JP2014025472A - 液体循環装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体回路中に複数のポンプを備える液体循環装置において、電動機にて駆動されるポンプが停止している際のそのポンプ内の通水抵抗を低減する。
【解決手段】電動機にて駆動される第2ポンプ6を停止させているとき、すなわち、ステータ40に通電していないときには、マグネット32の磁力によりマグネット32とステータ40とが引き合う力(プリロード)が発生し、ロータ30が吸入口100から遠い位置に移動する。これにより、隙間aが大きくなり、液体が第2ポンプ6内を流れる際の通水抵抗が低減される。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体が循環する液体回路中に複数のポンプを備える液体循環装置に関するものである。
複数のポンプを備える液体循環装置として、特許文献1に示されたものがある。この特許文献1に示された装置は、車両用内燃機関の冷却に用いられるものであって、内燃機関によって常時駆動される主ポンプと、電動機にて駆動される副ポンプとを備えている。
また、副ポンプのインペラの羽根を形状記憶合金製とし、この羽根を他のインペラ構成部品に組み付けて、副ポンプのインペラを構成している。そして、副ポンプ停止時には電気的な加熱装置を用いて副ポンプの羽根を加熱してその羽根の形状を変化させることにより、流路断面における羽根面積の低減による通水抵抗の低減を図っている。
特開平4−43814号公報
しかしながら、従来の液体循環装置は、副ポンプの構成が複雑であり、また、加熱装置を備えるため全体構成も複雑になるという問題があった。
また、副ポンプのインペラにおける羽根が高価な形状記憶合金製であるため、大幅なコスト増加が避けられない。
さらに、形状記憶合金製の多数の羽根を他のインペラ構成部品に組み付けるための工数が多大となる。
さらにまた、加熱装置を備えるため、重量の増加やコスト増加の問題が発生するとともに、加熱装置を作動させる電力が必要になる。
また、多数の部品で副ポンプのインペラを構成することから組み付け公差の積み重ねでアンバランスが発生しやすく、そのアンバランスが原因で、副ポンプのインペラが振動し易いという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、液体回路中に複数のポンプを備える液体循環装置において、電動機にて駆動されるポンプが停止している際のそのポンプ内の通水抵抗を低減しつつ、電動機にて駆動されるポンプの構成の簡素化、および、全体構成の簡素化を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、液体が循環する液体回路(2)と、液体回路中に配置されて液体流れを発生させる第1ポンプ(5)と、液体回路中に配置され、電動機(32、40)にてインペラ(34)を回転させることにより、インペラ軸方向の一端側から液体を吸入しインペラ径方向外側に向かって液体を吐出する第2ポンプ(6)とを備える液体循環装置において、第2ポンプは、通電時に回転磁界を発生するステータ(40)と、ステータが発生する回転磁界により回転駆動されるマグネット(32)およびインペラを一体化したロータ(30)と、ロータを回転自在に且つインペラ軸方向に所定範囲で移動可能に保持するシャフト(20)と、ロータを収容するケーシング(10)とを備え、ケーシングは、インペラに対してインペラ軸方向一端側に位置する吸入口(100)と、インペラに対してインペラ径方向外側に位置する吐出口(101)とを備え、第2ポンプの停止時には、ステータとマグネットとが引き合う力により、ロータが吸入口から遠い第1位置に移動され、第2ポンプの作動時には、吸入口側と吐出口側の圧力差により、ロータが第1位置よりも吸入口に近い第2位置に移動されることを特徴とする。
これによると、第2ポンプの停止時にはロータのインペラが吸入口から遠い位置に移動するため、第2ポンプが停止している際のそのポンプ内の通水抵抗を低減することができる。
また、第2ポンプのインペラは、従来のように羽根と他のインペラ構成部品とに分割する必要がないため、第2ポンプの構成を簡素にすることができ、組み付け工数を低減することができ、さらに、組み付け公差の積み重ねによるアンバランスが発生し難くなって第2ポンプのインペラの振動を防止ないしは抑制することができる。
さらに、従来装置における形状記憶合金製の羽根を加熱する加熱装置は不要であるため、全体構成を簡素にすることができる。
さらにまた、形状記憶合金製の羽根や加熱装置が不要であるため、コストを低減することができるとともに、加熱装置を作動させる電力も不要となる。
また、第2ポンプの作動時にはロータのインペラが吸入口に近い位置に移動するため、インペラとケーシングとの間の漏れ損失が小さくなり、第2ポンプを効率が高い状態で作動させることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る液体循環装置の構成を示す図である。 図1の第2ポンプの停止時の状態を示す正面断面図である。 図1の第2ポンプの作動時の状態を示す正面断面図である。 図3のA部の拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係る液体循環装置における第2ポンプの停止時の状態を示す正面断面図である。 図5の第2ポンプの作動時の状態を示す正面断面図である。 図5のB部の拡大断面図である。 図5の第1側板の斜視図である。 図5の第1側板の下面図である。 図9のC−C断面図である。 本発明の第3実施形態に係る液体循環装置における第2ポンプのロータ単体を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る液体循環装置における第2ポンプの停止時の状態を示す正面断面図である。 図12の第2ポンプの作動時の状態を示す正面断面図である。 本発明の第4実施形態に係る液体循環装置における第2ポンプのロータ単体を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る液体循環装置における第2ポンプの停止時の状態を示す正面断面図である。 図15の第2ポンプの作動時の状態を示す正面断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本実施形態に係る液体循環装置は、車両用内燃機関の冷却および車両の暖房に用いられ、ハイブリッド車や、アイドリングストップを自動的に行う車両に好適である。
図1に示すように、車両走行用の水冷式の内燃機関1は、エンジン冷却水が循環する液体回路2によって、ラジエータ3およびヒータコア4と接続されている。なお、ラジエータ3は、エンジン冷却水と室外空気とを熱交換してエンジン冷却水を冷却するものであり、ヒータコア4は、温度が上昇したエンジン冷却水と室内に吹き出す空調用の空気とを熱交換して空調用の空気を加熱するものである。
液体回路2中には、エンジン冷却水流れを発生させる第1ポンプ5が配置されている。第1ポンプ5は、内燃機関1の作動中は内燃機関1によって常時駆動される。そして、第1ポンプ5の作動により、エンジン冷却水がラジエータ3およびヒータコア4に流れるようになっている。
内燃機関1とヒータコア4とを接続する液体回路2には、電動機によって駆動されてエンジン冷却水流れを発生させる第2ポンプ6が配置されている。そして、第2ポンプ6の作動により、エンジン冷却水がヒータコア4に流れるようになっている。
内燃機関1とラジエータ3とを接続する液体回路2には、エンジン冷却水の温度に応じて内燃機関1から流出したエンジン冷却水の流れを制御するサーモスタット7が配置されている。より詳細には、サーモスタット7は、ラジエータ3を迂回させて流す水量とラジエータ3に流す水量とをエンジン冷却水の温度に応じて調節するようになっており、これによりエンジン冷却水の温度が所定温度範囲に制御される。
図2、図3に示すように、第2ポンプ6は、樹脂製のケーシング10、SUS等の金属材料にて形成されてケーシング10に固定されたシャフト20、シャフト20に回転自在に保持されたロータ30、およびケーシング10に固定されて通電時に回転磁界を発生する円筒状のステータ40を備えている。より詳細には、ステータ40は、巻線部と、磁性体である電磁鉄鋼材等で作られたステータコアとからなる。なお、ロータ30は、後述するインペラ34の軸方向(以下、インペラ軸方向という)に所定範囲で移動可能な状態で、シャフト20に保持されている。
ケーシング10には、エンジン冷却水の入口となる吸入口100、およびエンジン冷却水の出口となる吐出口101が形成されている。より詳細には、吸入口100は、インペラ34に対してインペラ軸方向一端側に位置し、吐出口101は、インペラ34に対してインペラ径方向外側に位置している。
シャフト20は、端部にフランジ部200を備え、フランジ部200のストッパ面200aにロータ30が当接することにより、ロータ30の吸入口100側への移動範囲が規制されるようになっている。
ロータ30は、樹脂または金属にて形成されてシャフト20に回転自在に嵌合された軸受け31、フェライトやネオジム等の磁性体にて形成されてステータ40の内周側に配置された円筒状のマグネット32、軸受け31およびマグネット32を保持する樹脂製の円筒状のホルダ部33、およびホルダ部33と一体成型されたインペラ34を備えている。
そして、通電時にステータ40が発生する回転磁界によりマグネット32が回転駆動され、ひいてはロータ30が回転駆動される。なお、マグネット32とステータ40は、本発明の電動機を構成している。
インペラ34は、回転方向に沿って多数配置された羽根340と、羽根340における吸入口100側を覆う円板状の第1側板341と、羽根340における反吸入口側(すなわち、マグネット32側)を覆う円板状の第2側板342とを備えている。すなわち、インペラ34は、クローズドインペラである。なお、羽根340は、インペラ軸方向(図2、図3の紙面上下方向)に沿って見たときに、湾曲した形状もしくは、直線形状になっている。
そして、インペラ34の回転により、インペラ軸方向の一端側からエンジン冷却水を吸入しインペラ径方向外側に向かってエンジン冷却水を吐出するようになっている。すわち、第2ポンプ6は、遠心型ポンプである。
図4に示すように、インペラ34における吸入口100側の端面である吸入口側端面343と、ケーシング10における吸入口側端面343に対向する面であるインペラ対向面102との間には、隙間aが設けられている。
次に、本実施形態に係る液体循環装置の作動を説明する。
まず、内燃機関1の作動中は、第2ポンプ6を停止させて、第1ポンプ5によりエンジン冷却水をラジエータ3およびヒータコア4に循環させる。
このように、第2ポンプ6を停止させているとき、すなわち、ステータ40に通電していないときには、マグネット32の磁力によりマグネット32とステータ40とが引き合う力(プリロード)が発生し、ロータ30が吸入口100から遠い第1位置に移動して、隙間aが大きくなる。
具体的には、図2に示すように、マグネット32におけるインペラ軸方向の中心部とステータ40におけるインペラ軸方向の中心部とが、インペラ径方向に重なる位置に、ロータ30が移動する。
なお、第2ポンプ6が停止してロータ30が第1位置に移動した状態では、インペラ34における吸入口100側の端部344が、ストッパ面200aよりも反吸入口側に位置するようになっている。
また、第2ポンプ6が停止してロータ30が第1位置に移動した状態では、インペラ34における吸入口100側の端部344が、吐出口101におけるインペラ軸方向の中心部よりも反吸入口側に位置するようになっている。
そして、上記のように第2ポンプ6が停止しているときには隙間aが大きくなるため、エンジン冷却水が第2ポンプ6内を流れる際の通水抵抗が低減される。これにより、ヒータコア4への流量を確保しつつ、第1ポンプ5の動力を低減することができる。
次に、例えばアイドリングストップを自動的に行う車両においては、車速が0となった時から所定時間が経過すると内燃機関1を停止させるため、第1ポンプ5も停止してエンジン冷却水がヒータコア4に循環しなくなり、暖房不良となる。そこで、内燃機関1を停止させる際には第2ポンプ6を作動させ、第2ポンプ6によりエンジン冷却水をヒータコア4に循環させる。
ここで、ステータ40に通電を開始してロータ30が回転駆動されると、インペラ34がエンジン冷却水の流れを発生させ、エンジン冷却水が吸入口100側から吐出口101側に向かって流れる。
このエンジン冷却水の流れにより、インペラ34の前後に圧力差が発生し、吸入口100側の圧力よりも吐出口101側の圧力が高くなる。そして、その圧力差により、ロータ30は第1位置よりも吸入口100に近い第2位置に移動し(図3参照)、より詳細には、ロータ30は軸受け31がシャフト20のストッパ面200aに当接する位置まで移動して、隙間aが小さくなる。
なお、第2ポンプ6が作動を開始してロータ30が第2位置に移動した状態では、インペラ34における吸入口100側の端部344が、ストッパ面200aよりも吸入口100側に位置するようになっている。
また、第2ポンプ6が作動を開始してロータ30が第2位置に移動した状態では、インペラ34における吸入口100側の端部344が、吐出口101におけるインペラ軸方向の中心部よりも吸入口100側に位置するようになっている。
そして、上記のように第2ポンプ6が作動しているときには隙間aが小さくなるため、インペラ34の吸入口側端面343とケーシング10のインペラ対向面102との間の漏れ損失が小さくなり、第2ポンプ6を効率が高い状態で作動させることができる。
本実施形態では、第2ポンプ6の停止時には、ロータ30のインペラ34が吸入口100から遠い位置に移動して隙間aが大きくなるため、第2ポンプ6が停止している際のそのポンプ内の通水抵抗を低減することができる。
また、第2ポンプ6のインペラ34は、従来のように羽根と他のインペラ構成部品とに分割する必要がないため、第2ポンプ6の構成を簡素にすることができ、組み付け工数を低減することができ、さらに、組み付け公差の積み重ねによるアンバランスが発生し難くなって第2ポンプ6のインペラ34の振動を防止ないしは抑制することができる。
さらに、従来装置における形状記憶合金製の羽根を加熱する加熱装置は不要であるため、全体構成を簡素にすることができる。
さらにまた、形状記憶合金製の羽根や加熱装置が不要であるため、コストを低減することができるとともに、加熱装置を作動させる電力も不要となる。
また、第2ポンプ6の作動時には、ロータ30のインペラ34が吸入口に近い位置に移動して隙間aが小さくなるため、インペラ34とケーシング10との間の漏れ損失が小さくなり、第2ポンプ6を効率が高い状態で作動させることができる。
なお、上記第1実施形態においては、インペラ34は、クローズドインペラを用いたが、セミクローズドインペラを用いてもよい。また、セミクローズドインペラとして、インペラ軸方向に沿って見たときに羽根が湾曲した形状になっているターボインペラや、羽根が平板であるストレートインペラを用いることができる。
因みに、クローズドインペラやターボインペラは、ストレートインペラと比較して、ポンプ作動時の効率が高いが、反面、ポンプ停止時に通過する流体とインペラとの接触面積が大きくなるため通水抵抗が大きくなる傾向にある。したがって、本発明は、第2ポンプ6のインペラ34としてクローズドインペラやターボインペラを採用した場合に、第2ポンプ6の停止時の通水抵抗の低減効果が大きい。
(第2実施形態)
本実施形態は、インペラ34の構成が第1実施形態と異なり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図5〜図7に示すように、インペラ34は、羽根340と第2側板342が一体で、第1側板341はそれらとは別体になっている。また、第1側板341は、磁化された磁性粉を混ぜた樹脂よりなる。
羽根340における第1側板341に対向する部位には、第1側板341に向かって突出する円柱または円錐形状の係合突起部340aが設けられている。
図7〜図10に示すように、第1側板341には、係合突起部340aが係合可能な突起部係合穴341aが、周方向に沿って複数(本例では4個)形成されている。また、第1側板341における羽根340に対向する部位には、係合突起部340aが突起部係合穴341aに侵入し易いように、突起部係合穴341aから周方向に沿って延びるガイド溝341bが形成されている。
図7に示すように、ケーシング10は、磁化された磁性粉を混ぜた樹脂よりなり、ケーシング10における第1側板341に対向する部位には、第1側板341に向かって突出する位置決め突起部103が設けられている。この位置決め突起部103により、隙間aの寸法が効率の観点から最適な値になるように、第1側板341の位置決めがなされる。
次に、本実施形態に係る液体循環装置の作動を説明する。
まず、図5、図7に示すように、第2ポンプ6の停止時は、第1側板341は、磁力により位置決め突起部103に当接した状態で保持されている。一方、マグネット32の磁力によりマグネット32とステータ40とが引き合う力(プリロード)が発生し、ロータ30のうち第1側板341を除いた部分が吸入口100から遠い第1位置に移動する。
なお、第2ポンプ6が停止してロータ30のうち第1側板341を除いた部分が第1位置に移動した状態では、羽根340における吸入口100側の端部340bが、ストッパ面200aよりも反吸入口側に位置するようになっている。
また、第2ポンプ6が停止してロータ30のうち第1側板341を除いた部分が第1位置に移動した状態では、羽根340における吸入口100側の端部340bが、吐出口101におけるインペラ軸方向の中心部よりも反吸入口側に位置するようになっている。
そして、上記のように第2ポンプ6が停止しているときには羽根340と第1側板341との間の隙間が大きくなるため、エンジン冷却水が第2ポンプ6内を流れる際の通水抵抗が低減される。
ここで、第1側板341を羽根340と別体にすることにより、通水抵抗の低減効果が大きくなるため、ロータ30のうち第1側板341を除いた部分の移動量を少なくしても、第1実施形態と同等の通水抵抗の低減効果を得ることができる。
そこで、ロータ30のうち第1側板341を除いた部分の移動量を少なく設定することにより、第1実施形態と同等の通水抵抗の低減効果を確保しつつ、第2ポンプ6の全長(図5の紙面上下方向の寸法)を短尺化することができる。
次に、ステータ40に通電を開始すると、ロータ30のうち第1側板341を除いた部分が回転駆動され、エンジン冷却水の流れが発生してインペラ34の前後に圧力差が発生し、その圧力差によりロータ30は第2位置に移動する。
そして、ロータ30が回転しつつ第2位置に向かって移動する際に、係合突起部340aはガイド溝341bに案内されて突起部係合穴341aに嵌り込む。これにより、第1側板341が、他のロータ30の部分と一体になって回転するようになる。
なお、第2ポンプ6が作動を開始してロータ30が第2位置に移動した状態では、羽根340における吸入口100側の端部340bが、ストッパ面200aよりも吸入口100側に位置するようになっている。
また、第2ポンプ6が作動を開始してロータ30が第2位置に移動した状態では、羽根340における吸入口100側の端部340bが、吐出口101におけるインペラ軸方向の中心部よりも吸入口100側に位置するようになっている。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、第2ポンプ6が停止している際のそのポンプ内の通水抵抗を低減することができ、全体構成を簡素にすることができ、コストを低減することができ、加熱装置を作動させる電力を不要にすることができ、第2ポンプ6を効率が高い状態で作動させることができる。
(第3実施形態)
本実施形態は、インペラ34の構成が第1実施形態と異なり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図11〜図13に示すように、インペラ34は、第1側板341を備えていないセミクローズドインペラであり、より詳細には、インペラ軸方向に沿って見たときに羽根340が湾曲した形状になっているターボインペラである。
そして、図12に示すように、第2ポンプ6を停止させているとき、すなわち、ステータ40に通電していないときには、マグネット32の磁力によりマグネット32とステータ40とが引き合う力(プリロード)が発生し、ロータ30が吸入口100から遠い第1位置に移動して、隙間aが大きくなる。
一方、図13に示すように、ステータ40に通電を開始してロータ30が回転駆動されるとインペラ34がエンジン冷却水の流れを発生させ、このエンジン冷却水の流れによりインペラ34の前後に圧力差が発生し、その圧力差により、ロータ30は第1位置よりも吸入口100に近い第2位置に移動し、より詳細には、ロータ30は軸受け31がシャフト20のストッパ面200aに当接する位置まで移動して、隙間aが小さくなる。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、第2ポンプ6が停止している際のそのポンプ内の通水抵抗を低減することができ、全体構成を簡素にすることができ、コストを低減することができ、加熱装置を作動させる電力を不要にすることができ、第2ポンプ6を効率が高い状態で作動させることができる。
(第4実施形態)
本実施形態は、インペラ34の構成が第1実施形態と異なり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図14〜図16に示すように、インペラ34は、第1側板341を備えていないセミクローズドインペラであり、より詳細には、羽根340が平板であるストレートインペラである。
そして、図15に示すように、第2ポンプ6を停止させているとき、すなわち、ステータ40に通電していないときには、マグネット32の磁力によりマグネット32とステータ40とが引き合う力(プリロード)が発生し、ロータ30が吸入口100から遠い第1位置に移動して、隙間aが大きくなる。
一方、図16に示すように、ステータ40に通電を開始してロータ30が回転駆動されるとインペラ34がエンジン冷却水の流れを発生させ、このエンジン冷却水の流れによりインペラ34の前後に圧力差が発生し、その圧力差により、ロータ30は第1位置よりも吸入口100に近い第2位置に移動し、より詳細には、ロータ30は軸受け31がシャフト20のストッパ面200aに当接する位置まで移動して、隙間aが小さくなる。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、第2ポンプ6が停止している際のそのポンプ内の通水抵抗を低減することができ、全体構成を簡素にすることができ、コストを低減することができ、加熱装置を作動させる電力を不要にすることができ、第2ポンプ6を効率が高い状態で作動させることができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態においては、磁性体にて形成された円筒状のマグネット32を用いたが、ホルダ部33の樹脂材に磁化された磁性粉を混ぜてマグネット32を構成してもよい。
また、上記各実施形態では、直列に配置された2つのポンプのうち一方のポンプのみが電動機にて駆動される液体循環装置を示したが、2つのポンプが何れも電動機にて駆動される液体循環装置にも、本発明は適用することができる。
2 液体回路
5 第1ポンプ
6 第2ポンプ
10 ケーシング
20 シャフト
30 ロータ
32 マグネット
34 インペラ
40 ステータ
100 吸入口
101 吐出口

Claims (8)

  1. 液体が循環する液体回路(2)と、
    前記液体回路中に配置されて液体流れを発生させる第1ポンプ(5)と、
    前記液体回路中に配置され、電動機(32、40)にてインペラ(34)を回転させることにより、インペラ軸方向の一端側から液体を吸入しインペラ径方向外側に向かって液体を吐出する第2ポンプ(6)とを備える液体循環装置において、
    前記第2ポンプは、通電時に回転磁界を発生するステータ(40)と、前記ステータが発生する回転磁界により回転駆動されるマグネット(32)および前記インペラを一体化したロータ(30)と、前記ロータを回転自在に且つインペラ軸方向に所定範囲で移動可能に保持するシャフト(20)と、前記ロータを収容するケーシング(10)とを備え、
    前記ケーシングは、前記インペラに対してインペラ軸方向一端側に位置する吸入口(100)と、前記インペラに対してインペラ径方向外側に位置する吐出口(101)とを備え、
    前記第2ポンプの停止時には、前記ステータと前記マグネットとが引き合う力により、前記ロータが前記吸入口から遠い第1位置に移動され、
    前記第2ポンプの作動時には、前記吸入口側と前記吐出口側の圧力差により、前記ロータが前記第1位置よりも前記吸入口に近い第2位置に移動されることを特徴とする液体循環装置。
  2. 前記ロータは、前記シャフトのストッパ面(200a)に当接して前記吸入口側への移動範囲が規制されるように構成され、
    前記第2ポンプの停止時には、前記インペラにおける前記吸入口側の端部(344)が、前記ストッパ面よりも反吸入口側に位置し、
    前記第2ポンプの作動時には、前記インペラにおける前記吸入口側の端部が、前記ストッパ面よりも前記吸入口側に位置することを特徴とする請求項1に記載の液体循環装置。
  3. 前記第2ポンプの停止時には、前記インペラにおける前記吸入口側の端部が、前記吐出口におけるインペラ軸方向の中心部よりも反吸入口側に位置し、
    前記第2ポンプの作動時には、前記インペラにおける前記吸入口側の端部が、前記吐出口におけるインペラ軸方向の中心部よりも前記吸入口側に位置することを特徴とする請求項1に記載の液体循環装置。
  4. 前記インペラは、回転方向に沿って多数配置された羽根(340)と、前記羽根における前記吸入口側を覆う第1側板(341)と、前記羽根における反吸入口側を覆う第2側板(342)とを備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の液体循環装置。
  5. 前記インペラは、回転方向に沿って多数配置された羽根(340)と、前記羽根における反吸入口側を覆う側板(342)とからなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の液体循環装置。
  6. 前記羽根と前記第1側板は分離可能に構成され、
    前記第2ポンプの停止時には、前記インペラのうち前記羽根および前記第2側板が前記第1位置に移動されることを特徴とする請求項4に記載の液体循環装置。
  7. 前記ロータは、前記シャフトのストッパ面に当接して前記吸入口側への移動範囲が規制されるように構成され、
    前記第2ポンプの停止時には、前記羽根における前記吸入口側の端部(340b)が、前記ストッパ面よりも反吸入口側に位置し、
    前記第2ポンプの作動時には、前記羽根における前記吸入口側の端部が、前記ストッパ面よりも前記吸入口側に位置することを特徴とする請求項6に記載の液体循環装置。
  8. 前記第2ポンプの停止時には、前記羽根における前記吸入口側の端部が、前記吐出口におけるインペラ軸方向の中心部よりも反吸入口側に位置し、
    前記第2ポンプの作動時には、前記羽根における前記吸入口側の端部が、前記吐出口におけるインペラ軸方向の中心部よりも前記吸入口側に位置することを特徴とする請求項6に記載の液体循環装置。
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