JP2014025786A - 目標運動解析方法及び目標運動解析装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】目標運動解析装置100は、水上を運動する複数の目標移動体から放射される音波を、パッシブセンサ1によって取得し、取得された音波の観測方位と周波数を観測データとして時系列に記憶部102に記憶する。解析処理部203は、記憶部102に格納された時系列の観測データを用いて、入力装置103を介してオペレータが指定した複数の目標の中の少なくとも二つの特定の目標の距離、方位、速度および針路を含む目標運動パラメータを、特定の目標相互の位置関係を規定する制約条件を用いて、それぞれの目標運動パラメータを算出する。
【選択図】図1
Description
そして、センサによって検知された目標移動体の観測データを用いて目標移動体の距離、方位、移動速度及び針路を含む目標運動パラメータを解析するに当たって、目標移動体の距離、移動速度、針路のうちの少なくとも1つの目標運動パラメータについて先験情報に基づいてオペレータ入力を受け付け、オペレータ入力された目標運動パラメータを除く次元縮退した目標状態ベクトルを設定し、設定された次元縮退された目標状態ベクトルを用いて解析処理を行う技術である。
本実施形態では、例えば、編隊を組んで航行する水上艦艇を潜水艦が目標移動体として捉える場合を例に、潜水艦に搭載される目標運動解析装置100について説明する。
図1に示すように目標運動解析装置100には、パッシブセンサ1が検出した信号を処理するセンサ信号処理装置2からの処理結果のデータ(観測データ)、航海センサ5からの信号に基づいて自艦の位置を演算する位置演算部6からの自艦位置情報、水温センサ7が検出した海水温を示す信号等が入力される。
航海センサ5は、例えば、慣性航法装置(INS:Inertial Navigation System)用のジャイロスコープ(ジャイロセンサとも呼ばれる)や、磁気コンパスや、水中での対水速力を検出するログ(速力計)等を含んでおり、それらの信号に基づいて位置演算部6において前記した自艦運動情報が算出される。
ちなみに、水中音速は、海水温度により主に支配されるが、海水の塩分濃度の影響も受ける。
記憶部102には、目標運動解析装置100用の解析プログラム等を格納したプログラム102a、観測データを格納する領域である観測データベース102b、自艦運動情報を格納する領域である自艦運動データベース102c、解析の途中結果をも含めた解析結果を格納する領域である解析結果データベース102d、海域音響特性データベース102eを含んでいる。
データ取得部201は、センサ信号処理装置2から入力される目標移動体である音源の自艦からの観測方位、観測方位の標準偏差、音源の観測周波数、観測周波数の標準偏差を観測データとして時系列的に取得し、観測データを取得したタイミングにおける時刻情報を付加して記憶部102の観測データベース102bに時系列的に記憶させる。
更に、データ取得部201は、適宜、水温センサ7からの信号を取得して、観測データベース102bに時刻情報を付加して時系列的に記憶させる。
次に、制約条件算出部202におけるオペレータの入力による制約条件算出機能について説明する。
入力制御部205は、検出された複数の目標移動体(船団、艦艇の編隊等)の中からオペレータの先験情報に基づく入力装置103の操作による解析の対象とする自艦にとって現時点で最大脅威の目標である基準目標の選定、基準目標(目標A(目標移動体))に対して所定の距離の間隔を取って編隊行動している僚艦目標(目標B(目標移動体)の選定を受け付ける。この際の先験情報とは、パッシブセンサ1の受信信号をセンサ信号処理装置2で処理した結果に基づいて目標移動体が、対潜艦艇ならば、アクティブソナーを定期的に用いて、潜水艦の存在の有無を確認していることから容易に対潜艦艇であると判断でき、アクティブソナーを用いていない場合は、その音紋から艦隊防空用の艦艇、護衛艦艇により護衛されている船団又は編隊の艦船や船舶等(揚陸艦、航空母艦、輸送船等)であるとの判定ができる。
この最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminの定義については、後記する。
例えば、複数の目標移動体の編隊が単縦陣型の場合は、比較的接近して先行艦の艦尾が目視できる距離、先行艦からの発光信号を確認可能な距離である。
大規模な艦艇部隊や船団(艦隊)が対空警戒配置で航行している場合は、先頭艦や編隊後備の艦艇は、艦隊防空艦として艦隊の中央に対して相当の距離を置いて配置される。そのような船団や艦隊に対しては、目標運動解析装置100のオペレータは、入力装置103を介して、目標Aに対する警戒配置距離(前衛又は後衛)を設定する。これから、制約条件算出部202は、目標Bに対する目標運動パラメータの最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rmin等の制約条件を算出する。
以下では、目標A、目標Bが共に対潜作戦を行う対潜艦艇である場合を例に説明を行う。
次に解析処理部203について説明する。
解析処理部203は、先ず、目標Aに対して観測データベース102bに蓄積された観測データに、制約条件無しで公知の最小二乗法等の最適化手法を用いて、目標運動パラメータを算出する。解析処理部203で算出された目標運動パラメータは、表示装置104に表示される。
図2は、目標運動解析装置における目標移動体の目標運動パラメータの説明図である。図2において、座標原点には、自艦位置を半円形の符号で示す。縦軸は、方位角で真北をY軸の+符号で示し、横軸は方位角で真東をX軸の+符号で示す。当然、Y軸の−符号は真南を示し、X軸の−符号は真西を示す。
^R :最新観測時刻tnにおける自艦から目標までの推定距離(図2中、符号“^”
を符号“R”の上に記載して表示)
^By:最新観測時刻tnにおける自艦から見た目標の推定方位角(推定方位)を真北
Yからの時計回り角度で表示(図2中、符号“^”を符号“B”の上に記載して
表示)
^x :最新観測時刻tnにおける自艦を基準とした目標の解析位置のX軸成分(図2
中、符号“^”を符号“x”の上に記載して表示)
^y :最新観測時刻tnにおける自艦を基準とした目標の解析位置のY軸成分(図2
中、符号“^”を符号“y”の上に記載して表示)
^Ct:最新観測時刻tnにおける目標の推定針路(図2中、符号“^”を符号“C”
の上に記載して表示)。真北方向を基準に時計回りの角度で表示。
^Mt:最新観測時刻tnにおける目標の推定速度(図2中、符号“^”を符
号“M”の上に記載して表示し、ベクトルであることを下線で表示)
^νx:目標の推定速度ベクトルのX軸成分(図2中、符号“^”を符号“ν”の上に
記載して表示)
^νy:目標の推定速度ベクトルのY軸成分(図2中、符号“^”を符号“ν”の上に
記載して表示)
また、符号“^(ハット)”は、解析結果、又は演算結果を示す記号として示し、後記するように符号“ ̄(オーバーライン)”は、観測データを示す符号として用いる。
次に、図3から図5を参照しながら複数の目標移動体の目標運動パラメータを算出する全体フローチャートについて説明する。
図3は、一つのグループとして編隊を組んで行動する複数の目標移動体、例えば、艦船の編隊における2隻の艦船の相対位置関係の説明図である。符号401を付した目標Aに対し、符号402Aを付した目標Bは、目標Aと一定の位置関係を保持して編隊運動をする。図3では、目標Bは常に目標Aから距離r以内に位置するように運動していることを示している。ちなみに、目標Bは常に目標Aから距離r以内に位置するということは、符号402Aの位置に限定されなく、符号402Bを付した仮想線の位置に目標Bが位置していることもある。
先ず、ステップS501では、解析処理部203が、目標運動解析装置100のオペレータの入力装置103を介した入力操作により、目標Aが選定され、記憶部102の観測データベース102bの目標Aに対応する観測データを読み出して、目標Aに対する目標運動パラメータ(自艦からの目標Aの距離及び方位、並びに目標Aの速度及び針路)の解析値を公知の方法で、解析処理部203において算出する(「目標Aの目標運動パラメータの算出」)。
ここで、ステップS501,S502が、特許請求の範囲に記載の「目標移動体選択工程」に対応する。最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminは、特許請求の範囲に記載の「該2つの特定目標移動体同士の間の相対位置関係に係る目標相対位置関係データ」に対応する。
また、自艦を符号703で示してある。符号705を付した解析位置(^xB,^yB)の目標Bは、目標Bに関し制約条件無しで解析処理部203において従来と同様の公知の方法で算出したと想定したものである。符号402を付した目標Bは、目標Bに関し後記するように制約条件を付けて解析処理部203において解析された結果の位置を示している。
ここで、半径rの円706は、制約条件算出部202が、海域音響特性データベース102eから、自艦(潜水艦)が現在存在する海域における前記した対潜艦艇からの有効水平方向半径距離のデータから容易に得られる。
また、rhとkの関係を用いて、次式(4B),(4C)により最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminを求める。
ここで、ベクトルや行列を示す符号には、下線( )を付して、明示する。
ここで、解析値を示す符号“^”は、次式(5)では、符号“fi”、符号“Byi”の上に付してある。以下、同様である。
以下、図6のフローチャートにしたがって、解析処理部203が、目標Bの状態ベクトル^S B を最良推定値として出力する処理について詳細に説明する。
目標Bの観測データとしては、パッシブセンサ1を構成する艦首部パッシブソナー、コンフォーマルパッシブソナー、艦体側面パッシブソナー、曳航式パッシブソナー等それぞれからの信号を総合的に組み合わせ評価して、目標Bに対応する音源の自艦からの方位角(観測方位) ̄Byi(式(6)参照)、観測方位の誤差(標準偏差σByi)、観測周波数 ̄fi(式(7)参照)、観測周波数の算出誤差(標準偏差σfi)を含んでいる。
更に、ステップS601では、自艦運動データベース102cから自艦運動情報を読み込む。
ステップS604では、ステップS603で読み込んだ制約条件に従って、解析処理の制御を行うパラメータであるラグランジュ乗数u、ペナルティ乗数pの初期値を設定する(「ペナルティ乗数初期値設定」)。
ここで、引数s=0のときのu1 (s),u2 (s),p1 (s),p2 (s)の初期値としては、次式(9)に示すように経験値として設定される。
ここで、制約条件をつけて最適解を得る場合にラグランジュ乗数とペナルティ乗数とを組み合わせて導入する手法は、安定的に制約条件付の最適解を得る方法として公知の技術である。このラグランジュ乗数及びペナルティ乗数は、繰り返し計算によって得られる目標Bの状態ベクトル^S B (m)に対する制約条件である最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminに基づいて、後記する式(18),(19)によって算出される逸脱量gk(^S B (m)),(k=1,2)に対する後記する判定式(32A),(32B),(33)の結果に応じて、後記する式(34)〜(36)により初期値から更新設定される。
評価値Φ(m)は、後記する式(23)で示すように、方位情報評価値φBy (m)、周波数情報評価値φf (m)、制約条件である最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rminからの逸脱量gk(^S B (m)),(k=1,2)に対するペナルティφg1 (m),φg2 (m)の和として算出される。
以下に、評価値Φ(m)の算出の詳細について説明する。
ここで、次式(10)〜(23)では、繰り返し計算回数の引数mをm=0とせず、mのまま一般化して表示してある。
観測時刻tiにおける自艦から見た目標Bの推定方位^Byi (0)を、目標Bの状態ベクトル^S B (0)の値(^x(0),^y(0),^νx (0),^νy (0))と自艦の時刻ti及び最新時刻tnにおける位置情報である座標(ownxi,ownyi),(ownxn,ownyn)から、次式(10)によって計算する。
ちなみに、水中音速Vsは、記憶部102の観測データベース102bに記憶された当該海域の海水温度から容易に算出される。
その詳細を次式(24)〜(27)で詳細に説明する。
ニュートン法では、繰り返し計算の中で最適解に接近する途中で、突然最適解から遠い解にジャンプする場合があるので、ここでは安定的に最適解を得るため、レーベンバーグ・マーカート法を用いている。
そして、ステップS607では、更に、目標Bの状態ベクトル^S B (m)の更新量ΔS B を用いて仮更新の目標Bの状態ベクトル^S B new (m)を次式(29)に示すように算出する(「状態ベクトル更新量計算」)。
ステップS609においてNoでステップS611に進むと、縮小因子λをそれまでの2倍にして、ステップS607に戻り、ステップS607の状態ベクトル更新量計算を繰り返す。ここで、ステップS610,S611において縮小因子λの値を変更するのは、確実に目標Bの状態ベクトル^S B (m)を最適解に収束させるためであり、縮小因子λの値を最初は大きくし、繰り返し計算の中で、ステップS609でYesの場合は、次々に縮小因子λの値を小さくし、安定的に目標Bの状態ベクトル^S B (m)の最適解を得るようにする。
その際に、これに対応する評価値Φ(m) newもΦ(m+1)として解析結果データベース102d(図1参照)に記憶させる(式(31)参照)。
ここで、更新量ΔS B が規定値以下か否かの判定は、更新量ΔS B のノルムが予め設定された規定値以下か否かで判定する。
目標Bの状態ベクトル^S B (m+1)の距離成分^R(m+1)が、最大距離制限値Rmax以下、最小距離制限値Rmin以上の条件を満足していない場合(No)は、ステップS615へ進む。
この制約条件(最大距離制限値Rmax、最小距離制限値Rmin)との差分量(逸脱量)g1(^S B (m+1)),g2(^S B (m+1))の計算は、式(18),(19),(20)に基づいて、繰り返し計算回数の引数mをm+1に読み替えて行う。次いで、ステップS615では、最大逸脱量gmax、最大逸脱量gmax,k(k=1,2)を、次式(32A),(32B)により計算する。
ここで、ラグランジュ乗数u1 (s),u2 (s)、ペナルティ乗数p1 (s),p2 (s)の添字sは、この繰り返し計算回数mにおけるラグランジュ乗数u1 (s),u2 (s)、ペナルティ乗数p1 (s),p2 (s)それぞれの更新回数を示す引数である。
ステップS615で算出された最大逸脱量gmaxの値は、最大逸脱量記録値D(s+1)の候補値して保持される。
なお、最大逸脱量記録値D(s)のs=0のときの初期値としては、大きな値である所定の経験値が設定される。
ステップS618の後、ステップS606へ戻る。
以上で、一連の目標Bの目標運動パラメータの算出の処理が完了する。
ここで、フローチャートのステップS602,S612が特許請求の範囲に記載の「目標状態ベクトル推定演算工程」に対応し、ステップS605,S608が、特許請求の範囲に記載の「評価値算出工程」に対応し、ステップS609,S613,S614が、特許請求の範囲に記載の「目標状態ベクトル収束判定工程」に対応する。
特に、潜水艦による船団や艦隊に対する魚雷襲撃行動においては、船団や艦隊の針路に対して斜め前方位置に占位して、目標の針路と速度と自艦の発射する魚雷の速度(雷速)を考慮して目標の未来位置を予測し、その予測した未来位置に向けて魚雷を発射したとき、その魚雷にとって目標の面積が大きくなる目標の側面(舷側)に突入するように魚雷襲撃行動を行うのが通常である。
そのため、図5に示すように自艦から見ると目標Aの位置に対して、目標Bは目標Aの進行方向の斜め前後に一定の距離をおいて位置することが多いのが普通であり、前記したように目標Aを中心に半径rの円を先験情報に基づいて設定し、最大距離制限値Rmaxと最小距離制限値Rminを設定して、目標Bの状態ベクトル^S B (m)の収束を図ることは、妥当である。
その結果、自艦である潜水艦から複数の水上艦艇に対して、例えば、魚雷による襲撃行動を行う場合に、目標Aだけにとらわれることなく目標Bに対しても、魚雷攻撃が行える範囲か否かの判断が容易にでき、魚雷の発射時点において目標A,Bに魚雷が達する時点における未来位置を、複数の発射魚雷に個別に精度良く入力することができる。
また、図5に示すように目標Bの状態ベクトル^S B (m)を得る際に制約条件をつけないとすると、図5の符号705で示した位置に目標Bが現在あると算出してしまう可能性がある。そのときは、目標B(705)の未来位置に対して魚雷を発射しても、魚雷は目標B(705)の未来位置で目標Bに対して魚雷頭部のセンサが目標Bを捉えることができず、目標を自動追尾できない迷走魚雷となって無駄になってしまう。
本実施形態によれば、複数の目標に対し、短時間に的確な個別目標の未来位置を魚雷に入力し、魚雷を的確に個別の目標に対し最終的な自動追尾誘導状態に投入することができる。
ちなみに、自艦にとって脅威の大きい対潜艦艇(目標A、目標B)に対して攻撃を完了後、船団や艦隊の対潜護衛を失った側から、船団又は艦隊の中央部分の船舶や艦艇に対する攻撃に移行しやすいことは当然である。
本実施形態では、潜水艦による水上艦艇を目標とした複数目標移動体の目標運動パラメータを、パッシブソナーを用いて解析する場合を例に説明したがそれに限定されるものではない。例えば、レーダに対してステルス性の高い艦艇において、複数のアンテナ素子で構成されたパッシブレーダ装置(デジタル式逆探装置)で、目標である水上艦の発する電波の方位及び電波のドップラー効果による受信電波の周波数の変化を捉えることにより、音響を用いた場合と同様に複数の目標間の相対位置の距離情報を制約条件として用いることで、より精度の高い目標運動パラメータを算出することができる。
2 センサ信号処理装置
5 航海センサ
6 位置演算部
7 水温センサ
100 目標運動解析装置
101 CPU
102 記憶部
102a プログラム
102b 観測データベース
102c 自艦運動データベース
102d 解析結果データベース
102e 海域音響特性データベース
103 入力装置
104 表示装置
201 データ取得部
202 制約条件算出部
203 解析処理部
205 入力制御部
207 表示制御部
401 目標A(目標移動体)
402,705 目標B(目標移動体)
Claims (4)
- 水上を運動する複数の目標移動体から放射される音波もしくは電磁波の信号を、パッシブセンサによって取得し、該パッシブセンサにより取得された音波もしくは電磁波の信号を観測データとして時系列に格納する記憶部と、
該記憶部に格納された時系列の前記観測データを用いて前記複数の目標移動体の中のオペレータによって指定された少なくとも二つの特定の目標移動体の距離、方位、速度および針路を含む目標運動パラメータを、前記特定の目標移動体相互の位置関係を規定する情報を用いて、それぞれの目標運動パラメータを算出する解析処理部と、
を備えることを特徴とする目標運動解析装置。 - 前記特定の目標移動体相互の位置関係を規定する情報とは、前記算出される目標運動パラメータのうちの前記距離に対する最大距離制限値及び最小距離制限値の制約条件であることを特徴とする請求項1に記載の目標運動解析装置。
- 前記制約条件は、自艦が潜水艦である場合に、該潜水艦の現在位置する海域において、対潜艦艇がアクティブソナーを用いて潜水艦の探索をする際に、音波の屈折により潜水艦の探索が可能な対潜艦艇自身からの有効水平方向半径距離のデータに基づいて算出される前記最大距離制限値及び最小距離制限値であり、
該有効水平方向半径距離のデータに基づいて前記制約条件を算出設定する制約条件算出部を備えることを特徴とする請求項2に記載の目標運動解析装置。 - センサによって取得された目標移動体の観測データを用いて、前記目標移動体の距離、方位、速度および針路を含む目標運動パラメータを解析する目標運動解析方法であって、
前記目標移動体が複数であり、
オペレータによって前記複数の目標移動体のうちの少なくとも二つの目標移動体を特定目標移動体としての選択をうける目標移動体選択工程と、
該2つの特定目標移動体同士の間の相対位置関係に係る目標相対位置関係データと、前記センサによって検知された前記特定目標移動体の時系列の前記観測データと、自身の位置及び針路のデータとを用いて、少なくとも前記特定目標移動体の位置、速度、針路を含む目標状態ベクトルをそれぞれ推定演算する目標状態ベクトル推定演算工程と、
前記特定目標移動体の新たな観測データと、観測データを取得したタイミングに対応する推定演算された前記目標状態ベクトルとの差分に対する評価値を算出する評価値算出工程と、
目標状態ベクトル推定演算工程で演算された前記目標状態ベクトルの各要素で偏微分した微係数行列により算出された前記目標状態ベクトルの更新量と、繰り返し計算における前回の前記評価値と今回の前記評価値の差分と、前記目標相対位置関係データに対応して設定された最大距離制限値及び最小距離制限値の制約条件と、に基づいて、前記目標状態ベクトルが収束しておらず前記目標状態ベクトル推定演算工程、前記評価値算出工程を繰り返すか、前記目標状態ベクトルが収束したかを判定する目標状態ベクトル収束判定工程と、
該目標状態ベクトル収束判定工程において、前記目標状態ベクトルが収束したと判定されたとき、前記2つの特定目標移動体の目標運動パラメータを出力する目標運動パラメータ出力工程と、を含むことを特徴とする目標運動解析方法。
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