JP2014025786A - 目標運動解析方法及び目標運動解析装置 - Google Patents

目標運動解析方法及び目標運動解析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】目標移動体の目標運動パラメータを高精度に求めることができる目標運動解析方法及び目標運動解析装置を提供する。
【解決手段】目標運動解析装置100は、水上を運動する複数の目標移動体から放射される音波を、パッシブセンサ1によって取得し、取得された音波の観測方位と周波数を観測データとして時系列に記憶部102に記憶する。解析処理部203は、記憶部102に格納された時系列の観測データを用いて、入力装置103を介してオペレータが指定した複数の目標の中の少なくとも二つの特定の目標の距離、方位、速度および針路を含む目標運動パラメータを、特定の目標相互の位置関係を規定する制約条件を用いて、それぞれの目標運動パラメータを算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、船舶、航空機等、目標移動体の目標運動パラメータを解析する技術に関する。
センサにより移動する目標(目標移動体)の方位、もしくは目標の方位と目標の放射する音響、電磁波等の周波数とが観測されている状況において、これらの誤差を含んだ情報を用いて、観測によっては直接的に得られない目標までの距離、目標の移動速度、目標の移動方向(針路)等の目標移動体の目標運動パラメータを計算する方法として、最小二乗法を用いた方法が特許文献1に示されている。
特開2005−009954号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、単一の目標移動体を対象としたものであり、二つ以上の目標移動体が、例えば、船団や編隊を組んだグループとして行動している場合であっても、個別の目標移動体毎に解析を行うものである。
そして、センサによって検知された目標移動体の観測データを用いて目標移動体の距離、方位、移動速度及び針路を含む目標運動パラメータを解析するに当たって、目標移動体の距離、移動速度、針路のうちの少なくとも1つの目標運動パラメータについて先験情報に基づいてオペレータ入力を受け付け、オペレータ入力された目標運動パラメータを除く次元縮退した目標状態ベクトルを設定し、設定された次元縮退された目標状態ベクトルを用いて解析処理を行う技術である。
従って、目標移動体の距離、移動速度、針路のうちの少なくとも1つの目標運動パラメータを先験情報に基づいてオペレータ入力するとした場合、又はオペレータ入力された目標運動パラメータに大きな誤差がある場合、目標移動体の距離、移動速度及び針路の目標運動パラメータの内の残りの二つの目標運動パラメータの推定精度が低下したり、オペレータ入力された目標運動パラメータの補正を行う工程を伴うために、精度の高い目標移動体の距離、方位、移動速度及び針路の目標運動パラメータを得るのに時間を要したりする問題があった。
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、目標移動体の目標運動パラメータを高精度に求めることができる目標運動解析方法及び目標運動解析装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る目標運動解析装置は、複数の目標移動体に対する観測データを入力情報とし、複数の目標間の距離に関する制約条件を考慮したものを用いて、目標運動パラメータの最適解を算出する。
本発明によれば、グループを形成する複数の目標移動体は、相互に一定の位置関係を保って行動するのが普通である。その複数の目標移動体間の相対位置の関係、特に相対距離は、先験情報として推定可能なものである。前記制約条件下で複数の目標移動体からの観測データに関連を持たせた最適化問題を解くことにより、当該複数目標の目標運動パラメータを単独で推定するよりも高精度に求めることができる。
本発明によれば、目標移動体の目標運動パラメータを高精度に求めることができる目標運動解析方法及び目標運動解析装置を提供することができる。
本発明に係る目標運動解析装置の機能構造ブロック図である。 目標運動解析装置における目標移動体の目標運動パラメータの説明図である。 一つのグループとして編隊を組んで行動する複数の目標移動体、例えば、艦船の編隊における2隻の艦船の相対位置関係の説明図である。 目標運動解析装置における、例えば、2隻の目標艦船に対する目標運動パラメータ解析計算の全体の流れを示すフローチャートである。 目標運動解析装置の制約条件算出部が行う処理の説明図である。 解析処理部における目標運動パラメータ解析計算の流れを示すフローチャートである。 解析処理部の出力する目標運動パラメータの説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る目標運動解析方法及び目標運動解析装置100について図面を参照して説明する。
本実施形態では、例えば、編隊を組んで航行する水上艦艇を潜水艦が目標移動体として捉える場合を例に、潜水艦に搭載される目標運動解析装置100について説明する。
図1は、本発明に係る目標運動解析装置の機能構造ブロック図である。
図1に示すように目標運動解析装置100には、パッシブセンサ1が検出した信号を処理するセンサ信号処理装置2からの処理結果のデータ(観測データ)、航海センサ5からの信号に基づいて自艦の位置を演算する位置演算部6からの自艦位置情報、水温センサ7が検出した海水温を示す信号等が入力される。
ここで、パッシブセンサ1は、例えば、潜水艦の艦首部に設けられた多数のハイドロフォン(受波器)の球形状に配置されたアレイから構成された艦首部パッシブソナー、潜水艦の艦体の左右両側面に配置された受波器のアレイから構成された艦体側面パッシブソナー、潜水艦の艦首部から艦体の左右両側面に配置された受波器のアレイから構成されたコンフォーマルパッシブソナー、潜水艦の艦尾から繰り出されて曳航される曳航式パッシブソナー(TASS(Towed Array Sonar System))のうちのいずれか一つ又はその組み合わせである。
ちなみに、TASSは、曳航ケーブルに沿って複数個所にハイドロフォンを配置したものであり、ハイドロフォンが曳航ケーブルの周方向に複数個配置されて、音源の方位を検出可能な多局、例えば、4局のものである。
パッシブセンサ1からの信号は、センサ信号処理装置2において処理され、個々の水上艦艇からのものと考えられる音源からの音波を、水平方位角で走査し、同一方位角で周波数スペクトル分布(音紋)が同一のものを1つの目標からの音波信号(音紋)として同定する。各目標の音紋は、例えば、水上艦のエンジン音、スクリュー音が組み合わさったものであり、その目標の水上艦艇の主機関がデーゼルエンジンかガスタービンエンジンかによっても異なり、又、スクリューの回転速度やスクリューの翼の大きさや形状、推進軸が何本かによっても異なり、その特徴から編隊航行をする艦艇の種類の差として判別できる。このようなセンサ信号処理装置2における音紋の分析により、鯨等の発する音声と水上艦艇からの音波を区別して、センサ信号処理装置2の表示装置(図示せず)に、音紋の周波数スペクトルを表示したり、音源の方位角を表示したり、抽出した音紋をヘッドフォンに出力してソナー要員に目標音源を確認させたりすることができるようになっている。
センサ信号処理装置2は、音源の自艦からの方位角(観測方位)を演算するとともに、算出した方位角の誤差(標準偏差)をも算出し、目標運動解析装置100に出力する。また、センサ信号処理装置2は、音源の音紋から、例えば、強度の一番強い周波数を選択してその音源の代表周波数(以下「観測周波数」と称する)として特定し、特定された観測周波数とその観測周波数の算出誤差(標準偏差)も目標運動解析装置100に出力する。
この際、センサ信号処理装置2は、前記したパッシブセンサ1を構成している艦首部パッシブソナー、コンフォーマルパッシブソナー、艦体側面パッシブソナー、曳航式パッシブソナー等のそれぞれからの信号を総合的に組み合わせ評価して、音源の自艦からの方位角(観測方位)を演算するとともに、算出した方位角の誤差(標準偏差)をも算出し、目標運動解析装置100に出力する。また、センサ信号処理装置2は、音源の音紋から、強度の一番強い周波数を選択してその音源の観測周波数として特定し、特定された観測周波数とその観測周波数の算出誤差(標準偏差)も目標運動解析装置100に出力するという精度の高い観測データを出すこともできる。
その他に、センサ信号処理装置2は、艦首部パッシブソナー、コンフォーマルパッシブソナー、艦体側面パッシブソナー、曳航式パッシブソナー等のそれぞれが取得した独自の信号により、音源の自艦からの方位角(観測方位)を演算する。その際に算出した方位角の誤差(標準偏差)をも算出し、目標運動解析装置100に出力する。また、音源の音紋から、強度の一番強い周波数を選択してその音源の観測周波数として特定し、特定された観測周波数とその観測周波数の算出誤差(標準偏差)も目標運動解析装置100に出力する。
艦首部パッシブソナー、コンフォーマルパッシブソナー、艦体側面パッシブソナー、曳航式パッシブソナーのそれぞれごとに、前記した方位角(観測方位)、方位角の誤差(標準偏差)、観測周波数、その観測周波数の算出誤差(標準偏差)を目標運動解析装置100に出力する場合は、センサ信号処理装置2は、艦首部パッシブソナー、コンフォーマルパッシブソナー、艦体側面パッシブソナー、曳航式パッシブソナーの配置されている相対配置の距離から、特定の音紋を有する音源に対し、三角測量の原理で音源の自艦からの方位角と距離とを、誤差は大きいが概算的にセンサ信号処理装置2において算出でき、その算出結果をも目標運動解析装置100に出力するようにしても良い。
ここで、センサ信号処理装置2は、センサ信号処理装置2を操作するオペレータ用の図示しない入力装置、表示装置を有している。目標運動解析装置100を操作するオペレータ席とセンサ信号処理装置2を操作するオペレータ席とは、並列して配置され、センサ信号処理装置2の表示装置と目標運動解析装置100の後記する表示装置104も並列して配置されている。このような配置とすることにより、この2つのセンサ信号処理装置2と目標運動解析装置100のそれぞれのオペレータが並列して座り、オペレータは、互いにコミュニケーションをして共同作業が行える配置であることが好ましい。
航海センサ5は自艦の運動を計測し、位置演算部6に入力する。位置演算部6は、自艦の位置、針路、速度等を算出して自艦運動情報として目標運動解析装置100に出力する。針路とは、自艦の進行方向を、真北(真の北の方位)方向を基準に右回りに角度表示の方向で示したものである。ちなみに、磁気コンパスによる北方向は、地球磁場の各地域での偏差があるので、その偏差データを基に、磁気コンパスの示す真北方位を補正して針路を算出する。
航海センサ5は、例えば、慣性航法装置(INS:Inertial Navigation System)用のジャイロスコープ(ジャイロセンサとも呼ばれる)や、磁気コンパスや、水中での対水速力を検出するログ(速力計)等を含んでおり、それらの信号に基づいて位置演算部6において前記した自艦運動情報が算出される。
なお、位置演算部6が、慣性航法の機能やログによる補正機能を有していても、ログは水に対する相対的速度を示すだけなので、位置演算部6で算出した自艦の位置には、慣性航法の演算誤差、海流による偏流誤差等が蓄積される。したがって、位置演算部6は、図示しないが、自艦(潜水艦)がマストを露頂させた際に、GPS(Global Positioning System)により、自艦の位置、針路等を補正する。
水温センサ7は、海水温を測定するセンサであり、水中音速を推定するために用いられるものである。水温センサ7としては、例えば、温度計、海水の電気抵抗測定プローブ等がある。
ちなみに、水中音速は、海水温度により主に支配されるが、海水の塩分濃度の影響も受ける。
目標運動解析装置100は、演算部であるCPU101、ハードディスク装置や半導体記憶装置等で構成された記憶部102、入力装置103、表示装置104、RAM等を有する計算機で構成されている。
記憶部102には、目標運動解析装置100用の解析プログラム等を格納したプログラム102a、観測データを格納する領域である観測データベース102b、自艦運動情報を格納する領域である自艦運動データベース102c、解析の途中結果をも含めた解析結果を格納する領域である解析結果データベース102d、海域音響特性データベース102eを含んでいる。
ここで、海域音響特性データベース102eとは、音響測定艦が各海域の季節ごとに海水温度データ分布、塩分濃度データ等を測定し、対潜戦闘艦艇(以下、単に「対潜艦艇」と称する)がアクティブソナーを用いて潜水艦の探索をする際に、音波の屈折により潜水艦の探索が可能な対潜艦艇自身からの有効水平方向半径距離のデータ等である。
CPU101は、記憶部102からプログラム102aを読み込んで実行する機能部としての、データ取得部201、制約条件算出部202、解析処理部203、入力制御部205、表示制御部207を含んでいる。
データ取得部201は、センサ信号処理装置2から入力される目標移動体である音源の自艦からの観測方位、観測方位の標準偏差、音源の観測周波数、観測周波数の標準偏差を観測データとして時系列的に取得し、観測データを取得したタイミングにおける時刻情報を付加して記憶部102の観測データベース102bに時系列的に記憶させる。
また、データ取得部201は、位置演算部6から、観測データを取得したタイミングにおける自艦位置、自艦の速度、自艦の針路等のデータを含む自艦運動情報を取得して、時刻情報を付加して記憶部102の自艦運動データベース102cに時系列的に記憶させる。
更に、データ取得部201は、適宜、水温センサ7からの信号を取得して、観測データベース102bに時刻情報を付加して時系列的に記憶させる。
入力制御部205は、入力装置103からの指示に従って、制約条件算出部202における処理や解析処理部203における処理を制御したり、表示制御部207を介して表示装置104に表示させる内容を制御したりする。ちなみに、入力装置103は、キーボードやマウスに限定されるものではなく、表示装置104の表示画面に設けられたタッチパネル等の画面入力装置をも含む。
(制約条件算出部202)
次に、制約条件算出部202におけるオペレータの入力による制約条件算出機能について説明する。
入力制御部205は、検出された複数の目標移動体(船団、艦艇の編隊等)の中からオペレータの先験情報に基づく入力装置103の操作による解析の対象とする自艦にとって現時点で最大脅威の目標である基準目標の選定、基準目標(目標A(目標移動体))に対して所定の距離の間隔を取って編隊行動している僚艦目標(目標B(目標移動体)の選定を受け付ける。この際の先験情報とは、パッシブセンサ1の受信信号をセンサ信号処理装置2で処理した結果に基づいて目標移動体が、対潜艦艇ならば、アクティブソナーを定期的に用いて、潜水艦の存在の有無を確認していることから容易に対潜艦艇であると判断でき、アクティブソナーを用いていない場合は、その音紋から艦隊防空用の艦艇、護衛艦艇により護衛されている船団又は編隊の艦船や船舶等(揚陸艦、航空母艦、輸送船等)であるとの判定ができる。
目標運動解析装置100のオペレータは、目標Aと目標Bとが、先験情報からともに対潜艦艇と判定した場合、入力装置103を操作して制約条件算出部202に目標Bの目標運動パラメータの内の自艦からの最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rmin等の制約条件を算出させる。
制約条件算出部202は、目標A,Bが共に対潜艦艇であるとの先験情報を基に、前記した現在自艦が所在している海域の海域音響特性データベース102eに基づいて、潜水艦の探索が可能な対潜艦艇自身からの有効水平方向半径距離のデータを検索し、目標A,Bは、目標Bの目標運動パラメータに対する最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rmin等の制約条件(図5参照)を算出する。これは、対潜艦艇は、その対潜艦艇が護衛艦艇として護衛している船団や編隊の外周に位置し、潜水艦の探索が可能な対潜艦艇自身からの有効水平方向半径距離が互いに一部オーバーラップさせて、護衛艦艇の警戒網をかいくぐって潜水艦の侵入を許さないように、互いの距離を所定の距離に保つように警戒配置で航行することが通常であるからである。
そして、目標運動解析装置100のオペレータは、例えば、自艦により近い側の対潜艦艇を目標Aとし、その近傍には、自艦からの距離が目標Aよりも遠いが、対潜艦艇の目標Bが存在するとして、目標Bを選択する。自艦により近い側の対潜艦艇である目標Aは、音源の強度が高いことや、概算による三角測量により算出した目標までの距離が近いことから容易に選択できる。
この最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminの定義については、後記する。
なお、目標Aが対潜艦艇で無く、護衛されている艦艇、船舶であり、目標Bが対潜艦艇であるとオペレータが判定した場合や、目標A、B共に対潜艦艇ではないと判定した場合は、潜水艦の探索が可能な対潜艦艇自身からの有効水平方向半径距離のデータを用いず次のように最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminを算出設定する。センサ信号処理装置2の複数の目標のそれぞれの音紋と三角測量の原理による概算の距離、方位による船団又は編隊の陣形から、目標Aを中心とした所定の半径から算出する目標Bの距離に対する最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rmin等の制約条件を設定する。
例えば、複数の目標移動体の編隊が単縦陣型の場合は、比較的接近して先行艦の艦尾が目視できる距離、先行艦からの発光信号を確認可能な距離である。
大規模な艦艇部隊や船団(艦隊)が対空警戒配置で航行している場合は、先頭艦や編隊後備の艦艇は、艦隊防空艦として艦隊の中央に対して相当の距離を置いて配置される。そのような船団や艦隊に対しては、目標運動解析装置100のオペレータは、入力装置103を介して、目標Aに対する警戒配置距離(前衛又は後衛)を設定する。これから、制約条件算出部202は、目標Bに対する目標運動パラメータの最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rmin等の制約条件を算出する。
以下では、目標A、目標Bが共に対潜作戦を行う対潜艦艇である場合を例に説明を行う。
(解析処理部203)
次に解析処理部203について説明する。
解析処理部203は、先ず、目標Aに対して観測データベース102bに蓄積された観測データに、制約条件無しで公知の最小二乗法等の最適化手法を用いて、目標運動パラメータを算出する。解析処理部203で算出された目標運動パラメータは、表示装置104に表示される。
図2は、目標運動解析装置における目標移動体の目標運動パラメータの説明図である。図2において、座標原点には、自艦位置を半円形の符号で示す。縦軸は、方位角で真北をY軸の+符号で示し、横軸は方位角で真東をX軸の+符号で示す。当然、Y軸の−符号は真南を示し、X軸の−符号は真西を示す。
図2中の各記号の意味は次のとおりである。
^R :最新観測時刻tnにおける自艦から目標までの推定距離(図2中、符号“^”
を符号“R”の上に記載して表示)
^By:最新観測時刻tnにおける自艦から見た目標の推定方位角(推定方位)を真北
Yからの時計回り角度で表示(図2中、符号“^”を符号“B”の上に記載して
表示)
^x :最新観測時刻tnにおける自艦を基準とした目標の解析位置のX軸成分(図2
中、符号“^”を符号“x”の上に記載して表示)
^y :最新観測時刻tnにおける自艦を基準とした目標の解析位置のY軸成分(図2
中、符号“^”を符号“y”の上に記載して表示)
^Ct:最新観測時刻tnにおける目標の推定針路(図2中、符号“^”を符号“C”
の上に記載して表示)。真北方向を基準に時計回りの角度で表示。
Mt:最新観測時刻tnにおける目標の推定速度(図2中、符号“^”を符
号“M”の上に記載して表示し、ベクトルであることを下線で表示)
^νx:目標の推定速度ベクトルのX軸成分(図2中、符号“^”を符号“ν”の上に
記載して表示)

^νy:目標の推定速度ベクトルのY軸成分(図2中、符号“^”を符号“ν”の上に
記載して表示)
ちなみに、自艦からの艦首方向を中心にして、時計の文字盤表示で12時の方向を自艦の艦首方向として、目標の方位角や目標の速度ベクトルの方向を示す方法もあるが、潜水艦の場合、例えば、真北をY軸とした海底地形図上に自艦の位置や進路、速度を表示し、その同じ座標系上で目標の水上艦艇等の位置や針路等を表示しないと、目標を追尾している自艦(潜水艦)が座礁する危険があり、ここでは、目標移動体の目標運動パラメータ、自艦からの方位、距離、目標の速度、針路も同じ座標系上で表すとしている。
また、符号“^(ハット)”は、解析結果、又は演算結果を示す記号として示し、後記するように符号“ ̄(オーバーライン)”は、観測データを示す符号として用いる。
そして、解析処理部203は、オペレータが入力装置103を介して選択した目標Bに対して、制約条件算出部202において設定された最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminを用いて、目標Bの目標運動パラメータ(自艦からの距離、方位、速度、針路)を算出する。この目標Bの目標運動パラメータの算出の方法については、図6のフローチャートの説明の中で詳細に説明する。
(全体フローチャート)
次に、図3から図5を参照しながら複数の目標移動体の目標運動パラメータを算出する全体フローチャートについて説明する。
図3は、一つのグループとして編隊を組んで行動する複数の目標移動体、例えば、艦船の編隊における2隻の艦船の相対位置関係の説明図である。符号401を付した目標Aに対し、符号402Aを付した目標Bは、目標Aと一定の位置関係を保持して編隊運動をする。図3では、目標Bは常に目標Aから距離r以内に位置するように運動していることを示している。ちなみに、目標Bは常に目標Aから距離r以内に位置するということは、符号402Aの位置に限定されなく、符号402Bを付した仮想線の位置に目標Bが位置していることもある。
図4は、目標運動解析装置における、例えば、2隻の目標艦船に対する目標運動パラメータ解析計算の全体の流れを示すフローチャートである。
先ず、ステップS501では、解析処理部203が、目標運動解析装置100のオペレータの入力装置103を介した入力操作により、目標Aが選定され、記憶部102の観測データベース102bの目標Aに対応する観測データを読み出して、目標Aに対する目標運動パラメータ(自艦からの目標Aの距離及び方位、並びに目標Aの速度及び針路)の解析値を公知の方法で、解析処理部203において算出する(「目標Aの目標運動パラメータの算出」)。
次に、ステップS502では、目標運動解析装置100のオペレータの入力装置103を介した入力操作により、目標Aの目標運動パラメータの解析値に基づく自艦からの目標Aの位置を基準として、目標Bに対する最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminを算出設定する(「目標Bに対する制約条件算出」)。
ここで、ステップS501,S502が、特許請求の範囲に記載の「目標移動体選択工程」に対応する。最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminは、特許請求の範囲に記載の「該2つの特定目標移動体同士の間の相対位置関係に係る目標相対位置関係データ」に対応する。
図5を参照しながらステップS502における最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminの算出設定方法について詳細に説明する。図5は、目標運動解析装置の制約条件算出部が行う処理の説明図である。符号401を付した解析位置(^xA,^yA)の目標Aに対し、符号402を付した目標Bは、目標Aから一定の距離r内に位置する。
また、自艦を符号703で示してある。符号705を付した解析位置(^xB,^yB)の目標Bは、目標Bに関し制約条件無しで解析処理部203において従来と同様の公知の方法で算出したと想定したものである。符号402を付した目標Bは、目標Bに関し後記するように制約条件を付けて解析処理部203において解析された結果の位置を示している。
制約条件算出部202は、入力装置103から、目標Aに対する基準目標の指定、目標Bの選択指定、目標Aから目標Bまでの相対位置の半径rの入力を受け、解析処理部203から目標Aの解析位置(^xA,^yA)と目標Bの最新の観測方位のデータを取得する。そして、制約条件算出部202は、目標Aの解析位置(^xA,^yA)を中心とする半径rの円706を描き、これと観測方位線707との交点を求める。一般に、交点は2点求まるが、このうち自艦703からの距離が遠い側の交点708までの距離を最大距離制限値Rmax、自艦703からの距離が近い側の交点709までの距離を最小距離制限値Rminとし、解析処理部203へ出力する。
ここで、半径rの円706は、制約条件算出部202が、海域音響特性データベース102eから、自艦(潜水艦)が現在存在する海域における前記した対潜艦艇からの有効水平方向半径距離のデータから容易に得られる。
具体的に図5に従ってより具体的に説明する。自艦703を基準とした目標Aの位置ベクトルを A 、目標Bの最新の観測方位を ̄Bynとする。目標Aの推定位置ベクトル^ A は、次式(1)のように目標Aの推定位置ベクトル^ A のX軸成分^xA、Y軸成分^yAにより表される。
Figure 2014025786
符号401で示した目標Aから観測方位線707に下ろした垂線の長さhは、次式(2)から求まる。
Figure 2014025786
そして、観測方位線707に下ろした垂線の足710から、自艦703までの距離rhを次式(3)から求める。
Figure 2014025786
半径rの円706と観測方位線707との交点708,709それぞれから垂線の足710までの距離kは、次式(4A)により求める。
また、rhとkの関係を用いて、次式(4B),(4C)により最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminを求める。
Figure 2014025786
図4に戻って、ステップS503では、ステップS502において設定した制約条件に従って目標Bに対する目標運動パラメータ(自艦からの目標Bの距離及び方位、並びに目標Aの速度及び針路)を、解析処理部203において算出する(「目標Bの目標運動パラメータの算出」)を算出する。
次に、図6、図7を参照し、適宜、図1を参照しながらステップS503における詳細な処理について説明する。図6は、解析処理部における目標運動パラメータ解析計算の流れを示すフローチャートである。図7は、解析処理部の出力する目標運動パラメータの説明図であり、パッシブセンサ(センサ)1の観測データを用いた目標運動解析の原理を示す図である。
図7に示すようにセンサ信号処理装置2から得られる観測データは、時刻ti(i=1〜n)における音波の到来方位である観測方位 ̄Byi(観測方位情報)と観測周波数 ̄fi(観測周波数情報)、及び観測方位の誤差である標準偏差σByi(図示せず)、観測周波数の誤差である標準偏差σfi(図示せず)である。この間に自艦も符号703Aで示した位置(own1own1)から軌跡704に示すように符号703Bで示した位置(ownnownn)にまで移動している。この自艦の各時刻ti(i=0〜n)の運動軌跡と針路は、前記した記憶部102の自艦運動データベース102cに格納されており、自艦からの相対的な真北Y軸を基準線とした時計回りの角度で示す目標Bの観測方位、 ̄Byiに基づき、目標Bが一定の速度で同一方向に航行を続けていると仮定すれば、解析処理部203において解析による目標Bの推定方位^Byi、推定距離^Rは、容易に算出できる。
また、自艦の目標Bに対する相対速度が変化することで、ドップラー効果により観測周波数 ̄fiが変化する。このことから、自艦の針路と速度を加味することで、目標Bの推定速度^Mt、推定針路^Ctの算出も可能である。
要約すると、目標運動解析装置100は、これら時系列の観測方位情報、周波数情報に基づき、最新観測時刻tnにおける自艦から目標Bまでの推定距離^R、目標Bの推定方位^By、推定速度^Mt、推定針路^Ctから構成される目標Bの状態ベクトル(目標状態ベクトル)^ B を求めるものである(後記する式(8)参照)。
ここで、ベクトルや行列を示す符号には、下線( )を付して、明示する。
そして、目標運動解析装置100では、解析処理部203において、前記した目標Bの状態ベクトル^ B の値から時刻tiの推定方位^Byi、推定周波数(「推定音源周波数」とも称する)^fiを求め、同時刻の目標Bの観測方位 ̄Byi、観測周波数 ̄fiとの差を求める。これを標準偏差σByi、標準偏差σfiで規格化した上で二乗し、観測データ数n個分を合計したものを算出し、更に最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminの制約条件からの目標Bの自艦からの推定距離^Rに基づいて算出される逸脱量gk(^ B (m)),(k=1,2)に応じたペナルティを加算した評価関数Фを計算する。
ここで、推定方位^Byiと観測方位 ̄Byiとの差を標準偏差σByiで規格化した上で二乗し、推定周波数^fiと観測周波数 ̄fiとの差を標準偏差σfiで規格化した上で二乗し、観測データ数n個分を合計したものを算出するとは、次式(5)による。
ここで、解析値を示す符号“^”は、次式(5)では、符号“fi”、符号“Byi”の上に付してある。以下、同様である。
Figure 2014025786
解析処理部203は、繰返し処理によって、評価関数Фがより小さな値となるように目標Bの状態ベクトル^ B 値を更新していき、最終的にФを最小とする目標Bの状態ベクトル^ B を最良推定値として出力する。
以下、図6のフローチャートにしたがって、解析処理部203が、目標Bの状態ベクトル^ B を最良推定値として出力する処理について詳細に説明する。
ステップS601では、観測データベース102bに格納された目標Bの観測データを読み込む。この目標Bの観測データは、目標Aに対する観測データと同じ時間帯のものであっても良いし、目標Aの針路、速力は、状態ベクトルとして既に算出済みであるため、任意の時刻の目標Aの位置を外挿計算で算出しても良い。つまり、目標Bの観測データの取得時刻が目標Aの観測データの取得時刻と食い違っていても、目標Aの状態ベクトルを用いて外挿計算することによって、目標Bの観測データの取得時刻における目標Aの位置を求め、それを基準に前記した制約条件を算出することができる。
目標Bの観測データとしては、パッシブセンサ1を構成する艦首部パッシブソナー、コンフォーマルパッシブソナー、艦体側面パッシブソナー、曳航式パッシブソナー等それぞれからの信号を総合的に組み合わせ評価して、目標Bに対応する音源の自艦からの方位角(観測方位) ̄Byi(式(6)参照)、観測方位の誤差(標準偏差σByi)、観測周波数 ̄fi(式(7)参照)、観測周波数の算出誤差(標準偏差σfi)を含んでいる。
更に、ステップS601では、自艦運動データベース102cから自艦運動情報を読み込む。
Figure 2014025786
ここで、 ̄Byiは、時刻tiにおける観測方位を示し、時刻t1から最新時刻tn(i=1〜n)までの観測方位を示す。Byは、n個の観測方位 ̄Byiを並べたベクトル(観測方位ベクトル)である。
Figure 2014025786
ここで、 ̄fiは、時刻tiにおける観測周波数を示し、時刻t1から最新時刻tn(i=1〜n)までの観測周波数を示す。は、n個の観測周波数 ̄fiを並べたベクトル(観測周波数ベクトル)である。
ステップS602では、目標Bの状態ベクトルの繰り返し計算の推定値の初期値^ B (0)(式(8)参照)を設定する(「状態ベクトル初期値計算」)。ここで初期値^ B (0)、及びその各パラメータ^x(0),^y(0),^νx (0),^νy (0),^f(0)には、最新時刻tnに対応する添字「n」を付すべきであるが、数式表現が複雑になるのでここでは省略する。
Figure 2014025786
式(8)では、初期状態として繰り返しの引数m=0としている。
ステップS603では、解析処理部203は、制約条件算出部202で設定された最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminを読み込む(「設定された制約条件の読み込み」)。
ステップS604では、ステップS603で読み込んだ制約条件に従って、解析処理の制御を行うパラメータであるラグランジュ乗数u、ペナルティ乗数pの初期値を設定する(「ペナルティ乗数初期値設定」)。
ラグランジュ乗数u及びペナルティ乗数pは、繰り返し計算の中で必要に応じて更新設定される。具体的には、最大距離制限値Rmaxに対応して、u1 (s),p1 (s)が設定されるとともに、最小距離制限値Rminに対応してu2 (s),p2 (s)が設定される。
ここで、引数s=0のときのu1 (s),u2 (s),p1 (s),p2 (s)の初期値としては、次式(9)に示すように経験値として設定される。
ここで、制約条件をつけて最適解を得る場合にラグランジュ乗数とペナルティ乗数とを組み合わせて導入する手法は、安定的に制約条件付の最適解を得る方法として公知の技術である。このラグランジュ乗数及びペナルティ乗数は、繰り返し計算によって得られる目標Bの状態ベクトル^ B (m)に対する制約条件である最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminに基づいて、後記する式(18),(19)によって算出される逸脱量gk(^ B (m)),(k=1,2)に対する後記する判定式(32A),(32B),(33)の結果に応じて、後記する式(34)〜(36)により初期値から更新設定される。
Figure 2014025786
ステップS605は、ステップS602で設定した目標Bの状態ベクトルの初期値^ B (0)に対する評価値Φ(0)を計算する。
評価値Φ(m)は、後記する式(23)で示すように、方位情報評価値φBy (m)、周波数情報評価値φf (m)、制約条件である最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminからの逸脱量gk(^ B (m)),(k=1,2)に対するペナルティφg1 (m),φg2 (m)の和として算出される。
以下に、評価値Φ(m)の算出の詳細について説明する。
ここで、次式(10)〜(23)では、繰り返し計算回数の引数mをm=0とせず、mのまま一般化して表示してある。
観測時刻tiにおける自艦から見た目標Bの推定方位^Byi (0)を、目標Bの状態ベクトル^ B (0)の値(^x(0),^y(0),^νx (0),^νy (0))と自艦の時刻ti及び最新時刻tnにおける位置情報である座標(owniowni),(ownnownn)から、次式(10)によって計算する。
Figure 2014025786
ここで、目標Bの推定位置ベクトル^ B (m)(=(^x(m),^y(m)))は、時刻tnにおける自艦位置(ownnownn)を基準にした時刻ti(i=1〜n)における目標Bの相対位置である。式(10)を用いて行なっている計算は、時刻tiにおける目標Bの推定方位^Byi (m)を求めるため、時刻tiにおける自艦位置(owniowni)を基準にした目標Bの相対位置を求めている。そのため、時刻tnにおける目標Bの推定位置ベクトル^ B (m)(=(^x(m),^y(m)))に基づいて、時刻tiから時刻tnまでの目標B及び自艦の移動量を割り戻す計算を行なっている。そして、式(10)で用いられている^νx (m),^νy (m)は、時刻tnにおける目標Bの推定速度ベクトルのX軸成分とY軸成分である。
観測方位ベクトル ̄By(m)と推定方位ベクトル^By (m)の差分に対する評価値φBy (m)を、次式(11)によって計算する。
Figure 2014025786
ここで、推定方位^Byi (m)をn個並べた推定方位ベクトル^By (m)は、次式(12)で定義され、観測方位誤差の標準偏差σByiのi=1〜nの二乗の逆数の対角行列 By は、次式(13)で定義される。
Figure 2014025786
Figure 2014025786
時刻tiにおける目標Bの推定周波数^fi (m)を、目標Bの状態ベクトル^ B (m)の値(^νx (m),^νy (m),^f(m))、推定方位^Byi (m)、自艦の真北を示すY軸から時計回りで示した角度表示の針路 owni、自艦の速度owni及び水中音速Vsから、次式(14)〜(16)によって計算する。
ちなみに、水中音速Vsは、記憶部102の観測データベース102bに記憶された当該海域の海水温度から容易に算出される。
Figure 2014025786
観測周波数 ̄fiと推定周波数^fi (m)の差分に対する評価値φf (m)を、次式(17)によって計算する。
Figure 2014025786
最大距離制限値Rmaxと目標Bの状態ベクトル^ B (m)の距離成分^R(m)との差分量(逸脱量)g1(^ B (m))、最小距離制限値Rminと目標Bの状態ベクトル^ B (m)の距離成分^R(m)との差分量(逸脱量)g2(^ B (m))を式(18),(19),(20)に基づいて計算する。
Figure 2014025786
目標Bの状態ベクトル^ B (m)の距離成分^R(m)と距離制限値(最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rmin)の差分量(逸脱量)gk(^ B (m))に対するペナルティφgk (m)を次式(21),(22)によって計算する。ここで、引数kは、1又は2である。
Figure 2014025786
目標Bの状態ベクトル^ B (m)(繰り返し計算回数m回目の推定値)に対する評価値Φ(m)を、方位情報評価値φBy (m)、周波数情報評価値φf (m)、制約条件である最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminからの逸脱量に対するペナルティφg1 (m),φg2 (m)の和として算出する(式(23)参照)。
Figure 2014025786
ステップS606では、次のステップS607の処理において目標Bの状態ベクトル^ B (m)の更新量算出に用いる、推定方位^Byi (m)の微係数、推定周波数^fi (m)の微係数、及び目標Bの状態ベクトル^ B (m)の距離成分^R(m)の最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminからの逸脱量g1(^ B (m)),g2(^ B (m))に対するペナルティの微係数を計算する(「微係数計算」)。
その詳細を次式(24)〜(27)で詳細に説明する。
自艦からみた目標Bの推定方位^Byi (m)を計算するのに使用した式(10)を、目標Bの状態ベクトル^ B (m)の各要素で偏微分した推定方位^Byi (m)の微係数である微係数行列 (m)を、次式(24)に基づき求める。
Figure 2014025786
次に、自艦からみた推定周波数^fi (m)を計算するのに使用した式(14)を、目標Bの状態ベクトル^ B (m)の各要素で偏微分した推定周波数^fi (m)の微係数である微係数行列 (m)を、次式(25)に基づき求める。
Figure 2014025786
更に、目標Bの状態ベクトル^ B (m)の距離成分^R(m)と、最大距離制限値Rmax及び最小距離制限値Rminとの差分量(逸脱量)g1(^ B (m)),g2(^ B (m))を、目標Bの状態ベクトル^ B (m)の各要素で偏微分した微係数の行列 1 (m) 2 (m)を、次式(26),(27)に基づき求める。
Figure 2014025786
ステップS607では、ステップS605または繰り返し計算の前回のステップS608において目標Bの状態ベクトル^ B (m)に対する評価値Φ(m)(m=0〜繰り返し計算が終了する最後引数)を計算する過程で求めた推定方位^Byi (m)、推定周波数^fi (m)、及びステップS604において設定又は後記するステップS618で更新されたペナルティ乗数と、ステップS606で求めた推定方位^Byi (m)の微係数、推定周波数^fi (m)の微係数、及び目標Bの状態ベクトル^ B (m)の距離成分^R(m)の最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminからの逸脱量に基づいて算出される逸脱量D(m)対するペナルティの微係数とから、次式(28)によって目標Bの状態ベクトル^ B (m)の更新量ΔS B を求める。
Figure 2014025786
ここで、は、単位行列であり、は、目標Bの状態ベクトル^ B の探索状態に応じ更新量ΔS B のスケールを制御するための縮小因子である。
また、式(28)における第1項の逆行列の部分は、2階微分の項に相当し、それに乗じられる第2項の部分は、1階微分の項に相当しており、最適解を得るためのニュートン法を改良したレーベンバーグ・マーカート法(修正ニュートン法)として知られている。
ニュートン法では、繰り返し計算の中で最適解に接近する途中で、突然最適解から遠い解にジャンプする場合があるので、ここでは安定的に最適解を得るため、レーベンバーグ・マーカート法を用いている。
そして、ステップS607では、更に、目標Bの状態ベクトル^ B (m)の更新量ΔS B を用いて仮更新の目標Bの状態ベクトル^ B new (m)を次式(29)に示すように算出する(「状態ベクトル更新量計算」)。
Figure 2014025786
ステップS608では、ステップS607において求めた仮更新の目標Bの状態ベクトル^ B new (m)に対し、ステップS605と同様の処理を行い、評価値Φ(m) newを計算する。
ステップS609では、ステップS608において算出された仮更新の目標Bの状態ベクトル^ B new (m)に対する評価値Φ(m) newを、仮更新前の目標Bの状態ベクトル^ B (m)に対する評価値Φ(m)と比較する。そして、(評価値Φ(m)>(評価値Φ(m) new)か否かを判定する(「(前回Φ)>(今回Φ)?」)。評価値Φ(m)の値が評価値Φ(m) newより大の場合(Yes)は、ステップS610へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS611へ進む。
ステップS609においてYesでステップS610に進むと、縮小因子λをそれまでの0.5倍とし、ステップS612へ進む。
ステップS609においてNoでステップS611に進むと、縮小因子λをそれまでの2倍にして、ステップS607に戻り、ステップS607の状態ベクトル更新量計算を繰り返す。ここで、ステップS610,S611において縮小因子λの値を変更するのは、確実に目標Bの状態ベクトル^ B (m)を最適解に収束させるためであり、縮小因子λの値を最初は大きくし、繰り返し計算の中で、ステップS609でYesの場合は、次々に縮小因子λの値を小さくし、安定的に目標Bの状態ベクトル^ B (m)の最適解を得るようにする。
続いて、ステップS612では、ステップS607において算出した目標Bの状態ベクトル^ B (m)の更新量ΔS B によって目標Bの状態ベクトル^ B (m+1)に更新する(式(30)参照)。
その際に、これに対応する評価値Φ(m) newもΦ(m+1)として解析結果データベース102d(図1参照)に記憶させる(式(31)参照)。
Figure 2014025786
ステップS613では、ステップS607において算出した目標Bの状態ベクトル^ B (m)の更新量ΔS B が予め設定された規定値以下か否かを判定する(「状態ベクトル更新量が規定値以下?」)。更新量ΔS B が規定値以下の場合(Yes)は、ステップS614へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS606へ戻り、再度計算を行う。
ここで、更新量ΔS B が規定値以下か否かの判定は、更新量ΔS B のノルムが予め設定された規定値以下か否かで判定する。
ステップS614では、ステップS612において更新された目標Bの状態ベクトル^ B (m+1)の距離成分^R(m+1)が最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminの制約条件を満足するか否かを判定する(「状態ベクトルが制約条件を満足?」)。目標Bの状態ベクトル^ B (m+1)の距離成分^R(m+1)が、最大距離制限値Rmax以下、最小距離制限値Rmin以上の条件を満足している場合(Yes)は、この繰り返し計算回数の段階の目標Bの状態ベクトル^ B (m+1)を解析処理部203における最適解析値として採用して繰り返し計算を終了する。そして、ステップS501で算出された目標Aの目標運動パラメータ並びに目標Bの状態ベクトル^ B (m+1)のデータ(目標Bの目標運動パラメータ)を、表示制御部207(図1参照)を介して、表示装置104に出力表示する(特許請求の範囲に記載の「目標運動パラメータ出力工程」に対応する)。ここで、繰り返し計算回数m+1は、ステップS613,S614の判定を共に満足したときの繰り返し計算回数mの最後の引数値である。
目標Bの状態ベクトル^ B (m+1)の距離成分^R(m+1)が、最大距離制限値Rmax以下、最小距離制限値Rmin以上の条件を満足していない場合(No)は、ステップS615へ進む。
ステップS615では、ステップS607において更新された目標Bの状態ベクトル^ B (m+1)の距離成分^R(m+1)の制約条件(最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rmin)との差分量(逸脱量)g1(^ B (m+1)),g2(^ B (m+1))を計算する(「制約条件逸脱量計算」)。
この制約条件(最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rmin)との差分量(逸脱量)g1(^ B (m+1)),g2(^ B (m+1))の計算は、式(18),(19),(20)に基づいて、繰り返し計算回数の引数mをm+1に読み替えて行う。次いで、ステップS615では、最大逸脱量gmax、最大逸脱量gmax,k(k=1,2)を、次式(32A),(32B)により計算する。
式(32A)に従って、最大距離制限値Rmaxからの差分量(逸脱量)g1(^ B (m+1))と、ラグランジュ乗数u1 (s)とペナルティ乗数p1 (s)の比(正値)との内の第1の最大値の絶対値、小距離制限値Rminからの差分量(逸脱量)g2(^ B (m+1))と、ラグランジュ乗数u2 (s)とペナルティ乗数p2 (s)の比(正値)との内の第2の最大値の絶対値とを比較し、第1の最大値の絶対値及び第2の最大値の絶対値の内の大きい方の値を逸脱量gmaxとして算出する。最大逸脱量gmax,k (k=1,2)については、式(32B)に従って算出されるが、ほぼ同様であり重複する説明を省略する。
ここで、ラグランジュ乗数u1 (s),u2 (s)、ペナルティ乗数p1 (s),p2 (s)の添字sは、この繰り返し計算回数mにおけるラグランジュ乗数u1 (s),u2 (s)、ペナルティ乗数p1 (s),p2 (s)それぞれの更新回数を示す引数である。
ステップS615で算出された最大逸脱量gmaxの値は、最大逸脱量記録値D(s+1)の候補値して保持される。
Figure 2014025786
そして、ステップS615では、今回の最大逸脱量gmax,k(k=1,2)が、前回の最大逸脱量gmaxの値である最大逸脱量記録値D(s)に所定値βを乗じた結果の値を超えているか否かを次式(33)によって判定する。制約条件を逸脱している場合は、その式番号k(k=1or2)を解析結果データベース102dに記憶させるとともに更新回数sにおいて逸脱していることを示すフラグを解析結果データベース102dに記憶させる。
Figure 2014025786
ここで、D(s)は、前回の更新回数sにおける記憶された最大逸脱量記録値D(s)を意味し、βは逸脱判定許容係数である。逸脱判定許容係数βの値としては、経験値として例えば、0.25の値を用いる。
なお、最大逸脱量記録値D(s)のs=0のときの初期値としては、大きな値である所定の経験値が設定される。
ステップS616では、ステップS615において算出された最大逸脱量記録値の候補値D(s+1)が、前回の最大逸脱量記録値D(s)から減少しているか否かを判定する(「今回逸脱量<前回逸脱量?」)。最大逸脱量記録値の候補値D(s+1)が、前回の最大逸脱量記録値D(s)から減少している場合(Yes)は、最大逸脱量記録値の候補値D(s+1)を正式の最大逸脱量記録値D(s+1)として解析結果データベース102dに記憶させて、ステップS617へ進む。そうでない場合(No)は、前回の最大逸脱量記録値D(s)を今回の最大逸脱量記録値D(s+1)として解析結果データベース102dに記憶させて、ステップS618へ進む。
ステップS617では、ラグランジュ乗数u1 (s+1),を次式(34),(35)に従って更新する(「ラグランジュ乗数更新」)。
Figure 2014025786
ステップS616においてNoでステップS618へ進む場合は、今回の繰り返し計算回数mにおいて使用したラグランジュ乗数uk (s) (k=1,2)の値を、次回の繰り返し計算回数m+1におけるラグランジュ乗数の更新回数の引数(s+1)のラグランジュ乗数uk (s+1) (k=1,2)の値として用いる。
ステップS618では、ステップS615において式(33)の判定により、制約条件を逸脱している式番号k(k=1or2)のペナルティ乗数pk (s)について、次式(36)に従って、ペナルティ乗数pk (s)をpk (s+1)に更新する(「ペナルティ乗数更新」)。ステップS615において式(33)の判定により、制約条件を逸脱していない式番号k(k=1or2)のペナルティ乗数pk (s)については、前回のペナルティ乗数pk (s)の値をそのまま用いてペナルティ乗数pk (s+1)として更新する(「ペナルティ乗数更新」)。
Figure 2014025786
ここで、ペナルティ乗数pk (s) (k=1or2)に乗じられる定数αは、経験的に設定されたペナルティ乗数更新係数である。
ステップS618の後、ステップS606へ戻る。
以上で、一連の目標Bの目標運動パラメータの算出の処理が完了する。
ここで、フローチャートのステップS602,S612が特許請求の範囲に記載の「目標状態ベクトル推定演算工程」に対応し、ステップS605,S608が、特許請求の範囲に記載の「評価値算出工程」に対応し、ステップS609,S613,S614が、特許請求の範囲に記載の「目標状態ベクトル収束判定工程」に対応する。
以上のステップS605〜S618の繰り返し計算を、ステップS613,S614の判定を共に満足するまで繰り返すことにより、目標Bの状態ベクトル^ B (m+1)の距離成分^R(m+1)が最大距離制限値Rmaxと最小距離制限値Rminの間に収まる目標Bの状態ベクトル^ B (m)を精度良く求めることができる。ここで、繰り返し計算回数m+1は、ステップS613,S614の判定を共に満足したときの繰り返し計算回数mの最後の引数値である。
特に、潜水艦による船団や艦隊に対する魚雷襲撃行動においては、船団や艦隊の針路に対して斜め前方位置に占位して、目標の針路と速度と自艦の発射する魚雷の速度(雷速)を考慮して目標の未来位置を予測し、その予測した未来位置に向けて魚雷を発射したとき、その魚雷にとって目標の面積が大きくなる目標の側面(舷側)に突入するように魚雷襲撃行動を行うのが通常である。
そのため、図5に示すように自艦から見ると目標Aの位置に対して、目標Bは目標Aの進行方向の斜め前後に一定の距離をおいて位置することが多いのが普通であり、前記したように目標Aを中心に半径rの円を先験情報に基づいて設定し、最大距離制限値Rmaxと最小距離制限値Rminを設定して、目標Bの状態ベクトル^ B (m)の収束を図ることは、妥当である。
本実施形態によれば、最大脅威の目標である目標Aの目標運動パラメータを目標運動解析装置100により取得した際に、目標Aの近くに潜在的に存在する可能性のある脅威度が目標Aに次いで高い目標Bに対して、目標Aとの相対位置関係情報が正確に把握された状態で目標Bの目標運動パラメータを取得することができる。
その結果、自艦である潜水艦から複数の水上艦艇に対して、例えば、魚雷による襲撃行動を行う場合に、目標Aだけにとらわれることなく目標Bに対しても、魚雷攻撃が行える範囲か否かの判断が容易にでき、魚雷の発射時点において目標A,Bに魚雷が達する時点における未来位置を、複数の発射魚雷に個別に精度良く入力することができる。
現在の魚雷は、少なくとも発射時に入力された未来位置近傍に達した時点で、目標が発する音響を追尾したり、魚雷頭部のアクティブソナーセンサにより目標を追尾したりしていくホーミング式の誘導方式が採用されている。目標A,Bのそれぞれの目標運動パラメータを正確に取得することができるということは、目標A,Bの未来位置近傍に魚雷が達した時点において、目標A向けに発射された魚雷が目標Bを追尾するということや、その逆に目標B向けに発射された魚雷が目標Aを追尾するという個別の目標向けに発射された複数魚雷が、結果的に同一目標を追尾するということを防止できる。
また、図5に示すように目標Bの状態ベクトル^ B (m)を得る際に制約条件をつけないとすると、図5の符号705で示した位置に目標Bが現在あると算出してしまう可能性がある。そのときは、目標B(705)の未来位置に対して魚雷を発射しても、魚雷は目標B(705)の未来位置で目標Bに対して魚雷頭部のセンサが目標Bを捉えることができず、目標を自動追尾できない迷走魚雷となって無駄になってしまう。
また、特許文献1に記載の従来技術では、個別の目標ごとに、目標の距離、速度、針路のうちの少なくとも1つの目標運動パラメータを先験情報に基づいてオペレータ入力するとしているので、オペレータ入力された目標運動パラメータに大きな誤差がある場合、目標移動体の距離、速度及び針路の目標運動パラメータの内の残りの二つの目標運動パラメータの推定精度が低下したり、オペレータ入力された目標運動パラメータの補正を行う工程を伴うために、精度の高い目標移動体の距離、方位、移動速度及び針路の目標運動パラメータを得るのに時間を要したりする問題がある。
本実施形態によれば、複数の目標に対し、短時間に的確な個別目標の未来位置を魚雷に入力し、魚雷を的確に個別の目標に対し最終的な自動追尾誘導状態に投入することができる。
本実施形態は、自艦が潜水艦であり、魚雷により複数の水上艦艇等に対する襲撃行動を行う場合に限定されるものではなく、潜水艦から水中発射できる対艦ミサイルによる複数の水上艦艇等に対する襲撃行動の場合にも、発射時に目標A,Bに対艦ミサイルが達する時点における未来位置を、複数の対艦ミサイルに個別に精度良く入力することができる。対艦ミサイルは、入力された未来位置近傍において、ミサイルの頭部に設けられたシーカー(レーダ等のアクティブセンサの場合もあれば、画像センサ等のパッシブセンサの場合もある)により目標を捕捉して、目標に最終突入するので、発射された複数のミサイルを目標A,Bに対して個別に最終突入させることができる。
本実施形態では、水上艦艇又は船舶である目標Aに対して一定の相対距離をおいて水上艦艇又は船舶である目標Bが存在するとして説明したが、目標Aの目標Bと相対的に反対側に一定の相対距離をおいて目標Cが存在する場合にも、つまり、護衛している船団又は艦隊中央の外周部に対潜艦艇が多数対潜陣形で配置されている場合にも、適用でき、オペレータによって選択される目標の数は二つに限定されたものではない。
ちなみに、自艦にとって脅威の大きい対潜艦艇(目標A、目標B)に対して攻撃を完了後、船団や艦隊の対潜護衛を失った側から、船団又は艦隊の中央部分の船舶や艦艇に対する攻撃に移行しやすいことは当然である。
(他の実施形態)
本実施形態では、潜水艦による水上艦艇を目標とした複数目標移動体の目標運動パラメータを、パッシブソナーを用いて解析する場合を例に説明したがそれに限定されるものではない。例えば、レーダに対してステルス性の高い艦艇において、複数のアンテナ素子で構成されたパッシブレーダ装置(デジタル式逆探装置)で、目標である水上艦の発する電波の方位及び電波のドップラー効果による受信電波の周波数の変化を捉えることにより、音響を用いた場合と同様に複数の目標間の相対位置の距離情報を制約条件として用いることで、より精度の高い目標運動パラメータを算出することができる。
更に、ステルス航空機においてパッシブレーダを用いて目標の編隊を捉え、その複数の航空機を目標として長射程の空対空ミサイルを複数発射するために、複数の航空機目標に対する目標運動パラメータの算出にも適用可能である。
1 パッシブセンサ(センサ)
2 センサ信号処理装置
5 航海センサ
6 位置演算部
7 水温センサ
100 目標運動解析装置
101 CPU
102 記憶部
102a プログラム
102b 観測データベース
102c 自艦運動データベース
102d 解析結果データベース
102e 海域音響特性データベース
103 入力装置
104 表示装置
201 データ取得部
202 制約条件算出部
203 解析処理部
205 入力制御部
207 表示制御部
401 目標A(目標移動体)
402,705 目標B(目標移動体)

Claims (4)

  1. 水上を運動する複数の目標移動体から放射される音波もしくは電磁波の信号を、パッシブセンサによって取得し、該パッシブセンサにより取得された音波もしくは電磁波の信号を観測データとして時系列に格納する記憶部と、
    該記憶部に格納された時系列の前記観測データを用いて前記複数の目標移動体の中のオペレータによって指定された少なくとも二つの特定の目標移動体の距離、方位、速度および針路を含む目標運動パラメータを、前記特定の目標移動体相互の位置関係を規定する情報を用いて、それぞれの目標運動パラメータを算出する解析処理部と、
    を備えることを特徴とする目標運動解析装置。
  2. 前記特定の目標移動体相互の位置関係を規定する情報とは、前記算出される目標運動パラメータのうちの前記距離に対する最大距離制限値及び最小距離制限値の制約条件であることを特徴とする請求項1に記載の目標運動解析装置。
  3. 前記制約条件は、自艦が潜水艦である場合に、該潜水艦の現在位置する海域において、対潜艦艇がアクティブソナーを用いて潜水艦の探索をする際に、音波の屈折により潜水艦の探索が可能な対潜艦艇自身からの有効水平方向半径距離のデータに基づいて算出される前記最大距離制限値及び最小距離制限値であり、
    該有効水平方向半径距離のデータに基づいて前記制約条件を算出設定する制約条件算出部を備えることを特徴とする請求項2に記載の目標運動解析装置。
  4. センサによって取得された目標移動体の観測データを用いて、前記目標移動体の距離、方位、速度および針路を含む目標運動パラメータを解析する目標運動解析方法であって、
    前記目標移動体が複数であり、
    オペレータによって前記複数の目標移動体のうちの少なくとも二つの目標移動体を特定目標移動体としての選択をうける目標移動体選択工程と、
    該2つの特定目標移動体同士の間の相対位置関係に係る目標相対位置関係データと、前記センサによって検知された前記特定目標移動体の時系列の前記観測データと、自身の位置及び針路のデータとを用いて、少なくとも前記特定目標移動体の位置、速度、針路を含む目標状態ベクトルをそれぞれ推定演算する目標状態ベクトル推定演算工程と、
    前記特定目標移動体の新たな観測データと、観測データを取得したタイミングに対応する推定演算された前記目標状態ベクトルとの差分に対する評価値を算出する評価値算出工程と、
    目標状態ベクトル推定演算工程で演算された前記目標状態ベクトルの各要素で偏微分した微係数行列により算出された前記目標状態ベクトルの更新量と、繰り返し計算における前回の前記評価値と今回の前記評価値の差分と、前記目標相対位置関係データに対応して設定された最大距離制限値及び最小距離制限値の制約条件と、に基づいて、前記目標状態ベクトルが収束しておらず前記目標状態ベクトル推定演算工程、前記評価値算出工程を繰り返すか、前記目標状態ベクトルが収束したかを判定する目標状態ベクトル収束判定工程と、
    該目標状態ベクトル収束判定工程において、前記目標状態ベクトルが収束したと判定されたとき、前記2つの特定目標移動体の目標運動パラメータを出力する目標運動パラメータ出力工程と、を含むことを特徴とする目標運動解析方法。
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