも上流側に配設され、前記シート先端の前記加熱回転体の表面からの浮きを検出するシート浮き検出部を備え、前記制御手段は、前記所定時間を、前記浮きが検出されなかったときよりも、前記浮きが検出されたときの方が短くなるようにすることが望ましい。
上記構成により、分離ローラーは、シート先端の位置が前記分離ニップから所定の範囲内になるまで、加熱回転体の回転方向に対してトレーリング方向に回転しているので、分離ローラーと加熱回転体との間の摩擦は軽減もしくは解消されて、加熱回転体の表面の摩耗の発生が抑制され、分離ローラーを加熱回転体の回転方向に対して常時カウンター方向に回転させていた従来よりも長寿命化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。 上記画像形成装置において、分離ローラーが設けられた定着部の構成を示す斜視図である。 上記画像形成装置の制御部とこれの制御対象とを示すブロック図である。 上記制御部において実行される分離ローラーの駆動制御の実行手順を示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、上記定着部および分離ローラーの動作図である。 (a)は、上記分離ローラーにおける周速の時間的変化を示す図であり、(b)は、その部分拡大図である。 上記分離ローラーの駆動制御において、分離ローラーの停止時間を大きくして、積極的に記録シートにループ形成させた状態を示す図である。 (a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態に係る定着部における、定着ローラーおよび分離ローラーの動作図である。 (a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置において、記録シートが非固着状態で検出位置P1を通過した場合における分離ローラーの動作図である。 (a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態に係る分離ローラーの周速の時間的変化を示す図である。 (a)および(b)は、本発明の第3の実施形態に係る分離ローラーの押圧力調整機構を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る制御部において実行される押圧力維持処理の内容を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る定着ローラーの分離ニップにおける半径を推定する半径推定テーブルを示す図である。 (a)および(b)は、本発明の第3の実施形態に係る押圧力調整機構のもう一つの構成例を示す図である。 本発明の変形例に係る定着部における分離ローラーの動作図である。
(1)第1の実施形態
以下、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。
(1−1)画像形成装置の構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の一例であるプリンターの構成を説明するための概略断面図である。
プリンター1は、画像形成部10と、給紙部20と、定着部30と、制御部6とを備える。
給紙部20は、収容トレイ21と、繰り出しローラー22と、捌きローラー対23と、タイミングローラー対24などを有している。
収容トレイ21は、記録シートSを収容するものである。
繰り出しローラー22は、収容トレイ21の最上位の記録シートSに接触して、これを原稿の搬送路に繰り出すものである。
捌きローラー対23は、一方が駆動ローラー、他方が従動ローラーであって、互いに接触して捌きニップを形成しており、当該従動ローラーにはトルクリミッターが取着され、原稿に対して搬送方向とは逆向きの力を与えている。
これにより、連れ送りされた記録シートSがあれば、後方に押し戻され、記録シートSは、捌かれて1枚に分離される。
タイミングローラー対24は、制御部6から指示されたタイミングで記録シートSをシート搬送方向における下流側(以下、単に、「下流側」という。)に送り出すものである。
画像形成部10は、同図に示すように、Y、M、C、Kの各色のそれぞれに対応する作像ユニット11Y,11M,11C,11Kと、これら作像ユニット内に設けられた感光体ドラムとそれぞれ対向する一次転写ローラー14と、中間転写ベルト13、二次転写ローラー15等を備えている。
作像ユニット11Y,11M,11C,11Kは、同図に示すように、当該中間転写ベルト13に沿って、11Y、11M、11C、11Kの順序で所定の間隔をおいて直列に配置されている。
作像ユニット11Kは、感光体ドラム12並びに、当該感光体ドラム12の周囲に配置された帯電器16、露光部17、現像器18及びクリーナー19を備える。
作像ユニット11Y,11M,11Cも作像ユニット11Kと同様の構成であるので、ここでの説明は省略する。
露光部17は、レーザダイオードなどの発光素子及びレンズ等を備え、LANなどを介して外部から取得された画像データによって読み取られた原稿画像データにもとづいて制御部6が生成した駆動信号を取得し、感光体ドラム12を露光するためのレーザ光を出射して、感光体ドラム12上を主走査方向に露光走査させる。
感光体ドラム12は、上記露光を受ける前に各クリーナー19で表面の残存トナーが除去され、不図示のイレーサーランプに照射されて除電された後、帯電器16により一様に帯電されており、このように一様に帯電した状態で、上記レーザ光による露光を受けると、感光体ドラム12の表面に静電潜像が形成される。
各静電潜像は、各色の現像器18により現像され、これにより感光体ドラム12表面にY、M、C、Kの現像剤像としてのトナー像が作像される。
各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト13上の同じ位置に重ね合わせて転写されるようにタイミングをずらして実行され、一次転写ローラー14による静電力を受けて中間転写ベルト13上に多重転写されフルカラーのトナー像が形成される。
中間転写ベルト13上の重ね合わされた各色トナー像は、中間転写ベルト13の回転により二次転写位置に移動する。
一方、中間転写ベルト13の移動タイミングに合わせて、給紙部20からは、タイミングローラー対24を介して記録シートSが給送されて来ており、二次転写位置において、二次転写ローラー15に印加された電圧により生じた静電力によって、中間転写ベルト13上のトナー像が記録シートS上に二次転写される。
一方、トナー画像が二次転写された記録シートSは、定着部30へ搬送される。
定着部30は、並行配置された定着ローラー31および加圧ローラー32を有しており、定着ローラー31と加圧ローラー32間で定着ニップNfが形成される。
そして、定着ローラー31には、制御部6によって温調制御されるヒーター31a(ハロゲンランプ)が内蔵されており、これにより定着ローラー31が加熱される。
記録シートSは、上記定着ニップNfを通過するのに伴い、トナー像が加熱、加圧されて記録シートSに定着される。
定着ローラー31は、両端に回転軸が設けられた金属製の円筒体をシリコーンゴムなどの弾性体で覆い、さらに、その外表面にPFAなどの離型層を設けたものである。
この離型層は、摩擦係数が小さく、離型性に優れているが、それでも、溶融したトナーが定着ローラー31の表面に固着して、記録シートSが定着ローラー31の周面から剥離しないおそれがある。
本実施形態では、定着ローラー31の周面に固着した記録シートSを分離する分離ローラー133が設けられている。
これにより、記録シートSは、一対のガイド板41の間に突入し、不都合なく下流側へと案内され、一対の排出ローラー42を介して排紙トレイ43に排紙される。
なお、定着部30には、定着ローラー31の温調制御用の温度センサー34が、当該定着ローラー31の長手方向(紙面奥行方向)の中央部に近接する位置に設けられおり、検出した温度の情報を制御部6に出力する。
制御部6は、プリンター1を統括的に制御し、画像形成処理、画像安定化処理および定着ローラー31の温調制御などを実行する。
さらに、本実施形態に係るプリンター1は、定着ローラー31の摩耗を低減しつつ、定着ローラー31および分離ローラー133を駆動させる定着部駆動処理を実行する。
なお、プリンター1には、テンキーおよびタッチパネルなどからなり、操作者からの指示を受け付けると共に、操作者に対して情報を表示する操作パネル7が設けられている。
(1−2)定着部30の構成
図2は、定着部30の構成を説明するための斜視図である。
上述したように、定着ローラー31および加圧ローラー32が並行配置された状態で、互いが相対的に押圧し、これにより定着ニップNfが形成されている。
定着ローラー31は、モーターなどの定着ローラー駆動源40によって回転駆動されており、加圧ローラー32は、これに従動するようになっている。
なお、上記駆動および従動の関係が逆転していても構わない。
分離ローラー133は、同図に示すように、直線上に設けられた、径の等しい分離サブローラー133a、133b、133cおよび133dからなる。
分離サブローラー133a〜133dは、いずれも回転軸をシリコーンゴムなどの円筒状の弾性体で覆ったものであり、その外周面の摩擦係数は、定着ローラー31の外周面よりも大きく設定されている。
ここで、分離サブローラー133aおよび133b同士は、第1クラッチ134aを介して連結されており、また、分離サブローラー133cおよび133d同士は、第2クラッチ134bを介して連結されている。
また、分離サブローラー133bおよび133c同士は、第1ギヤ135を挟んだ状態で連結されている。
さらに、分離サブローラー133aおよび133dの回転軸は、図2に示すように、それぞれ一方の端部が支持部材131に軸支されていると共に、第1クラッチ134aおよび134bが、支持部材131のそれぞれ突出部131cおよび131dの下面側に固定されており、これにより、分離ローラー133の個々のサブローラーが同軸上に回転自在に保持されている。
また、第1ギヤ135と噛み合う第2ギヤ136が、第3クラッチ134cを介して分離ローラー駆動源150に連結されている。
第3クラッチ134cは、支持部材131の折り曲げ部131eに固定されており、また、分離ローラー駆動源150は、突出部131dの上面側に固定されている。
第1クラッチ134a、第2クラッチ134bおよび第3クラッチ134cは、電磁クラッチであって、制御部6によりON・OFF制御される。
また、分離ローラー駆動源150は、ステッピングモーターなど回転速度や回転方向を変更可能なモーターである。
支持部材131は、定着ローラー31の回転軸方向に延びる板状の部材であって、当該回転軸方向に沿って延びる支軸132を有しており、プリンター1の本体側に設けられた不図示のフレームに揺動自在に軸支されている。
これにより、支持部材131で保持されている分離ローラー133は、上下に揺動することができ、定着ローラー31との距離が変更可能な構成となっている。
また、支持部材131は、長手方向の中央部において、ばね座131bを有しており、当該ばね座131bに、ばね142の下端が取着されている。
一方、プリンター1の本体側のフレーム141においても、ばね座131bと対向する部分に、これと同様のばね座141aが設けられており、当該ばね座141aにばね142の上端が取着されている。
ばね142は、分離ローラー133を定着ローラー31に向けて付勢している。
定着部30に導入された記録シートSは、下方から定着ニップNfに突入し、定着ローラー31への固着が生じなければ、そのまま上方に搬送されるが、固着が生じると、同図に示すように、先端が定着ローラー31の表面に沿ってカーブし、やがて分離ニップNsに突入し、その後、分離ローラー13により定着ローラー31から分離される。
また、上述したように、定着ローラー31の外周面に近接する位置に温度センサー34が設けられており、定着ローラー31の表面温度を検出している。
さらに、本実施形態に係る定着部30には、光学センサー163が、定着ニップNfの下流側の直近に設けられている。
この光学センサー163は、反射型光電センサーであって、定着ローラー31表面に光を照射して反射光の受光し、その強度を検出しており、記録シートSが通過していない初期状態においては、出射光が反射率の低い定着ローラー31表面に照射され、受光強度が低くなるが、記録シートSの先端が到達すると、反射率が高い部分に照射されるので、受光強度が高くなるため、検出位置P1を記録シートSの先端が通過したことを検出する。
(1−3)制御部の構成
図3は、プリンター1における制御部6の構成と、これの制御対象となる主構成要素との関係を示す図である。
制御部6は、主な構成要素として、CPU(Central Processing Unit)61、タイマー62、ROM(Read Only Memory)63、RAM(Random Access Memory)64、不揮発性メモリー65、通信インターフェース(I/F)部66などを備えている。
通信I/F部66は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。
ROM63には、プリントの実行に関連する制御を行うための制御プログラムなどが格納されている。
RAM64は、揮発性のメモリーであって、CPU61におけるプログラム実行時のワークエリアとなる。
不揮発性メモリー65は、例えば、EEPROM(登録商標)などであって、CPU61のデータ保存エリアとなる。
CPU61は、ROM63に格納されている制御プログラムを実行することにより、プリント動作を実行する。
このプリント動作には、分離ローラー133および定着ローラー31間の摩耗を低減しつつ、双方のローラーを回転駆動させる定着部駆動処理が含まれている。
(1−4)定着部駆動処理の内容
以下、本実施形態に係る、制御部6において実行される定着部駆動処理について、図4のフローチャートおよび図5(a)〜(d)の動作図に基づき説明する。
CPU61は、図4に示すように、プリントショブを受け付けるまで待機する(ステップS11:NO)。
そして、通信I/F部66を介して外部端末からプリントジョブを受け付けると(ステップS11:YES)、プリントジョブに含まれているA4などのシートサイズを取得する(ステップS12)。
続いて、CPU61は、第1クラッチ134a、第2クラッチ134bおよび第3クラッチ134cを動力の伝達が遮断された状態(以後、「OFF状態」という。)にする(ステップS13)。
反対に、これらのクラッチに動力が伝達されている状態をON状態という。
次に、CPU61は、記録シートSを定着ニップNfに導入するために、定着ローラー駆動源40を駆動させて、定着ローラー31を回転させる(ステップS14)。
このとき、第1クラッチ134a、第2クラッチ134bおよび第3クラッチ134cは、全てOFF状態となっているので、定着ローラー31に従動してトレーリング方向に回転する。(図5(a)参照)
この従動状態においては、分離サブローラー133a、133b、133cおよび133dと定着ローラー31との間に摩擦力が殆ど生じないため、双方のローラーの摩耗の発生が抑制され、定着ローラー31の寿命が延びる。
次に、CPU61は、ステップS12で取得したシートサイズにもとづいて、シート幅Waを取得する(ステップS15)。
なお、上述のようにシート幅Waを取得するには、予めシートサイズとシート幅とを対応づけたテーブルをROM63に記憶しておき、必要に応じて当該テーブルを参照すればよい。
そして、CPU61は、光学センサー163の出力値が変化するまで待機し(ステップS16:NO)、当該出力値が変化すると、即ち、図5(b)に示すように、記録シートSの先端が位置P1を通過したことが検出されると(ステップS16:YES)、その検出タイミングで計時を開始し(ステップS17)、以下のようにして、分離ローラー133の停止動作を実行する。
即ち、記録シートSの幅Waが、分離サブローラー133aおよび133d同士の間隔W1よりも大きい場合には(ステップS18:YES)、第1クラッチ134a、第2クラッチ134bおよび第3クラッチ134cを全てON状態にして(ステップS19)、分離ローラー駆動源150を停止して(ステップS20)、分離サブローラー133a、133b、133cおよび133dを全て停止させる。
ここで、上述した分離ローラー駆動源150の停止は、ステッピングモーターの特定の極を通電状態にして、外力が加わっても回転しないようにしている。
一方、記録シートSの幅Waが、分離サブローラー133aおよび133d同士の間隔W1以下の場合には(ステップS18:NO)、第3クラッチ134cのみをON状態にして(ステップS21)、上記同様に分離ローラー駆動源150を停止し(ステップS20)、分離サブローラー133bおよび133cのみを停止させる。
つまり、分離サブローラー133aおよび133dに接触することのない幅の狭い記録シートSでは、分離サブローラー133aおよび133dを従動状態のままにして、分離サブローラー133aおよび133dと定着ローラー31間の摩耗を極力小さくするようにしている。
次に、CPU61は、計時された時間taが所定時間tsよりも大きいか否を判定する(ステップS22)。
ここで、所定時間tsは、記録シートSの先端が位置P1を通過してから分離ニップに確実に到達するまでの時間である。(図5(b)→図5(c)参照)
そして、CPU61は、計時時間taが所定時間tsよりも大きくなったタイミングで(ステップS22:YES)、分離ローラー駆動源150を所定時間逆転駆動させて(ステップS23)、駆動力が伝達されている分離サブローラーを、定着ローラー31の回転方向に対してカウンター方向に回転させる。(図5(d)参照)
このとき、定着ローラー31に従動回転した分離ローラー133の周速をV1とすると、逆転駆動しているときの周速を、V1の2倍に設定することにより、記録シートSが確実に分離できるようにしている。
そして、記録シートSの先端が、一対のガイド板41(図1参照)に突入すると、当該記録シートSの搬送経路が安定し、シートの腰によって、分離ローラー133と接触しなくなるので、第1クラッチ134a、第2クラッチ134bおよび第3クラッチ134cをOFF状態にして(ステップS24)、分離サブローラー133a、133b、133cおよび133dを定着ローラー31に従動させる。
つまり、ステップS23でいう所定時間とは、記録シートSの先端が、一対のガイド板41に突入するまでの時間のことである。
次にCPU61は、プリントすべき次の記録シートSがあるか否かを判定し、次の記録シートSがなければ(ステップS25:NO)、定着ローラー駆動源40を停止し、本定着部駆動処理を終了する。
また、プリントすべき次の記録シートSがある場合には(ステップS25:YES)、ステップS15以降の処理を繰り返し実行する。
以下、分離ローラー133の周速について説明する。
図6(a)は、分離ローラー133と定着ローラー31における周速の時間的変化を示す図であり、また、図6(b)は、図6(a)の部分拡大図である。
図6(a)中の二点鎖線L1は、定着ローラー31の周速を示し、一方、実線L2は、分離サブローラー133bおよび133cの周速を示す。
なお、分離サブローラー133aおよび133dの周速については、上記ステップS15の判断結果によって異なり、ステップS16に進んだ場合には分離サブローラー133bおよび133と同様の周速変化になり、また、ステップS18に進んだ場合には、定着ローラー31と共に一定の周速を維持する。
時刻t1は、光学センサー163が、記録シートSの先端を検出した時刻であり、それ以前では、図6(a)に示すように、分離ローラー133は定着ローラー31に従動し、共に周速V1で回転している。(上記ステップS14に対応)
時刻t1において、光学センサー163が記録シートSの先端を検出すると、クラッチがON状態となって駆動力が伝達されている分離サブローラーの停止動作が開始され、駆動源となるステッピングモーターの停止トルクを受けて、時刻t2には、完全に停止する。(上記ステップS20に対応)
ここで、光学センサー163の検出位置から分離ニップNsに至るまでの距離と、記録シートSの搬送速度とに基づき、記録シートSの先端が分離ニップNsに到達する標準的な時刻t3が予め求められている。(図6(b)参照)
この時刻t3に検出誤差などを考慮して、記録シートSの先端が確実に分離ニップNsに到達した状態だと考えられる時刻t4が決められている。
つまり、上述の所定時間tsは、時刻t1から時刻t4に至るまでの時間に設定されている。
このように、記録シートSの先端を、反転中の分離ローラー133にいきなり接触させるのではなく、停止中の分離ローラー133と接触させているのは、以下の理由による。
記録シートSは、熱定着に伴いカールが生じ易く、また、発生するカールの形状も、記録シートSの搬送方向と直交する方向から見て、中央部が浮き上がるものと、搬送方向の延長線上から見て、中央分が浮き上がるものとがある。
後者のカールが生じている記録シートSは、先端側の縁部が弓なりに変形しており、このような状態で、分離ローラー133に近づくと、シート幅方向における縁部の位置により、分離ローラー133と接触する時間に差が生じる。
定着ローラー31と分離ローラー133との位置関係にもよるが、通常、上記縁部における両端部が中央部よりも早く分離ローラー133に接触するため、接触時に分離ローラー133を反転させていると、当該両端部が分離ローラー133の回転方向に沿って跳ね上げられ、接触していない中央部では進行方向を維持しようとするため、先端側の両端部が折れ曲がるいわゆる耳折れが生じることがある。
この耳折れの発生を防止するために、記録シートSの先端を、一旦停止中の分離ローラー133に接触させてから、分離ローラー133の反転を開始させるのが良い。
また、分離ローラー133は、上述したように、周面の摩擦係数が定着ローラー31よりも大きく設定されているので、分離ニップNsに突入した記録シートSの先端部は、分離ローラー133との摩擦でそれ以上移動できなくなる。
このため、所定時間tsを長くするにつれ、図7に示すように、定着ニップNfと分離ニップNsとの間において、記録シートSの先端部にループが形成され易くなる。
このように、記録シートSの先端部にループを形成した場合、記録シートSを定着ローラー駆動源40から分離する性能(以下、「シート分離性能」という。)の向上が期待できる。
もっとも、薄紙の場合には、腰が弱いために、ループが形成される過程で、先端が局部的に折れ曲がる可能性があるので、記録シートSが普通紙や厚紙の場合のみにループが形成されるように、tsの値を調整してもよい。
特に、厚紙などの腰の強い記録シートSが、定着部30に通紙された場合には、先端に受けた力が後端側に伝わり易く、その分、大きなループが形成され、定着ローラー31から剥離し易くなるので、所定時間tsを通常よりも少し大きく設定してもよい。
導入される記録シートSが、厚紙であるか否かを認識するには、収容トレイ21に対応するシートサイズと厚みの両方を不揮発性メモリー65に記憶させておき、収容トレイ21が選択されたときに、選択された収容トレイ21に対応づけられている記録シートSの厚みに関する情報を参照すればよい。
図6(a)に戻って、記録シートSの先端が確実に分離ニップNsに到達する時刻t4から、反転動作が開始され(上記ステップS23に対応)、時刻t5において目標の周速である2×V1に達している。
なお、図6(a)では、回転方向が従動方向と逆になっている場合、負の符号を付している。
このように、分離ローラー133の逆転させているときの周速を、定着部30に従動しているときの周速よりも速く設定しているのは、以下の理由による。
即ち、反転している分離ローラー133に記録シートSの先端が接触しているうちは、シート先端が分離ローラー133の上記反転方向に沿って進んで行く。
しかしながら、シート先端が、重力や静電気力・風の流れなどの影響を受けると、分離ローラー133から次第に離れてしまう場合がある。
このように、シート先端が、分離ローラー133から離れて、更に撓みが生じると、定着ニップNf側に向かって進むようなことも起こり得るので、紙詰りが発生する事態に成りかねない。
このような観点から、分離ローラー133の逆転速度が速い方が望ましく、本実施形態では従動時の2倍の周速に設定している。
このように設定することにより、机上では、時刻t6には、分離ニップNs付近における記録シートSの弛みが略解消する。(図6(d)参照)
記録シートSの先端が、一対のガイド板41(図1参照)に突入する時刻t7まで、分離ローラー133の反転動作を継続し、時刻t7に達すると、第1クラッチ134a、第2クラッチ134bおよび第3クラッチ134cを全てOFF状態にして、分離ローラー133を定着ローラー31に従動させる。(上記ステップS24に対応)
以上のように、本実施形態におけるプリンター1では、分離ローラー133を、初期状態において定着ローラー31に従動させておき、記録シートSの先端位置が分離ニップNsから所定の範囲内になると、分離ローラー133を、定着ローラー31の回転方向に対してカウンター方向に反転させて、記録シートSを定着ローラー31から分離するため、分離ローラー133と定着ローラー31との間で摩擦が生じている時間が、従来よりも短くなり、定着ローラー31の摩耗を低減することができる。
(2)第2の実施形態
(2−1)画像形成装置の構成
以下、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の一例であるプリンター200について、図8(a)〜(c)を参照しながら説明する。
第2の実施形態に係るプリンター200の構成は、基本的に上記第1の実施形態に係るプリンター1と共通するが、第2の実施形態に係るプリンター200では、光学センサー163の代わりに、変位センサー263が設けられている点と、定着部駆動処理の内容の一部が、第1の実施形態に係るプリンター1とは異なる。
以下では、共通の構成部分には第1の実施形態と同じ符号を付して、その説明は省略し、相違する点を中心に説明する。
(2−2)定着部の構成
図8(a)〜(c)は、第2の実施形態に係るプリンター200の定着部230における要部構成とその動作を示す概略図である。
同図に示すように、記録シートSの先端を検出すると共に、記録シートSのループ量を計測する検出部として、変位センサー263が設けられている。
変位センサー263は、分解能が1μm程度の光学式変位センサーであって、出射光の出射角度に対する反射光の受光角と、その受光強度とに基づき、当該変位センサー263と検出位置P1までの距離を検出するものである。
記録シートSの先端が検出位置P1に到達すると、変位センサー263において、図8(a)に示すように、それまで検出されていた距離D0から、記録シートSの厚み分が減少した距離D1が検出されるので、制御部6は、第1の実施形態の光学センサー163と同様に、記録シートSの先端の検出を行うことができる。
さらに、制御部6は、記録シートSにループが形成されたとき、光学センサー163により検出される距離が徐々に大きくなって行く。
そして、図8(b)に示すように、光学センサー163により検出された距離D2をその前に計測された距離D1から差し引くことにより、記録シートSのループ高さHを求めることができる。
第1の実施形態では、ループが形成されていることを実際には把握できなかったため、分離ローラー133を反転させる時刻t4に遅めに設定、即ち、所定時間tsを長めに設定せざるを得なかったのに対し、第2実施形態では、記録シートSのループの形成状況を直接確認できるため、時間基準でなく、距離D2が所定の値となったときに、分離ローラー133の反転動作を開始すればよく、より効率的な反転動作の実施が可能となる。(図8(c)参照)
また、本発明の第2の実施形態に係るプリンター200の構成では、定着部駆動処理の内容の一部を以下のように変更して、記録シートSをより円滑に搬送することもできる。
即ち、これまでは、記録シートSが定着ローラー31に固着している状態だけを想定していたが、例えば、厚紙などでは、図9(a)に示すように、検出位置P1に至るまでに、自らの腰の強さによって、先端が定着ローラー31から浮き上る、即ち、定着ローラー31に固着していない状態(以下、「非固着状態」という。)となることも考えられる。
このような場合、変位センサー263の検出距離は、D0からD3に瞬時に大きく切り替わるので、制御部6は、検出距離が徐々に増加するループ形成ではなく、非固着状態であることを認識できる。
第1および第2の実施形態では、いずれも記録シートSの先端が、分離ローラー133に接触するまでは、分離ローラー133の反転動作を行わないで停止させていた。
しかしながら、このような停止状態の分離ローラー133に、一点鎖線S1のように記録シートSの先端が突き当たると、記録シートSの先端が折れ曲がる虞がある。
本発明の第2の実施形態に係るプリンター200では、このような記録シートSの先端の折れ曲がりを防止するために、図8(b)に示すように、変位センサー263が記録シートSの非固着状態を検出したときに、直ぐに分離ローラー133の反転動作を開始させて、記録シートSの先端が、分離ローラー133に突き当たったときには、図9(c)に示すように、記録シートSの先端を上方に跳ねあげるようにしている。
図10は、このような制御を行ったときの、分離ローラー133と定着ローラー31における周速の時間的変化を示す図である。
実線L3が、時刻t1において、記録シートSの非固着状態を検出した場合の定着ローラー31における周速の時間的変化である。
この場合、記録シートSの先端が分離ニップNsに到達しないので、分離ローラー133を一旦停止状態に保持する必要がない。
このため、制御部6は、上記非固着状態を検出した時刻t1において、分離ローラー133を周速V1で定着ローラー31に従動している状態から、反対方向に一気に回転させて、目標の周速である2×V1に移行させている。
以上のように、第2の実施形態に係るプリンター200では、実際に記録シートSのループの高さや非固着状態などを検出して、反転動作の移行タイミングを決定することで、シート分離性能の向上や記録シートSの先端部の折れ曲がりの防止を図ることができる。
(3)第3の実施形態
(3−1)画像形成装置の構成
以下、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の一例であるプリンター300について、図面を参照しながら説明する。
第3の実施形態に係るプリンター300の構成は、定着ローラー31の温度変化に伴う外径変化により、定着ローラー31および分離ローラー133間の押圧力が変化して、分離ローラー133の分離性能や定着ローラー31の寿命が変動するのを抑制することに特徴があり、構造的には基本的に上記第1の実施形態に係るプリンター1と共通するが、定着ローラー31に対する分離ローラー133の押圧力の変動を抑制する押圧力調整機構330および記録シートSの厚みを計測する厚み計測部260を備える点、ROM63に後述の半径推定テーブル340格納されている点、および、制御部6によって実施される制御内容の一部が、第1の実施形態に係るプリンター1とは異なる。
以下では、共通の構成部分には第1の実施形態と同じ符号を付して、その説明は省略し、相違する点を中心に説明する。
まず、本実施形態に係るプリンター300において、前提となる条件について説明する。
本実施形態に係るプリンター300では、厚紙や大サイズなどの比較的熱容量の大きな記録シートを連続通紙してプリントする場合には、ヒーター31aの加熱が間に合わずに、温度が徐々に低下し、定着ローラー31の温度が所定の温度を下回ったときに、プリントジョブを一旦中断して、目標温度まで回復するのを待ち、温度回復後に再び、プリントジョブを再開する温調制御が実施される。
このように、プリントジョブ実行中に定着ローラー31の温度が低下して、定着ローラー31の外径が次第に小さくなると、構造上、板ばね242の付勢力も小さくなり、定着ローラー31に対する分離ローラー133の押圧力も徐々に低下する。
分離ローラー133の押圧力が減少する方向に変化すると、分離ローラー133の反転動作中、定着ローラー31および分離ローラー133間の摩擦力が減少するため、定着ローラー31寿命が延びる反面、シート分離性能が低下する。
そこで、本実施形態に係るプリンター300では、上記押圧力を一定に保つ押圧力調整機構330が設けられている。
なお、定着ローラー31は、内蔵するヒーター31aにより内周面全体が加熱されるのに対し、分離サブローラー133a〜133dは、分離ニップNsからの熱流入によって加熱されるのみであるため、温度上昇幅も小さく、また、弾性体の厚みも比較的薄いため、分離ローラー133の熱膨張は、無視できるほど軽微であり、ここでは考慮していない。
(3−2)押圧力調整機構の構成
図11は、押圧力調整機構330の構成を説明するための概略図である。
同図に示すように、支持部材131において、第1の実施形態におけるコイル状のばね142の代わりに、板ばね242が設けられており、その上方には、アクチュエーター331が設けられている。
アクチュエーター331は、例えば、サーボアクチュエータなどであって、駆動パルスを与えられると、与えられた駆動パルスに相当する長さだけ伸縮するロッド331aを有し、当該ロッド331aの先端が板ばね242に接触して、これを支持部材131側に押圧するものである。
さらに、本実施形態におけるプリンター300には、定着ニップNfの上流側に、記録シートSの厚みtmを計測する厚み計測部260が設けられている。
厚み計測部260は、一対の変位センサー263が、記録シートSの搬送路を挟んで、互いが対向する位置に設けられてなる。
なお、変位センサー263については、第2の実施形態において説明しているので、ここでの説明は省略する。
双方の変位センサー263における出射光の光軸は、同一直線上にあり、当該出射光が記録シートSの表面に直角に照射されると共に、それぞれのサンプリングのタイミングが一致するように設定されている。
以上の構成により、記録シートSの表面側に設けられた変位センサー263(図11(a)における左側)は、当該表面までの距離D4を計測し、また、記録シートSの裏面側に設けられた変位センサー263(図11(a)における右側)は、当該裏面までの距離D5を計測することができる。
これにより、制御部6は、一対の変位センサー263同士の離間距離D6から、上述の距離D4および距離D5を差し引くことにより、記録シートSの厚みtmを取得することができる。
ここで、A4普通紙が連続通紙されるとき、このうちの或るシートが熱定着されているときの平均的な定着ローラー31の半径をRs1とし、その中でも1枚目が熱定着されているときの平均的な定着ローラー31の半径を、基準半径R0とする。
また、A4薄紙が連続通紙されるとき、このうちの或るシートが熱定着されているときの平均的な定着ローラー31の半径をRs2とすると、A4普通紙とA4薄紙とが同じ枚数通紙された状態を比較すると、Rs2>Rs1となり、A4普通紙のときよりもA4薄紙のときの方が、分離ローラー133が上方に押しやられて付勢力が増加する。
このように定着ローラー31の半径が大きくなるのは、A4薄紙がA4普通紙よりも熱容量が小さく、定着ローラー31から熱を奪いにくいからである。
板ばね242の付勢力は、もともとA4普通紙1枚を熱定着する状態(以下、「基準状態」という。)を基準にして設定されたものであり、よって、基準状態ではない状態では定着ローラー31の外径が変化しているため、付勢力が想定したものと異なってくる。
この付勢力の変動量を求めるために、分離ローラー133と定着ローラー31との軸間距離の平均的な変化量x1を求めている。
ここで、変化量x1は、以下の式1で示される。
[式1] x1=Rs2−R0
なお、変化量x1は、記録シートSの厚みによって変化するが、シートサイズによっても変化する。
このため、本実施形態では、後述の半径推定テーブル340を用いて、記録シートSの厚みやサイズに応じて、定着ローラー31の半径を推定している。
なお、変化量x1を、ロッド331aの伸縮方向(鉛直方向)の変位量y1に換算する式は、以下のように示される。
[式2] y1=x1×sinθ1
ここで、θ1は、図11(b)に示すように、定着ローラー31と分離ローラー133の回転中心同士を結んだ直線と水平線とが成す角度のことである。
例えば、A4薄紙が熱定着されると、基準状態に対して、x1×sinθ1分だけ、分離ローラー133が上方に移動して、基準状態よりも板ばね242の平均的な押圧力が増加する。
本実施形態におけるプリンター300の制御部6は、分離ローラー133が鉛直方向にx1×sinθ1の距離移動することによる上記押圧力の変動を相殺するように、アクチュエーター331のロッド331aを移動させる処理(以下、「押圧力維持処理」という。)を実施する。
なお、記録シートSの先端部が分離ニップNsに突入しても、当該先端部が分離ニップNsの一部に食い込むだけで、大部分の分離ニップNsは、定着ローラー31と分離ローラー133との接触を維持するため、記録シートSの厚みを軸間距離の変化量x1に加算していない。
(3−3)押圧力維持処理について
以下、押圧力維持処理について、図12のフローチャートに基づいて説明する。
制御部6は、図4におけるステップS14とステップS15の間であって、ステップS25からジャンプして戻る位置よりも下流側において、以下のサブルーチンを実行する。
即ち、CPU61は、厚み計測部260から記録シートSの厚みtmを取得し(ステップS31)、定着ローラー31の半径を予測する半径推定テーブル340を参照し、上記厚みtmと図4のステップS12において取得したシートサイズとに基づいて特定される半径を取得し(ステップS32)、これを式1および式2に当てはめて、鉛直方向の変位量y1を求め、例えば、この変位量y1分だけ分離ローラー133を逃がす方向に移動するように、ロッド331aを移動させる(ステップS34)。
なお、ロッド331aの実際の移動量は、変位量y1と、定着ローラー31、分離ローラー133および支持部材131の支軸132位置関係に基づいて、幾何学的に求められるため、ここでの説明は省略する。
図13は、半径推定テーブル340の内容を示す図である。
半径推定テーブル340は、複数のサブテーブルst1、st2、st3、・・・stnからなる。
これらのサブテーブルは、連続通紙が行われることを想定し、プリントの順番に対応して設けられたものであり、先にプリントされるものほど、図中の上位に位置する。
また、各サブテーブルの左上の欄、例えば、サブテーブルst1の左上欄341に示されている「1枚目」は、1つのプリントジョブ中において、1枚目のプリントに対応するサブテーブルであることを意味する。
ここで、各サブテーブルの中央の欄、例えば、サブテーブルst1の中央欄342には、A4普通紙に転写されたトナー像を熱定着する場合の定着ローラー31の平均的な半径Rs1が示されている。
連続通紙が行われる場合、プリントの順番が後になるほど、定着ローラー31の温度が低下し、熱収縮して半径Rs1の値が小さい値になる。
そこで、各サブシートの右上の欄には、例えば、サブテーブルst1の右上欄343に、半径Rs1の値をプリントの実行順序に応じて見直すための式が示されている。
この右上の欄だけは、説明の都合上便宜的に設けられた欄であり、実施には、ここで示される値が、各サブテーブルの中央の欄(例えば、中央欄342)に示されていることを意味する。
例えば、2枚目のプリントに対応するサブテーブルst2の右上欄353には、「Rs1=R0×(1−s1/100)」と示されている。
右辺の式は、実際には実験等により求められるRs1の値であって、ここでは、各サブシートにおける半径Rs1の大小関係を比較し易いように、理論式に置き換えて表現しているに過ぎない。
また、他の欄についても、これと同様に、式が示されている部分は、実際には実験等を行って求められた数値が示されている。
ここで、サブテーブルst2の右上欄353に示されているs1は、2枚目が通紙されたことによる定着ローラー31の温度低下により生じる収縮の割合を意味しており、また、サブテーブルst3〜stnの右上欄におけるs2、・・s(n−1)についても、これと同様である。
サブテーブルst1に戻って、中央欄342の1つ上の欄において、A4サイズの薄紙を1枚目に熱定着する場合の定着ローラー31の平均的な半径Rs2を示す値が、理論式「Rs2=Rs1×(1+b0/100)」によって便宜的に示されている。
この右辺の式に示されるように、薄紙の場合、普通紙よりも熱容量が小さく、定着ローラー31から熱を奪いにくくなるため、A4普通紙を熱定着する場合の定着ローラー31の半径Rs1よりも大きい半径になる。
また、中央欄342の1つ下の欄には、A4サイズの厚紙を1枚目に熱定着する場合の定着ローラー31の平均的な半径Rs3の値が、理論式によって示されているが、この場合、薄紙とは逆の傾向となる。
続いて、中央欄342の1つ左の欄に着目すると、ここには、B5サイズの普通紙を1枚目に熱定着するときの定着ローラー31の平均的な半径の値が、理論式「Rs1×(1+a1/100)」によって示されている。
A4よりもシートサイズの小さなB5の記録シートが通紙された場合、定着ローラー31の温度低下および熱収縮は、A4の記録シートが通紙されたときよりも小さくなり、上記半径はA4のときよりも大きくなる。
このように、a1は、A4普通紙が通紙されたときにおける定着ローラー31の平均的な半径の増加割合を示している。
そして、サイズが小さくなるA5普通紙では、理論式「Rs1×[1+(a1+a2)/100]で示されるように、A4普通紙よりもさらに上記半径が大きくなる。
なお、A4よりもシートサイズが大きくなるB4普通紙などでは、上記と逆の傾向になるように示されている。
ここまで、記録シートの厚みをパラメーターとする半径の理論式と、シートサイズをパラメーターとする半径の理論式について、それぞれ説明してきたが、A5薄紙などのように、基準となるA4普通紙に対して、厚みおよびサイズが共に異なる場合には、同図に示すように、これらの欄に示される実際の値は、上記理論式を組み合わせることにより得られた値に略等しいものと考えられる。
なお、本実施形態における半径推定テーブル340は、用紙サイズや厚みに応じて定着ローラー31の平均的な半径を特定するための値が示されていたが、これに限らず、直接、アクチュエーター331のロッド331aの移動量が示されていても構わない。
このようにすることで、わざわざ式1および式2等を用いた計算を行う必要がなくなり、CPU61の演算時間およびRAM64の記憶容量の節約に資する。
また、本実施形態に係るプリンター300では、記録シートの厚みを取得するために、1対の変位センサー263を用いていたが、予め、ユーザーが、収容トレイ21と記録シートの厚みとの対応づけた情報を、操作パネル7を介して不揮発性メモリー65に記憶させておくことで、1対の変位センサー263を設けなくても、選択された収容トレイ21に基づいて記録シートの厚みを取得することができ、低コスト化に資する。
<変形例>
本発明は、上述のような実施形態に限られるものではなく、次のような変形例も実施することができる。
(1)上記第1〜3の実施形態では、定着部駆動処理において、図4のステップS13およびステップS24において、第1クラッチ134a、第2クラッチ134bおよび第3クラッチ134cを、全てOFF状態にすることにより、分離サブローラー133a〜133dを定着ローラー31に従動させて、双方のローラー間における摩擦の発生を抑制し、定着ローラー31の寿命を延ばしていたが、これに限らない。
例えば、第1クラッチ134a、第2クラッチ134bおよび第3クラッチ134cを全てON状態にして、分離ローラー駆動源150により、分離サブローラー133a〜133dを定着ローラー31の回転方向に対してトレーリング方向に定着ローラー31と同一の周速で回転駆動させれば、双方のローラー間における摩擦の発生をさらに軽減することができる。
また、このような場合、少なくとも第3クラッチ134cを設ける必要がなくなり、装置の構成から省略することができ、コスト低減化に資する。
また、場合によっては、分離サブローラー133a、133b、133cおよび133dにそれぞれ専用の駆動源を設けて、第1クラッチ134a、第2クラッチ134bおよび第3クラッチ134cを省略した構成としてもよいであろう。
(2)上記第1〜3の実施形態では、分離ローラー133で定着ローラー31を押圧して分離ニップNsを形成していたが、これに限られない。
近年、定着ローラー内にヒーターを内蔵させるのではなく、無端状の定着ベルトの走行軌跡の内側に、これの内径よりも僅かに外径の小さなローラーを遊嵌して、当該定着ベルトの発熱層を誘導加熱する所謂ゆるばめ式の定着装置が考えられている。
本構成では、定着ベルトにおける外周の一部のみをローラーの外周面に接触させているため断熱効率が高く、ウォーミングアップ時間を短縮することができるというメリットがある。
当該ゆるばめ式の定着装置では、分離ローラー133で直接押圧している回転体としては、定着ローラーではなく定着ベルトとなる。このように、回転体としては、様々なものが考えられるため、加熱回転体であれば、どのようなものであっても構わない。
(3)また、上記第1〜第3の実施形態では、定着ニップを形成するために、定着ローラー31と加圧ローラー32とを圧接させていたが、これに限らない。
例えば、加圧ローラーの代わりに、表面が低摩擦材料などで覆われた加圧パッドなどを定着ローラーに圧接させる構成としてもよく、要するに、定着ローラー31を加圧する加圧部材としては、表面に適当な摺動性を有して加圧できるものであれば、どのようなものであってもよい。
(4)上記第1〜第3の実施形態では、分離ローラー133の停止を開始させるタイミングは、光学センサー163や変位センサー263において記録シートの先端が検出されるタイミングとしたが、記録シートの先端の検出タイミングと分離ローラー133の停止タイミングとを必ずしも一致させる必要はなく、記録シートの先端が分離ニップNsに突入する前までに分離ローラー133の停止が間に合う範囲で、適宜決定すればよい。
(5)上記第1〜第3の実施形態では、図4のステップS13およびステップS24において、第1クラッチ134a、第2クラッチ134bおよび第3クラッチ134cの全てをOFF状態にしているが、これに限らず、第3クラッチ134cだけをOFF状態にすることだけでも、分離サブローラー133a〜133dを定着ローラー31に従動させることができるので、このようにしてもよい。
(6)上記第1〜第3の実施形態では、記録シートの幅に応じて、分離サブローラー133a〜133dのうち、反転動作を行わずに定着ローラー31との従動状態を維持するものを決定しているが、これに限らない。
例えば、第1クラッチ134aおよび第2クラッチ134bを省略して、分離サブローラー133a〜133dが同じ動きをする構成にしても構わず、この場合、分離ローラー133全体の動きは、分離サブローラー133bおよび133cの動きに従うことになる。
(7)また、上記第3の実施形態では、熱定着される記録シートのシートサイズおよび厚みと、半径推定テーブル340とに基づき、分離ニップにおける定着ローラー31の半径を推定していたが、これに限らず、推定精度が落ちるが、シートサイズのみ、または、厚みのみをパラメーターにして、分離ニップにおける定着ローラー31の半径を推定してもよい。
ここで、パラメーターの値として無視したものは、半径推定テーブル340を参照する際に、使用される環境下において、統計的に最も頻繁にプリントが行われている記録シートのサイズまたは厚みに設定しておくことが望ましい。
(8)また、上記第3の実施形態では、アクチュエーター331のロッド331aと分離ローラー133との間に板ばね242を介在させ、主に、当該板ばね242の弾性力により、分離ニップにおいて押圧力を得ていたが、定着ローラー31に設けられた弾性体の弾性力で、上記押圧力を得る構成としてもよい。
図14(a)および(b)は、このような構成を説明する側面図であり、また、動作図も兼ねている。
本変形例に係るプリンターの構成は、基本的に上記第3の実施形態に係るプリンター300と共通するが、第3の実施形態に係るプリンター300において設けられた板ばね242が省略されている点、アクチュエーター331の代わりに、回転角度制御可能な駆動源470が設けられている点などが、第3の実施形態に係るプリンター300とは異なる。
図14(a)に示すように、プリンター1の本体側に設けられたフレーム440に、ステッピングモーターなどの回転角度制御可能な駆動源470が支持されている。
当該駆動源470の回転軸の先端部に、ねじ歯車70aが形成されている。
また、支持部材131の両端に位置する支軸132の一方に、はす歯歯車233が取着されており、当該はす歯歯車233に、ねじ歯車70aが噛み合って、ウォームギヤを構成する。
図14(a)は、A4普通紙をn枚通紙したときの定着ローラー31の状態が示されており、温度の低下が大きいために熱収縮量も大きくなり、外径が小さくなっている。
一方、図14(b)は、熱容量がA4普通紙も小さいシートA4薄紙などをn枚通紙したとき定着ローラー31の状態が示されており、温度低下が少ないため、図14(a)よりも定着ローラー31の外径が大きくなっている。
本変形例では、上記構成により、このような定着ローラー31の外径変化に起因する定着ローラー31と分離ローラー133との間の押圧力の変動を吸収するように、分離ローラー133を上下に揺動させている。
無論、その揺動量は、第3の実施形態のプリンター300と同様に、半径推定テーブル340と、記録シートSの厚みおよびサイズとに基づいて決められた位置である。
なお、本変形例では、定着ローラー31の半径が変化した場合、板ばね242が設けられた第3の実施形態に係るプリンター300よりも、定着ローラー31と分離ローラー133との間の押圧力が大きく変化するため、大きな減速比が得られ、よりきめ細かな位置調整が可能なウォームギヤを備える本構成は有用である。
(9)また、図14(a)に示した構成を用いれば、分離ローラー133を定着ローラー31から離間させることもできる。
つまり、第1から第3の実施形態において、分離ローラー133を定着ローラー31に従動させている期間において、分離ローラー133を定着ローラー31から離間させておけば、この間、分離ローラー133に起因する定着ローラー31の摩耗は完全に防止できる。
しかしながら、分離ローラー133を定着ローラー31に押し当てる動作(以下、「復帰動作」という。)の実行に伴い、定着ローラー31に衝撃が与えられると、衝撃の振動が記録シートに伝播し、熱定着中のトナーに位置ずれが生じて、定着品質が劣化する虞がある。
したがって、定着ローラー31にできるだけ衝撃を与えないように、上記復帰動作中は、分離ローラー133を定着ローラー31と従動可能な状態にした上で、ゆっくりと行う必要がある。
以下、分離ローラー133の離間動作および復帰動作について、図15(a)〜(d)に示す動作図を用いて説明する。
本変形例では、圧接動作に充てる時間を長く設定できるように、図15(a)に示すように、定着ニップNfよりも上流側の位置P2を検出位置とする光学センサー163が設けられており、位置P2を記録シートSの先端が通過したときに、分離ローラー133を従動可能な状態で、二点鎖線で示す位置(離間位置)からゆっくりと定着ローラー31に圧接する位置(圧接位置)まで移動させる。
そして、図15(b)に示すように、記録シートSが、分離ニップNsに到達する前までに、分離ローラー133を停止させて、この停止状態の分離ローラー133に記録シートSの先端を当接させ、直ぐに、図15(c)に示すように、分離ローラー133を反転させて、定着ローラー31から記録シートSを分離する。
そして、上記反転動作により記録シートSの弛みがある程度解消することで、分離ローラー133の助けを借りずに、記録シートSの腰のみで上流側に案内可能な状態(以下、「分離後安定状態」という。)となったときに、図15(d)に示すように、分離ローラー133を定着ローラー31から離間させる。
上述した分離ローラー133の反転開始時間、離間開始時間は、いずれも位置P2を記録シートSの先端が通過したときを基準に、試験等を行って、予め決められた時間である。
ここで、離間位置における分離ローラー133と定着ローラー31との接線L3が、分離ローラー133と接する位置をP3とすると、分離後安定状態は、例えば、図15(d)に示すように、記録シートSの先端が、位置P3を通過した状態のことをいう。
なお、駆動源470のようにウォームギヤを用いる構成では、減速比が大きいために動作速度が遅くなるが、分離ローラー133の離間は、双方のローラーが接触しない最小の範囲で行えばよく、よって、移動量も小さいので、動作速度が遅いことに起因する問題は生じない。
(10)上記変形例(8)においては、定着ローラー31の熱膨張に起因する定着ローラー31および分離ローラー133間の押圧力の変化を、できだけ一定に保つように制御したが、定着ローラー31が駆動ローラーとなっている場合、当該定着ローラー31に熱膨張もしくは収縮が生じると、反転動作中の分離ローラー133に対する定着ローラー31の周速比も変化する。
ここで、上記周速比が大きくなると、シート分離性能は大きくなるが、定着ローラー31と分離ローラー133との間の摩擦が大きくなり、定着ローラー31の寿命が短く成り易い。
一方、上記周速比が小さい場合は、その逆の傾向になる。
このような不都合を解消するために、変形例(8)で示した半径推定テーブル340(図13参照)と定着ローラー駆動源40の角速度とに基づいて、定着ローラー31周速を推定し、分離ローラー133の反転動作中における上記周速比が一定になるように、修正すべき分離ローラー駆動源150の回転速度を算出し、当該回転速度を制御しても構わない。
その場合、上記テーブルは、定着ローラー31の半径を示す値の代わりに、分離ローラー駆動源150の角速度が直接示されていてもよい。
(11)また、上記変形例(8)および(10)では、温度変化による定着ローラー31の外径の変化を推定するためにテーブルを用いたが、これに限らず、温度センサー34で検出された定着ローラー31の温度値と定着ローラー31の熱膨張係数とに基づいて、上記外径の変化を推定してもよい。
その場合、記録シートSの通紙に伴い、定着ローラー31の温度が刻一刻と変化するので、温度センサー34は、応答性の良い温度センサーを用いることが望ましい。
このため、定着ローラー31に近接タイプの温度センサーではなく、応答性のよい接触させるタイプの温度センサーを用いてもよい。
このように、定着ローラー31の温度を直接検出することにより、途中で定着ローラー31の温調が入ったとしても、定着ローラー31の外径の変化を推測することができる。
また、図8に示すように、変位センサー263が設けられている構成では、記録シートSが通紙されていない間、定着ローラー31の表面との距離を検出しているので、当該変位センサー263を用いて、定着ローラー31の外径を直接検出してもよい。
もしくは、定着ローラー31の外径を計測する目的で、記録シートSが通過しない位置を検出位置とする変位センサーを別途設けてもよいであろう。
(12)なお、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置をタンデム型カラープリンターに適用した場合の例を説明したが、これに限らず、モノクロ式プリンターに適用してもよく、要するに、加熱回転体とこれを押圧する分離ローラーとが設けられた定着装置を備える画像形成装置一般に適用することができる。
また、上記実施形態および上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
本発明は、加熱回転体とこれを押圧する分離ローラーとが設けられた定着装置を備える画像形成装置に広く適用することができる。
1,200,300 プリンター
6 制御部
7 操作パネル
10 画像形成部
16 光学センサー
30,230 定着部
31 定着ローラー
31a ヒーター
32 加圧ローラー
34 温度センサー
40 定着ローラー駆動源
61 CPU
62 タイマー
63 ROM
64 RAM
65 不揮発性メモリー
66 通信I/F部
70a ねじ歯車
131 支持部材
131b,141a ばね座
131c,131d 突出部
131e 折り曲げ部
132 支軸
133 分離ローラー
133a〜133d 分離サブローラー
134a〜134c クラッチ
135,136 ギヤ
141,440 フレーム
150 分離ローラー駆動源
163 光学センサー
233 はす歯歯車
260 厚み計測部
263 変位センサー
330 押圧力調整機構
331 アクチュエーター
331a ロッド
340 半径推定テーブル
470 駆動源

Claims (12)

  1. 加熱回転体を加圧部材で相対的に押圧して、これらの間に形成された定着ニップに、未定着画像の形成されたシートを通紙して熱定着する定着装置を備える画像形成装置であって、
    前記定着ニップよりもシート搬送方向の下流側において、前記加熱回転体を押圧して分離ニップを形成する分離ローラーと、
    前記分離ローラーを回転駆動させる駆動手段と、
    前記加熱回転体の回転方向に対してトレーリング方向に回転している前記分離ローラーを、シート先端の位置が前記分離ニップから所定の範囲内になると、前記分離ローラーを、前記加熱回転体の回転方向に対してカウンター方向に回転させる反転動作を開始するように前記駆動手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記分離ローラーの前記カウンター方向における周速が、前記加熱回転体の周速よりも大きくなるように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記反転動作を実行するにあたり、シート先端が前記定着ニップを通過してから前記分離ニップに到達する前までに、前記分離ローラーを停止させ、その後所定時間経過後に、前記分離ローラーを前記カウンター方向に回転させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記定着ニップよりもシート搬送方向の下流側であって、かつ、前記分離ニップよりも上流側に配設され、シートの先端が通過したことを検出するシート先端検出部を備え、
    前記反転動作において、前記分離ローラーを停止させるタイミングは、前記シート先端検出部の検出タイミングに基づいて決定されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記駆動手段は、
    前記分離ローラーを駆動する駆動源と、
    前記分離ローラーと前記駆動源との間に介在するクラッチとを有し、
    前記制御手段は、前記クラッチにおける動力伝達を遮断して、前記分離ローラーを前記加熱回転体に従動させることにより、前記トレーリング方向に回転させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記分離ローラーと前記加熱回転体との押圧状態を解除する解除手段を備え、
    前記制御部は、前記分離ローラーを前記カウンター方向に回転させてから所定時間経過後に、前記分離ローラーと前記加熱回転体との押圧状態を解除することを特徴する請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 定着ニップにおけるシートの通紙速度を指標する速度指標値を取得する速度指標値取得手段を備え、
    前記駆動源は、回転速度が変更可能となっており、
    前記制御手段は、取得された速度指標値に応じて、前記加熱回転体の周速に対する前記分離ローラーの前記カウンター方向における周速の比が一定に保たれるように、前記分離ローラーの前記カウンター方向の回転速度を変更することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  8. 前記速度指標値は、前記加熱回転体の温度、前記加熱回転体の外径、シートの厚み、シートのサイズおよび通紙枚数のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記加熱回転体の外径を指標する外径指標値を取得する外径指標値取得手段と、
    前記加熱回転体に前記分離ローラーを弾性力により相対的に付勢する付勢部材とを備え、
    前記制御手段は、取得された外径指標値に応じて、前記付勢部材の付勢力を調整することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記外径指標値は、前記加熱回転体の温度、前記加熱回転体の外径、シートの厚み、シートのサイズおよび通紙枚数のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記定着ニップに通紙されるシートの幅を取得するシート幅取得手段と、
    前記分離ローラーは、それぞれ回転軸が同一直線上に存し、通紙領域に設けられた第1の分離ローラーと非通紙領域に設けられた第2の分離ローラーとからなり、
    前記クラッチは、第1の分離ローラーへの動力伝達を入り切りする第1のクラッチと、第2の分離ローラーへの動力伝達経を入り切りする第2のクラッチとからなり、
    前記制御手段は、定着ニップに通紙されるシートが、通紙領域内で通紙可能な幅の場合には、前記反転動作の対象から第2の分離ローラーを除外することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  12. 前記定着ニップよりもシート搬送方向の下流側であって、かつ、前記分離ニップよりも上流側に配設され、前記シート先端の前記加熱回転体の表面からの浮きを検出するシート浮き検出部を備え、
    前記制御手段は、前記所定時間を、前記浮きが検出されなかったときよりも、前記浮きが検出されたときの方が短くなるようにすることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018146815A (ja) * 2017-03-07 2018-09-20 コニカミノルタ株式会社 定着装置及び画像形成装置

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